1 中小企業対策について 2 ワーケーションの促進について 3 県産農林水産物の応援キャンペーンについて 4 自転車保険加入の義務化について 5 下関北九州道路について 6 高齢者のうそ電話詐欺対策について 7 その他
議長(柳居俊学君)上岡康彦君。 〔上岡康彦君登壇〕(拍手) 上岡康彦君 公明党の上岡康彦です。コロナ禍における県政の諸課題などについて、知事並びに関係の参与員、警察本部長に質問をいたします。 登壇者については、マスクの着用は自由とされておりますが、こんなスタイルもあるかと思いまして、本日はマウスシールドを着用して質問をいたします。もしお聞きづらいところがありましたら、何とぞ広いお心で御容赦いただきたいと思います。 それでは、通告に従いまして質問に移ります。 初めに、中小企業対策について二点お尋ねいたします。 まず、中小企業に寄り添った支援についてであります。 本県における企業数の九九・九%、雇用者数の約八割を占める中小企業は、本県経済の屋台骨であり、地域経済の活性化に欠かすことのできない存在であります。 我が公明党では、新型コロナウイルス感染拡大による苦境が続く中、雇用維持と事業継続に必死で取り組む中小企業に寄り添い、全力で支援に取り組んでまいりました。 雇用維持を最優先に掲げ、休業手当を支給した企業への雇用調整助成金の上限額・助成率の拡充や期間延長、早期支給に向けた手続の簡素化を実現いたしました。 また、持続化給付金や家賃支援給付金、政府系・民間金融機関での実質無利子・無担保融資の創設などにより、事業継続を後押ししてきました。 県では、国の動きに速やかに対応して、保証料ゼロ、三年間無利子の融資制度を創設されました。 さらに、県独自の取組として、深刻な影響を受けた食事提供施設への支援金や新たな取組に対する補助制度を創設するなど、事業者の状況に応じた支援をきめ細かく実施してきたことを高く評価するものであります。 こうした取組のかいもあって、個人消費や生産が徐々に持ち直してきたところですが、再度の感染拡大もあり、依然として厳しい状況にあるようです。 国や県の金融支援により、当面の資金確保ができたものの、今後の見通しが立たないとの声を多くお聞きしております。 県内の中小企業の置かれた状況は、地域や業種、さらには企業によって異なるため、全てを網羅する支援は難しいかもしれませんが、新型コロナウイルスの収束が見通せない中、企業活動の命綱と言える金融支援に万全を期すことに加え、落ち込んだ売上げをコロナ前に戻し、さらに押し上げていくための支援が必要であると考えています。 そこでまずお尋ねいたします。先行きが見通せない中にあっても、雇用維持と事業継続に取り組む中小企業に寄り添った支援が必要と考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 次に、人材確保への支援についてです。 本県経済を支える中小企業にとって、企業の将来を担う人材の確保が重要です。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、企業説明会や企業見学会、インターンシップの中止や延期が相次ぎ、従来の対面方式による就職・採用活動の実施が困難になるなど、採用環境は一段と厳しくなっています。 都市部の大企業では、ウェブセミナーの実施など、オンラインによる採用活動が進んでいるようですが、県内の中小企業では、採用にコストを割けない、ノウハウがないといった理由から、オンライン化への対応に苦慮しているようです。 オンライン化による就職・採用活動は、そのコスト削減が効果的であり、特に、企業にとっては、遠方の候補者との接点が増えるメリットもあります。 本年四月末までにウェブ面接を経験した学生は八割に及び、うち七割が、抵抗なしと回答したとの調査結果があり、今後はウェブ面接が一般的になることも考えられます。 また、別の調査によると、オンラインでのインターンシップへの参加希望者が八割を超え、距離を超えて参加機会が広がることを歓迎する動きが見られる一方で、オンラインよりも直接会社に訪問するインターンシップを希望する声も多いことから、オンライン形式であっても実体験に近い体験をいかに準備できるかということも重要になると思います。 