1 新型コロナウイルス感染症対策について 2 地域医療構想の見直しについて 3 教育ICT推進事業について 4 その他
───────────── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第三号まで及び第五号から第十一号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第三号まで及び議案第五号から第十一号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 合志栄一君。 〔合志栄一君登壇〕(拍手) 合志栄一君 新政クラブの合志です。通告に従い一般質問を行います。 第一は、新型コロナウイルス感染症対策について、五つのことに関しましてお尋ねいたします。 先般、五月の下旬から六月の初旬にかけまして山口市内の病院十か所を訪ね、新型コロナウイルスの感染防止に取り組む医療現場の率直な声を聞きました。 そして一、病院が、通常のルートで医療用物資の確保ができなくなったとき、必要な医療物資を提供できる備蓄体制の構築、二、熱がある人を地域集約的に診る拠点となる発熱外来の設置、三、医師が必要と判断したらスムーズかつスピーディーに実施できるPCR検査体制の確立、四、感染した患者に対応する医療従事者が安心して仕事ができる医療環境、不安がられず宿泊・休息できる場所の確保の整備などのことを、共通する声として承りました。 いずれも予想される新型コロナウイルスの第二波、第三波に備えてやっておくべき大事なことであると思われます。 また、その他伺った様々な声の中で、対応を考慮すべきと思ったことが二つあります。その一つは、病院や介護施設などの面会禁止に関してであります。もう一つは、病院経営の支援についてです。 今議会に提案されている補正予算の内容は、基本的にそうした声に応える内容になっていると評価いたしますが、本予算成立に伴うコロナ対策の諸事業実施が、より実情に即した行き届いたものになることを願い、以下、医療現場の声を踏まえて質問いたします。 まず一、医療用物資の提供と備蓄についてであります。 このたびの新型コロナウイルス感染症への対応において、医療現場が最も困ったことは感染防止のための医療用物資、マスク、ガウン、フェースシールドなどの確保が困難になったことであります。 このため、私が訪ねた病院の多くは、これまでは一日一枚使用していたサージカルマスクを一週間一枚の使用にするとか、ごみ袋で臨時のガウンを作るとかして当面をしのいでいる様子でありました。 ただ、手術はしっかりした感染防護が求められるので、緊急性のある手術以外は、当面実施を見送る措置がなされていました。 医療用物資の不足により、コロナ対応のみならず、通常の地域医療も十分提供し得ない状況に多くの医療機関が陥っていました。 現在は、医療用物資の不足は緩和されてきているとはいえ、解消はされておらず、医療機関が通常の市場ルートで求めようとすると、例えばマスクが以前は一枚五円ほどであったのが五十円する等、品薄感が続く中で大幅な高値での購入になるようです。そのため、各医療機関は、病院経営との兼ね合いの中で苦慮しています。 そうした今日の状況の中で、私が訪ねたある認知症の患者を受け入れている病院の方は、次のようなことを述べておられました。私たちは、コロナウイルス対策をしっかりやっていますが、万が一、院内感染が生じた場合、必要な医療用物資が確実に提供されることになっていれば少し安心です、と同様の思いの医療機関や介護施設は多いのではないでしょうか。 そこで、医療用物資の提供と備蓄について、三点お尋ねいたします。 第一点は、本県の医療機関における現時点での医療用物資の確保状況について、県の把握をお伺いいたします。 第二点は、今日、本県の医療機関において医療用物資の不足が生じた場合には、どう対応する仕組みになっているのか、また、その際の県の役割についてお伺いいたします。 第三点は、県内の医療機関に医療物資を緊急に提供する必要が生じた場合、こうした事態に直ちに応えることができるよう医療用物資の備蓄が図られていることが望ましいと思われます。ついては、医療用物資の備蓄に関し県の御所見をお伺いいたします。 次に、二、地域外来・検査センターについてお尋ねいたします。 このたび、地域外来・検査センターの設置の事業が予算措置されたことは、医療関係者の声に応えるもので期待が持たれます。 