1 都市圏からの移住促進に向けた体制整備について 2 コロナ禍での対策について 3 水素活用によるグリーン社会の実現について 4 サイクル県やまぐちの取り組み強化について 5 障害者差別解消に向けた取り組み強化について 6 その他
議長(柳居俊学君)小田村克彦君。 〔小田村克彦君登壇〕(拍手) 小田村克彦君 おはようございます。民政会の小田村でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきますけれども、その前に一言申し上げます。 職員時代からの先輩でもありますし、私の恩師でもありますけれども、前県議会議員の西嶋裕作さんが、去る十一月十九日、六十八歳というまだまだこれからというときですけれども、御逝去をされました。 五期二十年、県勢発展のために努めてこられました。保守王国と呼ばれる山口県で野党として声を上げていくということは、大変なことだったというふうに思いますけれども、持ち前のエネルギッシュな行動力と人間性で農林水産委員長や企業会計決算特別委員長、議会運営委員会の副委員長等も党派を超えた議会での活動もされてきたことに、心から敬意を表するところであります。 これまで、議員の皆様方、執行部の皆様方には大変お世話になり、またこのたびは弔詞を賜りまして、故人に成り代わりまして心からお礼を申し上げ、私の一般質問に入らさせていただきます。 まず最初に、都市圏からの移住促進に向けた体制整備についてお尋ねをいたします。 高度成長期以降、ほぼ一貫して東京圏には転入超過が続いております。地方からは若年層が大学へ進学や、高校、大学を卒業後も多くの企業と職種があり、就業機会が豊富なことなどから年々人口は増加をし、それと同時に生活する上でサービスが整った地域としての魅力を持ち続けてまいりました。 逆に地方では、人口の自然減少と同じく社会減少と相まって、生活環境自体が厳しくなっている地域もあり、二○一四年五月、日本創生会議で二○四○年までに全国の市町村の半数が消滅する可能性があるという、通称増田レポートが発表され、消滅都市まで名指しで示され、大きな波紋を呼びました。 しかしながら、その後も抜本的な解決策もなかなか定まらず、減少は続き、地域経済の維持も困難な状況や各種インフラの整備遅れなどから、経済・産業成長も様々な制約を受けることで、地方の人口は減少し続け、就業機会の少なさや生活における利便性の低さ、そして私も他県の方から伺ったことがございますけれども、山口県は封建的なところですねというような、ある意味地方は新しいものをなかなか受け入れにくいという、閉鎖的かつ寛容性・多様性がなかなか広がらない社会ということになっていると感じております。 そうした中で、今の集計開始以降初めて、二○二○年の七月には東京圏が転出超過となったことが報道されました。 新型コロナウイルス感染症の拡大は、利便性の高い都市部などでは感染拡大が続き、多くの人の移動や人との密度などコロナ禍においては過密なリスクが大きく、感染拡大と直結した課題として都市に住む人々にのしかかってまいりました。 その結果として働き方が変化をし、リモートワークやテレワーク、ワーケーションなどの多様な働き方への移行や、副業や兼業など空いた時間を活用する、都市から地方への移住が増加をしております。 地方移住への関心は、働く人の間ではテレワーク経験ありが二四・六%、経験のない方は一○%と、やはり経験者が地方移住への関心が高まっております。 また、企業でも経団連が行いましたアンケートでは、BCP、いわゆる事業継続計画、災害などの緊急事態、非常事態の発生したときの対応策などをまとめる計画でありますけれども、その観点から本社機能の地方への分散化の検討など、二○一五年には将来的に検討の余地ありというところも含めて七・五%だったものが、五年後の二○二○年には二二・六%となっておりまして、テレワークに必要な通信費や機材等の購入補助や副業・兼業の解禁、あるいは解釈拡大、東京への単身赴任制度の見直しなど、東京圏から地方への人の流れを後押ししていく可能性も高まっております。 そのためには、地方への流れをつくるということが重要でありまして、本県でも取り組んでいるテレワークなど安定的に行える通信環境の整備や交通インフラの確保、医療体制や教育・保育の受皿、地域の資源やデジタルを生かした地域づくりなど、地方移住をしたくなる環境づくりが不可欠だと考えます。 そして、今政府が進めようとしておられる、全国でも統一されたDX、いわゆるデジタルトランスフォーメーション、これもデジタル技術を浸透させることで人々の生活をよりよいものへと変革をするということでのDXということですが、それらを進める組織や地域の枠を超えた情報の共有と連携・活用を進め、行政手続の電子化やデータを活用した様々なサービス提供など、官民を挙げた取組が重要だと思います。 