1 持続可能な公共施設等の整備・マネジメントについて 2 柳井地域の道路整備の推進について 3 LGBTへの理解促進について 4 まちの賑わいを取り戻す「ごちゃまぜ」のまちづくりについて 5 中山間地域対策について 6 子どもを性犯罪被害から守るための取り組みについて 7 その他
議長(柳居俊学君)有近眞知子さん。 〔有近眞知子さん登壇〕(拍手) 有近眞知子さん 皆様、おはようございます。自由民主党会派の有近眞知子です。 県議会議員になって一年半が経過した本定例会で、早くも三回目となる一般質問の機会を頂きました。この間、支えてくださったたくさんの方々に、心より感謝しております。 さて、日本では、選挙における若者の投票率の低さが指摘されていますが、台湾では、今年初めの総統選で、留学や仕事で海外に出ている台湾人が帰省して投票に行くことが報道され、若者の政治的関心、当事者意識の高さが話題になりました。 県議会議員になった私の役割の一つに、同世代の身近な存在として、若い人に政治に関心を持ってもらうことがあると考えています。 若い人が政治に参画している国や町は、どんどん元気になっています。明日は私の地元で今日の一般質問を報告するミニ集会を予定していますが、多くの情熱ある若者が集まってくださることになっていますので、柳井の町はこれからどんどん元気になっていくと確信しています。 私は、まだまだ勉強不足、経験不足ではありますが、地域のために働く県議会議員として、こうした若者をはじめ、地域に思いを持つ多くの方々と手を携え、一歩一歩焦らずに、立ち止まらずに前に進んでまいります。 それでは、通告に従って質問させていただきます。 まず、持続可能な公共施設等の整備・マネジメントについてお尋ねします。 全国において、高度成長期以降に集中的に整備されてきた道路や河川、学校等の社会インフラが一斉に老朽化を迎える中、山口県も例外ではなく、多くの公共施設等の老朽化が顕在化してきており、施設の維持、修繕や更新など適切な対策が大きな課題となっています。 このため、県では、平成二十七年三月に、山口県公共施設等マネジメント基本方針が策定され、計画的かつ効率的な公共施設等の整備や維持管理を行い、長寿命化や統廃合、利活用促進を進めることにより、将来負担の軽減を図り、公共施設の総合的な管理を推進されています。 また、基本方針に基づいた具体的な取組の推進に当たっては、道路など個別の施設類型ごとに中長期的な管理計画を策定され、維持管理や修繕・更新等を実施していくこととされており、着実かつ計画的な実施を望んでいます。 こうした取組は県内市町においても同様であり、私の地元柳井市においても、公共施設等総合管理計画を策定し、効率的な公共施設のマネジメントを実施していくこととされていますが、将来的な財政負担の見通しを踏まえて、公共建築物の総延べ床面積の縮減数値を設定するなど、地域住民の皆さんから見ればコストダウン重視による公共サービスの低下、ひいては地域の活力の低下につながっていくのではと不安を抱かれる方も多くいらっしゃいます。 少子高齢化等により、人口減少が進んでいく中において、公共施設の総量の適正化を図っていくための取組は、自治体の財政負担の軽減につながる重要なものだと思いますが、最優先すべきことは、住民ニーズに沿った公共サービスの維持・向上であり、それを実現するための公共施設等の整備・マネジメントであると考えます。 柳井市では、柳井商業高校跡地の利活用が大きな議論となっていますが、これからの公共施設の整備は、場当たり的に補修改善していくのではなく、総合的に計画し、施設や機能の複合化で整備面積や維持管理費を削減する等の効率性の観点はもちろん、住民が本当に必要とする真に役立つ施設を造るという、効果的でかつ地域活性化の促進という観点が欠かせないと思います。 そのためには、広域的な役割を担う県において、市町のまちづくり計画等との整合を図りながら、県民ニーズも十分に踏まえた上で、市町と連携し、あるいは共同し、公共施設等の整備、管理を効率的かつ効果的に進めていくことが重要と考えます。 そこでお尋ねします。県民サービスの基盤であり、将来にわたって地域の活力を生み出していくことができる持続可能な公共施設等の整備・マネジメントに対し、県として、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、柳井地域の道路整備の推進についてお尋ねします。 質問に入る前に、道路に関連して一言申し上げます。 