討論
────────────────────── 討 論 議長(柳居俊学君)これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、持ち時間の範囲内において発言を許します。 木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党県議団を代表して、本会議に提案された議案第八号、九号及び十号について討論を行います。 まず、反対する議案第八号 一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例及び第九号 一般職に属する学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例についてであります。 両条例は、県人事委員会が十月二十八日、民間の支給割合との均衡を図る、このことを理由に、一般職に属する職員及び一般職に属する学校職員の期末手当を現行の年二・六か月分から二・五五か月分に引き下げるよう勧告したことに伴うものであります。 月例給について県人事委員会は十一月五日、民間より百九十円、○・○五%低いものの、較差が僅かであることや人事院が月例給の改定を行わない旨の報告をしたことを踏まえ、月例給の改定を行わないことが適当であると勧告しました。 これにより行政職の平均で年一万九千円の賃下げとなります。 御承知のように、国、地方の非現業の公務員は、憲法で保障された労働基本権、すなわち団結権や団体交渉権、争議権が大きく制約されています。その代償措置として、地方公務員の給与等は、職員の職務の複雑・困難及び責任の度合いに基づいて、人事委員会が勧告する仕組みが取られています。 今年三月以降、県内で新型コロナの感染が拡大する中で県職員、とりわけ健康福祉部を中心に業務が累増しています。三月から十月までの間、時間外勤務が月八十時間以上に上った職員は延べにして三百十七人、百時間以上に上った職員は、何と延べ百四十二人に達しています。 職員の職務の複雑・困難及び責任の度合いは格段に高まっていることは明らかですが、この事実は全く一顧だにされていません。 コロナ禍の下で、エッセンシャルワーカーという言葉がクローズアップされています。人々が日常生活を送るために欠かせない仕事を担っている人たちのことを指します。 新型コロナ感染症の感染拡大という緊急事態下においても、簡単にストップするわけにいかない仕事に従事する人々に対し、感謝や尊敬の念を込めた呼称として使われるようになりました。 その意味でも県職員もエッセンシャルワーカーの一員と言って過言ではないと私たち日本共産党は考えます。今回の期末手当の引下げは、県民の命と健康を必死に守っている職員の奮闘に対し、賃下げなどという冷や水を浴びせるものであり、絶対に容認できません。 さらに問題なのは、県職員の給与改定に準拠する県立総合医療センターやこころの医療センターはもちろん、同様の対応を取る民間の医療・介護労働者への影響も大きく、賃下げへの負のスパイラルとつながることも懸念されています。 コロナ禍から経済を立て直すためには、労働者の賃上げと安定した雇用の拡大こそが必要であり、県職員の期末手当引下げは、今後民間にも波及し、コロナ禍からの経済回復にとっても強い悪影響を及ぼすことは明らかであります。 よって、議案第八号及び九号に断固反対いたします。 次に、議案第十号 知事等の給与及び旅費に関する条例及び山口県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例についてです。 県会議員は、県民の多様な意見を酌み取り、県の行財政運営をチェックする役割を担っており、多様な人材の議会参画を確保するためには、活動を支える一定程度の報酬の保障が必要だとは考えますが、新型コロナ感染拡大の影響による県内経済の冷え込みが続いており、知事等や県議会議員の期末手当引下げには全面的に賛成をいたします。 県当局には、今後、エッセンシャルワーカーたる県職員の待遇改善に速やかに取り組まれるよう要望して、討論といたします。(拍手) 議長(柳居俊学君)これをもって討論を終結いたします。