1 特産品の振興について 2 農業分野における多様な人材の確保について 3 私立学校の振興について 4 聴覚障がい者が暮らしやすい地域社会の実現について 5 高齢者の防犯意識の向上と交通事故防止対策について 6 その他
───────────── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十七号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十七号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において順次発言を許します。 髙瀬利也君。 〔髙瀬利也君登壇〕(拍手) 髙瀬利也君 おはようございます。自由民主党の髙瀬でございます。 それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 最初に、特産品の振興について、お尋ねいたします。 観光産業は裾野が広く、その振興は本県地域経済の活性化に大きな役割を果たします。 新型コロナウイルスの感染拡大による観光事業者の窮状を踏まえ、本県ではプレミアム宿泊券の発行などによる観光需要の喚起にしっかりと取り組んでいただいていることをまずもって感謝申し上げます。 私も宿泊施設経営者の方々とお話をする機会が多いのですが、今回のプレミアム宿泊券に関しては、観光客のみならず、宿泊施設側にも大変好評であり、販売も日程を四回に分けて行ったにもかかわらず、毎回コンビニ端末の前には行列ができ、回を重ねるほど短時間で売り切れるという人気ぶりでした。 国の施策である「Go To トラベルキャンペーン」が、県内外から観光需要の喚起を促し、一定の効果を上げている一方で、プレミアム宿泊券は、よりシンプルで分かりやすいシステムを採用し、さらに「Go To トラベルキャンペーン」と併用して使用できることがその人気に拍車をかけ、非常に使い勝手が良いと皆さん口をそろえておっしゃっています。 そしてまた、観光産業の一分野である特産品の振興についても、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 御存じのように、現在も県内の特産品関連事業者は、新型コロナウイルスの影響により、大きな打撃を受け続けている状況です。当面、新型コロナウイルス感染症の収束のめどが立たないことから、土産物を購入する観光客や出張者が激減し、売上げが大きく落ち込んでいる状況にあります。 山口県の特産品として、一般的に認知されているものといえばフグを思い浮かべますが、県外の方に聞いてみても、山口県といえば、やはりフグのイメージが強いようです。 しかし、こうしたイメージは、本県の強みであると同時に、それだけという捉え方もされかねず、本県の多彩な特産品の魅力が十分に伝わっていないのではないかと危惧しております。 本県には、萩焼や大内塗、赤間硯という伝統的工芸品など、他県と比べても遜色ない、歴史と伝統を有する特産品があります。 また、こうした伝統的工芸品のほかにも、やまぐちブランドをはじめとした農林水産物や、これらを活用した六次産品などの優れた加工品を有しています。 例えば、近年、すっかり山口県を代表する特産品となった獺祭や東洋美人などをはじめとする日本酒は、十二年連続で出荷量を伸ばしてきました。 このほか、お菓子の外郎やかまぼこなどの練り製品、私の地元川棚温泉の瓦そばなど、まだまだ魅力的な特産品が豊富に存在してます。 さて、このような状況の中、新型コロナウイルスの影響もあり、日本各地の特産品が購入できる首都圏のアンテナショップが脚光を浴びています。 コロナ禍でなかなか旅行に行くことができない状況の中、都内でちょっとしたバカンスを味わえる癒しのスポットとして人気を集めているのが、銀座、日本橋かいわいのアンテナショップです。 そこで地域の特産品を購入し、小旅行気分を味わう人も多く、本県もその需要をしっかりと取り込んでいく必要があると思います。 本県には、首都圏における情報発信や特産品の振興のためにアンテナショップ、おいでませ山口館があります。今こそ、ここを十分に活用した取組をしっかりとやっていかねばなりません。 観光に行けば、必ずと言っていいほど、その土地ならではのお土産を購入し、おいしい食材を頂きます。