1 柳井市をはじめとした県内のまちづくりの推進について 2 柳井地域の道路整備の推進について 3 県産花きの振興について 4 若者や女性など新たな農業従事者の確保について 5 子育て世代が安心して受診できる小児医療体制の確保について 6 災害時における難病患者の支援について 7 その他
議長(柳居俊学君)有近眞知子さん。 〔有近眞知子さん登壇〕(拍手) 有近眞知子さん 皆様、おはようございます。自由民主党会派の有近眞知子です。 おかげさまで、県議になって一年がたちましたが、私が今強く感じているのが、思いを形にすることの難しさです。地域には様々な課題と思いがあり、私自身にも思いがあります。その中で、山口県の未来のために最もよい道を進んでいかなければなりません。県政を批判するのは簡単でも、実際に県全体の諸般の事情を総合的に勘案して、具体的に政策を立案、実現することは難しいなとつくづく感じております。 自分一人の力でできることは限られていますが、山口県をよくしたいという共通の目的に向かって、意見の違いを超えて一つにまとまり、県議会に与えられた役割をしっかりと果たしていけるようになりたいと考えております。 さて、先日、将来に希望を感じられるうれしいニュースがありました。島田川工業用水道建設事業がこのたび完了し、七月下旬から給水が開始されることになりました。私が政治の道を志す原点となった山本前知事が、山口県の未来を思い、まさに人生をかけて取り組まれた、産業戦略の一丁目一番地とも言える瀬戸内産業の再生・強化の中にあって、いち早く具体的な成果に結びついたものです。 光市の島田川の水源を工業用水に転用し、水不足が慢性化している周南地区の新たな工業用水を確保しようとするこの事業は、光市と周南市にまたがる事業であるため広域的な調整が必要であり、また国との綿密な調整も必要であったことから、まさに県だからこそなし得た画期的なプロジェクトであると思います。 今は、本事業の完了が周南地域の工業用水の安定供給、ひいては本県の産業力の強化につながっていくことを強く強く願うばかりです。県執行部には改めて、強い産業力なくして、明日の地域の活力は生まれないとの信念の下、産業戦略の取組を協力に推進していただきますようお願い申し上げます。 それでは、通告に従って質問させていただきます。 まず、柳井市をはじめとした県内のまちづくりの推進についてです。 私は、人口減少・高齢化、市街地の空洞化が進む中、地域の活力を維持するとともに、医療、福祉、商業等の生活機能を確保し、地域公共交通と連携して、まちづくりを進めることが重要であると考えています。 柳井市では、JR柳井駅周辺の工場跡地に広がる遊休地を活用したまちづくりを進めるため、平成二十五年にコンパクトなまちづくりモデル事業のモデル地区の決定を受け、その実現に向けて様々な取組を進めてきました。 こうした中、本年六月、この工場跡地には、県と市の誘致活動が実を結び、周南市の企業が半導体向けの先端材料を開発・製造する工場の進出を決定し、引き続き企業が生産活動の拠点として利用されることとなりました。 この企業の進出は、柳井市にとって久しぶりの明るいニュースで、地域の雇用創出や経済発展等に大きく貢献するものと期待する一方で、柳井市がこれまで取り組んできたコンパクトなまちづくりのともしびが、ここで消えるのではないかと強い懸念を抱きました。 柳井市は、柳井駅を中心とした中心市街地で、駅北に文教・観光・居住ゾーン、駅南に商業・行政ゾーンが形成されるなど、様々な都市機能がコンパクトに集積しており、まちづくりを進める上で好適な都市構造を形成しています。 しかしながら、柳井市の中心市街地においては、県内の各都市で中心市街地の空洞化の問題が深刻化しているように、各種施設の郊外移転、大型店の郊外展開等により空き店舗の発生など、いわゆる空洞化が進行し、その活性化対策は早急に取り組むべき重要な課題となっています。 私は、中心市街地活性化施策を推進するため、柳井駅周辺の空き地や空き家、空きビル等の既存施設を有効活用しながら、幼児・児童等の教育施設や高齢者の介護・福祉施設、障害者の就労支援施設等の再配置を行い、そこに鉄道やバス等の地域交通と連携して郊外から住民を呼び込むなど、多様な世代が集うにぎわいのあるまちづくりの実現に向けた取組を計画的に進める必要があると考えています。 