しかし、直接会わないと人柄が分からない、熱意が伝わりづらいと悩む企業や、オンラインのみで内定に至る採用活動に不安を感じる学生も少なくないと聞いており、オンラインと従来の対面方式の効果的な組合せも必要だと思います。 コロナ禍を契機とした人々の意識や働き方の変化などもあり、七月には東京圏が初の転出超過となりました。こうした状況も追い風にしながら、企業における人材確保への支援の充実を図ることで、若者等の県内回帰・定着にもつなげていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。県では、コロナ禍で変わりつつある就職・採用活動の実態を踏まえ、県内中小企業における人材確保への支援について、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、ワーケーションの促進についてお尋ねします。 内閣府は、本年六月二十一日、新型コロナウイルス感染症の影響による生活意識や行動の変化を探った調査結果を発表しました。 それによると、テレワークを経験した人の割合は、全国で三四・六%、東京圏では四八・九%に達したとのことであります。 モバイルパソコンと通信環境が整ってさえいれば、リモートによる働き方の変化に十分対応できているということではないでしょうか。 さらに、新たな働き方を背景に、東京二十三区の二十代の三割超が地方移住への関心が高まったという興味深い結果も出ており、地方への移住についても機運が高まってきたと感じております。 さて、新型コロナウイルスの影響による新たな生活様式の中で、今、ワーケーションという働き方に注目が集まっています。 御案内のとおり、ワーケーションとは、ワークとバケーション、つまり仕事と休暇を組み合わせた造語であり、会社員などがふだん働いているオフィスを離れ、休暇を楽しみながら滞在している観光地・リゾート地、または帰省先などで働くことを意味します。 海外と違って、日本では長期休暇がまだまだ一般化されていないため、単に休日に仕事をすることをワーケーションと称されている節もありますが、仕事と休暇を楽しむことの両立を目指す働き方として注目を浴びています。 山梨大学、生命環境学部の田中敦教授によれば、ワーケーションという発想は、東京オリンピック開催が一年後に迫った昨年の夏頃、五輪期間における首都圏人口の分散策として、行政から発信されるようになりました。 その理由として、総務省にはもともと地方で定住者でも観光客でもない、いわゆる関係人口を増やすという大きなミッションを抱え、その実現に向けてワーケーションの推進という発想が生まれたとのことであります。 また、ワーケーションは、現在、国が推進している関係人口の創出・増加や地方創生、地域活性化、テレワークの推進など様々な施策とリンクしています。 地方にあっては、空き家や空きオフィスの問題解決への期待を抱いていますので、ワーケーションが普及すれば、今まで以上に観光地に長期滞在しやすくなり、宿泊施設にとってみれば、客室を埋めることが難しかった平日やオフシーズンの稼働率向上にもつながります。併せて買い物など、観光以外の事業者にも恩恵があるとおっしゃっています。 既に長期滞在が見込める観光地、例えば、長野県、和歌山県などでは、いち早く受入れのための高度な通信環境を備えたオフィススペースを整備し、IT企業のサテライトオフィスなどの誘致に向けた取組が進められていると聞いております。 そこでお尋ねいたします。ワーケーション導入には、企業にとっても課題が多いものの、地方自治体の中にはワーケーションへの補助を設けるケースも増え、その導入を促進する地方自治体は増えつつあります。 また、ワーケーションでの利用を推進するために、旅行会社でも企業向け新サービスの商品化に乗り出しているとも聞いております。 今後、本県においても関係人口の創出・増加などにつなげ、地域の活性化を図らねばなりませんが、新しい働き方として注目を集めているワーケーション導入に関して、どのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。 