1 防災対策について 2 コロナ禍における離職者対策について 3 水産振興について 4 上関原発について 5 その他
───────────── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十七号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十七号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 宮本輝男君。 〔宮本輝男君登壇〕(拍手) 宮本輝男君 おはようございます。社民党・市民連合の宮本輝男でございます。 誰もが安心して働き続け、暮らし続けられる山口県を目指す立場から、通告に従いまして質問をいたします。 まず最初に、防災対策です。 皆様方の記憶に新しい台風九号とともに襲来した十号は、襲来以前からこれまでの記録にないほどの規模の極めて非常に強い勢力、発生当時は九百二十ヘクトパスカルに成長し、上陸の可能性も指摘されておりました。それほどの強い台風と言われ、県民の皆様も強い恐怖の中で、台風の襲来に臨まれておられたのではないでしょうか。 県民の皆様方は、台風の襲来に備え多くの買い出しをなされていました。二、三日前から、スーパー、ホームセンターなどでは、ガラス養生のマスキングテープはなく、カセットコンロのボンベはなく、インスタント食品はなく、ミネラルウオーターもなく、パンも売り切れの状態でした。 改めて、常日頃からの準備が必要なのだと、避難所、避難経路の確認などと併せ、改めて痛感したところです。 今回の台風は、結果的には九号が直前に同様なコースを通過しており、海水が混じり合わされ、海水温が上昇せず、十号の勢力が強まらず、雨、風とともに予想されていた強さではなく、大きな被害が出ずほっとしているところです。台風に備えて構えていただけに、ある面では拍子抜けをいたしました。 ただ、台風襲来に備え、多くの方とお話しする中で、御意見、要望等が出されていましたので、以下四点にわたりお伺いをいたします。 一、高潮対策事業についてです。 高潮被害が懸念される地区は、湾口が南側に開いており、背後の地盤高が低い地域、その数は山口県が全国で最も多く、高潮対策事業を全国一の規模で進めてきましたと県のホームページには載せられています。 一九九九年の九月の十八号台風では、皆さん御存じのとおり、山口県内の瀬戸内海沿岸では高潮の被害が多く出ました。 山口県内では、死者二名、重軽傷者百八十八名、全壊八十棟、半壊千三十二棟、一部損壊九千八百八十五棟、床上浸水三千四百三十二棟、床下浸水七千四百八十五棟、住宅罹災率が三・六九六%で、熊本の九・六六一%に次ぐものでした。 そこで、消波ブロック、護岸のかさ上げ、防潮水門・排水機場等の高潮対策事業の計画に対する工事の進捗状況をお伺いいたします。 二番目、防潮水門・排水機場の運転体制についてです。 河口に近い低地に住んでおられる方にとっては、高潮対策の防潮水門・排水機場の存在は本当に心強いものがあります。 それでも、九九年の十八号台風の被害がフラッシュバックをして、台風が近づくと胸がどきどきして動悸が激しくなり、不安が増しています。とりわけ、川のすぐに住んでおられる方は、川の様子を気にかけられ、頻繁に防潮水門・排水機場が稼働しているのかどうか確認をされていたそうであります。 防潮水門・排水機場は心強いものがありますが、いつどういう状況で稼働・運転されるのかという不安もあるのも確かであります。 そこで、防潮水門・排水機場がどういった状況で稼働されるのか、高潮はもとより、山口県に影響のある南海トラフによる地震での津波における運転体制をお伺いいたします。 また、そういった運転体制についてチラシを作成し、防災の高潮ハザードマップ・津波ハザードマップとともに活用できるようしたら住民の皆様も安心されると思いますが、県の見解をお伺いいたします。 三番目、避難所の運営についてです。 今回の台風第十号が近づくにつれ、私は自治会長として独り暮らしの世帯、高齢者夫婦の世帯に避難の声かけをいたしました。主人が昨年亡くなったので、独りでは怖いから避難しようと思う。わしはここにおる。主人がおるから一緒におる。ただ、中には、コロナが心配だから近くのお寺さんに行こうと思っちょると言われた御婦人もいらっしゃいました。 避難所に事前に行きますと、新型コロナウイルス対策で三密を避けるために、ふれあいセンターや公民館などでは、日頃避難をする部屋とは別の部屋を使用したために、ござの用意、その上に敷く毛布、間仕切りのパーティションが不足しており、高齢者などへの簡易ベッド、段ボールベッドが不足しているように感じました。 