1 新型コロナウイルス感染症対策について 2 山口市の課題について 3 その他
議長(柳居俊学君)小田村克彦君。 〔小田村克彦君登壇〕(拍手) 小田村克彦君 おはようございます。民政会の小田村でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきますが、その前に一言申し上げたいと思います。 新型コロナウイルス感染症と日夜闘い続けておられますエッセンシャルワーカーと呼ばれておりますけれども、私たちの日常生活を支えていただいている医療従事者の皆さん、あるいは介護、保育、生活物資を販売されておりますスーパーの皆様方等々、多くの皆様方に感謝を申し上げなければならないと思います。 感染リスクと闘いながら、命と暮らしを守っていただいているということにまず心から感謝を申し上げ、質問に入らさせていただきます。 まず、新型コロナウイルス感染症対策について、お尋ねをいたします。 そのうちの一つは、今後の地方財政への影響についてであります。 アメリカのジョンズ・ホプキンス大学、システム科学工学センターの集計によりますと、新型コロナウイルスの世界の感染者が南北アメリカ大陸を中心に拡大スピードが加速をしておりまして、六月十六日に累計八百万人、二十三日には九百万人を超え、二十九日の時点で一千万人を超え、僅か一週間で百万人ずつ増え続けております。また、亡くなられた方につきましても、五十万人を超えたというような報道がされております。 中国武漢から二○一九年十一月に発生が確認をされて以来、全世界を巻き込み感染が拡大をされ、日本国内でも二○二○年一月十五日に武漢から帰国をされた方が発症されたのをはじめに、六月二十八日現在で厚生労働省の発表では、感染者数一万八千三百九十人、死者九百七十一人となっております。 また、本県でも三月三日から五月五日まで三十七人の感染者が確認をされましたけれども、幸いにもお亡くなりになった方などもなく推移をしており、県民の皆様や企業の努力、多くの皆様の御協力により、新たな感染者を出していない状況が続いております。 振り返りますと、緊急事態宣言が四月の七日、東京など七都府県に発せられ、その後、四月十六日には、本県を含む全国を対象にこの緊急事態宣言が拡大をされました。 そして、感染拡大を抑えるために、不要不急の外出の自粛や、それに伴う企業活動の縮小、小売店の休業など、様々な形で経済を抑え込むという形になりました。 そのような状況の中、三月二十七日には、国内感染者数が千五百二十五人となっておりましたけれども、一般会計総額が百二兆六千五百八十億円の二○二○年度の予算が、コロナウイルス感染症対策を盛り込まれないままに成立をいたしました。その後、一か月後に、四月三十日ですけれども、新型コロナウイルス感染拡大による社会・経済への影響に対応するために、総額二十五・七兆円の第一次補正予算が成立。そして、さらに、一か月後の五月二十七日には、補正予算として過去最大規模で総額三十一・九兆円の第二次補正予算を閣議決定をし、これによりまして二○二○年度一般会計総額は百六十・三兆円にまで膨らむこととなりました。 過去最高でありました二○一九年度の予算の百四・七兆円の約一・五倍に増えることとなったわけであります。 財源につきましては、国債発行、いわゆる借金ということですけれども、補うこととなりまして、新規国債発行額は当初予算時点のほぼ三倍に相当する九十・二兆円となり、過去最大を更新をしております。 歳入に占める借金の割合であります国債依存度は、当初予算段階では三一・七%、一次補正後に四五・四%、二次補正後では五六・三%に跳ね上がり、リーマンショック後の二○○九年の五二・一%を大きく超えることとなりましたけれども、検査体制の強化や医療体制の整備、生活者や事業者の支援策の実施、学生あるいは本県のような自治体に対する支援策など危機的な国民生活の状況からすれば、速やかな執行が必要であり、重要だと認識をしております。 そして、基本的対処方針によりまして、六月十九日には日本国内において移動制限が全て解除をされましたが、いまだいつ起こるかも分からない第二波、第三波に絶えず注意を払いながら、経済活動を徐々に始め、感染拡大の防止と経済活動を両立していくという大変難しい取組を進めていかなければなりません。 