次に、県産農林水産物の応援キャンペーンについてお尋ねいたします。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、県内各地で行われるはずだった様々なイベントについては、いまだことごとく中止が続いております。また、消費者においても、非常事態宣言が出された後は、感染を警戒し急激に外出を控えたため、外食産業をはじめ、関連する販売店等も大きな打撃を受けております。その結果、山口県産の農林水産物を生産・加工する農林漁業者や業者の経営も危機的状況にあります。 六月定例会においても、我が会派の猶野議員が、県産農林水産物の需要回復について代表質問いたしました。 村岡知事は、深刻な状況下にあって、県産農林水産物の需要を速やかに回復させる取組が重要とのお考えを述べられ、併せて様々な支援策も答弁されました。 その中で、地産地消対策として、「みんなでたべちゃろ!キャンペーン」をやまぐち食彩店や販売協力専門店など様々な事業者と連携して実施する旨を述べられたところです。 後日、地元、周南農林水産事務所長から、キャンペーンのポスターを数枚頂きましたので、お付き合いのある企業数社にポスターを持ってアピールに伺いました。 県民みんなで、食べて、飲んで、飾って、県産農林水産物を応援しようというキャンペーンでありますから、御利用いただき、お店も生産者も助けてくださいと、私も気合を入れてぜひにとお願いし、一緒にキャンペーン参加店リストを見ておりました。 そこである方が、参加店数が地域によって差はあるものの、全体的には少ないのではと、そして、意外と身近に参加店がないとおっしゃるのです。 確かに、取扱店の条件を緩和するなどして、参加店の裾野の拡大を図らねば取扱量は増えませんし、このキャンペーンの内容を知っていても身近な生活圏内に参加店がなければ、わざわざ遠くの参加店まで立ち寄るにはそれなりの理由が必要です。 逆に、趣旨を理解していただいている消費者の近くに参加店があれば、利用していただけるのではないでしょうか。 また、消費者にとってお得なキャンペーンですので、もっと認知度を高め、消費行動に走らせるような、より効果的なPRも必要ではないでしょうか。 そこでお伺いいたします。今回、九月定例会に上程された補正予算案において、新型コロナウイルス感染症対策関連事業として百二十五億六千二百万円が組まれています。そのうち、県内経済の下支えや、消費需要の喚起を促すための対策として、約十億五千七百万円が計上されています。 先ほど申しましたように、私は、消費者へのPRと県産品の取扱量を増やすことが需要回復への近道だと考えます。 また、生産者と参加店と消費者が三位一体となって協力し合わなければ、この難局を乗り越えることはできないと思います。 キャンペーンの参加店を増やすなど、さらなる消費喚起対策を講じることにより、県産農林水産物の需要の回復・拡大につなげていくことが重要と考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 次に、自転車保険加入の義務化についてお伺いします。 御承知のとおり、自転車は、通勤・通学・買物など、気軽に乗れる便利な乗り物で重宝されておりますが、現在、自転車と歩行者の交通事故が増加傾向にあるというのであります。 特に最近では、新型コロナウイルスの影響により、バスや電車での密状態を避けながらの移動や通勤のために、自転車に乗る機会が増大したと思われます。 車通勤の多い山口県では、東京都をはじめ都市圏と比べれば、自転車通勤人口は少ないと思われますが、自転車利用人口は決して少なくないと思います。 現在、自転車保険の加入義務化地域が広がっています。今年四月一日から自転車の保険が義務化となったのは、東京都全域のほか、奈良県、愛媛県です。東京都の場合には、一部の区で先行して義務化へ向けた動きがありましたが、結局のところ東京都全域が一気に義務化されました。 こうした動向は、全国的なものでありまして、もはや自転車に乗るなら自転車保険は必要なものになってきています。 早い時期から義務化されていたのは、兵庫県や大阪府であります。そのほか神奈川県、京都府など、主要な都市では仙台市、名古屋市、金沢市が義務化となっています。 