1 反転攻勢への更なる挑戦 2 やまぐちFree Wⅰ-Fⅰについて 3 災害廃棄物について 4 その他
副議長(藤生通陽君)松浦多紋君。 〔松浦多紋君登壇〕(拍手) 松浦多紋君 皆様、お疲れさまです。県民の誇りを育む会、松浦多紋です。 まずもって、コロナウイルス感染拡大により、今まで大変御苦労されていらっしゃる全ての医療従事者の皆様へ感謝申し上げるとともに、罹患されてしまわれた方々の一日も早い御回復を祈念申し上げます。 約百年前にパンデミックを引き起こしたスペイン風邪の第一波は、一九一八年三月に米国北西部で出現。米軍とともに欧州に渡り、西部戦線の両軍兵士に多数の死者を出し、戦争の終結を早めたと言われているそうです。また、そのスペイン風邪の第二波は同年秋、世界的に同時発生。第三波は一九一九年春、同年秋に終息。 世界の人口の約五○%が感染し、二五%が発症、死亡者は二千万人以上に上り、日本では一九一八年(大正七年)の十一月に全国的な流行、一九二一年七月までの三年間で人口の約半分、二千三百八十万人が罹患、三十八万八千七百二十七名が死亡されたとのことでした。 スペイン風邪の原因はインフルエンザウイルスなのですが、これが分かったのは流行が終わって十五年が過ぎた一九三五年のことです。というのも、当時はウイルスを観測できる電子顕微鏡がなく、敵の姿が全く分からないのに闘っていたことになります。 反面、新型コロナウイルスに関して言えば、スペイン風邪とは違い、長距離移動の劇的な時間的短縮もあり、世界的に短時間で感染拡大につながっているのではないでしょうか。 しかし、科学技術が発達した現代で、発生から僅か約十一か月の間に、ワクチンの完成も間近に、そして特効薬の開発も進んでいます。一日も早く、それらの安全な使用ができ、日常が取り戻せることを期待してやみません。 私は、九月議会におきまして、山口県立総合医療センターへの救急搬送について、搬送時間の短縮につながる道路網の整備を訴えさせていただきました。その同じエリアにおいて、十月五日、防府市長様と防府市議会議長様から幹線道路ネットワーク構想の推進という形で陳情が上がっております。救急搬送時間短縮につながる陳情だとも思います。どうぞ前向きに御検討をお願いしたいところです。 さて、九月議会終了から今議会が開催されております間に、決算特別委員会への参加をさせていただきました。令和元年度の山口県の行ってきた取組をその場で勉強させていただくことができました。過去のことにはなりますが、今後のコロナ禍でも生かしていける取組がたくさんあったと実感しております。 それでは、通告に従い質問を始めさせていただきます。 まず初めに、反転攻勢へのさらなる挑戦についてです。 私は、六月議会において、教育、介護・福祉、情報インフラについて、反転攻勢への挑戦として質問をさせていただきました。その中でも身近なコロナウイルス感染拡大防止の観点から、県民はもちろん、不特定多数の多くの人が利用する施設である県有施設の蛇口、県立学校の蛇口等は、ハンドル式からレバー式に、そして自動水栓型に取り替えるだけでも、さらなる感染拡大防止につながると思いますと申し上げたところ、早速、県立高校への蛇口への対応をしていただきました。 コロナ対策として行われている、県民に寄り添った形の様々な施策を行っていただいていらっしゃること、同時に、十一月十二日、政府に対しての要望の中にしっかり組み込んでいただき、感謝の念を申し上げる所存です。 あくまでも私論ではありますが、日本において感染拡大が爆発的に始まったのが三月末頃から四月上旬。感染拡大が八か月目に入った今は、短い期間での感染者数の波は三つ数えることはできます。 しかし、長期的な目で見てみると、まだまだ感染拡大の第一波ではないかと考えてしまいます。または、二波と呼ばれていた期間から三波と言われているまでの間、ちなみに九月二十三日が二百十九名と、感染者数が最も少ないデータとなっておりますが、その勢いを落とすことなく、三波と言われる今に至っているのが現状です。 実は今、私たちが考えている、またしきりに言われている今の波、第三波は第二波の続きと言って過言ではないかもしれません。 さて、先ほど、さらなる挑戦と申し上げましたが、コロナウイルス感染拡大から様々な形で県内経済、教育分野、医療福祉分野において、スピード感のある的確な取組を様々行っていただいておりますが、コロナ禍で疲弊した山口県内の経済は、緊急事態宣言下における飲食店等の休業への協力金や、影響を大きく受けている食事提供施設への営業持続化等支援金、県内経済の下支えとして、「行こうよ。やまぐちプレミアムキャンペーン」「みんなでたべちゃろ!