先般、発生した上関大橋の損傷事故では、県は、事故直後から土木建築部の職員の皆様を中心に、町民の生活を守るため、一刻も早い部分通行再開や応急対策に取り組んでこられました。 このことに心から敬意を表するとともに、一日も早い完全復旧を願っております。 では、質問に入ります。 柳井地域の道路は、半島・島嶼部特有の平たん地が少なく複雑な地形のため、岩国錦帯橋空港、玖珂インターチェンジ等の高速交通拠点へのアクセス道路への整備が遅れ、人や物の流れの停滞を強いられています。 また、地域内の幹線道路では、カーブで見通しが悪い箇所や、幅員が狭く車同士の離合が困難な箇所、歩道が設置されていない箇所が存在するなど、整備が急がれる箇所が数多くあります。 とりわけ、柳井市街地から玖珂インターチェンジ間は、平成十一年に設立した県東部高速交通体系整備促進協議会の中で、地域高規格道路として早期整備を実現するため、関係市町や県議会議員、商工会議所が一丸となって要望活動等を行ってまいりました。 現在でも、地元市民や経済界の皆様からは、早期整備を切望する声を多くお聞きします。 私は、山口県公共事業評価委員会の委員を務めた経験もあり、限られた公共事業予算の中、時間短縮効果や投資金額に見合う整備効果が十分に期待できない事業に着手できないことは、十分に認識しております。 しかしながら、全線の高規格化は、長期的な交通需要の変化や地元の意向、地域内の道路整備状況等を踏まえて、長期的な視点に立って事業化を検討する一方で、柳井市古開作から中馬皿の間は、一定の交通量も見込まれ、朝夕の渋滞や大型車の通行に支障がある箇所も存在するなど、解決すべき課題が多くあり、事業化に向けて整備効果等の検討に着手すべきと考えます。 また、国道百八十八号の柳井・平生バイパスは、渋滞の緩和や救急医療機関へのアクセス向上、物流の効率化、交通安全の確保等が図られることから、全線の早期完成を目指して事業を推進していく必要があります。 さらに、県道柳井上関線伊保庄バイパスは、住民生活や経済活動のみならず、救急患者の搬送、児童や生徒の通学路等の重要な役割を果たしていることから、全線の早期整備に向けて、事業効果を発現する段階的な整備を推進していく必要があります。 そこでお尋ねします。柳井地域の明るい将来を築くため、その基盤となる道路ネットワークの充実強化が喫緊の課題であると考えますが、これらの道路の整備について、県として、今後、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、LGBTへの理解促進についてお尋ねします。 皆さんは、LGBTという言葉を御存じでしょうか。性的少数者、セクシュアルマイノリティーを表す言葉の一つで、女性の同性愛者──レズビアン、男性の同性愛者──ゲイ、両性愛者──バイセクシュアル、体の性と心の性が一致しない──トランスジェンダー、これらの言葉の頭文字を取ったものです。 台湾では、トランスジェンダーであることを公表しているオードリー・タン氏が、三十五歳という若さでデジタル担当大臣として蔡英文政権に入閣し、マスク在庫をリアルタイムで確認できるアプリを開発したことなどで大きく報道されましたが、最近はこうした報道などでLGBTという言葉を見聞きする機会も増え、一般的な言葉となりつつあります。 性は多様であり、個人の尊厳に関わる大切な問題であるからこそ、誰もが自分の性的指向や性自認を尊重され、自分らしく生きることができる社会をつくっていかなければなりません。 しかし、残念ながら今の日本は、LGBTに対する理解が十分に広がっていると言えず、偏見や差別に苦しんでおられる方がたくさんいます。 例えば、心の性と体の性が一致しないことや、自分は同性のことが好きだと気づいた子供が、学校の先生や同級生、場合によっては家族の中にある異性愛を前提とした文化に違和感を持ったり、同調圧力に苦しんだり、無理解・無関心に直面したり、あるいは自分の身近に目標となるロールモデルがいない、自分は家族を持てない、自分の未来が描けないと将来に絶望したり、さらには、深刻ないじめに遭ったり、親から虐待を受けて逃げ場がなくなったり、自分の存在意義を否定して自殺したり、そんな悲し過ぎる現実が実際に起きてしまっているのです。 もちろん、これは子供だけの問題ではなく、生きづらさを感じたまま大人になり、苦しんでいる方もたくさんおられます。 こうした方々の本当の苦しみは、当事者でなければ分かりませんが、それを社会全体で理解し、共有することができるかどうかは、私たちの想像力の問題であり、社会全体の課題だと思います。 