お隣の福岡県は、現在努力義務ではありますが、十月一日から一歩進んで義務化となることが決まっております。 その他の地域にあっても、義務化や努力義務など、自転車に係る保険に対する意識の高まりを見せており、保険加入の義務化を取り入れた地域は拡大しています。今後、こうした動きが広がる可能性は非常に高いと思っています。 ただし、注意しなければならないことは、義務化地域というのは、その場所で自転車を運転する人に対してのものであって、運転者の住んでいる場所は関係ないということです。 例えば、現時点で義務化も努力義務もない山口県に住んでいる人であっても、県境を越えて自転車で福岡県に入るなら、十月以降は自転車の保険加入が義務となります。 保険加入をしてないからといって罰則規定があるわけではありませんが、罰則のあるなしに関わらず、自転車利用中の事故に備え、万が一高額の賠償責任を負った場合でも保険等への加入が安心につながると思うのであります。 よく例に挙げられる自転車事故として、二○一三年に小学校五年生の少年が運転する自転車が六十二歳女性にぶつかり、女性は頭蓋骨骨折、意識不明の重体となり、後遺症が残ってしまった結果、子供の保護者に対して一億円近い賠償金の支払いを裁判所が判断したということであります。 私たちの日常生活では、自転車は身近な存在であり、したがって、事故もまた身近で発生するものなのであります。 そして、誰もが加害者にも被害者にも、そして、その家族になり得るのであります。 そこでお尋ねいたします。本県では、サイクル県やまぐちプロジェクトにおいて、自転車を活用した観光、サイクルツーリズムの展開や、誰もが県内各地で四季を通じてサイクルスポーツを快適に楽しめるような取組も進められています。 多くの県民の皆様に、自転車の活用を促しているわけでありますから、自転車事故によって加害者になった場合も、また、被害者になった場合にも生活を立て直すことができるように、今後、自転車保険加入の義務化を図るべきと考えますが、山口県としてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。 次に、下関北九州道路についてお尋ねいたします。 関門橋や関門トンネルの老朽化が進行する中、本州と九州を結ぶ幹線道路としての機能や道路網の多重性、大規模災害時の代替機能を確保していくために、下関北九州道路の早期整備が強く望まれています。 当該道路は、今年度から計画段階評価手続に移行し、国による詳細な調査が行われており、七月十五日に開催された中国・九州地方合同小委員会では、橋梁案を前提に、下関の旧彦島有料道路と北九州市都市高速道路を結ぶ三つの比較ルート帯ごとにその整備効果等が定量的に示されたところです。 そのうち、地域が推奨するルートで当該道路が実現すれば、暮らしの面では、下関市と北九州市の中心部間の移動時間が、現在の二十八分から二十一分に短縮し、産業の面では、響灘地区から彦島地区の輸送時間が、現在の五十七分から二十八分に短縮するなどの効果があるとされています。 また、概算の事業費として、約二千九百億円から三千五百億円になることが示されるなど、当該道路の整備がより具体化してきています。 現在は、最適なルート帯を検討するため、こうした各ルート帯の整備効果等を示した上で、地元の市民や企業等に対するアンケート調査が今月末まで実施されているところです。 こうした中、今月十一日に、当該道路に係る中央要望がウェブにより行われ、山口県議員連盟の幹事長として我が党の先城議員も参加し、赤羽国土交通大臣に必要性を訴えたところであります。 大臣からは、「下関北九州道路の必要性は、改めて言うまでもない。早く造ってつなげることが大事である。地元と連携して最大の努力をする」と大変力強い言葉を頂きました。 大臣の発言のとおり、当該道路の必要性は明らかであり、その早期実現のためには、今年度の計画段階評価手続を速やかに完了させ、さらに次の段階へと進むことが必要と考えるところです。 また、当該道路の整備効果をより高めるためには、下関市中心部や広域交通拠点等へのアクセス道路の強化や渋滞対策など、山口県側の周辺道路ネットワークの強化が求められます。 そこでお尋ねをいたします。