キャンペーン」、クラウドファンディング形式の「元気にやまぐち券」などのおかげで、コロナ禍の中でしっかり支えていただき、行ってこられた政策のおかげで、県内経済は回復し始める兆しが見えておりました。 しかし、冬を迎え、全国的に感染者が大爆発的に、あろうことかクラスターが多発してしまいましたが、回復し始めた経済環境を振出しに戻すことなく推移させることが今の課題であると感じております。 そこで、県内経済下支えに係る取組についてお尋ねをいたします。 宿泊券の発売が七月十七日から始まった「行こうよ。やまぐちプレミアムキャンペーン」は、四回の販売ともコンビニエンスストア店内に行列ができ、サーバーがダウンしてしまうほどの人気で、四回に分けて発売した全てで初日で売り切れとなりました。 「みんなでたべちゃろ!キャンペーン」も、店舗でのカタログギフト販売が早々に売り切れ。「元気にやまぐち券」も同様に、予定していた四期目を待たず、三期目の初日に終了。 自粛、自粛で生活を制限されていた県民の皆様にとって、コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受けてしまった事業者にとって、すばらしい取組だったと思います。 宿泊券は令和三年一月十五日まで、「元気にやまぐち券」におきましては、令和三年三月三十一日までが使用期限なので、これからの使用もまだまだ期待でき、県内経済のさらなる活性に期待しておりますが、宿泊券に関しては高級な施設での使用が目立ち、県内各地のビジネスホテル等の安価な宿泊施設での利用が少ないといったお声や、入手することができなかった等の意見も耳にしております。 また、「元気にやまぐち券」の投資や「たべちゃろ!キャンペーン」の一部商品の購入はネットのみとなってしまい、ネット環境のない方は申込みができなかったと伺いました。 しかし、緊急性のある中で速攻での実施には、困窮されていた県内の宿泊施設、飲食、小売を経営されている方にとって心強い取組だったと思います。引き続き、県内経済の下支えとなる政策の実施をお願いいたします。 そこでお尋ねいたします。感染拡大の予見も困難な上、ワクチンや特効薬の開発使用開始も不透明な中ではありますが、今後、どのような取組を県内経済維持のために行っていかれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、山口県の財政状況についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルス感染症対応緊急経済対策として、これまで四月に七百六十五億円、六月に二千五百八十二億円、九月に百二十六億円の補正予算が組まれております。合計すれば、今年度において三千四百七十三億円の補正予算が組まれ、財政の厳しい山口県にとって今回のコロナウイルスは大きな爪痕となり、今もその爪痕を深く刻み続けています。 山口県では基金の取壊し等を行い、コロナウイルスに対する今年度の予算編成にこぎ着けていただいておりますことは承知のとおりです。感染拡大の防止、県民生活の安定、県内経済の下支え、消費需要の喚起、社会変革の推進、全てに注力いただき、どの都道府県よりもすばらしい取組をしていただいていると誇りに思います。 さて、そろそろ令和三年度に向けた予算編成がされる時期となってまいりましたが、今までどおりの県民の生活のための予算の中に、コロナウイルス感染症対策の予算を積極的に取り組む予算になるのであろうと思います。 これからの予算編成において、去る十一月十二日、政府に対し、新型コロナウイルス感染症に係る特別要望書におきまして、地域の経済と雇用を支える中小企業への支援の充実、新型コロナウイルス感染症に係る地方財政支援について要望もされていらっしゃいます。 まだまだ長期化しそうなコロナウイルス感染症による県内経済の下支えとなる政策の継続も踏まえ、山口県財政の見通しに対する御所見をお伺いいたします。 今、山口県では、先ほども述べました保有基金の取壊しや保有財産等の活用、未利用財産等の売却・貸付け、県税収入等の確保などを行い、財源を確保されています。 私は、昨年六月議会におきまして、新たな信号機設置や横断歩道や標識の維持管理を目的にネーミングライツや広告の導入についての質問をいたしました。山口県屋外広告物条例により、公共的な目的を持ってなされる場合などを除いて、信号機への広告物の表示や広告物の掲出が一切禁止されていますと答弁いただきました。 私は、これから、まだまだコロナの影響による経済対策や山口県の財政を考えていく上で、少しでも財源を多く確保する必要があると考えます。