1 2000万円の最高級車購入問題について 2 最低賃金改善と中小企業支援の拡充について 3 原発問題について 4 交通安全対策について 5 色弱者への配慮について 6 宇宙監視レーダーについて 7 その他
副議長(藤生通陽君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 社民党・市民連合の中嶋です。通告に従い質問させていただきます。 まず、二千万円の最高級車購入問題について。 十年一昔と言いますが、貴賓車の買換え対応については、何にも変わっておらず、昔のままのようです。 我が社民党の前佐々木明美県議が、平成二十一年二月定例会で、「公用車の在り方について検討されているようです。この際、一部にある真っ黒い超高級車は時代感覚にも合わず、しかも稼働率もすこぶる低いようですから、もっと実用的で環境に配慮した車などに切り替えるべきではないでしょうか」とただしたのに対し、議事録を確認したところ、答弁は、 黒塗り公用車の切替えについて、お示しの黒塗りの公用車につきましては、現在、会計管理局で管理している車が九台ありますが、そのうち三台は環境配慮型のハイブリッド車としております。 また、今回、黒塗りの公用車二台をシルバー及びグレー色の、車種といたしましてはMPVという八人乗りのステーションワゴンでありますが、これに更新し、より多目的な使用に対応可能な車両として活用する予定としております。 今後とも、公用車の利活用や管理の在り方等について、黒塗り等の公用車を含め、時代の変化に対応し、必要な見直しを検討してまいる考えであります。 でした。 平成二十一年二月定例会は、リーマンショックの真っただ中での県議会開催でした。そして今日は、現在進行中の新型コロナショックの真っただ中にあります。 財政難による経費削減が叫ばれている中でのことですので、この問題発覚後、連日、マスコミも大きく取り上げ、全国ニュースになりました。新聞、テレビ、またユーチューブなどインターネット配信もされましたので、全国の自治体に波及しました。 県に寄せられた声は氷山の一角であり、インターネット上では数え切れないくらい山口県への批判が書き込まれています。 そこでお尋ねします。今となっては、当時の局長の答弁はその場しのぎの感があります。明らかに担当部署は時代の変化を見誤り、前例踏襲のお役所仕事に徹してしまったのではないでしょうか。 知事は、記者会見で検討が不十分と反省の弁を述べられています。そこで、一つ、当時の局長の議会答弁はなぜ生かされず、今回の大きな問題となったのか、その原因。二つ、今後、具体的な見直し策について、この二点についてお尋ねをいたします。 二つ、最低賃金改善と中小企業支援の拡充についてお尋ねします。 今議会に、最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める請願が出されました。我が会派は、請願の趣旨に賛同し、紹介議員に名を連ねさせていただきました。議員先生方にも、ぜひ御賛同いただきたいとの思いから質問させていただきます。 ここ数年、高い水準の引上げが続いていた最低賃金ですが、コロナショックで厚生労働省の審議会は、今年は引上げの目安の提示を見送りました。 これを受け、山口県の最低賃金改定も見送られました。据置きは、全国七都道府県で、この中で山口は最も低額の八百二十九円ですが、据え置かれました。じくじたる思いがいたします。 七月二十七日放送のNHK「時論公論」では、 一つは深刻な地域間格差です。どういうことかといいますと、現在の最低賃金は、全国加重平均で九百一円ですが、最も高いのは東京の千十三円。最も低いのは、鹿児島、青森などの十五の県の、七百九十円。この両者の間に、時給で二百二十三円もの大きな開きがあります。これが賃金の低い地方から、賃金の高い都市部へと働き手が流出する大きな要因となっています。 つまり、経営側の支払い能力に配慮して最低賃金を抑えたままでいると、それがやがて、働く人だけでなく、地方の経済全体に影響が及ぶことになるわけです。 と解説していました。 まさにそのとおりだと思いました。 最低賃金の最高は東京で千十三円、一方、山口は八百二十九円、先ほど申し上げたとおりです。時給で百八十四円、年収においては約三十七万円もの格差が生じています。最低賃金の地域間格差が、まさに東京など大都市圏への人口集中を促す要因となっています。 地方から、若い働き手は賃金が高い首都圏へ流出しています。