討論
────────────────────── 討 論 議長(柳居俊学君)これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 藤本一規君。 〔藤本一規君登壇〕(拍手) 藤本一規君 日本共産党県議団を代表して討論を行います。 本議会に提案された議案第一号から第十号までの全ての議案及び三件の意見書案に賛成いたします。 賛成する議案のうち、議案第二号、一般会計補正予算に関して意見を述べます。 補正予算(第四号)のうち、経済対策の総額は二千百三十二億円とされていますが、制度融資枠の拡大に伴う預託金千七百七十一億円余を除けば、三百六十一億円の規模です。 歳入から見ると、国庫支出金が三百四億円、財政調整用基金の取崩しが五十六億円となります。 我が党は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と県民の暮らし、営業を守る観点から、三月以降三回にわたって県当局に対し数多くの提言、要望を行ってまいりました。その多くが、本補正予算に盛り込まれたことは大いに評価するものです。 その上で、さらに拡充すべき施策について指摘をさせていただきます。 第一は、第二波の感染拡大防止と経済活動の再開を両立させるため、PCR検査体制をさらに拡充することであります。 検査機器の整備や職員増員で、一日の検査能力は三百十件に増強されています。実際の検査件数の数が徐々に増加していることは評価しますが、まだ最大百三十六件にとどまっております。 地域外来・検査センターを一刻も早く稼働させるとともに、必要とする全ての方々が検査できる体制づくりを改めて要望いたします。 第二は、感染防止のため、休業や自粛を求められている事業者、逆に事業継続を求められている医療・介護、教育等の事業者に対し十分な補償を行うことです。 補正予算には、慰労金や応援給付金の支給事業が盛り込まれていますが、対象となる全ての従事者、職員に慰労金、給付金が行き渡るようにすべきと要望いたします。 また、イベントやコンサート、ライブなどの中止、自粛で、大きな打撃を受けている事業者を対象とした支援策を早急に講じるべきことを提案いたします。 関連して、山口朝鮮初中級学校が応援給付金の対象から除外されている問題について、改めて指摘をしたいと思います。 本会議でもやり取りいたしましたが、県は同学校が学校教育法第一条に該当していない各種学校であるため、運営継続を要請していないこと、同学校が、運営を継続した放課後児童クラブは、下関市に開始届が提出されていないこと、この二点を理由に、対象から除外をされました。 しかし、同学校が、新型コロナウイルス感染拡大が続く中でも、幼稚園、そして、放課後児童クラブの運営を継続し、社会生活基盤を支える役割を果たしてきた事実は、対象となっている幼稚園や放課後児童クラブと何ら変わりはないわけであります。 コロナ禍を乗り越えるために、力を合わせるべきとき、県自らが、県民の中に分断を持ち込むべきではありません。 山口朝鮮初中級学校など、保護者からの要望に応えて運営を継続した各種学校も応援給付金の対象にされるように強く要望いたします。 第三は、学校におけるオンライン授業環境の整備についてです。 県立学校における一人一台端末の整備等に五十億円が計上されています。学校休業に伴う学習の遅れを取り戻すためと説明されています。 子供たちにとって、今、私が一番必要なのは、少人数学級の実現であり、そのための教職員の増員だと考えます。 一人一台の整備は、先送りしてでもまず小学校、中学校の一年生から三十人以下学級導入を進めていただけるよう要望をさせていただきます。 次に、請願についてであります。 第一号 山口県の実情に見合った持続可能な医療の提供を求める意見書の提出についてであります。 これを不採択とした委員長報告に反対をいたします。 一般質問の再質問の中で指摘をいたしましたが、六月四日、全国知事会は、地域医療構想について、新型コロナウイルス感染症の患者受入れ体制の確保など、国や都道府県からの協力要請に対し、迅速かつ柔軟に対応している医療機関をはじめ、地域の公立病院の存在意義が実証されたことから、地域医療構想を進める上で十分に考慮することを国に求めました。 本議会で指摘をしたように、加藤厚生労働大臣は、記者会見で、公立・公的医療機関の検証の九月末までの結論取りまとめを先送りする考えを示したと報じられていますが、厚生労働省は公立・公的医療機関の再検証そのものを凍結したわけではないのです。 請願にある、国は、地域医療を守るために機械的な病床削減を行わず、新型コロナウイルス感染症に、より一層の病床確保が必要であり、病院の再編統合が一旦凍結することは山口県をはじめとする全国知事会の願いと共通する至極当然の内容です。 よって、本請願は採択すべきとの意見を述べて、私の討論といたします。(拍手)