確かに避難所の運営については、各市町が実施するところではありますので、市の担当者と話をしまして、お聞きしますと、六月に入札を行い、発注をかけても全国一斉に発注をしているので、なかなか品物が入らなくて、台風が過ぎて最近になってやっとそろうようになったとお聞きしています。 災害時要配慮者、いわゆる障害者、高齢者、高齢者の中でも体の不自由な方、人が大勢いるとパニックになりやすい発達障害の子供たち等の問題が山積しています。このような具体的な課題は今後改めて質問させていただきますが、コロナ禍の状況の中での今回の台風の避難所の運営について、市町への支援・援助についてどのようにされてきたのか。 また、山口県及び市町相互間の災害時応援協定を平成二十四年(二○一二年)に締結をされていますが、今後、避難所への市町の取組についての支援・援助の在り方についてお伺いをいたします。 四番、床下浸水への補償についてです。 風水害の補償では、床上浸水もしくは地盤から四十五センチ以上浸水していれば、一部損壊、半壊、全壊などに支払われますが、床下浸水については、多くの災害保険、共済ではほとんど補償はありません。 しかし、浸水した床下の排水、洗浄、乾燥、消毒あるいは土砂の撤去は、業者に依頼をすれば高額の自己負担が発生します。 十一年前の山口・防府土砂災害のときに、右田地区では多くの床下浸水が発生し、二トンダンプ三台分の粘土質の土砂を排出するなど、多くの方が自己負担で処理されたとお伺いをしております。 自分ですればいいのでしょうが、高齢化社会の中で畳を上げて、もしくは床板を剥がして床下を掃除することは、コロナ禍の中でボランティアさんもなかなか難しい中で、非常に困難であります。 そこで、お互いが助け合う互助の精神で、床下浸水でも排水、洗浄、乾燥、消毒、土砂の撤去に対して補償する共済制度を山口県が主体となって創設できないものか、お伺いをいたします。 次に、コロナ禍における離職者対策についてであります。 先日の新聞に、全国的には求人倍率が七か月連続して悪化し、雇用求人倍率は、今回の数字は七月末での統計数字でありますが、前月比○・○三ポイント低い一・○八倍になり、コロナ解雇と見られる解雇や雇い止めが五万四千八百十七人になり、完全失業率も前月比○・一ポイント高い二・九%で、完全失業者数は前年同月比で四十一万人増の百九十七万人に達していると報道していました。 一方で、総務省の労働力調査では、非正規の労働者が二千四十三万人になり、契約社員は三か月更新が多く、契約の更新月の六月危機が言われている中で、前年同月比で百三十一万人減少しています。内訳は、パート五十一万人、アルバイト三十三万人、派遣社員が十六万人、その他三十一万人となっています。 厚生労働省の雇用調整助成金を利用して新たな派遣先が見つかるまで休業を要請したものの、追跡調査ができない中、雇用が保障されたかどうかは把握できておりません。 雇用調整助成金の受給額は、休業を実施した場合、事業主が支払った休業手当負担額、教育訓練を実施した場合、賃金負担額の相当額に助成率を乗じた額です。ただし、教育訓練を行った場合は、これに千二百円の額が加算されます。ただし、受給額の計算に当たっては、一人一日当たり八千三百三十円を上限とするなど、幾つかの基準があります。 休業、教育訓練の場合、その初日から一年の間に最大百日分、三年の間に最大百五十日分受給できます。 もう一つあるのが、緊急に設けられた雇用調整助成金、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例の制度です。事業主に雇用調整助成金を活用し雇用維持に努めていただけるよう、令和二年十二月末まで特例措置を実施しています。これは金額が一万五千円が上限、教育訓練手当が二千四百円です。 ただ、現実問題として、私も支給要綱を見たのですが、制度の中身が本当に複雑で分かりにくく、その結果、申請しにくい状態になり、申請しても支給が遅い、受付窓口でもいろいろ制度の実施要綱が頻繁に変更され、混乱している状況です。 さらに、休業手当は平均賃金の六割以上支払わなければならないとされていますが、ボーナスは加味されておらず、事業所によっては、休業手当が通常の手取りの半分ぐらいになり、生活できないと転職を求める、離職する方もいると聞いております。 人件費を抑え、必要な期間だけ雇用される安上がりな雇用の非正規社員だけでなく、正社員と言われる層もコロナ禍が続けば、離職予備軍になってくるおそれは十分にあります。 九月八日付の朝日新聞には、安倍政権の雇用改善の影の部分として指摘されてきた、働き方の質の低下が健在してきたとあります。