1 捕鯨産業の発展を通じた本県の活性化について 2 新しい生活様式に対応した県産品の需要拡大について 3 下関北九州道路について 4 野生鳥獣の被害対策について 5 児童生徒のいじめ、不登校問題について 6 部活動の充実について 7 その他
議長(柳居俊学君)西本健治郎君。 〔西本健治郎君登壇〕(拍手) 西本健治郎君 皆様、おはようございます。自由民主党、西本健治郎です。それでは、通告に従いまして一般質問を行います。 最初に、捕鯨産業の発展を通じた本県の活性化についてお尋ねをいたします。 昨年七月、我が国で三十一年ぶりに商業捕鯨が再開され、一年が経過いたしました。本年も脂の乗った大きな鯨が捕れ、七月には百二十四頭のニタリクジラが下関港に陸揚げされるなど、商業捕鯨再開後の操業は順調に進んでおり、歴史的・経済的に鯨と結びつきの強い県民の皆さんにとっても、こうした朗報は、かつてのにぎわい再興に向け、その期待はますます大きなものとなっているのではないでしょうか。 こうした中、現在、県が下関市と連携し、国へ要望活動を行っている母船式捕鯨の下関の母港化は、捕鯨産業の発展に向けて不可欠な柱となるものです。この要望が実現し、将来、老朽化した母船に代わる新船が下関で建造されることになれば、市内の造船業や、そこに部品・器械類供給する関連産業の活性化はもとより、航行に必要な幅広い物資の調達など裾野の大きな広がりも期待され、本県経済に与える波及効果は計り知れないものがあります。 新船の建造につきましては、近い将来、国の方針が示される予定となっていますが、下関の母港化を確実なものとするためには、全国で唯一、沖合操業の基地となっている本県の優位性を国にしっかりと示さなければなりません。そのためには、本県が鯨食文化の復活に向けて、県民一丸となり鯨肉の消費拡大を推し進めていく必要があり、県及び市の積極的な取組や後押しが重要ではないでしょうか。 しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により、鯨肉の流通や消費はおろか、主要な県産品の消費にも大きな影響が生じることとなり、出ばなをくじかれた感となりました。 ですが、この逆風の中にあっても、下関市では、地元飲食店をはじめとした官民一体の協議会を設置され、鯨食普及に向けた体制を整備したほか、秋には全国鯨フォーラムの開催も予定されており、これらを消費拡大に向けた絶好の機会と捉え、今こそ、コロナに負けない、コロナを吹き飛ばす強力な施策展開が求められています。 そこでお尋ねいたします。捕鯨産業の発展を通じた本県の活性化に向けては、母船式捕鯨の下関の母港化を確実なものとすることが必要であり、そのためには、本県が一丸となり鯨肉の消費拡大を推進していくことが不可欠と考えますが、県として今後どのように取り組まれるのかお伺いをいたします。 次に、新しい生活様式に対応した県産品の需要拡大についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルスの影響によるイベント中止や外出自粛を背景に、牛肉や高級魚など、外食向けの品目では需要が大きく減少し、市場価格の低迷など、多くの生産者が厳しい経営環境に置かれています。 このため、県や生産者団体は、影響の大きな品目を対象に、消費拡大に向けて様々な販促活動を展開され、県内の生産者を応援してこられました。その内容は、魅力的なレシピ動画の配信や大規模な割引販売キャンペーンの展開など多岐にわたっており、これらの取組をきっかけに地元産品の良さに改めて気づいたという方も多いのではないでしょうか。 私の身の回りにも、こうした時期だからこそ、できるだけ県産品を購入するよう心がけているという方が増えており、地元の物を買って、応援しようという機運の高まりを強く感じているところです。このように、県産品の需要拡大の取組を進めるには、今が絶好の機会ではないでしょうか。 そうした中、本県では七月以降、新型コロナウイルスの感染者が再び増加傾向にあり、ウイルスと共存し、社会経済活動を行っていくには、感染拡大を予防する新しい生活様式の実践が不可欠となっています。人との間隔はできるだけ二メートル空け、会話をする際は可能な限り真正面を避けるなど、非対面による経済活動が求められる中、県産品の需要拡大の取組も新しい生活様式への移行が急務となっています。 こうした状況を踏まえ、全国各地ではネットショップの開設や無人販売機の導入など、売手と買手の接触機会を低減させる様々な取組が広がっており、中には大きな成果を上げている例もあると伺っております。 