その一方、地方はますます人口が減少、過疎化・高齢化が加速し、地域経済が冷え込む、こういう要因に、この地域間格差が、賃金格差がなっているのではないでしょうか、お尋ねをいたします。 労働組合、全労連さんが実施した最低生計費試算調査という実に興味深い調査があります。(掲示)お手元に資料をお届けさせていただきましたので、御覧いただけたらと思います。この調査結果では、山口で若者が人並みの暮らしをするためには、時給千六百円が必要としています。 一人の労働者が自立して人間らしく暮らすには、全国どこに住んでいても二十三万円から二十六万円程度が必要ということであります。生計費において、都市部と地方ではほとんど差はありません。この表には紙面の都合で東京から九州しか比較をしていませんけれども、北海道、全国にまたがって調査をされていらっしゃいます。 したがって、生計費原則に基づく、八時間労働で生存権を保障できる最低賃金制度にすべきであります。最低賃金は少なくとも時給千円以上に引き上げ、そして千五百円を目指し、都道府県ごとの格差を是正する全国一律最低賃金制度の創設が必要であります。 最低賃金の引上げで恩恵が大きいのは、女性や若者が多く働く非正規雇用の労働者です。地方経済の活性化や労働者全体の賃上げに波及する効果となるのではないでしょうか、お尋ねをいたします。 その際に重要なことは、不況に苦しむ中小業者に対する政策的支援制度をつくることであります。具体的には、賃上げを実施した中小企業に対する支援策として、社会保険料の事業主負担分減免制度創設、また、最低賃金引上げに対応する業務改善助成金事業への積極的誘導などの支援を地元の中小業者に行うことが有効ではないでしょうか、お尋ねをいたします。 三つ、原発問題について。 まず、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。 県政の役割は、県民の命と安全・安心な暮らしを守ることにあります。山口県政の重要課題の一つに、上関原発の問題があります。 原発問題を考えるときに忘れてならないのは、二○一一年三月十一日に発生した福島第一原発事故の悲劇です。 あの事故から九年が経過しました。いまだに事故原因は究明されたとは言えません。事故は収束どころか、汚染水が太平洋に流出し、原子炉内の様子も把握できておらず、危機的状況が続いています。 それにもかかわらず、政府は原発を重要なベースロード電源と位置づけ、原発再稼働に躍起となり、新設については、現時点では想定していないと曖昧にしたままです。 一たび事故が起きれば取り返しのつかない被害をもたらす原発。 福島県では、県議会でも全会派が県民を苦しめる原発は要らないとし、福島県復興ビジョンを策定、三つの基本理念の一番に、原子力に依存しない安全・安心で持続的な発展可能な社会づくりを掲げました。 国の方向に対して、原発事故を受けて苦しんだ福島県は、きっぱりと言うべきことは言っているのです。ここに地方自治の本旨、魂があると思うわけです。 村岡知事は、福島の事故をどう捉まえておられますか、お尋ねをいたします。 これまで何度も上関原発についてただしてきました。毎度同じ答弁が返ってきます。上関原発計画は、事業者である中国電力が国のエネルギー政策に沿って進めてきたものであり、上関原発の建設をどうするかは、事業者自らが判断するものと考えておりますと。本当に県は関与していないと言えるのでしょうか。 山口県は、原子力発電関係団体協議会に一九七八年五月十六日に加入しています。豊北原発計画が豊北町長選挙で原発反対派当選により崩壊した翌々日に加入しています。豊北原発計画が頓挫した時点での加入に、山口県の原発政策推進の意図がうかがい知れます。 この協議会は、今年五月にも、原子力発電等に関する要請書を国に提出しています。中身は、原発立地道県に関するものばかりで、山口県に関係するものは、あえて探せば、電源三法交付金に関する事項しか見当たりません。 二○一二年七月に、当時の会長県が国に提出する素案に、原発の推進を求める、この表現を盛り込んだところ、福島県、宮城県、静岡県の反対により撤回。さらに、静岡県は協議会の意義に疑問を唱え、この年の八月に脱退。交付金のための団体と静岡県知事は批判をしておられます。 そこでお尋ねします。山口県以外の加入は、全て原発立地道県である原子力発電関係団体協議会に立地予定の県として加入しているということは、山口県に必ず原発を造りますよと、県知事が宣言していることと同じではないのか。 また、県民を代表する県知事として、県民の意向が原発を造ることだと認識しておられるということであるのか。 この原子力発電関係団体協議会に加入している理由と意義は何か、お尋ねをいたします。 