討論
議長(柳居俊学君)これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 藤本一規君。 〔藤本一規君登壇〕(拍手) 藤本一規君 日本共産党を代表して、本会議に提案された議案に対する討論を行います。 反対する議案は、第一号から七号、十六号と継続審査中の十四号及び十六号です。 まず、議案一号から七号についてです。これら議案に反対する理由は、給与の減額が含まれた内容になっているという点です。 さきの九月県議会では、新型コロナへの対応に追われ、一か月間の時間外勤務が二百六十六時間にも及んだ職員までおられたことが明らかになりました。月二百六十六時間といえば、毎晩午前様で帰宅し、土日もほとんどないような働かせ方です。 このようにコロナ禍の最前線で対応に当たっておられる職員の期末手当を削減することは認められません。よって、関連する補正予算に反対いたします。 その上で、議案第一号、一般会計補正予算について発言します。 本予算には、トビイロウンカ被害の救済策としてのやまぐち米次年度生産応援事業や新型コロナウイルス感染症対策に関する予算が含まれています。これらについては、積極的な対応を要請します。 また、今議会の環境福祉委員会で、私は、生活福祉資金特例貸付けの原資を九億四千二百六十万円増額する補正に関する質疑を行いました。 この中で、昨年度は四十三件にすぎなかった緊急小口資金の貸付件数が、特例措置が講じられた三月二十五日以降、十月三十一日時点で実に四千五百六十四件と百倍以上に増加していることが明らかになりました。また、申請に対する決定率はほぼ一○○%であるとの説明もありました。 今後とも県民に寄り添った対応を行い、今年度で終了する特例措置が来年度も延長されるよう国に強く求めていただくことを要望いたします。 次に、議案第十六号 一般国道四百九十号道路改良工事の請負契約の締結についてであります。 この道路は、小郡萩道路の一部区間である絵堂萩道路の雲雀峠に延長六百十九・五メートルの雲雀山トンネルを建設するものです。 このような巨大プロジェクトは見直し、今は新型コロナウイルス感染症の感染防止のための検査や医療体制の拡充にこそ、県財政を集中すべきと考えます。 次に、継続審査中の議案第十四号及び十六号に反対いたします。 議案第十四号は、二○一九年度県歳入歳出諸決算についてであります。 一般会計に係る県債発行額は八百十二億三千九百六十八万円ですが、そのうち国の地方交付税特別会計の財源が不足し、地方交付税として交付すべき財源が不足した場合の穴埋めとして、地方公共団体自らに地方債を発行する臨時財政対策債が実に二百四十億円含まれています。 地方交付税法に基づいて、地方交付税率を引き上げるなどの措置を講じて、こうした禁じ手は一刻も早くやめるよう国に強く求めていただきたい、これを要請いたします。 また、今年六月に、新型コロナウイルス対策に係る対策を講じるためとして、行財政構造改革の取組が一時凍結されたところですが、二○一九年度は、行財政構造改革として、総人件費の縮減など三百十億円に着手されたところであります。 その一方で、やまぐち維新プランに掲げる産業維新などを推進するために、大型プロジェクトを進めた結果、土木債などが増加したことは否めません。 行財政改革による県民サービスを縮減させる一方で、巨大プロジェクトを進め県債を増大させた令和元年度歳入歳出諸決算であった点を指摘をしたいと思います。 次に、議案第十六号は、二○一九年度工業用水道事業会計の決算についてであります。 山口県公営企業会計決算審査意見書で監査委員は、第一に、未契約水と未稼働水を次のように指摘をしています。 「企業の撤退による大幅な減量により、全体の契約水量は減少しており、当年度末においては、日量十五万四千立米の未契約水があり、加えて、従来からの事業休止による日量十四万五千立米の未稼働水を抱えている状況にある」 未契約水は、前年度より実に約二万二千立米増加しています。未契約水と未稼働水を合計した水量は、厚東川工業用水道の計画給水量の約四分の三に匹敵をいたします。 これら未契約水と未稼働水を放置し、その量が増大をしている点を強く指摘をしておきます。 また、監査委員は、第二に、弥栄ダム未事業化分について次のように指摘をしています。 「一般会計へ移管した弥栄ダム未事業化分(先行水源)については、県民共有の貴重な財産であることから、企業局としても引き続き多面的な活用方策の検討に積極的に参画されたい」 小瀬川第二期工業用水道事業の計画給水量は、日量五千六百立米ですが、当初は三万七千六百立米でした。差引き三万二千立米の未利用水は、二○一二年度に一般会計に移管されましたが、その際、百五十五億円余は一般会計に押しつけられました。移管後、残された企業債四億五千万円余は、一般会計で負担をしているほか、毎年約四千万円のダム負担金の支出が続けられています。 この未利用水の利用活用策については、県庁全体で組織されている水資源対策推進協議会の利用部会において、活用方策の検討が進められていますが、それ以降、利活用策は見いだせず、一般会計からの支出は膨らむばかりであります。 当時の判断に間違いはなかったと繰り返すことはもうやめて、こうした事態を招いた政策選択の誤りを率直に認め、その要因をしっかりと検証し、再発防止策を講じることが不可欠であることを厳しく指摘をしておきたいと思います。 最後に、請願についてであります。 請願一号 最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求めることについての請願を不採択とした商工労働委員会の委員長報告に反対をいたします。 本請願は、政府に最低賃金を直ちに千円以上引き上げ、時給千五百円以上を目指すことなどを求めるものです。 全労連が実施をした最低生計費試算調査では、二十五歳単身者・賃貸ルームマンション二十五平米に居住したという条件で試算した場合、時給を千六百円以上にする必要があるという結果でした。 山口県の最低賃金は、現在八百二十九円です。千円以上の引上げ、時給千五百円以上を目指すことを求める請願は、山口県に暮らす若者の定住促進にとって極めて常識的な内容であり、不採択とした委員長報告に反対をいたします。 次に、請願第四号、行き届いた教育(少人数学級の実現、私学助成の増額、教育費の父母負担軽減、障害児教育の充実等)を求めることについてであります。 本請願のうち、二項目めから五項目め及び七項目め、八項目め、十二項目めを不採択とした文教警察委員長報告に反対をいたします。 特に、第二項目の、全ての学校で三密を防ぐためにも少人数学級を実現することを不採択としたことに強く反対をしたいと思います。 私が、本会議の一般質問で指摘をしたように、十月十六日、中央教育審議会は、令和の日本型学校教育の構築を目指してについて、とする中間まとめを了承しました。 この中間まとめは、新型コロナウイルス対策などとして、教室等の実態に応じて少人数編成を可能とするなど、少人数によるきめ細かな指導体制を明記しました。 この会議で村岡知事は、本県が進めてきた三十五人学級の取組と、これまでも国に要望してきた少人数学級の推進について発言した、このように私の質問に答えられました。 山口県知事も中教審もコロナ禍の中で、少人数によるきめ細かな指導体制が必要だと主張しているときに、山口県議会が本請願の全ての項目を採択し、新年度、山口県の子供たちに少人数学級をプレゼントすることが重要だと考えます。 よって、本請願は採択されて当然であり、不採択とした委員長報告に反対いたします。 以上で討論を終わります。(拍手)