1 未然に防げる災害対策について 2 介護職の方の確保について 3 鳥獣被害防止対策について 4 山陽本線の増便について 5 フェリー運航誘致について 6 山口県立総合医療センターへの救急搬送について 7 その他
議長(柳居俊学君)松浦多紋君。 〔松浦多紋君登壇〕(拍手) 松浦多紋君 おはようございます。県民の誇りを育む会、松浦多紋です。 まずもって、今なお新型コロナウイルス感染症に対し献身的に取り組まれている山口県内はもちろん、全国の医療従事者の皆様に対し感謝と敬意、罹患された皆様の一日も早い御回復、そして、新型コロナウイルス感染症の終息を心から祈念申し上げます。 また、日本のみならず、世界規模で目に見えない事前対策ができないウイルスとの日夜闘い、新薬やワクチンの研究開発が世界レベルで進んでいます。一日も早くそれらが使用できることになることを願ってやみません。 また、七月三日から三十一日にかけて、熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した令和二年七月豪雨では、広い地域で河川氾濫や土砂災害が発生し、多くの人命や財産が失われました。被災された方々へ衷心より御冥福をお祈りするとともに、お見舞いを申し上げます。 特に、七月三日夜から四日昼の熊本県、鹿児島県を襲った豪雨は、今回も尊い人命を多数奪い、防災に対する考え方を今以上真剣に取り組む機会になったと思います。 ウイルス等の対策は、発生に対し未然に防ぐことが困難な災害だと思いますが、自然災害は、環境の変化を理解した上で、早急に対策すれば、甚大な被害を回避できるのではないかと再認識いたしました。 それでは、通告に従い質問させていただきます。 まず、未然に防げる災害対策についてです。 このたびの補正予算に、令和二年七月豪雨災害対策として、公共土木施設等の早期復旧事業に三十九億三千三百万円、河川改修事業や砂防事業等の実施に対し六億八千七百万円、計四十八億三千二百万円もの計上をしていただき、心強い議案だと感じております。 六月二日朝、防府市の小野地区の方から、山口県が管理する奈美川をまたぐ県道二十四号線、防府徳地線の橋が低い上に土砂がたまり、桁下空間が狭くなっていると御相談をいただき、現地確認後、土木事務所に相談させていただきました。その回答は、順次整備し適切な管理を行うとのことでした。 また、七月十四日午前二時半ごろ、椹野川水系仁保川では、御堀橋近くの堤防が長さ約二十メートル、幅約五メートルにわたって崩落し、付近の住民には川には近づかず速やかに避難するよう呼びかけたと伺いました。 決壊は免れ、越水等ありませんでしたが、深夜の時間帯に万が一のことが起きていたらと考えると、自然に対する認識を改めて対策していくことの必要性を感じた次第です。 七月二十四日、十一時二十八分に、大雨と落雷及び突風に関する山口県気象情報第四号が下関気象台より発表されました。 降り始め、二十三日の三時から防府市内も朝から結構な雨量があり、先ほど述べさせていただいた仁保川のことも気になりましたので、奈美川が気になり、再度県道にかかる橋の状況を確認しに行った次第です。 住民の方が危惧されている箇所は、増水はしていたものの降雨も落ち着き、素人目に越水のおそれは感じられず、安心しその場を離れました。 しかし、住民の方々は、降り方、降り続ける時間で平成二十一年の氾濫を思い出すと言われます。 住民の方々は、毎年梅雨前には、河川内に茂るアシ等の雑草を自主的に刈り取られていらっしゃいます。住民の皆様の御努力に報いるためにも、また、住民の皆様が安心して日常を過ごせるためにも、目に見える土砂の堆積等の撤去は定期的に行うべきだと思います。 事前対策ができる事業に対して、もっと積極的に対策することこそ、県民誰もが求めていらっしゃる安心・安全につながるのではないでしょうか。 山口県管理の河川は、阿武川水系の支流の支流、萩市旧川上村を流れる百五十メートルの、中の谷川をはじめ、周南市鹿野町から岩国市を流れる県内最長の十一万二百八十メートル、約百十キロの錦川等、河川の形状、河川の規模によりダムの必要性も様々だと思います。 令和二年七月豪雨で起こった熊本県球磨川の氾濫では、上流のダムの有無について議論されていたと思います。必要に応じたダム建設やその維持管理、堤防の維持管理、河川のしゅんせつ等様々な管理方法はあると思いますが、まず、山口県における治水事業の現状、柱となる取組、そして、これからの方針を具体的にお聞かせください。 