まさしくそうだと思います。大企業が活躍できる経済政策で内部留保金が増え、一方で、今日の日本社会を支えている労働者は、安心して定年、昨今では定年という言葉さえ死語になりつつあるのではないかというふうな私の強い危惧があります。そこまで働けることができなくなり、不安定雇用の派遣、パート、アルバイトなどの非正規社員が増やされ続けてきている結果だと思います。 県として、こういったコロナ禍における雇用状況をどう捉えているのか、お伺いをいたします。 一方で、県内の有効求人倍率は七月末で一・二二倍となっています。その中で正社員の有効求人倍率は一・○七倍となっています。 しかし反面、離職者数は、これは最新で昨日の最新情報によりますと、六百十四人となっています。全国の六千四百三十九人に比較して、山口県に置き換えて推計した場合、少し低めではあります。ただ、この数値は、都道府県労働局の聞き取りや公共職業安定所に寄せられた相談報告等を基にして把握した数字であり、現実を表したものではなく、もっと多い離職者が予想されます。 そこで、県として直接的に離職者を出さない取組をどうされようとしているのか、お伺いをいたします。 また、九月補正の中で示されている、再就職チャレンジ支援事業の具体的な中身についてお伺いをいたします。 次に、水産振興についてであります。 山口県水産情報システム海鳴りネットワークの山口県水産業の概要では、山口県は、本州の最西端に位置し、三方が日本海、響灘及び瀬戸内海の三つの海に開けている。海岸線の延長は全国六位の千五百三キロに達し、屈曲に富んでいることから、漁港整備、水産資源の増養殖のための自然条件に恵まれ、古くから漁業が盛んであると述べられています。 四、五十年前までは、かなりの内陸部でも行商のおばさんが魚を売りに来たり、車での移動販売も行われていました。留守でも魚を置いていてくれました。それほど身近な食材でありました。むしろ、肉のほうが手に入りにくかったものであります。 さて、最近では、海水温が高くなっているという報道を聞きます。沿岸域の水深ゼロメートル、五十メートル、百メートルの水温は、平年と同様かやや高めになっています。沖合のゼロメートルは今年はやや低めになり、五十メートル、百メートルが八月から九月にかけては昨年より上昇傾向になっています。 台風十号の勢力が当初の予測では、鹿児島沖の水温が平年より一度から二度高くなっていることから、勢力が強まるとされていたほど、近年の海水温は高くなっているとおり、山口県の沿岸、沖合もそのようになっています。 今まで捕れた魚の漁場が少しずつ北側に移りつつあるとされています。 漁業就業者は、最近魚がいない、捕れないと嘆いています。近所の魚市場では、シロミルガイは少なくなっていますし、貝柱がおいしいタイラギはほとんど見かけなくなってしまいました。 昭和四十年の漁業生産量が三十五・五万トン、平成元年には二十四・一万トン、平成三十年は二・七四万トンにまで激減しており、全国でも水揚げは二十位半ばになっています。 漁獲高を増やすためには、漁業環境を改善するということはかなり重要になってきます。山の栄養素が治水の事業等により海に流れてこなくなった、公共下水道の普及、埋立てによる潮の流れの変化や航路のしゅんせつなどによる海底の砂の移動、様々に海の栄養不足や漁場の環境の悪化の原因が言われています。 そこで、漁場の環境整備について、魚がすみつくような藻場の整備と魚礁の取組は今後どうなされていかれるのか、お伺いをいたします。 そして、漁獲高を増やすためには水産資源を増やすことが大事だというふうに思います。 現在、県は、市町、漁協などと協力して山口県栽培漁業公社と連携し、稚魚・稚貝を放流されていますが、魚種の選択はどのようにして決められているのか、お伺いをいたします。 また、放流の効果をどのように捉えているのかも、併せてお伺いいたします。 山口県栽培漁業公社では、内海生産部、外海第一生産部、外海第二生産部で合わせて十二種類の魚介類を生産しておられます。 また最近では、平成二十九年から水産庁からの委託事業、さけ・ます等栽培対象資源対策事業により、昨年度、全国で初めてシロアマダイ種苗の大量生産に成功し、今年も二年連続で大量生産に成功いたしました。水産研究センターによりますと、瀬戸内海産のシロアマダイの親魚を確保、採卵した後、人工受精を行い、約四十万粒の受精卵の確保に成功し、このうち約二十六万粒を用いて、山口県栽培漁業公社と共同で生産試験を実施し、約四万尾の生産に成功したそうです。 シロアマダイは希少性が高く、市場ではキログラム単価一から二万円の高値で取引されることもある高級魚だそうです。