1 安倍政権の評価と新政権への対応について 2 新型コロナウイルス対策について 3 米軍岩国基地問題について 4 下関北九州道路について 5 農業の病害虫被害について 6 教科書採択について 7 下関市立大学の定款変更後の諸問題について 8 その他
副議長(藤生通陽君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木です。病気療養のため四月臨時、六月定例会を欠席し、皆さん方には、本当に大変御心配をおかけしました。心からおわびをいたします。今後は、精いっぱい頑張る決意を述べまして、質問に入ります。 質問の第一は、安倍政権の評価と菅新政権への対応についてであります。 第一は、七年八か月、安倍政権が一枚看板としていたアベノミクスの実績であります。 安倍前首相は、三百八十万人の新たな雇用を生み出したと実績を誇りました。就業構造基本調査によると、県内の雇用者数は二○一二年の五十六万八千八百人から一七年の五十六万八千七百人と百人減っています。うち正規は七千七百人減り、非正規は七千六百人増えています。 注目すべきは六十五歳以上の雇用者数です。一二年の四万四百人が一八年には六万人と一万九千六百人増え、特に非正規が一万七千百人も増加しています。生活するために就労せざるを得ない高齢者が増えているためではないでしょうか。 安倍さんは、賃上げを主導したとも自慢します。毎月勤労統計調査結果年報によると、県内の一人平均月間現金給与総額は、一二年は名目二十九万五千五百七十二円、実質三十万七千五百六十七円でした。一八年は名目二十九万一千五百二十五円、実質二十八万六千三百七十円、名目で一・四%、実質では六・九%減少しています。 第二は、地方創生の実績です。 安倍前首相は、東京一極集中の是正を掲げて地方創生をアピールしました。山口県も一四年当時、三千六百四十七人だった転出超過を一九年までに半減させる目標を打ち出しましたが、一九年は四千四百三十人とむしろ悪化しました。合計特殊出生率は一九年に一・六五に改善させる目標を持ちましたが、一・五六にとどまりました。 第三は、平和と立憲主義の問題であります。 安倍前政権は、憲法をないがしろにして立憲主義を否定する安保法制、共謀罪、特定秘密保護法などを強行しました。核兵器禁止条約に背を向けて、敵基地攻撃能力の保有という危険極まりない置き土産まで残そうとしています。こうした事実をどう受け止められておられるか、お尋ねをいたします。 安倍前政権が残した負の遺産は、政治の私物化などほかにも枚挙にいとまがありません。 ところが、菅新首相は、こうした安倍政治を立派だったと手放しで評価し、この道しかないと突き進もうというのです。県政を預かる知事も果たして同様の考えなのか、お尋ねします。 質問の第二は、新型コロナ対策についてです。 資料一に示したとおり、県内の陽性者は百九十五人に達しました。人口十万人当たり十四人と中国五県で三番目です。一方、人口千人当たりのPCR検査数は六・五、中国五県のトップは鳥取県の九・四、次いで島根県は七・九、広島県は七、岡山県は四・二であります。 新型コロナウイルス感染拡大の収束のめどが立たないまま、これから冬に向けてインフルエンザの流行が予測されます。両者の症状はほぼ同じなので、医療機関は極度の緊張を強いられることになっています。それだけに、新型コロナのPCR等検査を文字どおり大規模に実施し、陽性者を隔離・保護する取組を行う以外にありません。 具体的には、一つ、診断目的のPCR等検査から防疫目的のPCR等検査へ転換を図ることです。 二つに、地域外来・検査センターを少なくとも合併前の旧市町村に一か所以上、開設することであります。 三つに、医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、感染リスクを抱えながら勤務する職員への定期的なPCR等検査を実施することです。 関連して四つは、インフルエンザの流行を抑制するための予防接種費助成であります。九月補正予算に小学生以下の子供に対する費用助成が計上されたことは評価しますが、もう一歩踏み込んで七十五歳以上の高齢者も対象とすべきです。 第二は、地域ごとの感染状況の情報を住民に開示することです。 地域ごとの感染状況がどうなっているかの情報開示は、感染対策の土台となるものですが、新規感染者数とともに検査数、陽性率を何らかの形で明らかにしている自治体は全国でも少数にとどまっています。 こうした中で、日々の市町ごとのPCR等検査数は地域住民の関心も高い情報であり、この情報をSNSで県民に提供することが重要です。直ちに踏み切るべきです。 第三は、県民の暮らしと営業を守ること。 