1 避難所の運営について 2 光ファイバー網の基盤整備について 3 子ども食堂の取組への支援について 4 浸水対策について 5 無電柱化について 6 デイジー図書・教科書について 7 その他
議長(柳居俊学君)曽田聡君。 〔曽田聡君登壇〕(拍手) 曽田聡君 皆様、おはようございます。公明党の曽田聡でございます。 質問に入る前に一言申し上げます。 昨日、我が党は、第十三回全国大会を開催し、山口那津男代表を再任するとともに、石井啓一前国交大臣が、新幹事長に就任するなど、新たな体制で出発をいたしました。 山口代表は、挨拶の中で、菅義偉首相の下で新たに発足した自公連立の運営について、公明党は日本の未来に責任感を共有し、政治の安定と改革の推進のため、連立政権合意の着実な実行に総力を挙げるとともに、国民目線からの改革を進める菅内閣を全力で支えると力説し、また、大変お忙しい中、来賓として出席された自由民主党新総裁、菅義偉新内閣総理大臣から、我が党に対して大変心温まる挨拶と規制改革を進め、国民のために働く内閣をつくっていくために協力をお願いされました。 我が党は、山口代表を先頭に、希望と安心の新時代を築くため全力で働いてまいることをお誓いし、通告に従い質問に入らせていただきます。 初めに、避難所の運営について、お尋ねいたします。 新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、この夏も気候変動に伴う台風や豪雨等による大規模な風水害が発生しています。また、いつ起きてもおかしくない大地震、複数の災害が同時に起こる複合災害など、今後起こり得る最悪の事態を想定した対策を講じる必要が急務であります。 本年七月、長期にわたり梅雨前線が、本州・九州付近に停滞し、特に三日から八日にかけては、九州で多数の線状降水帯が発生したため、三日から四日にかけては、鹿児島県薩摩地方・大隅地方や熊本県天草・芦北地方や球磨地方付近で局地的に猛烈な雨が降り、六日から八日にかけては、長崎県、佐賀県、福岡県筑後地方、大分県、熊本県北部で局地的に猛烈な雨が降り、多大な被害が生じたことは御案内のとおりであります。 特に、熊本県を流れる球磨川水系では、八代市、芦北町、球磨村、人吉市、相良村の計十三か所で氾濫・決壊し、町のほとんどが浸水し、道路も至るところで寸断され、電気・ガス・水道など生活インフラも途切れ、発災直後は陸の孤島となりました。 また、九月には、近年まれに見る大型で非常に強い台風十号が、九州そして、本県全域を暴風域に巻き込み北上いたしました。 六日から七日にかけて吹き荒れた暴風は、各地で停電を引き起こしました。 平成二十八年十一月議会においても、人工透析を余儀なくされている方々はじめ、持病をお持ちの方が医療機器を使用するために欠かせないインフラが電気であり、電気が止まることで命に係る非常事態となることに触れました。 また、近年、その増加が心配される熱中症の予防のために必要なエアコンの使用にも電気が不可欠であります。 この台風十号の襲来の際は、早くから気象庁・国土交通省等で注意喚起がなされたため、市町が開設した避難所に身を寄せられる方がいつもより多かった一方、新型コロナウイルス感染症拡大防止、三密回避のため一避難所当たり収容人数を制限した自治体もありました。 三密回避のためには、今までの避難所の数では、避難者を受け入れることは難しく、これからは、避難所の数、そこで支援する側の人数を増やすことが求められます。 そこで二点についてお尋ねいたします。一点目は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、できるだけ多くの避難所を開設・運営するためには、支援者の人数をいかに増やし、いつ起きるか分からない災害に備える必要があります。 県、市町の災害担当者、県社協、市社協のマンパワーでは、より多くの避難所の運営は厳しいものと考えます。 そこで県内にも多くその資格を有する防災士を活用し、自治体、社協、防災士の団体が日頃から連携し、地域住民の協力、ボランティアの育成に力を注ぐべきと考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 二点目は、避難所となる小中学校や公民館などの公共施設や病院、社会福祉施設などの非常用電源の確保をどうするか。 さきにお示ししたように、大規模な災害が発生した場合、生活インフラが途切れ、いきなり非日常の生活が余儀なくされます。 避難所には、電力やガスなどのエネルギーの網から独立した設備として再生可能エネルギー設備や蓄電設備、東日本大震災以降注目されている可搬性の高いLPガス非常用発電機の導入について支援する必要があると考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 次に、光ファイバー網の基盤整備についてお尋ねいたします。 