政府としても、省庁など政府機関の移転は文化庁を二○二三年に京都へ移行することを決めておられますけれども、なかなかそのほかの動きは鈍いというふうに感じております。 都市圏からの移住を進めるためには、デジタルトランスフォーメーションの基盤整備が重要であり、本県も県民の利便性や行政の生産性の向上に向けて、県民の皆様や事業者が提出する請求書や申請書、県庁内でのやり取りをします職員間の書類など、これまで必要とされてきた押印を順次廃止をされるなど、デジタル化に向けた取組をされておられます。 ただ、次世代通信と呼ばれます5Gやローカル5Gの実装など、まだまだ環境整備が必要と思料するところです。 そこでお尋ねをいたしますけれども、本県の地方移住の受皿、受入れ体制の整備の状況と今後の取り組む課題など、認識についてお尋ねをいたします。 次に、コロナ禍での対策について二点お尋ねをいたします。 一点は、経済的・社会的弱者への支援についてであります。 コロナ禍により、より経済的・社会的に弱い立場の人たちがますます厳しい立場に追いやられております。 新型コロナウイルス感染症による女性の雇用や生活への影響を調査をしております、内閣府のコロナ下の女性への影響と課題に関する研究会が、再び感染拡大する中、DVや自殺など、こう増加が懸念をされるとして、女性や子供に最大限の配慮を求める緊急提言が出されました。 自殺者数は、警察庁の統計によれば、二○○三年に三万四千四百二十七人とピークを迎え、二○一○年以降は減少傾向が続き、昨年は二万人程度まで減少をしておりましたけれども、今年の七月以降増加傾向が続いており、男性はほぼ前年と同じ傾向ですけれども、女性は大幅に増加をし、前年同月比で七月には一八%、八月は四四%、九月は二九%増加をしております。 同時に、新型コロナウイルス感染症拡大による経済的状況の悪化やリモートワークの普及などによる家庭内環境の変化に伴うDVの増加など、女性や子供へ与える影響が大きくなっていると言われております。 また、女性は、いわゆるエッセンシャルワーカーと呼ばれる社会的なインフラを支える仕事をされておられる方も多く、医療・福祉、小売、飲食サービス業など、新型コロナウイルスへの感染リスクにさらされている業種に偏りが大きく、医療従事者も約七○%が女性と言われておりますけれども、院内感染やクラスター発生の危険性など、多くの女性が感染リスクにさらされています。 万が一にも感染をした場合には、経済的にも苦しい状況に陥る可能性がとても高くなります。 このような状況の中、何よりも大切なのは、独り親家庭など生活に困窮されている方々へのきめ細やかな生活への支援だと考えますが、本県での対応状況をお尋ねをいたします。 また、日本では非正規雇用の約七○%を女性が占めているというふうに言われており、経済的格差も拡大をしています。 総務省の労働力調査によれば、三月時点と八月を比較をいたしますと、八月の就業者数は男性が二十二万人の減少に対しまして、女性は五十一万人とおよそ二倍以上の差があります。 また、前年同月と比較をいたしますと、七十六万人も減少しており、そのうちの四十四万人が実は女性が占めているという実態であり、非正規雇用の約七割を占める女性の立場の弱さをあからさまに示していると思います。 さらに、厚生労働省の集計では、解雇や雇い止めは七万人以上となっておりますが、非正規雇用労働者の数が約半数を占めております。性別の区別は公表はされてはおりませんけれども、女性の非正規雇用者が雇用の調整弁的な扱いをされているということは想像にやすいというふうに思っております。 コロナ禍における本県の雇用状況をどう認識をし、特に離職した女性に対する再就職支援にどのような対応を取られているのか、お尋ねをいたします。 次に、人材活用の取組についてであります。 このコロナ禍の影響で、申し上げましたように失業率などが上昇しており、十月の失業率は三・一%に悪化をしたと本日も報道があったところであります。 雇用の確保は喫緊の課題となっております。特に観光業界や飲食業など、感染拡大に伴い外出を控えることにより、現場でのサービス提供が行われる仕事は厳しさを増しております。 航空会社大手では、雇用の確保策として地方自治体等への雇用、あるいは出向という形だと思いますが、進めておられます。 近県でも一定期間の採用を予定をされており、観光や交通、子育ての分野など、仕事の経験を行政に生かしてもらうとともに、民間企業のノウハウを吸収するいい機会になると感じています。 また、国交省は着陸料等について、重量や搭乗人員の数など、これを思慮の上で減免措置を行うことも検討しておりますけれども、本県でも十一月十日、宇部空港などでの着陸料の減免を行うなど、厳しい経営を支援しながら、本県の航空路確保のために取り組まれておられますけれども、見方を変えれば、こうしたプロフェッショナルな人材を獲得するチャンスでもあるというふうに思います。 