議案第1号から第4号まで
副議長(藤生通陽君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 社民党・市民連合の中嶋です。通告に従いまして質疑を行います。 現在も欧米を中心に新型コロナウイルス感染症の感染爆発が続いており、我が国の感染者数も首都圏等の大都市圏を中心に急速に増大し、国は七都府県だけではなく、四月十六日には、五月六日までの間、全都道府県に緊急事態宣言を発令しましたが、五月六日までに事態の収束は見込めない状況に至っています。 本県においても、四月二十日に知事は、県内事業者の皆様への休業のお願いを発せられました。 感染拡大が懸念される事態への強い危機感が県民に伝えられたところです。 私たち社民党・市民連合は、県民の声をもとに、県民一丸となって感染を最小限に抑え込み、生活の基盤を守るという観点から、幾つか質疑を行います。 一つ、新型コロナウイルスの対策について話し合う政府の専門家会議は、医療崩壊を防ぐための対策を取るよう求めると同時に、外出やイベントの自粛などについては感染者の発生状況によって三つの段階に分け、それぞれに応じた対応を取るよう求めていましたが、現時点で山口県として、最も重い感染拡大警戒地域段階区分並みの必要な対策等を明確に県民に提示し、あらゆる媒体を通じて県民に向けて行動を変える呼びかけを強めていただきたいと考えますが、御所見をまずお伺いいたします。 二つ、保健所が帰国者・接触者外来を通じて、一元的に相談から感染把握、感染者の措置に当たる対応から、医師会等の協力を得て医療圏ごとに必要数に応じた発熱外来をドライブスルー方式も含め設置し、濃厚接触者等、医師が必要と認めた者のPCR検査を速やかに実施することで、感染確認者の入院治療を要する中・重度の患者と無症状・軽症者の区分を迅速に図る体制を整えていただきたい。 また、全感染者の一元的な管理は引き続き保健所が担うとともに、無症状・軽症者については、家族への感染拡大等の課題が払拭されない自宅療養は行わず、借り上げホテル等への隔離を徹底させ、病床不足の回避に努めるとともに、感染者が子供や要介護者を抱える場合の支援にも取り組んでいただきたいと思います。お考えを伺います。 具体的には、村岡知事は四月二十一日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、感染者を受け入れる病床を四十床から三百二十床に増床確保した、そして、今後も患者数の増加に備え、医療機関との調整を続ける、さらに、軽症・無症状者向けの宿泊施設も検討と表明されました。 この二点について、今回の補正予算にそれぞれどのように反映されているのか、伺います。 特に心配なのは、埼玉県で二十一日に軽症と診断され、自宅で入院を待っていた五十代男性の死亡、また七十代の男性の死亡も二十二日に明るみに出たことです。 厚労省も、家庭内感染が増えていることから、軽症者療養を自宅より宿泊施設優先に転換いたしました。 そこで、民間ホテルなども含めた宿泊療養施設の確保見込みをどのようにお考えか、伺います。 さらに、この宿泊療養については、国の支援で食事・ホテル代等はかからないが、タオルなど日用品の費用は自己負担になっています。この日用品についても国が負担すべきですが、国が行わなければ当面は県が負担すること、つまり、感染症の患者のタオル・寝巻きなどの公費化について検討するお考えはなかったのか、伺います。 三つ、重症者受入れ病院における人工呼吸器や人工呼吸器を装着しても症状が改善しない患者の最後の切り札とも言われる人工心肺装置ECMOの稼働可能台数について関心が集まっていますし、ECMOをめぐっては、機材だけではなく正しく使える人材の確保についても問題視されています。また、県内に感染症移送専用車は何台あるのかも県民の関心事です。 これらの整備・確保について、今回の補正予算に当たりどのように検討されたのか、伺います。 四点目、県内公立病院への聞き取り調査でもサージカルマスク、N95マスク、消毒液、防護服、エプロン、手袋、フェースシールドなど、各病院での不足が出荷規制中のものもあり、深刻化しています。 医療従事者の感染が危惧されるような劣悪な勤務状況を直ちに改善する必要があると考えます。 そこで、医療・介護従事者の感染防止のための防護用具・機材を県が一括して確保し、優先的かつ早急に各医療機関に十分な量を供給することは医療崩壊を招かない観点から重要と考えますが、今回どのように予算措置・対応を検討されたのか、伺います。 また、市町の庁舎などでの感染発生に備え、消毒薬や防護服等の資機材を各県民局に配備していただきたいと思いますが、併せて御所見を伺います。 五つ、新型コロナウイルス感染症に対応している医療従事者に対して、子供の保育園への送迎制限や家族の出勤を会社が拒否するなどの事例もあり、差別や偏見が深刻な状況が全国各地にあります。 