1 知事の政治姿勢について 2 岩国基地問題について 3 医療、介護保険制度について 4 農業問題について 5 公立大学の運営について 6 朝鮮学校補助金について 7 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(藤生通陽君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第七号まで及び第十一号から第五十六号まで 副議長(藤生通陽君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七号まで及び第十一号から第五十六号までを議題とし、質疑の議事を継続します。 木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。通告に従い一般質問を行います。 質問の第一は、知事の政治姿勢、核兵器禁止条約についてであります。 核兵器の使用はもちろん、開発、実験、生産、そして威嚇までを違法化する核兵器禁止条約を批准した国と地域が五十に達し、来年一月二十二日の発効が確定しました。 日本共産党は、被爆者をはじめとする核なき世界を求める世界の声が結集した巨大な一歩、これを心から歓迎するものであります。 一方で、日本政府がこれに背を向けていることは、唯一の戦争被爆国として極めて恥ずべきことと言わなければなりません。 そして、残念なことに村岡知事も、国の取組を尊重する立場に立って、現時点ではヒバクシャ国際署名の署名は考えていないとの立場に拘泥されています。 日本政府は、核保有国と非核国の橋渡しをすると主張してきましたが、十一月三日に開かれた国連総会第一委員会で、日本政府が提出した核兵器のない世界に向けた共同行動の指針と未来志向の対話の決議案の共同提案国は、二○一六年の百九か国から今回は二十六か国へと激減しました。 しかも、ロシアと中国は同決議案に反対、昨年は賛成したフランスも、包括的核実験禁止条約発効の位置づけが弱められたことなどを理由に棄権、結局、核保有国の賛成はアメリカ、イギリスの二か国だけとなりました。 政府が主張する、核保有国と非核保有国の橋渡しは、今や橋の両端が崩壊し、橋渡し論なるものが、国際的に孤立していることは明らかではありませんか、お尋ねいたします。 さらに、十三日の衆院外務委員会では、日本共産党の穀田議員の追及で、米国を含む核兵器の存在や保有が地域の緊張・対立の原因と明記した外務省文書を明らかにしました。 日本政府は、米国の核抑止が日本の安全保障にとって不可欠であるとして、核兵器禁止条約への参加を拒んでいますが、核兵器の存在そのものが安全保障上の不安定要因になっているという認識を示したものです。 知事が言われた現時点ではの判断・認識は、核兵器禁止条約の発効が目前に迫った今日の時点では大きく事態が進展していることを直視し、改めてヒバクシャ国際署名に堂々と応えるべきであります。知事にお尋ねします。 質問の第二は、米軍岩国基地についてです。 第一は、九月議会でも取り上げました米軍岩国基地所属機の墜落事故に関する再調査結果に関わる問題です。 米軍が、睡眠導入剤を使用していることについては、日米地位協定を改定し、米軍の活動に国内法を適用するよう、毎年度、渉外知事会において、日米両政府へ要望しているという趣旨の答弁がありました。しかし、問題はそれにとどまりません。 再調査結果には、覚醒剤の使用も容認されているという記述もあります。 驚くべきことに、この事実は自衛隊も承知しているということであります。 航空自衛隊の航空医学実験隊が監修した、長時間飛行の疲労評価と対策と題する論文があります。発行は二○一七年三月であります。 この中には、パイロットの疲労対策として、米軍では、日本では当然覚せい剤取締法で所持禁止されているデキストロアンフェタミン、モダフィニル、処方薬の使用が許可されている。空自操縦者の使用は認められない。治療対象疾患は飛行停止となると記述されています。 日本では、重大な犯罪行為である覚醒剤の使用を米軍のパイロットは認められている。そして、自衛隊もそれを知り、黙認しているということであります。 住民の安全を著しく脅かしかねないではありませんか。防衛省に事実を確認し、日本に駐留している米軍パイロットの覚醒剤使用を禁止するよう求めるべきであります。見解を伺います。 第二は、米軍機の爆音被害です。 