1 新型コロナウイルス感染拡大に伴う支援策について 2 観光産業について 3 農業被害に備えての注意喚起について 4 その他
───────────── 午後一時開議 副議長(藤生通陽君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───────────── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十七号まで 副議長(藤生通陽君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十七号までを議題とし、質疑の議事を継続します。 酒本哲也君。 〔酒本哲也君登壇〕(拍手) 酒本哲也君 民政会の酒本哲也です。 質問の前に一言申し上げます。 八年七か月続いた安倍政権が退陣し、菅新政権が誕生いたしました。私個人的な意見といたしましては、全否定が全てではなく、これまで安倍総理ができたことは様々あったであることは、真摯に受け止めるべきだと考えております。 しかし、自殺者を出してしまった森友学園、公文書の改ざん問題など、国民が納得できない事件が起こったことは紛れもない事実であり、今後、二度と同じことが起きないよう、政権が変わったことを理由に、このまま何もなかったことにするのではなく、しっかり検証する必要があると思います。 経済が大きく低迷する中で、安倍政治の継承を掲げ、第九十九代総理大臣に菅義偉氏が就任されましたが、先日の毎日新聞の世論調査によれば、内閣支持率は六四%と、菅内閣に対する国民の評価は高いようであります。 特に私が期待するのは、菅総理が掲げる不妊治療の保険適用化です。これまで五四%の方が経済的理由で不妊治療を断念されたそうです。少子化の解決に対してはもちろんのことですが、本当に困っている方々のためにも、早期実現を期待しております。 また、国民のアンケートで衆議院の早期解散選挙か、それとも新型コロナ対策か、どちらかを優先するべきかの質問には、新型コロナ対策が七二%で、早く衆議院選挙を行うべきと答えた方は一九%でした。国民がいかに新型コロナウイルスに恐怖を抱き、経済が大きく低迷し、生活が立ち行かない状況にあることが明確に示されたことと思います。 菅総理も十二分に御承知のようで、国民が今求めるものは、新型コロナウイルスの終息と経済を立て直すことであると発言されております。一日も早く国会を開会し、与野党の論戦の中から、新型コロナウイルスの終息と低迷する経済の立て直しに全力を尽くしていただきますよう強く申し上げ、質問に入ります。 まず初めに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う支援策についてお伺いします。 昨年十二月、中国武漢で発生した新型コロナウイルスが日本で報道されるようになったのは、今年の一月になってからのことですが、ここまで世界的規模で被害を及ぼすとは、誰もが想像しなかったことと思います。 東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会の延期、野外・屋内コンサート、また修学旅行、各地方のイベントなど、今年はほとんどの行事が中止や延期となりました。 そんな中、最新の動きで一例を挙げますと、政府は九月十九日から十一月末まで、イベント人数規制を制限緩和するという、コロナ感染防止策と経済活動を両立する政策を発表いたしました。 収容人数に関しては、感染リスクの少ないクラシック音楽コンサート等のイベントについては一○○%以内に緩和、そのほかのロックコンサート、スポーツイベント等のイベントについては五○%以内とするとしております。 そのほか、様々な条件はありますが、現在、大変苦しんでおられるエンターテインメント業界、スポーツイベント業界に、明るい兆しが見えてきたのではないかと思います。 新型コロナウイルスの感染拡大は、経済活動にストップをかけ、多くの中小企業の経営を直撃しております。飲食業、観光業、小売業、宿泊業などが特に直撃を受けている業種に上げられておりますが、このまま今年の冬以降も収束せず、ワクチンの投与が来年以降という形になれば、比較的被害も小さくなると見られていた製造業や卸売業、また、そのほかの業種にまで甚大な影響が出てくることは確実となってきました。 東京商工リサーチのまとめによりますと、二○一九年の休廃業解散は四万三千三百四十八件、倒産が八千三百八十三件で、一年間で合計約五万二千件の企業が廃業、倒産したことになります。 また、政府の統計では、年間売上げが五百万円以下の中小企業は、約七十万社もあるそうです。 