そのような状況の中、本県においても、この新型コロナウイルス感染症の拡大防止策や経済活動に対する支援などを行い、また、コロナ対策以外に、これまでも地方創生や医療・介護など、社会保障への対応や子育て支援の充実、地方交通の維持などのほか、近年多発をする自然大規模災害への対応としての防災・減災事業の実施など、多くの課題に直面をしており、地方では行財政改革を進め、自助努力により課題解決のための地方財政法に基づく基金の積立てを行いながら、自主財源の確保に向けて身を切る行財政改革を行い、基金等積立てをしてまいりました。 そして、今次についても、このコロナ対応に万全を期するために行財政改革の必要な部分は継続性を担保しながらも、県民生活の安定、中小事業者、小規模経営者、経営基盤の確保を最優先に、これまで対応されてきたと認識をしております。 しかしながら、自主財源のある東京都などと比べますと、各自治体ごとの財政力は大きな差があり、東京都では、このコロナ対策でいわゆる経済情勢や災害などにより財源が不足をする場合や、年度間での不均衡を調整するなどの財源といたしまして、先ほど少し申し上げました地方財政法第七条で、決算剰余金の処理を決められております財政調整基金がありますけれども、二○二○年三月時点では過去最高の九千三百四十五億円の確保をしておられました。 本県の財政調整基金につきましては、三月時点で百三十四億円でありますから、歴然とした差があるわけですけれども、東京都ではこの九五%を取り崩し、総額一兆四百億円余りをコロナ対策に投じられてまいりました。 また、これまで基礎的財政収支、政策経費を税収で補えているかを示す、いわゆるプライマリーバランスということですけれども、当初計画より五年遅らせ、国、地方併せて二○二五年度には黒字化をするという財政健全化目標を掲げておりますけれども、国のプライマリーバランス赤字額は二○二○年度当初予算段階で九・二兆円とされておりましたものが、六十六・一兆円にまで増大をしておりまして、目標達成は大変厳しい状況となっております。 国内の自治体間で生活水準の均衡を図るために、地方財政計画、地方交付税措置があるわけですけれども、政府はいわゆる骨太方針二○一八におきまして、二○二一年度の地方財政計画までは地方一般財源総額が二○一八年度の地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するというふうにされておられますけれども、今次の状況から企業業績の悪化により、税収減は避けられない状況であります。 二○二○年度の地方財政計画では、地方交付税は前年度を上回り、臨時財政対策債も前年度比○・一兆円を抑制をされました結果、一般財源総額は前年度を上回る額が確保されましたけれども、しかしながら、このコロナ禍の経済状況からすれば、また、改めて地方に負担増がかけられるものと思われます。 私ども会派といたしましても、地方財政の充実強化に向けて、これまでも取り組んできたところですけれども、この感染症拡大に伴う本県財政への影響と、今後の地方財政への影響について、御所見をお伺いいたします。 次に、キャッシュレス化の推進についてお尋ねをいたします。 政府は、キャッシュレス化の目的について、インバウンドの増加と決済の利便性の向上、そして、税収向上を上げておられます。また、二○二五年度までにキャッシュレス決済比率を四○%まで引き上げることを目標にしており、キャッシュレス化を進めるため五%還元ということを推進を図ってこられましたけれども、まさにこの六月で終了をいたします。 このコロナ禍において、感染拡大防止の観点から、できる限り人、物への接触を少なくすることが求められたこともあり、追い風となって利用者が拡大をいたしました。 高齢者への対応などを考慮いたしますと、ICTと同じく利用ができる人とできない人への格差を考えてしまいますけれども、利便性を高めることや、電子マネーの世界的な覇権争いなど思慮いたしますと、早期の導入と定着は必要と考えます。 これまで例えば五百円未満では現金での支払いが当たり前だったものが、今ではコンビニエンスストアでジュースの一本でも現金に触れない、携帯電話をかざして支払いを済ませたり、クレジットカードを差し込むことで支払いを済ませることが当たり前となりつつあります。 