このほど広島県は、二○二○年度上半期の米軍機の航空機騒音発生状況等の概要、これを発表し、空母艦載機の移駐が二○一八年三月に完了した米軍岩国基地所属機による七十デシベル以上の航空機の騒音回数が、今年度上半期は、移駐前上半期と比べて広島県内で一・四倍に増加していることを明らかにし、住民生活に多大な影響を及ぼしていると結論づけました。 岩国市でも、米軍による騒音が十一月に入って大幅に増えています。空母ロナルド・レーガンとともに周辺海域に展開していた艦載機が同基地に帰還した影響と見られます。 岩国市のまとめによると、十一月九日から十九日までの十日間、七十デシベル以上の騒音は、基地南側の尾津町で一日平均三十九・三回を記録。十月の二・二倍であります。北側の川口町は同二十七・五回で十月の二・三倍でした。住民からの苦情は、同期間で二百二件と十月の一か月間の百九十件を大きく超えています。一日平均では三倍に上がっています。 艦載機移駐後の爆音被害の増大について、山口県が、基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではないという認識を持ち続けていることが、米軍機の傍若無人の訓練に拍車をかけていると思われませんか、改めてお尋ねします。 広島県と同様に、住民生活に多大な影響を及ぼしているという認識に立って、国や米軍に対し、厳しく対峙すべきです。見解を伺います。 質問の第三は、医療、介護保険制度についてです。 第一は、国民健康保険制度についてです。 同制度は、二○一八年四月の県単位化から二年七か月経過し、現在、新年度に向けた運営方針改定作業が進められています。 これに関して、財務省は、十月八日に開催された財政制度等審議会の分科会において、一つ、一般会計からの法定外繰入れを事実上、禁止している介護保険制度と同様の法整備を行う。 二、国保の保険料水準を統一させるため、国保運営方針に統一までの工程や期限を記載することを求めています。 国保制度は自治事務であり、財務省の提言は地方分権にも逆行する横やりであります。この二点について、県はどう対応されるのか、伺います。 また、財務省は、生活保護受給者を国保に加入させる案まで提案しています。都道府県の管理強化で過剰な受診を抑制し、生活保護費の半分を占める医療扶助を削減するのが狙いですが、国保財政の悪化や保険料負担の増加につながりかねません。ひいては、社会保障制度の根幹を揺るがすおそれも懸念されますが、県の見解をお尋ねします。 次に、保険者努力支援制度についてです。 同制度は、都道府県と市区町村の国保行政を国が採点し、成績がいい自治体には交付金を増やす仕組みであります。採点項目には、医療費の適正化という名の抑制、特定健診受診率、特定保健指導の実施率、保険料の収納率などがあり、都道府県分と市町分にそれぞれ年五百億円を充てられています。 資料一のように、二○二○年度の県と市町合わせた一人当たり交付額を比較すると、山口県は二千八百十二円で全国何とワーストツー、四十六位であります。五千百十一円で一位の富山県の半分にとどまっています。 同年度から特定健診の受診率、特定保健指導の実施率と法定外繰入れの解消にマイナス査定が導入されたところですが、低評価の原因を県はどのように分析しておられるか、伺います。 山口県内の被保険者一人当たり医療費が高いのは、高齢化の進行と分散型都市構造など固有の要因もあります。国の画一的な採点で交付金が削減される同制度については、総枠の縮小や採点基準の見直しなど改善を求めるべきと考えますが、お尋ねします。 第二は、介護保険制度についてです。 新年度に向け、第八期介護保険事業支援計画の策定も進められています。 一つは、介護保険料です。制度発足時、県平均で二千九百六十七円だった六十五歳以上の保険料は現在、五千五百二円と倍加しています。滞納を余儀なくされ、保険給付が制限されている高齢者もおられます。 一方で、介護給付費準備基金の保有高は十九市町合計で約九十六億円と、この五年間で二・四倍に膨らんでいます。保険料の設定に当たっては、同基金を最大限に活用して保険料負担をできるだけ抑制する指導・助言をすべきと考えますが、伺います。 二つは、介護人材の確保であります。 介護人材の不足は深刻です。二○一九年四月の都道府県別有効求人倍率を見ると、県内の全産業平均一・四倍に対し、介護関係の職種は三・○三倍と二倍以上です。 必要な人材が確保できない要因の一つに、介護職員の平均月収が全産業の平均と比べて十万円以上低いことが指摘されてきました。 