1 米軍岩国基地内のコロナ感染について 2 コロナ禍における献血の推進について 3 東京オリンピック・パラリンピックを契機とする地域活性化について 4 デジタル改革の推進における情報格差への対応について 5 特色ある農産物の産地振興について 6 その他
副議長(藤生通陽君)橋本尚理君。 〔橋本尚理君登壇〕(拍手) 橋本尚理君 私は、自由民主党新生会の橋本尚理でございます。会派を代表して一般質問をさせていただきます。 まずもって、新型コロナウイルスに感染され、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、今なお闘病中の皆様の一日でも早い御回復をお祈り申し上げます。 あわせて、私たちが経験したこともない規模での感染拡大による、様々な困難と試練の中で、懸命に頑張っておられる医師や看護師をはじめとした医療機関の皆様や、知事を先頭に感染症対策業務に従事されている県職員の皆様の献身的な活動や御労苦に対し、深い敬意と感謝を申し上げさせていただきます。ありがとうございます。 皆様の活動を見、そして聞くたびに、私の脳裏に浮かんでくる歌があります。「朝だ夜明けだ潮の息吹き うんと吸い込むあかがね色の」、そうです、軍歌「月月火水木金金」であります。 我が国を守るために、休日返上で厳しい訓練に励む海の男の勤務礼賛の歌であり、コロナ対策に従事されている皆様は、まさに土日を返上し、昼夜を分かたず、新型コロナウイルスと闘っておられるのであります。 さらには、家族にまで及ぶ差別や偏見といった御労苦にもかかわらず、国難に直面している県民に寄り添い、支え、勇気づけられているお姿は、私たちに大きな感動を与えていただいているのであります。 どうか御自身のお体にも十分な御留意をなされ、いましばらく私たち県民のために御尽力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げさせていただきます。 さて、いよいよ本県でも、医療従事者や高齢者をはじめとして、ワクチン接種が本格的に始まります。また、ここに来ての全国的な感染者数の減少などを見ますと、コロナとの闘いも間もなく終えんを迎えるのではないかと期待をしているところであります。 しかしながら、世界中を巻き込んだ第三次世界大戦とも言える新型コロナとの闘いに、やっと勝利することができると喜んでばかりいるわけにはいきません。コロナ終結後の復興に向け、団結力と忍耐を持って、この闘いの試練を乗り越えていくと同時に、この闘いから多くの教訓を学ばなければならないのであります。 その一つとして、私は、昨年春以降、一つのデータを注視しております。それは県内におけるインフルエンザの患者数と死亡者数であります。 例年ピークを迎える一月、二月で、一昨年の一万五千九十四人に対し、コロナ発生後の昨年が五千七十八人と激減し、何と今年は一人しか罹患されていないのであります。 また、インフルエンザが死因でお亡くなりになる方も、例年であれば五十人前後ですが、昨年は十六人とこれも激減し、今年は当然いらっしゃいません。 その要因として思いつくのは、マスク、手洗い、うがいの実践ではないでしょうか。コロナ終えん後もこの三つを実践すれば、インフルエンザにかからないと考えるのは、私だけでしょうか。 さらに、コロナ感染を恐れて受診を控えている方が多いと聞いておりますが、コロナがインフルエンザ以外の疾患にも影響しているのか、しっかりと照査し、コロナ終結後はコロナの教訓として生かし、災いを転じて福となさなければならないと渇望するところであります。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず、米軍岩国基地内のコロナ感染についてお尋ねをいたします。 去る一月二十六日、米軍岩国基地内の海軍診療所でモデルナ製の新型コロナワクチンの接種が開始され、先週には、接種会場が報道陣にも公開されました。 福田岩国市長は、開始早々に、フレデリック・ルイス司令官の案内で基地内のワクチン接種会場を視察され、その後の岩国市臨時市議会では、接種会場となった体育館を見て回ったこと、会場では密を回避した動線が確保され、スマートフォンのアプリを活用し、米本土と同様の副反応に関する健康管理がなされていることを報告されました。 米軍岩国基地では、コロナウイルスから基地を守り、任務への即応態勢を支え、能力をより高めることができるように、ワクチン接種計画が段階的に進められております。 一方、本県の基地外においては、国立病院機構などの医師や看護師などの一部を対象に、先月十九日から先行接種が始まったばかりであり、全ての医療従事者向けの優先接種が完了するのは今月末となります。切り札として多くの県民の期待がかかるワクチン接種でさえ、米軍岩国基地での取組のほうが一歩も二歩も先んじているのが実態なのであります。 