1 事業継続と雇用を守る更なる支援について 2 県内の観光産業支援について 3 県産農林水産物の需要回復について 4 新型コロナウイルス感染の長期化を踏まえた、安心して出産や子育てができる環境づくりについて 5 避難所における感染症対策について 6 新型コロナウイルスを踏まえた学校教育の課題について 7 犯罪防止対策について
午後一時開議 副議長(藤生通陽君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───────────── 日程第一 代表質問 日程第二 議案第一号から第三号まで及び第五号から第十一号まで 副議長(藤生通陽君)日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第三号まで及び議案第五号から第十一号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 猶野克君。 〔猶野克君登壇〕(拍手) 猶野克君 公明党の猶野克でございます。質問に先立ち、一言申し上げます。 国民の皆様、県民の皆様の並々ならぬ御尽力によって、新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向に転じ、緊急事態宣言が全国で解除され、事態は着実に終息に向かっております。今後は、新たな日常の確立に向け、第二波、第三波への備えに万全を期し、これまで積み上げたコロナの教訓を踏まえつつ、経済活動を活性化させなければなりません。 本県としても、コロナの闘いは長期戦になることも覚悟し、必要な対策を適時適切に講ずることができるよう、万全の備えを用意していく必要があります。 私ども公明党は、こうした観点から、これまで責任ある与党として、国においても自公連携し、第一次補正、第二次補正と追加措置すべきことを政府に提言、要請し、速やかな執行に結びつけてまいりました。 本当の意味での終息とは、地域の再起動を図り、当たり前の日常を取り戻し、かつ、県民の皆様が心から安心して、明日の日常を過ごしていただくことであります。その一助となるよう、通告に従い、代表質問に入らせていただきます。 初めに、事業継続と雇用を守るさらなる支援について、中小企業への金融支援についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルスの影響で、世界中が大混乱に陥り、グローバル経済に急ブレーキがかかりました。日本でも緊急事態宣言が解除されましたが、経済や社会に深刻な影響を与えております。 このような状況の中、企業規模を問わず、多くの企業が事業計画の見直しを迫られております。特に県内経済を支える多くの中堅・中小企業の経営者は、コロナショックが長引くことを念頭に、事業継続のための戦略を練りながら、経営のかじを取らなければなりません。 こうした中、今月十二日、一般会計からの追加歳出約三十二兆円と過去最大規模となる国の第二次補正予算が成立しました。一次補正に続いて、企業支援や雇用維持の守りに手厚く配分された内容となっておりますが、私ども公明党でも、この第二次補正予算の編成に向けて、家賃支援など必要とされるニーズを的確に捉えて政府に提言を行い、支援に厚みを増す取組を行ってまいりました。 これまで甚大な影響を受けてきた中小企業や個人事業者・フリーランス等が事業全般に幅広く使える持続化給付金の予算増額、さらに雇用調整助成金についても、従来は企業を経由していたものが、労働者自らが申請し、休業前賃金の八割相当額を受給できる仕組みが創設されるなど、必死でコロナと闘う企業の事業継続と労働者の雇用を守る、さらなる支援が盛り込まれております。 コロナとの闘いは、ウイズコロナと表現される、第二フェーズに移ってきたと言われます。このフェーズでは、これまで臨時的な措置と捉えられたテレワークや一部業務の停止が長期化し、在宅勤務による生産性低下や、売上げ・利益の低下がしばらく予想される中で、それらの改善を図ることはもちろんのこと、同時に会社をいかに持続していくか、商売をどのように展開するかといった、市場変化に合わせた収益構造の改革を考える必要があると言われております。 しかし、県内には、ここで言われる第二フェーズの先の見通しよりも、まだまだ目の前の手持ち資金が枯渇するというぎりぎりの中で苦しんでいる中小企業や個人事業者が多くいらっしゃいます。事業者がしっかりと事業を継続していく。そして、コロナの影響で減少した売上げをコロナ以前にまで戻し、それ以上に増やしていくためには、経営基盤となる手元資金を十分に確保することが重要であります。 県内企業の資金繰りの状況を見ますと、三月から五月に、山口県信用保証協会を通じて、県内中小企業に対して新型コロナ関連で融資された金額は六百三十億円、コロナ以外も含めた融資総額は八百七億円で、前年同時期の四・七倍と大幅に増加しております。