また、患者や家族からの不満や暴言を容赦なく浴びせられるなど、ストレスもピークに達した上に、自身が感染することに対する不安や終わりの見えない業務に対して、精神的に追い詰められた状況が生まれています。 医療従事者への差別や偏見をなくすために、啓発活動やメンタルヘルスケアなどの対処について措置が講じられているのか、伺います。 加えて、家族の安全を確保する観点などから、業務終了後も帰宅を自粛し、病院の空きベッドや自家用車で眠る、また、ホテルに自費で宿泊していることも報告されており、その費用についての措置が必要です。併せて御見解を伺います。 六つ目、県立総合医療センターの感染症の予防及び患者に対する医療従事者の防疫等作業手当はごく僅かです。国では、これまで特例として、クルーズ船の新型コロナウイルス感染症に対応した職員には日額四千円から三千円が支給されています。この新型コロナウイルスに関わる国の防疫等作業手当の特例に準拠した手当を大阪府や愛媛県などでは支給方針を打ち出しています。 そこで、この手当の県立総合医療センターへの適用を働きかけるとともに、公立病院の医療従事者や消防救急隊員などに適用されるよう、市町にも通知による助言をすべきと考えますが、御見解を伺います。 七つ目、パンデミックは災害との認識の下、自主的な休業または実質的に休業に近い状況に追い込まれた事業者や従業員に対し、災害救助法による施行令第十条第一項、疾病拡大防止への協力者との位置づけにより休業扶助の対象とできないか検討されたいと考えます。あわせて、医療・介護従事者等が感染等により休業した場合の補償についても、同法の適用による対処を検討いただきたいと考えますが、御見解を伺います。 八つに、学費や学校納入金の補?のために、生徒のアルバイト収入を見込んでいた家庭が当面の生計に苦慮していると聞きます。 そこで、母子父子寡婦福祉資金貸付金についても、新型コロナウイルス感染症の影響による生活困窮に対応するよう配慮していただきたいと考えますが、御見解を伺います。 あわせて、社会福祉協議会が窓口となっている生活福祉資金──緊急小口資金等の特例貸付けのことですが、これの制度の拡充や申請の簡素化、つまり電話による相談や郵送による申請、土曜・日曜日でも対応できるように県として調整することを検討いただきたいと思いますが、御見解を伺います。 なお、厚労大臣は四月三十日から労働金庫でも申請の受付業務を担ってもらうとの発言がありました。北海道労金では、既に二十三日から始められたようですけれども、県として、中国労金への対応は済まされているのか、お伺いいたします。 九つ目に、観光業など業績が急激に悪化した事業者向けに、令和二年度分についても固定資産税減免を行った市町に対し、令和三年度分と同様の減免分の補?が国からされるよう強く要請していただきたいと思いますが、御所見を伺います。 次に、国の緊急経済対策の発動により、市町や商工会議所・商工会等の窓口に相談・申請等が殺到する事態が予想されます。ついては、県内事業者の相談対応に当たる商工会議所・商工会等の団体の経費負担、つまり、社会保険労務士の配置などへの支援を検討されたいと思いますが、御所見を伺います。 十一点目に、県立学校等において、児童生徒や教職員から感染者が出た際には、学校内外で濃厚接触が疑われる方のPCR検査が速やかに行われるよう、学校と保健所の緊密な連携を図っていただきたい。 また、県立学校等の学校再開に当たっては、マスクや消毒液等感染予防に欠かせない資材の確保に取り組むことにも、市町教育委員会との連携により小中学校向けの予防資材の確保にも当たられたいと思いますが、御所見を伺います。 十二点目に、学校の臨時休業の影響により児童生徒の学びの保障が損なわれる懸念があります。退職教員の活用による児童生徒の学習指導や担任教員を中心とした心のケアの充実についても、感染予防を徹底した上で学校のみならず他の公的施設等を活用して、子供に身近な場所での実施に努めていただきたいと思いますが、御所見を伺います。 十三点目に、学生アルバイトの需要縮小によって、当てにしていた収入が見込めなくなった大学生等が少なからず存在します。県内大学等の厚生部門に困り事などの相談窓口を設置し、学生への周知を図ることで実態把握に努めるよう促すとともに、学費納入が滞ることで退学処分に至ることがないように大学等との協議を行っていただきたいと思いますが、御見解を伺います。 十四点目に、コロナの問題で外出自粛、収入減という生活の中で、DVや児童虐待が増加していることが世界的にも言われています。 国会で我が社民党の福島瑞穂参議院議員が、この問題を取り上げ、内閣府男女共同参画局がDV相談体制の拡充をし、SNS相談なども始めています。 