さらには、特産品の存在そのものから、逆に、その地域に興味を持つようになり、ひいては観光の誘客につながる効果も十分考えられます。 言うなれば、観光と特産品は、車の両輪のようなものであり、どちらか一方が欠けても進むことはできず、共に力を合わせて発展せねばなりません。 また、コロナ禍で疲弊した特産品関連事業者を盛り上げていくためにも、積極的な需要喚起策が必要となります。 そこでお尋ねします。コロナ禍の現状を踏まえ、観光の誘客にもつながる本県特産品の振興について、今後どのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、農業分野における多様な人材の確保について、お尋ねいたします。 本県は、全国平均を上回るスピードで人口減少や高齢化が進んでおり、農業も他産業と同様に、担い手の減少や高齢化が進行しています。 二○一五年の農林業センサスによると、本県における農業従事者の平均年齢は七十・三歳と全国で二番目に高く、その数も二万八千三百六人と、この十五年間でほぼ半減しています。 本県農業が生産基盤を維持し、持続的に発展するためには、農業従事者をどのように確保していくかが喫緊の課題となっています。 このため、本県では、新規就農者を増やし、将来の農業を担う人材を育成するため、全国でもトップクラスの支援策を展開するなど、これまで力を入れて取り組んでこられました。 その結果、毎年百名を超える方が新たに就業されるなど、一定の成果を上げてこられましたが、農業従事者の減少に歯止めをかけるまでには至っていません。 農業従事者の減少や高齢化が長期間続いたことにより、本県農業は、今労働力不足という切実な問題に直面しています。 私は先日、下関市豊田町の梨農家の方からお話を聞く機会がありました。梨を収穫する八月から十月は、一年で最も忙しく、朝早くから収穫作業に取りかかり、選果や箱詰めなど、出荷に関する作業は、夜まで続くそうです。 これらの作業は単純な手作業が中心ですが、作業量が多く、多くの人手が必要とのことでした。 収穫期に合わせて、パートやアルバイトを多数募集されていましたが、農繁期が重なる地域内からは人材確保が難しく、苦戦を強いられているようでした。 このように、農業分野における労働力不足は、その大半が農繁期である収穫期に集中して発生します。この時期に十分な労働力を確保できなければ、最適な時期に収穫を行うことが困難となり、収益をみすみす逃してしまうことにもなりかねません。 労働力不足は、農業経営に多大な影響を及ぼす深刻な問題であり、私は、必要とする時期に労働力を確保し、機会損失を防ぐような流動的で柔軟な仕組みが必要だと考えています。 都市部の例にはなりますが、ウーバーイーツという宅配サービスが近年大きく売上げを伸ばしています。このサービスにより配達パートナーは、空いた時間で気軽に副収入を得ることができ、お店側は少ない投資でデリバリーサービスを行うことが可能となりました。 まさに、これは労働力と雇用需要をピンポイントで結びつけた機会損失を防ぐ一つのすばらしい例といえるでしょう。 少子高齢化、働き手の減少、過疎地域の加速化は、もう確実に訪れており、以前と同じ考え方では衰退の一途をたどることは必至で、根本的なシステムの変化が求められていると考えます。 コロナ禍でこれから失業者の増加が懸念される中、農業が雇用の受皿として様々な業界から多様な人材を受け入れることにより、労働力や技術力の面から担い手を支えることができれは、本県農業の持続的な発展につながるものと確信しています。 そこでお尋ねします。農業従事者の減少や高齢化が進行する中、産地の労働力不足を解消し、永続的な力強い農業を実現するため、県としてどのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いします。 次に、私立学校の振興について、お尋ねいたします。 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、昨年度末から県内の各学校では休校を余儀なくされ、子供たちは長期間、各自で自宅学習を続けざるを得ない状況となったのは、皆さん御承知のとおりです。 