委員長報告
議長(柳居俊学君)土木建築委員長 髙瀬利也君。 〔土木建築委員長 髙瀬利也君登壇〕(拍手) 土木建築委員長(髙瀬利也君)土木建築委員会を代表いたしまして、本委員会における議案の審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 審査に当たりましては、関係議案及び所管事項全般にわたり、執行部に説明を求め、質疑、検討の結果、議案第一号、第九号、第二十二号、第六十三号、第七十号及び第七十九号のうち本委員会所管分並びに議案第十一号、第十五号から第十七号まで、第四十七号、第四十八号、第七十二号及び第七十六号から第七十八号までの議案十六件については、全員異議なく、いずれも可決すべきものと決定いたしました。 次に、審査の過程における発言のうち、その主なものについて申し上げます。 まず、土木建築部関係では、 防災・減災、国土強靱化の推進について 今後の取組を迅速かつ効果的に進めていくことが重要であるが、来年度、具体的にどのように取り組むのかとの質問に対し、 全国的にも自然災害が頻発化・激甚化する中、防災・減災対策の強化は極めて重要であることから、土木建築部では、国が昨年十二月に取りまとめた、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の予算も積極的に活用し、本年度補正予算と来年度当初予算を一体的に編成し、取組を推進することとしている。 具体的には、まず、道路防災については、県道徳山徳地線など二十五か所ののり面対策や下関市粟野橋など四十四か所の橋梁の耐震化などの事業を計画的に進めていく。 次に、土砂災害対策については、山口市の曽根南川など七十一か所の砂防事業、下関市の前方地区など十六か所の地すべり対策事業、周南市の東金剛山一地区など五十七か所の急傾斜地崩壊対策事業などを計画的に進めていく。 また、治水対策については、椹野川など三十三河川において、川幅の拡幅や堤防のかさ上げを、木屋川など三十河川において、河川内の土砂掘削などの事業を重点的かつ集中的に実施していくとの答弁がありました。 これに関連して、 ○ 公共インフラの老朽化対策について ○ 予算執行における効果の早期発揮について などの発言や要望がありました。 次に、高度なインフラ監視・点検について 来年度の新規事業として、河川と橋梁において、デジタル技術を活用し、インフラメンテナンスの高度化・効率化を図り、「日本一の安心インフラやまぐち」の実現を目指すとしているが、事業の具体的な内容と期待する効果について伺うとの質問に対し、 事業内容について、河川では、ドローン等による地形の変状監視を行っていく。具体的には、衛星やドローン等により三次元の地形データを取得し、各データの精度やコスト等について比較・検証を行った上で、デジタルデータを活用した河川の維持管理について検討を行う。 橋梁については、AIによる構造物の健全度診断等を行っていく。具体的には、離島架橋や特殊な構造を持つ橋梁等において、デジタル技術を活用し、解析の基礎資料となる三次元データの作成や、ひずみ計などによる橋全体の定期的な変位計測を行い、計測結果等のデータベース化を図っていく。 こうしたデジタル技術の活用により、広範な地形の変状の迅速かつ詳細な把握や、異状箇所の早期発見・早期対応が効果として期待できるとの答弁がありました。 これに関連して、 ○ 公共土木施設のインフラメンテナンスの現状と課題について ○ 河川や橋梁以外の公共土木施設への展開について などの発言や要望がありました。 次に、上関大橋の損傷に係る対応に関して ○ 迅速な復旧に向けた取組について ○ 橋梁の点検結果の公表基準の考え方と公表スケジュールについて ○ フェリーの運航について ○ 十五年前の補修工事等に係る上関町への説明について などの発言や要望がありました。 このほか ○ 港湾の機能強化について ○ まちづくりへの支援について ○ 建設DX加速化事業について ○ 宇部湾岸道路について ○ 宇部市旭が丘団地について ○ 県営住宅の駐車場について ○ 江頭川の高潮対策について ○ 山陰道の整備の現状と今後の取組について ○ 下関北九州道路の早期実現に向けた取組について ○ 土木施設の維持管理について ○ 治水対策について ○ 災害復旧の進捗状況について ○ 計画等への用語解説の掲載について ○ 建設産業の担い手対策について ○ コロナ禍による離職者の建設産業への入職促進について ○ 住宅政策について などの発言や要望がありました。 次に、企業局関係では、 渇水対策について、 今年度、給水を開始した島田川工業用水道は、渇水対策に一定の役割を果たしていると思うが、今年度は雨が少なく、菅野系工業用水では現在も自主節水が続いている。渇水は天候に左右される側面が強いからこそ、いろいろな手だてをしていく必要があると考えるが、企業局では、島田川工業用水道のほかにどのような準備を行っているのかとの質問に対し、 水不足が慢性化している地域の渇水対策として、周南地区では、島地川からの取水の一部を有効活用し、川上ダムへ一時貯留を行っており、今年度、貯留条件を緩和し、今まで以上に渇水時に役立つように準備している。さらに、下松市工水の一部を企業に供給する応援給水の協定を下松市と締結している。 宇部・山陽小野田地区では、宇部丸山ダムへの貯水システムを運用開始し、渇水時に役立てている。 また、県全域では、受水企業の水需要に応じたきめ細やかな給水操作や、企業間で工業用水を融通する弾力的水運用の調整などの効率的な水運用の実施や、二部料金制の導入によるダムの貯水量の確保に努めている。 企業局としては、今後も、効果的な水運用等により慢性的な水不足を緩和していくとともに、渇水に備えた供給体制の強化を図るなど、水資源・渇水対策に取り組んでいくとの答弁がありました。 これに関連して、 ○ 島田川工業用水道の給水開始に伴う渇水緩和効果について ○ 下半期のダムの水位の状況について ○ 受水企業への影響について などの発言や要望がありました。 このほか、 ○ 企業局におけるデジタル技術の活用について ○ 企業局の執務環境整備について ○ 水力発電施設の老朽化対策について ○ 工業用水の未契約水及び需要開拓について ○ 今後の経営の進め方について などの発言や要望がありました。 以上をもちまして、本委員会の報告といたします。(拍手)