今の制度や価値観をつくっているのは私たちであり、当たり前だと思っていたものに当てはまらないことがあり得ること、LGBTへの理解不足や心ない言動が誰かの命を奪いかねないことを十分に認識するなど、理解を深めるための普及啓発に努めていく必要があります。 そのために、まずは県が率先して、出先機関の窓口や学校、医療機関、保健所など、県の様々な機関で働く職員を対象とした研修を実施するなど、LGBTについての理解を深め、LGBTの方も含めた全ての職員が働きやすい職場づくりに取り組むとともに、窓口に来られる県民に配慮すること、教職員を通じて児童生徒に寄り添うことで、県民全体の理解促進にとっても大きな力になると思います。 そして、行く行くは、県職員の休暇や福利厚生の制度を、同性パートナーを持つ職員に対して適用することについても検討していただきたいと考えています。 そこでお尋ねします。LGBTの理解促進に向け、県として、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、町のにぎわいを取り戻す、ごちゃまぜのまちづくりについてお尋ねします。 石川県に、社会福祉法人佛子園が手がける、ごちゃまぜのまちづくりがあります。漆の里、輪島市の生涯活躍のまちプロジェクト、輪島KABULETです。 このプロジェクトは、輪島市中心に点在する空き家や空き地を利活用して、子供から高齢者、障害の有無等にかかわらず、地域に暮らす全ての人がごちゃまぜに暮らしていける共生のまちづくりを行うもので、空き家をリノベーションすることで、昔の面影を残しつつ、交流施設としての温泉や食事どころ、住民自治室、福祉施設としての放課後等デイサービス、高齢者デイサービスと訪問介護ステーションなどが設けられています。 このほかにカフェやスポーツジム、観光客向けのゲストハウス等もあり、こうした施設の多くが障害者就労や高齢者雇用の場となっています。 このように障害者就労施設など、地域に根づく福祉施設を町の中心に据えつつ、空き家や空き店舗を利活用して地域の内外から人が集まる仕掛けづくりをすることで、町のにぎわいを取り戻していく。 そのことが、障害者の自立だけでなく、高齢者の居場所、子供の居場所づくりにもつながる。そうした高齢者や障害者の方、地域の方などみんながごちゃまぜで、心を寄せ合うまちづくりを先日、実際に見てきました。 ある意味、古きよき昔ながらの顔の見える地域コミュニティーづくりであり、コンパクトなまちづくりを住民目線で見るとこういうことなのかもしれないと、改めて実感したところです。 輪島市と同様に、駅周辺に空き家等が点在する柳井市などの市町においても、空き家等の利活用により、地域の交流の場や福祉施設の整備を一体的に進めることで、地域のコミュニティーを再生し、町のにぎわいを取り戻す、輪島KABULETのようなごちゃまぜのまちづくりは大いに参考となるのではないでしょうか。 そこでお尋ねします。空き家等を利活用し、地域の交流の場や福祉施設として一体的に整備等を進めるこのようなごちゃまぜのまちづくりは、人口減少社会における地域づくりの有力な手法であり、高齢化が進み、空き家率も高い水準にある中、コンパクトなまちづくりを目指す本県においても、積極的に取り組むべきと考えますが、県の御所見をお伺いします。 次に、中山間地域対策についてお尋ねします。 言うまでもなく、中山間地域は、森林による地球温暖化防止、水や食料の供給、水力や木質バイオマスによるエネルギーの供給など、私たちの暮らしにとって重要な様々な役割を担っています。 また、豊かな自然や昔からの伝統文化を今に受け継ぎ、農林業を営みながら今も人々が暮らす生活の場でもあります。 本県では、平成十五年の中山間地域振興議員連盟の発足を皮切りに、平成十八年には議員提案による初の政策条例として、山口県中山間地域振興条例が制定され、執行部においても、ビジョンの策定、中山間地域づくり推進室が設置されるなど、県を挙げた取組が進められ、一定の成果を上げてこられました。 しかしながら、その後もじわじわと進む少子高齢化の進展により、食料品や日用品などの生活必需品を扱う商店や診療所などの減少、また、バスなどの公共交通機関の減便などにより、買物や通院、通学などが困難になるなど、集落そのものが成り立たなくなってきているのが中山間地域の実態です。 地域の様々な方とお話しして感じるのは、山口県中山間地域振興条例が制定された十五年前とは様相が一変し、いかに振興していくかというよりむしろ、いかにして維持していくかに主眼が移っていることではないでしょうか。 