また、山口県が管理している百八水系、四百七十四河川の堤防において、大雨の際、決壊や欠損のおそれがある箇所、また、しゅんせつ工事が必要とされている箇所は何か所に及ぶのか、また、そうした箇所への対策は、具体的にどのように進めていらっしゃるのか、お伺いいたします。 次に、介護職の方の確保についてです。 維新プランに示されている、介護職員の需要・供給の推計では、今年二○二○年、需要推計が三万三百四十三名に対し、供給推計は二万七千八百九十一名、約二千四百名不足と推計されており、二○二五年には需要推計、三万三千百九十六名に対し、供給推計は二万九千四百八十七名、約三千七百名不足とありました。 先日、社会福祉法人の方から、お話を伺う機会を頂きました。今、ヨーロッパでは介護職員を補うため、東南アジアから働き手を集めているにもかかわらず全く足りていない状況で、まだまだ力を入れて働き手を集めるはずです。 御存じのとおり、介護の仕事は三Kとも四Kとも言われ、若い方の働き手が少ないとも言われています。 一旦職に就いた方の離職率が高く、長続きしない。今のままでは介護体制が崩壊してしまうか、今よりもサービスの低下が危惧されますとのことでした。 私は、六月議会でコロナ禍における介護人材の安定的な確保や定着に向け、今後、どのように取り組まれるのか質問したところ、知事から、これから参入する方も含め、介護現場で働く方々が今後も意欲を持って働ける環境を整備し、介護人材の確保・定着に積極的に取り組んでまいりますと心強いお答えをいただきました。 人材の確保と定着、これは介護職の方の需要と供給のバランスを考える上で、まさにキーワードとなる言葉だと思います。 厚生労働省では、介護職員の方の賃金改善のため、平成二十四年から介護職員処遇改善加算が行われ、賃金改善の努力がされています。 それでも離職者に歯止めがかからない状況になっているのは、私論ではございますが、介護職の方が自分の将来が見えてこない、また不安を感じていらっしゃるのではないかと思います。 その職にもっと将来性を感じ、魅力ある職ということが感じられなければ、定着は難しいと思います。 介護職員処遇改善加算を取得できた事業者に対して、県独自の補助を行えることができれば、介護職員の定着につながるのではないでしょうか。 そこでまずお尋ねいたします。厚生労働省が行っている取組に厚みを持たせる意味でも県の努力も必要かと思います。県がお考えの積極的な取組について具体的な御所見をお伺いいたします。 さて、介護職という職種を私なりに調べてみました。介護は、実はキャリアアップしやすい業界です。介護職の場合は、働く年数などによって受験資格が与えられ、公的資格や国家試験がキャリアを証明してくれます。 上位の資格を取得すると、多くの場合、資格手当がつき、給料がアップするそうです。また、仕事の幅が広がったり、管理職になったりと、キャリアアップの道も開けていきます。 例えば、無資格で介護施設で働き始め、働きながら介護職員初任者研修を受け、修了試験に合格すると、まず、利用者さんの身体介護ができるようになります。介護施設にもよりますが、この時点で給与がアップするケースもあるそうです。 その後、実務の経験を三年以上積んだら実務者研修を受けた上で、介護福祉士の試験を受けることができます。介護福祉士は、医師や看護師、公認会計士などと同じ国家資格です。合格して介護福祉士の国家資格を取得したら、この資格を持って日本全国どこでも胸を張ってプロの介護職として働くことができます。 介護福祉士の国家資格を取得していることは、働く上で大きな強みにもなります。資格手当などで給料やパートの時給の面でも優遇されることも多く、介護職としての自信もきっとつきます。 介護福祉士だけを採用する介護施設や管理職を任せる際に条件とする介護事業所もあるので、自分の選択肢も広がるはずです。 また、キャリアアップの道は、介護福祉士の先も続いています。介護福祉士を取得した後、さらに、介護専門支援員の資格を取ってケアマネジャーになるケースはよく見られるそうです。 社会福祉士などの資格を取得して、ソーシャルワーカー、生活相談員などの専門職に就き活躍している人も多いと聞きます。 介護の仕事は、誰にもできると誤解されることがありますが、介護や医療の専門知識を持ち、ドクターなどと連携をし、法的なバックグラウンドも理解している介護職はとても専門性の高い仕事となります。 また、介護スキルや人間力のある介護職は、社会からの需要が高く、リーダー職、そして、施設長へとキャリアアップする人が多いのです。 