稚魚の生産やどういった海域での生育が適当なのかといった放流技術の開発が待たれている魚種でもあります。 ただ、残念なのは来年度までの委託事業です。今後、県として、このシロアマダイの技術開発をどのようにされるのか、お伺いをいたします。 また、漁業経営体数──漁業経営体とは、過去一年間に利潤または生活のもとを得るために、生産物を販売することを目的として、海面において水産動植物の採捕または養殖の事業を行った世帯、または事業所は、昭和六十三年に八千四百三十七あったものが、平成十年には六千三百九十一になり、平成三十年には二千八百五十八と激減しております。 漁業就業者数は、昭和六十三年が一万五千四百七十八人、平成十年が九千八百人、平成三十年には三千九百二十三人とこの二十年で六○%も減少しています。しかも、全漁業就業者に占める六十五歳以上の漁業就業者の割合は、平成二十五年の五二・六%から五八・六%となり、全国平均の三八・三%より高くなっています。 近所の漁業就業者に聞くと、年じゃし、油が高くついてもうからんからやめる。船も古いし、修理やら維持費に金がかかるからやめる。体が言うことを聞かんようになったから、一人で沖に出るのを妻が嫌がるからやめる。あいつはもう漁をやめておかに上がったという話を聞きます。 このまま高齢化が進めば、県内の漁業は衰退の一途をたどっていきます。 そこで県は、市町と漁協、山口県漁業就業者確保育成センターが連携し、漁業就業希望者の受入れから、研修、定着までの一貫した取組を支援する事業を行っております。 新規漁業就業者の支援事業は、最長三年間の長期漁業研修を受講でき、研修生には指導者から賃金が支給されます。経営自立化支援事業は、就業後、最長三年間にわたって給付金を支給するというもので、かなり手厚い事業だと思います。 そこで、県、市町、漁協、山口県漁業就業者確保育成センターで行われている、新規漁業就業者対策における新規就業者の定着状況などの成果及び今後の課題・取組についてお伺いいたします。 最後に、上関原発についてです。 山口県は、昨年の七月二十六日に、上関原発建設予定地の公有水面埋立免許を、ボーリング調査の半年の期間を含めて三年六か月延長する申請について、埋立工事に先立って海上ボーリング調査を実施しなければならないことは埋立工事ができない合理的な理由に当たるほか、国の重要電源開発地点に指定され、土地需要も引き続きあると判断し、許可を出しました。 一方で、原発本体の着工時期の見通しがつくまでは埋立工事に入らぬよう求める要請書も手渡されました。 今年四月の第二百一回国会の参議院行政監視委員会で、立憲民主党の江崎孝議員が上関原発についての質問で、経済産業省の牧原秀樹副大臣が明確に、現時点において、政府としては原発の新増設は想定していないと、また、上関原発を仮につくる場合においては新設に当たると答弁しています。また、昨年に、県議会議員有志と市民団体が共同で行った経済産業省資源エネルギー庁との話合いの中でも、新増設は現時点では想定していない。だから、新設の原子炉の基準も決められていないと答弁をしています。 昨年のボーリング調査のための一般海域占用許可、公有水面埋立免許の延長許可が出されて一年が経過し、この間事業が手つかずのままです。中国電力は、島根原発の新規制基準に適合する安全対策費の見通しを五千五百億円程度としています。 それだけ原発建屋、その他建屋も頑丈になり、建物の重量が増しているものと思われます。 上関原発でも、敷地造成面積が約三十三万平方メートル、陸域約十九万平方メートル、海面埋立て約十四万平方メートルであり、その海面埋立ての部分に二号機の建屋の半分近くが入ります。また付随施設の多くが入る計画になっています。重量がかさむ、重要な施設が建てられる、それを支える埋立ては重要な工事です。 一方で、当初の計画では沿岸部の護岸整備、埋立てなどで約三年の工事期間を予定しています。こんな重要な埋立工事が、三年から二年に工期が短縮されて工事が完成するものでしょうか。これでは当初の計画は何であったのかと疑いたくなります。県として、埋立工事計画書等の再提出を求めるべきではないでしょうか、お伺いいたします。 先ほど申しましたように、そもそも新設は想定していない、政府が新設の原子炉の設置基準もないという中で、ボーリング調査の必要性があるのでしょうか、むしろ不必要な工事に思えます。何のためにどういうデータが必要なのか、私には分かりません。県としてはそこをどのように考えておられるのか、改めてお伺いします。 