人口減少が進む中においては、コンパクトなまちづくりを進める一方で、希望すれば、中山間地域の人々が住み慣れた地域で安心して暮らし続けていけるように、仕組みを維持していくことが重要です。 平成の大合併に伴い周辺部となった中山間地域では、市町の目が行き届きにくくなるとともに、県の出先機関の統合も相まって、行政サービスの低下に対する不満をお聞きしており、県としても一定の役割を果たしていく必要があります。 こうした中、県では、複数の集落により集落機能や日常生活を支え合う仕組みである、やまぐち元気生活圏の取組を進められており、市町や地域づくり団体が実施するハード事業に対する一定の助成に加え、地域づくり団体が実施するソフト事業への充実した手厚い支援が行われています。 私の地元柳井市でも、この事業を活用して、例えば男女の出会いの場をセッティングした平郡島では複数のカップルが誕生しましたし、日積地区の歴史、人物、昔話などを盛り込んだガイドブックの作成、伊陸米など地元産品の販促活動が行われるなど、地域の皆様から高い評価を受けています。 私は、今後、中山間地域対策に求められるのは、このようにかゆいところに手の届く、きめ細かい支援を地道に継続していくことだと思うのです。 そこでお尋ねします。県では、疲弊する中山間地域の実態を踏まえ、今後の中山間地域対策にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 最後に、子供を性犯罪被害から守るための取組についてお尋ねします。 県警察によれば、県内の治安に関しては、昨年に引き続き、刑法犯の認知件数が過去最も低い数字であるとのことですが、残念ながら、全国的に増加傾向で懸念されている犯罪があります。それは、女性、子供が被害者となる性犯罪です。 十八歳未満の子供に対する児童買春や児童ポルノに代表される性犯罪は、たとえ当事者間で合意があったとしても犯罪となり、刑罰が科せられます。 児童ポルノは、製造、提供、所持はもちろん、児童ポルノを求める行為や入手した児童ポルノを転送する行為も処罰の対象となります。 このような児童に性的な被害を与える犯罪行為などは、児童の性的搾取と呼ばれており、子供の人権を著しく侵害する悪質な性犯罪であり、決して許されません。 警察庁によれば、令和元年中の子供の性被害をめぐる現状は、児童買春事犯等の検挙件数・被害児童数が増加しており、児童ポルノ事件の被害児童数が過去最高と深刻な状況にあります。 児童ポルノ被害では、児童がだまされたり脅されたりして自分の裸体を撮影させられた上、メール等で送信させられる、児童の画像に伴う被害が約四割で最多となっており、増加を続けています。 加えて、近年では中高生だけでなく、低年齢層の児童にもインターネットの利用が急速に広まっており、SNS利用による被害児童数は、平成二十五年以降、増加傾向にあります。 その大半が、児童買春や児童ポルノ等の性被害ですが、中には、世間の耳目を集める殺人や誘拐事件等に発展する重要犯罪も発生しており、子供たちを犯罪から守るための対策がまさに急務となっております。 また、SNS利用の被害児童数が多いサイトには、ツイッターが約四割を占めるとともに、インスタグラムに起因する被害児童数が増加傾向であることに加え、有害な情報を閲覧できないようにするサービスであるフィルタリングについては、被害児童の約九割が被害時に利用していないことから、SNS事業者に対する働きかけや安全なインターネット利用について、児童だけでなく保護者に対しても分かりやすい啓発活動等を行うことが重要であると考えます。 県警察には、深刻な事態に発展する可能性の高い子供の性犯罪被害を撲滅させるため、犯人の検挙は当然として、未然防止に向けて総力を挙げて各種取組を推進していただきたいと強く願っております。 そこでお尋ねします。子供の性被害である、児童買春や児童ポルノ事件が増加している現状をどのように認識し、大切な子供たちを悪質な性犯罪被害から守るため、今後どのように取り組まれるのか、警察本部長の御所見をお伺いします。 最後に、一言申し上げます。 県は、今回、生後六か月から小学六年生を対象に、インフルエンザの予防接種を無料で実施する事業を始められました。子育て世代の助けになる施策であり、一人でも多くの県民の皆様に御活用いただきたいと思いますが、一方で、インフルエンザワクチンは、製造に約半年かかるなど、急に増産できないという事情もあります。 また、子供はインフルエンザワクチンの二回接種が推奨されていますので、子供の希望者が増えればワクチン需給の逼迫につながります。