このため、県立学校では、先の六月補正予算において、臨時休校中であっても子供たちの学びを確保できるよう、当初の予定を大幅に前倒し、一人一台端末を整備するとともに、校内ネットワークの高速化や無線LAN、大型掲示装置の整備に関する予算が措置され、ICT教育環境に関するインフラ整備が大きく進むことになりました。 一方、私立学校においても、臨時休校中、生徒のスマートフォン等を活用しながら、家庭での学習課題の付与やオンライン授業の試行に取り組むなど、工夫を凝らしながら生徒の学びの確保に努めてきたところです。 しかしながら、ほとんどの私立学校では、生徒に一人一台の端末が整備されておらず、ネットワーク回線についても、通信速度の低下が起こり、容量不足も見られる状況です。 今後、休校時の家庭学習に本格的に取り組むためには、ICT環境の思い切った施策が不可欠ですが、そのためには巨額の整備費用が必要であり、経営基盤の脆弱な私立学校にとっては、その実現は極めて困難な状況です。 私立学校は、建学の精神にのっとった教育方針に基づき、それぞれが創意工夫した教育を実践し、個性豊かな多種多様な人材を育成してきました。本県では、高校生の約三割が私立高校で、日々の勉学にいそしんでいます。 また、近代日本の黎明期に活躍した防長人を育てた吉田松陰先生の私学、松下村塾に代表されるように、本県の私立学校は、山口県はもとより、我が国の公教育の発展に質・量両面にわたり大きな役割を果たしてきた実績があります。 こうした状況を踏まえ、山口県私立中学高等学校協会と私ども私学振興議員連盟は、先月二十六日、県に対し、私立高等学校に対するICT教育環境整備について特段の支援をいただくよう要望したところですが、このたびの補正予算に関係予算を計上されたことは、高く評価するとともに、心から感謝申し上げる次第です。 仕事でも家庭でも、今、社会のあらゆる場面においてICTの活用が日常のものとなっています。Society5・0時代を生きる子供たちにとって、今やパソコン端末は鉛筆やノートと並ぶマストアイテムです。一人一台端末の環境は、もはや令和の時代における学校のスタンダードであり、特別なことではないのです。 また、教育におけるICTの効果的な活用は、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、一人一人に最適化された学びや創造性を育む学びの実現につながることが大いに期待されています。 変化が激しく、予測不可能な社会を生き抜く力を育み、子供たちの可能性を広げる場所である学校が、時代に取り残され、世界からも遅れたままではなりません。 先日、下関西高等学校を訪れ、実際にICTがどのように現場で活用されているのかを教員の方々にお話を伺いに行ってきました。 新型コロナが深刻な状況になってきたゴールデンウイーク明けに、生徒にオンライン授業の環境が整っているかを調査し、その後二週間程度オンラインでの授業を行ったそうです。 若干名の生徒は、オンライン授業を受ける環境になく、授業風景を録画したタブレットを後日生徒に貸し出すなどして対応をされたそうですが、おおむね問題なく終えることができ、六月以降は通常の対面授業に戻っているそうです。 ただし、この期間、ICTを活用することによって、教員も生徒も授業に対する取組に変化があったようで、現在もタブレットの使用頻度は高く、生徒とのコミュニケーションツールやデータ収集、宿題の提出や、悩み相談まで幅広く活用され、既に教育現場に根づき始めているという印象を私は持ちました。 特に、私が感銘を受けたのは、スタディサプリというオンライン学習サービスで、一流予備校のプロ講師が教える授業風景を単元ごとにタブレットを通して閲覧することができる点です。 実際に、その使用風景を見させていただきましたが、非常に分かりやすく、いつでも誰でもどこでも、それが閲覧できることは、これからの教育を変えていく可能性を感じました。 中には、その授業動画を倍速で見て、時間の短縮化を図る生徒もいるそうで、生徒独自の利用方法は、こちらの想像を超えていて、とても驚くとともに、非常に感心しました。 そこでお尋ねします。県では、本県の全ての子供たちが、自ら未来をたくましく切り開いていく主体性や豊かな創造力を身につけるため、私立高等学校でのICTを活用した学習環境整備を通じて、早期の学習保障の確保と、教育条件の向上に向けてどのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、聴覚障害者が暮らしやすい地域社会の実現について、お尋ねいたします。 