このため厚労省もこの間、処遇改善事業に取り組み、二○一五年から五年間では、月額平均二・七万円の改善が図られたと説明していますが、介護労働実態調査によると、県内の介護労働者の平均賃金は二十一万五千三百三十円から二十二万八千四百四十五円と、一万三千円しか改善されていません。この要因をどう分析しているのか、伺います。 県が推計した介護人材の需要を見ると、二○二○年には三万三百四十三人、二○二五年には三万三千百九十六人が必要としています。保険あって介護なしという状況をつくらないためにも、介護職員の処遇改善は待ったなしの課題であります。どう取り組まれるのか、具体的な対策を示してください。 質問の第四は、農業問題についてです。 さきの九月議会でも取り上げましたトビイロウンカの発生面積は、県内の作付面積約二万ヘクタールの九割を超える一万八千五百七十八ヘクタールに及んでいます。 農水省が十月三十日に発表した県内の米作況指数は、全国最低の七三で、一九五八年以降で最悪。特に下関、美祢、山口市などを含む西部は六七となっています。 県農業共済組合に申請された被害面積は、十一月一日現在で二千八百十六・四ヘクタールに達しており、資料二のように、被害面積の収量が前年比六割と想定して試算すると、被害額は約十二億円余りに及びます。 このため美祢市では、全ての水稲農家を対象に十アール当たり二千五百円の給付金支給を決め、十一月議会に提出する補正予算に四千五百万円計上し、下関、山口市も同様の支援策を検討しています。 県が今、補正予算にやまぐち米次年度生産応援事業として約一億円を計上したことは評価しますが、あまりにも少ないと思います。 さきの議会で私が損失補?を求めたのに対し、県は、農業者の九割が農業共済等に加入していることを上げ、セーフティーネットが機能しているから、独自の減収補?策を検討することは考えていないと答弁されましたが、資料二のように、一筆七割補償の場合、収量が六割にとどまっても共済金は一割部分しか出ません。これがセーフティーネットに値していると県はどう認識されているのか、改めてお尋ねします。 農業者に営農意欲を持ち続けてもらうためにも、独自の減収補?策は不可欠であります。英断を求めます。 質問の第五は、公立大学の運営についてです。 まず、山口県が設置者である山口県立大学について、一、大学の沿革、学部・学科の設置状況、学長と副学長の選出方法、四、教員採用時における教授会の果たす役割、この四点について御説明ください。 さて、下関市立大学ではこの間、指摘してきた異常事態がさらに加速しています。 同市立大学では、下関市長が二○一九年度に特定研究者を推薦、採用したことを発端に、学校教育法や文科省通知に違反している疑いのある採用が横行しています。 さらに今年度には、下関市長の推薦で採用された教授、韓昌完という人物でありますが、理事、副学長、教員人事評価委員会委員長、教員懲戒委員会委員長という要職を兼任した結果、同教授に権限が集中し、一方で、教授会、教育研究審議会からの権限剥奪が進んでいます。 そして今日、事態は経済学部存続の危機にまで発展しています。 第一に、市大図書館から五百十一万円で購読してきた経済学に関する五十四の外国語雑誌のうち、四十八種の購読が中止され、四百九十一万円分の経費が削減されました。こうした行いは、文献研究の実態、これを知らない者の暴挙であります。 通常、研究者は、外国雑誌を含めて雑誌論文を利用するとき、当該雑誌に掲載された論文のうち、自分が今必要な論文だけコピーをして利用するのが当たり前です。 経済学の研究教育機関として、経済学に関する外国語雑誌がなくなることは致命的であり、経済学部としての存続が危ぶまれる事態だと考えます。 市立大学を所管する総合企画部には、こうした事実認識と評価、また、県立大学を所管する総務部には、同様のことが山口県立大学で起こり得るのか、それぞれ伺います。 第二に、下関市立大学経済学部は、昨年と今年、経済学の基幹科目であるマクロ経済学、国際貿易論、経済地理学、さらに人事労務管理論、日本経済史の専任教授が他大学に流出したにもかかわらず、これらの経済学の専門科目について一件も補充人事が予定されていません。 代わりに、昨年と今年、下関市長の推薦で赴任した教授と同じ研究グループの教育学関連の五名の研究者が、公募や教授会の意見聴取、資格審査を経ることなく、学長専決で採用されています。 経済学の研究教育機関として、経済学専門科目の担当者が五名もいないことは致命的であり、市立大学経済学部は存続の危機にあり、まさにこれを放置してきた大学のガバナンスそのものが問われていると考えます。 