こうしたまちづくりの取組を進めるためには、地域の実情に精通している市町や市民等が主体となって各種施策を展開していくべきと考えますが、地域交通や都市再生、中心市街地活性化等のまちづくりに関するノウハウや、様々な国の支援策に精通する県の積極的なサポートが必須であると考えています。 子供から高齢者など、全ての住民が活力に満ちて安心して暮らせるよう、柳井市をはじめとした市町や市民等が行うまちづくりに対して、県として、これまで培った経験を生かし、ハード・ソフト両面にわたり、今後どのように支援していくのか伺います。 次に、柳井地域の道路整備の推進についてお尋ねします。 私は、柳井地域は、柳井市をはじめ、岩国市や周防大島町、上関町、田布施町、平生町の二市四町が、それぞれの地域の持つ多様な強みや潜在力を十分に生かして、力強く連携しながら生活経済圏を構築し、地域交流の活性化や産業の振興、交流人口の拡大等を図っていくことが重要であると考えています。 しかしながら、その基盤となる道路は、半島・島嶼部特有の平たん地が少なく複雑な地形のため、岩国錦帯橋空港、玖珂インターチェンジ等の高速交通拠点へのアクセス道路の整備が大きく遅れ、また、地域内の幹線道路では、幅員が狭く、車同士の離合が困難な箇所や、歩道が未整備で歩行者等が不安を抱きながら通行している箇所が存在するなど、整備が急がれている箇所が数多くあります。 こうした中、先日、柳居議長をはじめ、国本議員、関係市町の首長、地元商工会議所等の皆様とともに、東部高速交通体系整備促進協議会として県への要望活動をさせていただきました。村岡知事からは、柳井地域の道路整備の推進に対して力強いお言葉を頂いたところですが、今回、一般質問の機会を頂きましたので、改めて、現在、柳井地域で進められている三つの道路整備について質問させていただきます。 一点目は、国道百八十八号についてです。 本年四月、柳井市南町から平生町宇佐木間の延長二・二キロメートルが柳井・平生バイパスとして新規事業化されました。地域の悲願であるこの道路の事業化は、執行部、県議会、地元関係者が一丸となって粘り強く訴えてきた結果であると考えており、柳井地域の県議会議員として、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。 このバイパスの整備により、渋滞の緩和や救急医療機関へのアクセス向上、物流の効率化、交通安全の確保等が図られることから、全線の早期完成を目指して事業を推進していく必要があります。 二点目は、柳井玖珂間を結ぶ道路の高規格化についてです。 高速交通拠点への重要なアクセスルートとなることから、実現に向けた検討を進めるとともに、急峻な峠区間では事故が多発している上、市街地内でも大型バスやトラックの通行に支障がある箇所があることなどから、早急に対策を講じる必要があります。 三点目は、県道柳井上関線伊保庄バイパスについてです。 住民生活や経済活動のみならず、国立病院機構柳井医療センターや周東総合病院への救急患者の搬送等の重要な役割を果たしていることから、段階的な開通を行うなど、早期事業効果の発現に向けて整備を推進していく必要があります。 そこでお尋ねします。柳井地域の発展のためには、道路ネットワークの充実強化が喫緊の課題であると考えますが、これら三路線の道路整備について、現在、どのような状況にあるのか、また、今後どのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いします。 次に、県産花卉の振興についてお尋ねします。 柳井市を中心とした本県東部の瀬戸内地域は、日照時間が長く、冬も温暖であるため、花の栽培に適しており、本県有数の花卉生産拠点になっています。しかしながら、二十年ほど前から全国的に花の需要が減り始め、また、最近では輸入花卉の品質も向上したことから、以前ほどの価格が維持できなくなるなど、生産農家にとって厳しい状況が続いています。 さらに、コロナウイルス感染症拡大に伴って、イベントや冠婚葬祭の自粛等により、三月以降、県産花卉の需要が大きく低下し、生産者はもちろん、花市場や生花店など、花を扱う多くの方々はかつてない苦しい状況に陥っています。 花は、ストレスの多い現代において、人々の心に潤いを与え、生活の豊かさを生み出すという点では生活必需品であり、私は従前から、花を日常品として捉えていただけるような取組を進めていくことが大切だと考えてきました。 コロナウイルス感染症拡大防止に官民挙げての取組が求められる今だからこそ、花の魅力をしっかりと伝えていかなければなりません。 