コロナ禍においては、メディアやSNSで様々な情報が飛び交い、中には不確かな情報により一部で混乱が生じるなど、不安の解消や必要な感染防止対策に向けて正確な情報を入手し、周囲と情報を共有することの大切さを実感しました。 今のようなコロナ禍を機に、私たちが経験した、必要な情報の入手や周りとの円滑な意思疎通が十分にできない環境に日常的に置かれているのが、聴覚障害者の方々になります。 県では、昨年十月、手話を必要とする聴覚障害者が、手話で生活できる社会の実現を目指して手話言語条例を制定し、手話の普及や習得機会の確保に取り組まれています。 昨年十二月に開催された、あいサポート手話フェスティバルでは、四百名を超える参加があり、手話に対する県民の理解や普及が着実に進んでいると言えます。 このたびの新型コロナ緊急時においても、四月二十日の知事会見から手話通訳者を導入し、リアルタイムで情報を伝える環境を迅速に整備されたことは、聴覚障害者の方々の大きな安心につながり、高く評価するところであります。 しかしながら、聴覚障害者が地域の中で自立し、安心して暮らすためには、日常生活や社会生活の様々な場面で、手話による情報収集や必要な意思疎通をできることが重要になりますが、手話を利用できる機会が限られるなど、その環境はまだ十分に整っているとは言えない状況です。 条例制定により、手話が使いやすい地域社会の実現に向けた取組が動き始め、また、新型コロナ感染情報の発信を通じて、手話通訳の存在が県民に広く知れ渡ったこの機会を生かし、聴覚障害者の方が、手話で生活できる環境づくりをさらに進めていく必要があると考えます。 そのためには、聴覚障害者が参加する様々な活動に手話通訳者が導入されるよう、市町や事業者とも連携し、手話が活用される場の創出に取り組む必要があります。 また、今後の手話の需要増加や、日常的に手話を使うことができる環境づくりに向けた体制整備も重要です。 県に登録されている手話通訳者は、約百二十名と限りがあり、高齢化の状況もあることから、手話通訳者の増加に取り組む必要があります。 また、県内各地で日常的に手話を使える環境づくりに向けては、専門性の高い手話通訳者だけではなく、地域福祉を担う手話ボランティアを活用することが効果的なことから、市町とも連携し、手話ボランティアの育成・確保や周知に取り組んでいただきたいと思います。 そこでお尋ねします。本県では、条例制定や手話通訳者の認知度の向上などにより、県民の手話への関心が高まる中、聴覚障害者が暮らしやすい地域社会の実現に向け、手話で生活できる環境づくりについて、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、警察行政のうち、高齢者の防犯意識の向上と交通事故防止対策について、お尋ねいたします。 県内の治安に関しましては、刑法犯の認知件数は平成十五年以降、十七年連続で減少しており、交通事故の発生件数につきましても、全国的に減少傾向にある中、本県についても人身事故は、平成十二年以降、減少を続けており、昨年の交通事故死者数は過去最少となっております。 しかしながら、近年では、高齢者が犯罪の被害者となるケースや、高齢者が関与する交通死亡事故の割合が高くなっております。 令和元年中の全国における刑法犯の状況は、認知件数が約七十四万八千件と戦後最少を更新し、過去十年で半分以下となっております。 一方で、高齢者が被害者となる刑法犯の件数の減少幅は三割強にとどまり、被害件数全体に占める高齢者の割合は、十年連続で上昇しているとのことです。 また、同様に、交通事故に関しては、交通事故死者数は千七百八十二人と全体の半数以上を占め、特に歩行中の死亡事故では、全体の約七割が高齢者ということであり、多くの高齢者が被害に遭われる状況が伺えます。 本県では、全国平均を上回って高齢化が進んでおり、今後、さらなる高齢化社会の進展に伴い、高齢者を狙った窃盗事件、うそ電話詐欺をはじめとする詐欺事件、また、高齢ドライバーの増加により加害及び被害の両方に関わる交通死亡事故の増加が懸念されております。 