市立大学の設置者である下関市長が、腹心の友を優遇し、そのために教授会、教育研究審議会が持っていた権限を奪う、独裁体制をつくる。そして、これまで営々と築かれてきた市大経済学部の評価も実績も投げ捨てる。 これは、学問の自由と大学の自治破壊そのものであり、市民の共有財産である下関市立大学の下関市長による私物化そのものであります。 こうした一つ一つの事実について、総合企画部長には、権限論ではなく事実認識、あわせて、総務部長には、こうした事態が県立大学で起こり得るのか、見解をお聞きします。 質問の第六は、朝鮮学校補助金問題についてです。 地方自治体による朝鮮学校に対する就学補助金について、今年十月、東京地裁は外国人の教育機会を保障する目的で、合理的だとする判断を示しました。 これは、東京都足立区が区内の朝鮮学校に通う児童生徒の保護者に補助金を交付したことは違法だとして、外国人排斥を訴えるNPOが区長に対し、支出金の返還を求めた訴訟に対する判決であります。 外国人の子供が言語や文化的背景を理由に外国人学校に就学した場合は、行政が保護者の経済的負担を軽減し、義務教育相当の教育を受ける機会を保障する必要があるとの足立区の主張を全面的に認めたものです。 この判決は、外国人が独自の教育を受けたいと願うことには、合理的な理由があるとする当然の判断であり、日本政府が民族教育を行う学校を政策的に差別する異常さを改めて浮き彫りになりました。 国と同様、民族教育を行う朝鮮学校を政策的に差別し、同校への補助金支給を停止し続ける山口県に対する審判でもあります。直ちに朝鮮学校に対する補助金を支給し、予算化すべきであります。 見解をお尋ねして、一回目の質問を終わります。(拍手) 副議長(藤生通陽君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問のうち、私からは、ヒバクシャ国際署名についてのお尋ねにお答えします。 政府は、核兵器禁止条約には参加せず、核兵器の廃絶に向けて、核兵器国と非核兵器国の協力の下に、現実的・実践的な取組を行うこととしています。 私は、核兵器の廃絶自体はこれを強く願っているところですが、核兵器のない世界に向かっていくための手法については、国の専管事項である安全保障とも密接に関わっていることから、国民の命と平和な暮らしを守る観点で、国において、しっかり検討して進めていただきたいと考えています。 こうしたことから、私としては、あくまでも国の取組を尊重する立場に立って、現時点においても署名することは考えていません。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(藤生通陽君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)核兵器禁止条約についてのお尋ねにお答えします。 核兵器の廃絶に向けては、お示しのように、政府は橋渡し役を果たすとの考えを示しており、核兵器禁止条約には参加することなく、核兵器国と非核兵器国の協力の下に、現実的・実践的な取組を行うとしています。 政府においては、核兵器のない世界の実現を目指す我が国の基本的立場から、国際社会の動向も踏まえつつ総合的に判断し、取り組まれているものと考えています。 副議長(藤生通陽君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)岩国基地問題についての二点のお尋ねのうち、まず、米軍岩国基地所属機の墜落事故に関する再調査結果についてお答えします。 米軍での覚醒剤の使用について国に確認したところ、再調査報告書にある通達では、運用環境における疲労管理のための覚醒剤の使用は、戦闘作戦中などに限られ、航空医官や司令官等の承認を得た場合のみ認められるとのことであり、日常での使用を認めているものではないと理解しています。 米軍は、再発防止策として、薬剤に関する指針等を更新するとしており、県としては、その対応状況等について国を通じて米側に対して確認するとともに、米軍の活動に国内法を適用するよう、引き続き、渉外知事会等を通じて働きかけてまいります。 次に、艦載機移駐後の騒音の増大に関する県の認識と対応についてです。 移駐後の騒音については、県と地元市町でその状況を検証し、地域や時期によって差はあるものの、移駐直前と比べると総じて騒音が増大しており、基地周辺住民の生活に大きな影響を及ぼしていると整理しています。 