新型コロナ対策として国が策定した諸制度を必要とする人たちに全てに行き渡らせ、感染終息まで持続することこそ、経済を立て直す上で不可欠であります。 一つは、雇用調整助成金や休業支援金・給付金、求職支援給付金など国が策定などした制度について、特例措置、申請期限の延長や対象拡大の措置を取るよう国に要望すべきであります。 二つは、個人向け緊急小口資金と総合支援資金の特例期間、住居確保給付金の支給期間をさらに延長すること。これらの予算を大幅に積み増し、迅速な給付がなされるようにすることであります。 三つは、生活保護制度について、厚労省がリーフレットに明記したように、生活保護の申請は国民の権利、このことを自治体、福祉事務所に改めて周知徹底し、適切な対応がなされるようにすることです。同時に、申請者や受給者の増大に対応できるようケースワーカーなどの増員を早急に図るべきです。 四つは、国民健康保険の減免措置の対象に、雑所得で確定申告しているフリーランスの方々も含めること。傷病手当金の対象を被用者だけではなく自営業者、フリーランス等にも拡大すること。減免措置及び傷病手当金について、自治体に周知徹底することではないでしょうか。 以上、それぞれについて見解をお尋ねします。 質問の第三は、米軍岩国基地問題についてです。 第一は、二○一八年十二月に発生した米軍岩国基地所属機の接触墜落事故に関する再調査結果についてです。数ある問題のうち二点だけお聞きします。 一つは、再調査報告書では、米国内で基礎訓練を終えて各基地に配属されたFA18のパイロットのNSS、標準スコアの平均は、米国本土のミラマー基地二百一・八、ビフォード基地百九十三・七に対し、何と岩国基地は百六十九・二と明らかに低く、偏った配置がなされてきたと指摘し、この偏った配置は二○○八年三月から続いてきたことが明らかにしています。 つまり、岩国基地は飛行成績の低いパイロットの掃きだめになっていたのです。ただ同報告書は意図したものではないと、その原因については踏み込んでいません。日米両政府に原因究明を求め、厳重に抗議すべきではないでしょうか、お尋ねします。 二つは、同報告書では、パイロットが睡眠導入剤アンビエンを使用してきたことを追認した上で、事故原因ではなかったとしていますが、日本の航空法のガイドラインは、睡眠薬は服用後二十四時間は操縦禁止と固く禁じています。 米軍パイロットの薬物使用を事実上、野放しにしている日米地位協定と航空特例法の抜本改定を求めるべきではないでしょうか、見解を伺います。 第二は、F35Bの機種更新の問題です。 国は八月二十六日、今年十月以降に、FA18二個部隊のうち、一個部隊約十二機を、F35B約十六機へ段階的に機種更新すると説明しました。 これを受けて八月二十七日、山口県と岩国、周防大島、和木町で行った二十一項目の文書照会に対する回答及び騒音予測コンターが今月十四日国から提示をされ、十六日には県と関係市町は、基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではないとの検討結果を出されました。 一つ、国は二○一七年のF35Bへの機種更新の際、約四機減少しているため、総数は変動していないとしますが、現時点と比較すれば四機増えることは紛れもない事実であります。生活環境に影響を与えることは皆無なのかどうか。 二つ目、騒音予測コンターは、防衛省が机上で決めた標準的な飛行ルートを基に作成されたものです。国も詳細については、米軍の運用に関わることで承知してないと回答しています。実際は岩国市街地上空はおろか、広島市や廿日市市上空での飛行が度々目撃されています。F35Bは標準的な飛行ルート以外を飛ぶことはないのかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思います。 三つ、F35については、米国会計検査院の報告書において、二○一八年一月時点での未解決の課題がA、B、C全ての型式全体で九百六十六件もあると指摘されました。安全性について国は、関連した課題のリストを得た上で、飛行の安全に影響する問題はないと確認したと回答していますが、未解決の課題の全てにおいて、問題はないと確認されているのですか。 以上、三点についてお尋ねします。 今回のF35B配備は、機種更新ではなく機数増そのものであり、基地周辺住民の生活環境のみならず、安全をも脅かすものです。容認できないときっぱりとした対応を取るべきですが、見解を伺います。 質問の第四は、下関北九州道路についてであります。 国交省の社会資本整備審議会道路分科会は七月十五日、第一回中国・九州地方合同小委員会を開き、新規事業化を目指す下関北九州道路の計画段階評価の審議がスタートし、徐々に全体像が見えてきました。 構造形式は橋梁案が妥当とされました。