国内のインターネットに流れる情報量は、年間二割から四割程度のペースで増加傾向にあります。動画コンテンツの高精細化や大容量のゲームコンテンツの配信に加え、テレビ放送のネット同時配信等、新たなコンテンツの普及拡大等により、情報量の需要が今後も伸びることは、容易に想像できます。 本年三月以降は、新型コロナウイルス感染症対策のため、テレワークやウェブ会議、オンライン授業等、在宅時間の伸びに伴って、インターネットの情報量の伸びは、特に顕著となっています。 このように、インターネット利用の高まり、情報量の増加に対して、総務省では、5GやIoT等による地域活性化や地域の課題解決を支援するため、地理的に条件不利な地域において、高速大容量無線局の前提となる光ファイバーの整備を目的とした事業に要する経費の一部の補助を打ち出しました。 また、今年度の補正予算では、支援対象地域を条件不利地域以外の地域にも特例的に拡大し、地方公共団体や電気通信事業者等による5G等の高速大容量無線通信の前提となる伝送路設備等の整備についても支援するとしています。 本県におけるデジタルデバイド地域は、いわゆる情報通信の条件不利地域の解消について、今まで幾度となく質問してまいりましたが、その地域への光ファイバーの延伸、敷設に対して一定の理解はいただいているものの、実行には至らず今に至っています。 光ファイバーの伝送路として一般家庭へ直接引き込むFTTHの世帯カバー率は、二○一九年三月末現在、全国で九八・八%、山口県は九四・九%と約四%の開きがあります。 その開きのほとんどが中山間地域や島嶼部におけるカバー率の低さによるものであり、その地域を多く抱える本県として、多大な設備投資がかかるこの事業に対して、電気通信事業者や県そして各市町も積極的投資にちゅうちょしてきたことが要因であると思います。 しかし、この状況が、くしくも新型コロナウイルス感染症という百年に一度発生する未曾有の感染症が一変させました。 国や多くの地方自治体が、二○二○年度予算案に、次世代通信規格5Gについて組み込んでいましたが、コロナ禍における新しい生活様式や大都市圏から地方への流れの中、特に人口減少で苦しんでいる過疎地をはじめ地理的に条件不利な地域に、生活インフラとして欠かせない光ファイバーの整備が加速されることとなりました。 今から四十年前に出版された、第三の波の著者であり、未来学者であるアルビン・トフラー氏は、情報化の時代には、通勤の代用としての通信の役割が増大、コンピューターの操作テーブル、テレビ会議用の設備を配したエレクトロニクス住宅が仕事の場になるとその著書の中で書いています。今まさに現実のものとなっています。であれば、大都市圏の狭い空間で仕事をするより、自然豊かな地方で、通勤・通学で時間と体力を奪われるより、ゆったりと生活できる田舎暮らしが選ばれる時代がもうそこまで来ている感がするのは、私だけではないと思います。 そのために、山口県内の津々浦々でFTTHの恩恵が享受できる環境整備が必要と考えます。 そこでお尋ねいたします。デジタルデバイドの解消に向け、光ファイバーの整備に、県としてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、子ども食堂への支援についてお尋ねいたします。 二○一二年頃、東京都大田区の八百屋さんの一角で始まったとされる子ども食堂は、二○一五年には千か所を超え、二○一八年には二千二百八十六か所に、二○一九年六月現在、三千七百十八か所と急速に全国へ拡大しています。 公明党は、子供の将来が生まれ育った環境に左右されることのない社会をつくろうと、二○一三年六月に子どもの貧困対策推進法の成立をリードしてまいりました。 国及び地方自治体が、子供の貧困対策に対して支援策の拡充を図る中、今では、貧困家庭の子供への支援に限らず、多くの子ども食堂は、子供から高齢者まで幅広い世代に利用され、地域食堂やみんなの食堂といった名称の食堂も目立つようになり、地域の世代間交流の場としての役割も担い、希薄化する地域の結びつきの再生も期待されています。 本県では、これまで、子ども食堂の拡大に向け、開設や継続的な運営に向けた支援体制を整備するとともに、今年の一月からは、子ども食堂の普及・定着を後押しするため、県独自の登録制度をつくられるなど、子ども食堂のサポートに積極的に取り組まれています。 しかしながら、地域での貧困家庭の子供等への見守りや世代間交流の充実に向けては、子供たちが利用しやすい身近な地域に食堂があることが望ましいことから、県内各地域での設置に向け、さらに取組を進めていく必要があります。 