現在でも相当の資金需要があり、この状況が当面続くと見られていることから、資金繰りの不安解消に向けた支援の充実が重要であり、県としてしっかり対応していただきたいと考えます。 そこでお尋ねします。県内中小企業が事業を継続し雇用を守っていくためには、企業のセーフティーネットとなる金融支援が重要であると考えますが、県としてどのように取り組まれるのか、所見をお伺いいたします。 次に、クラウドファンディングを活用した企業支援についてお尋ねいたします。 今、申し上げたとおり、目の前の手持ち資金に苦しむ企業が多い中、持続的な経営を図るためには、一時的な支援にとどまらず、継続的な支援を続ける必要があります。昨年の十一月定例会におきましても取り上げましたが、私は、クラウドファンディングを活用した支援が有効であると考えております。 クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人に資金提供を呼びかけ、趣旨に賛同した人から資金を集める仕組みのことで、その大きなメリットは、迅速な手元資金の確保に加え、プロジェクトを公開することによる宣伝効果や新たなファンの獲得など、様々な効果が期待される点にあります。 今議会には、地元金融機関と連携した購入型クラウドファンディング組成などに係る補正予算案が計上されておりますが、事業者、支援者、行政が共に力を合わせて新型コロナウイルスに立ち向かい、困難を乗り越えられる取組にしていかなければなりません。 クラウドファンディングには三分の一の法則があり、支援の三分の一はつながりのある親しい友人・知人、次の三分の一はその友達、最後の三分の一がそれ以外の人からの支援につながることが多いと言われております。 プロジェクトが始まって、知らないキャンペーンを応援しようと思う支援者はなかなかいらっしゃいませんので、まずは応援してくれる身近な人たちにしっかりと思いを伝えて、いいスタートダッシュを切るとともに、プロジェクト公開前後のPRを工夫することなどにより、支援の輪が広がり、参加する事業者の資金調達、売上向上につながるよう取り組んでいただきたいと考えます。 そこでお尋ねします。迅速な資金調達やファンの獲得など、多面的な効果が期待できるクラウドファンディングを活用した支援にどのように取り組まれるのか、県の所見をお伺いいたします。 次に、県内の観光産業支援についてお尋ねいたします。 国では、新型コロナウイルス禍により疲弊した経済を一刻も早く立て直すため、消費喚起策として、「Go To キャンペーン」を打ち出しました。 ウイルスの感染防止で県をまたぐ観光は自粛が続いておりましたが、去る六月十九日には全国の移動解禁が認められたところであり、ようやく経済活動の再開に向けて、本格的に始動したところであります。 既に、地方では国に先駆けて地元の観光需要を活性化させ、事業者を支える取組が広がっております。 例えば、秋田県は額面五千円の宿泊券を二千五百円で販売開始しました。四十万枚発行し、県民一人五枚まで購入できる仕組みになっております。 また、栃木県では、宿泊に対する補助にとどまらず、県内観光地に行きやすくするため、県道路公社管理の有料道路は休日無料化にするなどとされており、そのほか、様々な自治体で、県内の観光業を支える同様の取組が全国で広がっております。 不要不急の外出自粛が長期間続いた中にあって、改めて県内観光地の魅力を県民の皆様に知っていただき、落ち込んだ観光需要の喚起を促し、観光産業を支援することは、宿泊者数が激減するコロナ禍において、県産品、農林水産物の消費回復にも寄与することとなり、また観光地へつなぐ交通産業、県内飲食産業の需要を支えることに通じてまいります。 こうした一方、観光行動は心理面に大きく影響されるため、目に見えないウイルスに対して、観光客が漠然とした不安を感じることはやむを得ないところであります。 したがって、今後は、旅行期間は短縮され、旅行先は遠距離から近距離になるなど、これまでの旅行形態から大きく変化することも予想されます。 また、国内で感染拡大が終息しても、世界で沈静化しなければ、早期のインバウンド回復は当面困難であり、まずは国内需要の喚起が観光産業にとって即効性のある取組となります。 加えて、ウイズコロナも見据えたワーケーションを推進する動きもあり、終息後も、働き方の変化からテレワークへの需要が続くと見込まれます。こうしたテレワークの場所としてのホテル・旅館の一時利用が、宿泊ニーズを上回り、寝る場所だけではない、新たな業態を必要とするかもしれません。 このように、新型ウイルスを経験して見えてきた課題を踏まえた新たな動きも出てくると考えます。 これからは、全国一斉に観光客の誘致が始まるため、本県が観光地として埋没しないためにも、効果的な取組を期待しております。 