例えば、関係する航空会社の職員を一定期間、自治体の職員として雇用し、職員の接遇研修などの講師として採用してみるなど、県庁へのプロフェッショナル人材の導入ということを検討してみる必要もあろうかというふうに思います。 また、先ほどのDX──デジタルトランスフォーメーションですけれども、ここでいえば行政の電子化ということになると思いますが──につきましても、今段階では政府主導で進められているというふうに感じておりますけれども、スピード感を持って進めるためには、ノウハウを持つ民間企業からの一定期間の職員派遣や人事交流などと併せて、二○二一年九月には、国においてデジタル庁を設置するとして準備をされております。 本県においても、担当する部署を新たに設置あるいは改編をし、スタートに向けて準備をしていく必要があると思いますけれども、それらも含め専門的知識を有する人材確保の必要があると考えますが、御所見をお伺いをいたします。 次に、水素活用によるグリーン社会の実現についてお尋ねをいたします。 今年の十月の総理の所信表明では、成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げて、グリーン社会の実現に最大限注力することを挙げられ、二○五○年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すということを宣言をされました。 そもそも日本は、温暖化対策の国際的な枠組みでありますパリ協定において、二○三○年度には温室効果ガスの排出量を二○一三年度比で二六%削減するという国際公約をしております。 あわせて、日本経団連のほうも二○二○年六月には、脱炭素社会実現に向けた企業の挑戦を後押しする新プロジェクトとして、チャレンジ・ゼロというものを開始をされておりまして、政府が二○五○年までに実質ゼロとする目標を宣言したことを高く評価をするとともに、極めて困難な挑戦とされながらも、革新的技術の開発・普及が不可欠であり、日本の産業競争力の強化にもつながるとして、官民一体で脱炭素社会に向けて取組を加速していく重要性を強調をされております。 また、環境省が進めます、二○五○年までに二酸化炭素排出実質ゼロへの表明でありますけれども、十一月二十五日現在、東京都、京都市、横浜市をはじめとする百七十五の自治体──二十四都道府県、九十五市、二特別区、四十四町、十村でありますけれども──が表明をされており、表明した自治体を合計すると人口は約八千二百六万人、GDPでいけば約三百七十六兆円となり、我が国の総人口の半数を超え、さらなる拡大が進んでおります。 また、ヨーロッパ、EUでは、二○三○年までに一九九○年比四○%減らすという目標を、少なくとも五五%削減に今向けて議論をされておりますし、二○三○年までには再生可能エネルギーや省エネルギーなどの普及を進めますけれども、二○三○年以降は水素を中心とした新技術で対応しようとしています。 大手航空機メーカーのエアバス社では、二○三五年までには水素を燃料とする航空機を事業化していくとしております。 本県でも、やまぐち産業イノベーション戦略により、水素エネルギー関連産業のイノベーション創出として、瀬戸内コンビナートで、全国の約一割の水素を生成し、純度も非常に高いという全国トップクラスの大量かつ高純度の水素を生成する本県の強みを生かし、水素先進県を目指すとされ、水素供給インフラの整備や関連製品の研究開発、事業化を進めるとともに、水素ステーションを核とするまちづくりモデルの全県への展開を推進され、水素社会の実現に向け、コストの低減に向けた研究開発や事業化の促進、さらなる水素ステーションの整備促進など、利用拡大に向けた取組を進めていくとされております。 そこでお尋ねをいたしますけれども、本県の今後のゼロカーボンに向けた取組と、地球温暖化対策実行計画改定における本県の水素活用への取組についてお尋ねをいたします。 また、水素を活用した産業振興に向けての取組についても、併せてお尋ねをいたします。 次に、サイクル県やまぐちの取組強化についてお尋ねをいたします。 国は、自転車の活用による環境負荷の低減、災害時における交通機能の維持、国民の健康増進等を図ることなど新たな課題に対応するために、自転車の利用を増やし、自動車への依存度を低減することによって、公共の利益を増進に資するということなどを基本理念とする、自転車活用推進法を二○一七年五月に施行されました。 その後、同法に基づき、自転車活用の推進に総合的かつ計画的な推進を図るための基本計画であります自転車活用推進計画が、二○一八年六月に閣議決定をされ、同法において、都道府県においても、地域の実情に応じた自転車の活用推進について計画を定めるよう求められました。 