しかし、これは新型コロナウイルスが発生する前の二○一九年の数字であり、今年に入ってからの倒産件数は、想像をはるかに超える数字になることは明らかであります。 東京商工リサーチが行った中小企業の廃業に関するアンケート調査によりますと、七・七%の中小企業が、新型コロナウイルス収束が長引いた場合、廃業を検討する可能性があると答えており、そのうちの半数近くが検討する時期を一年以内と答えているそうです。 平成十九年十月に総務省統計局から公表された、平成十八年事業所・企業統計調査を基に、県内企業の割合を計算してみましたところ、山口県の事業所数は七万一千六百五十一事業所で、この数字に七・七%を当てはめると五千五百十七件の企業が、また、産業別では、飲食店、宿泊業が八千二百十一事業所中六百三十二件が一年以内に廃業を考えているという計算になります。 実際、私の周りでも新型コロナウイルスの影響が出だしてから、廃業、閉店した仲間が増えてきましたし、回復できるかどうか年末まで待ってみるという、小売店の声も伺っております。それだけせっぱ詰まった中小零細企業、個人商店が県内に増え続けていることは間違いありません。 これまで、国の支援策としましては、特別給付や持続化給付金、雇用調整助成金、家賃支援給付金、まだまだ様々な助成を、そして本県ではこれまで、新型コロナウイルス対策営業持続化支援金、また、感染拡大防止協力金、営業持続化補助金など、様々な助成を制度化され取り組んでこられました。 しかし、いまだ先の見えない非常に厳しい情勢の中で事業を続けていくためには、県としてさらなる支援が必要と考えます。 そこでお尋ねいたします。これまで本県が取り組んでこられた支援、また、さらに厳しい状況が長期化する可能性を踏まえての、今後の支援策について御所見をお伺いします。 次に、貧困家庭、増加する失業者に対する支援策についてお伺いします。 今年三月卒業の学生で就職内定を取り消された方は、八月末時点で百七十四人に上ると厚生労働省から発表されました。東日本大震災があった二○一一年以降の多さです。 先ほどからも申し上げているとおり、倒産、廃業、売上げの低下が続くと必然的に失業者は増え、給料が下がった家庭はさらに厳しい生活を送っておられます。 先日、感染予防対策を徹底的に行い、お客様を迎えられている下関の飲食店に行き、お話を伺いました。 今年の初めまで十人の従業員を雇用していたそうですが、現在は事業主と、その娘さんのお二人で営業されておりました。 歓送迎会シーズンには既に落ち込んでいた客足も、四月十六日に全国を対象に出された緊急事態宣言後は街から人が消え、その後は一旦店を閉め、営業を再開してからも客足は全く伸びず、収束後に戻れる場所を継続していくためにも、従業員を解雇しなくてはならない状態になったそうです。 このお店で解雇された方々の中にはシングルマザーもおられ、事業主はお子さんのことも心配しておられました。 これは一事業所の一例であり、こういった例が県内で増え続けております。 特に一五%以上いると言われる相対的貧困層の方々、また、新型コロナウイルスの影響により職を失った方々は、大変不安な毎日を送っておられると思います。 そこでお尋ねします。新型コロナウイルスの影響を受け、失業された方々、また、さらに厳しい生活を強いられておられる御家庭に対する、これまでの取組と、今後の支援策について御所見をお伺いします。 次に、観光産業について質問いたします。 まず、コロナ禍の県内状況についてお伺いします。 私が住む下関市では、シルバーウイークに渋滞が続くなど、外国人を除く、多くの観光客が戻ってこられ、新型コロナウイルスが発生する前のような町の光景を目にいたしました。 国内では「Go To トラベルキャンペーン」が始まっております。除外されていた東京も十月一日より規制解除となり、観光産業も少しずつ明るい兆しが見えてきたのではないでしょうか。 一・七兆円という予算が国内観光で使われるのは前例がなく、観光産業の回復につながることを期待しております。 「Go To トラベルキャンペーン」は宿泊費だけではなく、飲食やお土産のクーポンなども利用されるなど、観光業の裾野の広さに合わせた施策であり、影響が大きいと思われます。 そして本県では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている観光業の支援策として、「Go To トラベルキャンペーン」とは別の、やまぐちプレミアム宿泊券を販売いたしました。二千五百円で倍額の五千円分利用できるという、プレミアム宿泊券ですが、数回販売し、いずれも即日完売になったと聞いております。 