そこで、県として、喫緊の課題である観光産業への支援について、どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。 次に、県産農林水産物の需要回復についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルス感染症による影響が長引く中、農林水産業にも同様に、大きな影響、混乱が広がっております。不要不急の外出自粛等の要請により、飲食店の営業休止やイベントの中止が相次ぎ、牛肉や鮮魚、花卉などを中心に農林水産物の需要は大きく減少しています。県内でも、需要減少に伴って市場価格が低迷し、収益が大きく落ち込んだと訴える声は多く、生産者の皆さんが深刻なダメージを受けていることが分かります。 さきに成立した国の第二次補正予算では、農林漁業者の経営継続に向けた支援策が盛り込まれ、私どもも大変心強く感じているところでありますが、さらなる取組として落ち込んだ需要を回復させることも必要だと考えております。農林漁業者の生産活動を守り抜くには、所得の確保が何より重要であり、そのためには取引価格が安定するよう需要を回復し拡大させる取組を推進すべきではないでしょうか。 そこでお尋ねします。新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況に置かれる農林漁業者の経営継続に向けては、県産農林水産物の需要を回復し拡大させる取組が必要だと考えますが、県として今後どのように取り組まれるのか、県の所見をお伺いします。 次に、新型コロナウイルス感染の長期化を踏まえた、安心して出産や子育てができる環境づくりについてお尋ねいたします。 国でも、今後さらなる医療提供体制、感染防止対策の強化を図るため、一次補正で創設した新型コロナ緊急包括支援交付金について、二次補正ではさらに、全額国庫負担とするとともに、大幅な予算の増額や対象の拡大を行うこととなりました。 さらに、再流行に備えて、医療提供体制、宿泊療養体制及び検査体制の強化に財政上の支援を行い、人員の確保だけではなく、医療機器、医薬品、検査試薬、防護服、検査用綿棒等の確保などの支援を行うこととされております。 本県では、これまで不測の事態に備え、入院患者受入れ体制確保や病床数を現行の四十床から四百二十三床に拡大してきました。また、PCR検査体制の強化や社会福祉施設への消毒液等購入支援など医療提供体制の充実を図ってきたことを、我が会派としても高く評価しております。 今後は第二波、第三波に備えた感染拡大の防止策や、感染拡大が続く厳しい環境の中、社会機能維持のために事業を継続いただいた医療、介護、障害、保育施設などで働く方々への支援などをさらに充実していただくよう、まず最初に申し上げておきます。 今後の新型コロナウイルスの感染拡大では、未知のウイルスに対する恐怖から、多くの県民の方に不安が高まりました。とりわけ、妊婦や子育て中の方にとっては、胎児や乳幼児への影響が明らかになっておらず、妊婦が感染した場合の治療手段も限られることなどから、常に徹底した感染予防対策が求められ、それが心の大きな負担にもつながりました。 今後、安心して出産や子育てをするためには、感染予防に十分対応した環境づくりを進めることが重要であり、妊婦や子育て中の方が、健診等のために安心して医療機関を利用できる、一般外来と分けるソフトやハード面の整備や、生まれてきた赤ちゃんに対する感染リスクを軽減するための妊婦へのPCR検査の実施など、さらなる体制の充実に取り組むとともに、様々な不安を抱える妊婦や子育て中の方に対する相談体制を充実する必要があると考えます。 また、感染予防対策が長期化することで、新たな問題も出てまいりました。感染のリスクを避けるため、人が集まる場所への外出をできるだけ控えた結果、妊婦健診や乳幼児健診、子供の予防接種など、必要な時期に実施できていない状況があり、妊婦や子育て中の方からの不安の声が増えております。 定期予防接種のワクチンの対象となっている病気は、命や健康に大きな影響をもたらす重大なものばかりであり、また、安全な出産のためには、定期的な妊婦健診により、病気の早期発見や適切な治療、保健指導を受けることが重要であります。そのためには、必要な健診や予防接種を控えないことや、適切な時期に実施する重要性など、関係機関とも連携した、積極的な情報発信を実施していただきたいと思います。 そこでお尋ねします。県として、新型コロナウイルス感染の長期化が見込まれる中、安心して出産や子育てができる環境づくりに、今後どのように取り組まれるのか、所見を伺います。 次に、避難所における感染症対策についてお尋ねいたします。 六月に入り、豪雨災害が起こりやすい出水期を迎えました。 二○○九年七月、梅雨前線に伴う豪雨は、本県でも、かつて経験したことのない大規模な土石流や河川の氾濫等を引き起こし、県央部に大きな被害をもたらしました。 