県は、下関北九州道路の早期実現と周辺道路ネットワークの強化に向けて、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、高齢者に向けたうそ電話詐欺対策についてお尋ねいたします。 今月七日、周南署より、周南市内の七十歳代の女性が、うそ電話詐欺で一千四百万円余りをだまし取られたことが発表されました。本当に残念でなりません。 全国的には、新型コロナウイルス感染症の拡大に乗じたうそ電話詐欺等の犯罪が続く中、県内のうそ電話詐欺については、本年八月末現在で、被害額は七千五百六十九万円であり、前年同期と比べ約一億二百万円も大幅に減少してはいるものの、発生件数では四十九件で、前年同期と比べて七件増加しております。 うそ電話詐欺被害防止に向けては、山口県警察でも各金融機関に対して、預貯金の引き出しや送金をされるお客様へのお声がけの依頼をされており、現に銀行での対応により未然防止につながった例を報道で見かけます。 各金融機関におかれても、詐欺被害防止のために懸命の取組をされている中での事件だけに、被害者の無念を思えば、何としても犯人検挙につなげたいと強く思う一人であります。 今回のケースでは、被害者への犯人からはATMで現金を少額にして引き出すよう指示されていたようです。怪しまれないように、犯行の手口も巧妙になってきております。 この手の犯罪に、高齢者が巻き込まれないようにするためには、詐欺であることを見抜く知恵を身につけることが一番だと思います。 とはいうものの、高齢者にしてみれば、言葉巧みに不安をあおりだましてくる相手のうそをなかなか見抜くことは簡単ではないのだと思います。 何かいい方法はないものかと山口県警のホームページを見ておりました。うそ電話詐欺のキーワード紹介や留守番電話設定が詐欺電話の撃退につながること、また、うそ電話詐欺の被害防止を呼びかける広報用動画も掲載されています。 非常に有効なコンテンツが掲載されているなと思いました。ただ、高齢者は、こうした県警のホームページに触れることはないでしょう。 そこで、うそ電話詐欺を見破る対策を広く周知させるための工夫が必要だと考えます。 全て警察官だけで高齢者宅を訪問し、被害防止に向けた啓蒙活動をするなど不可能であります。地域と協働しながら、ボランティアや民生委員などの協力も得ながら、いまだ被害の絶えない高齢者のうそ電話詐欺被害防止に取り組まなければならないと考えます。 そこでお尋ねいたします。県警察として、高齢者のうそ電話詐欺被害防止に向けて、今後どのように取り組まれるのか、県警本部長の御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)上岡議員の御質問のうち、私からは下関北九州道路についてのお尋ねにお答えします。 私は、本県の地方創生を推進し、「活力みなぎる山口県」を実現していくためには、その基盤となる道路網の整備を重点的かつ計画的に進めていくことが重要と考えており、維新プランの重点施策に位置づけて取り組んでいるところです。 とりわけ本州と九州の結節点である下関地域は、人や物が活発に行き交う要衝であり、当地域の飛躍が本県経済に広く好循環をもたらすものと期待されることから、関門橋や関門トンネルと循環型ネットワークを形成する下関北九州道路の整備は不可欠と認識しています。 また、近年頻発する大規模災害時にも機能する信頼性の高い道路網を構築する観点からも、その早期整備が極めて重要と考えています。 このため、関係県市や経済団体と一体となって、議会の皆様とも連携しながら、整備促進大会や中央要望を実施するなど、長きにわたり当該道路の必要性を訴えてきたところです。 こうした取組の結果、今年度、計画段階評価の手続にステップアップするなど、その実現に向け、一歩一歩着実に前進しているものと受け止めています。 この流れを加速するため、七月の政府要望に続き、今月のウェブによる中央要望では、当該道路の議員連盟の皆様とともに、直接、赤羽国土交通大臣に地域の現状や課題を説明し、早期事業化を求めました。 大臣からは、お示しのとおり、大変力強い発言をいただき、私としても、これまで以上にスピード感を持って、全力で取り組む決意を新たにしたところです。 