以上で、最初の質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)宮本議員の御質問のうち、私からは、新規漁業就業者対策についてのお尋ねにお答えします。 本県では、全国を上回るペースで漁業就業者の高齢化が進行していることから、全国に先駆けて平成十年度から新規漁業就業者の支援に取り組んできたところです。 この結果、これまでに二百人以上の方々が新たに漁業に就業し、その後の定着率も独自の給付金制度等の活用により、全国平均の五一%を上回る八○%となるなど、一定の成果が現れています。 こうした新規就業者の確保と高い定着率を維持していくためには、指導技術力の向上と地域における受入れ体制の強化が課題と考えています。 このため、指導技術力の向上に向けて、新規就業者の師匠となる研修指導者を対象とした講習会を開催してレベルアップを図るとともに、受入れ体制の強化については、漁協青壮年部や女性部等と連携し、漁業技術や生活面の相談ができる環境づくりに取り組みます。 私は、今後とも市町や関係団体と緊密に連携しながら、新規漁業就業者対策に努めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)防災対策についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、高潮対策事業についてです。 県では、高潮による浸水被害から県民の生命と財産を守るため、海岸保全基本計画等に基づき、護岸のかさ上げなどの施設整備を計画的に進めています。 事業の進捗状況については、現時点で、県が管理する海岸保全区域等の延長約五百二十キロメートルのうち、約三百三十キロメートルが整備済みとなっており、引き続き、高潮対策を着実に進めていきます。 次に、防潮水門・排水機場の運転体制についてです。 高潮時の運転体制については、高潮注意報や警報の発令後、速やかに担当者を配備し、潮位と河川水位を確認しながら適切に操作しています。 津波時についても、津波注意報や警報の発令によって、高潮時と同様に操作することとしています。 また、運転体制のチラシについては、ハザードマップのように直接住民の避難行動につながるものではないことから、その作成や活用は考えていません。 次に、上関原発についてのお尋ねのうち、埋立てに関する工事計画書についてお答えします。 竣功期限に向けてどのように対応するかは、事業者において判断されるべきものであり、県としては埋立工事計画書等の再提出を求めることは考えていません。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)防災対策についての御質問のうち、避難所の運営に関する二点のお尋ねにまとめてお答えします。 コロナ禍においても、安心して避難していただくためには、避難所における感染症対策の強化が重要であることから、県では、市町に対し換気や消毒など、従前からの感染症対策の徹底と併せ、十分な避難スペースを確保し、可能な限り多くの避難所を開設するよう要請してきたところです。 あわせて、市町の避難所運営の参考となるよう、避難所のレイアウトの見直しや、避難者を受け入れる際の対応等を対策例として取りまとめ、市町と共有を図ったところです。 これを受け、市町においては、パーティションや段ボールベッドなどの資機材の追加調達をはじめ、避難所のレイアウトの見直しを行うなど、台風第十号においても、適切に避難所運営をされています。 今後も、避難所における感染症対策を効果的に進めるため、このたびの避難所の開設・運営時の対応等を取りまとめ、県の避難所運営マニュアル策定のための基本指針に反映することとしています。 また、大規模な災害が発生し、被災市町だけでは対応できない場合には、お示しの協定も活用しながら、応援可能な県内市町とも調整を行った上で、資機材の提供や応援職員の派遣等を行ってまいります。 県としては、コロナ禍においても避難所の運営が円滑に行われるよう、引き続き、市町に対し支援してまいります。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)防災対策のうち、床下浸水への補償についてのお尋ねにお答えします。 災害救助法や被災者生活再建支援制度などの公的支援制度については、住家の著しい被害や日常生活に著しい支障が生じる全壊や半壊など、一定程度以上の損害が発生していることが支援対象の要件となっています。 個人財産である住家については、個人の責任の下に維持することが原則であり、床下浸水は被害が比較的軽度であることから、県としては、お示しの床下浸水世帯を対象とした共済制度を含めた公的支援制度を創設することは考えておりません。 