公明党の竹谷とし子参議院議員は、国会質問で子ども食堂への負担軽減について言及し、農林水産省が、本年五月から政府の備蓄米、年間六十キロを上限に子ども食堂等に無償提供する制度が開始されました。 このような様々な形での行政の下支えが、子ども食堂の拡大につながると思うのです。 また、子ども食堂の多くが、NPO法人等、運営基盤が脆弱な民間団体により運営されていることから、継続的な運営に向け、人材の確保や利用者への周知、運営経費の確保等、現場の声も踏まえて支援していく必要があります。 私が住んでいる山口市小郡地域は、古くから何代も続く家もある中、土地柄か、転勤族、また定年後、その利便性を考えて移り住まれる方も多くおられます。 現在、小郡地域で開設されている、小郡みんな食堂でも、結びつきや触れ合いを求めてボランティア活動に参加されている方もたくさんおられます。中には、ホームページを見て、周南地域から参加された二十代の男性、ボランティア活動に興味ある大学生や高校生も参加され、重要な戦力として活躍されています。 しかし、あくまでもボランティア活動であるため、参加を強制できず、時には少人数での運営もあり、継続していくための必要人数の確保が課題となっています。 また、現在コロナ禍の中にあっても、経済的に困窮し食事にも事欠く子育て世帯を支援するため、活動を継続する子ども食堂もありますが、子供や保護者が食堂の存在を知らず、支援の手が届かないケースが多くあります。さらなる認知度の向上を求める声も上がっています。 そこでお尋ねいたします。身近な地域での子ども食堂の見守りや世代間交流を実現する子ども食堂の拡大や継続的な運営に向け、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、浸水対策についてお尋ねいたします。 平成三十年七月発災した西日本豪雨では、本県でも周南市三丘地区で島田川の堤防が決壊し、多くの家屋が浸水、岡山県真備町では、高梁川水系の小田川等が氾濫、そして八か所で堤防が決壊して、真備町全域が水没する大災害となりました。 昨年十月には、台風十九号により長野市千曲川で氾濫、そして穂保地区では、堤防が約七十メートルにわたって決壊し、同地区を中心に広範囲に浸水被害をもたらしました。 本年七月には、山口市大内地域を流れる県河川、仁保川の水位が上昇し、御堀橋近くの堤防の一部が崩れ、住宅地への浸水が心配されました。この地域は、住宅密集地であるため、住宅地へ浸水がなかったことに、地域の住民の皆様から安堵の声とともに、今後の浸水対策を早急にお願いしたいとの声も頂きました。 毎年のように起こる大雨災害に対し、どのように対策を考えるのか、全国の事例を学ぶべく、公明党山口県議団は、埼玉県春日部市に建設された首都圏外郭放水路を視察いたしました。 長さ百七十七メートル、幅七十八メートルの広大な空間に重さ五百トンの柱が五十九本も立ち並ぶ調圧水槽は、俗称、ギリシャのパルテノン神殿をほうふつさせることから地下神殿とも言われています。 この世界最大級の地下河川は、江戸川流域の中小河川からあふれ出した水を立て坑より一時的に引き取り、約六・三キロメートルのトンネルを通して調圧水槽に流れ込み、再び江戸川へ放流する役割を担っています。 昨年十月の台風十九号では、この地下神殿に東京ドーム十杯分、一千二百万立方メートルもの水を飲み込み、吐き出し続け、関東全域に甚大な被害を及ぼした昭和五十七年九月に本州を縦断した台風十八号の一・一倍の降雨に対して、浸水被害を約九割軽減できたと言われています。 本県でも都市部を中心に田畑が住宅地となり、想定を超える降雨時は、河川へ排出する下水道等の排水能力が不足し、低地の住宅地へ流れ込み、床下あるいは床上浸水の内水氾濫を引き起こしています。 山口市では、集中豪雨や台風などによる浸水被害を軽減するために、雨水貯留施設の設置を進めておられます。 完成している赤妻一号は、コンクリート製の貯留材を地下に設置し、二十五メートルプール約二杯分の雨水を貯留できる施設ほか、建設中の赤妻二号はじめ、市内七か所で計画され、浸水被害の軽減を図っておられます。 また、岩国市では、冠水多発地区において、排水路の改修やポンプ場の整備を進め、内水氾濫による浸水被害の軽減を図っておられます。 一方、外水氾濫については、河川改修やしゅんせつなどにより河川の流下能力を維持向上することが重要であり、県において三か年緊急対策や経済対策による国補正予算などを活用して河川整備を進めていることとし、その際、過去の災害発生状況などを勘案して、緊急度の高い河川から迅速かつ計画的に河川改修等の対策を講じていただきたいと考えております。 そこでお尋ねいたします。