年齢、性格や学歴、経歴に関係なく、自分の努力次第でどんどん上を目指せる介護職。とても将来性にあふれた職業だと改めて知ることができました。 核家族化が進んでしまった私たちの生活では、家族の中ですら御年配の方と接する時間が極端に少なくなっております。御年配の方と接することで育まれる御年配の方を敬う心を育てていくことも、介護職が尊い仕事であるということを認識させる上で大切なことだと思います。 新学習指導要領において、道徳の授業が評価をされる特別な教科として義務教育で取扱いをされます。山口県の子供たちに御高齢の方を敬う心を育む教科として期待をしております。 そこでお尋ねいたします。山口県において直近の大きな課題とも言える介護職の方の確保において、介護職という職種の魅力を分かりやすく周知することもその一助になると考えます。介護職の方の人材を確保する上で、どのように取り組まれていくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、鳥獣被害防止対策についてです。 七月下旬、防府の西浦地区の農家の方から連絡をいただきました。アライグマが悪さをして困る。ハウス栽培している果物をアライグマにやられたとのことでした。その農家の方は、防府市の林務水産課に連絡され、申請書を提出し、箱わなを借り駆除をされたそうです。 自然の豊かな山口県では、イノシシ、ニホンジカ、ニホンザル、ツキノワグマ、カラスが多く生息する一方で、農作物への被害が後を絶えておりません。 農作物への被害は、平成三十年度では、イノシシによる被害額が全体の四八%、次いで鹿によって二○%、猿により一五%、同じく、令和元年度は、イノシシ四七%、鹿二○%、猿一七%と県のホームページで確認いたしました。 特に、イノシシにおいては、中山間地域だけでなく、防府市において住宅地といった平野部でもその姿を実際に見ることがあります。 農作物の鳥獣被害は、農家の皆様のモチベーションをそいでしまうことは言うまでもありませんが、平常時に子供や高齢者が被害に遭ってしまうおそれもあると思います。 これまでは、山口県において地域ぐるみ活動の波及対策や防護・捕獲対策を打っていただいているおかげもあり、令和元年度の被害が総額四億三千六百万円で収まっていることと思います。 さらに、イノシシにおいては、県内各地のゴルフ場のコース内で丈夫な鼻を使い、芝生を掘り起こすなど農業以外にも被害を与えているのが現状です。 イノシシ、ニホンジカ、ニホンザル、ツキノワグマ、カラスなどは、日本古来の野生鳥獣であり、人間とともに共存してきたと言って過言ではないと思いますが、近年では特定外来生物であるアライグマやヌートリアによる農作物の被害を耳にします。 本来は、どちらも人間の都合で海外から持ち込まれた生物ですが、殊、アライグマに関して言えば、ペットとして飼育していたものを飼育放棄で捨てたものが繁殖し、農作物に被害を与えてしまう。元来の原因は、人間かもしれませんが、被害の原因となる以上、駆除に力を入れていかなければなりません。 もちろん農作物のみならず、アライグマを宿主に、ダニや回虫、狂犬病といった人へのリスクも持ち合わせています。 また、ヌートリアは、堤防に穴を空け、すみかとするため、農作物被害だけでなくため池や河川の堤防弱体化につながり、決壊の一因になるおそれも指摘されています。 そこでお尋ねいたします。鳥獣被害防止対策の強化の中に、農業被害が増加傾向にあるアライグマやヌートリア対策としての新たな技術の開発・実証とあります。一刻も早い実施並びに効果を期待いたしますが、取組に対する県の御所見、進捗状況をお伺いいたします。 また、特定外来生物による被害は、経験のない農家の方もいらっしゃると思います。特定外来生物による農作物被害を少しでも軽減させるため、農家の方々に対して情報提供等あれば、被害軽減のための事前対策も可能かと思います。あわせて、県の御所見をお伺いいたします。 次に、山陽本線の増便についてです。 山口県内のJRの路線について考えてみました。在来線からJR岩徳線、宇部線、山陰本線、山口線、小野田線、美祢線、山陽本線、そして、JR山陽新幹線とあります。 利用者の数は、路線沿いの人口の違いによって差はありますが、私たち山口県民の生活のための交通手段として、また、山口県を観光等で来県していただく方々の交通手段として、生活・産業に欠かせない貴重なインフラとなっています。 また、その運行を継続していただいていることに常に感謝の念を持たなければならないと思います。 