さらに、この協議会から脱退すべきではありませんか、お尋ねをいたします。 本県は、さらに電力会社や原発プラントメーカーが軒並み名を連ねる、一般社団法人日本原子力産業協会の会員にもなっています。この原産協会からは直ちに退会すべきではないか、お尋ねをいたします。 十一月十四日、上関原発の建設予定地である長島に架かる上関大橋に、突然二十センチの段差ができて通行ができなくなりました。この橋は島と上関町の本土側をつなぐ唯一の橋であり、この橋が使えなければ原発事故の際、陸路で避難することができなくなります。 十一月十八日の衆議院経済産業委員会で、立憲民主党の逢坂委員が、「有効に機能する避難計画がなければ原発の稼働はできないか」との質問に、梶山経済産業大臣は、「しっかりした避難計画がない中で原子力発電所の稼働が実態として進むことはない」と答弁。 さらに、「どのようなものをしっかりとした避難計画と位置づけているのか」には、「二○一一年三・一一の事故は苛酷事故。それらの事故を想定した上で、原子力災害対策指針ができている。それに従って避難計画を立てていく、それがしっかりとした実効性のある避難計画」と答弁しました。 この答弁を受け、二十日には、今度は、立憲民主党の山崎委員が、上関大橋に二十センチの段差ができたことを取り上げ、「しっかりした避難計画はつくることはできないのではないか」と梶山大臣をただしましたが、明確な答弁はなく、無責任さが露呈した答弁でした。 そこでお尋ねは、上関原発をこのまま推進するのであれば、県地域防災計画、原子力災害対策編において、県は関係市町の避難計画策定に対する支援、広域調整等を行わなければならないが、苛酷事故を想定したしっかりとした実効性ある避難計画をつくることができるとお考えか、お尋ねをします。 今日では、既に上関原発建設の本来の意義は失われています。 二○○一年、上関原発を電源開発基本計画に組み入れるに当たって行われた総合資源エネルギー調査会電源開発分科会第一回審議会の議事録を読むと、お手元に資料をお届けさせていただいております。電力需要は、省エネ技術などの発展を勘案しても、中長期的には増加が見込まれ、これに対応する電源を確保することはどうしても必要、最近の電力需要は、平成十二年度実績で需要電力量は対前年比で二・六%の伸びを示し、引き続き堅調な増加傾向を示しているとなっているなど、この審議会では、上関原発計画は電力需要に応えるためと繰り返し述べられています。 二○○○年から二○一○年までの電力量を見通して、電力を安定的に確保することが目的になっているのが分かります。 こうした状況の下で決定された上関原発の電源開発基本計画組入れです。 ところが、二○一一年には福島事故があり、人々は省エネと再生可能エネルギーの利用を図り始め、人口減少も加わり電力需要は落ちてきています。 現に、今年、中国電力が発表したエネルギアチェンジ二○三○、これもお配りした資料を御覧いただけたらと思います。人口減少や節電・省エネの進展等により、需要自体が今後減少していく見通しですとしています。 さらに言えば、当初計画では、一号機は二○一二年に運転開始、二号機は二○一五年に運転開始となっており、そうでなければ支障が出ると。しかし、二○一二年も二○一五年も電力需要に支障を来すこともなく過ぎてきました。 ここらで、上関原発にこだわり続ける無理から解放されることも考えられてはどうか、お尋ねをします。 四点目に、交通安全対策についてお伺いします。 本県警察本部の令和二年版交通白書によると、二○一九年の全国の交通事故死者数は三千二百十五人で、前年比三百十七人の減、最も多かった一九七○年の一万六千七百六十五人の五分の一以下にまで減少し、統計が残る一九四八年以降で最少になったとのことです。 死者数の減少の要因は、道路の形状や交差点の改良、信号機の設置をはじめとする様々なハード対策のほか、自動車のシートベルト、エアバック、いわゆるサポカーの普及など自動車自体の安全性の向上に加え、時代に即した法整備による効果や、医学の進歩などにもあると言われています。 しかし、交通事故による死者数が往時の五分の一程度になったとはいえ、全国で一日に約八・八人、本県で月に約三・七五人の方が亡くなられているという事態からすれば、今後も不断の取組を講じ、交通事故死者数を限りなくゼロに近づけなければならないと考えます。 そこで尋ねします。県警察は、交通事故総量の減少と交通死亡事故ゼロを実現するため、交通安全県やまぐち推進事業を継続実施されていますが、交通死亡事故の抑止に今後どのように取り組み、対策の効果をどう図ろうとされているのか、お聞かせください。 