ルート帯は、資料二のように、いずれも旧彦島有料道路を起点部として、北九州都市高速道路を終点部とする三つの案と、それぞれの整備費用も示されました。 案一は、沿岸部迂回ルートで整備費は四千二百億円から五千二百億円、案二は、集落・市街地回避ルートで整備費は二千九百億円から三千五百億円、案三は、海峡渡河幅最小ルートで整備費用は三千億円から三千六百億円です。 私ども共産党県議団は、七月二十八日、国交省中国地方整備局に行き、道路部道路計画課長らから審議内容のレクチャーを受け、とんでもないことが明らかになりました。 一つは、三ルート案の起点になる旧彦島有料道路から中国自動車道につなぐアクセス道路は、山口県が検討する課題だという事実であります。県は、それを承知で事業推進を図ろうとしているのでしょうか、お尋ねします。 旧彦島有料道路は、御承知のように一車線の上、橋梁やトンネルもあり、高速交通網の一部として利用するには大規模な改修が必要です。 また、同道路と中国自動車道をつなぐ下関西道路の計画は全くめどが立たず、明らかにされていません。その理由は一体何ですか、お答えください。 下関北バイパスの事業費は六百六十二億円、一キロ当たり九十七億円かかりました。北バイパスの事業費を基に下関西道路の事業費を推計すると幾らになるか、お答えください。 二つは、二千九百億円から五千二百億円とされた事業費はあくまで現時点での推計だということです。本四架橋など巨大プロジェクトでは、当初計画段階の事業費の五倍、十倍に膨れ上がった例は幾つもあります。下関北九州道路にはそうした心配はないのか、それぞれについてお答えいただきたいと思います。 今でも国、県ともに財政状況は火の車であり、新型コロナの終息のめども明らかではなく、気候温暖化による大規模災害の危険性も増すばかりであります。 今やるべきは、コロナ禍から国民の命と暮らし、営業を守るとともに、災害に強い国土づくりです。あったら便利という不要不急の事業にうつつを抜かす余裕などありません。この点、知事の見解を求めます。 質問の第五は、農業の病害虫被害についてです。 県は、八月三日、全域でトビイロウンカ予察警報を発令しました。発生圃場率は過去十年で最も高い状況にあると警戒を呼びかけています。 これは、梅雨時期に中国大陸から飛来し、夏以降に高温少雨傾向になると急激に増殖する。一部に集中して稲を枯れさせ倒伏させる坪枯れが発生しますが、先日、お話を聞いた農家の方は、坪枯れどころか壊滅に近いと嘆いておられました。 二○一三年には県内で三千四百七十ヘクタールが被害を受け、四億八千七百万円の被害が出ていますが、今回はこれを上回る被害が出るのではないでしょうか。県内の被害状況と今後の予測をお示しください。 国の収入保険制度による減収補?があると聞きますが、本県の加入率は僅か八%で、新型コロナによる減収も加わり、今年を機に米作りをやめようという農家も少なくないと危惧されます。営農意欲を維持してもらうため、独自の減収補?策が必要と考えますが、お尋ねします。 質問の第六は、教科書採択の問題です。 先月、来年度から中学校で使用される教科書採択が行われ、県立高森みどり中学校、同下関中等教育学校前期課程の選定に当たる県教育委員会は、社会の歴史的分野及び公的分野の教科書については、現在と同様に育鵬社を選定しました。 資料三のように、県教委の諮問を受けた教科書図書選定審議会が答申した内容と、両校の研究調査報告を照らし合わせると、県教育委員会は両校が望んでいた教科書とは違うものを選定されたことは明らかです。県教委はどう認識しているか、お尋ねします。 私は、どんな教科書を使用するか、日常的に子供たちに接している現場の意見を何より尊重すべきと考えますが、県教委はどうお考えなのでしょうか、お尋ねします。 質問の第七は、下関市立大学の定款変更後の諸問題についてです。 県が昨年十一月二十二日、下関市立大学の定款変更を認可して以降、同大学では、異様な事態が次々と生じています。 第一は、今年五月二十九日の同大学第三回理事会で決定された教員採用選考規程です。同規程第十一条では、学長は、教員採用に関し、全学的な観点及び総合的な判断により必要があると認めた場合は、この規程によらない取扱いをすることができるとしています。教員採用における学長への全権委任規程にほかなりません。 このような規程は、教員採用における教授会の意見聴取・審査を定めた学校教育法第九十三条第二項第三号及び文科省通知、二六文科高第四四一号第三の一(二)の⑤に反するものであります。見解を問います。 第二は、特定の人物が同大学の役職と権限を独占している問題であります。 