そして、今日は、私自身も県産花卉の魅力を県民の皆様にお伝えし、少しでも需要の拡大につなげたいとの思いから、県産のお花を使用したコサージュをつけて登壇させていただいております。 さて、こうした状況の中、県においては、子供たちが花に触れる機会の創出と県産花卉の魅力のPRを目的として、五月十九日から、山口県花卉園芸推進協議会や花キューピット山口県支部の皆さんと連携し、旬を迎えている県オリジナルユリやリンドウなどの県産花卉を使ったフラワーアレンジメントを、県内の保育園や認定こども園、幼稚園で過ごす子供たちに届けられました。 私の子供がお世話になっている保育園にもこのアレンジメントが届いており、子供たちはもちろん、行動が制限された中で子供たちを見守ってくださる職員の方々、そして毎日送り迎えをする保護者の方からも感激の言葉が寄せられたようです。 こうした取組は、次の世代の主役となる子供たちが花に親しむ大きなきっかけとなると思いますので、ぜひ継続していただきたいと願っております。 一方、施設維持や光熱費など多額の経費を要する高コスト型の花卉生産を持続していくためには、ここ数か月の売上げの低下は大きな障害となっており、本県農業の大きな柱の一つである花卉振興を進めていくためにも、コロナウイルス感染症の影響を受けた生産者に寄り添った対応が必要と考えています。 そこでお尋ねします。コロナウイルス感染症の影響を受けた県内の花卉生産者が、これからも安心して生産に取り組むことができるよう、県としてどのような支援を展開していかれるのか、また、コロナウイルス感染症拡大に伴って低下した県産花卉の需要を高めていくため、今後どのような取組を進めていかれるのか、併せて御所見をお伺いします。 次に、若者や女性など新たな農業従事者の確保についてお尋ねします。 私は現在、柳井市で子育てや仕事を頑張っている女性と月に一度、意見交換会をしています。その中には、農業を頑張っている女性も数多くおられ、夫婦で都会から脱サラして移住し、後継者のいない農家の施設、ノウハウを受け継いで、初期費用を抑えて農業を始めた方もいます。農家とのマッチングや住まいの提供については、地元やJAの協力があったほか、軌道に乗るまでの支援金制度も利用されたと聞いています。 この方は、ベテラン農家のように早起きなどはできないけれども、田舎で生活していくには十分な、ある程度の収入が得られ、働き過ぎて疲れていたサラリーマン時代に比べ、時間や心に余裕があるとおっしゃっており、自然豊かな田舎で子供を育てられる暮らしを手に入れた幸せを実感されておられます。 私は、同じ子育て世代の母親として、彼女たちの思いに共感する一方で、この方のようにうまくマッチングが行われることはまれであり、子育て世代の移住就農希望者をしっかり受け入れるためには、行政と地域が連携した支援体制が重要だと考えています。 全国農業会議所が平成二十八年度に実施した新規就農者の就農実態に関する調査によれば、親元就農ではない、地域外からの新規就農時に経営資源の確保で苦労した点として、農地の確保、資金の確保、営農技術の習得、住宅の確保の四つが上位に上がっています。このうち農地の確保と住宅の確保については、事前の準備を進めていても、個人では解決できない難しい問題だと捉えています。 一方で、高齢を理由に離農を余儀なくされ、これまで守ってこられた農地や経営資源を誰かに活用してほしいという思いを持っておられる生産者が増えているとも聞いています。 こうした背景を考えれば、担い手不足で困っている農村地域と、都会から移住して農家を始めたい子育て世代の御夫婦をうまくマッチングさせることが、若者や女性など新たな農業従事者を増やすことにつながるのではないでしょうか。そして、都会在住で就農を希望する子育て世代の御夫婦に対し、具体的な成功例を伝えることで、本県での就農を検討する方が増えることにもなると考えています。 そこでお尋ねします。県では、子育て世代の若者や女性の新規就農に向け、離農される農業者の施設や農地、住居の提供などについて、どのようにマッチングを行い、新規就農者の確保につなげていこうとされているのか、御所見をお伺いします。 次に、子育て世代が安心して受診できる小児医療体制の確保についてです。 私は先日、一歳九か月になった娘の健診で、柳井市で唯一の小児科開業医の診療所にお伺いしました。その診療所では、時間や場所による患者の分離、院内の消毒の徹底など、万全の感染予防対策が行われており、安心して受診させていただきました。 