非対面による販売では、生産者の思いや商品のすばらしさを消費者に伝える工夫が必要ですが、一方で、感染リスクの低減に加え、効率的な販売も期待できるため、私は大きな期待を感じており、本県においても非対面による販売など、新しい生活様式に対応した需要拡大の取組を積極的に導入し、感染リスクを抑えながら、より多くの県産品ファンを獲得していただきたいと願っております。 そこでお尋ねいたします。新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にある中、県産品の需要拡大の取組についても、ウイルスの存在を前提とし、新しい生活様式に対応しながら進めるべきと考えますが、県として、今後どのように取り組まれるのかお伺いをいたします。 次に、下関北九州道路についてお尋ねいたします。 本州と九州の結節点である関門海峡は交通の要衝であり、下関市と北九州市を結ぶ関門橋、関門トンネルは、物流をはじめ、日本経済を支える大動脈であります。 しかしながら、橋とトンネル、いずれも供用開始から長い年月が経過しているため、老朽化が著しく、慢性的な渋滞をはじめ、補修工事や悪天候、車両事故等による通行規制が頻繁に発生しているのが現状です。 このうち、本年七月には、九州北部や本県を襲った豪雨の影響により、七日昼から八日朝の約十六時間にわたって関門橋が通行止めとなりました。これにより、下関市街地では大渋滞の発生に伴い市内交通網が麻痺し、県民生活や経済活動に甚大な影響が生じる事態となりました。 我が国並びに本県のさらなる経済発展や交流人口の増大、住民生活の安定を考えれば、関門海峡において交通物流機能が頻繁に遮断される現状は一刻も早く改善しなければならず、下関北九州道路の早期整備はまさに急務であります。 これまで二県二市が連携し実施してきた調査検討や、地元や経済界が一丸となって粘り強く行ってきた要望活動が実を結び、本年度から国の計画段階評価に移行し、七月には国の小委員会が開催されるなど、その取組は一歩ずつ着実に前進しています。 このように、下関北九州道路を早期整備するためには、引き続き歩みを止めることなく、国と地元が連携しながら、事業化に向けた次の段階へ速やかに移行させることが重要です。 また、当該道路の実現に向けた行政側の進展に伴い、民間団体や住民など地域の機運も高まってきています。 本年七月には、下関青年会議所が中心となり、下関市内の小中学生を対象に、どんな道路ができたらうれしいか、また、下関がどんな町になってほしいかを描いた絵画作品を募集し、その思いやアイデアを国へ届けようという取組が実施されました。子供たちにふるさとの未来を想像する機会を与えてくださった地域の皆様へ感謝するとともに、早期実現に向けた非常に心強いエールと受け止めています。 残念ながら、本年は新型コロナウイルスの影響により、この夏の整備促進大会の開催は見送られましたが、私どもとしても、より一層、地元の熱意を国にしっかりと届けていかなければならないとの思いを強くしたところです。 そこでお尋ねいたします。下関北九州道路の早期整備に向けて、国が計画段階評価に移行し、地域の機運も高まる中、この動きをさらに推し進めていくため、県として今後どのように取り組まれるのかお伺いをいたします。 次に、野生鳥獣の被害対策についてお尋ねいたします。 本県における鹿やイノシシ、猿などの野生鳥獣による農林業被害は、二○一九年度で四億三千万円にも上り、二○一○年度をピークに減少傾向にあるものの、依然として深刻な状況にあります。 また、これらの野生鳥獣の増加や生息域の拡大は、こうした農林業被害にとどまらず、人的被害や生活環境の悪化、また生態系への影響など、様々な問題をもたらしています。 中でも、私の地元下関をはじめとする山口県西部では、県内の他地域に比べて多くの鹿が生息しており、農林業被害に加え、庭木や家庭菜園の食害や踏みつけ、交通事故や希少植物の食害など、幅広い範囲に影響が及んでいます。 県の発表によりますと、二○一九年度に捕獲された鹿は六千七百九十一頭と過去最高となり、十年前と比較しても三・六倍、捕獲数は増加をしていますが、一方で、私の身近では、今なお人里に近い場所で鹿は頻繁に出没し、人目につく機会は逆に増えているのが実情ではないでしょうか。 そこで、鹿の生息数について見てみますと、二○一九年度末現在の県内における鹿の生息数は二万頭余りとされていますが、これはあくまで捕獲数や目撃情報、ふんの密度調査などに基づく推計値であり、実際の生息数は、さきに述べた鹿に起因する様々な問題から勘案しても、二万頭以上であることは容易に推察できます。 