今年四月、同大学リカレント教育センター教授に就任した韓昌完氏は現在、副学長、理事、大学院担当副学長、相談支援センター統括責任者、国際交流センター統括責任者、教員人事評価委員会委員長、教員懲戒委員会委員長を兼任しています。 同大学に着任して半年にもならない一人の人物が、人事権・懲戒権も含め、これだけの権限を独占していては、組織内部での相互チェックが働かないことは明らかではないでしょうか。定款変更を認可した県として、是正に向けた指導・助言をすべきですが、見解を求めます。 以上で、第一回目の質問を終わります。(拍手) 副議長(藤生通陽君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問のうち、私からは、安倍政権の評価と新政権への対応についてのお尋ねにまとめてお答えします。 安倍前総理におかれましては、安定した政権運営を通じて、経済成長や外交・安全保障などの様々な重要課題に強力なリーダーシップを発揮され、我が国の発展に向けた確かな道筋をつけてこられました。 このうち、アベノミクスについては、コロナ前までの経済成長によって、全国の正社員有効求人倍率が史上初めて一倍を超えるなど着実な改善が図られ、本県においても、有効求人倍率や最低賃金が大幅に上昇したところです。 また、働く意欲を持つ高齢者の方々が、その希望に応じて能力を発揮し、活躍できる環境が広がったことにより、六十五歳以上の雇用者数が増加しているものと考えています。 地方創生については、国の財政措置等の後押しを受けて、産業の活性化により企業収益が大きく改善し、県税収入の増につながっています。 国内外からの観光客や移住者の増加が地域の活性化をもたらす好循環が生まれ、少子化対策の面でも、成長の果実を生かした保育の拡充、教育無償化が実行され、地域においても、子育て支援拠点の整備など、安心して子供を産み育てることができる環境づくりが着実に進んでいるところです。 また、安保法制等の対応に関しては、我が国を取り巻く安全保障環境が一段と厳しさを増す中で、国民の命と平和な暮らしを守るという観点に立って進めてこられたものと考えています。 コロナ禍の影響もあり、本県が目指す「活力みなぎる山口県」の実現は、まだその途上にありますが、私は、安倍政権の様々な政策の下で積み上げてきた県づくりの取組やその成果を、今後の取組にしっかりとつなげていきたいと考えており、安倍政権を継承し、さらに前へ進めるとされている菅総理の方針を大変心強く感じています。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(藤生通陽君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型コロナウイルス対策についての数点のお尋ねのうち、まず、PCR等検査についてお答えをします。 診断目的から防疫目的へのPCR等検査の転換についてですが、県では、これまでも感染の疑いのある方や濃厚接触者はもとより、感染者が多数発生している地域等において、感染拡大を防止することを目的に幅広くPCR等検査を実施しているところです。 次に、地域外来・検査センターの設置数についてですが、市町や郡市医師会と設置の必要性について協議した結果、十四市町十四か所に設置することとしたものです。 次に、感染リスクを抱えながら勤務する職員等への定期的なPCR等検査の実施については、医療機関・介護施設等での施設内感染を防ぐため、医療関係者等への一斉・定期的な検査が行政検査として実施されるよう、全国知事会を通じて国に要望しているところです。 次に、七十五歳以上の高齢者に対するインフルエンザ予防接種費用の助成についてですが、六十五歳以上は法定接種とされており、各市町の助成措置があることから対象としていないところです。 次に、地域ごとの感染状況の情報開示についてのお尋ねにお答えします。 今後、季節性インフルエンザの流行期には、インフルエンザと臨床的に判別することが困難な新型コロナウイルスとの同時検査が見込まれ、検査数が一概に新型コロナウイルスの感染状況を表すものとはならないことから、市町別の公表は考えていないところです。 次に、県民の暮らしと営業を守ることについての数点のお尋ねにお答えをします。 まず、緊急小口資金、総合支援資金及び住宅確保給付金についてです。 お示しの資金等の期間延長については、国において検討されるべきものと考えております。なお、緊急小口資金と総合支援資金の特例貸付けの受付期間は、今般、十二月末まで延長されたところです。 また、予算の積み増しについては、引き続き、必要な予算の確保を図ることとしており、給付の手続については、申請の簡素化や郵送による受付など迅速な給付に努めているところです。 次に、生活保護についてです。 