加えて、先日、昨年に続き今年もフレンドシップデーの中止が発表された際、ルイス司令官は、これまで米軍関係の感染者が感染源となるクラスターが市内で一件も発生していない上で、この決定がコミュニティーを守り抜くために最大の利益をもたらすと発言され、基地外への感染拡大に十二分過ぎる配慮をされております。 米軍岩国基地では、日本国内で緊急事態宣言が発出される前から、基地外での飲食、買物等の禁止など、当初、私自身、厳し過ぎるのではないかと感じるほどのコロナ感染拡大防止対策を取ってこられました。 また、学校に通えない事実だけをもって、教育を受ける権利に反している、憲法違反ではないかとの、私から言わせれば、米軍をいたずらにおとしめようとする論調も一部で見受けられましたが、基地外に通う子供たちへの登校自粛要請など、米軍岩国基地での感染症対策は、我が国、そして本県の感染症対策よりはるかに進んでいることを、改めて申し上げさせていただきます。 こうした中、県と関係市町とで構成される連絡協議会では、去る一月十二日、米軍岩国基地において、外出制限下にない感染者が連日確認されたために、基地外への感染拡大が懸念されるとして、感染防止対策に万全を期すことなど、四項目の要請を行いました。 何をか言わんやと思いましたが、基地からは、日本全国で感染者が急増する中、積極的に対応に当たってきており、今日まで継続して行ってきた感染対策には自信があるとの回答があったとのことであります。 感染拡大の懸念ということでありますが、岩国基地と真正面から向き合って長年暮らしてきた私たち地元住民からしてみれば、地域の不安を払拭するには、まず、米軍の感染症対策がどのレベルにあるのか、正しく理解すること。そして、そうした厳格な感染対策の実態を県民にしっかり伝えることだと思うのであります。 そこでお尋ねをいたします。米軍岩国基地関連の感染者が、基地内外の住民に感染を広げないよう、厳格な感染対策がされている実態を把握されているのか。また、米軍岩国基地での感染症対策が本県の対策と比較して、どの水準にあると認識されているのか。加えて、地域の懸念を払拭するために、今後どのように対応されるのか、併せてお伺いをいたします。 次に、コロナ禍における献血の推進についてお伺いをいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大は、地域医療の維持に様々な影響を与えました。その一つに、輸血血液の確保があります。輸血医療に必要な血液の根幹は、善意の献血により支えられており、血液は長期の保存が利かないため、常に献血による血液の確保が求められております。 全国に緊急事態宣言が発出された昨年春には、本県でも献血血液の確保が課題となり、私も六月議会の質問で取り上げました。その後、宣言解除に伴い、必要な血液を確保できている状況になったとお聞きしておりますが、冬季に訪れた再度の感染拡大が、再び厳しい状況をつくりつつあります。 冬季は、例年でも脳出血や心筋梗塞などが起きやすく、突然の手術などにより輸血量が増える一方、寒さによる外出控えや風邪などにより献血者が減り、血液の在庫が減少する時期でありますが、そこに追い打ちをかけたのが、都市部での再度の緊急事態宣言や県内の感染者の急増であります。 本県においても、献血バスの中止、延期などにより、集団献血の減少や在宅勤務の増加などにより、これまでどおりの血液量の確保が難しい状況が生まれてきております。献血は不要不急ではなく、命を救うために必要不可欠なものであり、県民一人一人の協力に頼るしかないのであります。 このためには、コロナ禍の現状を踏まえた献血の必要性や、徹底した感染症対策による献血会場の安全性など、県民の行動につながる周知や啓発を行うとともに、協力可能な新たな企業や団体の開拓などによる献血機会の確保に、積極的に取り組む必要があると考えます。 そこで県では、安定的な血液の確保に向け、コロナ禍における献血の推進について、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 あわせて、コロナ禍における献血血液の確保には、若年層、とりわけ高校生の献血者の増加が最も効果的であると思われます。本県における若年層の献血者の構成比率は全国最下位クラスであり、近年、教員の働き方改革により、高校への献血バスの派遣が減少したとの話も聞いております。 献血は、ボランティアの第一歩と言われておりますことからも、県教委として、今後、高校生の献血推進に向けて、どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、東京オリンピック・パラリンピックを契機とする地域活性化についてお尋ねをいたします。 七月二十三日の東京オリンピック・パラリンピック開幕まで残り五か月を切りました。