今後の山口県の財政を潤沢にまでとはいかないかもしれませんが、山口県屋外広告物条例を改正し、広告収入等から山口県への歳入を増やす取組はできないでしょうか。県の御所見をお伺いいたします。 次に、誹謗中傷から守る取組についてお尋ねいたします。 日本赤十字社が新型コロナウイルスについて三つの顔を知ろうと提唱されていらっしゃることは、御承知のとおりでございます。三つの感染症という顔があるそうです。「第一に病気そのものです。第二に不安と恐れ。ワクチンや特効薬がなく、分からないことも多いため、不安や恐れを感じ振り回されてしまうという顔です。不安や恐れは私たちの心の中で膨らみ、気づく力、聴く力、自分を支える力を弱め、瞬く間に人から人へ伝染するそうです。そして第三に、嫌悪、偏見、差別。不安や恐れは人間の生き延びようとする本能を刺激するそうです。そして、ウイルス感染に係る人やその対象を日常生活から遠ざけたり、人と人との信頼関係や社会のつながりが壊されてしまいます」と提唱されています。 まさに、提唱されていることが起きてしまっている。そのように感じるのは私だけではないと思います。 コロナウイルスに感染したくて感染してしまう人は、誰一人としていらっしゃらないと思います。不注意で感染してしまうことはあるかもしれませんが、仕事等での感染も起こると思います。 さきに述べました政府への要望書の中の検査体制・医療提供体制の整備において要望もしてくださっておりますが、罹患されてしまった方が誹謗中傷されてしまうという悲しい出来事も起きていると伺います。罹患者が誹謗中傷されない、最低限で抑えていくための対策を山口県としてどのように取り組んでこられたか。また、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 反転攻勢へのさらなる挑戦の最後の質問です。 空き家対策についてお尋ねいたします。 スペイン風邪の際にも申しましたが、スペイン風邪の第一波によって、第一次世界大戦の終結を早めることとなりました。感染症の発生の中で唯一プラスと捉えることができた出来事だったのではないでしょうか。 今回の新型コロナウイルス感染症、日本においても、もしかしたらプラスに転じることが起こっているのかもしれません。それは提唱されてからなかなか加速しない地方創生です。 コロナ禍で社会生活に変化が確実に起きていると思います。都市部において密閉・密集・密接な三密な生活スタイルの回避。若者、地方出身者等を中心に地方移住への関心の高まり。在宅勤務、テレワークの定着。ワーケーションの広がり。企業の本社機能を地方に移転する動き。地方創生イコールテレワークの推進に関連づけができないでしょうか。 十月五日、村岡知事が全国知事会のデジタル社会推進本部本部長に就任され、デジタルトランスフォーメーションの推進や情報通信技術の基盤整備、充実にまたとない追い風が山口県には吹いています。それらの整備を推し進め、環境を整えることができれば、さらなるテレワークの推進につながるのではないでしょうか。 そして、そのことが、今問題となっている空き家対策にもつながると思います。空き家の持ち主の方の中には、自分が所有する使用されていない住宅を活用することができないか、模索されていらっしゃるはずです。 県の課題である空き家対策を進めるため、山口県が持つ美しい山々と清流、三方に開かれた海という恵まれた自然環境を生かし、テレワークの活用などコロナ禍を逆手に取った取組を組み合わせることが有効だと考えますが、御所見をお聞かせください。 次に、「やまぐち Free Wi─Fi」についてお尋ねいたします。 ふだんの生活で事あるごとに手にしてしまうスマートフォン。利用者の拡大が増えていることは承知のとおりです。 二○一九年度の携帯電話契約数は一億八千二十五万八千六百件に達し、初めて一億八千万件を突破し、日本における携帯電話サービスの人口普及率は一四三%となりました。もちろん一人が一台とは限らず、数台所有されていらっしゃる方もおりますし、また、法人で大量に契約されている場合もあります。 とあるマーケティング機関が行った調査では、十五歳から七十九歳男女の携帯電話所有者にスマートフォンの所有比率は二○二○年一月、最新のデータで八八・九%だったそうです。二○一○年には四%程度だったスマートフォンの所有比率ですが、二○一五年に五割を突破し、二○一九年に八割を超えました。そして、二○二○年にはスマートフォンの比率は約九割になろうとしています。 