私が訪ねた病院で発熱外来設置を望む声が多かったのは、発熱がある患者の場合、そのたびにコロナ感染リスクがあることを想定して防護措置を講じて対応しなければならず、そのことが病院にとっては過重負担になっているのが、発熱外来の地域拠点が設置されればその負担が軽減されるのではないかとの期待からだと思われます。 山口県で、発熱外来の地域拠点を設置しているのは下関市と山陽小野田市で、私はその両方を視察いたしました。両市とも地元医師会の協力を得て開設していますが、意外だったのは受診者が少ないことです。下関市は一日平均七・八人でそれなりに受診があると見ることもできますが、多いというほどではありません。山陽小野田市の場合は、受診者がゼロか、あっても一人という日がほとんどで、一日平均は○・四人です。 下関市と山陽小野田市が発熱外来を設置した理由は、医療の側からすると感染の可能性がある受診者を集約して診察することにより、一般開業医等診療機関への感染リスクの拡大を回避するためです。また、市民の側からすると、発熱した場合、最終的な受診の受皿があることが必要と判断されたことです。 したがって、地域外来・検査センターの設置が、地域における発熱外来の拠点としてどれほど機能するかは未知数と思われますが、その役割も含めてコロナ対応の地域拠点として整備されることが期待されます。 また、この地域外来・検査センターは、医師が必要と判断したらスムーズかつスピーディーに実施できるPCR検査体制の確立につながることが期待されています。 厚労省は、本年二月二十七日に都道府県や保健所設置市宛て発した新型コロナウイルス感染症の行政検査に関する事務連絡において、医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイルス感染症と疑う者は、積極的にPCR検査を行うようお願いしました。 しかし、私が訪ねた病院ではそのようになっていなかったようで、保健所と相談してもなかなかPCR検査をやってもらえない。医師が検査をやったほうがいいと判断したら、スムーズに、そしてスピーディーにPCR検査ができる仕組みにすべきではないか、との訴えを共通の声として聞きました。 PCR検査は、行政検査でありますので保健所の業務であり、検査を行うかどうかの最終判断は保健所が行います。そこで、県下の各保健所は県が対応できるPCR検査能力の現状や、検査の必要性・緊急性などを考慮した上でPCR検査を行ってきたものと思われます。 結果として、本県では、新型コロナウイルスの感染者は三十七人にとどまり、感染拡大は防ぐことができていますので、PCR検査を含めて保健所のこれまでの対応は総体として是認されていいものと考えますし、保健所の関係者が、その総力を挙げて感染拡大の抑止を成し遂げてこられたことには、感謝の意を表したいと思います。 ただ、そうとはいえ、医師がPCR検査を行ったほうがいいと判断しても、それができないという事態は改善されるのが望ましいことは言うまでもありません。 それが、このたび地域外来・検査センターが整備されることに伴い、保健所を介さずとも医師の判断でPCR検査ができるようになることは、医療関係者の声に応える前進であり、歓迎すべきことであります。 そこで、地域外来・検査センターについてお尋ねです。 第一点は、このセンターは、県下に何か所設置するのか。また、設置に際しての地域区分の基準は何なのか。全県での設置完了の見通し及び開設の時期はいつ頃なのか、お伺いいたします。 第二点は、このセンターの運営主体はどうなるのか、伺います。 第三点は、確認の意味でお尋ねするのですが、この施設は、地域における発熱外来の拠点施設と理解していいのか、お伺いいたします。 第四点は、このセンターでは、PCR検査の検体採取を行うものと思われますが、その後スムーズかつスピーディーにPCR検査が行うためには県の検査能力の増強が図られる必要があります。ついては、その点はどうなのか。また、必要に応じてこの検査センターは民間の検査機関へPCR検査の依頼も可能なのか、併せお伺いいたします。 第五点は、このセンターは、新型コロナウイルス感染の流行や収束という状況変化にかかわらず常時開設されるのか、お伺いいたします。 第六点は、このセンターは、設置された地域の実情に即しながらも、県下の各施設が、基本的な運営方針や業務の在り方については共通していることが望ましいと考えられますが、その点はどうなのか、お伺いいたします。 次に、その三、医療従事者の宿泊場所の確保についてであります。 感染症対応に係る医療従事者支援事業として、帰宅困難な医療従事者に対する入院医療機関の宿泊施設確保の取組を支援する予算措置が六千百二十万円計上されていますのは、医療現場の実情に応えるものであります。 