今後は、大臣のこの発言に応えるべく、国や関係県市と一体となって、計画段階評価に係る調査検討を迅速かつ着実に進め、早期実現に向け、次のステップである環境影響評価や都市計画の手続への速やかな移行につなげてまいります。 また、当該道路の整備効果を最大限発揮させるため、今後、計画の具体化に併せて、国や下関市と連携し、下関駅周辺地区や新下関駅、下関インターチェンジ等へのアクセス道路の強化について検討を進めていく考えです。 あわせて、下関北九州道路の整備により、交通の流れが変化することから、整備後の交通量を予測した上で、渋滞対策等の検討を行うなど、周辺道路ネットワークの強化に努めてまいります。 私は、引き続き、関係県市や経済界と緊密に連携し、議会の皆様のお力添えもいただきながら、下関北九州道路の早期実現を目指し、積極果敢に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)福田商工労働部長。 〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 商工労働部長(福田浩治君)中小企業対策に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、中小企業に寄り添った支援についてです。 県では、これまで、県制度融資による資金繰り支援や営業持続化等支援金の支給、専門家派遣事業を活用した相談体制の強化などにより、中小企業の事業の継続や雇用の維持を支援してきたところです。 また、新しい生活様式に対応するための施設整備や、新製品・新サービスの開発への補助制度などにより、事業活動の再始動を後押しするとともに、飲食店等を支援する頑張るお店応援プロジェクト等により消費喚起の取組も進めています。 さらに、県内経済の下支えを一層強化するため、市町が主体的に取り組む経済対策を支援する交付金を新たに創設するとともに、ものづくり企業に対しては、感染症で失われた取引の回復に向けた販路開拓等を支援することとしています。 県としては、感染症による環境変化への対応や新たな需要の獲得に向けた新事業展開など、事業の継続と雇用の維持に取り組む県内中小企業に寄り添って、きめ細かに支援してまいります。 次に、人材確保への支援についてです。 感染症の影響から、対面による就職・採用活動が困難となっていることから、県では新たにウェブ就職フェアを開催するとともに、ウェブ面接に不慣れな中小企業に対しては、セミナーを通じてノウハウを提供することなどにより、県内企業の人材確保に向けた取組を支援しています。 ウェブ就職フェアには、多くの県外大学生も参加したことから、企業の県外への情報発信力を一層強化するため、工場等の現場をライブ配信する、実体験に近いツアーや、インターンシップにおけるウェブ活用セミナーを開催することとしています。 一方で、直接面接したいという企業や学生等からの根強い声に応えるため、対面による就職フェアを七月から再開したところ、昨年を上回る参加があったことから、引き続き、感染症対策を徹底した上で、実施することとしています。 県としては、従来の面接とオンライン面接を適切に組み合わせた上で、実体験に近い仕組みを取り入れ、コロナ禍における就職・採用活動を効果的に支援することにより、県内中小企業における人材確保に、積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)ワーケーションの促進についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルスの感染拡大防止を図るため、テレワークが急速に普及する中、場所や時間にとらわれない働き方の新しいスタイルの一つとして、お示しのように、休暇とテレワークを組み合わせたワーケーションが、現在注目を集めています。 このワーケーションは、それ自体が地方への新たな人の流れをつくり出すだけでなく、継続的に地域と関わる関係人口の拡大や、滞在に伴う新たな需要の喚起など、地域の活性化に多面的な波及効果を期待できることから、本県としても県内への導入を促進していきたいと考えています。 