生活保護の申請については、県では、各福祉事務所に対し相談者の意向を尊重し適切に対応するよう、研修や事務監査等を通じて指導しております。 なお、県内十五の福祉事務所において、現時点、ケースワーカー等の不足による支障が生じているとは聞いておりませんが、引き続き、人員配置も含め適切に業務が実施されるよう、必要に応じ指導・助言をしてまいります。 次に、国民健康保険の減免措置と傷病手当金についてです。 まず、減免措置の対象者ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した世帯等に対しては、保険者である市町の条例に基づいて保険料の減免が行われることとなっています。 次に、傷病手当金についてですが、健康保険制度等に合わせて被用者が対象とされており、自営業者等には助成金の支給など他の支援策が講じられているところです。 次に、減免措置及び傷病手当金についての周知ですが、各市町に国の通知を示すとともに個別に助言等を行っているところです。 副議長(藤生通陽君)福田商工労働部長。 〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 商工労働部長(福田浩治君)雇用調整助成金等の要望についてのお尋ねにお答えします。 県では、これまでも、雇用調整助成金等について、全国知事会等を通じて国へ要望を行ってきたところです。 こうした要望の結果、雇用調整助成金の上限額や助成率の引上げ等の特例措置が講じられ、支援対象の拡大につながる休業支援金・給付金も創設されたところであり、その期間についても今年十二月まで延長されました。 現在は、事業者や労働者に対するこれらの支援制度について、その周知や利用促進を国へ要望しているところです。 副議長(藤生通陽君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)米軍岩国基地問題についてのお尋ねのうち、まず、所属機の接触墜落事故に関する再調査結果についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、岩国基地に飛行成績の低いパイロットが配置されていたことの原因究明を求め、抗議すべきとのお尋ねです。 再調査報告書は、今回の事故の重大性に鑑み、制度的・機関的な要因を含む、より広範な要因を特定するため、専門家が分析し、その改善策を示したものです。 この中で、人員配置については、国から、現在海兵隊では、航空要員及び整備要員の配置に関し人員配置方針を変更することとしており、初回勤務者については最も能力の高い者を配置するなど、岩国基地においても、適正な人員配置になるものと考えているとの説明を受けています。 このため、県としては、改めて原因究明を求めたり抗議を行う考えはありません。 次に、米軍パイロットの薬物使用と日米地位協定等の抜本改定についてです。 再調査報告書においては、薬剤使用の承認の権限等が不明確であったことを踏まえ、既に取り組んでいる再発防止策として、薬剤に関する指針等を更新することなどが挙げられています。 また、これまでも、日米地位協定を改定し、米軍の活動に国内法を適用するよう、毎年度、渉外知事会において日米両政府へ要望しているところであり、県としては、引き続き、関係都道府県と連携して働きかけてまいります。 次に、米軍岩国基地におけるF35Bへの機種更新に関する数点のお尋ねです。 まず、今回の機種更新が生活環境に影響を与えることは皆無なのかとのお尋ねです。 騒音については、今回の機種更新前と比較して、陸上部分において七十W以上の地域が一部増加するものの、各騒音測定地点での予測値にほとんど変化はなく、全体として騒音に与える影響は小さいと判断しています。 また、安全性についても、飛行の安全に影響する問題はないことなどを総合的に評価し、基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではないと整理したところです。 次に、標準的な飛行ルート以外を飛ぶことはないのかとのお尋ねです。 国によると、騒音予測コンターにおける標準飛行経路は、日米間で確認した米軍機の標準的な飛行経路を用いており、実際にも、おおむねこの経路を飛行しているところですが、緊急時や気象条件等により安全性を確保する場合等は、経路以外を飛行する場合があるとのことです。 次に、二○一八年の米国会計検査院の報告書で指摘された未解決の課題全てにおいて問題ないと確認したのかとのお尋ねです。 国に確認したところ、米国防省は、F35Bに関する課題を分類して管理し、飛行の安全に関する課題等については、必ず改善を行うなど適切な対策が講じられているとの回答を得ており、県としても飛行の安全に問題はないと理解しています。 