また、生息範囲についても、確実に広がってきていることは明らかです。地元猟友会の話によりますと、昔から鹿の目撃情報や農林業被害があった地域では、長年、猟師の皆さんにより捕獲圧がかけられていたため、その猟場では個体数が増えることはないが、一方で、その周辺地域では鹿が増加しているという現象が起きていると伺いました。 このことは、鹿の生息数の増加はもとより、生息域の広がっていることを意味しており、今後は範囲拡大の最前線地域でしっかりと捕獲することも必要となってまいります。 加えて、猟師が高齢化し、活動できる人員が少なくなっているという点も切実な問題であり、捕獲方法や山の歩き方など、次世代へと技術や知識を伝承していくことも喫緊の課題ではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。今後、鹿等の生息状況をしっかりと把握し、広域的な管理を進めるともに、対策の基盤となる担い手の確保・育成や新しい捕獲技術の普及等、一層の取組が必要と考えますが、県は今後どのように取り組んでいかれるのか御所見をお伺いいたします。 次に、児童生徒のいじめ、不登校問題についてお尋ねをいたします。 いじめや不登校のない、全ての子供たちが明るく楽しい学校生活を送ってほしい、このことは誰もが思う共通の願いです。しかし、実態として、いじめや不登校の事案はいまだなくならず、依然として学校現場における大きな課題となっています。 文部科学省の調査によりますと、平成三十年度の小・中・高校と特別支援学校におけるいじめの認知件数は、全国で五十四万三千九百三十三件、山口県では四千百十六件、また小・中・高校における不登校の児童生徒数は、全国で二十一万七千二百五十一人、山口県では千七百九十二人となっており、どちらも全国、山口県ともに前年度よりも増加しております。 また、山口県の近年の推移を見ても、いじめの認知件数、不登校の児童生徒数ともに増加しているのが現状です。 不登校の要因として、学校での友人関係、無気力、学業不振、進路への不安、家庭状況など様々な要因が指摘されていますが、そういった中でも、いじめにより不登校に至ってしまうケースも後を絶ちません。子供たちそれぞれが抱える悩みや苦しみは異なっていることから、今後も行政としても子供たちに熱心に向き合い、慎重かつきめ細かな対応が求められます。 私の地元下関でも、いじめやいじめに起因する不登校の事案は後を絶たず、長期間の欠席や、その結果、やむを得ず転校という手段を選ばざるを得ない事例等もあり、当事者である児童生徒自身は当然のことながら、保護者や学校、また地域にとっても大変悲しく、残念な出来事です。 また、このような事案は、関係者のみでなく、同級生や学級内の日常会話にも影響を及ぼし、学校全体の雰囲気を悪くしてしまうといった事例もあることから、いじめ、不登校問題の未然防止や早期解決に向けた取組は非常に重要なものであると考えております。 本県においては、これまでの取組に加え、昨年度はLINEアプリ等を活用した相談窓口の開設や、私が昨年質問いたしましたスクールロイヤー制度も今年度から運用が始まりました。今後も引き続き、先生方の熱心な指導や、保護者や地域住民の温かい理解と見守りに加え、こうした県の取組など考えられる手だてを総動員し、辛抱強く子供たち一人一人に向き合っていくことが、信頼関係を生み出し、必ず明るい学校生活を取り戻すことへつながっていくものと信じております。 そこでお尋ねをいたします。子供たちの健やかな成長と充実した学校生活のために、いじめ、不登校問題に今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 最後に、部活動の充実についてお尋ねをいたします。 部活動問題につきましては、私はこれまで、二○一五年七月の初登壇以降、一貫して質問をしてまいりましたが、改めて部活動は勉学と並ぶ重要な教育活動の一環として、心身の鍛錬、生涯の仲間や生きがいとの出会いを通じ、子供たちの健やかな成長に寄与し、また、社会で必要とされる人間形成に不可欠な役割を有しております。 しかしながら、近年では少子化の影響により、生徒数の減少による廃部や指導者不足など、部活動が持つ本来の役割、魅力を発揮できない状況が出てきていることや、教員の部活動に係る業務負担を軽減し、働き方改革を推進していくことも求められるようになりました。 