一方で、導入に当たっては、通信設備をはじめとした受入れ側の環境整備や、持続可能な事業スキーム等について、実施内容と効果を十分に検証し、より実効性のある取組を進めていく必要があります。 さらに、本県が滞在先として多くの利用者から選ばれるよう、ニーズに対応した魅力あるコンテンツの開発や、訴求力の高いプロモーションも重要であり、こうした点を踏まえ、促進に向けた調査事業をこのたびの九月補正予算に計上したところです。 この調査の中で、利用者ニーズや県内の候補地等を把握するとともに、継続的に人を呼び込むための仕組みづくりや、具体的な受入れ体制などを検討し、地域活性化にも資する本県独自の推進モデルを構築していきたいと考えています。 また、ワーケーションを広く普及・定着させるためには、社会全体でのさらなる機運醸成が不可欠であります。企業における就業規則の見直しをはじめ、新たな労働環境の整備も必要となることから、政府要望等を通じ、国による積極的な対応も求めていくこととしています。 県としては、今後、市町や関係団体等と連携し、民間のノウハウも活用しながら、関係人口の創出・拡大や地域活性化につながるワーケーションの促進に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)県産農林水産物の応援キャンペーンについてのお尋ねにお答えします。 「みんなでたべちゃろ!キャンペーン」については、県産農林水産物の需要の回復・拡大に向け、やまぐち食彩店など四百七十一店舗の御参加を得て、消費者の皆様の御理解・御協力をいただきながら実施しているところです。 これまでの取組状況は、カタログギフトが即日完売するなど順調に推移しており、参加店からは、新規の雇客が増えた、また、消費者からは、初めて県産和牛を購入した等の声も寄せられるなど、県民の皆様の理解促進と、需要の喚起につながっていると考えています。 しかしながら、感染症の収束が見通せない中、県産農林水産業の需要の回復がいまだ十分でなく、依然として厳しい状況が続いていることから、さらなる消費喚起対策を講じる必要があります。 このため、大規模な地産地消対策の第二弾として、「もっとみんなでたべちゃろ!キャンペーン」を展開することとし、お示しの課題も踏まえ、消費行動を促進する、より効果的なPRと県産品取扱量の増大につながる参加店の拡大に重点的に取り組んでいくこととしています。 まず、効果的なPRについては、テレビCMや各戸配布のチラシに加え、新たに、駅や空港のデジタルサイネージを活用するほか、ぶちうまアンバサダーにも御協力いただきながら、SNSでの情報発信を強化するなと、幅広く県民の皆様の認知度向上に努めます。 次に、参加店の拡大については、今回のキャンペーンを契機に増加した販売協力専門店などをさらに増やすため、引き続き、市場関係者等と連携し、キャンペーンの取組趣旨等も伝えながら参加を促進してまいります。 さらに、店舗が参加しやすくするよう、対象商品の要件緩和や量販店の会計システムに合わせた割引方式の採用など、店舗の要望を踏まえた柔軟な見直しを行い、参加店舗数の増大を目指します。 県としては、県産農林水産物の需要を回復・拡大し、現下の厳しい状況を乗り越えられるよう、生産者、参加店、消費者が一体となった消費喚起対策に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)自転車保険加入の義務化についてのお尋ねにお答えします。 自転車は、環境にも優しく、世代を超えて気軽に利用できる便利な交通手段である反面、利用者は交通事故の加害者にも被害者にもなり得ることから、その事故防止対策が重要です。 このため、県では、県警察や市町、民間団体等で構成する交通安全山口県対策協議会を中心に、自転車の安全利用の確保を交通安全県民運動の重点項目の一つとして掲げ、年間を通じて、交通安全意識の高揚に向けた広報啓発に取り組んでいます。 とりわけ、日頃から自転車を利用する機会の多い小・中・高校生の事故防止に向けては、学校での出前講座を開催し、安全運転の意識を深めてもらうほか、教育委員会等と連携し、交通指導を担当する教職員の研修を行うなど、重点的な啓発に努めています。 