ただ、今までなら混み合う待合室もすいており、待ち時間ゼロで診察室に通されましたので、医師の先生に理由をお尋ねしたところ、新型コロナウイルス感染症に伴う学校の休業や外出自粛で受診を控える家庭が増え、その傾向が緊急事態宣言解除後も続いているとのことでした。 全国的にも、先月、新型コロナウイルスの感染拡大で医療機関の経営がどの程度影響を受けているか日本医師会が調査したところ、今年四月の外来診療の患者による保険収入は、去年の同じ時期と比べて、病院では五%、診療所では一七%減となっており、特に診療所の小児科の保険収入は四割近く減と、まさに受診控え、小児科離れとも呼べる状況が生じています。 医療機関に診療報酬が入るのは申請から二か月後ですので、患者の落ち込みが激しくなった四月の影響は、二か月後の六月から出てきます。現在の状況が続けば資金繰りも厳しくなり、小児医療が担う医療機関の廃業や休止も起きかねません。小児科が身近な地域からなくなれば、地域で安心して子供を育てていくことも難しくなります。 子供の健康を守り、再度の感染拡大に備えるためにも、子育て世代が安心して小児科を受診できるよう、また、身近な医療機関が引き続き地域の小児医療を担っていけるよう、県として、医療機関における感染症防止対策や人員の確保、経営面を含めた幅広い支援を行う必要があるのではないでしょうか。 そこでお尋ねします。子育て世代が安心して受診できる小児医療体制の確保に向け、県としてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、災害時における難病患者の支援についてお尋ねします。 昨年、甚大な被害をもたらした台風十九号をはじめ、全国規模で大雨災害が相次いでいます。もはや災害は、いつでも、どこでも、誰にでも起こるものとして対策すべき段階にあると言えます。 災害対策においては、平時から万全の避難支援体制を構築することが重要です。それは、住民一人一人が主体的に避難行動を取り、いざとなれば近隣の住民同士が助け合って避難する自助・共助が基本となっています。 しかし、難病患者は健常者と異なり、自助や共助では十分な避難行動を取ることが困難です。患者の中には、運動麻痺や関節の運動障害などから自力での避難が難しい方や、避難できず停電の不安の中、在宅で人工呼吸器等を作動させ続けることを余儀なくされる方もおられ、医療的な知見に乏しい中での自助や共助による避難や介助には限界があります。 特に、いまだ終息の見えない新型コロナウイルス感染症は、人工呼吸器や経管栄養等の医療的ケアを要する難病患者において、基礎疾患や様々な合併症により重症化しやすい傾向にあるとの厚生労働省の見解もあるなど、その安全な避難をより困難なものとしています。 このため、私は、難病患者に対しては、自助・共助を基本とした通常の対策だけでなく、その特殊性を踏まえた特別の支援が必要だと強く感じています。 国の避難行動支援に関する取組指針では、市町村に対し、自ら避難することが困難で、特に支援を要する避難行動要支援者の名簿の作成を義務づけ、要支援者がその個別事情に応じて適切に避難行動を取れるよう、患者や自主防災組織等の避難支援関係者と連携した個別計画の策定を求めています。 県内には、要支援者として難病患者を明示していない市町もあり、難病患者を漏れなく把握できているのか疑問ですし、個別計画も実際の避難行動を患者や避難支援関係者に委ねている状況です。そして、防災対策の基本である市町や県の地域防災計画にも、難病患者の特殊性に配慮した避難の支援方針までは言及されていません。 難病患者の避難行動支援は、居住地域にかかわらず、県全域で対応が求められる喫緊の課題です。大規模災害が当たり前となり、コロナの脅威にさらされている今日、旧来の考え方や手法、役割分担にとらわれず、県がリーダーシップを取って、市町とともに患者や避難支援関係者、医療関係者等と連携した実効的な避難支援体制を構築すべきではないでしょうか。 そこでお尋ねします。いまだコロナが終息せず、集中豪雨や台風など本格的な出水期を迎えようとしている今、一層困難さを増す難病患者の避難支援について、県は、その特殊性、支援の必要性・緊急性に鑑み、市町とともに主体的に取り組むべきであり、医療関係者とも連携した避難支援体制の構築や人工呼吸器のバッテリー助成など、難病患者の迅速、安全、円滑な避難や、被災時の安心な療養をサポートする特別の支援を市町と連携して検討すべきと考えますが、今後どのように取り組まれるのでしょうか、県の御所見をお伺いします。 