その後、二○一四年八月には、豪雨による広島市の土砂災害、二○一七年七月には九州北部豪雨、二○一八年七月には岡山県真備町を襲った西日本豪雨と、私たちの日々の生活は、災害と隣り合わせと言っても過言ではありません。 記憶に新しいのは、昨年の八月二十九日、発達した雨雲が県内に次々と流れ込み、局地的に一時間四十ミリを超える激しい雨が降りました。 私の地元宇部市でも、五段階の警戒レベルによる防災気象情報が導入されて県内初の警戒レベル五が発令され、特に小野地区では、土砂災害区域の住民四百三十一世帯九百八十七人に避難勧告が出され、私も直ちに、状況把握のため避難所に駆けつけさせていただきました。 小野地区内の四施設に避難所が開設され、地元のふれあいセンターでは、和室と講堂の二部屋に四十六世帯六十六人が所狭しと避難されている状況でありました。 今のコロナ状況下で災害が発生した場合、避難所において密閉・密集・密接、いわゆる三密の状況が発生するおそれや、衛生環境の悪化等が懸念され、感染症拡大のリスクが高まることが考えられます。 先日、ある防災情報番組で、「避難行動とは、避難所に行くことだけを連想しがちですが、避難とは文字どおり難を避けること、つまり安全を確保することであり、避難勧告や避難指示などの避難情報は、必ずしも避難所のみへの移動を促すものではなく、災害によっては、自宅の二階やビルの高い場所に移動すること、また親戚や友人宅へ行くことも、適切な避難行動に該当する」との専門家の説明がありました。 また、スペース確保のための避難所増設に加え、避難所へ行く際は、マスク、消毒液、体温計等を持参するなど、日頃からの住民への事前周知が必要だとも述べられております。 コロナ禍においては、避難所の中心となる学校や公共施設における未利用スペースの活用、さらには、民間の宿泊施設、ホテル、旅館等との連携も視野に、多くの避難所確保に努めていただきたいと思います。 また、定期的に病気やメンタル、健康チェックを行う体制づくりや、衛生用品などの備蓄の確認・拡充、自主防災組織やボランティアの行動等、避難所運営に関する十分な事前準備も必要だと考えます。 さらに、万一、避難所において感染者が発生した場合の対応についても明確にしておかなければなりません。 そこでお尋ねいたします。災害時における避難所での感染症対策について、県としてどのように取り組まれるのか、所見をお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルスを踏まえた学校教育の課題についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を踏まえ、文部科学省は授業時数の確保だけではなく、学校行事も含めて子供たちの学びを保障するため、学校教育活動の新たな方向性について、各教育委員会に対して通知を行っております。 休校の長期化により、当初予定していた学校教育の指導を年度内に終えることが困難な場合には、特例的な対応として、最長で今後三年間を見通して教育課程を再編し、一部の授業や行事を次学年以降に繰り越すことが認められております。 また、学校で行う授業とICT活用を含めた家庭学習を組み合わせることで、学校での学習活動を教師と児童生徒、あるいは児童生徒同士の関わり合いが重要な学習や実習に重点化することも明記されております。 学校のICT環境整備については、国は、令和五年度までに達成としていた小中学校での一人一台端末の整備などを前倒しすることとしております。 一方、本県においても、県立学校の一人一台端末の整備について、令和七年度までの配備を予定されておりましたが、国の動向等を踏まえ、前倒しでの整備を進められるとお聞きしております。 約三か月の臨時休校の影響による授業の遅れを取り戻すためにも、できる限り早く、端末の配備や学校の通信環境の整備に着手する必要があります。 また、学校での授業や家庭学習を含め、学習面でのICT活用が効果的になるよう、子供たちの学びを保障するためにも、教員のICT活用に関する指導力向上を図っていく必要があると考えます。 そこでお尋ねします。長期の休校による学習の遅れや、再度の休校措置も考慮し、子供たちの学びを保障するためにも、教員のICT活用に関する指導力向上にどのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いします。 また、学校の文化祭や体育祭といった行事や部活動については、集団との連帯感を深め、学校生活の一生の大切な思い出として心に刻まれるものであり、家族にとっても子供たちの成長を見届けるかけがえのない機会であります。 新型コロナウイルスの影響により、学校行事が中止や延期となる中で、特に部活動については、戦後初めて今夏の甲子園が中止となり、全国的に球児たちの心を痛む声が上がり、また、高等学校総合体育大会についても中止となりました。