そのために、新型コロナウイルス感染症との同時流行が懸念される中、例年に増してインフルエンザの予防接種がなかなか受けられないとの不安の声が多く寄せられています。 医療関係者にお伺いしますと、現場レベルでは個別にワクチンの確保に奔走されているとのことであり、こうした状況を打開するため、県が卸業者等への要請や医師会との調整尽力をされていることは承知しております。 その上で、あえて申し上げますが、県は昨年度より二八%もワクチン供給量を増やしておられるそうですが、それでもワクチンの製造、供給の仕組みや小児の接種率、接種回数を考えれば、事業開始時点で十分な量のワクチンを確保することが大変困難な状況であったことは、県としてあらかじめ想定できたのではないでしょうか。 いつでも、どの医療機関でも予防接種が受けられる状況が理想です。しかしながら、今年はそういう状況にはありません。そうであれば、予防接種を受けることができない場合、対応可能な別の医療機関や望ましい接種時期に関する情報提供を行うなど、県民の不安感の払拭に向けて取り組んでいただく必要があると考えます。 つきましては、県のリーダーシップで医師会や医療機関、製造、卸業者など、関係諸機関の緊密な情報共有と、県民への丁寧な情報発信に取り組んでいただきますよう要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)有近議員の御質問のうち、私からは、中山間地域対策についてのお尋ねにお答えします。 中山間地域は、急速な人口減少や高齢化に伴い、地域におけるコミュニティー機能の低下や産業の担い手不足により、集落機能の維持が困難な地域も生じるなど、大変厳しい状況に置かれています。 こうした中にあっても、いつまでも安心して暮らし続けられる地域であり続けるためには、地域の課題やニーズをしっかりと踏まえ、住民自らの手による地域づくりを進め、集落機能を維持・活性化して、持続可能な地域社会の仕組みをつくり上げていく必要があります。 このため、私は、集落の枠を超えた広い範囲で集落機能や日常生活を支え合う、やまぐち元気生活圏の形成を、市町と連携しながら積極的に推進しているところです。 その実現に向けて、ハード・ソフト両面から支援を行ってきた結果、県内の十八市町六十三地域で取組が進み、未利用施設を活用した交流拠点の整備やデマンド交通による交通手段の確保など、持続可能な地域づくりにつながる様々な取組が進展しています。 私は、こうした成果を県内にさらに広げ、元気生活圏づくりが進んでいない集落においても、広域で支え合う仕組みがしっかりと構築されるよう、取組を促していく必要があると考えています。 このため、各地に芽生えている地域づくりの機運が確実に元気生活圏づくりにつながっていくよう、元気生活圏づくりの立ち上がりから実現に至るまで、一貫したきめ細かな支援をさらに充実させてまいります。 とりわけ、地域をよく知り、住民に寄り添うことのできる市町との連携が一層重要と考えており、市町に対し、地域づくりを継続的にサポートする集落支援員の積極的な活用を働きかけるとともに、先進事例の紹介や専門的なノウハウの提供等により、集落対策の円滑な展開を支援してまいります。 私は、引き続き、市町や関係団体等と緊密に連携し、いつまでも安心して暮らし続けられる中山間地域の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)持続可能な公共施設等の整備・マネジメントについてのお尋ねにお答えします。 お示しのとおり、本県では、財政上の健全性を維持するために、公共施設等マネジメント基本方針に基づき、公共施設等の総合的な管理を推進しています。 まず、公共建築物については、総量の適正化、不要施設の有効利用、民間活力の活用、長寿命化の推進、耐震化の推進の観点から、計画的かつ効率的な施設の整備や維持管理を進めています。 具体的には、柳井、宇部健康福祉センターの総合庁舎への移転による施設の統合、未利用財産の売却、指定管理者制度の導入、耐震改修の実施等、適宜適切な維持管理の取組を実施しています。 また、道路や河川などの都市基盤施設については、必ずしも複合化や集約化、用途変更等に適さないことから、公共建築物とは異なる方法によって、長寿命化の推進、安全・安心の確保、技術力の確保、新技術の活用の観点から、施設の特性に応じた維持管理の取組を進めています。 