こうした認識の下、令和元年六月に、基地周辺での集中的な飛行訓練の緩和などの飛行運用に係る騒音軽減措置の実施や、住宅防音工事の対象拡大など、騒音対策の拡充等について特別要望を行い、その後も政府要望等、あらゆる機会を通じて国に要望してきたところです。 県としては、これまで要望してきた取組が国や米側において進められるよう、今後とも粘り強く働きかけていくとともに、地元市町と連携して、騒音や運用の状況把握に努め、問題があれば国や米側に必要な対応を求めてまいります。 副議長(藤生通陽君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)医療、介護保険制度についてのお尋ねのうち、まず、国民健康保険に関するお尋ねにお答えします。 まず、財務省の分科会の提言への対応についてですが、厚生労働省は法定外繰入れの計画的・段階的な解消・削減に取り組んでいくとしており、法整備については、国の責任において行われるものと考えています。 また、保険料水準の統一について、厚生労働省は、今般改定された国保運営方針策定要領において、市町との具体的な議論を深めることが重要としており、今後、県と市町で構成する国保連携会議等で議論を進めることとしています。 次に、生活保護受給者を国民健康保険に加入させる案についてですが、被保険者の範囲等は、国保財政に大きな影響を及ぼすものであり、国の責任において制度設計されるものと認識しています。 次に、保険者努力支援制度の交付金については、特定健康診査の受診率が低いこと及び被保険者一人当たりの医療費が高いことなどが低評価につながったものと考えています。 次に、保険者努力支援制度の評価の在り方については、全国知事会を通じて、地方との協議を行うよう国に要望しているところです。 次に、介護保険制度についてのお尋ねにお答えします。 まず、介護保険料についてですが、今後策定される次期介護保険事業計画の中で、保険給付に要する費用等を見込んだ上で保険者である市町において設定されるものであり、保険料負担を抑制するよう指導・助言すべきものではありません。 次に、お示しの賃金改善額の比較についてですが、国は前年度からの常勤の在籍者のみを対象としているなど、介護労働実態調査とは調査対象者等が異なるため、単純に比較することはできません。 次に、介護職員の処遇改善に向けた具体的対策についてですが、県としましては、国の介護職員処遇改善加算制度の活用により、処遇改善が進むよう、施設の管理者向けの研修や実地指導等を通じて、事業者に対する周知や助言に努めているところでございます。 副議長(藤生通陽君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)農業問題についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、農業共済は、セーフティーネットに値すると認識しているのかとのお尋ねです。 農業共済における補償割合は、五割から九割の中から選択することとなっており、農業者が経営判断により必要とされる補償割合等を選択の上、加入されているものと考えています。 県としては、収入保険も合わせて、県内の九割を超える農業者が農業保険制度に加入されていることなどから、セーフティーネットは機能していると認識しています。 次に、独自の減収補?策についてです。 県としては、農業者に営農意欲を持ち続けていただくため、このたびの補正予算により、種子代を助成し、次年度の水稲作付を後押しすることに加え、被害軽減に向けた技術対策の強化や地域ごとに設置する相談窓口を通じた指導・助言等を行うこととしており、独自の減収補?策は考えていません。 副議長(藤生通陽君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)公立大学の運営に関する御質問のうち、山口県立大学についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、山口県立大学の沿革等についてです。 山口県立大学は、昭和十六年に開設された山口県立女子専門学校を母体とし、昭和二十五年の山口女子短期大学設置、昭和五十年の山口女子大学への改組転換、平成八年の山口県立大学への名称変更及び男女共学化、平成十八年の公立大学法人化を経て、現在に至っています。 学部・学科については、三学部・五学科で構成され、国際文化学部に国際文化学科及び文化創造学科が、社会福祉学部に社会福祉学科が、看護栄養学部に看護学科及び栄養学科が設置されています。 