最後に、新型コロナウイルス感染症への対応について、地域の声を聞いての思いを申し上げます。 様々な業種の方から、いつまでも自粛では潰れてしまうとの声をお聞きすることが、これまで以上に増えています。特に飲食店では、感染予防のための様々な工夫、できる限りの努力をしても客足が戻らないとのことであり、この状況が続けば、身近な生活圏から施設も店も消えてしまい、地域経済も立ち行かなくなります。 今回の補正予算には、感染拡大防止対策に取り組む飲食店や頑張るお店を応援する予算等が盛り込まれていますが、人目を気にする自粛ムードや感染に対する漠然とした不安感などから、飲食店の利用が控えられている面があります。 ついては、飲食店における感染予防対策はどうなっているのか、新しい生活様式での外食や飲み会とはどのようなものか、飲食ではどのようなことに気をつければいいのか、そのことを分かりやすく伝えることができれば、県民の皆様の理解も行動も進むのではないかと思います。 例えば新しい生活様式での外食や飲み会を知事自らが実践され、会食の様子を報道陣にも公開し、感染防止対策を徹底して皆さんを迎える体制を整えている店がたくさんあるので、安心して利用してほしいと、広く県民に呼びかければ効果的ではないでしょうか。 今後は、あらゆる場面において、感染予防を取り入れた新しい生活様式をつくり、みんなで実践していかなければなりません。これは全国的な課題です。 しかし、東京と山口県では、感染状況も人の密集度も異なり、都会と田舎で全く同じ生活様式を取ることは合理的ではありません。地域の実情に合った、山口県にふさわしい新しい生活様式をつくり、県民の理解を得ながら本来の生活リズムに戻していくことが、取組を長続きさせ、実効性のあるものとするために大事だと思います。 知事には、感染予防対策は絶対に怠らない。その上で、新時代にふさわしい、持続可能な日常生活のモデルをここ山口県でつくり上げていくとの覚悟の下、その実現に向けた取組を先頭に立って力強く進めていただくよう要望し、私の一般質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)有近議員の御質問にお答えをします。 最後にお話のあった点については、新しい生活様式の定着、今回の予算でも飲食店等の取組について紹介したりとか、様々なことはしますけれども、どのような形で取組ができるのかというのは、引き続き考えていきたいと思います。 御質問のあった中で、柳井地域の道路整備の推進についてのお尋ねにお答えします。 私は、本県の地方創生の推進に当たりまして、「活力みなぎる山口県」を実現していくためには、その基盤となる道路網の整備を重点的かつ計画的に進めていくことが重要と考えており、維新プランの重点的な施策に位置づけて取り組んでいます。 とりわけ、柳井地域は、高速交通体系から外れていることに加え、お示しのように半島・島嶼部特有の複雑な地形であることから、広域交通拠点へのアクセス強化や身近な生活道路の整備を進めています。 先日も、有近議員はじめ、柳井地域の皆様から御要望をいただいたところであり、引き続き積極的にその整備に取り組むこととしています。 具体的に、まず国道百八十八号柳井・平生バイパスについては、御案内のとおり、地元関係各位の長年にわたる要望活動の結果、本年四月に新規事業化され、現在、国により、工事着手に向けた調査等が進められています。 県としては、早期完成に向け、引き続き地元市町と連携して、整備促進を国に強く訴えるとともに、地域の安心・安全や利便性の向上に資する関連道路の整備をはじめ、事業の円滑な推進に向けた環境整備に積極的に取り組む考えです。 次に、柳井玖珂間を結ぶ道路の高規格化については、現時点では十分な整備効果が確認できないことから、その整備の在り方を検討するとともに、現道の安全対策等を進めてまいります。 次に、県道柳井上関線伊保庄バイパスについては、事業効果を早期に実現させるため、これまでも段階的に供用を図ってきたところです。 現在、残る三・二キロのうち、通学路の安全確保や救急活動の迅速化につながる北側の二キロ区間について、来年度中の供用を目指して工事を精力的に進めているところであり、引き続き全線の早期完成に向け事業を推進してまいります。 