委員長報告
議長(柳居俊学君)決算特別委員長 友広巌君。 〔決算特別委員長 友広巌君登壇〕(拍手) 決算特別委員長(友広巌君)決算特別委員会を代表いたしまして、令和二年九月定例会において本委員会に付託されました令和元年度電気事業会計及び工業用水道事業会計の利益の処分並びに、令和元年度山口県歳入歳出諸決算並びに、令和元年度電気事業会計及び工業用水道事業会計の決算に関し、議案の審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 審査に当たりましては、執行部に詳細な説明を求め、また、出先機関等の現地調査を実施するとともに、監査委員からは決算審査に関する意見を聴取した上で、予算の執行が適正かつ効率的に行われたか、また、住民福祉の向上にどのような成果を上げたかなどを主眼に、慎重な審査を重ねた結果、議案第十四号については、賛成多数により、議案第十二号、第十三号、第十五号、及び第十六号の議案四件については、全員異議なく、いずれも可決または認定すべきものと決定いたしました。 まず、審査の過程のうち、一般会計の決算概要を申し上げます。 一般会計の決算は、 歳入が、六千七百五十七億五千五百二万円 歳出が、六千五百八十九億四百六十九万円 であり、前年度と比較して、歳入は二・三%、歳出は一・九%増加し、歳入、歳出とも四年ぶりに増加となっております。 また、実質収支は、八十八億四千十万円の黒字となっております。 前年度と比較して、決算額が増減している主なものは、 まず、歳入では、全国の地方消費税の減少により地方消費税清算金が、中小企業制度融資貸付金の元利収入の減により諸収入が、それぞれ減少したものの、地方消費税率の引上げにより県税が、普通交付税の増により地方交付税が、公共事業関連費の増に伴う国庫支出金及び県債がそれぞれ増加をしております。 一方、歳出では、中小企業制度融資貸付金の減少により商工費が、県債償還期間延長等による元利償還金の減により公債費が、地方消費税交付金の減等により諸支出金が、それぞれ減少したものの、幼児教育無償化関連事業費の増により民生費が、公共事業関連費の増により土木費が、県立大学第二期整備事業費の増により教育費が、それぞれ増加をしております。 次に、母子父子寡婦福祉資金、十四の特別会計の決算は、 歳入が、三千七十六億四百九十万円 歳出が、三千十九億四千八百七十四万円 であり、実質収支は五十六億五千六百十七万円の黒字となっております。 次に、審査の過程における発言のうち、その主なものについて申し上げます。 まず、農林漁業における新規就業者の確保・育成について、 やまぐち維新プランの重点施策に、担い手支援日本一のさらなる強化を位置づけているが、農林漁業の各分野における新規就業者の確保・育成に向けた取組内容と成果はどうかとの質問に対し、 募集から研修、就業、定着まで一貫した担い手支援策を強化し、県内外からの新規就業者の確保に取り組んでおり、やまぐち維新プランの目標達成に向け順調に進捗している。 とりわけ、令和元年度は、新規農林漁業者スカウト力強化事業を創設し、首都圏において、日本一の担い手支援策のPRなどの情報発信の強化や先輩就業者との意見交換会の開催などの移住就業に向けた意識向上対策を実施したところである。 今後は、コロナ禍で非対面・非接触といった新しい生活様式への対応が求められることから、オンライン化やデジタル化のノウハウを蓄積し、さらなる移住就業者の確保を図ってまいりたいとの答弁がありました。 これに関連して、 ○ 新規就農者の定着状況、課題及び対策について ○ 中核経営体支援事業の成果と課題について などの発言や要望がありました。 次に、キャッシュレス化の推進について、 消費拡大や人手不足の解消に加え、コロナ禍における感染防止の観点からも重要であるが、令和元年度の取組内容、成果及び課題は何か。