山口県におきましては、二○一六年から、サイクル県やまぐちProject~やまぐち自転車旅~ということを推進をし、県全体でのサイクルスポーツの振興並びに自転車と観光を組み合わせたサイクルツーリズムを通じた交流人口の拡大などに取り組まれてまいりました。 本県には、自然に恵まれ、秋吉台のカルスト台地や角島大橋など、目を見張る絶景が多くございます。最近では、話題ともなっておりましたけれども、角島大橋と秋吉台を背景にした自動車のプロモーションビデオ等をテレビで見る機会が増えてきております。 そのような観光資源を知ってもらい、自然を満喫してもらうと同時に、「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、行政や関係団体、企業の支援もいただき、サイクルスポーツの振興とそれによる交流人口を拡大するため、サイクル県やまぐち推進協議会を設置をされ、自転車道の整備をはじめ、ロードバイクを組み立てるためのサイクルピットや空気入れや簡易の修理工具が常備をされているサイクルエイド、自転車の客室への持込みなどの要望に応えた宿泊施設など、サイクル県やまぐちProjectでは、誰もが県内各地で四季を通してサイクルスポーツを快適に楽しむことができる、サイクル県やまぐちの推進に向け取組を進められております。 私も記憶に新しい二○一七年には、「All Yamaguchi Ride Festa 二○一七」として、プロの選手が、パークロードを激走する維新やまぐちクリテリウムや秋吉台を疾走する秋吉台カルストロードレース、MTB、いわゆるマウンテンバイクという自転車でございますけれども、これの国際大会が、やまぐち十種ヶ峰国際ダウンヒルというのが開催をされ、サイクル県として全国的にも名をはせてきているというふうに感じておりますけれども、今年はコロナ感染の拡大等により開催は中止となっております。 今後、サイクル県やまぐちとして自転車の有効活用をこれまで以上に進める上で、既存のインフラ整備、いわゆる自転車道の維持管理、整備促進や、各観光地のポイントでのロードバイクのレンタルをセットにした旅企画など、サイクル観光を含めた来県者への利便性向上に取り組む必要があると考えますけれども、御所見をお伺いをいたします。 また、他県では、様々な自転車を活用した新たなルート作成やイベントをすることで、観光需要や交流人口の増加を進める仕掛けをつくられております。 例えば、山梨県では、山の多い地形を活用し坂道を活用した事業をはじめ、観光客を誘致をしておられます。サイクルルートを作成して宿泊施設なども合わせた旅行プランの策定や、完走した人には記念のジャージーというものを配るなど、計画をされていることが報道をされております。 本県でも、今年十月三十日に、第三十八回九州地域戦略会議が山口市で開催をされ、九州、山口の各県知事や経済団体などからの参加の下、山口・九州地域を広く対象とする自転車の国際大会「ツール・ド・九州・山口(仮称)」でございますけれども、これを二○二三年に開催するということで準備を進めていくとの報道もあったところですけれども、今後の国際大会の誘致などのシンボルイベントへの取組と、期待をされている効果についてお尋ねをいたします。 次に、障害者差別解消に向けた取組強化についてお尋ねをいたします。 条例制定についてであります。 新型コロナウイルス感染症によって経済や日常生活は大きな影響を受けております。 そのために、アクセルとブレーキを一緒にかけると言われるように、矛盾を抱えながら両立を図るために様々な施策が進められ、世界から少し遅れを取っていると言われております今のデジタルトランスフォーメーションの推進など、国を挙げて莫大な資金が投入をされ、行政・経済活動などの電子化が進められようとしております。 当然、それらも大変重要なことではありますけれども、障害者への差別解消など、足元の課題が置き去りにされてはいないか、心配するところでもあります。 アメリカの大統領選挙での大きな争点・課題にもなりました多様性の尊重や、世界的にもゼロカーボン社会の実現に向けた環境問題など、その解決に向け、SDGsに代表される取組を、改めてこれからの日本社会全体として進めていかなければならないと思います。 まさか、この山口県では、LGBTの課題など含め、本県だけは問題がないとされる状況ではないはずであります。 これまで本県でも、障害者差別解消等に向けて、るる取り組まれてきており、障害のある方が生き生きと活躍できる地域社会の実現を図るため、誰もが様々な障害の特性、障害のある方が困っていること、そして必要な配慮などを理解し、その方に対してちょっとした手助けや配慮を実践し、誰もが暮らしやすい地域社会、いわゆる共生社会を皆さんと一緒につくっていく運動であります、あいサポート運動に取り組んでおられます。 