新型コロナウイルスの感染収束に向けた道筋がはっきりとせず、開催を危ぶむ声もあるなど、いまだ予断を許す状況ではありませんが、菅総理は、人類が新型コロナウイルスに打ちかったあかしとして、世界中に希望と勇気を届けるためにも実現すると述べられております。 私も、フェンシング競技のチケットを購入していますので、大会が開催されることを切に願い、まず競技水準の向上についてお伺いをいたします。 各種スポーツ大会の中止が相次ぐ中、年明けからサッカー、ラグビー、駅伝など、全国規模の大会が開催されますと、やはり人々の心は明るくなり、スポーツは人々を照らす一つの光になるものと確信をいたしました。 さらに、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることになれば、再びスポーツに対する関心が盛り上がることは間違いなく、この好機を逸してはならないのであります。 私は、これまでも何度となく競技水準向上について質問し、コロナ禍により生じたスポーツの空白期間を、施策にじっくり展開できる時間的猶予と捉え、取組をしっかりと前に進めてほしいと訴えさせていただいております。 しかるに、来年度の競技力向上に関する予算を見ますと、今年度よりも減少しており、経年で比較してみましても、ここ数年減少傾向にあります。 県の財政が厳しい状況にあることは理解しますが、選手強化のためには一定程度の財源が必要であることを考えますと、競技力向上に対する県の本気度に、若干の疑義を呈さざるを得ません。 競技力向上は一朝一夕に成るものではなく、長期的な視点に立って、しっかり予算措置をし、計画的に取り組んでいかなければならないものであります。 そこで、東京オリンピック・パラリンピックを契機とした本県競技水準の着実な向上に向けて、今後、どのように取り組んでいかれるのか、改めてお伺いをいたします。 次に、ホストタウンについてお伺いいたします。 これは東京オリンピック・パラリンピックに参加する国・地域の選手や関係者と地方自治体の交流を促進し、国際親善や地域活性化を図る取組であり、将来的にはインバウンド回復にもつながっていく重要なものと考えております。 私の地元岩国市とアメリカなど、県内においては県と八市が事前キャンプ国等を相手国とし、ホストタウン登録をしております。 先日、岩国市とアメリカの絆を結ぶホストタウンキャラクターの愛称がTSUNAGUNに決定されました。今後、アメリカ女子ソフトボールチームとフェンシングチームの事前キャンプを盛り上げてくれることを大いに期待しております。 さて、コロナ禍の収束が見通せない中、各自治体は手探りの状態で、どのように東京オリンピック・パラリンピックの遺産を残していくのか、悩ましい状態が続いております。大会やホストタウンの成功の鍵を握るのは、ワクチンの実用化・普及を大前提とした万全の感染症対策を取ることであり、本県においても、こうしたことを踏まえながら、しっかりと進めていただきたいと思います。 そこで、コロナ禍による影響が避けられない中、ホストタウンの取組を今後どのように進められていかれるのか、お伺いをいたします。 次に、デジタル改革の推進における情報格差への対応についてお伺いをいたします。 知事は先般、本県のデジタル改革を推進するための基本方針を策定され、そのための新たな組織を立ち上げられるなど、並々ならぬ決意で、デジタル化に取り組もうとされております。 行政をはじめ、社会全体のデジタル化推進は菅政権の柱でもありますし、海外からのサイバー攻撃が頻発している昨今の安全保障情勢や、今般のワクチン接種のような、全国民を対象にした任務の遂行能力が問われる状況を鑑みれば、国、地方におけるデジタル戦略を打ち立て取り組んでいく必要性を、私としても感じているところであります。 しかし一方で、その推進に当たって危惧されるのは、高齢者の方や障害のある方、毎月の通信料を負担することが難しい低所得層の方などが、デジタルによるサービスから取り残されてしまうのではないかということであります。 情報通信白書によれば、インターネット利用率は全体では約九割ですが、七十歳以上では七五%、八十歳以上では六○%と、情報利用の面で既に世代間の溝が存在しております。 また、スマートフォンの保有率は約七割ですが、持ってはいるが、電話とメールしか使ったことがない方、少なからず相当数いらっしゃるのが現実なのであります。 そこで、基本方針を拝読いたしますと、何と片仮名英語が至るところに登場いたします。UI、ユーザーインターフェース、UX、ユーザーエクスペリエンス、これらは一体どういったものなのでしょうか。これらが最適化されると、高齢者や障害者、デジタル機器に不慣れな方も、手軽にデジタルサービスを利用することができるとの説明があり、基本方針の中でも大変重要な部分かと思われますが、私にはまるで理解ができません。説明書を読んでも、デジタルの用語は片仮名英語ばかりで全く分からない、だから使わないという多くの方の声をよく耳にいたします。 