また、さらなる普及に向け、今後どのような取組が必要と考えるかとの質問に対し、 キャッシュレス化は、小売店舗等の生産性の向上等に有効であるため、国のキャッシュレス・消費者還元事業の実施を好機と捉え、県下全域での実現に取り組んだ。 具体的には、やまぐちキャッシュレス化実現会議を中心とした普及啓発や、コーディネーターの配置により、相談対応等を行うとともに、新たな補助制度を創設し、多言語対応のキャッシュレス決済対応店舗マップの作成などキャッシュレス決済の導入促進に効果的な事業の実施を支援した。 こうした取組の結果、国のポイント還元の対象となる県内小売店舗等の登録状況は、全国平均を上回る高い伸び率で一万一千六百四十七店舗となるなど導入が進んでいる。 この取組は、新しい生活様式においても推奨されている一方で、事業者からは、キャッシュレスの仕組みが分からないといった声が聞かれるなど、キャッシュレス化のメリットが十分に伝わっていない課題があると認識している。 このため、やまぐちキャッシュレス化実現会議を中心とした普及啓発等により、引き続き、県下全域におけるキャッシュレス決済の導入を進めていくとの答弁がありました。 このほか、一般会計及び特別会計全般では、 ○ 令和元年度決算の評価について ○ 不用額の内容について ○ 内部統制制度導入における会計事務への取組について ○ 不納欠損の内容について ○ 監査委員の審査意見書の内容について ○ 内部統制制度の導入による監査の在り方について 総務・企画関係では、 ○ 行財政構造改革のこれまでの実績について ○ 県税収入の状況と徴収への取組について ○ 災害時避難行動の体制づくりに向けた取組状況と課題について ○ 救急医療相談の実績と成果について ○ ふるさと納税の実績と増収に向けた取組について ○ 臨時財政対策債の状況について ○ 人材育成に向けたPBLの取組の状況と課題について ○ やまぐちコネクテッド・インダストリーズ推進事業の成果とIoTの技術の利活用促進に向けた課題について ○ 技術交流プラットフォーム、やまぐちR&Dラボの取組状況と成果について ○ 移住促進事業の改善点と地元の反応について ○ 中山間地域振興特別対策事業の取組内容と事業の進め方について 環境・福祉関係では、 ○ HACCPの義務化に向けた食品等事業者の取組の促進について ○ 野生鳥獣対策の強化に向けた取組について ○ やまぐち健幸アプリを活用した健康寿命の延伸に向けた取組について ○ 子ども食堂の開設や安定的な運営に向けた支援の取組について ○ がん検診受診率向上とがん患者の社会参加支援の取組について ○ 障害者の一般就労への移行を促す仕組みの構築に向けた取組について ○ 環境保健センターの老朽化への対応について ○ 地域共生社会推進事業におけるヘルプマークの普及等について ○ 国民健康保険の運営状況について ○ 僻地医療総合対策事業等の取組状況について 商工・観光関係では、 ○ 中小企業スマートビジネス推進事業の取組内容と成果について ○ 若者県内定着促進事業の取組実績及び事業を通じて把握した就活生や企業の支援ニーズ等について ○ 大阪事務所の取組実績と現在の取組状況について ○ 中小企業制度融資に関する現状評価や今後の展開等について ○ 「YAMAGUCHI MAGIC!」プロモーション推進事業の取組内容と成果について ○ 岩国地域交通系ICカード整備事業の取組内容とICカードの導入効果に対する認識について ○ 欧米等インバウンド市場開拓事業の取組実績と課題について ○ 若者が活躍する競技スポーツ推進事業の取組実績と課題について 農林水産関係では、 ○ 県産農林水産物の需要拡大に向けた取組内容と成果について ○ 六次産業化・農商工連携の取組内容と実績について ○ 県営老朽ため池整備事業の内容と繰越理由について ○ やまぐち森林づくり県民税の取組内容と成果及び第三期対策での課題について ○ 水産共同研究推進事業の研究内容と成果及び現場への普及について ○ 下関漁港水産業振興拠点整備事業の内容と効果について 