また、このような部活動を取り巻く環境は、今後さらに大きな変革期を迎えようとしています。今月一日、文部科学省は部活動の改革方針を取りまとめ、その改革方針には、長時間労働が問題となっている教員の負担を軽減するため、公立の中学校、高校における休日の部活動を地域や民間団体に委託し、教員による指導は希望者のみとすることなどが盛り込まれました。この改革は、令和五年度以降、段階的に実施されることとなりますが、今後の動向を注視していくべきものであると考えております。 さて、これまでも部活動の運営や指導の在り方は大きな課題となっておりましたが、そのうち、さきに述べた指導者不足問題については、県はその状況を早期に把握し、顧問の代わりに技術指導などを行う部活動指導員の活用をはじめ、様々な取組を行い、部活動の効果を広く子供たちが享受できるよう努めてこられました。 中でも、部活動指導員の活用については、平成三十年度の導入以降、その配置人数が徐々に増加しており、今年度は九月時点で県立学校に三十四名、七月時点で公立中学校に五十六名が配置されるなど、着実な成果を上げておられます。 しかし、運動部・文化部にかかわらず、指導者の行き過ぎた指導や部員同士の人間関係のあつれきなど、部活動の運営上の課題があり、意欲や能力を十分に有している生徒であっても、残念ながら退部を選択してしまう実態も見受けられます。 今後は、こうした課題にもしっかりと対応していくため、部活動指導員制度の運用によって指導者の確保が一定の成果を上げている今こそ、指導力の向上はもとより、適切な指導方法や部員間トラブルの解消など、指導者自身のさらなるレベルアップを目指し、新人、ベテランにかかわらず、これからの時代に求められる新たな技能の習得に向け、指導者講習を積極的に行っていくことが必要ではないでしょうか。 そうした取組が、元気で活気のある部活動にしていくこと、また、部活動が持つ様々な魅力や効果を多くの生徒が享受でき、すばらしい人材を輩出していくことにつながるのではないかと考えております。 そこでお尋ねをいたします。部活動の充実を進めていくため、部活動指導員をはじめ、指導者のさらなる資質向上にどのように取り組んでいかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)西本議員の御質問のうち、私からは、下関北九州道路についてのお尋ねにお答えします。 下関市と北九州市は、古くから海峡を挟んで一体の都市として発展しており、我が国の産業や経済をリードする地域として、より一層の成長が期待されています。 私は、今後、両市がさらなる発展を遂げるためには、人や物の交流を促進し、地域間の連携を一層強化する下関北九州道路の整備が不可欠と考えています。 また、近年頻発する大規模災害時にも機能する信頼性の高い道路網を構築するためにも、その早期整備が極めて重要です。 このため、関係県市や経済団体と一体となって、議会の皆様とも連携しながら、当該道路の必要性を訴えてきたところであり、今月十一日にもウェブにより中央要望を実施し、赤羽国土交通大臣に早期事業化を求めました。 大臣からは「必要性は言うまでもない。早く造ってつなげることが大事。地元と連携して最大の努力をする」との大変力強い発言をいただき、私としてもこれまで以上にスピード感を持って、全力で取り組む決意を新たにしたところです。 こうした中、お示しのとおり、下関青年会議所により、市内の小中学生を対象にした絵画作品の募集が行われました。次代を担う児童生徒からは二百四十二点もの作品が寄せられたところであり、その一枚一枚に込められた下関北九州道路への思いやアイデアに触れ、早期実現に対する期待の大きさを改めて実感しました。 今後は、こうした地域の大きな期待を追い風に、早期整備に向けた機運を一層高めるため、新型コロナウイルス感染症の状況も踏まえながら、整備促進大会を開催し、地域の熱い思いを届けるため、中央要望を実施したいと考えています。 また、このたびの絵画の入選作品については、下関市役所や県庁で展示するとともに、当該道路のパンフレットに掲載し、事業のPRや必要性のアピールに積極的に活用するなど、地域の取組とも連携しながら、住民をはじめとした広範にわたるコンセンサスの形成にも努めてまいります。 さらに、早期整備に向け、次のステップである環境影響評価や都市計画の手続への速やかな移行につながるよう、国や関係県市と一体となって、計画段階評価に係る調査検討を迅速かつ着実に進めていく考えです。 