私は、これからしばらくの間、マイクロツーリズムが本県の観光産業が生きるための最も重要な方法の一つだと思っております。 マイクロツーリズムとは、星野リゾートの代表が提唱されている観光の一種で、自宅から一時間から二時間圏内の地元、または近隣の宿泊観光や日帰り観光を指し、地元に目を向けて楽しむマイクロツーリズムにより、感染拡大を防止しながら地域経済と両立する、新たな観光の在り方と言えます。 そこでお尋ねします。コロナ禍における県内観光状況の確認を踏まえ、観光産業に対する本県の取組と実績、また、これからも続くウイズコロナ期に対しての取組についてお示しください。 次に、新型コロナウイルス収束後に備えてのインバウンド誘致の活動についてお伺いします。 日本政府が新型コロナウイルス対策の一つとして、海外からの入国制限を挙げて半年以上がたちました。 最初に対策が取られたのは中国と韓国の二か国であり、この二か国に対して三月五日、海外の日本大使館・領事館で発行された日本への入国を許可するビザの効力停止措置が取られました。その後、欧米を中心とし世界的大流行に発展し、現在では百五十九の国・地域からの入国を制限しております。 日本政府観光局によると、二○二○年五月の訪日外国人人数は僅か千七百人と前年同月に比べて九九%の減、その後は東アジア市場に限らず、米国や英国などの欧米諸国もほぼ一○○%減少するなど、地域に関係なく訪日外国人は激減しております。 インバウンドに関しては最悪の状況が続いておりますが、そんな中、よいアンケート調査を目にしました。 産経ニュースの報道では、アジアや欧米豪十二か国の地域の人たちを対象にした調査で、新型コロナウイルスの感染終息後に訪問したい国と地域は、日本が最も人気であったと報じております。 日本は四六%と二位の韓国の二倍以上の人気であり、十か国・地域の回答のトップは日本、韓国は日本と並んでハワイの人気が高かったのですが、ほかのアジアの国・地域では二位に大差をつけて日本が首位でした。アメリカやオーストラリアも首位は日本だったそうです。 日本を訪問したい理由は、清潔だから、それが四位の三六%。特に、欧米豪は清潔さを評価される割合が高かったそうです。 新型コロナ禍で訪日客はほぼ消失していますが、政投銀は、評価が低かった多言語対応を改善し、癒やしにつながる体験型観光などの準備を進めるべきだと報じておりました。 いまだ先の見えない状態が続けておりますが、収束後には、他県より多くのインバウンドが本県に来ていただける取組をしなければなりません。 そこでお伺いします。新型コロナウイルスの蔓延後、これまでの取組状況と今後の取組についてお示しください。 最後に、農業被害に備えての注意喚起についてお伺いします。 農業への参入は、新規参入者に高いハードルがある一方で、離農者は年々増加しております。 農業従事者の減少傾向に歯止めがかからない最も大きな要因に少子高齢化が上げられておりますが、その流れが今後ますます加速していくことが懸念されております。 総務省の発表によれば、一九九五年に約二百五十六万人だった農業従事者は、二○一八年には約百四十五万人。約二十年間に四三%減少した計算になります。 平均年齢も一九九五年の五十九・六歳から二○一七年の六十六・六歳と七歳も上昇しており、高齢化に拍車がかかっております。これから高齢によるリタイアが相次ぐことは必至で、農業従事者を少しでも増やしていくことは喫緊の課題とされております。 農水省では、地域の活力創造プランを作成し、二○二三年までに四十歳以下の農業従事者を四十万人に引き上げる目標を掲げ、農業に足を踏み入れようとする人々への必要な技術習得の研修や、経営の不安定な新規就農者への補助等による支援などの対策を講じるとしています。 本県でも離農問題は大変深刻な課題ですが、そんな中、昨年に引き続き、トビイロウンカの水稲被害拡大が問題となっております。このトビイロウンカとは、稲に寄生する害虫で、増殖した虫が稲を吸汁し、吸汁害を起こし、生息密度が最も高い部分から坪状に枯れ始め、枯れ込みは次第に周辺部へ広がっていくそうです。 梅雨どきに東シナ海で発生する南西風に運ばれて、中国大陸から九州に到着すると言われておりますが、中国大陸に近い本県にも大量のトビイロウンカが直接飛来していると思われます。 本県での昨年のトビイロウンカの被害面積は二千三百九十二ヘクタール、東京ドームで計算すると約四百九個分となっておりますが、現時点、今年の被害は昨年を上回るとも言われております。 私も実際に下関の北部にある農家にお邪魔し、被害を確認させていただきましたが、水田の半分以上が既に刈り取られたように稲が倒れており、その光景が辺り一面に広がっておりました。 