そして、これらの路線の中で一番利用者が多いのは、きっと山陽本線ではないでしょうか。通勤・通学での利用、山陽新幹線や各ローカル線への接続のための利用等、様々考えられますが、現状の山陽本線からの他路線への接続、逆に他路線から山陽本線への接続は、常時待ち時間が少ないと言える状態ではないと思います。 その接続に要する時間が短縮され、今以上に快適に便利に、公共交通機関を利用することができれば、私たち県民にとって多くのメリットが発生すると思います。 私論ですが、例えば、課題となっています御高齢のドライバーの免許の自主返納にも拍車がかかるのではないでしょうか。 山口県を訪れる旅行者の増加につながり、交流人口の増加につながる可能性も秘めているのではないでしょうか。そして、通勤・通学も今まで以上に便利になる可能性もあるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。山陽本線の増便を働きかけ、実現することによって、山口県民にとって今以上に山口県が住みやすいふるさとに、山口県への旅行者がより快適に山口県を楽しめることへつながるはずです。 現状の山陽本線のダイヤに対し接続等を考慮し、増便の働きかけをすることが必要と思いますが、県の御所見並びに取組をお伺いいたします。 次に、フェリー運航誘致についてです。 近年、山口県では、クルーズ船の寄港に力を入れられ、訪日外国人旅行者の取り込みに力を入れておられ、寄港回数が、二○一五年は十九回、二○一六年は三十回、二○一七年は七十三回、二○一八年は七十七回、二○一九年は四十七回とコンスタントに数えられておりました。 今年は、コロナの影響で、三月からの多くの寄港予定がなくなってしまったことは、残念でなりません。予定でいけば、今週、来週と長門の地に飛鳥Ⅱとにっぽん丸が寄港する予定になっておりました。 大型船舶の入港が可能になるよう港湾の整備を進めていらっしゃる山口県にとって、コロナの影響による経済への打撃を危惧してなりません。 しかし、整備ができているものを利用しない手はないと私は思います。 私は、昨年十月、乗用車を横浜から山口に運ぶため、有明から新門司港までのフェリーを使用させていただきました。 木曜日の夕方出航し、土曜日の早朝、新門司港に到着。船中に二泊という行程でした。気さくなトラックの運転手の方とも会話をしながら、長い三十六時間を過ごさせていただきました。 徳島経由のそのフェリーの利用者は、四国や九州をツーリングやドライブを目的としているライダーやドライバーの方々やトラックの運転手の方々です。 特に、トラック運転手の方から興味深い話を伺うことができました。 働き方改革の関係で、フェリーを使う機会が急に増えている。フェリーでの移動は休暇扱いとなり、フェリーを降りてからが仕事。ドライバーの数も減り、運輸会社がフェリーの利用を増やしているとのことでした。 私が利用したフェリーは、十三メートルのトラック百八十八台、乗用車八十八台を積み込むことが可能な船舶で、毎日運航されています。さすがに今年はコロナの影響で、前年比三割程度利用が落ち込んでいるそうですが、近年は運転手の方が言われていた働き方改革や運転手不足から利用は増えているとのことでした。 二○二一年七月、新門司港と横須賀港を結ぶ新フェリー航路が就航する予定となり、物流網の拡大、経済効果として、港湾使用料の収入増や物流事業者の進出等大きな効果があると北九州市では期待されているそうです。 また、二年前の西日本豪雨の際は、JRの貨物が復旧せず、フェリーの利用も増えたと聞きました。災害時に強みを発揮できるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。山口県の大型船が入港できるよう整備された港湾機能を生かし、長距離フェリーの寄港ルートの誘致は、広島県、福岡県という地方都市を両サイドに有する山口県として将来きっと有益な事業になるはずです。 また、山陰地方から関東方面への物流も守備範囲にできる立地条件を有していると言っても過言ではないと思います。 物流拠点山口県として長距離フェリーの誘致は有益な事業になると思いますが、県の御所見をお伺いいたします。 次に、山口県立総合医療センターへの救急搬送についてです。 消防庁救急企画室のまとめによると、平成三十年救急隊の出動件数は全国で約六百六十一万件、平成二十一年と比較し約三○%弱の増加となっております。 また、平成三十年中の救急隊の入電からの病院収容所要時間は、平成二十年中の所要時間に比べ四・五分延伸し、三十九・五分要しております。 