学長及び副学長の選出については、学長は、学長選考会議の選考に基づき理事長が行い、副学長は、学長の申出に基づき理事長が行うこととなっています。 教員採用時における教授会の役割については、教員の採用選考を行う大学の人事委員会から委任を受けた場合に、教育及び研究の業績について審査を行い、候補者を推薦することとなっています。 次に、下関市立大学における雑誌購読と教員人事に関する事案について、山口県立大学においても同様のことが起こり得るのかとのお尋ねにまとめてお答えします。 山口県立大学における仮定の御質問にはお答えできませんが、大学において主体的に判断し、対応されるものと考えています。 次に、朝鮮学校補助金についてのお尋ねにお答えします。 本県の朝鮮学校補助金につきましては、朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としている国の考え方、補助金支給に対する他県の動向、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、現時点では、補助金の支給は県民の理解を得られないとの判断に変わりがないことから、予算計上することは考えておりません。 副議長(藤生通陽君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)公立大学の運営についての御質問のうち、下関市立大学に関する二点のお尋ねにまとめてお答えします。 地方独立行政法人法の規定に照らし、県としては、大学の予算及びその執行や人事について指導・助言を行う権限を有しておらず、また、大学においても、県への報告は法令上求められていないことから、お尋ねの雑誌の購入中止や教員人事について、認識を申し述べる立場にはありません。 また、大学の運営に当たり、どのように予算を執行し、あるいは教員人事を行うかについては、大学において主体的に判断し、対応されるものと考えています。 副議長(藤生通陽君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問を行います。 核兵器禁止条約について、知事は、核兵器に関わる問題は国の専管事項である安全保障と密接に関わっているという認識に立って、国の取組を尊重する立場からヒバクシャ国際署名も署名できない、こういうことを繰り返されています。 しかし、同条約の条文には、あらゆる核兵器の使用は武力紛争の際に適用される国際法の諸規則及び国際人道法の諸原則及び諸規則に反することを考慮し、あらゆる核兵器の使用は人道の諸原則及び公共の良心にも反すると明記されています。 核兵器廃絶は安全保障という狭い領域の問題ではなく、まさに人道に関わる問題です。だからこそ、これまでに二十都道府県の知事及び千二百九十一市町村の首長がこの署名に署名しています。 署名できない理由をあれこれ並べ立てることはもうやめて、まさに人道に対するその見地に立って署名すべきであります。改めて答弁を求めます。 公立大学の運営について、私は昨年の十一月議会に、教育研究審議会から、教育研究に関わる重要規程の改廃権と教員の人事権、懲戒権を取り上げる、このことの不当性を訴え、定款変更を許可をした県の対応を批判しました。 県は、経営審議会の審議事項の変更など定款を変更する理由が明らかであり、その内容も教育研究の特性に配慮したものとなっていることから、基準等を満たしていると判断し、許可を行ったと強弁されました。 しかし、この定款変更がこれを県が許可したことが一回目の質問で明らかにしたように、経済学の単科大学として実績を積み上げてきた下関市立大学で、経済学部そのものの存立を危うくする事態が起きています。県の責任は極めて重大だと考えますが、伺います。 下関市立大学経済学部は、これまでも県史編さん事業や地域経済論、地域経済の活性化問題をはじめ、全国的にも学問的にも評価の高い経済原論、これに関わるなど、極めて高い評価を受けてきた学部でもあります。 とりわけ、日本と韓国、朝鮮、中国、ベトナムなど東アジアの学術・文化交流には、多大な貢献をしてきた山口県としても、全国に誇れる宝のような存在でもあります。 市立大学経済学部が存立の危機を乗り越え正常化が図られるよう、県としてしっかりと注視をして可能な対応を取ることは、定款変更を許可した県の責任と考えます。答弁を求めます。 基地問題、覚醒剤、この問題であります。 日本国内での覚醒剤の使用は犯罪であります。 芸能界で使用や所持が発覚したら大バッシングを受け、引退にまでつながることは御承知のとおりであります。 