また、私が訪ねた病院のことですが、その病院で院内感染が発生してコロナ対応をしなければならなくなったとき、家に帰れるかどうかを医師、看護師、事務スタッフ等全職員にアンケート調査をしたところ、七割は帰れるとの回答だったそうですが、三割は帰るのが困難との回答だったとのことでした。 こうしたことから、コロナ対応に当たる医療従事者の宿舎確保は、しっかり対応すべき課題であることは明らかであります。 そこで、二点お尋ねいたします。 第一点は、新型コロナウイルス感染症対応で帰宅困難になった医療従事者に対する宿泊施設確保の支援の具体的内容についてであります。 第二点は、新型コロナウイルスへの対応は、感染症患者を受け入れる医療機関だけではなく、院内感染が発生すれば、一般の病院や介護施設でも職員が当たることになります。その際、そうした病院や介護施設に対しても、宿舎確保の事業支援は同様に行われるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、四、リモート面会についてであります。 現在、入院病床がある病院は、院内感染の発生を防ぐためほとんどが面会禁止の措置を取っています。そのことは、長期入院の患者さんが多い慢性期病院でも例外ではありません。 私が訪ねたある慢性期の病院は、面会が禁止されているため、長いこと家族等の親しい人に会えないことによる精神不安やストレスの蓄積が、入院患者の認知症が進むなどの病状悪化につながることを懸念しておられました。 対策として、患者個人がスマホを持っておればそれを使って対応していますが、スマホを持っている人は僅かで対象が限られるようであります。 そこで、病院に一室Wi─Fi環境が整った部屋を設け、各病棟にはタブレットを置くことでリモート面会が実現できればと考えておられました。ただ、そのことを実現するための整備費用の捻出がとても難しいので、こういうことにも公的支援をぜひお願いしたいとのことでした。 そこでお尋ねです。ウイズコロナ時代における病院の在り方として、Wi─Fi環境等を整備してリモート面会を可能にしていくことは、入院中であっても患者のよりよい生活の質を確保していくことが求められる今日の医療機関にとって、取り組むべき新たな課題であります。 ただ、現在多くの医療機関は、そうしたくても整備のための財源に余裕がないというのが実情だと思われます。ついては、多くの入院患者に恩恵が及ぶと思われるリモート面会を可能にする環境整備に公的な支援措置がなされることを期待するものですが、このことにつき御所見をお伺いいたします。 その五は、病院経営への支援についてであります。 新型コロナウイルスの国内感染は、多くの医療機関の病院経営を直撃しています。まず第一に、感染リスクを懸念してのことと思われますが、病院に行くことが控えられて受診者が大幅に減少しています。第二に、手術を行う医療機関にあっては、感染リスクを回避するために緊急性のある手術以外は先延ばししているために、手術の実施件数が大幅に減っています。第三に、手術の件数が減ると診療報酬における加算要件を満たさなくなることによる収入減が懸念されています。 山口市において、公的医療機関として地域医療を担う基幹病院になっている山口赤十字病院、済生会山口総合病院、小郡第一総合病院なども、いずれもこうした事態に直面し、これからの病院経営に不安があることを、私は訪ねて確認しました。 また、当然のことですが、同様の不安が、私が訪ねた民間の医療機関においても共有されていました。 思うに、こうした新型コロナウイルスがもたらした病院経営の不安は、全国の医療機関に共通する事態であることから、このことへの対策は、基本的に国において取り組まれるべきものと考えます。 今年の四月、国は緊急事態宣言を発することにより新型コロナウイルスの感染拡大を阻止し、医療崩壊を回避しました。このことは、私は大いに評価されていいと考えるものですが、現在は、病院経営の不安から地域医療が崩壊することを防ぐための施策が、国に求められています。 ついては、新型コロナウイルスの影響で病院経営の不安に陥っている多くの医療機関に対して、しっかりした経営支援の対策が講じられ不安解消が図られるよう、県は国に対して、地域医療の現場の実情を踏まえて働きかけを行うとともに、県としてもなし得る支援の施策があれば、それを行うべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、第二、地域医療構想についてお伺いいたします。 