委員長報告
───◆─・──◆──── 日程第三 山口県の新たな活力創出の推進に関すること 議長(柳居俊学君)日程第三、山口県の新たな活力創出の推進に関することについて、審査の経過並びに結果に関し、委員長の報告を求めます。 山口県の新たな活力創出推進特別委員長 林哲也君。 〔山口県の新たな活力創出推進特別委員長 林哲也君登壇〕(拍手) 山口県の新たな活力創出推進特別委員長(林哲也君)皆さん、大変お疲れさんでございます。二月定例会、いよいよ最後の最後、正真正銘の大トリでございます。林哲也でございます。あと一息、頑張ってください。 山口県の新たな活力創出推進特別委員会を代表いたしまして、本委員会における審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 我が国は、本格的な人口減少社会に突入をし、今後もさらなる人口の減少が見込まれています。本県においては、出生数の減少に加え、大都市圏への人口流出が続き、全国より速いペースで人口減少が進行しております。 このため、県議会では、これまで二回にわたり、地方創生に関する特別委員会を設置をし、本県が進める地方創生の取組を推進し、さらに加速・深化させるための方策について調査研究を行い、村岡知事への政策提言を行ってまいりました。 そして、本県の活力をさらに高め、県民の未来への希望や期待に応えることができるようにするために、令和元年十月に、このたびの山口県の新たな活力創出推進特別委員会が設置をされたところであります。 本委員会の審査方針としては、本県の将来を見据えて重点的に伸ばしていくべき分野などを調査対象とし、本県の未来を担う人材の育成・確保をはじめとした四つの審査項目に沿って、本県が取り組むべき課題や、提言すべき事項について調査研究を行うこととしたところであります。 しかしながら、令和二年一月に、我が国において感染が確認された新型コロナウイルスは、三月以降、本県においても感染が増加をし、四月には、全国に緊急事態宣言が発令されるなど、感染が拡大をしてまいりました。 このため、本委員会の審査においても、感染拡大の影響等についてもしっかりと把握に努めながら、必要な対策等について、幅広い観点からゼロベースで検討の上、政策提言を取りまとめるとするなど、審査方針の軌道修正を行った上で、調査研究に取り組むことといたしました。 委員会においては、執行部の取組等の説明を受けるとともに、計八組の参考人の方々から貴重な御意見や御提言を頂き、委員間で協議を重ねながら、コロナ禍における、本県の新たな活力を創り出すための方策等について、精力的に審査を進めてきたところであります。 それでは、本委員会において取りまとめた審査結果の概要について、御報告をいたします。 本委員会の審査を通じて、全委員が共通して認識していたことは、コロナ禍において、県民が様々な困難を乗り越えようとする中で、芽生えつつある様々な変化を捉え、本県の新たな活力の創出に着実につなげていかなければならないということであります。 そのような認識の下で、本委員会では、審査の過程で各委員や参考人等から出された意見や提言の中から、令和三年度当初予算はもとより、それ以降となっても実現すべき事項などを選び出し、五つの柱、十七項目の政策提言として取りまとめ、昨年十二月に村岡知事へ提出をいたしました。 それでは、五つの柱に沿って、提言の主な内容について申し上げます。 第一は、本県のデジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に推進するための体制の構築であります。 新型コロナウイルスの感染拡大により生じた社会変革の動きを、本県のさらなる成長につなげていくため、県においては、県政の様々な分野でデジタル化を進め、その技術を生かして変革を生み出すデジタルトランスフォーメーションを推進することとしています。 村岡知事のリーダーシップの下で、DXを強力に推進するためにふさわしい県の組織体制の在り方を検討し、最善の体制を構築していくことが必要であります。 第二は、本県の未来を担う人材の育成・確保であります。 社会のデジタル化が進む中にあってこそ、ふるさとに誇りや愛着を持ち、また、地域の課題解決に主体的に取り組むことができる人材の育成・確保が重要であります。 そのためには、ふるさと山口県の歴史や伝統・文化、豊かな自然環境、優れた技術などを有する県内企業などを学び、理解できる教育の実施が必要であります。 また、ICT情報通信技術を活用した教育の環境整備を加速するとともに、学んだデジタル技術も活用しながら、地域の課題を発見し、解決につなげる力を育んでいく必要があります。 そして、人格形成において重要な役割を担う幼児教育・保育をさらに充実していくことも必要であります。 第三は、戦略的な海外展開、海外との多彩な交流による新たな活力創出であります。 海外展開や海外交流については、さらなる人口減少が見込まれる本県においては、活力創出に欠かすことができない取組であります。 このため、感染症のリスク低減にもなる越境ECの活用などを含めた海外事業展開のノウハウ等の習得について支援が必要でありますし、また、本県在住の外国人の皆さんが安心して暮らし、地域を支える人材となるような多文化共生の実現に向け支援を行う必要があります。 第四は、本県の持つ特性や環境などを生かした産業の成長支援であります。 県内経済を支えている中小企業に対し、コロナ禍においても事業を継続し、さらには企業活動の多様化等を通じた経営改革などへの支援を行うとともに、労働力不足の解消等に向けた産業人材の確保が重要であります。 このため、中小企業によるデジタル技術の活用等や、多様な働き方が選択できるような取組への支援とともに、企業の様々な魅力などについて、積極的な情報発信が必要であります。また、農林水産業においてAI等を活用した新技術の開発、定着とともに、そうした取組についてのPR等も必要であります。 第五は、地域の活力を引き出す基盤整備の推進であります。 本県の新たな活力を創出するためには、県民が安心して快適に暮らすことができる生活基盤の充実が重要であります。 このため、県土強靱化の加速はもとより、県民が、様々な分野でデジタル化のメリットを感じることができるよう、5G基地局や光ファイバー網など情報通信基盤の早期整備に向けた支援等を行うことが必要であります。 以上が本委員会で取りまとめた政策提言の主な内容となりますが、審査の過程では、このほかにも、委員や参考人の方から様々な意見や提案が出されたところであり、その概要については、報告書に記載をしているとおりであります。 令和三年度当初予算には、本委員会の提言の趣旨も踏まえ、デジタル推進局や新たな時代の人づくり推進室という新たな組織に係る事業をはじめ、様々な施策が盛り込まれているわけでありますが、コロナ禍における、新たな活力創出の取組は、まさにこれからであります。 感染症の影響による税収減などにより、大変厳しい財政状況下でありますが、実効性の高い対策を重点的に実施していくことが肝要であり、県議会といたしましても、しっかりとフォローアップしていかなければならないと考えております。 以上が、本委員会の審査の経過並びに結果の概要であります。 最後に、村岡知事をはじめ、執行部におかれましては、本委員会が取りまとめました政策提言及び報告書の趣旨を十分にお酌み取りいただき、国、市町はもとより、関係団体や企業、そして県民との連携の下、コロナ禍を乗り越え、本県の新たな活力創出に向け邁進していただきますようお願いをいたしまして、本委員会の報告といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手)