障害について理解すること、ちょっとした手助けや配慮すること、あいサポートバッジをつけて声をかけやすくすること、このあいサポート運動の精神を広めていくことなど実践をしていただいておりまして、令和二年十月末現在で、あいサポーターが二万五千四百六人、あいサポート企業・団体が二百十七と拡大の一途をたどっていると認識をしております。 私も二○二○年三月の代表質問で知事にお尋ねをし、平成二十九年七月現在、二十四道府県で条例が制定をされ、検討中が一都四県、未制定は本県を含め十八県となっていると指摘をさせていただきましたけれども、本県では、法の趣旨や障害特性に応じた必要な配慮について普及啓発を図り、県障害者権利擁護センターへの相談窓口の設置や関係団体からなる障害者差別解消支援地域協議会での相談事案の適切な対応、あいサポート運動の展開としてあいサポート通信の発行や研修、イベントに取り組むとされ、条例の必要性については協議会での議論を進めてきましたけれども、条例の制定よりも法の確実な実践を優先すべきとの検討結果が示されたとの答弁でございました。 しかしながら、条例制定件数は令和二年五月末時点での調査によると、三十五都道府県が条例化をしており、残りは十二県のみとなっております。 私自身、他県と比較して本県が差別解消法の徹底が進んでいるということは考えにくく、差別解消法の課題を補完するという点でも、自治体の条例は重要ですし、啓発効果や意識の高まり、そして差別事案の解決手続などの実効性が確保できるなど、条例制定することで法が定める仕組みを具体化する効果があるとされております。 また、差別解消法は共生社会の実現が目的です。身近な地域で差別や生活のしづらさをなくしていく、地域を変えていくということが重要であります。そのためにも、ぜひ条例制定は必要と考えますけれども、改めて御所見をお伺いをいたします。 次に、交通弱者に優しい環境整備について、県警本部のほうにお尋ねをいたします。 報道によれば、ここ数日間にも交通事故や駅での転落事故など、視覚障害者の皆さんを取り巻く交通環境は、都市部でも大変厳しい状況があります。 視覚障害者の皆さんがそれぞれの生活圏の中で、日常生活を送る上で安心・安全に歩行できる環境づくりに努めていただく必要があるかと思います。 各地域でそれぞれ障害を持たれている方々から相談がされていると思いますけれども、どういった形で聴取をされ、対応されているのか、まずお尋ねをいたします。 次に、視覚障害者用信号や交通弱者信号、エスコートゾーンの設置など、健常者からはなかなか理解ができない、当事者でなければ分からない状況も多々あります。施設の設置に当たっては、障害のある方の御意見をよく聞かれ、対応いただきたいと思いますけれども、御所見をお伺いをいたします。 また、視覚障害者の方で盲導犬を連れていると、例外で左側通行が可能となっております。それでも左側を通行しておりますと、車からクラクションを鳴らされるなど、危険な状況があるというふうに伺っております。免許取得時や更新時などに、道路交通法の改正と併せて、そうした弱者への配慮やルールを改めてドライバーへ教育をしていくという必要があろうというふうに考えますけれども、対応についてお尋ねをいたします。 一回目の質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)小田村議員の御質問のうち、私からは、サイクル県やまぐちの取組強化に関する来県者への利便性の向上についてのお尋ねにお答えします。 私は、誰もがサイクルスポーツを快適に楽しむことができる、サイクル県やまぐちを実現するため、サイクリスト等への利便性向上に向け、これまで、受入れ環境の整備や多様なニーズへの対応を進めてきたところです。 まず、受入れ環境の整備については、道路への自転車の通行区分の標示を促進するとともに、定期的に自転車道の状況を確認し、必要に応じて舗装の修繕や草刈りを実施するなど、安全で快適な自転車通行空間の整備を進めています。 また、県内各地でサイクリストが休憩等で立ち寄るためのサイクルエイドを、これまで百七十一か所設置するとともに、自転車の屋内への持込み等が可能な宿泊施設を十四か所登録しており、今後とも、サイクルスポーツを快適に楽しむための環境整備についても、進めていくこととしています。 次に、多様なニーズへの対応については、地域の特色を生かした十二の広域サイクリングルートを設定するとともに、観光スポットやグルメ、温泉などの様々な情報を掲載したサイクリングマップを作成しており、今後、これらを活用し、さらなる誘客促進に努めてまいります。 また、本県を訪れる観光客が気軽にサイクリングを楽しむことができるよう、レンタサイクル機能を有したサイクルステーションをこれまで二十二か所整備してきたところですが、さらなる拡大・充実を図っていきます。 