土木建築関係では、 ○ 幹線道路網の整備に係る取組について ○ 港湾の機能強化に向けたハード整備とソフト対策の取組について ○ 災害復旧事業の進捗状況と防災・減災対策の取組について ○ 建築ICTの導入促進に向けた取組について ○ 建設産業の担い手確保・育成への取組について ○ 施設ごとの長寿命化計画に基づく点検・補修等の取組について ○ 流域下水道事業特別会計の廃止に伴う会計処理について ○ 県営住宅の家賃収納率向上への取組について 教育・警察関係では、 ○ 高校生への進学支援の取組状況と成果及び課題について ○ 高等学校における地域人材育成事業における取組状況と成果及びその普及について ○ いじめ・不登校等対策強化事業の取組状況と成果について ○ 教員の働き方改革の取組状況について ○ 通信指令システムによるトータルリスポンスタイム短縮の取組状況について ○ うそ電話詐欺の発生状況と被害防止の取組状況について ○ 交通安全県やまぐち推進事業の取組状況について ○ 交通事故防止施設総合整備事業の実施状況について ○ ネットワーク利用犯罪における児童の被害防止の取組状況について などの発言や要望がありました。 次に、企業会計の各事業の決算概要を申し上げます。 まず、電気事業でありますが、故障停止していた菅野発電所の復旧等に伴う電力料収入の増等により、当年度純利益は、前年度に比べて六千百三万円増の一億八千二百三十八万円となっております。 次に、工業用水道事業でありますが、節水減免が平成三十年度で終了したこと等に伴う給水収益の増等により、当年度純利益は前年度に比べて二億四千九百八十七万円増の九億七千三百七十九万円となっております。 次に、審査の過程における発言のうち、その主なものについて申し上げます。 まず、工業用水道事業について、 渇水自体は天候に左右されるものなので、やむを得ない面はあるかもしれないが、できる限りの渇水対策を整えておくことが重要と考える。企業局では、渇水対策として、これまでどのような取組を実施してきたのかとの質問に対し、 周南地区において、水系を越えた広域的な給水体制を構築し、新たな水源を確保するため、平成二十五年度から島田川工業用水道の建設を進めてきたところであり、本年七月二十二日に給水を開始した。 加えて、渇水が著しいときに備えて、島地川からの取水の一部を有効利用する川上ダムへの一時貯留や、下松市の工業用水の一部を企業に供給する応援給水制度を運用する体制を整えてきた。 また、宇部・山陽小野田地区において、厚東川ダムから放流される水の一部を、宇部丸山ダムへポンプで送水して貯留するシステムの運用を実施するなど、自主節水の回避に向けて取り組んできたとの答弁がありました。 これに関連して、 ○ 菅野系工業用水の節水状況について ○ 節水減免終了に伴う収益面への影響について ○ 節水減免終了の理由について などの発言や要望がありました。 このほか、工業用水道事業関係では、 ○ 工業用水の安定供給に向けたこれまでの取組について ○ 第四次経営計画の計画初年度の振り返りについて ○ 県内工業用水道施設の老朽化の状況について ○ 山陽小野田地区、宇部地区の工業用水道施設の老朽化の状況について ○ 工業用水道施設の老朽化対策の取組について ○ 厚東川二期ルートバイパス管布設事業の事業内容について 電気事業関係では、 ○ 新たな小水力発電候補地の令和元年度の取組状況等について ○ 国庫補助制度の活用状況について ○ 水力発電の普及啓発の取組について などの発言や要望がありました。 以上が、審査の経過でありますが、執行部におかれましては、これらの意見、要望はもとより、審査の過程でありましたその他の発言についても十分留意されるとともに、監査委員の意見も踏まえて、なお一層、効率的な行財政運営に努められるよう要望いたします。 以上をもちまして、本委員会の審査の報告といたします。(拍手) ──────────────────────