年代的に見ると、スマートフォン、携帯所有者で、十代と二十代では九九%以上、三十代、四十代で九割以上がスマートフォンを利用しており、四十代以下でのスマートフォンの利用が定着してきたことがうかがえます。また、五十代でもスマートフォン、携帯所有者のうち約九割、六十代でも約八割、七十代では約七割がスマートフォンを利用しているという結果が明らかになり、シニア層にもスマートフォンが拡大していることがうかがえます。 二○一六年から山口県とNTT西日本様との官民協働によりスタートした「やまぐち Free Wi─Fi」は、外国人観光客が快適で利用しやすい無料公衆無線LAN環境の整備を図るためとの目的ですが、設置されているポイントでは、どなたでも利用することができます。観光で山口県を訪れた方、ポイント設置箇所の近くに住まわれていらっしゃる地域の多くの県民の皆様、多くの方が利用できます。 さらに、本年五月からそのサービスも向上し、民間施設での使用制限が三十分掛ける二回から六十分掛ける四回に増え、「やまぐち Free Wi─Fi Premium」と言われる公共施設での使用が三十分無制限から六十分無制限に変更となりました。これは全ての利用者にとってありがたいサービスの向上だと思います。また、スマートフォンに慣れない御高齢の方にとって、時間の延長は非常にありがたいものだと思います。 先ほど触れさせていただいたテレワークの際、ワーケーションの際にも利用が可能になるよう、今後さらなるサービスの向上ができる取組ですが、令和二年十月三十一日現在、公共施設百八十五か所、県内全域で九百四十九か所ものポイントで使用が可能となっております。今後設置ポイントが増えることが、インバウンドはもとより、新たにテレワークやワーケーションをも推進していく山口県として、その取組を売りにしていく上で必要になってくるかと思います。今後に向けた「やまぐち Free Wi─Fi」の在り方、設置ポイント拡大の目標をお聞かせください。 また、外国人観光客にも人気の高い、海水浴場などの海岸をはじめとした絶景スポットへの設置、コロナ禍の三密を避けるレジャーとして注目を浴び始めているキャンプ場周辺や山間部への設置等も遅れている気がいたします。そのような場所への設置も急務だと思いますが、県の御所見をお伺いいたします。 最後に、災害廃棄物についてお尋ねいたします。 今年の七月に発災した熊本県を中心に、九州や中部地方を襲った豪雨災害では、被害状況の河川や山の映像、コロナ禍での感染拡大防止を行いながらの避難場所の映像、そして、どの災害でも出てしまう災害の現場で発生した、土砂に紛れた廃棄物等、映像を目にいたしました。 県内では、平成三十年七月、県東部を流れる島田川流域の四か所の氾濫により、多くの廃棄物が発生したということは承知のとおりです。遡ること、平成二十一年七月、私の地元防府市では、土砂崩れが多発的に発生し、土砂になぎ倒された木々、家屋をも巻き込んでおりましたので、家財道具やガラス等の危険物が多く混ざった廃棄物が発生いたしました。その災害廃棄物は、昨今の予測できない自然環境では、いわゆる想定を超えた災害が頻発し、住民はもちろん、自治体の方も苦慮される課題の一つだと思います。 廃棄物処理法では、廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物の二種類に分けられています。産業廃棄物とは事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃えかす、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、その他政令で定める廃棄物と定義されています。 その定義からすると、災害で発生した大なり小なり全てのごみは一般廃棄物となり処分されるのが一般的ですが、実際は産業廃棄物、混合状態に近いものが多いということもあり、いざ災害が起こったときに、被災地近隣の産業廃棄物処理施設で速やかに処理することができれば、安全衛生上も早期解決できるのではないでしょうか。 しかしながら、災害廃棄物は一般廃棄物のため、産業廃棄物処理施設では基本的には処分できないというジレンマがありますし、理不尽さを感じます。 また、一般廃棄物の処分に関しては、様々な問題があると言えます。民間の一般廃棄物処分業者は少なく、そうなると災害危険物の持込みは、実質、市町等の処理施設しかできませんが、実際には大量に発生する災害廃棄物への対応や処理困難なものもあり、結果として処理に時間がかかってしまうのが現状ではないでしょうか。 