これまで部活動に懸命に打ち込んできた子供たちにとって、一つの目標に向かい、仲間たちとともに切磋琢磨し歩んできた活動の集大成となる場が失われたことは、非常につらいことだと思います。 こうした状況の中、県教委は高校総体の代替大会を開催するとお聞きしております。長い休校期間が過ぎても部活動への意欲を持ち続け、頑張っている子供たちの心に寄り添い、特に三年生にとっては集大成となる大会となるよう盛り上げていただきたいと思っております。また、すばらしい大会となるためにも、開催に当たっては感染防止対策にも十分な支援をお願いしたいと思います。 そこでお尋ねします。子供たちの思いを踏まえた高校総体等の代替大会の開催と、開催に当たっての感染防止対策について、どのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 最後に、犯罪防止対策についてお尋ねいたします。 最近では、コロナウイルスに便乗した様々な悪質商法や詐欺が全国各地で相次いで発生しております。被害者は高齢者が多く、独居や夫婦のみで生活される高齢者世帯が多い本県にとって他人事ではなく、被害の拡大防止のための効果的な対策が求められます。 悪質商法では、高額なマスクや消毒液等を売りつける訪問販売や新型コロナウイルス感染症に効果があるとうたった未承認の医薬品販売、突然一方的にマスクなどの商品を送りつけ、その代金の支払いを請求する送り付け商法など、様々な手口を使って犯罪が発生しております。 また、詐欺については、緊急援助対策となった一律十万円の特別定額給付金を狙った卑劣な給付金詐欺が全国で相次いでいると伺っております。 犯罪の手段は電話やSNSなど多様であり、県内では、防府市で国庫の職員を名のる男から、十万円の給付金はどの通帳でしますかなどと尋ねる不審電話が発生。また、他県においては、市や区役所職員を語り、給付金を振り込むから口座と暗証番号を教えてなどと伝えた上で、自宅を訪ねてきた人物にキャッシュカードをだまし取られ、現金を引き出される事件が発生しております。 これらの犯罪は、今後も手口をより悪質・巧妙化させ、高齢者を中心に多くの県民が被害者となることが危惧されます。 よって、県警には、高齢者が被害に遭いやすい悪質商法や給付金詐欺について、県民の安全・安心を確保するため、高齢者にもより分かりやすい効果的な広報活動に努めるなど、犯罪を未然に防止する取組が何より重要であると考えます。 そこでお尋ねします。今後もコロナウイルスに便乗した悪質商法や給付金詐欺等の犯罪の増加が見込まれることについて、現状をどのように認識し、今後どのように対策を取るか、県警本部長に所見を伺います。 以上で、公明党会派を代表しての質問を終了します。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(藤生通陽君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)猶野議員の代表質問にお答えします。 まず、事業継続と雇用を守るさらなる支援についてのお尋ねのうち、中小企業への金融支援についてです。 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、売上減少等の影響を受けた中小企業が、事業の継続や雇用の維持をしていくためには、経営の安定に必要な資金繰りに支障を来すことのないよう、金融の円滑化を図ることが極めて重要です。 このため、私は、県制度融資の経営安定資金の融資枠の拡大を図るとともに、国の制度を活用して、保証料負担がなく、三年間無利子の新型コロナウイルス感染症対応資金を創設するなどの支援を行ってきたところです。 こうした中、国の二次補正予算で新型コロナウイルス感染症対応資金への支援制度が拡充されたことから、これを積極的に活用し、融資限度額を四千万円に引き上げ、融資枠を四千億円に拡大することとしました。 経営安定資金の千二百億円と合わせて五千二百億円の融資枠を確保し、事業者の旺盛な資金需要に対応した資金繰り支援の一層の強化を図ります。 私は、今後とも、中小企業を取り巻く経営環境の変化や企業ニーズを的確に捉え、関係機関とも連携しながら、中小企業の金融支援に積極的に取り組んでまいります。 次に、クラウドファンディングを活用した企業支援についてです。 消費者の外出自粛等により、飲食業をはじめ、幅広い業種で売上げの減少が生じており、これら事業者の事業活動の維持・継続を支援することは、地域におけるにぎわいの創出や地域経済の活性化を図る上で極めて重要と考えています。 このため、私は、クラウドファンディングを活用して、県内店舗で利用可能なプレミアムつきチケットを購入することにより、利用者が直接、事業者を支援できる、頑張るお店応援プロジェクトを新たに実施します。 