自治体でのDV相談についても、内閣府は通知を出して適切な対応を求めています。 また、DV被害者の人も、夫が世帯主、夫のところに住民票があっても、自分が住んでいる自治体で十万円の特別定額給付金を受け取ることができるようになっています。 具体的に、配偶者からの暴力を理由に避難している方の申出の手続が、できれば今日までにやってほしいというような定めがあります。 今回のDV対策について、県としてどのように対処されているのか、お聞かせください。 最後に、感染症対策に関わる県職員の皆さんの多忙化が長期に及んでおり、健康への影響が懸念されます。職場の状況を十分に把握されるとともに、必要な改善を図られるよう強く要請いたしまして、私の質疑といたします。ありがとうございました。(拍手) 副議長(藤生通陽君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)中嶋議員の御質問のうち、私からは、感染患者の受入れ等に係る補正予算への反映についてのお尋ねにお答えします。 県民の命と健康を守るため、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて全力で取り組んでいるところですが、今後、感染が拡大する事態を想定し、患者が大幅に増加した場合にも対応できる医療提供体制を整備することが極めて重要です。 このため、医師会等の協力の下、このたび、感染患者の受入れ病床を四十床から三百二十床に拡充をし、とりわけ重症患者向けの病床については、国が想定する九十四床を上回る百二床を確保したところであり、今後、さらなる拡充を図ることとしています。 こうした医療提供体制を確実なものにするため、補正予算においては、医療機関に対し入院患者の治療等に必要となる人工呼吸器や簡易陰圧装置、防護服などの医療機器等の整備を支援するとともに、病床を確保するための空床料を措置したところです。 また、感染が蔓延した際に、病院において重症患者に対する医療機能を確保できるよう、軽症・無症状の患者の受入先となる宿泊施設について、千室程度の借り上げ料等を予算計上したところです。 私は、県民の命と健康を守ることを第一に、引き続き、医師会等関係機関と連携して、さらなる医療提供体制の充実を図り、新型コロナウイルス感染症対策に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(藤生通陽君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)県民への呼びかけについてのお尋ねにお答えします。 本県では、四月十六日、緊急事態宣言の特定都道府県に指定されたことから、県民に不要不急の外出の自粛を呼びかけるとともに、ホームページやテレビ等のあらゆる媒体を通じて適切な感染防止対策を徹底するよう周知し、県民に行動を変える呼びかけを強化しているところです。 次に、感染拡大防止に向けた取組についてのお尋ねのうち、市町の庁舎などでの感染発生に備えた資機材の各県民局への配備についてのお尋ねにお答えします。 感染発生の際に必要となる資機材については、市町において調達・備蓄することが基本であると考えています。 次に、大学生等に対する支援についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症により家計に影響を受けた大学生等については、各大学等において相談を受け付けるとともに、必要に応じて学費の延納や分納を行うなど、適切に対応されるものと考えています。 副議長(藤生通陽君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)感染者の受入れについての二点のお尋ねにお答えをします。 まず、宿泊療養施設の確保見込みについてですが、県としては、千室程度が確保できるよう予算計上しており、今後、医学的管理体制や生活に係るバス・トイレ等の設備環境など、必要となる基準等を定めた上で、具体的な宿泊施設の選定作業に入ることとしています。 次に、宿泊療養費の日用品の患者負担についてですが、医療機関での入院においても、タオルなどの日用品は自己負担であり、宿泊療養は入院の代替手段として行うものであることから、経費助成については検討していません。 次に、ECMO等の整備・確保についてですが、重症患者に対して高度医療を提供できるよう、専門的人材が確保されている山口大学医学部附属病院に整備するとともに、圏域を越えた円滑な患者輸送に向け、各圏域に移送専用車を配置することとしています。 次に、感染防止のための防護用具・機材等については、基本的対処方針において国が確保することとされており、県としては、国に対し、速やかに医療物資の調達・供給を行うよう、全国知事会等を通じ、引き続き要望してまいります。 