また、最近では、車の運転中にスマートフォンなどを使ったり、カーナビなどを見たりしながら運転するながら運転、そして、悪質なあおり運転の問題もあります。 ながら運転による事故が多発していたことに鑑み、昨年十二月、改正道路交通法が施行され、運転中の携帯電話での通話や、画面を注視する違反である携帯電話使用等(保持)の違反点数がこれまでの一点から三点に、通話や注視により交通の危険を生じさせる違反である携帯電話使用等(交通の危険)が二点から免許停止となる六点になり、また、保持の反則金は、大型車は七千円から二万五千円に、普通車は六千円から一万八千円に変更され、さらに、懲役刑が加わるなどし、六か月以下の懲役または十万円以下の罰金が適用される可能性もあるとのことです。 特に通話や注視により、交通の危険を生じさせた場合は、これまでは交通反則通告制度により、反則金を納付することで、刑事責任まで問われることはありませんでしたが、この改正により制度の適用から除外され、直ちに刑事手続の対象となり、罰則は三か月以上の懲役または五万円以下の罰金から、一年以下の懲役または三十万円以下の罰金に引き上げられるなど、罰則化が図られています。 そこでお尋ねします。本県におけるながら運転の現状はどうか。また、指導取締りなどの対策はどのように取り組んでいるのか、お聞かせください。 また、警察庁によると、全国の警察が二○一九年、あおり運転の類型の一つである車間距離不保持違反による道路交通法違反で摘発した件数は一万五千六十五件だったそうです。前年に比べて一五・七%も増加したとのことであり、もはやあおり運転は社会問題と言っても過言ではありません。 ドライブレコーダーの取付けなどにより、まずは自衛の手段を講じることが重要ですが、県警察におかれては、こうしたあおり運転や暴走行為にどのように対応し、県民の安全・安心の確保を図っていかれるのか、お聞かせください。 さらに、代表質問とダブりましたけれども、横断待ちの歩行者のために停車してくれる運転者が少ないと言われている本県だが、加えて、横断歩道の白線が全く消えているとの県民の声を多く聞きます。予算を獲得してもらう問題でもありますが、これらの点についてのお考えをお聞かせください。 五つ目、色弱者への配慮について。 二○一七年十一月定例会で質問した色弱者への配慮についてお尋ねします。 青、黄、赤、信号機の三色を全て通行人が正しく認識できているのか、答えはノー。だが、色を色弱の人にも判別しやすい色味を変えた信号機などが普及してきています。信号機のLED化などです。 そこで、本県信号機のLED化の普及割合と今後の取組についてお聞かせください。 さらに、以前もお尋ねいたしましたけども、消防職員採用時における色覚検査の実施状況については、平成二十九年度から、県内十二消防本部中、色覚検査を求めていないが三本部から六本部に増え、色覚検査を求めて採用に影響するが七本部だったのが三本部に減り、色覚検査を求めているが採用に影響しないが二本部から三本部に増えています。 三年間で相当、改善の御努力をいただいていますことに対し、敬意を表したいと思ってはおります。 カラーユニバーサルデザインの取組については、公共施設の案内表示など、情報表示のカラー化が急速に進んでおり、色弱者への配慮に継続的に取り組まなければならないと考えます。 そこで、カラーユニバーサルデザインの推進について、本県を挙げて取り組んでおられると思いますので、現状と今後の方針についてお聞かせください。 最後の項目、宇宙監視レーダーについてお尋ねします。 我が山陽小野田市において、防衛省中国四国防衛局は、宇宙監視レーダー設置のための造成工事を完成させ、今、来年十二月十五日までの工期で、レーダー局舎基礎六式及び標定・較正装置基礎一式のコンクリート基礎工事が行われています。 六式のパラボラアンテナから電磁波を同時照射し同期させて、探知距離約四万キロメートル、静止軌道帯の複数目標を同時追尾するDSレーダーの運用を二○二三年度から米軍等と連携しつつ、中露による宇宙の安定的利用を妨げるリスクの監視・回避に資するSSA能力向上を図るとしています。 自衛隊に、宇宙作戦隊が今年五月新編され、まさに宇宙の軍事利用に直結する軍事施設がつくられようとしています。 問題は、住民向けの説明会では、宇宙ごみの監視をするためのレーダーだとの説明会しかされていないこと。 