私は、今後とも、こうした利便性向上に向けた取組を通じ、サイクル県やまぐちを推進し、交流人口の拡大や地域の活性化に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)都市圏からの移住促進に向けた体制整備についてのお尋ねにお答えします。 本県では、県民はもとより、県外の移住希望者からも魅力ある移住先として評価をされるよう、交通インフラの整備や地域医療の確保、子育て環境の充実、地域教育力日本一の推進など、誰もが希望を持って、いつまでも安心して暮らし続けることのできる県づくりを進めているところです。 こうした環境を生かし、市町や関係団体等と連携して移住の促進に取り組んできた結果、移住の相談件数や移住者数は着実に増加をしております。 今後、さらに移住者の増加を図っていくためには、コロナ禍を契機とした地方移住への関心の高まりを本県にしっかりと呼び込んでいけるよう、こうした変化も踏まえた受入れ体制の充実が必要であると考えています。 とりわけ、遠隔地での勤務を可能とするテレワークなど、働き方の新しいスタイルの普及・定着も見据え、全ての地域で十分な情報通信環境を確保することが重要であり、このことは、国、地方が一体となって進めようとしているデジタル社会の構築においても、その前提条件となるものです。 このため、県としては、市町や通信事業者に対し、国の補助事業を活用した光ファイバー整備を積極的に働きかけるとともに、国にも、支援制度の継続や5G基地局の早期整備等を要請しているところです。 県としては、今後とも市町や関係団体等と連携をし、本県が多くの移住希望者に移住先として選ばれるよう、受入れ体制の充実に取り組み、都市圏からの移住を促進してまいります。 次に、コロナ禍での対策に関する御質問のうち、デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの専門的知識を有する人材の確保についてのお尋ねにお答えします。 DXの推進に当たっては、県においても、デジタル技術に関して専門的知識を有するデジタル人材が不可欠であり、今年度からこうした外部人材を配置し、具体的な施策の提案や助言を受けているほか、市町や企業等からの相談対応も実施しているところです。 今後、様々な分野でデジタル化を進めていくためには、さらに多くの人材が必要となりますが、全国的にデジタル人材が不足している現在、当面の人材確保に向けては、業務委託等により民間企業の人的資源を活用するとともに、副業・兼業も含め、実効性のある手法を検討することとしています。 また、国に対しても、全国知事会デジタル社会推進本部等を通じて、人材バンクの創設や、地方自治体と企業における人材交流を促進するための法整備などを要請をしており、引き続き、その早期実現を求めてまいります。 県としては、今後、様々な工夫を行いながら、専門的知識を有する人材の確保に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)経済的・社会的弱者への支援についてのお尋ねのうち、生活に困窮されている方への支援についてお答えします。 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、雇用情勢の悪化等により、経済的基盤が弱い独り親家庭などが特に大きな影響を受けていることから、こうした方々へのきめ細かな支援が重要であり、県では、市町や関係機関と連携し、相談支援や経済的支援に取り組んでいるところです。 まず、相談支援については、県や各市町の福祉事務所等において、経済的に困窮している方からの相談窓口を設け、新型コロナウイルスに関連した日常生活上の様々な問題について、個別の事情に応じた支援へつなげていくこととしています。 とりわけ、子育てと仕事を一人で担う独り親家庭については、山口県母子・父子福祉センターにおいて、本年六月から、平日の開所時間の延長や日曜日の開所を行い、専門の相談員による就労や生活に関する相談対応を行うなど、相談体制の充実を図っています。 次に、経済的支援に向けては、失業や休業等により収入が減少した方に対し、生活費のための生活福祉資金の特例貸付け、家賃の支払いのための住居確保給付金の支給や、児童扶養手当を受給している世帯等に対する、ひとり親世帯臨時特別給付金の支給を行っています。 また、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化が懸念されることから、生活福祉資金貸付けの受付期間の延長や独り親家庭への支援の充実等について、全国知事会等を通じて国に要望しているところです。 県としましては、今後ともこうした取組を通じ、新型コロナウイルス感染症の影響により生活に困窮されている方々への支援に努めてまいります。 次に、障害者差別解消法に基づく条例制定についてのお尋ねにお答えします。 