私は、引き続き関係県市や経済界と緊密に連携し、議会の皆様のお力添えもいただきながら、下関北九州道路の早期実現を目指し、積極果敢に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)捕鯨産業の発展を通じた本県の活性化についてのお尋ねにお答えします。 商業捕鯨の再開を契機に捕鯨産業を発展させ、本県の活性化につなげるためには、母船式捕鯨の下関の母港化と鯨肉の消費拡大が重要であり、県議会や下関市等と連携し、国に対して母港化の実現について要望するとともに、学校給食を通じた鯨食文化の普及等に努めてきたところです。 今後、お示しのように、母港化の実現に向けて鯨肉の消費拡大を進めていくためには、若年層をはじめとした鯨食になじみが少ない方々をターゲットに普及啓発を図るとともに、県内各地で気軽に鯨料理を味わえるよう、取り扱う料理店を拡大していくことが必要です。 このため、まず鯨食の普及啓発については、SNS等を活用し、鯨肉の優れた栄養成分や食べ方をPRするほか、秋に開催予定の全国鯨フォーラムを絶好の機会と捉え、下関市鯨肉消費拡大推進協議会とも連携し、鯨の魅力を県内をはじめ全国に向けて発信します。 次に、料理店の拡大については、先般、鯨に興味のある店舗を対象に鯨肉取扱講習会を開催したところであり、今後、受講された六十三店舗に対し鯨肉サンプルを提供し、新たな取扱いを促すなど、下関市から県内各地に波及するよう努めてまいります。 また、これらの料理店の情報は、県内各戸に配付するチラシやSNS等により、幅広い世代に向けて積極的にPRし、利用の拡大につなげます。 県としては、捕鯨産業の発展を通じた本県の活性化に向けて、下関市や関係者と緊密に連携し、県民一丸となった鯨肉の消費拡大を推進してまいります。 次に、新しい生活様式に対応した県産品の需要拡大についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症の拡大により、大きく減少した県産農林水産物の需要の回復、拡大を図るため、和牛や花卉等の割引販売を行うキャンペーンを展開するとともに、県産品を手軽に購入できるネット販売サイトを立ち上げるなど、関係者一体となった取組を進めているところです。 こうした中、いまだ感染症の収束が見通せないことから、県産品の需要を拡大するためには、新しい生活様式に積極的に対応する必要があり、デジタル技術を活用した新たな地産地消対策や、非対面による首都圏での販路開拓に取り組むこととしています。 まず、地産地消対策については、県内約百五十の販売協力店等にデジタルサイネージを設置し、生産者のこだわりや旬の食材を紹介する映像を一斉に配信するなど、効果的に県産品の魅力を発信します。 また、量販店等で県産品のPRを行ってきた地産地消サポーターの経験を生かし、デジタルサイネージを活用してリモートで相談対応や調理実演を行うなど、新たな販売促進にも取り組みます。 次に、首都圏での販路開拓については、県外に移動することなく商談機会を確保できるよう、オンラインで商談予約や商品紹介などが行える本県独自の商談システムを構築し、効率的な売り込み活動を展開します。 さらに、AIカメラつき自動販売機を活用し、消費者のアクセス状況等のデータを自動で蓄積、分析する実証実験にも取り組み、市場ニーズの把握や販路開拓につなげていきます。 県としては、コロナ禍においても、新しい生活様式に対応しながら、県産品の需要拡大に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)野生鳥獣の被害対策についてのお尋ねにお答えします。 県では、農林水産業に深刻な被害をもたらす鹿やイノシシなどの野生鳥獣について、管理計画を定め捕獲等の対策を実施するとともに、担い手の確保・育成や捕獲技術の普及等に取り組んでいるところです。 とりわけ鹿については、お示しのとおり、昨年度の捕獲頭数は過去最高となったものの、目撃が増えている地域もあり、生息域が変化・拡大していることから、広域的な管理が重要となります。 このため、狩猟者や地域住民からの情報と、市町や関係団体、専門家等の意見を参考に、地域別の生息状況の的確な把握に努め、主たる生息地である下関市、長門市、美祢市や周辺五市町とも連携して、広域的な捕獲を行い、引き続き生息域の拡大抑制を図ってまいります。 また、捕獲の担い手の確保・育成に向けては、狩猟免許取得者の増加につながるよう、一般県民を対象に狩猟の魅力を発信するイベントや免許取得費用の一部助成を行っているところです。 