このプロジェクトでは、チケットの購入にとどまることなく、お店を応援したい県内外の新たなファン獲得を支援するため、登録店舗の魅力を分かりやすく伝える紹介文をプロのライターが作成するなど、きめ細かに取り組むこととしています。 また、お店を安全に利用していただけるよう、県独自の新型コロナ対策取組宣言飲食店応援制度とも連携し、感染防止対策など、新しい生活様式の実践に向けた積極的な取組も併せて紹介します。 私は、このプロジェクトを通じて、店舗の持つ魅力を、近隣県も含め県内外に広く情報発信するとともに、資金調達の円滑化を図り、事業活動の維持・継続から発展に向けた事業者の取組を全力で支援してまいります。 次に、県内の観光産業支援についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う不要不急の外出自粛等により、旅館、ホテル等の宿泊業の需要が大幅に減少するなど、観光産業に甚大な影響が生じています。 観光産業は、宿泊のみならず、交通や飲食など関連する業種が多岐にわたり、地域経済に対する影響力が多大であることから、私は、その早期回復に向け、落ち込んだ観光需要の喚起や観光客の受入れ環境整備を強力に進めていく必要があると考えています。 このため、まず、観光需要の喚起に向けては、国内の感染状況を踏まえながら、即効性のある取組を積極的に推進していくこととしています。 具体的には、県内観光の促進を図るため、まずは、県内在住者を対象に、温泉を巡って楽しむキャンペーンを、今月、スタートしたところであり、県内周遊のさらなる促進と、県内観光地の魅力の再発見につなげていきたいと考えています。 また、今後は、新たに「行こうよ。やまぐちプレミアムキャンペーン」を展開し、県内宿泊施設で利用できる宿泊割引券を発行するとともに、旅行会社等による新たな旅行商品の造成を支援するなど、県内外からの誘客を促進する取組を積極的に推進していきます。 さらに、こうした誘客促進策の効果を最大限に高めるためには、本県の魅力を全国に向けて効果的にアピールすることが不可欠であることから、SNSや新聞、テレビなど、あらゆる媒体を活用した観光PRを強力に展開していきます。 次に、観光客の受入れ環境整備に向けては、観光客が安心して本県に来訪できるよう、県内の宿泊施設や交通事業者等が取り組む適切な感染拡大防止対策を積極的に支援していきます。 加えて、事態収束後の新たな動きとして、自然体験等の観光ニーズが高まるものと見込まれることから、本県の豊かな自然や特色ある文化等を活用した体験型コンテンツの造成に取り組む民間事業者への支援を通じて、魅力ある観光地域づくりを進めていきます。 私は、このたびの感染拡大で深刻な影響を受けた本県の観光を一日も早く回復させるため、市町や関係団体等と緊密に連携しながら、観光産業の支援に全力で取り組んでまいります。 次に、県産農林水産物の需要回復についてのお尋ねにお答えします。 イベントの中止や外食需要の減少等により、花卉や牛肉、鮮魚等の価格が大幅に下落するなど、農林漁業者の経営に深刻な影響が生じていることから、生産面での支援に加え、速やかに需要を回復し拡大させる取組が重要と考えています。 とりわけ、緊急事態宣言が解除され、イベントの開催制限等が段階的に緩和されることから、今後の新たな局面を見据えた、大胆かつきめ細かな対策を講じることにより、需要を喚起し、消費の拡大につなげていかなければなりません。 このため、私は、特に影響が大きい品目を中心に、思い切った地産地消対策をはじめ、大都市圏への売り込みや新しい生活様式に対応した販売促進など、本県独自の効果的な対策を積極的に展開していくこととしています。 まず、地産地消対策として、十万人以上を対象に、和牛や地鶏、花卉、日本酒等の割引販売を行う「みんなでたべちゃろ!キャンペーン」を、やまぐち食彩店や販売協力専門店など様々な事業者と連携して実施します。 また、リンドウをはじめ県産花卉を学校や駅など、約五百か所で展示するほか、学校給食に和牛や地鶏等を提供し、子供たちに県産品のすばらしさを伝えるなど、これまで培ってきた地産地消のネットワークを最大限活用し、県民の皆様とともに農林漁業者を応援する取組を推進します。 大都市圏に向けては、飲食店等への販路を維持・拡大するため、県産鮮魚を直送するぶちうま産直市場を活用し、和牛とセットでキャンペーンを実施するなど、これまでの取組の継続に加え、新たな顧客の掘り起こしにも取り組みます。 さらに、新しい生活様式に対応した販売促進の取組として、やまぐちブランドなど全国に誇れる商品を手軽に購入できるサイトの構築や、写真投稿コンテストによるSNSを活用した効果的な県産品の魅力発信などを進めます。 私は、農林漁業者が安心して生産活動を継続できるよう、関係団体等と緊密に連携し、県産農林水産物の需要の回復、拡大に全力で取り組んでまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症の長期化を踏まえた、安心して出産や子育てができる環境づくりについてのお尋ねにお答えします。 