次に、医療従事者への支援についてですが、まず、医療従事者への差別偏見については、その解消に向けて、ホームページ等を通じて県民への普及啓発を行うとともに、メンタルヘルスケアについては、関係団体等が開設する専用の相談窓口を紹介をしているところです。 また、お示しの医療従事者のホテル等の利用状況については、まずは医師会等を通じて、その実態について把握していくこととしています。 次に、医療従事者等に対する手当支給についてですが、医療従事者の感染リスクを伴う診療について、このたび新たに診療報酬で手当てされることとなったことから、各医療機関で検討されるべきものであり、県として県立総合医療センターへ働きかけ等を行うことは考えていません。 次に、災害救助法の適用についてですが、豪雨や洪水等の異常な自然現象や、大規模な事故などにより被害が生じた場合に適用されるものであり、新型コロナウイルス感染症に伴う場合は、災害救助法の適用とはなりません。 次に、生活困窮者への対応についてですが、まず、母子父子寡婦福祉資金貸付金については、事業所の休業等により収入が減少した場合の生活資金のほか、修学資金では、授業料等に加え、大学等での生活費も貸付対象となっています。 また、生活福祉資金については、特例措置により申請の簡素化が既に図られており、全国知事会を通じて、さらなる制度の拡充について国に要望しているところです。 なお、労働金庫における申請の受付業務については、本日から郵送による受付が開始されています。 副議長(藤生通陽君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)防疫等作業手当の特例に関する御質問のうち、市町への通知についてのお尋ねにお答えします。 県では、防疫等作業手当の特例について総務省から通知を受け、市町や一部事務組合等へ情報提供をしていますが、これに準拠して手当を支給するかどうかは、あくまでも各市町等において自主的に判断されるべきものであり、県として助言することは考えていません。 次に、令和二年度分の固定資産税の減免に対する補?についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症対策における固定資産税の減免措置について、国は、賦課徴収事務の実態等を踏まえて対象を令和三年度分とし、本年度分は徴収猶予による対応としており、県内市町においても、本年度分の減免を行う意向は示されていないことから、お尋ねの補?を国に要請することは考えていません。 副議長(藤生通陽君)福田商工労働部長。 〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 商工労働部長(福田浩治君)商工会議所・商工会等の相談窓口支援についてのお尋ねにお答えします。 県としては、団体への経費負担は考えていませんが、雇用調整助成金の申請等を支援する社会保険労務士を企業に派遣することとしており、専門家への相談体制の強化により、商工会議所等の負担も軽減すると考えております。 副議長(藤生通陽君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)DV対策についてのお尋ねにお答えします。 本県では、男女共同参画相談センターにおいて、夜間や土日も含め、関係機関と連携しながら、DV被害者への迅速かつ適切な相談対応に努めています。 また、特別定額給付金については、DVを理由に避難している方の申出手続の周知や市町間の連絡調整などに取り組んでいるところです。 副議長(藤生通陽君)繁吉副教育長。 〔副教育長 繁吉健志君登壇〕 副教育長(繁吉健志君)教育に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、学校と保健所の連携についてですが、児童生徒や教職員の感染が判明した場合は、学校で把握できる感染者の情報を保健所に提供するなど、速やかにPCR検査が行われるよう、保健所と緊密な連携を図ることとしています。 また、学校における予防資材の確保については、県立学校においては、国の緊急経済対策を活用し、マスクや消毒液等の必要な資材をさらに購入することとしており、市町立学校においても、円滑に予防資材の確保ができるよう、市町教委と連携しながら対応してまいります。 次に、児童生徒の学習指導や心のケアについてです。 県教委では、未指導分の補充学習や心のケアなどのきめ細かな対応のために、このたびの国事業を活用して、退職教員などを学習指導員として配置し、各学校の取組を支援することとしています。 また、放課後児童クラブ等において、学校や他の施設を活用し、小学校の教員が児童クラブ職員等をサポートしている市町もあり、福祉部局と連携し、感染症拡大防止の措置を徹底した上で、子供の居場所の確保に努めているところです。