現在、我が国の医療行政はコロナ対策で手いっぱいの感がありますが、団塊の世代が全て後期高齢者になる二○二五年を見据えての医療提供体制を構築しようとする地域医療構想が、平成二十六年度から推進されてきていまして、コロナ対応が生ずるまでは、この構想の実現が、国においても、全国の都道府県においても医療行政の中心課題でした。 地域医療構想は、二○二五年に向けて地域ごとに効率的で不足のない医療提供体制を構築することを目的としていまして、具体的には、一般病床及び療養病床を高度急性期機能、急性期機能、回復期機能、慢性期機能の四機能別病床に分類し、二○二五年における医療需要及び必要病床数を国が示した考え方に基づいて推計し、二次医療圏を単位として目指すべき医療提供体制の実現を図ろうとするものであります。 全国の都道府県は、平成二十八年度中にそれぞれの都道府県ごとの地域医療構想を策定し終えていまして、山口県は同年七月に策定し公表しました。 この本県の地域医療構想では、二○二五年に必要病床数として推計されている一万五千八百八十九床は、平成二十七年当時の県下医療機関の病床数の総計二万二千二百七十三床よりも六千三百八十四床も少なくなっています。その理由は、二○二五年の必要病床数の推計は、国が示した考え方にのっとってなされているからであります。 例えば、療養病床入院患者のうち、軽症の患者の七○%は在宅医療等で対応する患者数として推計するとした考え方で推計することが求められています。 こうした二○二五年時点において実現したい医療提供の在り方を想定して推計された必要病床数と現時点における医療提供の現状における病床数との乖離が、本県においては六千床余あるということであります。 思いますに地域医療構想は、医療資源を効率の面から最適化を図ることを通して医療需要に応えていこうという考え方がベースにあり、全国で十三万病床の削減が可能との推計が示されていまして、医療費抑制の意図も見え隠れしているように思われます。 こうした地域医療構想の実現に、このたびの新型コロナウイルス感染症をめぐる一連の対応は、大きな疑問を投げかけています。日本医師会の横倉義武前会長は、コロナ対応で病床不足になりながらも、持ちこたえることができた背景には、地域医療構想の実現に向けての病床の再編統合が拙速に進んでいなかったことがあるとの認識を示しています。 また、コロナ患者を受け入れる病床を数床準備された山口市のある病院の先生は、医療において、経済効率重視でいいのだろうか、命に関わることは余裕を持ってやるべきで、セーフティーネットとしてのキャパは必要です、と強調しておられましたが、同感であります。 そこでお尋ねいたします。平成二十八年度に策定された山口県地域医療構想は、このたびの新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、抜本的見直しをする必要があると考えますが、このことにつき御所見をお伺いいたします。 最後に、第三、教育ICT推進事業についてお伺いいたします。 今議会に提案されています補正予算には、新たな学びを実現する教育ICT推進事業ということで五十億一千万円余が計上されています。学校におけるオンライン授業環境の整備を進めようとするこの事業は、県立学校における一人一台端末の整備などによるICT化及びオンライン学習支援サービスの導入などを図っていくものです。 ウイズコロナの時代に対応した社会変革の推進を、教育の面において実現していくこうした取組自体は、時宜を得たものとして評価するものですが、この事業の対象から私立高校の生徒たちが全く抜け落ちていることは、問題点として指摘せざるを得ません。 この教育ICT推進事業予算の七割を占めるのは、県立高校の生徒二万二千名余ほか、総合支援学校等の県立学校の児童生徒に一人一台のタブレット端末等を整備する事業でして、約三十五億円の事業費の主な財源は、コロナ対応の地方創生臨時交付金であります。 もともとこの事業は、令和二年度から七年度にかけて整備する計画であったものを、その交付金を活用して前倒しで一気に本年度中に整備を完了することにしたものです。 知事は、議案説明でこの事業に触れ、臨時休業等が発生した場合においても、ICTを活用し、学びを保障する環境を構築するためと述べておられますが、ウイズコロナの時代に移行しつつある今日、そのことは、公立であっても私立であっても同様に実現されるべきことなのではないでしょうか。 