また、専門家がレーダーの出力は、到達距離の二乗に比例するというレーダーの諸元は秘密のままで、何よりも当該市議会の質疑で明らかになっていることは、市としては、防衛省中国四国防衛局がここを適地であると言っている、市としての判断ではない、宇宙監視レーダーの設置は、国の防衛政策であるから是非を論じる立場にない、レーダーの諸元等については、詳細設計等説明を求めており待っている状況だと言っていることだけです。 しかし、市は反対も賛成もしていない。つまり同意はしていないにもかかわらず、国内初の宇宙軍事基地建設のための事業が進められている、このことが許されることなのか、お尋ねをいたします。 あるいは、県が説明を受け、同意されているので事業が進められているということなのか、お尋ねをしまして、一回目の質問を終わります。(拍手) 副議長(藤生通陽君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)中嶋議員の御質問のうち、私からは、カラーユニバーサルデザインの取組についてのお尋ねにお答えします。 年齢や障害の有無等に関わりなく、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、高齢者や障害者等の日常生活や社会生活を制限する障壁のない社会の実現が重要です。 このため、県では、山口県福祉のまちづくり条例やユニバーサルデザイン行動指針に基づき、全ての人に利用しやすい環境を整備していくユニバーサルデザインを推進しているところです。 お尋ねのカラーユニバーサルデザインについては、印刷物やホームページ、案内板等を作成する際に、色覚に障害のある方にも分かりやすい色使いや、表記を行う方法を示したカラーバリアフリーガイドを策定し、庁内をはじめ、県内市町や建築士会等に対し、配慮を求めています。 また、公共的施設の案内板等の整備基準を定めた設計マニュアルにおいて、文字の色を地色と明度の差の大きい色とすることや、図形、記号等によって表示するなど、識別を容易にするための基準を定め、整備を促進しているところです。 さらに、昨年度からは、県の広報誌ふれあい山口において、文字を認識しやすいように、フォントをユニバーサルデザインフォントに変更して、地色と文字のコントラストを強調し、読みやすい紙面にしています。 私は、こうした取組を通じ、今後とも、市町や事業者等の理解、協力を得ながら、カラーユニバーサルデザインの推進に努めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(藤生通陽君)福田商工労働部長。 〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 商工労働部長(福田浩治君)最低賃金改善と中小企業支援の拡充についての三点のお尋ねにお答えします。 地域間格差につながる地方から大都市圏への転出超過の要因として、賃金の違いもその一つとして考えられていますが、最低賃金については、法律に基づき、各地域の労働者の生計費や賃金などを総合的に勘案して地域の労働局長が決定しており、言わば、地域の実体経済に基づく結果として差が生じているものと考えています。 また、国はこれまでも、骨太の方針に最低賃金の全国加重平均を千円とすることを掲げ、毎年三%程度の引上げが実施されており、引き続き、地方の所得を増やし、消費を活性化するため、最低賃金の全国的な引上げに取り組むとされています。 しかしながら、本年は、新型コロナウイルス感染症による影響が多方面に及んでおり、経済・雇用を守ることを最優先課題として考慮された結果、本県を含め全国的に最低賃金の引上げが据置きまたは微増にとどまっています。 こうしたことから、県としては、国において、コロナ禍の状況を見極めつつ、経済成長率の引上げや生産性の向上に向けて、中小企業事業者の負担も考慮しながら、引き続き、賃上げしやすい環境整備に取り組んでいかれるものと考えています。 副議長(藤生通陽君)梶間商工労働部理事。 〔商工労働部理事 梶間敏君登壇〕 商工労働部理事(梶間敏君)原発問題についての数点のお尋ねのうち、まず、福島の事故をどう捉えているかとのお尋ねにお答えします。 福島第一原発の事故では、依然として多くの方々が避難生活を余儀なくされている状況にあり、早期の事態収束に向け、廃炉・汚染水対策や風評被害対策等について、国及び事業者が一丸となって取り組む必要があると考えています。 また、この事故により、原発についてはいかなる事情より安全性を最優先に取り組む必要があることを、改めて認識したところです。 県としては、今後とも、国及び事業者の責任において、原発の安全性を不断に追求していくことが必要であると考えています。 