その覚醒剤の使用を、米軍のパイロットは疲労回復を目的として認められる、自衛隊もそれを知りながら黙認している、この事態、このこと自体、異常ではありませんか。 覚醒剤を使用しているパイロットが、県内上空はもとより、広島県、全国の空を飛び回っている、これほど住民の安全を脅かす行為はありません。直ちに覚醒剤の使用を禁止するよう、米軍に申し入れるべきだと考えますが、答弁を求めます。 爆音問題です。 お隣の広島県は、住民生活に多大な影響を及ぼしているとはっきりと主張しているのに、山口県は基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではないと言い張る。この違いはなぜでしょうか。 山口県は、生活環境の影響の有無を基地機能の拡大強化の物差しにしてきました。所属機が増えても、所属機が大きな騒音をまき散らす機種に変わっても、生活環境への影響はないと判断すれば、基地機能の拡大強化ではないとこれまで粛々と受け入れてきています。 逆に言えば、生活環境への影響がある所属機数の増加や機種変更は受け入れないのです。だからこそ、生活環境への影響があっても、ないものにしなければならない、私たちはこう考えています。 もうそろそろこんな詭弁はやめる、所属機数の増加や騒音の大きな機種の変更などは一切容認しない。そして米軍基地の縮小を求めていく、こうした立場に立つべきと考えますが、見解を伺います。 朝鮮学校補助金問題です。 日本政府も批准している国連人種差別撤廃条約の委員会から、繰り返し日本政府と補助金を廃止した地方自治体、村岡知事に対して、補助金の支給再開をし、是正するよう厳しい勧告が出てきていることは御承知のとおりであります。 これは、憲法九十八条第二項、すなわち、日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とするの規定に明確に違反するものではないでしょうか。直ちに復活させ、山口県民の名誉を回復する必要があります。答弁を求めます。 ウンカの問題です。 さきにも紹介しましたが、今回のトビイロウンカ被害で大きな影響を受けた水稲農家に対する支援は、私が知る限りではこの十一月議会、美祢市のほか山口市は四千五百万、下関は三千二百万、さらに長門市も三千九百六十万円を補正予算に計上しています。 いずれも十アール当たり千円から三千円の補助を行うスキームであります。 同じ仕組みで、山口県が、被害が発生した約一万八千ヘクタールを対象に、十アール当たり二千五百円の支給を行うのに必要な額は約四億五千万円であります。せめてこの程度の支援ができないのか、改めて伺って、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 副議長(藤生通陽君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)ヒバクシャ国際署名についての再質問がございました。 核兵器のない世界の実現を願うものでありますが、そのための手法については、国の取組を尊重する考えであり、署名することについては考えておりません。 副議長(藤生通陽君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)下関市立大学についての二点の再質問にお答えをいたします。 まず、県が定款変更を認可したことにより、市立大学の経済学部の存立を危うくする事態が起きており、県の責任は重大だと考えるがどうかというお尋ねでございます。 定款変更については、地方独立行政法人法の規定や国に準じて定めます県の基準に基づいて審査を行った結果、基準を満たしていると判断をして認可をしたものであります。 先ほども御答弁をいたしましたけれども、大学運営に当たってどのように予算を執行し、人事を行うかについては、大学において主体的に判断をし、対応されるものというふうに考えております。 次に、下関市立大学の経済学部の正常化が図られるように、県として可能な対応を取ることが定款変更を認可をした県の責任と考えるがどうかというお尋ねであります。 県としては、独立行政法人法等の関係法令に基づきまして、必要な対応を行ってまいります。 副議長(藤生通陽君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)二つの再質問にお答えします。 まず、米軍の覚醒剤の使用の関係でございます。 米軍の覚醒剤の使用は、戦闘作戦中などに限られるなど限定的であるということは、先ほども答弁したところです。 