義務教育課程である小中学校の生徒たちへの一人一台の端末整備は、GIGAスクール構想の加速による学びの保障という国の施策により、本年度中もしくは早期に実現する見通しであります。 したがって、何ら施策が講じられなければ、本県においては私立学校の高校生だけが、オンライン教育から取り残されてしまいます。 生徒たちの命の安全に、公私間格差があってはならないということで、私学の学校施設の耐震化に対しては公的補助がなされてきました。同様に、ウイズコロナの時代に学ぶ生徒たちの基本的な教育環境に、公私間格差があってはならないとの考えから、私学の高校生たちも県立高校の生徒たちと同様に一人一台の端末が整備され、同様の教育ICTの環境が保障されるべきと考えます。 本県においては、私立の高校生は約一万人で、全高校生のおおよそ三分の一であります。この高校生たちのためにも、オンライン教育の環境を整える責任が県政にはあります。 そこでお尋ねです。県立学校の児童生徒たちを対象にした教育ICT推進事業は、国の第一次補正予算に措置されたコロナ対応の地方創生臨時交付金を主な財源にしています。この臨時交付金は、国の第二次補正予算にも措置されていますので、本県へのこの新たな地方創生臨時交付金を財源にして、私立高校の生徒たちを対象にした教育ICT推進事業に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 以上で一回目終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)合志議員の御質問のうち、私からは、新型コロナウイルス感染症対策における地域外来・検査センターについての数点のお尋ねにまとめてお答えします。 県内における新型コロナウイルスの感染状況は落ち着いているものの、今後想定される第二波、第三波に備えて、感染拡大の防止を図るためには早期に感染者を発見し、適切な治療につなげていくことが極めて重要です。 このため、私は、身近な地域で迅速かつスムーズにPCR検査を受けることができるよう、市町や郡市医師会と連携し、従来の帰国者・接触者外来に加えて、新たに地域外来・検査センターの設置を促進してまいります。 具体的には、かかりつけ医の紹介等により、主に発熱外来を兼ねて設置される地域外来・検査センターにおいて検体採取を行うこととしており、九月中を目途に、各医療圏に一か所以上の設置を目指して準備を進めていきます。 なお、設置に当たっては、運営主体となる市町や郡市医師会等に対して、検体採取から検査までの流れや、患者情報の保健所への報告など基本的な運営方針を定めた上で、開所日等については、運営主体により、地域の実情や感染状況に応じ柔軟に対応していただくこととしています。 また、今後想定される検査需要の拡大に対応するため、環境保健センターの検査能力を強化したところであり、今後新たに、感染症指定医療機関等の四か所にPCR検査機器を増設するとともに、民間検査機関への委託も含め、検査体制を充実します。 県としましては、関係機関と連携し、地域外来・検査センターの早期設置に向けた準備を進め、さらなる検査体制の充実強化を図ってまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型コロナウイルス感染症対策のうち、医療用物資の提供と備蓄についての数点のお尋ねです。 まず、医療機関における医療用物資の確保状況についてですが、県では、国が行う保有状況調査等により医療機関の物資の在庫状況の確認に努めており、平時と比べ依然不足感はありますが、診療に著しい影響が生じている状況にはありません。 次に、医療機関において医療用物資が不足した場合は、国または県において緊急配付を行う仕組みとなっており、県は配付先及び配付数量の調整機能を担っているところです。 次に、医療用物資の備蓄ですけれども、県では国から県備蓄分として送付された物資を緊急配布用として保管しており、さらに今後、院内感染やクラスターの発生などに十分対応できるよう、県独自に備蓄量の拡充を図ることとしています。 次に、医療従事者の宿泊場所の確保について、二点のお尋ねです。 まず、宿泊施設確保支援の内容についてですが、医療従事者の方が感染症患者の対応により業務が深夜に及ぶ場合や、基礎的疾患がある家族への感染リスクを懸念し、帰宅が困難な場合等を理由に発生した宿泊料を支援するものです。 次に、一般病院や介護施設の職員に対する宿泊施設確保支援についてですが、この事業は、感染患者を受け入れていただく医療機関において、直接、患者の治療等に当たる医療従事者に対する支援として実施するものであり、一般病院や介護施設の職員は対象としていません。 