特に若い世代の掘り起こしが必要であることから、農業大学校において、免許試験会場を設けるとともに、今年度からは有害鳥獣の捕獲をテーマとした講義も行っています。 こうした取組を進める中で、減少傾向にあった免許所持者の総数は、平成二十八年度以降、約四千三百人を維持しており、六十歳以下の割合は二六%から三七%に増加しています。 さらに、捕獲の技術の普及等に向けては、次世代へ技術や知識の継承を図るため、猟友会等の協力を得て作成した、わな捕獲・解体マニュアルを活用した研修や、ベテラン猟師による狩猟の実地研修を行っているところです。 今年度からは、経験の浅い狩猟者が鹿の捕獲に容易に取り組めるよう、くくりわなの新たな設置手法について実証試験を行い、その成果を広く普及していくこととしています。 県としては、今後とも、市町や猟友会等関係団体と連携し、生息状況の的確な把握に努めながら、捕獲体制を強化し、野生鳥獣の被害対策にしっかりと取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)浅原教育長。 〔教育長 浅原司君登壇〕 教育長(浅原司君)教育に関する二点のお尋ねのうち、まず児童生徒のいじめ、不登校問題についてです。 いじめの認知件数や不登校児童生徒数が、本県においても増加傾向にある中、いじめや不登校の未然防止、早期解決に向けた取組を子供たち一人一人の状況に応じて進めることが重要です。 このため、学校では、道徳教育や豊かな人間関係づくりに向けた体験学習などを通して心の教育を進めることにより、いじめや不登校の未然防止に努めてまいりました。 また、これらの兆候を早期に把握し、迅速かつ組織的に対応できるよう、児童生徒のきめ細かな観察に加え、定期的な教育相談や生活アンケートの実施などに取り組んできたところです。 こうした学校の取組をさらに充実させていくためには、専門家等と連携した取組を強化していくことが必要であり、昨年度から、スクールカウンセラーによる心理教育プログラムや弁護士によるいじめ予防教室を実施し、心の教育の一層の充実を図ってまいりました。 また、昨年度開設したSNS等を活用した相談窓口の対象を、今年度、県内全ての高校生に拡大するとともに、新たにスクールロイヤーによる相談体制を構築するなど、児童生徒が抱える課題の早期解決への支援に努めているところです。 今後は、これらの新たな取組の成果や課題を検証し、その取組がより一層子供たち一人一人に向き合い、実効的なものとなるよう、工夫改善を図っていくこととしています。 県教委といたしましては、市町教委と連携しながら、学校、家庭、地域、関係機関等と一体となって、いじめや不登校の未然防止はもとより、認知した全てのいじめの解消や不登校児童生徒の社会的自立に向け、着実に取り組んでまいります。 次に、部活動の充実についてです。 部活動は、学校教育の一環として行われ、生徒の体力や技能の向上を図るとともに、人間関係の構築や責任感・連帯感の涵養に資することから、その充実を図ることが重要と考えています。 このため、県教委では、昨年、県の部活動方針を策定し、生徒にとって望ましい部活動環境の構築を進めるとともに、部活動指導の手引きを改訂し、その活用の促進や各種研修会の開催を通じて、指導者の資質向上に取り組んでまいりました。 また、部活動の活性化や顧問の負担軽減等を図るため、公立中学校や県立高等学校等に部活動指導員を配置し、指導体制の一層の充実にも努めているところです。 一方で、部活動に関しては、生徒や保護者等の多様なニーズへの適切な対応や活動中の健康管理などの課題も生じており、部活動指導者には、これまで以上に幅広い知識や技能の習得とともに、その実践力が求められています。 こうした課題に対応するため、県教委では、本年十一月に新たな取組として、中学校、高等学校の運動部及び文化部の指導者を対象に、山口県部活動指導者サミットを開催することとしています。 このサミットでは、効率的・効果的な優れた指導を実践している他県の指導者を招聘しての講演や県内指導者の好事例の紹介等を通して、部活動指導者の一層の資質向上や部活動運営体制の充実を図ることとしています。 県教委といたしましては、国の部活動改革の動向にも注視しつつ、引き続き市町教委、関係団体等とも連携しながら研修等を充実し、部活動指導者のさらなる資質向上に努めてまいります。 ───────────── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は午後一時の予定でございます。 午前十一時三十九分休憩