討論
議長(柳居俊学君)山手康弘君。 〔山手康弘君登壇〕(拍手) 山手康弘君 自由民主党会派を代表して賛成討論を行います。 まず、先週末から梅雨前線の活動が活発な状況が続き、九州や中部地方を中心に記録的な大雨に見舞われ、熊本県南部の球磨川をはじめ多くの河川が氾濫し、深刻な被害が生じております。 お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。 さて、我が会派は、知事から提案された全ての議案及び意見書案三件に賛成し、請願一件を不採択とすることに賛成するものであります。 特に、議案第二号の令和二年度一般会計補正予算に関して、賛成の立場から意見を述べさせていただきます。 本定例会では、代表質問、一般質問、委員会審査を通じて、コロナの時代における本県の進むべき方向性について、真に必要な議論を深めてまいりました。 本定例会の議論においては、この未曾有の危機を乗り越え、ウイルスとの共存を前提とした新たな日常を目指していくため、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けて全力で取り組んでいくとの知事の決意をお聞かせいただいたところであります。 六月の月例経済報告によりますと、景気は新型コロナウイルス感染症の影響により極めて厳しい状況にあるが、下げ止まりつつあると、五月の、急速な悪化が続いているとの判断から上方修正されております。 五月末に全国で緊急事態宣言が解除され、社会経済活動のレベルが段階的に引き上げられていく中で、さきに成立した補正予算を含む各種政策の効果もあって、極めて厳しい状況から持ち直しに向かうことが期待されております。 先月十二日に成立した国の補正予算では、感染症への地方における対応・取組を全力で支援するため、地方創生臨時交付金を二兆円増額されるなど、国、地方が心を一つにして、地域経済と日本経済の力強い再生の実現を何としても成し遂げていこうとの安倍総理の並々ならぬ決意がひしひしと伝わってまいります。 こうした中、県では、国の補正予算にも呼応しつつ、行財政構造改革を一時凍結し、厳しい財政状況下にありながらも、経済対策として二千百三十二億円という過去最大となる補正予算を編成されたことは誠に時宜を得たものであると、我が会派としても高く評価するところです。 繰り返し何度も申し上げますが、社会経済活動を犠牲とするだけのやり方では長続きしません。感染のリスクをコントロールしつつ、経済活動に徐々に軸足を移し、仕事や生活を守り抜いていくことが重要であります。 このたびの補正予算では、再度の感染拡大に備えた体制強化に加え、どん底まで冷え込んだ県内経済の下支えや、それを回復軌道に導くための消費喚起の取組、さらには、新しい生活様式に対応するための社会変革の推進に向けた取組が盛り込まれるなど、コロナの時代の本県における新たな日常の構築に向けた着実な一歩を踏み出せるものと大いに期待をしております。 とりわけ、今議会で幾度となく議論となりましたコロナ禍における子供の学びの保障に関する取組に関しては、このたびの補正予算において県立学校の一人一台端末の整備時期を当初の予定より大幅に前倒すなど、思い切った決断をされたものと改めて敬意を表する次第です。 一方で申し上げておきたいのは、こうした子供の学びの保障に関する取組は、あたかもコロナ発症による学校休業等の影響を解消するための対策として、急遽、国の補正予算で議論されたかのように取り上げられがちですが、もともとコロナとは関係なく、安倍政権の下で令和の時代における未来を担う人材投資のための政策として、力強く進められていたということであります。 一人一台端末についても安倍総理は、昨年十一月、パソコンが一人当たり一台となることが当然だということを国家意思として明確に示すことが重要との決意を示され、十二月に閣議決定された、安心と成長の未来を拓く総合経済対策の中で、GIGAスクール構想として、令和五年度までに全学年の児童生徒一人一人が活用できる環境を実現することとされ、令和元年度から整備に向けた具体的な取組が進められていたのであります。 また、夏休み短縮による授業実施が可能になったのも、一昨年からの政府の熱中症対策への強化に向けた財政支援の下、計画的に学校への冷房設備の導入が進められてきたことが大きいのであります。 こうした安倍政権によって積み上げられてきた、一歩先を見据えた先見性のある政権運営・政策運営が、今回のコロナウイルス感染症という緊急事態への対処にもしっかりと結びついているということを強く申し上げておきます。(「そうだ」と呼ぶ者あり) 国・政府においては、第二次補正予算の成立後、間髪入れず安倍総理を先頭に、今回の感染症拡大で明らかになった我が国の課題に正面から向き合い、新たな日常を通じた質の高い経済社会への実現を目指すべく、それに向けた社会変革の方向性を盛り込んだ骨太の方針策定が進められております。 県におかれましても、今回の補正予算が県民の皆様に一刻も早くその効果を実感していただけるよう補正予算成立後は、スピード感を持って迅速な執行に努めていただくとともに、国の次なる一手に対しても立ち遅れることなく、ちゅうちょなく、速やかに最大限の対応をしていただきたいと考えております。 我が自由民主党会派といたしましても、コロナの時代の新たな日常に向かって一歩一歩確実に前進するため、全力を尽くしてまいることを申し上げ、賛成討論とさせていただきます。 御清聴誠にありがとうございます。(拍手)