県としては、浸水被害の軽減に向けて、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いをいたします。 次に、無電柱化についてお尋ねいたします。 電線は、町の景観を損なうのか、また、現代を生きる私たちにとって日本の原風景なのか、住宅密集地域や商店街、歓楽街の空を見上げてみると、クモの巣状に張り巡らされた電線が、これでもかというほど目に入ってきます。 この電線が時にインスタ映えするとのことで、多くの外国人観光客の話題となり、また、電線しかインスタに載せない女優さんも話題になっています。 一方、町の景観をクモの巣状の電線から開放し、安全で美しい景観のまちづくり、本来の日本の原風景に戻す取組も行われています。 令和元年九月議会におきましても、我が党の先城憲尚議員は、諸外国に比べ、その取組が遅れている無電柱化について、新たな工法を採用し、コスト縮減も含めて国交省に検討を進めていただきたい、そして県として国への要望も含め、無電柱化の必要性を述べておられます。 国交省の無電柱化推進計画によると平成三十年から令和二年の三か年、過去のピーク時を超える一千四百キロメートルを延長目標に掲げ推進を図っており、地方公共団体におきましても、百二十団体が無電柱化推進計画を、四団体が無電柱化条例を策定され、四十五の都道府県で緊急輸送道路などに道路法第三十七条に基づく電柱の新設禁止措置を講じて、国の流れに呼応しています。 美しい景観の再生のみならず、防災・減災対策を進める上でも、無電柱化は大切なキーワードになっています。 山口県内では、国管理道五十七キロ、県管理道四十一キロ、市町管理道三十三キロで、既に整備されております。 今現在、国道では山口市仁保津の国道九号線の二キロはじめ四か所で合計九キロ、県道では萩市御許町の県道萩三隅線三キロをはじめ五か所で合計六キロ。市道では、山口市小郡下郷の矢足新山口線の○・五キロをはじめ二か所で合計○・六キロが現在事業中であり、合計約百四十七キロメートルが無電柱化される予定です。 これからのまちづくりの観点からも無電柱化は必須項目になりつつあります。全国の観光名所や、かつて宿場町であった地方の町でも無電柱化に取り組み、観光客はじめ人のにぎわいも回復させています。 京都市祇園の花見小路では、観光や景観行政を推進していく市側と京町屋の保存に取り組む住民の意見が一致したことにより、平成十一年六月に計画され、二年後の平成十三年十二月に石畳とともに無電柱化され、今では屈指の観光地になっています。 また、枚方市の枚方宿では、かつての宿場町がゆえに、旧街道の道幅が狭く、共同溝整備や路上変圧器の設置が難しく、裏配線方式で無電柱化を実現し、往時の京街道の宿場町のにぎわいを取り戻しています。 また、山口県では、県庁所在地、広域生活圏中心都市の市役所及び重要港湾、空港等に連絡する道路を第一次緊急輸送道路に、第一次緊急輸送道路と市役所及び町役場、主要な防災拠点を連絡する道路を第二次緊急輸送道路として指定しています。 近年の激甚化する風水害や、いつ発生するか分からない地震時に、災害復旧に必要な道路を確保するために緊急輸送道路における無電柱化は待ったなしと思います。 そこでお尋ねいたします。景観やにぎわい、そして、防災・減災の視点から県として無電柱化にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、デイジー図書・教科書についてお尋ねいたします。 平成二十三年度、山口県立山口図書館にマルチメディアデイジー室が設置され、県内におけるマルチメディアデイジー図書及び教科書の情報発信拠点となっています。 マルチメディアデイジー教科書は、通常の教科書と同様のテキスト、画像を使用し、テキストに音声をシンクロさせて読むことができ、利用者は音声を聞きながらハイライトされたテキストを読み、同じ画面上で絵を見ることもできます。 また、マルチメディアデイジー図書は、パソコンを利用し、文字・音声・画像を同時に再生でき、読みの速度や画面上のレイアウト、文字の大きさや色・背景色などを変更できるデジタル録音図書のことで、令和元年八月現在、同室には四百三十九タイトル二千百三十八枚蔵書しており、県内各機関へ貸し出し、視覚障害、発達障害等の障害のある方や、加齢に伴い印刷物による読書に困難を感じる方などに利用されています。 そして、公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会によれば、平成二十年度よりボランティア団体などと協力して、小中学校の発達障害等、読みの困難がある児童生徒に向けてデイジー教科書の作成・提供を行っており、令和元年十一月現在、小学校二百九十六冊、うち検定教科書数三百十九冊の九二%、中学校百四十冊、検定教科書数百五十九冊のうち八八%をカバーしており、令和元年度同協会への利用申請は、一般提供申請が七千八百三十二名、教育委員会及び学校図書館経由の申請が三千九百七十三名と多くの方に利用されています。 