また、再調査報告書の中で、米軍岩国基地のパイロット等が覚醒剤を使用していたという記載はございません。 したがって、直ちに覚醒剤の使用禁止を求める考えはございませんが、議員御指摘の課題は、日米地位協定において、米軍の活動に航空法などの国内法令が適用されていないなど、米側の裁量に委ねている部分が多いという、そういうことが背景にあるのではないかと思いますので、県としては、引き続き、地位協定の改定に向けて課題を共にする関係都道府県と連携して、日米両政府に粘り強く求めてまいります。 それから、騒音の住民生活への影響に関する問題であったと思います。 空母艦載機の移駐後の騒音の状況について、私、先ほど影響を及ぼしていないというふうには答弁しておりませんで、移駐の直前と比べると騒音が総じて増加し、住民生活に影響を及ぼしていると認識をしております。 こうした認識に立って、騒音軽減に係る具体的な対策について特別要望をするなど、国に求め続けているところでございます。 ただし、空母艦載機の移駐の判断のときに当たっては、米軍再編案が示された沖合移設前の平成十八年に、その時点を基準として整理をしておりますので、その時点で騒音の影響は全体として沖合移設後に再編案が実行される場合には、全体として悪化しないという整理をしているということでございます。 いずれにいたしましても、県としては、今後とも基地問題に関しましては、新たな部隊等の移駐があった場合には、御指摘の機数増があるかないかということではなくて、航空機騒音や安全性等の面で基地周辺住民の生活環境が現状より悪化することは認められないという基本姿勢に沿って、今後とも対応してまいります。 副議長(藤生通陽君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)朝鮮学校補助金についての再質問にお答えします。 国連人種差別撤廃条約の委員会からも是正すべきとの見解が示されている朝鮮学校への補助金廃止が、憲法第九十八条第二項違反なのは明らかであり、直ちに復活させるべきとのお尋ねでございますけれども、県としましては、国際条約などが求める子供の人権や学ぶ権利につきましては尊重すべきものと考えておりますが、本県の朝鮮学校への補助金は、県民との相互理解の増進を目的として交付をしてきたものでありまして、この予算計上していないことが憲法違反であるとの御指摘は当たらないと考えており、予算計上することは考えておりません。 副議長(藤生通陽君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)農業問題についての再質問にお答えします。 県では、このたびの補正予算による種子代助成に加え、被害軽減に向けた技術対策の強化や相談窓口を通じた指導・助言など、各種支援措置を講じることとしており、こうした支援について、市町、JAと連携して取り組むこととしています。 〔発言する者あり〕 副議長(藤生通陽君)自席でどうぞ、自席で。 木佐木大助君 ありがとうございます。藤田基地対室長の再質問の答弁の中で、基地周辺住民の生活環境に大きな与える影響ではないとは言っていないというような発言がありましたが、ならば、これは基地機能強化に踏み込んでいくのではないか、改めて伺いたいと思います。 それと最後、総合企画部長には、ぜひ市大の状況について、引き続き注視をしていただきたい。これは要望であります。 〔発言する者あり〕 副議長(藤生通陽君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)先ほどお答えしたつもりでありましたが、移駐後の騒音の状況を検証して、これは住民生活に影響を及ぼしているので、特別要望などをしているということは、最初の答弁でも言いましたし、二回目の再質問でも申しました。 ただし、移駐の判断のときには、これは沖合移設前の平成十八年にその整理をしてるので、全体として悪化してないという判断はしましたと。分かりにくいですが、そういう対比で御説明をしたつもりです。今時点は、住民生活に影響を及ぼしていると判断しています。 副議長(藤生通陽君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───◆─・──◆──── 副議長(藤生通陽君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会といたします。御苦労さまでした。 午後一時五十三分散会