スーパーなどの小売業から個人事業主の小店舗でもこのキャッシュレス対応をしておられるところが多く見られます。○○ペイという名前が多過ぎるぐらい、各企業が支払い方法を独自化し、また、様々な決済手段が存在をしております。 現在、QRコードを産官学の協議会で統一化を進めようとしておりますけれども、事業者間での対応の違いも見えているところでもあります。 携帯電話にバーコードなのかQRコードなのか、それに対応したソフトの導入と決済事業者との契約があれば使用可能であり、小売店などの事業者の導入に当たっては補助金なども活用されてまいりました。 そして、そのことで県民の利便性が向上し、導入事業者にもメリットがあったものと認識をしております。 これまで山口県では、「やまぐち・どこでもキャッシュレス」の実現に向け、県内全域でのキャッシュレス決済の導入促進に向けて、県内小売店舗等からの相談に応じるため、キャッシュレス決済導入支援コーディネーターを圏域ごとに配置をされたり、キャッシュレスに関する相談に応じるコールセンターの設置など取り組んでこられましたけれども、これまで以上に普及促進を図っていく必要があると考えますけれども、御所見をお伺いいたします。 あわせて、今では国税も含めて、多様な税目で支払方法の多様化が進んでおります。本県でも各種税目について、口座振替やクレジットカード決済など県民の皆さんへの行政サービス向上の面から、また、納税のしやすさからも取り入れておられると考えますけれども、キャッシュレス支払い可能な税目を増やすことや、納税方法の多様化に伴う決済方法への対応など進めるべきと考えますけれども、御所見をお伺いをいたします。 次に、新しい働き方の推進についてお尋ねをいたします。 新しい生活様式の中での働き方も今後の重要な課題であります。 密閉・密集・密接の三密を避けることを生活の基本として行動することとなりますと、勤務環境、移動の必要性、場所、時間のほか、人とのつながり方をも見直す必要があります。既存のテレワークや在宅勤務はもちろんのこと、オンラインでの会議、あるいはICT・SNSを活用した働き方改革、学習の改革、仕事での改革を進めていかなければならないと思っております。 そして、そのことが、世界の中で日本は実は遅れているといわれる生産性の向上にもつながることとなると思っております。 これまで日本は、一九六八年には国内総生産もアメリカに次ぐ世界第二位となり、四十二年間その座を守っておりましたけれども、二○二○年には十四億人超えのこの人口を擁する中国の躍進によりまして席を譲ることとなりました。 また、ある予測では、二○三○年にはインドにも抜かれるんではないかと予測をされております。 日本の少子化・高齢化、人口減少社会では太刀打ちができるものではありませんけれども、少ない人口でも労働生産性を高めることによって効率を高めることは可能であります。 内閣府が発表いたしました令和元年版高齢社会白書では、十五歳から六十四歳までの生産年齢人口は二○一八年の七千五百万人から二○六五年には四千五百万人にまで減少すると予測をされております。 労働力が減少していく状況なだけに、それを埋めるべく人の手を煩わせずに生産性を向上させる仕組みの構築、ICTによる効率性を高めることも重要です。 以前、働き方について御質問をいたしましたけれども、そもそもテレワークあるいはリモートワークというものは、男女共同参画社会の下で女性の働き方や育児との両立、男性職員の育児への積極的な参加など、消費対策やワーク・ライフ・バランスの確保の必要性、あるいはその課題解決のために自宅などで仕事もできる環境整備をする中で生まれた手法だったというふうに思います。 今次のコロナウイルス感染症拡大に伴い、特に、大都市圏では、感染拡大防止のため、人と人との接触を八割減らす努力をすることを求められました。そのことによって会社に出勤せず、リモートによる自宅での仕事をしていくことが求められ、あわせて、お子さんをお持ちの家庭では、子供たちの休校措置によりまして、子供を見ながら仕事もするという環境を選択されることとなりました。 この新型コロナウイルスによる生活意識調査では、テレワークを全国で三四・六%、東京二十三区では五五・五%が経験をされ、東京二十三区の経験者のうちの約九○%の方々が継続して利用したいというふうに回答をされております。 