本年は小学校、来年は中学校の教科書改訂の年に当たり、同協会そしてボランティア団体が、授業に間に合わせるため、今まさに教科書のマルチメディアデイジー化の真っ最中と言えるところです。 特に、近年は、教育委員会、学校図書館申請が増えており、通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする場面でも利用されていることがうかがえます。 また、令和元年度の都道府県別の利用実績を見てみますと、大阪府が最も多く、続いて長野県、東京都と続いています。 その普及率から見てみますと、長野県が最も高く、続いて鹿児島県、島根県となっています。 本県では、令和元年度の利用実績が百六十九名、普及率が約七%と全都道府県の中では平均的な状況と言えますが、立派なマルチメディアデイジー室が設置されている環境を考えますと、その普及率をもっと高めることが可能と考えます。 そこでお尋ねいたします。これまでもマルチメディアデイジー図書・教科書活用に向け、様々な研修会など開催されていると存じますが、障害のある児童生徒へのさらなる活用、普及率向上に向けて、どのように取り組まれるのか、教育長にお伺いをいたします。 以上で、私の一般質問を終了させていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)曽田議員の御質問のうち、私からは、浸水対策についてのお尋ねにお答えします。 近年、気候変動に起因する記録的な集中豪雨等による災害が、全国で頻発・激甚化しており、本県でも平成三十年七月豪雨をはじめ、十年間で五回の甚大な浸水被害を受けています。 私は、こうした災害から県民の生命・財産を守るため、治水対策は極めて重要であると考えており、これまでも計画的かつ着実に河川整備に取り組んできたところです。 こうした中、国においては、本年七月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二○二○において、災害に屈しない国土づくりを進めるとの方針を示されました。 県としては、こうした国の方針も踏まえ、防災・減災、国土強靱化の加速・深化に向けて、引き続き、河川改修やダム整備などの治水対策に取り組む考えです。 具体的には、河川改修については、河川整備計画に基づき、川幅の拡幅や堤防の整備など、流下能力を大幅に向上させる抜本的な改修を計画的に進めていきます。 また、ダム整備については、下流域の浸水被害の防止、軽減に極めて有効な治水対策であることから、平瀬ダムをはじめとした三つのダムの整備を着実に推進します。 さらに、今年度から地方財政措置された緊急浚渫推進事業も活用して、浸水被害の軽減を図るため、治水上支障のある箇所のしゅんせつなどを実施します。 このような取組に加え、内水浸水対策についても、県内市町の職員を対象とした浸水対策勉強会等を開催し、お示しの雨水貯留施設等の先進事例に関する情報提供を行うなど、各市町で取組が円滑に進むよう、積極的な支援に努めてまいります。 私は、県民の暮らしの安心・安全はあらゆることの基本であるとの認識の下、市町との適切な役割分担を図りつつ、緊密に連携しながら、浸水被害の軽減に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)避難所の運営についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、地域住民の協力とボランティアの育成についてです。 新型コロナウイルス感染症が懸念される状況下においても、安心して避難していただけるよう市町が十分なスペースを確保し、可能な限り多くの避難所を開設するためには、地域における自主的な避難所運営を推進することが有効と考えています。 このため、県では、地域住民の協力を得て、円滑に避難所運営を行えるよう、避難所開設の手順や運営体制などをあらかじめ定める、避難所運営の手引の作成支援を行っているところです。 また、自主防災組織の役員や防災士等を対象に、地域防災リーダー養成研修を実施し、地域の避難体制づくりと避難所運営をサポートできる人材の養成を行うとともに、福祉施設や社協の職員等を対象に、福祉避難所の設置・運営に関する実務研修も実施しています。 