障害のある方が、住み慣れた地域で自立し、安心して暮らしていくためには、障害に対する社会全体の理解を深め、障害のある方に対する偏見や差別をなくしていくことが重要です。 このため、県では、やまぐち障害者いきいきプランにおいて、障害への理解を深め、共に生きる社会の実現を施策の柱として位置づけ、障害を理由とする差別の解消推進や相互理解の促進などに取り組んでいるところです。 具体的には、障害を理由とした不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供について、ホームページやリーフレット等により広く県民に普及啓発を図るとともに、県民誰もが障害の特性を理解し、必要な配慮を実践する、あいサポート運動を県民運動として積極的に展開をしています。 お尋ねの条例制定については、国の有識者会議において、障害者差別解消法施行後三年を機に検討が行われ、本年六月、事業者による合理的配慮の義務化等について意見が示され、今後、法改正に向けた具体的な検討が進められることから、県としては、その状況を注視してまいります。 議長(柳居俊学君)福田商工労働部長。 〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 商工労働部長(福田浩治君)経済的・社会的弱者への支援についてのお尋ねのうち、雇用状況の認識と再就職支援についてお答えします。 まず、本県の雇用状況については、山口労働局から、国や県の支援制度が積極的に活用されている状況等も踏まえ、求人が求職を上回って推移しているが、新型コロナにより弱い動きが続いているとの基調判断が示されており、県としても、これと同様に受け止めております。 次に、離職された女性への再就職支援については、山口しごとセンターなどの相談窓口において、一人一人の状況に寄り添い、きめ細かなキャリアカウンセリングを実施しています。 また、高等産業技術学校が民間に委託する職業訓練では、女性離職者のニーズが高い医療や経理事務などを実施するとともに、介護等、指定業種に正規雇用された場合に支援金を支給するなど、離職された女性の早期の再就職を支援しています。 次に、水素利活用によるグリーン社会の実現についてのお尋ねのうち、水素を活用した産業振興についての取組についてお答えします。 本県は、瀬戸内コンビナートにおいて、大量かつ高純度の水素を生成する強みを有しており、県では、県産業技術センターに設置したイノベーション推進センターを中心に、水素を活用した先進的な技術開発・事業化を促進しています。 この結果、太陽光発電で水素を生成し、災害時等でも電力供給が可能な再生可能エネルギー活用型水素ステーションの開発や、水素から電気・熱を取り出す純水素型燃料電池システムなど、水素関連の製品化が進んでいます。 こうした研究開発成果については、国際的な専門商談展示会である国際水素・燃料電池展への出展を通じた情報発信や販路開拓の取組も支援しています。 また、国の委託事業である地域連携・低炭素水素技術実証事業を活用し、水素活用モデルの展開による地域づくりの実証にも取り組んでいるところです。 県としては、二○五○年までに脱炭素社会の実現を目指す国の施策の動向も見据えながら、水素利活用に積極的に取り組む県内企業を支援し、水素を活用した産業振興に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)コロナ禍での対策に関するお尋ねのうち、県庁へのプロフェッショナル人材の導入についてお答えします。 職員の採用において、公務部門では得難い専門的知識や経験を有する優れた人材の確保は、多様化する政策課題への的確な対応や組織の活性化などの面からも重要と考えています。 このため、県ではこれまでも、職業訓練部門などにおける専門知識等を有する人材の任期付職員としての採用や、民間企業経験者等の柔軟な発想などを公務に反映させるため、社会人経験者の採用を行っているところです。 また、接遇マナーのほか、職務上必要となる知識や技能の習得に当たっては、県が実施する職員研修の講師として、各分野の専門家等を招くなど、民間企業のノウハウ等の活用に努めているところです。 県としては、民間企業等の優れた知見を公務に活用・反映できるよう、引き続き、関係部局による連携の下、職員の採用や育成に適切に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)水素活用によるグリーン社会の実現に関するお尋ねのうち、ゼロカーボンに向けた取組と地球温暖化対策実行計画改定についてお答えします。 まず、ゼロカーボンに向けた取組についてです。 CO2などの温室効果ガス排出量の増加による地球温暖化の進行は、本県においても、猛暑や集中豪雨をもたらすなど、県民生活に大きな影響を及ぼしています。 