企業では、東京都の調査で、テレワーク導入企業は三月では二四%、四月では六三%に達したと報じられております。 新しい生活での人同士の接触機会を減らすという中で、テレワークや在宅勤務、学校などのeラーニングの活用など、ICTに係る容量は増すばかりでありまして、その基盤づくり・環境づくりも早期に進めていかなければなりません。 感染リスクを減らしつつ働くには、ICTの今以上の利用が不可欠となっています。また、これから5Gの活用により、地方や条件不利地などでの整備が進み、情報格差がなくなっていけば、どこにいても現場を除く多くの業務が、オンライン上で進めることが可能となる、そういった時代となってきております。 こうした時代を見据え、コロナを契機として求められつつあるテレワークやフレックス制度などの新しい働き方を企業に広めていく必要があると思いますけれども、この新しい生活を定着させる中、新しい働き方というものを普及・定着させるために、どのように取り組まれるか御所見をお伺いをいたします。 次に、県の職員の働き方についてお尋ねをいたします。 本県でもコロナ対策に従事をされました職員の皆さんの中には、過労死や過労自殺のリスクが高まるとされます時間外労働時間の目安として、一か月の時間外労働時間数がおおむね百時間を超える場合、または、一か月当たりおおむね八十時間を超える時間外労働が二か月ないし六か月にわたって認められる場合を過労死ラインというふうに呼んでおります。 このコロナ感染症対策に当たる健康増進課、厚政課、県所管の保健所では、今年の三月と四月で過労死ラインを超える一か月の時間外労働時間が百時間を超えた職員数は三百十八人中三十九人、最も長い人は二百六十六時間にもなったと報道をされております。 労働基準法は、労働条件の最低基準を定めることによりまして、労働者の健康や権利を守ることが目的の法律であります。 例えば、三十二条に、使用者は労働者に一日八時間を超えて労働をさせてはならない、週四十時間を超える労働をさせてはならないというふうに定められております。 民間では、この法定労働時間を超えて時間外労働をさせる、あるいは休日に労働をさせる場合には、三六協定と言われますが、いわゆる労働基準法第三十六条に基づく労使協定の締結と所轄の労働基準監督署への届出というものが必要となります。 届出を出さずに時間外労働や休日労働をさせた場合は、労働基準法違反として会社が罰せられることとなります。 また、三六協定によって設定できる時間外労働の時間には限度がありまして、原則月には四十五時間、年三百六十時間までと定められております。 ただ、県職員などの公務の場合には、労働基準法三十三条三項に、一部事業を除きまして、官公署の事業に従事する国家公務員、地方公務員は、公務のため臨時の必要がある場合、法定労働時間を超える時間外労働や法定休日における休日労働をさせることができるというふうに定められております。 ただし、労働基準法の三十七条におきまして、労働者に時間外労働や休日労働、深夜勤務を命じた場合、割増しの賃金を払わなくてはならないと決められておりまして、三六協定の有無や限度時間にかかわらず、それ相応の賃金を支払う必要があります。 なお、これに違反をした場合には、労働基準法第百十九条に基づいて、六か月以下の懲役または三十万円以下の罰金に処せられるということになっております。 だから、残業代を払いなさいということではなく、それはもう当たり前のことでございますから、それはそれといたしまして、労働時間管理をきちっと行うとともに、業務量に合った適正な人員の配置を行うことが、私は必要だというふうに思います。 世の中、景気が悪化をしてまいりますと、いわゆる公務員バッシングというものが始まります。しかし、一たび災害が発生をいたしますと、自治体職員は家庭を顧みずに、市民、県民のために一生懸命業務を進め、例えば、東日本大震災のときのように、命をも投げ出して公務を遂行をいたします。 このコロナ禍で、県民、市民の皆様が大変なときです。今後もまだまだ支援業務など土日返上での業務が日々続く部署もあろうというふうに思いますけれども、職員を管理する県の立場として、時間外管理や働き方など、改善に向けた取組について御所見をお伺いをいたします。 次に、最後になりますけれども、山口市の課題についてお尋ねをいたします。 