こうした中、避難所の運営に当たり、お示しの防災士を活用する動きや、自主防災組織がサポートした事例も出てきていることから、今後、これらを避難所運営マニュアル策定のための基本指針に反映し、県内市町との情報共有を行うことにより、県下全域への展開を図ることとしています。 県としては、引き続き市町や関係団体、地域住民等と連携し、避難所運営をサポートするボランティア人材の育成等を通じて、コロナ禍においても、避難所運営が円滑に行えるよう取り組んでまいります。 次に、避難所における非常用電源の確保についてです。 避難所の良好な生活環境を維持していくためには、様々な設備な機器の使用に必要な電力の確保が重要であることから、電力会社との連携強化とともに、非常用電源設備の整備を促進してきたところです。 県では、平成二十六年度から平成二十八年度にかけて、国交付金を活用した再生可能エネルギー等導入推進基金により、避難所となる小中学校や公民館などへの太陽光発電設備等の導入を支援してまいりました。 また、病院や社会福祉施設への非常用自家発電設備の導入に向けては、国の補助制度を活用し、事業者への助成を行っています。 こうした県の支援に加えまして、再生可能エネルギー設備や非常用自家発電設備については、国や業界団体等による様々な支援制度があることから、市町等に周知をするなど、その活用も促しているところです。 お示しのLPガス非常用発電機は、県内で導入した事例もあり、今後は、こうしたものも含め、避難所における非常用電源の確保を促進するとともに、民間企業との協定に基づき、プラグインハイブリッド自動車を避難所の電源として活用するなど、応急的な電源の確保も図ることとしております。 県としては、引き続き、避難所の良好な生活環境の維持に向け、非常用電源の導入を促進してまいります。 議長(柳居俊学君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)光ファイバー網の基盤整備についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、テレワークやオンライン教育など、インターネットとリモート技術を活用した取組が急速に普及をしております。 こうした動きは、さらに拡大するものと見込まれ、また今後、デジタル技術により地域課題の解決等を図るデジタルトランスフォーメーションの取組を進めていくためにも、その基盤となる光ファイバー網等の情報通信環境の充実が一層重要であると考えています。 県では、これまでも、高速大容量の光ファイバー網である、やまぐち情報スーパーネットワーク(YSN)を基幹網として、通信事業者等の通信網の拡張を促進してまいりました。 また、条件不利地域での光ファイバー整備に対する国の補助事業の活用について市町に働きかけるなど、情報通信環境の整備に取り組んできたところです。 こうした中、お示しのように国が補正予算により、条件不利地域以外への補助対象の拡大等を行ったことから、県では、補助事業の積極的な活用を市町や通信事業者に要請をし、その結果、これまで進まなかった中山間地域等での光ファイバー整備が県内各地で促進される見込みであります。 一方で、この補助事業は、今年度までの措置であり、単年度で整備が完了しない箇所や、採算等の面で事業者との調整が遅れている地域は、未整備のまま残されることが懸念されます。 このため、国に対しては、来年度以降の補助事業の継続と支援内容の拡充、さらには、維持管理経費の負担軽減を図るため、光ファイバー網をユニバーサルサービス化することなどについて、全国知事会等を通じ、強く求めていくこととしています。 県としては、今後とも市町等と連携をしながら、県内のデジタルデバイドの解消に向けて光ファイバー網の基盤整備が一層促進されるよう、積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)子ども食堂の取組への支援についてのお尋ねにお答えします。 子ども食堂は、地域での見守り機能に加え、世代間交流の場としての役割も期待されるなど、家庭や学校に次ぐ第三の居場所として重要な役割を担っています。 このため、県では、子ども食堂が県内各地域へ広がり、身近な場所に開設されるよう、令和三年度末までに百か所の開設を目指して、子ども食堂の拡大や継続的な運営に向けた支援を行っているところです。 まず、子ども食堂の拡大に向けては、昨年度設置した山口県こども食堂支援センターにおいて、開設セミナーを実施するほか、コーディネーターを県内四地域に配置し、開設や運営に係る相談対応を行っています。 また、今年度から、やまぐち子ども・子育て応援ファンドに子ども食堂特別枠を創設し、子ども食堂を立ち上げる際に必要となる経費の助成を行うなど、開設に向けた支援の充実を図っているところです。 