次に、今回の機種更新は機数増であり、生活環境のみならず、安全をも脅かすものであり容認できないときっぱりとした対応を取るべきとのお尋ねです。 今回の機種更新については、その内容を、騒音、安全性との面から検討した上で基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではないと整理したところですが、この整理を基に、現在、各地元市町において議論や検討が行われており、県としては、今後、県議会の御意見や地元市町の意向を伺った上で適切に対応してまいります。 副議長(藤生通陽君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)下関北九州道路についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、山口県側のアクセス道路についてです。 お尋ねの旧彦島有料道路から中国自動車道につなぐアクセス道路は、今後、下関北九州道路の計画の具体化に併せて、国、県、市が連携し、整備の必要性についての検討が進められるものと考えています。 また、旧彦島有料道路の改修や下関西道路をはじめとした下関都市圏の幹線道路網の整備についても、その中で検討されるものと考えており、現時点でルート等が定まっていない下関西道路の事業費を推計することは困難です。 次に、下関北九州道路の事業費についてです。 このたびの計画段階評価における事業費は、概略設計に基づく数量と国内の類似事例の実績単価を用いて概算額が算出されたものであり、今後、計画が具体化する中で改めて事業費が算出されるものと考えています。 最後に、今やるべきは、コロナ禍から国民の命と暮らし、営業を守るとともに災害に強い国土づくりであり、不要不急の事業を行う余裕はないについてです。 下関北九州道路は、災害に強い国土づくりに資する重要な基盤であり、近年頻発する大規模災害時にも機能する信頼性の高い道路網を構築する観点からも、新型コロナウイルス感染症対策と併せて進めていくべき事業と考えています。 副議長(藤生通陽君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)農業の病害虫被害についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、トビイロウンカによる県内の被害状況と今後の予測についてです。 被害状況については、随時、農業共済組合において取りまとめられているところであり、昨日までに県内の約千二百五十ヘクタールで被害が確認されています。 なお、被害金額については調査中となっております。 また、今後の予測については、天候や防除の実施状況によって異なるため、現時点でお示しすることはできません。 次に、独自の減収補?策についてです。 水稲栽培において、台風や病害虫被害による減収が生じた場合の保険制度として、収入保険や農作物共済があり、本年度は、県内の九割を超える生産者が加入されるなど、セーフティーネットが機能していることから、独自の減収補?策を検討することは考えていません。 なお、JAと連携し、現地の状況を確認しながら防除指導等を行ってきたところであり、引き続き、次期作に向けても生産者に寄り添った技術指導を行ってまいります。 副議長(藤生通陽君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)下関市立大学の定款変更後の諸問題についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、教員採用選考規程に関するお尋ねですが、当該規程と学校教育法との関係については、同法第十五条で文部科学大臣の勧告等の権限が規定されており、文部科学省において判断されるものと考えています。 次に、特定の人物が役職と権限を独占していることについて、是正に向けた指導・助言をすべきとのお尋ねですが、地方独立行政法人法の規定に照らし、県としては、大学における教員の人事について指導・助言を行う権限は有しておりません。 副議長(藤生通陽君)繁吉副教育長。 〔副教育長 繁吉健志君登壇〕 副教育長(繁吉健志君)教科書採択についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、両校が望んでいた教科書とは違うものを選定したのではないかとのお尋ねです。 県立中学校等において使用する教科書の採択は、学校の設置者である県教委が、採択権者としての判断と責任において行うものであり、このたびの採択についても、学校が望んでいたものかどうかにかかわらず、十分な審議や調査研究を経て適切に行われたと考えています。 