一字一句をあげつらうつもりは毛頭ありませんが、事、情報格差に関しては、これを徹底して排除するという基本姿勢に沿って、どのように取り組むのかを、高齢の方や障害のある方などにも分かるように伝えていく必要があると思うのは、私だけではないと思うのであります。 そこでお尋ねをいたします。誰一人、デジタル化の推進に取り残されることのないよう、情報格差の排除のため、具体的にどのように取り組もうと考えておられるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、特色ある農産物の産地振興についてお尋ねをいたします。 皆様御承知のように、岩国市は中国地方最大で全国有数のレンコン産地であります。その歴史は古く、二百年以上前の江戸時代から栽培されており、一般的なレンコンには八つの穴がありますが、岩国レンコンには九つの穴があると言われ、岩国藩主吉川家の家紋の九曜紋と形が似ていることから、藩主が大変喜んだという逸話も残っております。 岩国レンコンの産地は、清流錦川の河口付近に広がり、私の地元尾津地区、門前地区を中心に栽培をされております。この地域は、日照時間が長く温暖な気候であることに加え、肥沃な干拓地が広がり、錦川の豊富な水が利用できることから、栽培環境に恵まれており、産地は拡大しておりましたが、昭和四十七年を境に、今は縮小傾向にあります。産地の愛宕地域では、住宅用地や商業用地の開発が進んだことが背景にありますが、最大の理由はレンコン農家の高齢化が進んでいることであり、岩国レンコンの生産現場にも、担い手の減少・高齢化問題が押し寄せているのであります。 レンコンの収穫は、足が泥に埋まるぬかるんだ圃場で行われ、上泥の表面十センチから二十センチを機械で掘り起こした後は、レンコンに傷をつけないよう、一つ一つ手作業で丁寧に掘り取ることが必要で、収穫作業はまさに重労働であります。このために他の作物に比べ高齢化の影響を受けやすく、生産現場では生産者の負担を軽減できるような支援策が求められておりますが、産地の維持・発展に向けて新たな生産者を確保し、育成する取組を欠かすことができません。 腰のある粘りと歯応えが特徴の本県が誇る伝統の味、岩国レンコン。生産者の高齢化による産地縮小という大きな課題を抱える中、この伝統の味を次世代に引き継ぐため、生産振興は待ったなしの状況なのであります。 そこでお尋ねをいたします。本県には、岩国レンコンをはじめ全国に誇れる特色ある農産物が多数ありますが、産地の多くは高齢化を背景に産地縮小という危機に直面しております。県として、特色ある農産物の産地の維持・発展に向けて、今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 終わりに、所感を述べさせていただきます。 先日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長がある一つの発言で辞任され、新たに橋本聖子さんが会長に就任されました。森前会長の辞任に至ったあの発言は、不適切で公の場ですべきではなく、まさに差別であり、女性蔑視と受け取られても仕方がないと私でも思います。 しかしながら、一連の報道では、あの発言だけを取り上げ、会長として不適任と決めつけ、辞任に追い込もうとしているように感じられました。ネットユーザーたちも同じであります。 サービス精神旺盛のあまり、失言の王様と言われる森前会長の一つの失言だけを殊さらに報道し、スポーツ界における森前会長の功績には、ほとんど触れられておりませんでした。また、失言のデパート、蓮舫さんや辻元さんまで責め立てておられた姿には、私は笑うしかありませんでした。 皆様よく御存じのように、日本のみならず、全世界が感動した一昨年のラグビーワールドカップ日本大会、これは森前会長なくしては実現しなかったと言っても過言ではなく、オリンピックの東京招致も同様であります。 森前会長は、ラガーマンとして有名ですが、スポーツ全般に造詣が深く、日本体育協会、現日本スポーツ協会です。日本体育協会会長や日本プロスポーツ協会会長も長く務められるなど、その功績は枚挙にいとまがない方であります。 私は一度だけ、森前会長にお会いして懇談させていただいたことがあります。それは平成二十年暮れの福田康夫先生、日本カヌー連盟会長再就任祝賀会の席でした。福田先生は日本カヌー連盟の会長を務めておられましたが、総理大臣に就任されたとき、会長を辞任され、総理を辞められた後に、再び会長に就任されましたので、再就任祝賀会となったのであります。 この会の出席者は、連盟本部役員と都道府県連代表者、それに直近に行われた北京オリンピックの日本代表選手で七十名ぐらいの参加者でした。 会の冒頭で来賓としてただ一人参加された森喜朗日本体育協会会長が祝辞で、「福田君はよほど頭が悪いんだろう。