個々の施設の整備に当たっては、これまでも経済的な効率性のみならず、市町のまちづくり計画等との整合を図るとともに、県民ニーズに沿うよう将来にわたっての地域活性化も意識しながら進めてきたところです。 今後とも、行政ニーズを踏まえながら県として担うべき広域的・専門的なサービス提供の観点に立って、市町との連携を含めた施設の在り方を検討し、効果的かつ持続可能な公共施設等の整備・マネジメントに取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)柳井地域の道路整備の推進についてのお尋ねにお答えします。 柳井地域は、高速交通体系から外れていることに加え、お示しのように、半島・島嶼部特有の複雑な地形であることから、県では、広域交通拠点へのアクセス強化や、身近な生活道路の整備を重点的かつ計画的に進めています。 まず、柳井市街地から玖珂インターチェンジ間の道路については、これまでも、柳井地域の皆様から全線の高規格化の御要望をいただいているところですが、現時点では、高規格化に係る投資金額に見合う十分な整備効果が確認できない状況です。 このため、引き続き、地元市町と連携して、朝夕の渋滞などの課題があることも踏まえ、その整備の在り方の検討を進めるとともに、現道の安全性・走行性の向上に向け、効果的な取組を進めてまいります。 次に、国道百八十八号柳井・平生バイパスについては、本年四月に新規事業化され、現在、国により工事着手に向けて、地元説明会や測量などの現地調査が進められているところです。 こうした中、先月十七日には、柳井市長、平生町長とともに、柳居県議会議長をはじめ地元県議会議員の皆様が、国に対し当該道路の早期完成を強く要望されたところです。 県としても、早期完成に向け、引き続き地元の皆様と連携し、整備促進を国に働きかけるとともに、関連道路の整備をはじめ、事業の円滑な推進に向けた環境整備に積極的に取り組む考えです。 次に、県道柳井上関線伊保庄バイパスについては、事業効果を早期に発現させるため、北側から順次工事を進め、段階的に供用を図ってきたところです。 現在、残る三・二キロメートルのうち、通学路の安全確保や救急活動の迅速化につながる二キロメートル区間について、来年度中の供用を目指し、工事を精力的に進めているところであり、引き続き、全線の早期完成に向け、事業を推進してまいります。 県としては、今後とも、柳井地域はもとより、県内全域の幹線道路から地域に密着した生活道路に至る道路ネットワークの構築に向け、計画的かつ着実に取り組んでまいります。 次に、町のにぎわいを取り戻す、ごちゃまぜのまちづくりについてのお尋ねにお答えします。 人口減少や少子高齢化が進行する中、人口密度の低下や市街地の空洞化が進み、住民の生活を支える医療、福祉、子育て支援などの生活サービスの提供や、コミュニティーの維持が困難となり、地域の活力が低下することが懸念されています。 このため、県では、将来にわたって子育て世代や高齢者が共に安全に安心して暮らせるよう、市町と連携してコンパクトなまちづくりを進めているところです。 具体的には、市町が都市全体を見渡して、居住及び都市機能の誘導区域の設定や、空き家・空き店舗の利活用、生活サービス施設の誘導などの施策等を取りまとめた、立地適正化計画の策定に市町とともに取り組んでいるところです。 とりわけ、町なかに点在する利用可能な空き家等をまちづくりの貴重な資源と捉え、シェアハウスとしての活用、交流スペースや福祉施設などへの転用等、地域のニーズに合わせて利活用することは、新たな地域コミュニティーをつくり出す有効な手段と考えています。 本県においても、空き家を改修し、デイサービスやコミュニティー施設として単体で利用している事例はあるものの、お示しのごちゃまぜのまちづくりのように複数の空き家を面的に利活用して、地域のコミュニティーを再生し、町のにぎわいを取り戻すまでには至っていないのが実情です。 県としては、このような先進事例を、立地適正化計画の策定を進めている柳井市をはじめ、まちづくりの主体である県内市町に対し情報提供するとともに、地域の実情に応じた助言を適切に行い、誰もが暮らしやすくにぎわいのあるコンパクトなまちづくりの推進に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)LGBTへの理解促進についてのお尋ねにお答えします。 LGBTなどの性的少数者を理由とした偏見や差別はあってはならず、多様性を認め、それぞれの生き方が尊重される社会を構築することが重要です。 