農業試験場の跡地利用と県道山口防府線の渋滞緩和策についてお尋ねをいたします。 農林業の知と技の拠点の形成として、農業試験場と林業指導センターを防府市の農業大学校へ移転・統合し、先端技術開発と即戦力人材の育成に一体的に取り組む農林業の知と技の拠点を形成することによりまして、生産者の所得向上を実現するなど、本県農林業の成長産業化を図ることを目的として、二○二二年三月完成を目指して進められておりましたけれども、建設予定地に埋設物が見つかったなど、その撤去に時間を要することから、二○二三年三月と一年延びての完成予定とされております。 昨年九月の議会では、同じく、山口の宮野にあります林業指導センターの今後の対応についてもお尋ねをいたしましたけれども、今次はこの農業試験場に絞ってお尋ねをいたしたいと思います。 農業試験場等跡地利用検討協議会が、山口市との間で二○一九年一月に発足をし、一度協議会を開催され、その後は事務レベルでの協議を一度されておられるようですけれども、それ以降、なかなか進展もない状況と聞き及んでおります。 農業試験場移転に伴う跡地利用について、地域住民の皆様から山口市に対しては、一つには現在の農業試験場の保水能力を踏まえ、浸水被害が悪化することがないよう、効果的で十分な浸水対策を取ってほしいと。二つには、県道山口防府線をはじめとする慢性的な交通渋滞が悪化することがないよう対策を取ってほしい。そして、三つ目には、敷地施設の一部を地域住民の憩いの場・交流の拠点として活用することをしてほしいということの大きく三つの要望が出されております。 一番目のこの浸水被害の課題につきましては、県管理のこの仁保川ですけれども、井出に対しまして山口市がフラップゲートを取水口に整備をされたということで、最近では効果を少し発揮をしているというふうに伺っております。 そして、三番目の地域住民の交流の拠点など、この課題につきましては、今後の大枠が進んでいく中で、まちづくりの観点から思慮されればいいというふうに思いますけれども、やはり一番の課題は、ここ二番目の要望であります県道山口防府線の渋滞緩和策だというふうに思います。 これらの課題を踏まえて、山口市から今度は本県に対して、一つには、県全体の発展につながる県施設等の検討をお願いをしたい。二つ目には、本市の発展につながる公的な施設、民間の活力導入等の検討をお願いをしたい。そして、三つには、現在の農業試験場周辺における諸課題を踏まえた検討をお願いをしたいということで、県に要望をされておられます。 農業試験場周囲では、郊外型の商業施設や各種事業所、学校やそれを取り巻く住宅地となっておりまして、十八・七ヘクタールの敷地面積は、地域の非常に大きな関心事でもあるとともに、この山口市におきますこれからのまちづくりに大きな影響を及ぼします。 まちづくりを考える上では、まずは付近の交通環境も重要な要因となります。 新聞報道によりますと、市のまちづくりの観点から考えなければならないと、協議の遅れを認めた上で方法論や進め方は県、市で進める。市が具体的な方向性を示すまで待ちの状態だと。ボールは、向こうに投げられているという県の幹部の方が発言をされているようで、お互いの出方を探っているとの論評がされておりました。 まさにこの山口市がまちづくりの観点から考える必要があるということは、的を射ているというふうに思います。しかし、そのためには、県道ですから、当然これは県が主体的に渋滞緩和策を思慮していく必要があるのではないでしょうか。 これまでも議会の質問でも出されておりますけれども、回答を聞いておりますと、どこか主体性のない人ごとのように聞こえてまいります。 山口県の責任として、県道を拡幅するのか、あるいは困難なら都市計画道路を新たに整備をしていくのか、あるいは違う路線の利便性を高めることで現行の交通量を低減していくのか、まさに知恵を出さなければならないということではないかと思います。 改めて、これからのまちづくりを進める当該自治体であります山口市とのこの跡地利用の進め方についてと、そして、県道山口防府線の渋滞緩和策の考え方について御所見をお伺いをいたします。 