通常の廃棄物処分はルールを遵守し行っていくことが大切なことだと思いますが、これからの自然環境により毎年のように起こる災害や、迫りくる南海トラフ大地震等の大規模で広域に被害が想定される災害が起こる前に、災害廃棄物に対しての定義の見直しや、災害廃棄物が発生した際の官民がスムーズに連携できる体制の構築が必要となってくると思います。 そこでお伺いいたします。災害廃棄物対策に県としてどう取り組まれるのか、御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(藤生通陽君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)松浦議員の御質問のうち、私からは、県内経済下支えに係る取組についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症が、飲食や宿泊など県内経済の様々な分野に大きな影響を及ぼす中、私は、感染症の状況や企業の経営環境等を見極めつつ、県内経済をしっかりと下支えする施策を効果的に実施することが重要と考えています。 このため、プレミアムキャンペーンなどの消費需要喚起策に先んじて、県制度融資や補助制度の創設等、感染症の影響を受ける事業者に対し、影響の初期段階から経営環境の変化に応じた支援策を切れ目なく、かつ、機動的に講じてきたところです。 まず、事業者にとって喫緊の課題である資金繰り支援のため、県制度融資経営安定資金の融資枠を拡大するとともに、国の緊急経済対策を活用し、新型コロナウイルス感染症対応資金も創設しました。 また、定額支援金を、食事提供施設に対して交付するとともに、新しい生活様式を踏まえた換気設備の設置など事業環境の整備や、テークアウトの開始など新たな取組に対する補助制度を創設し、意欲的な事業者を支援しました。 こうした県独自の下支え支援に加え、新たな交付金制度を創設することにより、地域の実情に応じて、きめ細かく施策づくりを行う市町の主体的な取組に対する支援も実施しているところです。 私は、引き続き、これまでの取組を着実に進めるとともに、感染症をめぐる状況がマインドに与える影響も含め、今後の動向を注視しつつ、必要に応じた支援を迅速に実施することにより、県内経済の維持に努めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(藤生通陽君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)県の財政状況に関する御質問のうち、県財政の見通しについてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う県税収入の大幅な減少見込みにより、来年度における現時点での財源不足額は約七十億円と見込まれるなど、県財政は極めて厳しい見通しとなっています。 しかしながら、このような状況にあっても、感染防止対策や県内経済活性化などコロナとの長期戦を見据えた対策には、これからも継続して取り組んでいく必要があります。 そのため、地方創生臨時交付金など国交付金等の財源措置や、地方一般財源総額の確保・充実について、先般、国に要望を行ったところです。 県としては、感染防止対策と経済活性化の両立に向け、選択と集中の観点に立って、事業の不断の見直しや財源確保等に取り組み、真に必要な施策に限られた財源を集中投資することとしています。 副議長(藤生通陽君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)県の財政状況についてのお尋ねのうち、山口県屋外広告物条例の改正についてお答えします。 山口県屋外広告物条例では、良好な景観を形成するとともに、公衆に対する危害を防止することを目的として、地域や物件等を定めて、広告物の表示等を規制しています。 お示しの信号機への広告物の表示等については、信号機そのものの効用を妨げ、道路の交通の安全性を阻害するおそれがあることから、公衆に対する危険防止の観点から禁止しているところです。 このように、県民の安全を確保するため、また、地域の景観を保全するためには、広告物等に対する一定の規制は必要であることから、県としては、山口県屋外広告物条例を改正することは考えておりません。 次に、空き家対策についてのお尋ねにお答えします。 県では、やまぐち維新プランの重点施策に空き家対策の推進を掲げ、その実施主体である市町と連携しながら、空き家の適正管理や利活用の取組を一体的に進めています。 具体的には、山口県空き家対策連絡会を設置して、各種助成制度や取組状況について情報共有を図るほか、市町や関係団体と連携し、空き家相談会等を実施しているところです。 