議長(柳居俊学君)福田商工労働部長。 〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 商工労働部長(福田浩治君)コロナ禍における離職者対策についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、コロナ禍における雇用状況についてです。 本県の雇用状況については、山口労働局から、雇用調整助成金の特例措置等が拡充され、県内企業に、より積極的に活用されている状況等も踏まえ、求人が求職を上回って推移しているが、新型コロナにより弱い動きが続いているとの基調判断が示されているところです。 県としても、本県の雇用状況につきましては、山口労働局と同様に受け止めています。 次に、県として離職者を出さない取組についてです。 県では、これまで、事業者に対して県制度融資や営業持続化等支援金など、資金面での支援、専門家による相談体制の強化などを実施してきたところです。 また、新しい生活様式に対応するための施設整備や、新製品・新サービスの開発を対象とした補助制度などにより、事業活動の再始動を後押しするとともに、ものづくり企業が取り組む、新事業展開や販路開拓等を支援することとしています。 県としては、今後とも、事業活動の維持・継続に向けた事業者の取組を支援し、雇用の維持・確保に努めてまいります。 次に、再就職チャレンジ支援事業についてです。 コロナ禍において、企業からの求人の減少により有効求人倍率が低下する一方で、本県では、一部の業種や職種によっては、企業の求人ニーズが求職者を上回るミスマッチの状況が続いています。 このため、離職を余儀なくされた方の早期の再就職を促進するため、他の業種から建設業など人手不足の状況にある指定の業種に正規雇用された方に三十万円の支援金を支給するものです。 議長(柳居俊学君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)水産振興についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、漁場の環境整備については、魚介類の生態を踏まえた藻場造成や魚礁設置を推進する必要があることから、漁業者ニーズが高いキジハタ等を対象に、生育段階に応じた魚礁を県内全域で設置するなど、計画的な漁場整備を行います。 次に、放流する魚種の選択については、科学的データに基づく水産資源の動向や漁業者ニーズ等を勘案し、有識者や漁業者等で構成する山口県栽培漁業推進協議会に諮った上で、魚種を決定しています。 また、放流の効果については、市場調査等により把握に努めており、例えば、大量放流を行っているキジハタでは、漁獲量が年々増加し、放流前に比べてほぼ倍増したところです。 次に、シロアマダイの技術開発については、山口県栽培漁業基本計画において新規対象種として位置づけていることから、国の委託事業終了後においても、継続できるよう検討してまいります。 議長(柳居俊学君)梶間商工労働部理事。 〔商工労働部理事 梶間敏君登壇〕 商工労働部理事(梶間敏君)上関原発についてのお尋ねのうち、ボーリング調査の必要性に対する県の見解についてお答えします。 お示しのボーリング調査については、中国電力から原子炉設置許可申請に係る国の審査を念頭に置いたデータ補強のために行われる地質調査であると説明を受けています。 上関原発計画は、事業者である中国電力が進めてきたものであり、今回のボーリング調査についても、事業者自らの責任において必要性を判断し、行われるものと認識しています。 議長(柳居俊学君)宮本輝男君。 〔宮本輝男君登壇〕(拍手) 宮本輝男君 それでは、再質問をいたします。 今後も新型コロナウイルスの影響で雇用状況はすぐには好転しないと思われますが、ただ、把握しにくいと思われる小規模零細業者の離職者、例えば全国的に見ても飲食業あるいは観光業の離職者が多いとされておりますが、そういった小規模零細事業者の離職の実態を、今後、山口労働局とともに把握に努められていくのか、お伺いをいたします。 また、山口県高等産業技術学校や山口職業能力開発促進センター、いわゆるポリテクセンターなどで誰もが技能向上、あるいはスキルアップして再就職、再チャレンジすることを後押しする機関がありますが、現状と今後の課題についてお伺いをいたします。 また、誰もが安心して働き続けられる今後の雇用政策についてお伺いをいたします。 上関原発についてです。 