次に、原子力発電関係団体協議会についてのお尋ねにまとめてお答えします。 この協議会は、原子力発電に伴う諸問題を調査研究し、地域社会の健全な発展に寄与することを目的としているものです。 本県は、上関原発建設計画がある県として、原子力発電関係の情報収集等を行うため、この協議会に加入しているものであり、脱退することは考えていません。 したがって、お尋ねのように、協議会に加入していることが、県が必ず原発を造ると宣言している、また、県民の意向が原発を造ることだと認識しているということではありません。 次に、一般社団法人日本原子力産業協会についてですが、この協会には、原子力発電関係の情報収集を行うために入会しているものであり、退会することは考えていないところです。 次に、上関原発にこだわり続ける無理から解放されることも考えてはどうかとのお尋ねです。 上関原発建設計画は、事業者である中国電力が、国のエネルギー政策に沿って進めてきたものであり、上関原発の建設をどうするかは、事業者自らが判断すべきものと考えています。 県としては、引き続き、原発立地によるまちづくりを進めたいという地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するという基本姿勢で対応してまいります。 副議長(藤生通陽君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)原発問題に関するお尋ねのうち、避難計画の策定についてお答えします。 原子力災害時における住民の避難につきましては、原子力災害対策特別措置法や災害対策基本法等に基づき、関係する地方公共団体が地域防災計画の中で、避難計画を定めることとされています。 この計画につきましては、一般的には、原子炉設置許可以降、運転開始までの間に建設される原子力発電所の具体的な施設・設備の状況や、原子力事業者の防災体制等を踏まえ、国の原子力災害対策指針等に沿って策定することとなっており、現時点、避難計画を検討する段階にありません。 次に、宇宙監視レーダーについての二点のお尋ねにまとめてお答えします。 県では、これまでに国から宇宙状況監視の必要性や施設の整備等の説明を受け、宇宙状況監視レーダーについては、宇宙空間の安定的利用を確保するため、宇宙ごみや衛星の状況を探知、追跡することを目的とするものと認識しています。 当該レーダー施設は、宇宙政策を推進する国が必要と判断し整備するものであり、県としては、あくまでも国の責任において、地元山陽小野田市や地域住民に対し、その必要性や安全性等を十分に説明するなど、丁寧に対応していただきたいと考えています。 副議長(藤生通陽君)内畠会計管理局長。 〔会計管理局長 内畠義裕君登壇〕 会計管理局長(内畠義裕君)公用車の購入に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、過去の議会答弁が生かされなかったとのお尋ねです。 黒塗りの公用車については、平成二十一年度以降昨年度まで、車種の変更や保有台数を九台から五台に削減するなど、その見直しを行ってきたところです。 今回のセンチュリーの更新に当たっては、県側で一台、県議会側で二台、県全体で三台の保有を二台に削減し、県側で一元管理することにより効率的な運用を図るとともに、経費の支出を抑制しようとしたものです。 しかしながら、皇室・貴賓者用車両という性格上、車両への信頼や、これまでの運用実績において特段の問題もなかったことを踏まえて、従来どおりとしたところです。 次に、今後の見直しについてですが、次回更新時には、二台による運用状況も踏まえて、車種の選定や購入金額などについて検討を行っていきたいと考えています。 副議長(藤生通陽君)谷警察本部長。 〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 警察本部長(谷滋行君)まず、交通安全対策についての四点のお尋ねにお答えします。 一点目の交通死亡事故抑止に向けた取組についてです。 県内の交通事故死者数は、長期的には減少傾向にありますが、本年も十月末現在、三十一人の貴い命が失われております。 本年の死亡事故には、高齢の死者数が十四人、はみ出しによる死者数が九人、二輪車乗車中の死者数が七人といった特徴が見られます。 こうした事故の特徴を踏まえ、引き続き、指導取締りや広報啓発活動、関係機関・団体や地域の方と連携した多角的な取組を推進してまいります。 