世界に通用しない、日本ではマイナー競技のカヌーの会長を総理になって辞められたのに、総理を辞めたらまた戻ってきた」と述べられたのであります。 私は笑うに笑えず、来賓祝辞で福田会長やカヌー競技に対し、こんな失礼なことをよく言えるなと感じましたが、その後の祝宴でもっと私を感動させたことが起こったのであります。あれほど頭が悪いと言われた福田会長が森会長と笑顔で懇談され、あれほど世界に通用しないマイナー競技とばかにされた本部役員や都道府県代表者、さらにはオリンピック代表選手たちが、我先にと森会長に挨拶に行かれたのであります。しかも、その全員の顔には満面の笑みが浮かんでいたのであります。 不思議に思い、周りの人に聞いてみて、やっと私もその光景が理解できました。口ではあんなことをおっしゃいましたが、森先生は平成三年に石川国体が開催される際、全国に先駆けて地元に常設のカヌー場を整備され、石川をカヌー先進県に育てられました。それ以降も物心両面でカヌー競技の普及発展に尽くされてこられ、また事あるごとに代表選手に声をかけ、励まし続けてこられたそうであります。 皆さんは森先生のカヌー連盟の貢献度やカヌーを愛するがゆえに出たサービス精神旺盛のブラックジョーク祝辞であったことなど、森先生のお人柄をよく御存じだったからでありました。たった一つの発言だけを取って、人を判断してはいけないと改めて強く感じたところでありました。 どうぞ森先生におかれましては、橋本新会長をサポートしていただき、東京オリンピック・パラリンピックの成功のみならず、今後とも日本スポーツ界の発展のため、さらなる御尽力を賜りますようお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(藤生通陽君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)橋本議員の御質問のうち、私からは、東京オリンピック・パラリンピックを契機とする地域活性化についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、競技水準の向上についてです。 オリンピックなどでの本県ゆかりの選手の活躍は、県民に夢や感動を与え、県全体の活力を生み出すことから、国体や世界の舞台で活躍できる選手の育成などを通じて、競技力の向上に取り組んでいます。 こうした中、私は、厳しい財政状況の中で、セーリングや卓球など、大会での入賞が期待される競技への重点支援や、研修会のリモート開催等による経費縮減など、事業の効率化を図りながら、本県競技力の向上に向けた様々な施策を計画的に展開することとしています。 具体的には、国民体育大会総合成績の十位台の回復・定着に向け、中長期的視点に立って、ジュニア期から成年競技者に至る各段階に応じた育成強化を図るとともに、それを支える指導者の確保に努めているところです。 とりわけ、競技力の向上に向けては、若い世代を育成し、継続的に世代交代を進めることが重要であり、小中学生を対象とするやまぐち未来アスリートチャレンジ体験会を開催し、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会でスポーツに興味を持った子供たちの参加を促進してまいります。 また、一人でも多くの有望選手の県内定着を図るため、就職面接会を開催し、このたびの東京二○二○大会をきっかけに、選手の育成に理解を深めた県内企業の参加もいただきながら、県外で活躍する県出身アスリートとのマッチングを図ることとしています。 私は、県体育協会や各競技団体等と連携し、東京二○二○大会を契機に、本県ゆかりの選手が国体や世界の舞台で活躍できるよう、本県の競技力の向上に取り組んでまいります。 次に、ホストタウンについてです。 東京二○二○大会のホストタウンの取組は、選手などとの交流を通じて、相手国との相互理解の促進のみならず、外国人観光客の増大や地域の活性化などに寄与するものであり、これまでスポーツ教室や日本文化体験など、様々な交流を進めてきたところです。 こうした中、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により、ホストタウンの取組においても、万全な感染症対策の実施が求められているところです。 このため、まず、選手等の移動や宿泊時の対応などを定める受入れマニュアルの作成に向けた助言を行うとともに、マニュアルに基づく対策を実施するための基金を創設し、ホストタウン自治体の取組を支援することとしています。 また、国の方針に基づき、選手や関係者への検査対応や、陽性が確認された場合の医療提供体制の整備、疫学調査等を徹底するなど、選手、住民の安心・安全の確保に向け、万全を期してまいります。 