農家の皆様にお話を伺ったところ、一番声が多かったのは、いつ、どの種類の薬をどうやって何回、散布するかなど、県から的確な指導がほしいとのことでした。 毎年、農機具が壊れたので、それを機に離農する方、また、トビイロウンカの被害のように、被害がひどい年を機に離農される方が増えていると伺いました。 もちろん、野生動物の餌場や廃棄物の不法投棄場としても懸念される、耕作放棄地の問題にも直結しております。 本県が進める農業の持続的発展のためにも、病害虫による農業被害を未然に防ぐ取組が最重要課題であります。 そこでお伺いします。病害虫による農業被害、特にこのたび取り上げさせていただいたトビイロウンカの被害に備えての、これまでの取組と、今後の課題と取組について御所見をお伺いします。 以上で、私の質問終わります。ありがとうございました。(拍手) 副議長(藤生通陽君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)酒本議員の御質問のうち、私からは、県内企業に対する支援についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症は、サービス業をはじめ、県内の様々な業種において影響を及ぼしており、私は、こうした事業者の事業活動の維持・継続を支援することが極めて重要であると考えています。 このため、まず、当面必要とされる資金繰りに支障を来すことのないよう、県制度融資を大幅に拡充し、金融の円滑化を図るとともに、感染症の影響が大きい食事提供施設に対しては、営業持続化等支援金の支給を行ったところです。 また、売上げの回復に向け、テイクアウトによる販路の開拓や、感染症対策に必要な環境整備などを支援するとともに、頑張るお店応援プロジェクトや各種キャンペーンの実施を通じた消費需要喚起にも取り組んでいます。 しかしながら、感染症の収束が見通せない状況にあっては、人々の行動も慎重にならざるを得ず、社会経済活動の回復に向け、依然として厳しい状況が続いています。 このため、国の制度を活用して商工会議所等が取り組む、「やまぐちGo To Eatキャンペーン」と連携し、山口県新型コロナウイルス対策取組宣言飲食店の利用を促進するなど、さらなる消費需要の喚起を図ることとしています。 また、新たに交付金制度を創設し、市町が主体的に取り組む、地域の状況に応じた経済対策を支援することとしています。 私は、感染症の状況や経済の動向を見極めつつ、関係機関とも適切に連携しながら、県内事業者の事業継続への支援や需要の喚起に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(藤生通陽君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)貧困家庭、失業者に対する支援についてのお尋ねのうち、日常生活の維持が困難な方への支援についてお答えをします。 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、収入が大幅に減少し、日常生活にお困りの方については、県や各市町の福祉事務所等において相談を受け付け、相談者の個別の事情に応じた支援を行っているところです。 具体的には、失業や休業等により収入が減少した方に対し、緊急かつ一時的に支援する緊急小口資金の貸付上限額を引き上げるとともに、当面の生活費を支援する総合支援資金については無利子にするなどの特例貸付けを行っています。 また、失業や就業機会の減少などにより、家賃の支払いが困難になった方に対し、就職活動中や収入状況が好転するまでの間、住居を確保できるよう、各福祉事務所において、住居確保給付金を最長九か月支給しています。 県としましては、今後ともこうした取組を通じて、新型コロナウイルスの影響により生活に困窮されている方々が、一日も早く元の生活を取り戻せるよう、きめ細やかな支援に努めてまいります。 副議長(藤生通陽君)福田商工労働部長。 〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 商工労働部長(福田浩治君)貧困家庭、失業者に対する支援についてのお尋ねのうち、失業者に対する再就職支援についてお答えします。 県では、解雇や雇い止めなどによって離職を余儀なくされた方に対して、キャリアカウンセリングや職業訓練の実施などを通じて、再就職支援を行っています。 