次に、学校現場の意見を何よりも尊重すべきだが、県教委はどう考えるのかとのお尋ねです。 県教委では、各校が望ましいと考える教科書の特徴が記述された研究調査報告書や、本県の教育目標等を踏まえた審議により教科書を選定しており、学校現場の意見は尊重されていると考えています。 副議長(藤生通陽君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問を行います。 まず、市大問題から入ります。 今年六月二十六日、市立大学第四回理事会は、第一回補正予算を決定しました。その中で、韓教授が主催する、リカレント特別の課程の会場として海峡メッセ六百二号会議室を九か月間借り上げ、五百六十六万円を計上しています。 二○二○年度、リカレント特別の課程は、受講生五十一名、収入四百十一万円であったことが六月の下関市議会一般質疑において明らかになっています。 また、二○二○年度当初予算段階で、リカレント関連支出は約二千九百五十万円に上る。税金や学生納付金を三千万円投じて四百万円しか収入がない。さらに五百六十万円も追加でつぎ込んでいる、こういう実態であります。 下関市立大学は市内山の田地区に立派な大学施設を保有しているにもかかわらず、韓教授だけが前田市長のお友達優遇を受けている。市立大学の大学院すらサテライトキャンパスは運用していません。市立大学学生は全国の大学生と同じく、コロナ禍により教室で授業も受けられず、アルバイトも減収し、高学費も減免されず、臨時の給付金一時支給も三万円にとどまっています。 山口県は認可団体としてもっと自覚を持つ。市立大学に対し、貴重な財源はお友達優遇ではなく学生のために使う。このことを指導すべきではないですか。このままでは、市立大学は乱脈経営により財政危機に陥るのではないかと危惧をしています。 総合企画部として、一旦認可したら、後は野となれ山となれでは済まない事態がこの半年間進行しました。再度文科省や現場の教員たちの声も聴く、定款変更の認可権限者としての任務を果たすべきではないか、改めて伺います。 基地問題です。 藤田基地対室長の答弁、とりわけ墜落事故については、結局は認めていく、こういう答弁に終始したというふうに思います。 ところが一方で、村岡知事は、渉外知事会で日米地位協定の抜本改定、さらには先ほど指摘された航空特例法の改定について、その先頭に立って頑張っている中で、その地元のところではしごを外すような行為になるのではないか。少なくともここまで腰の重い防衛省、しかも米軍の言うことに対して言いなりになる防衛省に対して、山口県、周辺自治体はここまで再検証してきたわけですから、少なくともこの航空特例法が改正されて日本の航空法が米軍にも適用されるめどが立つまではさらに頑張るべきではないか、この点を改めてお伺いをいたします。 下関北九州道路については、要するに国交省の態度は、起点部の彦島有料からのアクセスは、これ県道ですから、言うなればまず山口県の自助努力、自己責任で二県二市、知事もいみじくも言われました、国と下関と協力をしてというふうに言われましたが、その主体は県道を持っている山口県であります。この点では、共助どころか最後に公助たる国が、そのものが財政破綻でできませんよということを中国整備局のレクの中で言い放ったわけですから、もう一度立ち返って考えるべきではないでしょうか。 整備手法として、民間活力を導入したいなどとも言っていますが、回り回って負担は、結局は県民、国民がかぶることになる。私は、この下北道路をあえて無駄だとは言いませんが、不要不急の巨大事業へ、この幻想はもうきっぱりやめるべき、断念すべきだというふうに思いますが、改めて見解を求めます。 最後に、教科書問題で繁吉副教育長にお伺いします。 中国五県、また四国の四県合計九県の中で、今どき育鵬社の教科書を使っているのは、私は山口県だけというふうに思いますが、この点改めて教えていただきたい。 それともう一点、今全国でこの今どきですよ、新たに育鵬社を採用したのは、全国たくさんありますが、下関いや、全国いろいろ地区はありますが、新たに採用したのは下関だけというふうに聞いていますが、この点について改めてお伺いをしたいというふうに思います。 以上をもって、再質問を終わります。(拍手) 〔発言する者あり〕 副議長(藤生通陽君)御静粛に。平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)下関市立大学に係る再質問にお答えをいたします。 市立大学について、乱脈経営により財政危機に陥るのではないかと危惧をされ、県は定款変更の認可権者としての任務を果たすべきではないかとのお尋ねでありますが、地方独立行政法人法の規定に照らしまして、県には大学における予算及びその執行について指導する権限はございません。 