一回目の質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)小田村議員の御質問のうち、私からは、新型コロナウイルス感染症対策に関する本県の財政への影響と今後の地方財政への影響についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染拡大から県民の命と健康を守り、県民生活と地域経済を支えることが目下の最重要課題との認識の下、私は、これまで国の対策も踏まえ、当面緊急的に実施すべき対策に取り組んできました。 そして、今回の対策も含め、総額で三千三百億円を超える予算額を措置してきたところであり、その編成に当たっては、国の交付金等を活用するほか、財源調整用基金の取崩しにより対応してきました。 これにより、現時点における今年度末の残高見込みは約九億円となりましたが、これまでの行財政構造改革の取組を一時凍結した上で、今緊急的に行うべき対策に大胆に財源を投入した結果であり、この未曾有の危機的状況下においては、必要な対応であると考えています。 しかしながら、この非常事態への対応のためには、地方独自の財源だけでは限界があることから、私としては、新型コロナウイルスとの長期戦も見据え、これまで増額要望してきた交付金のさらなる増額を引き続き国に求めることとしています。 また、感染症の影響により、経済が下振れし、法人関係税をはじめ、地方の税財源の大幅な減少が懸念されますが、特に都道府県税の約三割を占める基幹税である地方消費税は、減収補?債の対象税目とされておらず、本県の歳入に大きな影響があると見込まれます。 そのため、少なくとも感染症による景気への影響が生じている間は、地方消費税を減収補?債の対象税目に追加すべきであると考えています。 さらに、地方が責任を持って実情に沿った行政サービスを十分担っていくためには、感染症対策などの財政需要を地方財政計画に的確に反映し、安定的な財政運営に必要な地方一般財源総額を確実に確保・充実すべきであると考えています。 この二点については、私は、これまでも全国知事会等を通じ国に求めてきたところであり、今後もあらゆる機会を通じて国に要望していく考えです。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)福田商工労働部長。 〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 商工労働部長(福田浩治君)新型コロナウイルス感染症対策に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、キャッシュレス化の推進のうち、普及促進についてです。 県では、補助金など国の大規模な支援策の実施を好機と捉え、昨年度から市町や商工団体、金融機関等が参加する、やまぐちキャッシュレス化実現会議を設置して、県内全域を対象にキャッシュレス化の推進に取り組んでいます。 まず、決済に必要な端末の導入に向けては、事業者に対して、コーディネーターが導入のメリットや具体的な決済方法等の助言を行い、導入時の不安解消に努め、QRコードやカードリーダーの設置を進めたところです。 この結果、国のポイント還元制度の対象となる県内小売店舗の登録は一万件を超えるなど、県内におけるキャッシュレス決済の利用機会は確実に増加しています。 一方で、消費者の利用を促進するため、イベント等における体験会の開催や電子プレミアム商品券の発行など市町単位での取組に対して、補助制度を創設し支援してまいりました。 県では、やまぐちキャッシュレス化実現会議を中心に、こうした取組を継続することにより、キャッシュレス決済の普及促進に努めてまいります。 次に、新しい働き方の推進についてです。 新型コロナウイルス感染症の拡大防止に必要とされる新しい生活様式の実践例には、テレワークや時差出勤などの働き方の新しいスタイルが示されており、これらへの適切な対応が企業にとって喫緊の課題となっています。 こうした中、本県では、企業からの関心が高く、生産性向上にも資するテレワークについて、普及啓発から導入までを一貫して支援する制度を創設し、企業での活用を促進しているところです。 普及啓発については、テレワークの仕組みや活用事例を学べるオンラインセミナーを開催するとともに、ウェブ会議システムなどの体験機器を貸与することなどにより、導入に向けた疑問の解消や理解の促進を図っています。 