また、対策の効果につきましては、このような分析と、それを踏まえた取組を通じ、交通死亡事故を一件でも多く抑止することを目指してまいります。 二点目のながら運転の現状と取締りなどの対策についてです。 本年十月末現在、携帯電話使用等が原因の人身事故件数は九件で、昨年同期比で五件減少、また、携帯電話使用等の取締り件数は五千六十三件で、昨年同期比で九千四百七十六件減少しております。 こうした減少は、法改正による罰則の強化も要因の一つと考えられますが、引き続き、交通安全教育や様々な媒体を活用した広報啓発、厳正な取締りを推進してまいります。 三点目のあおり運転への対応についてです。 あおり運転については、その抑止を図るための改正法が、本年六月から施行されたところであります。 これまでのところ、本県における改正法の適用はございませんが、引き続き、改正内容の周知のほか、ドライブレコーダーの設置などの広報啓発を行うとともに、違反行為に対しては、車間距離不保持違反等も含め適切に取締りを実施してまいります。 四点目の横断歩道の歩行者優先ルール徹底と整備についてです。 ドライバーに対するルール徹底に向け、関係機関・団体の協力を得て、テレビCM等各種媒体を活用するなどして、今後も効果的な広報啓発に努めてまいります。 また、横断歩道や停止線の塗り替えは、磨耗の程度、交通量、子供や高齢者の利用実態等を総合的に判断し、緊急に対応すべき優先度の高い箇所から行うなど、予算の効率的な執行によって横断歩道の適切な維持管理に努めてまいります。 次に、色弱者への配慮についてのお尋ねにお答えします。 県内の信号灯器のLED化整備率は、令和元年度末で七三・七%であり、全国平均より一三ポイント高くなっており、今後も、幹線道路、病院や学校等の公共施設付近、老朽化等により視認性が低下している信号灯器を重点に、LED化を積極的に推進してまいります。 副議長(藤生通陽君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 答弁いただきましたけれども、再質問さしていただきます。 まず最初に、最低賃金、あんまりほとんど関係ないというような御答弁だったと思いますけれども、本県として、人口流出に対して様々な施策を打たれていますけれども、なかなか福岡、広島県への流出が止まらないというのが現実があります。 最低賃金を見てみますと、山口県は広島県、福岡県と最低賃金の高い間に挟まれている。だから、最低賃金が根っこにあるものではないか、このことはぜひ考慮にしていただきたい。そういう観点から御答弁をいただけたらと思います。 そしてまず、時間がありませんので、宇宙監視レーダーについてお尋ねをしたいと思います。 この宇宙監視レーダーの諸元はよく分からないということですけれども、あのイージス・アショア計画のときには、県から何度も疑問点を御質問され、その質問に答える形で防衛省が回答を出してきました。でまた、データが出たりしてきました。補足説明も受けられてきました。その結果、矛盾を来してきたということが多々ありました。 そこで、なぜ県としては、先ほど総務部長御答弁ありましたけれども、なぜに宇宙監視レーダーについては県民の安心・安全のために説明を求められないのか、お尋ねをいたします。 イージス・アショアはせいぜい千五百キロの範囲を捕捉するためのレーダーでしたけれども、宇宙監視レーダーは約四万キロメートル、レーダー出力は七百倍と言われてますので、県民の安心・安全にとってはさらに重大な問題ではないかと思いますけれども、このことについてお尋ねをいたします。 さらに、七月三十一日、山陽小野田市議会議員連絡会で、防衛省からこれまでの説明が不十分であったことが謝罪をされたようです。そして、監視対象に中国、ロシアのスパイ衛星やキラー衛星の監視が含まれ、その情報は米軍の宇宙作戦部隊、東京自衛隊府中基地にあるそうですけれども、に提供されることは追加説明されました。 防衛白書にも中露の名指しこそ避けていますが、人工衛星に接近して妨害、攻撃、捕獲するキラー衛星の開発実証実験が進められていると指摘されており、宇宙空間の安定的利用に対する脅威が増大していると、こんな記述があります。 当然、中国やロシアにとっては邪魔な存在になるでしょう。そうした情報について、どうお考えでしょうか。 また、当然、そういうことであれば、住民の皆さんはテロや有事の際の標的になるのではないかと、イージス・アショア同様心配をされています。この点について、お考えをお聞かせください。 そしてもう一点、原発、今回原発問題を質問さしていただいたのは、県と事業者間にあうんの呼吸があるのではないかとの疑念が拭い去れないからであります。 