次に、リモート面会についてです。 県としては、このたびの補正予算において、院内感染拡大の防止に取り組む医療機関等に対し、お示しのリモート設備を含めた環境整備などにも活用できる経費を措置したところです。 次に、病院経営への支援についてです。 新型コロナウイルス感染防止のための受診控え等による影響は、感染症の受入れ病院だけでなく、他の医療機関にも及んでいるものと考えており、県では、知事会等を通じて医療機関に対する財政支援の実施について、国に要望しているところです。 また、感染症の影響により、経営に支障を生じている事業者を対象とした県の制度融資である新型コロナウイルス感染症対応資金の活用が図られるよう、ホームページで周知するとともに、医療機関で必要となる感染防止対策や医療資機材の購入等に対して支援をしてまいります。 次に、地域医療構想の見直しについてのお尋ねです。 高齢化の進行に伴う医療需要の増大に対応し、医療機能の分化・連携を推進していくため、県では、地域の医療提供体制の将来のあるべき姿を示す地域医療構想を策定し、その実現に向けて取組を進めているところです。 このため、医療機関相互の協議と自主的な取組を基本に、医療圏ごとの地域医療構想調整会議での議論を踏まえ、地域の安心につながる質の高い医療提供体制の確保に取り組んでいます。 こうした中、お示しの構想の見直しについては、国において、このたび新型コロナウイルス感染症への対応等を踏まえ、今後、感染症対策も含めた必要とされる医療提供体制の議論を深めていくとの考えが示されていることから、県としては、その動向の把握に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)教育ICT推進事業についてのお尋ねにお答えします。 私立高校では、私立学校法の趣旨に基づき、設置者である学校自らが、建学の精神や独自の教育理念に基づいた特色ある教育活動を推進するため、ICTによる教育環境の整備に取り組んでいるところです。 県としましても、ICTを含めた教育環境の充実等を図る観点から、運営費の補助単価を平成二十九年度以降四年連続で増額するとともに、ICT機器整備に関する国庫補助制度について積極的に情報提供をし、その活用を促すことにより各校の取組を支援してまいりました。 このような取組を通じ、多くの学校では生徒用端末の整備に加え、大型提示装置や無線LAN環境の整備が行われるなど、私立高校におけるICT教育の環境整備が進んできたところです。 さらに、こうした教育環境を活用して、新型コロナウイルス感染症の影響による臨時休業の期間中、七割の私立高校において、オンラインでの教材・動画配信や、同時双方向による授業に取り組まれており、家庭における生徒たちへの学習支援も始まっています。 したがいまして、現在のところ、お示しの地方創生臨時交付金等を活用した教育ICTへの支援は考えておりませんが、県といたしましては、本県教育における私学の重要な役割に鑑み、各校の自主性・独自性を尊重しながら、教育環境の整備が図られるよう、引き続き支援してまいります。 議長(柳居俊学君)合志栄一君。 〔合志栄一君登壇〕(拍手) 合志栄一君 まず、コロナ対応された医療従事者の宿泊の分は、患者を受け入れる医療機関だけという答弁だったように思うんですが、院内感染が発生したら、そうでない医療機関においても、あるいは介護施設なんかにおいても対応の必要が生じて、同様の帰宅したりするのが難しい境遇に置かれるようになる医療従事者が出てくる可能性あるわけでありますので、そういうことにも対応できる、施策にしていくべきではないかと思いまして、検討を要望いたします。 それから、私学における教育ICT推進事業に関してですが、私学はそれぞれ建学の精神に基づいて取り組んでいる、また取組費用運営費の助成額をかさ上げしているような趣旨の答弁でございましたけども、非常に経営が厳しい私学もありまして、そういうタブレット端末を生徒一人一人まで配ることもできていない、また、いろんな機器の整備もできていない私学もあるわけでありまして、やっぱりそういったところの生徒たちもひとしく同じようにオンライン教育をすることができる環境を整えていくということは、県政の基本的な方針としてあるべきだと思うわけでありまして、そういう私学に対しての支援措置もこれから講じていかれるよう要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)