また、導入に際しては、就業規則の見直し等、環境整備が必要となることから、社会保険労務士を派遣し、規則の整備等を支援することとし、あわせて、機器整備費への補助も行っています。 県としては、こうした取組を通じて、新しい働き方の普及・定着に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)キャッシュレス化の推進に関する御質問のうち、県税のキャッシュレス化についてのお尋ねにお答えします。 納税者の利便性や納税環境の向上に向けて、県税収納におけるキャッシュレス化は、重要な課題と認識しています。 このため、本県では、自動車税ではクレジットカード収納やスマートフォンによるペイビー収納を、法人二税では、地方税共通納税システムを導入し、キャッシュレス化を図っているところです。 こうした中で、キャッシュレス決済の他税目への拡大については、各税目における納税者数や既に口座振替利用率が高い税目があることなどの現状を踏まえ、納税者の利便性の向上や収納コストの削減にどれだけ効果があるかを見極めてまいりたいと考えています。 また、納税方法の多様化に伴う決済方法については、お示しのとおり、キャッシュレス決済サービスが拡大してきており、今後、県税収納についても、システム改修費等のコストを勘案した上で、導入について検討してまいりたいと考えています。 次に、県職員の働き方についてのお尋ねにお答えします。 県では、職員の時間外勤務の縮減や、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた働き方改革に取り組んできており、労働基準法の改正等を踏まえ、昨年度からは、月四十五時間、年三百六十時間を基本とする時間外勤務命令の上限規制を導入し、職員の健康保持等に努めています。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症に関する相談対応や疫学調査等により、保健所及び本庁関係課の業務が増大し、長時間勤務となった職員が多数生じたところです。 このため、管理職等に対し、所属職員の時間外勤務状況を日々把握するとともに、ワーク・ライフ・バランスにも配慮し、特定の職員に過度な負担が生じないよう、業務の平準化の措置等を適切に講じることについて、改めて庁内に徹底しているところです。 また、感染症対策に当たる現場の状況等を踏まえて、保健所をはじめ本庁関係課などにおいて、業務継続に必要となる増員配置や応援派遣を行うなど、全庁を挙げた支援体制の強化を進めています。 県としては、第二波、第三波の感染拡大に備えた万全の対策を講じていくに当たり、管理職等による一層のマネジメントの徹底や適切な人員配置等を通じて、県民サービスの確保と、職員が働きやすい職場環境整備の両立に努めてまいります。 次に、農業試験場の跡地利用と県道山口防府線の渋滞緩和策についてのお尋ねのうち、農業試験場の跡地利用についてお答えします。 県では、農林業の知と技の拠点の形成に伴い、農業試験場の十八・七ヘクタールの広大な敷地が跡地となることから、県と山口市で構成する農業試験場等跡地利用検討協議会を設置し、地元の意向を踏まえながら、地域の発展に資する利活用方策を検討しているところです。 具体的には、県と市の実務者レベルで構成する幹事会等を複数回開催をし、圃場等が有する保水機能を考慮した雨水排水対策や、地域住民の憩いの場・交流の拠点となる公的施設の在り方、民間活力の導入など、個別の課題等に関する調査・検討を進めています。 県としては、山口市全体のまちづくりの推進、県央部の広域的な発展につながるよう、引き続きまちづくりの主体である山口市と協議しながら、跡地利用の検討を行ってまいります。 議長(柳居俊学君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)農業試験場の跡地利用と県道山口防府線の渋滞緩和策についてのお尋ねのうち、県道山口防府線の渋滞緩和策の考え方についてお答えします。 県では、やまぐち維新プランの重点施策に、快適で住みやすい生活環境づくりの推進を掲げ、日常生活の利便性・安全性の向上に資する道路等の整備を推進することとしており、街路事業や交通安全事業などにより、渋滞箇所の解消等に取り組んでいます。 