副議長(藤生通陽君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)再質問にお答えします。 墜落事故のことを指摘された上で、日米地位協定の改定についてお尋ねがあったと思いますが、県としては、再調査結果について国から説明を受け、また、国に対し示された再発防止策が確実に実施されるように働きかけ、そして国においても引き続き米軍の是正措置、再発防止策の効果を確認してもらって、米軍における改善状況を継続的に把握するよう、ここは強く要請したところでございまして、木佐木議員が御指摘されたように、墜落事故を認めているわけでもありませんし、見過ごしているわけでもありません。これは改めて申しておきます。 その上で、日米地位協定は米軍の活動にお示しのありましたように、航空の関係法などの国内法令が適用されていないということなど、米側の裁量に委ねられている部分が多いという、そういう課題がございます。 そういうことで、我々としては事件・事故を抜本的に解決するためには、日米地位協定の改定が必要だという認識の下で渉外知事会を通じて、毎年度、改定項目を取りまとめて要望しているわけですので、これについては、引き続き、関係都道府県と連携して強く要望していきたいと思っております。 副議長(藤生通陽君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)下関北九州道路についての再質問にお答えします。 まず、アクセス道路についてのお尋ねです。 旧彦島有料道路を含めたアクセス道路については、現時点では整備方針は定まっておりません。今後、計画の具体化に併せて国や市と連携しながら、その必要性等を検討していくこととなっております。 次に、無駄とは言わないが、不要不急の巨大事業である下関北九州道路は断念すべきとのお尋ねについてです。 下関北九州道路は関門橋や関門トンネルと環状道路網を形成することにより、地域間の連携や日常的な交流を促進し、関門地域の自立的発展を支える重要な基盤です。 さらに、近年頻発する大規模災害時にも機能する信頼性の高い道路ネットワークを構築するためにも、その整備は必要不可欠であると認識しています。このため、下関北九州道路の整備を断念する考えはありません。 副議長(藤生通陽君)繁吉副教育長。 〔副教育長 繁吉健志君登壇〕 副教育長(繁吉健志君)教科書採択についての再質問にお答えします。 中四国九県で育鵬社の教科書を採択したのは山口県だけか、それから新たに育鵬社を採択したのは、全国では下関市だけかとのお尋ねですが、採択の対象となります教科書につきましては、法令や学習指導要領の目標等に基づく国の検定に合格したものであり、育鵬社の教科書も含め、いずれの教科書が採択されても問題はないと考えております。 その上で、中四国九県で育鵬社を採択したのは山口県だけであり、新たに育鵬社を採択したのは下関市だけとなっております。 副議長(藤生通陽君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再々質問を行います。 もともとこの定款変更問題、安倍さんの地元秘書出身の前田市長の鶴の一声で始まったのは御承知のとおりです。 しかし、事態はここまで来ました、この半年で、リーダーシップは独裁と異なります。また、改革は暴走とも異なります。大学の命である学問の自由と大学の自治が、今まさに乱暴に破壊されようとしています。 平屋部長は、村岡知事の名代として、改めて聞くべきことはちゃんと聞いた上で言うべきことを言うというスタンスで…… 副議長(藤生通陽君)木佐木議員、時間が参りました。 木佐木大助君(続)市立大学定款問題を再審査すべきではないか、最後に伺いたいと思います。(拍手) 副議長(藤生通陽君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)下関市立大学に係る再々質問にお答えをいたします。 市立大学の定款変更の再審査をすべきではないかとのお尋ねでありますが、当該定款変更については、地方独立行政法人法の規定や県に定めます基準に基づいて審査を行った結果、基準を満たしていると判断し、認可をしたものでありますので、再審査することは考えておりません。 副議長(藤生通陽君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───────────── 副議長(藤生通陽君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会といたします。御苦労さまでした。 午後二時五十五分散会