埋立工事等でケーソンで海域を仕切り、その中の水をくみ出しながら土砂搬入をする過程において、三年が二年になる短縮した工事期間中の中で、移動速度が遅く逃げられなくなるナメクジウオなどの生物が想定される中で、幾ら保全に配慮しても環境の破壊も十分考えられます。 先ほども水産振興でも申し上げましたが、水産物の漁獲高が減少している中で、埋立工事をすると潮、海水の流れも変化し、漁獲高にも影響が出てきます。三年の工事期間が二年に短縮されれば、より大きな影響が考えられます。こういった環境への影響、あるいは水産資源の漁獲高の影響についての県の見解をお伺いいたします。 国が原発の新設を想定していない中、また、県も原子炉本体の設置に見通しがつくまで埋立工事をしない旨の要請をしていますが、根拠のない事前のボーリング調査は原発建設へのアリバイづくりではないかと思いますが、改めて県の見解をお伺いいたします。 そもそもこういった状況の中で、本当に埋立てはしなくてはならないものか、私は必要ではないと思いますが、県としての見解を改めてお伺いいたします。 最後に、要望をさせていただきます。 コロナ禍の中で、漁獲高を増大させると同時に、水産物や水産加工品の販売拡大ができる需要の喚起の取組が漁業就業者の所得拡大につながると思いますので、よろしく取組をお願いいたします。 少し時間が早まりましたが、以上で質問を終わりたいというふうに思います。 最後までの御清聴、大変ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)福田商工労働部長。 〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 商工労働部長(福田浩治君)再質問にお答えします。 まず、離職者の実態把握です。 労働者が離職した場合につきましては、再就職までのセーフティーネットになります雇用保険制度、これは事業者の規模に関わりなく対象とされておりまして、ハローワークが唯一の窓口となっております。 このため、離職者数の把握につきましては、ハローワークにおいて山口労働局からの情報提供を受けている状況でございます。 次に、再就職支援についてです。 高等産業技術学校では、施設内訓練や民間教育訓練を活用した委託訓練を行っており、専門知識、技能の習得に向けた訓練を行っております。あわせて、訓練生一人一人の希望に応じた就職活動を支援しているところです。 委託訓練につきましては、委託先の民間教育機関がキャリアカウンセリング加えまして、最終の職業紹介まで就職支援を行っています。 課題といたしましては、感染症防止対策の観点から、企業訪問がなかなか困難でございましたが、求人開拓に支障が生じた状況でございます。現在は訪問が再開されまして、解消に向かうものと考えております。 国のポリテクセンターも同様な取組をされていると考えております。 次に、雇用対策です。 県としては、解雇や雇い止めによって離職を余儀なくされた方に対して、山口しごとセンターによるキャリアカウンセリングや高等産業技術学校による資格・技能取得に向けた職業訓練の実施など、セーフティーネットを通じて再就職を支援していく考えです。 議長(柳居俊学君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)宮本議員の再質問にお答えします。 まず、埋立工事による環境への影響についてです。 当初の免許に関わる公有水面埋立願書において、埋立てが環境に十分配慮されたものか等を適切に審査したところです。この審査において、本埋立てによる環境への影響は軽微であり、環境保全には十分配慮されていると認められました。 また、海域環境や水産資源の保全についても十分配慮されており、海域の生態系への影響は少ないことが確認されています。 次に、埋立工事の必要性についてです。 昨年度の延長申請において、事業者から埋立ての意思を持って申請がなされました。この申請内容が合理的と認められたこと、また、上関原発の重要電源開発地点の指定が引き続き有効であることが改めて国から明確に示され、土地需要があると認められたことから、正当な事由があると判断し、県は延長を許可したものです。 議長(柳居俊学君)梶間商工労働部理事。 〔商工労働部理事 梶間敏君登壇〕 商工労働部理事(梶間敏君)上関原発についての再質問のうち、根拠のないボーリング調査は原発建設に向けたアリバイづくりと考えるが、県の見解はというお尋ねにお答えをいたします。 お示しのボーリング調査は、中国電力から、原子炉設置許可申請に係る国の審査を念頭に置いたデータ補強のために必要な地質調査であると説明を受けておりまして、根拠のないボーリング調査や、原発建設に向けたアリバイづくりとの御指摘は当たりません。