私は、将来にわたって、活力に満ちた産業や活気のある地域の中で、県民誰もがはつらつと暮らすことができるよう、柳井地域の道路網の整備をはじめとした山口の道づくりを着実に進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)柳井市をはじめとした県内のまちづくりの推進についてのお尋ねにお答えします。 人口減少・少子高齢化が進行する中、将来にわたって活力ある地域を維持するためには、住宅や福祉・商業施設等を一定の区域に集約するとともに、これらの区域を結ぶ利便性の高い公共交通網を形成することにより、快適でにぎわいのあるまちづくりを進めることが重要です。 このため、県では、市町が都市全体を見渡して、居住及び都市機能の誘導区域の設定や、空き家、空き店舗の利活用、中心市街地の活性化などの誘導策等を取りまとめた立地適正化計画の策定と、その具現化に向け、様々な支援を行ってきたところです。 具体的には、まず、計画の策定に当たっては、アドバイザーの派遣や各市町の協議会への参画のほか、官・民・学で構成される山口県立地適正化計画研究会の開催等により、助言や情報提供を行ってまいりました。 こうした取組により、周南市など六市が計画策定を完了したところであり、策定中の柳井市など三市をはじめ、未策定の市町に対し、引き続き支援をしていくこととしています。 特に柳井市にあっては、県作成の広域連携ガイドラインも活用しながら、全国でも先進的な取組として、隣接する町と連携した柳井広域都市圏の立地適正化方針の策定に着手されたところであり、県の役割でもある広域調整の観点からも、きめ細かな助言や情報提供を行ってまいります。 次に、計画の具現化に向けては、市町との適切な役割分担の下、県が担うべき事業を着実に進めていくこととしています。 例えば周南市内において、二つの都市機能誘導区域を結ぶ中央通り線の整備を、山口市内において、交通結節点である新山口駅へのアクセス道路となる新山口駅長谷線の整備を進めてきたところです。 県としましては、今後とも、こうした取組を通じ、柳井市をはじめとした県内市町のまちづくりを、ソフト・ハード両面にわたり積極的に支援してまいります。 議長(柳居俊学君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)県産花卉の振興についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症拡大により、花卉生産者の経営に深刻な影響が生じていることから、生産者の経営継続と需要喚起の両面から本県独自の対策に取り組むこととしています。 まず、生産者の経営継続に向けては、売上げが大幅に低下した方を対象に、コストが高い花卉生産の特性を踏まえ、種苗費など次期作に必要な経費を支援するとともに、需要動向に応じた品目変更等に対し、きめ細かな指導・助言を行います。 また、国の持続化給付金や制度資金などの経営支援策については、生産者が確実に活用できるよう、JAや農林水産事務所等に設置した相談窓口において申請のサポートを行うなど、生産者に寄り添って支援します。 次に、需要喚起に向けては、県産花卉の魅力を発信するため、家庭における花の楽しみ方の動画配信やSNSを活用したPRに取り組むとともに、学校や駅など約五百か所において、県産花卉の展示を行うこととしています。 さらに、お示しの保育園等に県産花卉を提供する取組については、子供たちに花のある暮らしの豊かさを実感してもらえるよう、対象施設を拡充して実施します。 また、生産者を応援するキャンペーンとして、花市場等と連携し県産花卉の割引販売を実施するなど、本県が誇る食材や日本酒等と一体的に需要回復、拡大に向けた取組を展開します。 県としては、花卉生産者が安心して生産に取り組めるよう、関係団体等と緊密に連携し、県産花卉の経営継続と需要回復に積極的に取り組んでまいります。 次に、若者や女性など新たな農業従事者の確保についてのお尋ねにお答えします。 担い手の減少や高齢化が進む中、本県農業を持続的に発展させるため、新規就農者の安定的な確保に向けた日本一の担い手支援策を推進しており、定着支援給付金等に加え、技術習得から住宅確保までをパッケージで支援する取組を重点的に展開しているところです。 こうした中、お示しのとおり、農地などの経営資源を一括して譲りたい農業者が増える一方、子育て世代の若者や女性など生産基盤のない移住就農希望者が増加していることから、両者をマッチングさせる取組が重要です。 