次に、継続的な運営に向けては、昨年十月に設立された子ども食堂のネットワーク組織において、食品の衛生管理やスタッフの育成等について、自主的な研修や情報交換を行っており、県としても、その活動に対して支援を行っているところです。 また、お示しのボランティアの確保については、開設セミナー等において、募集方法等の好事例を紹介するほか、子ども食堂が安定的に運営できるよう、現場の実態を踏まえ、関係団体と連携し、ボランティアの継続的な確保に取り組んでまいります。 こうした取組に加え、子ども食堂の認知度の向上に向けて、子ども食堂登録制度を本年一月から開始したところであり、ホームページを通じて、広く情報発信するとともに、子供や保護者に開催情報などが直接届くよう、市町や教育委員会として連携して一層の周知を図ってまいります。 県としましては、今後とも子ども食堂の拡大や継続的な運営に向けて、市町、関係団体等と連携しながら、積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)無電柱化についてのお尋ねにお答えします。 県では、災害防止や安全かつ円滑な交通の確保、良好な景観の形成、さらには観光振興の観点から、特に優先的に実施すべき箇所を選定し、無電柱化を進めているところです。 具体的には、県が管理する道路において、これまで約四十一キロメートルの電線類の地中化を終え、現在、都市計画道路泉町平川線をはじめ、五路線において約六キロメートルの整備に取り組んでいます。 また、本年四月から、地震時等に倒壊した電柱が緊急車両の通行や、地域住民の避難などに支障を来すことがないよう、県が管理する第一次緊急輸送道路を対象に、原則として電柱の新設を禁止し、災害時にも機能する信頼性の高い道路ネットワークを確保することとしています。 さらに、県が策定する無電柱化推進計画が、地域の実情やニーズを反映した内容となるよう、市町や電線管理者等と協議を進めているところです。 こうした取組に加え、にぎわいのある町並みの形成や防災機能の強化に取り組んでいる市町に対して、お示しの無電柱化条例や推進計画等の先進事例に関する情報提供を行うなど、積極的な支援に努めてまいります。 県としては、今後とも市町、電線管理者等と十分に議論を重ねるなど、緊密に連携しながら、無電柱化に係る施策を計画的に推進してまいります。 議長(柳居俊学君)浅原教育長。 〔教育長 浅原司君登壇〕 教育長(浅原司君)デイジー図書・教科書についてのお尋ねにお答えします。 マルチメディアデイジー図書や教科書は、視覚障害や発達障害などにより、図書や教科書などを読むことが困難な児童生徒の主体的な読書活動や学習活動を支援する有効な教材であり、必要とする児童生徒への導入を促進していくことは大切であると考えています。 このため、県教委では、デイジー図書については、県立山口図書館内に設置されたマルチメディアデイジー室の蔵書の充実を図るとともに、デイジー室に来ることができない県民のため、市町立図書館での図書の受け取り・返却サービスや、県立特別支援学校や小中学校の特別支援学級への団体貸出し等を実施しているところです。 加えて、児童生徒はもとより保護者が直接図書に触れる機会を確保するため、社会福祉団体等が主催する行事へ赴き、図書の紹介や実演を行っています。 また、デイジー教科書については、教職員等を対象として、デイジー機能や操作方法等に関する研修会の実施、教科書の申請方法の周知、やまぐち教育フォーラムでの紹介等により、必要とする児童生徒への円滑な導入が図られるよう取り組んでいます。 こうした中、国が進めるGIGAスクール構想の実現に向け、現在本県が進めている一人一台端末の導入は、個々の端末でデイジー図書を見たり、デイジー教科書をダウンロードして使用したりするなど、障害のある児童生徒にとって、デイジー図書・教科書を利用しやすい環境の整備につながるものと考えています。 今後、一人一台端末を整備することを踏まえ、デイジー図書・教科書を利用した学習に関して、特別支援教育の研修会等で、端末を使った体験や活用事例等の紹介を行うなど、端末が効果的に活用されるよう取り組んでまいります。 さらに、これまでの教員向け資料に加え、新たに豊富な蔵書を有するマルチメディアデイジー室の紹介記事や教科書の申請方法などを掲載した家庭向けリーフレットを作成し、ウェブページに掲載するなど、特別な教育的支援を必要とする児童生徒やその保護者の理解促進を図ってまいります。 県教委といたしましては、こうした取組の充実を図ることにより、デイジー図書・教科書のさらなる活用、普及率向上に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時三十二分休憩