こうした取組の結果、本県では、近年、自転車が関係する交通事故が大きく減少しており、自転車の利用者が加害者となり、歩行者を死亡させた交通事故も発生していません。 一方で、お示しのように、全国的には高額な損害賠償を伴う交通事故が発生しており、県では、第十次山口県交通安全計画において、自転車保険への加入促進を重点施策とし、県交通安全協会等と連携しながら、各種広報媒体を活用した取組も進めています。 自転車保険の加入については、本県では、自転車が関係する交通事故が減少傾向にあるものの、コロナ後の新たな生活様式の下では、自転車の利用機会が増えることが予想されることから、今後、重要度が高まるものと考えられます。 このため、お尋ねの自転車保険加入の義務化については、県内の情勢や他県の動向等を注視しながら、その必要性や手法についての検討を深めていくこととしています。 あわせて、サイクルイベントの会場やサイクリスト向けの施設などで、直接自転車の利用者に自転車保険の加入を呼びかけるなど、加入促進に向けた取組のさらなる強化を図ってまいります。 議長(柳居俊学君)谷警察本部長。 〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 警察本部長(谷滋行君)うそ電話詐欺の被害防止対策についてのお尋ねにお答えします。 本年八月末現在の県内におけるうそ電話詐欺の被害は、議員お示しのとおり、前年同期と比べて被害額は減少しているものの、被害件数は四十九件、前年同期と比べて七件増加しており、そのうち、六十五歳以上の高齢者の被害は三十九件で、全体の約八割を占めています。 先般、周南市で発生したうそ電話詐欺事件につきましては、被害防止対策を進める中で発生を見たところで、誠に残念であり、しっかりと捜査を進めるとともに、被害防止対策のより一層の推進について思いを強くしたところであります。 このような高齢者被害の約八割は、独居世帯であり、日頃から家族や御近所との接点が少ないことで、うそ電話詐欺の手口に関する情報が得られにくく、また、誰にも相談できずに被害に遭っている状況もあると考えられます。 そのような高齢者にあらゆる機会や媒体を通じて、うそ電話詐欺の実態や被害を防止するための注意点などをしっかりとお届けする工夫が必要であるというのは、議員御指摘のとおりであり、お示しの地域との協働、ボランティアや民生委員などとの協力にも力を入れていく必要があると考えております。 具体的には、関係機関等と構築している高齢者安全安心ネットワークを活用して、民生委員、社会福祉協議会、老人クラブ、介護事業者などに最新の防犯情報をタイムリーに提供し、それぞれの活動を通じて、広報啓発に協力をいただいているところです。 さらに、高齢者がうそ電話詐欺を見抜く力を高めるためには、視覚に訴えたり、被害を擬似体験したりする広報啓発も有効であります。 最新の手口を題材にした寸劇を収録して、地域のケーブルテレビやコミュニティFMで放送する取組も引き続き行ってまいります。 なお、各警察署では、防犯ボランティアの方々の協力をいただいて、うそ電話詐欺防止戸別訪問隊を結成し、高齢者世帯を訪問しながら、直接注意を呼びかける活動を行っておりますが、現在は、新型コロナウイルス感染症防止の観点から活動を自粛しております。 今後、感染状況の推移を見極め、活動の再開も検討してまいりたいと考えております。 このほか、小学生が、地域の高齢者などを発表会に招いて、自ら作成した、詐欺を見抜くキーワードを発表したり、保育園児が作成した、高齢者に被害防止を呼びかけるチラシを広報キャンペーンで活用したりするなど、孫世代からのメッセージの発信による高齢者の心に響く広報にも取り組んでいるところです。 県警察といたしましては、今後も様々な対策を複層的に推進し、高齢者のうそ電話詐欺に対する抵抗力の強化を図るとともに、金融機関やコンビニエンスストアで、被害が疑われる高齢者が来店した際の声かけや通報など水際対策の徹底と検挙活動を強化し、卑劣なうそ電話詐欺の被害防止に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。 再開は午後一時の予定でございます。 午前十一時三十三分休憩