私の地元でも、最近では目に見えて独り暮らしの高齢者が増えており、悪質な犯罪に巻き込まれることや、交通事故の当事者になってしまうのではないかと大変心配しています。 県警察では、高齢者を犯罪や交通事故から守るための様々な取組を推進されておりますが、高齢者の犯罪被害や交通事故が高止まりしている現状を見ますと、これまで以上に取組を強化する必要があります。 そのため、高齢者を犯罪や交通事故から守るためには、関係機関との連携はもとより、高齢者自身やその家族への防犯意識の向上を促す取組や、交通事故防止の啓発がより重要となってくると思います。 具体的には、犯罪の最新手口に関する情報や、交通事故に至る事例や要因に関する情報等を高齢者自身やその家族に的確に伝えることで、高齢者が被害に遭わないよう意識の向上を図り、高齢者に寄り添ったきめ細やかな対策を進めていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。高齢化が進んでいる本県の現状を踏まえ、高齢者の防犯意識の向上と交通事故防止対策について、今後どのように取り組んでいくのか、県警本部長の御所見をお伺いいたしまして、ちょっと早いですが、一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)髙瀬議員の御質問にお答えします。 まず、特産品の振興についてです。 本県は、地域の特色ある資源を生かした魅力ある特産品を数多く有しており、その振興を図ることは、地域経済の活性化のみならず、観光振興を図る上でも大変重要です。 このため、これまでも県内の幅広い物産事業者を会員に持つ物産協会と連携し、県内各地のイベント会場での出展や、地産地消を進めるためのフェアの開催等により、特産品のPRや販売促進に努めてきました。 また、首都圏の情報発信拠点である、おいでませ山口館を活用した特産品フェアの開催や、イベントでの出張販売等を行うとともに、大都市圏における物産展や旅行会社向けの情報発信会を開催するなど、本県の魅力ある特産品の振興に取り組んできたところです。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛により、全国的に消費需要が大きく落ち込み、おいでませ山口館においても二か月の休館を余儀なくされるなど、本県の特産品を取り巻く環境は大変厳しい状況が続いています。 こうした状況を踏まえ、私は、全国や首都圏に向けて、本県特産品の需要を喚起するための即効性のある思い切った取組が必要であると考えています。 このため、まず全国に向けては、インターネットの直販サイトを新たに開設し、農林水産加工品や菓子、工芸品など、本県の強みである多彩な特産品を組み合わせた魅力的なセット商品を、割引率五○%で販売することとしています。 また、首都圏においては、コロナ禍で大きく落ち込んだ消費需要を早期に回復させ、本県特産品の販売促進につなげていくため、おいでませ山口館で利用できる割引率五○%の商品券を新たに発行することとしています。 こうした取組により、首都圏をはじめとする全国の消費者に対し、これまで以上に特産品を通じた本県の認知度向上を図り、本県への誘客の拡大にもつなげていきます。 私は、今後とも、市町や関係団体、民間事業者等と一体となって、本県の多彩な特産品のPRや販売促進に努め、コロナの時代に対応した本県の特産品の振興に積極的に取り組んでまいります。 次に、私立学校の振興についてのお尋ねにお答えします。 急速に進展する情報社会に必要な資質・能力の育成に加え、お示しの一人一人に最適化された学びや創造性を育む学びの実現に向けて、本県の公教育を支え、県内高校生の約三割が学ぶ私立高校においても、ICT環境の整備充実を図ることが必要です。 このため、運営費補助の拡充などを通じ、教育ICT環境の整備を支援しており、こうした取組により、多くの学校では、新型コロナウイルス感染症による臨時休業期間中、生徒一人一台端末がないなど課題がある中でも、オンライン学習に試行的に取り組み、学びの保障に努めてきました。 さらに、コロナ時代の教育においては、災害や感染症の発生等、緊急時への対応も想定しつつ、個別最適化された学びや社会につながる協働的・探究的な学びを早期に実現するため、ICTを活用した教育環境の整備を加速的に進めることが極めて重要です。 