妊娠や子育て中の方は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛による出産・育児環境の変化や、胎児や乳幼児への感染のおそれ等により、強い不安を抱えて生活していることから、妊婦等への寄り添った支援を総合的に実施することが重要と考えています。 このため、私は、新型コロナウイルス感染の長期化が見込まれる状況下にあっても、安心して出産や子育てができる環境づくりに向け、感染防止対策や相談支援体制等の一層の強化に取り組むこととしています。 具体的には、まず、感染防止対策として、妊婦等が安心して医療機関を受診できるよう、妊婦等と一般外来患者を分離するパーテーションの設置や、診察室や病室等への簡易陰圧装置の設置など、医療機関における院内感染防止の取組を支援してまいります。 また、安心して出産できるよう、希望する妊婦に対し、分娩前のPCR検査費用を全額助成するとともに、感染が判明した妊婦については、専用の分娩監視装置など医療機器の整備により、周産期母子医療センターにおける受入れ体制を確保することとしています。 次に、相談支援体制の充実に向けては、妊婦等からの、里帰り出産が困難な場合の出産場所の確保や、日常生活における感染防止対策に関する相談などに対応できるよう、県庁内に相談窓口を設置し、保健師による専門的な助言・指導を行っているところです。 とりわけ、感染が確認された妊婦等は、新生児の健康や出産後の育児に対して強い不安を抱える場合が多いことから、県保健師が関係機関と連携し、退院後も継続的な訪問等を通じて、心のケアを含めたきめ細かな個別支援を行ってまいります。 さらに、お示しのとおり、妊婦健診や予防接種などは、安全な出産や子供の命と健康を守る上で重要であることから、妊婦や子育て中の方に対し、適切な時期に受けていただくよう、リーフレット等による周知を図るとともに、受診機会の確保のため、新たに個別健診に取り組む市町を支援してまいります。 私は、市町や関係機関と連携し、妊婦や子育て中の方が安心して出産や子育てができるよう、母子保健医療対策の一層の充実に取り組んでまいります。 次に、避難所における感染症対策についてのお尋ねにお答えします。 近年、自然災害が激甚化・頻発化している中、災害から命を守るためには、県民の皆様に安全な場所に確実に避難していただくことが何より重要であり、新型コロナウイルス感染症が懸念される状況下においても、安心して避難できるよう、避難所における感染症対策の強化が必要と考えています。 こうした認識の下、避難所を開設する市町に対し、換気や消毒、手洗いの励行など、県が策定した避難所運営マニュアル策定のための基本指針に基づく従前からの感染症対策の徹底を図るとともに、十分な避難スペースの確保など、このたび、国から示された留意事項等を踏まえ、新型コロナウイルス感染症に対応するよう要請してきたところです。 これを受けて、各市町において、マスクや消毒液、体温計など必要な資機材の調達をはじめ、学校の教室など未利用スペースの活用や民間事業者との連携による宿泊施設の確保、さらには感染症対策を踏まえた避難所運営訓練などの取組が進められています。 避難所の運営は市町の役割となりますが、新型コロナウイルス感染症が懸念される状況下においては、私は、広域性・専門性の観点から、県としても、積極的に支援していく必要があると考えています。 具体的には、県が民間団体等と締結している協定を活用し、衛生用品をはじめ、必要な資機材の調達に向けた調整を行うとともに、避難所が不足する場合には、避難先として、ホテルや旅館等の確保を図ることとしています。 また、避難者の健康管理の観点から、市町の要請に基づき、保健師等による健康相談やメンタルヘルスケアを実施することとしており、その中で、感染症が疑われる症状がある場合には、必要に応じて医療機関へ搬送するなど、適切に対応してまいります。 さらに、住民避難時における感染症対策を効果的に進めるため、避難所のレイアウトの見直しや避難者を受け入れる際の対応など、避難所における新型コロナウイルス感染症対策例として取りまとめ、市町と共有を図っているところであり、今後、これらを県の基本指針に反映することとしています。 私は、県民の命を守ることが何よりも重要との認識の下、引き続き、市町や民間団体等と連携し、避難所における感染症対策に取り組んでまいります。 副議長(藤生通陽君)浅原教育長。 〔教育長 浅原司君登壇〕 教育長(浅原司君)新型コロナウイルスを踏まえた学校教育の課題に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、教員のICT活用に関する指導力の向上についてです。 