ちなみに、山口県における出動件数は、平成三十年の合計が六万九千三百七十一件、入電からの病院収容所要時間の平均は三十八・九分となっており、全国平均に比べ短い時間での患者の方の病院収容時間となっております。 これは、救急隊の方の御努力と、受入先の病院の体制が整っていること。そして、山口県の平常時・緊急時における道路体制が整備されているたまものだと感謝申し上げるしかございません。 私が、住んでおります防府市は、市の北西部に県立総合医療センター──以降、県総と呼ばせていただきます。県総が、また中心部に救急患者の受入れに御尽力いただいている病院があり、そして、その整備された道路網のおかげで、入電から病院収容所要時間の平均が三十・八分と非常に恵まれた環境となっております。 殊、県総に搬送される患者の皆さんは、重篤な方が多く、脳卒中や心筋梗塞など、一分一秒を争う場合が多いと伺っております。搬送される患者さんにとって、また、その御家族にとって、一分一秒という時間は永遠のように長く感じられることと思います。 県総への救急搬送ルートは、防府市北部、防府市中心部、防府市の東部または防府以東からは、市内幹線道路や国道二号線を経由し、国道二百六十二号線に入り、県道三百四十八号線大内右田線を西方向に曲がり県総へと搬送されるそうです。 また、防府市南西部や西部、または防府市以西からの搬送は、国道二号線を周南方面に直進し、山陽自動車道防府西インターの先の信号を左折し、県道三百四十八号線を左折し、県総に搬送となるそうです。 実は、後者のルートは、一旦県総を通り過ぎ、迂回するような形で搬送がされています。 もしも国道二号線バイパスの玉祖神社入り口交差点から次の交差点までの間に県総へ向かう道路の整備を行うことができれば、また、上小鯖が起点となっている県道三百四十八号線を国道二号線に接続することで搬送時間の短縮につながり、より多くの県民の皆様の命を救うことが可能になるはずです。 そこでお尋ねいたします。県総への救急搬送を迂回することなく、一分でも一秒でも早く到着可能なルートの確保に対し、県の御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)松浦議員の御質問のうち、私からは、山陽本線の増便についてのお尋ねにお答えします。 お示しの山陽本線をはじめ、在来線は、身近で通勤や通学など県民の日常生活に不可欠な公共交通機関であり、また、観光振興や活力のある地域づくりにおいても重要な役割を担っています。 このため、私としては、これまでもJR西日本に対し、乗り継ぎの円滑化や増便などのダイヤ改善をはじめ、交通系ICカードの導入や施設のバリアフリー化の促進など、在来線の利便性向上に向けた様々な要望を毎年度行っているところです。 こうした中、JRにおいては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、利用者が大幅に減少したところであり、利用が徐々に回復してきている現在においても、なお厳しい状況に置かれているものと承知しています。 私としては、こうした現下の状況を踏まえれば、直ちに増便を実現することは容易ではないと認識していますが、長期的な観点に立って、在来線の利便性の向上に向けて、関係市町と連携しながら、引き続きJRに働きかけを行ってまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)未然に防げる災害対策についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、治水事業の現状、方針等についてです。 県では、これまでも比較的発生頻度の高い洪水に対する堤防の整備などのハード対策と施設の能力を上回る洪水に対する浸水想定区域の指定などのソフト対策を二つの柱とし、一体的な取組を進めてきたところです。 今後とも浸水被害の軽減を図るため、河川改修やダム整備などのハード対策を着実に進めるとともに、治水機能を保持するため、適切な維持管理に努めてまいります。 また、これまでのソフト対策に加え、防災行動とその実施主体を時系列で整理した水害対応タイムラインを運用するなど、的確な情報伝達や住民避難につながる取組を進めていきます。 次に、河川の管理についてです。 河川の状況は、台風、大雨による出水ごとに常に変化することから、県では定期的な河川巡視を行うとともに、出水後の巡視も行い、堤防などの変状や土砂の堆積状況等を把握しているところです。 