その原因となる温室効果ガスの削減対策は、お示しのゼロカーボン、すなわち脱炭素社会の実現にもつながる重要な課題となっています。 このため、県では、地球温暖化対策実行計画に基づき、省エネや節電を実践する県民運動や再エネの導入支援など、温室効果ガスの排出削減に向けた各種施策に積極的に取り組んできました。 この結果、温室効果ガスの排出量は、二○一七年度には、基準年度である二○○五年度に比べて全体で一五・二%減少するなど、一定の成果を上げているところですが、一方で、家庭部門の排出量が増加するなどの課題も生じています。 こうした中、県では、今年度で期間が終了する現行計画について、これまでの取組成果や課題を十分検証するとともに、国の地球温暖化対策計画などを踏まえて、新たな温室効果ガスの削減目標を掲げ、改定することとしています。 また、改定計画には、新たな目標の達成に向けて、CO2削減県民運動の推進や本県の豊富な日射量、森林資源などの地域特性、環境・エネルギー関連先端技術を有する企業の集積などの産業特性を生かした施策を盛り込むこととしています。 県としては、こうした施策を着実に進め、温室効果ガスの削減を図りながら、脱炭素社会の実現につながるよう取り組んでまいります。 次に、地球温暖化対策実行計画改定における水素活用への取組についてです。 水素は、エネルギー効率が高く、利用段階で温室効果ガスが排出されないことから、その活用は、地球温暖化対策には欠かせないものと考えています。 このため、改定計画においても、本県の水素活用の取組として、新たな技術開発の促進による産業振興、水素利活用モデルの展開による地域づくりなど、水素先進県の実現に向け、引き続き、取組を進めることとしています。 県としては、今後とも、県民や事業者、関係団体、市町と連携しながら、本県の特性を最大限に生かした地球温暖化対策に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)サイクル県やまぐちの取組強化についてのお尋ねのうち、シンボルイベントについてお答えします。 国際大会などのシンボルイベントは、交流人口の拡大や地域経済の活性化などに一定の効果が期待されるところです。 こうした中、お示しの「ツール・ド・九州・山口」については、開催地など大会の詳細が今後検討されることとなっており、県においても、開催による費用対効果などについて、引き続き検証が必要と考えています。 県としては、今後のシンボルイベントへの取組については、こうした検証結果や市町の意向も踏まえ、その在り方について検討していくこととしています。 議長(柳居俊学君)谷警察本部長。 〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 警察本部長(谷滋行君)視覚障害者が安心・安全に歩行できる環境づくりについての三点のお尋ねにお答えします。 最初に、障害を持たれる方々からの相談への対応ですが、本年は十月末までに、視覚障害者団体等から、県内十二か所について信号機への音響機能の付加等について相談を受けております。 このような相談は、警察署の交通課長等が団体の代表者の方などと面接してお話を伺ったり、必要に応じ施設の設置等を要望されている場所に赴いて障害者の方から直接お話を伺うなどして受けているほか、団体等から警察署長宛ての要望書を受理することもございます。 また、こうした相談や要望につきましては、警察本部でも情報を共有し、施設の整備等について検討しております。 次に、障害者の方の意見をよく聞いて施設を設置してはどうかとの質問にお答えします。 視覚障害者の安全な歩行空間を確保する施設といたしましては、県内にピヨピヨ・カッコーという擬音や信号が青になりましたという音声により歩行者用信号の青を知らせる音響式の付加装置を四百か所、エスコートゾーンを百四十六か所整備しております。 こうした施設の設置に当たっては、団体や個人の方から擬音より音声による案内のほうがよいとか、また、音の鳴る時間帯を延長してほしいなどの意見が寄せられることがあり、警察といたしましては、地域住民の理解を得ながら、できる限り意見に沿えるよう努めているところです。 次に、ドライバーに対する視覚障害者への配慮とルールの周知についてお答えします。 視覚障害者が道路を通行している場合には、ドライバーは一時停止するか徐行するなど、これらの方が安全に通行できるようにしなければならないとされております。 こうした障害者に配慮した交通ルールについて、ドライバーをはじめ道路を利用する多くの方に浸透するよう様々な機会、広報媒体等を通じて周知に努めてまいります。 県警察といたしましては、引き続き、関係機関・団体等と連携しながら視覚障害者の方々が安心・安全に歩行できる環境づくりに努めてまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時三十七分休憩