まず、キャリアカウンセリングについては、山口しごとセンターをはじめ、県下七か所の県民局に窓口を設け、相談の利便性を図るとともに、県民局には女性相談デーを設定するなど、女性にも寄り添った対応を行っています。 また、高等産業技術学校では、再就職につながる資格・技能習得に向けた職業訓練を実施しており、今回は新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、これまでの訓練に加え、非接触・非対面の観点から、自宅でも受講可能なeラーニングも取り入れたところです。 さらに、人手不足の状況にある福祉などの職種への就職を希望される方については、正規雇用につながるよう、支援金を支給することとしています。 県としては、こうした取組により、離職を余儀なくされた方が一日でも早く再就職し、安心して生活できるよう支援してまいります。 副議長(藤生通陽君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)観光産業についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、コロナ禍の県内状況についてです。 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、観光客が大幅に減少したことにより、本県の観光産業に甚大な影響が生じており、県では、落ち込んだ観光需要の喚起に向けた様々な取組を進めているところです。 具体的には、新たに「行こうよ。やまぐちプレミアムキャンペーン」を展開し、割引率五○%のプレミアム宿泊券を発行するとともに、県内や近隣県からのバスツアーの造成や各地域におけるイベントの開催支援などに取り組んでいるところです。 特に、プレミアム宿泊券については、近隣で観光を楽しむニーズの高まりを受け、県内を含む中国、四国、九州地方で販売し、全五十一万枚が即日完売となったところであり、現在、多くの宿泊施設において、その利用が進んでいます。 また、コロナ禍において、自然体験等の観光ニーズが高まっていることを踏まえ、本県の豊かな自然や特色ある文化等を活用した、魅力ある体験型コンテンツの造成を支援する取組を進めていくこととしています。 次に、コロナ収束後に備えてのインバウンド誘致活動についてお答えします。 現在、海外からの誘客は、入国制限措置により、非常に厳しい状況にありますが、訪日旅行の潜在的需要は依然として高く、こうした需要を確実に本県に取り込むためには、コロナの時代に対応した安心・安全な受入れ環境の整備や効果的なプロモーションを展開していく必要があります。 このため、まず、受入れ環境の整備については、これまで、宿泊施設の感染拡大防止対策の支援を行ったところであり、今後は、需要回復に備えて、宿泊施設が行う新しい生活様式に向けた環境整備を支援することとしています。 また、効果的なプロモーションについては、これまで進めてきたSNSでの情報発信に加え、収束後の誘客拡大に向け、オンライン商談会の開催や国内在住の外国人インフルエンサーの起用など、入国制限時においても実施可能な取組を進めていきます。 県としては、今後とも、政府の水際対策も注視しながら、外国人観光客の誘致に取り組んでまいります。 副議長(藤生通陽君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)農業被害に備えての注意喚起についてのお尋ねにお答えします。 まず、これまでの取組についてですが、県では、水稲など主要な農作物を対象に、病害虫防除所が定期的に巡回調査を行い、発生状況を踏まえて技術情報を取りまとめ、生産者に対し注意喚起を行っているところです。 本年のトビイロウンカに関しては、例年より早く、かつ多数の発生を確認したことから、七月十六日に注意報を、さらに八月三日には、全国で最も早く警報を発令し、その後、継続的に防除対策資料を発出するなど、JA等と連携して被害の軽減に向けた対策を講じてまいりました。 次に、今後の課題と取組についてです。 病害虫による被害を未然に防ぐためには、発生状況に応じた農薬の選定や防除の時期・方法等の技術情報について、適時適切に生産者への周知徹底を、より一層進める必要があります。 このため、引き続き、巡回調査等により発生状況を速やかに把握した上で、必要な技術情報が確実に伝達できるよう、現地研修会の開催や啓発チラシの各戸配布、ケーブルテレビの活用など、様々な手段を通じて情報発信を行います。 県としては、生産者が意欲を持って営農に取り組めるよう、JA等と連携しながら、トビイロウンカをはじめとした病害虫対策に取り組んでまいります。