このため私は、私学団体及び私学振興議員連盟からの要望や県立高校での対応も踏まえ、私立高校における新たな教育の形を生み出すことができるICT環境の整備について、地方創生臨時交付金を活用して支援をすることとしました。 具体的には、私立高校における未来型教育を支援するため、ICTを活用した教育提供体制の整備を目指す学校が、一人一台端末や大型提示装置、無線LANの整備や通信ネットワークの高速化等を進めるための予算を計上したところです。 私としては、今回の支援を通じて、私立高校に学ぶ生徒たちが、Society5・0の社会を担う世代として、先端技術を効果的に活用した質の高い教育により、個々の能力を伸ばすとともに、他者と協働しながら自ら課題を解決し、新たな価値を創造する力を育むことを期待しています。 さらに、各校の取組を継続的に支援するため、高等学校での一人一台端末の整備など、国において教育ICT環境の整備充実が確実に進められるよう、全国知事会を通じて働きかけてまいります。 私は、コロナ時代の新たな日常への対応に向け、教育ICT環境の早期整備を通じ、私立高校自らが、建学の精神や独自の教育理念に基づいた特色ある教育を推進することができるよう支援してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)農業分野における多様な人材の確保についてのお尋ねにお答えします。 担い手の減少や高齢化が進む中、本県農業を持続的に発展させるためには、次代を担う新規就農者の確保と併せ、季節性の大きい農業の特性に応じた労働力確保の仕組みづくりが必要であることから、具体的な取組方針についてJA等と協議を重ねてまいりました。 その結果、まず、関係者一体となった推進体制を整備することとし、本年四月、県やJA等で構成する、やまぐち農業労働力確保推進協議会を設立したところです。 こうした中、依然、感染症の収束が見通せない状況にあるものの、農村の過疎化対策は喫緊の課題であり、お示しのコロナ禍による失業者の受皿としての視点も持ちながら、多様な人材を外部から呼び込む取組を着実に進めていくことが重要です。 このため、協議会を中心に、労働力が不足する生産者のニーズの把握から、就業を希望する人材の確保と両者のマッチング、さらに即戦力となるための技術習得支援までの一貫した仕組みづくりを進めることとしています。 まず、生産者のニーズの把握については、新たに配置したコーディネーターが個別に聞き取りを行い、時期別の作業内容や必要人数、就労条件等を整理・分類したリストを作成します。 また、人材の確保については、七月に開設した農業専門の求人サイト、アグポンやSNSを通じ、生産者の情報を全国に向けて発信するとともに、初心者でも安心してチャレンジできるよう、就業経験者の生の声を届けるなど、幅広い分野から人材の掘り起こしを進めます。 さらに、マッチングについては、リスト化された求人情報とアグポン等により収集された求職情報を基に、無料職業紹介の資格を取得した県農協中央会が双方の意向を確認しながら、結びつけを行うこととしています。 技術取得の支援については、農作業に不慣れな方でも、トラクターや草刈り機などをスムーズかつ安全に操作できるよう、新たに農業大学校において技術研修を開始します。 県としては、永続的な力強い農業を実現できるよう、関係団体と緊密に連携しながら、多様な人材の確保・育成に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)聴覚障害者が暮らしやすい地域社会の実現についてのお尋ねにお答えをいたします。 手話は、聴覚に障害のある方が社会参加し、自立した生活を送るための情報の獲得やコミュニケーションの手段であることから、学校や職場、地域など、あらゆる生活場面において、手話を普及していくことが重要です。 このため、県では、聴覚に障害のある方が、手話を使用して生活することができる地域社会の実現に向けて、昨年度、山口県手話言語条例を制定したところであり、その趣旨を踏まえ、手話が活用される場の創出と、手話通訳者等の人材の育成・確保に取り組んでいるところです。 まず、手話が活用される場の創出に向けては、広く手話に対する理解を深める必要があることから、手話を分かりやすく紹介したポスターやリーフレットを学校や店舗など、県民の目に触れやすい場所に配布し、その普及に取り組んでいるところです。 