あの上関原発用地埋立禁止住民訴訟、一審は原告の勝訴でした。しかし、二審では公有水面の埋立免許の伸長許可について、申請者が判断の留保に任意に同意しているときは、原則として判断留保は違法にならないと退けられました。 上関原発一号機の建設予定計画地は海の上です。海を埋め立てなければ当然原発はできません。公有水面という公共の財産の制限を認める埋立免許が一旦与えられれば、県知事と申請者の意思のみによって、公共財産の制限が無制限・無期限に認められることが許されるとは、到底、県民の皆さんに納得が得られることとは思えません。 この間の答弁、上関原発の建設をどうするかは事業者自らが判断するもの、本当に県は関与していないと言えるのか、この点について触れましたけれども、言及はされませんでした。この点について、改めて御答弁を求めまして、時間がありませんので、私の質問を終えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手) 副議長(藤生通陽君)福田商工労働部長。 〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 商工労働部長(福田浩治君)最低賃金改善についての再質問にお答えします。 本県から隣県に流出するのは、最低賃金の高さが要因ではないかとのお尋ねですが、最低賃金は地域経済の実態を反映した結果として差が生じているものであり、最低賃金の差のみをもって転出超過の直接の要因とは考えていません。 副議長(藤生通陽君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)宇宙状況監視レーダーについて三点ほど再質問いただきました。 まず、一点目と二点目、イージス・アショアと比べて影響範囲は広範に及ぶので、さらに重大ではないか、それからイージス・アショアについては何度も文書照会を行っているということで、県は国に文書照会を行うべきではないかという二点のお尋ねについて、まとめてお答えしたいと思います。 宇宙状況監視レーダーにつきましては、国からはレーダーの設計が終了しなければ運用や影響などについて具体的な説明ができないということで、レーダーの設計を終えた後に地元に対して説明を行うということで聞いているところでございます。 県としましては、今後、国の説明において不明な点等があれば、住民の安心・安全の観点から国に確認をしたいというふうに考えております。 それから三点目、宇宙状況監視レーダーがスパイ衛星等の監視をするということで、結果としてテロや有事の際の標的につながるのではないかというお尋ねにお答えをします。 宇宙状況監視レーダーにつきましては、宇宙空間の安定的利用を確保するため、宇宙ごみや衛星の状況を監視するものであり、相手方に脅威を与えるような性質のものではないということで、国より聞いております。 繰り返しになりますけど、国におきましては、今後、レーダーの設計を終えた後に地元に対し説明を行うとしておりまして、その必要性や安全性等について丁寧に説明をいただきたいというふうに考えております。 副議長(藤生通陽君)梶間商工労働部理事。 〔商工労働部理事 梶間敏君登壇〕 商工労働部理事(梶間敏君)再質問にお答えをいたします。 県と中国電力の間にあうんの呼吸がある、あるいは県と事業者の意思で公共財産の制限が無制限に認められるということ、あるいは県が上関原発建設に当事者として関与していないと言えるのかという御質問などに、まとめてお答えをさせていただきます。 上関原発建設計画は、事業者である中国電力が国のエネルギー政策に沿って進めてきたものであり、上関原発の建設をどうするかは、事業者自らが判断すべきものと考えています。 県としては、引き続き、原発立地によるまちづくりを進めたいという地元上関町の政策選択や、国のエネルギー政策を尊重するという基本姿勢で対応していくこととしております。 したがいまして、県と中国電力の間にあうんの呼吸がある、あるいは県と事業者の意思によって公共財産の制限が無制限に認められる、また県が上関原発に当事者として関与していないと言えるのかなどの御指摘は当たりません。 副議長(藤生通陽君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───◆─・──◆──── 副議長(藤生通陽君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会といたします。御苦労さまでした。 午後二時四十分散会