情報社会が進展する中で、子供たちの情報活用能力を育成するためには、学校におけるICT環境の整備と併せて、こうした環境を生かし、効果的な学習に結びつけていく教員の指導力の向上が重要です。 このため、県教委では、やまぐち総合教育支援センターにおいて、ICT機器の活用方法やICTを活用した授業づくりなどの研修を通じて、教員の指導力の向上に取り組んできたところです。 こうした中、このたびの新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休業に際しては、今年度設置したやまぐち教育先導研究室において、自宅で生徒がICTを活用した学習を行うための動画教材作成等の研修会の開催や、ICTを活用した先進的な実践事例の共有など、子供たちの学びの保障に向けた教員のスキルアップを進めてきたところです。 今後は、新たに学校における一人一台端末が整備される中で、再び臨時休業となった場合にあっても、ICTを活用した家庭学習に対応できる体制の整備に努めてまいります。 県教委といたしましては、子供たちの学びを保障するためにも、全ての教員がICTを効果的に活用した教育が行えるよう、こうした研修を一層充実させるなど、教員のICT活用に関する指導力の向上に取り組んでまいります。 次に、高校総体等の代替大会についてです。 お示しのように、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの生徒が目標としていた、夏の全国高等学校総合体育大会や甲子園大会等が中止となり、そのことに伴い県内大会も中止となりました。 特に、これまで部活動に懸命に打ち込んできた三年生にとって、活動の集大成となる場が失われた喪失感は計り知れないものがあると考えています。 こうしたことから、県教委では、県高体連や県高野連等と協議を重ね、このたび、硬式野球、バスケットボール、ハンドボールなど、計二十六競技において、やまぐち高校生二○二○メモリアルカップを開催することとしたところです。 開催に当たっては、大会の情報や応援メッセージ等を投稿する県の特設サイトを開設し、一つの目標に向かって仲間とともに取り組んできた高校生を、県民の皆様と一緒に応援していく仕組みを構築するなどして、思い出深い大会となるよう取り組んでまいります。 また、感染防止対策については、本大会に関わるガイドラインにのっとり、手洗い、室内換気等の基本的な感染防止対策や、事前の健康観察、検温を行うなど、生徒や大会関係者等の安心・安全を確保できるよう努めてまいります。 県教委といたしましては、学校関係団体等と連携し、感染防止対策を徹底しながら、生徒の思いを踏まえたすばらしい大会となるよう取り組んでまいります。 副議長(藤生通陽君)片倉警察本部長。 〔警察本部長 片倉秀樹君登壇〕 警察本部長(片倉秀樹君)新型コロナウイルス感染症に便乗した悪質商法や特別定額給付金に係るうそ電話詐欺等の現状に対する認識と対策についてのお尋ねにお答えします。 県内においては、現在までのところ、議員お示しのような新型コロナウイルス感染症に便乗した悪質商法等の被害は認知しておりません。 しかしながら、実際、給付金をかたった不審電話や、補助金支給をかたった悪質商法の相談も受理しているところであり、今後、県内における被害の発生も懸念されるところです。 特別定額給付金をはじめ、皆様の様々な思いが込められた新型コロナウイルス感染症対策に藉口した卑劣な犯罪は断じて許されず、県民を守るためには、効果的な広報啓発を行うとともに、被害認知の時点で迅速な捜査体制を確立するなど、被害防止と検挙の両面で効果的な対策を講じることが重要であります。 まず、被害防止対策といたしましては、感染防止対策を講じた上で、警察官が高齢者宅を訪問し、新型コロナウイルス感染症に便乗した悪質商法やうそ電話の詐欺の手口と、被害に遭わないためのポイントなどについて直接伝える取組を進めているところです。 また、高齢者サロン等の機会を活用した出前型防犯講習や、子や孫の世代からのメッセージの発信、金融機関やコンビニエンスストアにおける顧客への声かけなどの協力を要請する取組も行っているところです。 次に、検挙対策につきましては、不審電話や相談を認知した時点で、だまされたふり作戦の実施や早期に大量の捜査員を投入、犯人の現場検挙や突き上げ捜査の徹底による、事案の全容解明に努めることとしております。 県警察といたしましては、議員の御指摘も踏まえ、今後とも、被害に遭いやすい高齢者を中心に、より分かりやすい広報啓発に努めるとともに、迅速かつ的確な捜査活動を進め、安全・安心な社会の実現に向け、全力を注いでまいります。 副議長(藤生通陽君)これをもって代表質問を終わります。 ───────────── 副議長(藤生通陽君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。御苦労さまでした。 午後一時五十三分散会