このため、県では、LGBTに対する理解促進に向け、県民や企業等を対象とした県政出前トークや、県や市町が実施するイベントを活用した普及啓発などに取り組んでいます。 また、LGBTへの理解をより深めるためには、当事者の方から生きづらさや経験談など直接聞くことが有効であることから、昨年は、県の人権ふれあいフェスティバルにおいて、当事者を講師とする講演を行いました。 今年度は、人権ふれあいフェスティバルの特設サイトを本日開設し、LGBTに関する啓発動画を掲載したところです。 今後、この動画を多くの方に視聴していただけるよう、周知に努めてまいります。 さらに、人権を尊重した行政の担い手である職員には、LGBTに関する、より深い理解と適切な行動が求められることから、毎年実施する人権研修等の中で、最新の動向などを説明しており、今後も知識の向上を図っていくこととしています。 また、教職員についても、管理職等を対象としたLGBTをテーマとする研修や、国が作成した教職員向け資料の活用を通じて、児童生徒に寄り添った対応が図られるよう、引き続き努めてまいります。 こうした中、県では、今年度で期間が終了する男女共同参画基本計画を改定することとしており、改定計画には、人権を尊重した取組として、新たに、LGBTに対する理解や認識を深めるための啓発の推進や、学校における児童生徒へのきめ細かな対応などを盛り込みたいと考えています。 また、お示しのように、LGBTは、一般的な言葉になりつつあるものの、理解や配慮は必ずしも十分ではないことから、当事者の方や関係団体などの意見もしっかりと聞きながら、今後の取組に反映させていくこととしています。 県としては、誰もが個人として尊重され、自分らしく生きることができるよう、今後とも、市町や関係団体等と連携しながらLGBTへの理解促進に一層取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)谷警察本部長。 〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 警察本部長(谷滋行君)子供を性犯罪被害から守るための取組についてのお尋ねにお答えいたします。 児童の性的搾取と言われる、子供に性的被害を与える児童買春・児童ポルノ事犯等の犯罪行為は、子供の人権を著しく侵害し、被害に遭った児童を将来にわたって苦しめる許し難いものであります。 その中でも、議員お示しのとおり、近年は、特に児童ポルノ事犯が全国的に増加傾向にあり、県内においても発生が見られるところであります。 県警察としては、このような犯罪から児童を守り、その健全育成を図ることは警察に課せられた重要な責務の一つであると認識しております。 議員御指摘のとおり、近年、インターネット利用の拡大や低年齢化、SNSの普及を背景に、低年齢の児童が、悪質な犯罪の被害に遭う事案も発生するようになっています。 フィルタリングの利用について御指摘がございましたが、現実の問題として、分かってはいてもスマートフォン等の利用について、御家庭での指導に苦労されている保護者の皆様もいらっしゃると思います。 サービスを提供する事業者への働きかけに加え、利用者である児童や保護者に対して、警察や学校が効果的に注意喚起を行うということも極めて重要と考えています。 県警察においては、例えば、県及び各市町教育委員会、学校等と連携して、県内全ての高等学校の新入生、保護者を対象とした情報モラル教室や、中学校の代表生徒がネット問題について話し合う少年リーダーズサミット、小学校高学年を対象とした親子ネット教室などを開催し、児童生徒や保護者に対して、SNSを通じた出会いの危険性や個人情報及び画像の流出防止、フィルタリングの利用など、インターネットの正しい使い方についての啓発活動を行っております。 また、県警察が実施しているサイバーパトロールによって発見した、児童の性被害を誘引する不適切な書き込みや、児童自身が援助交際等を求める書き込みに対して、県警察が直接返信し、関係者への指導を行うなどの取組を行っております。 県警察におきましては、この種の事犯を根絶し、子供たちが心身ともに健やかに成長できる環境を構築するため、関係機関・団体と緊密な連携を図りながら、引き続き、徹底した取締りと積極的な広報啓発活動に努めてまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩いたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時二十七分休憩