さらにこうした河川巡視の点検結果を踏まえ、治水上、支障のある箇所等について施設の補修やしゅんせつなどを効果的・効率的に実施し、良好な状態に維持するよう努めてまいります。 次に、フェリー運航誘致についてのお尋ねにお答えします。 地域の経済活動や県民生活を支える社会基盤である港湾を整備し、物流機能の強化を図ることは極めて重要です。 このため、県では、港の背後に立地している基礎素材型産業を中心とした企業群のニーズを踏まえ、水深の深い岸壁において、主に大型のコンテナ船やバルク船を対象とした港湾施設の整備を進めてきたところです。 また、これまで整備してきた施設を生かし、物流業務の省力化に資するコンテナ船の定期航路を誘致するなど、海上輸送の促進に取り組んでいます。 お尋ねの長距離フェリーの誘致に当たっては、乗船客数や貨物輸送量の確保等の課題があることに加え、県が管理する港湾のターミナルは、地域間を結ぶ小型フェリーを対象としており、長距離フェリーの入港に必要な水深を有していないことから、その誘致は難しいと考えています。 次に、山口県立総合医療センターへの救急搬送についてのお尋ねにお答えします。 県では、県立総合医療センターへのアクセス性の向上を図るため、これまでも県道大内右田線として国道二号や国道二百六十二号からのアクセス道路を段階的に整備するとともに、防府市南部からの搬送時間の短縮を図るため、県道中ノ関港線として佐波川を渡河する大崎橋の整備を行ってきたところです。 一方、防府市西部からのアクセス道路については、県道としての位置づけがないことなどから、現時点では具体的な検討に至っておらず、今後の課題と考えています。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)介護職の方の確保についての二点のお尋ねにお答えをします。 まず、介護職員の確保に向けた取組に関する所見についてですが、高齢化が進行し、介護人材の不足が懸念される中、介護人材の安定的な確保を図るためには、職員の離職防止と定着の促進に取り組んでいくことが重要と考えています。 このため県では、お示しの介護職員処遇改善加算が積極的に活用されるよう、集団指導や実地指導等を通じて、制度の周知や助言に努めるとともに、施設長等を対象に人事制度や賃金体系など、雇用環境の改善を図るための研修に取り組んでいるところです。 また、事業者の主体的な取組を促すため、労働環境の改善や人材育成に積極的に取り組んでいる事業所を、働きやすい介護職場として認証しているところであり、ウェブサイトや冊子等で広くPRし、認証事業所の拡大に努めています。 次に、介護職の魅力の発信についてです。 県では、介護職のやりがいや魅力を発信するため、意欲や能力、経験年数に応じてキャリアアップが可能な職種であることを盛り込んだ、福祉の仕事・資格ガイドブックを作成し、福祉人材センターにおける職業紹介や学校の出前講座等の機会を通じて周知しているところです。 また、子供や若者が、介護職の意義を理解し、その魅力を感じ取れるよう、小学生親子バスツアーや職場体験等を実施し、将来的な介護の担い手の育成につなげているところです。 県としましては、引き続きこうした取組を通じて、介護人材の安定的な確保に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)鳥獣被害防止対策についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、アライグマやヌートリア対策として、新たな技術開発・実証の取組と進捗状況についてです。 アライグマやヌートリアについては、近年、一部の産地において果樹や水稲などの被害が顕在化するなど被害額は増加しており、今後、生息域の拡大や被害額のさらなる増加が懸念されています。 このため県としては、本年度から効果的な捕獲技術の開発・実証に取り組んでいるところです。 具体的には、より効果的な捕獲に向け、他県とも情報交換を行いながら、行動特性に基づくわなの設置方法等について実証試験を行っています。 次に、被害の軽減に向けた農家の方々に対する情報提供等についてです。 特定外来生物を含めた有害獣に係る情報提供については、引き続き各農林水産事務所と市町担当部署との連携により、必要な目撃情報や被害情報の提供等を行ってまいります。 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時二十五分休憩