また、空き家の管理に関するガイドブックに加え、空き家利活用に関する事例集を作成し、所有者に対する意識啓発を図るとともに、市町の開催する空き家の利活用セミナーへの専門家の派遣や、空き家バンクの情報を県のホームページで発信するなどの取組を行っています。 県としては、コロナ禍におけるテレワークの浸透など生活スタイルが変化する中、新たな視点を取り入れ、空き家の一層の利活用に向けて市町や関係団体などと緊密に連携し、空き家対策に取り組んでまいります。 副議長(藤生通陽君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)感染者を誹謗中傷から守る取組についてお答えをいたします。 新型コロナウイルス感染症は、誰もがどこでも感染する可能性のある病気であり、感染された方やその御家族に対する誹謗中傷、偏見、差別は、絶対にあってはならないことです。 このため、県では、このようなことを決して行わないよう、ホームページやテレビ、ラジオ等を通じて、知事から県民へ繰り返し呼びかけるとともに、広報誌や地域情報誌等でも広く周知を図ってきたところです。 また、全国知事会や中国地方知事会においても、同様のメッセージを数度にわたって発出しており、国に対しては、風評被害の防止対策と併せ、相談窓口の充実強化など、差別や偏見を受けた方の人権を守る対策を講じるよう要望しています。 県としては、今後も県民への呼びかけなどを重ねることにより、感染者やその御家族に対する誹謗中傷、差別や偏見の解消と防止に向けて取り組んでまいります。 副議長(藤生通陽君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)「やまぐち Free Wi─Fi」についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、今後の「やまぐち Free Wi─Fi」の在り方、設置目標についてです。 外国人観光客の利便性の向上はもとより、テレワークなど新たなニーズにも応えていくため、事業者向けの研修会の開催等により、さらなる導入促進を図る必要があると考えています。 また、設置目標については、令和三年三月末までに千二百か所としており、引き続き、県内のWi─Fi環境整備を進めていくこととしています。 次に、キャンプ場等への設置についてですが、コロナ禍において、三密を回避できる自然豊かな観光地の需要が高まっており、今後、通信事業者と連携したPR等により、一層の設置を働きかけていくこととしています。 県としては、外国人観光客の快適な県内周遊を促進するとともに、コロナの時代における新たなニーズにも対応できるよう、引き続き、Wi─Fi環境の充実に取り組んでまいります。 副議長(藤生通陽君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)災害廃棄物についてのお尋ねにお答えします。 災害が発生した際に、県民の生活を早期に復旧させるためには、県、市町、民間事業者等が相互に協力し、災害廃棄物の処理を迅速かつ適正に行うことが必要です。 このため、県では、平成十八年に締結した山口県産業廃棄物協会との協定に基づき、官民が連携して、被災市町からの廃棄物の収集運搬や処分の要請に迅速に対応してきたところです。 また、大規模災害時においては、県災害廃棄物処理計画に基づき、近隣自治体からの人員や機材等の応援調整を円滑に行えるよう、広域の処理体制を整備しています。 さらに、市町の処理計画の策定に対する指導・助言を行うとともに、災害発生時の実務を想定した研修会を開催するなど、災害廃棄物の処理主体である市町の処理体制の強化に向けた取組を支援しているところです。 なお、お示しのように、災害廃棄物は、一般廃棄物処理施設で処理することが原則となっていますが、本年七月の法令改正により、非常災害時には産業廃棄物処理施設での処理を可能とする特例が設けられたところであり、県は、被災市町がこの特例を活用する際には、調整を図ることとしています。 県としては、今後とも、災害廃棄物が迅速かつ適正に処理されるよう、市町や民間事業者等と連携して、災害廃棄物対策に取り組んでまいります。 副議長(藤生通陽君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───◆─・──◆──── 副議長(藤生通陽君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会します。お疲れさまでした。 午後二時三十分散会