県道山口防府線については、山口市中央から大内矢田の区間の混雑度が高く、特に新鰐石橋交差点が主要渋滞箇所であったことから、この交差点付近の改良を行い渋滞の緩和を図ったところですが、農業試験場等跡地利用検討協議会において、山口市から、大内地区の人口増加や市街地化に伴う交通渋滞等が課題として示されていることは認識しています。 お尋ねの渋滞緩和策については、周辺の土地利用や交通需要を踏まえ、県道や市道などの道路ネットワークを総合的に検討する必要があることから、今後とも、まちづくりの主体である市と連携しながら、対応について検討してまいります。 議長(柳居俊学君)小田村克彦君。 〔小田村克彦君登壇〕(拍手) 小田村克彦君 るる御回答いただきましてありがとうございます。 一、二点改めてお尋ねをいたしますけれども、今の農業試験場の関係ですが、そこでの山口市とのこの跡地利用協議会といいますか、そこが一回開かれたままとなっておりまして、そこがいつか予定があるのか。そしてまた、幹事会を少しやられているというふうに御回答がありましたけれども、その幹事会での中身等が少しきちっと話ができているのか。ちょっと進んでいないということが非常に気にしておりまして、時間的にもそんなにあるという状況ではないというふうに思っておりますので、少し跡地利用協議会の予定、あるいは幹事会の予定、何が条件でそれが開かれるのか、そこも含めて改めてお尋ねをします。 それから、今の山口防府でありますけれども、確かに鰐石のところの中央高校のとこといいますか、その辺も改善をされておりますけれども、そこから一気に減ったという感覚は、やはりありません。大内から、小鯖のほうからといいますか、大内に入ってくると、もう土日はほぼ身動きがとれないという状況でありまして、今、当然県道ですから渋滞に対するこの原因の調査等されているというふうに思いますけれども、その結果をどういうふうに生かしていくか。今、市道等との連携ということも言われておりますけれども、それが連携がもうきちっとできていれば、どんどん減っていくはずだろうと思いますが、最近は何か渋滞がひどくなる一方かなというふうに思っておりまして、山口市の非常に大きな課題となっておりますことから、ちょっと改めてもう少し具体的に聞かせていただければというふうに思います。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)農業試験場の跡地利用についての再質問にお答えします。 先ほども御答弁したとおり、現在、県としての実務者間で圃場等が有する保水機能を考慮した雨水排水対策、あるいは地域住民の憩いの場・交流の拠点となる公的施設の在り方、それから、民間活力の導入など、個別の課題等に関する調査・検討を進めているところでありまして、現時点におきまして、今後の協議会あるいは幹事会の開催予定についてお示しできる段階にはございません。 議長(柳居俊学君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)山口防府線の渋滞緩和策についての再質問にお答えします。 県では五年に一度、道路街路交通情勢調査というもので、国とともに県内の国道、県道の交通調査を行っております。あわせて、各路線の混雑度等の調査も行っております。 また、主要な交差点での渋滞状況についても調査を行っておりまして、渋滞が顕著な交差点を主要渋滞箇所に位置づけております。 それと、県では、その渋滞箇所対策として、主要渋滞箇所の解消というものに積極的に取り組んでおりまして、県道山口防府線においても、先ほど申し上げましたとおり、新鰐石橋交差点付近の改良を行った結果、この交差点の主要渋滞箇所の位置づけが解消されたというところでございます。 あと、渋滞緩和策につきましては、繰り返しになりますけれども、周辺の土地利用、それから、交通需要等を踏まえて、県道や市道などの道路ネットワークを総合的に検討する必要がありますので、今後ともまちづくりの主体である市と連携しながら対応について検討してまいりたいというふうに考えております。 ───────────── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時三十五分休憩