また、様々な場面で手話が活用されるよう、障害のある方への情報提供における配慮のポイントをまとめたマニュアルを本年度改定し、イベント等への手話通訳者の配置について具体的な留意事項を盛り込んだところであり、今後、このマニュアルを活用して、企業、団体等へ働きかけてまいります。 次に、手話通訳者等の育成・確保については、これまでも市町と連携して、手話通訳者等の養成研修を実施してきたところであり、現在、県内では手話通訳者約百二十名、ボランティア約九百五十名が活躍しているところです。 今後さらに、手話の需要増加や通訳者の高齢化へ対応するため、地域における手話の普及を担うリーダーを養成し、学校や職場等において手話に興味のある方を対象に、手話の基本を学ぶ講座を実施するなど、新たな人材の確保に向けて取り組んでまいります。 県といたしましては、今後とも市町や関係団体と連携し、聴覚に障害のある方が暮らしやすい地域社会の実現に向けて、手話を使用して生活することができる環境づくりに取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)谷警察本部長。 〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 警察本部長(谷滋行君)高齢者の防犯意識の向上と交通事故防止対策についての二点のお尋ねにお答えいたします。 議員お示しのとおり、今後ますます高齢化が進展していくことに伴い、高齢者を守るための警察活動は大変重要な課題となっております。本年は、先頃公表された警察白書でも高齢化の進展と警察活動が取り上げられました。県警察としても情勢の変化を踏まえた対応をしっかりと進めてまいる所存です。 まず、高齢者の防犯意識の向上対策についてです。 お示しのとおり、高齢化の進展に伴い、うそ電話詐欺や悪質商法など高齢者を狙う犯罪の増加が懸念されます。県警察としましても、高齢者の防犯意識の向上を図るための取組を強化することが重要であると認識しております。 県警では、関係機関、団体と連携した高齢者世帯への戸別訪問、マスメディアを通じた広報啓発など、様々な機会を活用して最新の防犯情報を発信していくほか、被害の危険性を体感できるよう、体験型や実演型の広報啓発を行うなど、工夫を凝らした注意喚起に取り組んでまいります。 また、子や孫世代に対しても高齢者の犯罪被害の実態などをタイムリーに発信することで、高齢者の家族の防犯意識の向上を促す対策を推進してまいります。 次に、二点目の高齢者の交通事故防止対策についてです。 県内では、本年八月末現在、九人の高齢者が交通事故でお亡くなりになっており、全体の死者数に対する高齢者の割合は約四割を占めています。 さらなる高齢化社会が進展する当県にとって、高齢のドライバー・歩行者両面からの対策の強化は喫緊の課題と認識しております。 まず、高齢ドライバーに対しては、年齢に応じて低下する身体機能を認識した運転をしていただくことが重要です。 短期間に複数回交通事故を起こした方に対する面接指導、自動車学校での無料の実車講習に加え、関係機関・団体と連携した安全運転サポート車の普及啓発など、高齢者の安全運転を支える対策を推進してまいります。 また、運転に不安を有する高齢者が、運転免許証を自主返納しやすい環境の整備に向けた取組を進めてまいります。 さらに、一定の要件に該当する高齢者に対する運転技能検査制度が盛り込まれた改正法が本年六月に公布されており、二年以内に施行されますので、しっかりと準備を進めてまいります。 次に、高齢歩行者に対しては、議員お示しのとおり、高齢者に寄り添ったきめ細やかな対策を進めていくことが重要です。 高齢者宅への訪問指導、高齢者との関わりが深い団体と連携し、具体的な事例や要因に関する情報を織り交ぜるなど、工夫を凝らした交通安全教育を実施するなどの取組を進めてまいります。 また、信号機のない横断歩道における歩行者優先ルールを全てのドライバーに徹底させ、横断歩道を安全に利用できるようにするなど、情勢に応じた取組をしっかりと進めてまいります。 県警察としては、今後とも関係機関・団体と連携し、高齢者の防犯意識の向上と交通事故防止のための対策を着実に推進してまいります。