このため、新たに、やまぐち農林振興公社にコーディネーターを配置し、支援体制を強化した上で、離農予定者の情報把握と経営継承希望者へのサポートにより、円滑なマッチングを進めます。 具体的には、離農予定者について、アンケート等の活用による掘り起こしを進め、戸別訪問等により譲渡可能な資産や条件などの情報を蓄積し、関係者で共有できる仕組みを構築します。 また、継承希望者に対しては、離農予定者の情報提供に加え、両者の話合いや対象農場での事前研修のサポートを行うほか、就農セミナー等を活用し、先輩農業者が経営継承の体験を伝える取組等を進めます。 さらに、就農後も安心して生活できるよう、地域の女子会などネットワークづくりを進めるとともに、農業士協会等と連携し、経営から子育てまできめ細かな支援を行っていきます。 県としては、地域内外から多くの若者たちが就農し、定着できるよう、関係団体等と緊密に連携しながら、担い手支援日本一の取組を強化してまいります。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)子育て世代が安心して受診できる小児医療体制の確保についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルスの感染拡大による受診控えが懸念される中でも、子育て世代に安心して受診していただくためには、身近な地域の医療機関において感染防止対策を講じた診療体制を確保することが重要です。 このため、県では、医療機関における待合室の混雑を避けるための予約診療の導入促進や、患者の動線の混在を防止するためのパーティションの設置など、院内感染防止に係る設備整備等を支援することとしています。 また、ドアなど、多くの人が触れる部分の徹底した清拭や消毒など、感染防止に係る業務が大幅に増加することに伴い、追加的に必要となる人員配置のための経費を助成するなど、医療機関における感染防止に向けた取組を一層促進してまいります。 さらに、お示しの経営面については、経営に支障を生じている事業者を対象とした県の制度融資の活用等が図られるよう、ホームページで周知するとともに、国に対し、知事会等を通じて、医療機関に対する中長期的な財政支援を求めているところです。 県としては、こうした取組を通じ、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中でも安心して子育てができるよう、小児医療体制の確保に積極的に取り組んでまいります。 次に、災害時における難病患者の支援についてのお尋ねにお答えします。 難病患者は、移動や療養に当たって配慮すべき点が多いことから、災害時においては、行政と医療・福祉関係者等が連携して、患者の状態に応じた適切な支援を行うことが重要です。 このため、県では、保健所ごとに、市町及び医療・福祉関係者、患者会等で構成する難病対策地域協議会を設置し、避難支援体制の構築や、災害時における継続的な在宅療養への支援に向けた取組を進めることとしています。 まず、避難支援体制の構築については、迅速かつ円滑に避難行動が取れるよう、市町における避難行動要支援者名簿の作成を支援するとともに、平時から関係者の役割分担や連絡方法等について情報共有を図っているところです。 特に医療ニーズや介護度が高い、人工呼吸器等を使用する難病患者については、患者ごとに避難時に必要な医療機材や避難方法等を定めたマニュアルを作成するとともに、患者や関係者が参加する避難訓練を実施し、避難の手順や関係者の役割を確認するなど、支援体制の充実に取り組んでまいります。 次に、継続的な在宅療養については、医療・福祉関係者が連携して在宅での療養を支援する必要があることから、関係者の連絡先や必要なケアの内容等を記載した緊急時連絡カードを作成するとともに、医療・福祉関係者を対象とした災害支援に関する研修の充実に努めているところです。 さらに、万が一、自宅が停電になった場合でも人工呼吸器が使用できるよう、かかりつけの医療機関が患者に貸し出すための非常用電源等の整備に対する支援に引き続き取り組んでまいります。 県としては、今後とも、市町や医療・福祉関係者等と緊密に連携し、災害時における難病患者の支援の一層の充実に取り組んでまいります。 ───────────── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時二十五分休憩