さらに、安心・安全な交流の実施に向け、各ホストタウン自治体において、徹底した感染防止対策の下での公開練習やオンラインによる応援動画の配信など、様々な工夫を凝らした取組を進めていくこととしています。 私は、コロナ禍にあっても、国やホストタウン自治体等と連携しながら、万全な感染症対策を実施することにより、大会終了後の国際親善や地域活性化に資するホストタウンの取組を進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(藤生通陽君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)米軍岩国基地内の新型コロナウイルス感染に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、基地における感染拡大防止対策の実態と、それに対する県の認識についてです。 米軍岩国基地においては、米軍人等が基地に直接入国する際、到着後、直ちに、十四日間の移動制限措置を課し、制限措置解除前には、全員にPCR検査を義務づけるなどの水際対策を実施しています。 また、感染リスクが高い地域への立入禁止、基地外のバー、居酒屋等の利用禁止などの行動制限が課されているほか、感染者が発生した際には、徹底した濃厚接触者等の追跡調査と隔離措置がなされています。 さらには、基地内での感染事例を踏まえ、大規模かつ積極的なPCR検査を実施するとともに、家族以外との外食の禁止や、公共交通機関の利用禁止などの厳しい措置を取り、早期の収束に努めてきたものと承知しています。 こうしたことから、県としては、米軍岩国基地においては、基地関係者に厳しい行動制限を課すなど、基地内及び基地外での感染拡大を防ぐための対策がしっかりと実施されていると認識しています。 次に、今後の対応についてです。 これまでの基地の取組により、二月以降、新たな感染者は大幅に減少してきていますが、県としては、引き続き、基地の感染状況や感染拡大防止対策を注視し、基地と連携・協力しながら、地域の懸念が払拭されるよう取り組んでまいります。 副議長(藤生通陽君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)コロナ禍における献血の推進についてのお尋ねのうち、安定的な献血血液の確保についてお答えします。 新型コロナウイルス感染症の長期化に伴う、献血イベントの中止等により、献血者の減少が懸念される中においては、長期保存ができない献血血液を安定的に確保することが重要です。 このため、県では、赤十字血液センターと連携し、一人でも多くの方に献血に御協力いただくよう、献血の必要性や会場の安全性を周知するとともに、献血機会の確保に取り組んでいるところです。 まず、献血の必要性については、ホームページ等での周知に加え、今年度新たに、身近な人に献血の大切さを直接伝える方を献血インフルエンサーと命名し、高校生七十三名を認定したところであり、今後、SNSによる情報発信など、それぞれの活動等を通じ、一層の啓発を行ってまいります。 また、安心して献血会場に足を運んでいただくよう、来場者全員の体温測定や手指消毒の実施、ソーシャルディスタンスの確保など、徹底した感染防止対策によって会場の安全性が確保されていることを、マスメディアや広報誌等を通じて広く県民に周知を図っているところです。 さらに、献血機会の確保については、民間事業所や公共施設等に対して、個別に献血への協力要請を行い、今年度、新たに三十六か所の事業所等で移動採血車の受入れに御協力いただいたところであり、引き続き、企業・団体等の拡大に努めてまいります。 県としましては、一人でも多くの貴い命を救うため、今後とも血液センター等と連携し、安定的な献血血液の確保に取り組んでまいります。 副議長(藤生通陽君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)デジタル改革の推進における情報格差への対応についてのお尋ねにお答えします。 社会全体のデジタル化を進めるに当たっては、県民の皆様誰もが、住んでいる場所や年齢、障害の有無などにかかわらず、広くデジタル化の恩恵を享受できるよう取り組んでいくことが必要です。 今回取りまとめましたやまぐちデジタル改革基本方針の案においても、改革の基本姿勢の一つに情報格差の排除を掲げており、これを実現するための様々な取組を推進していくこととしています。 このうち、お示しの個人や世代間の情報格差の排除に向けては、今後、県として進めていく行政手続のオンライン化等に際しても、利用者の目線に立って、しっかりと使いやすいものにしていくことが重要であると考えています。 このため、デジタルに不慣れな方でも手軽にオンラインで手続が行えるよう、専門家の意見も取り入れながら、分かりやすい申請画面等を設計するほか、初めての利用者がすぐに行いたい手続を探すことのできる総合案内ページを開設するなど、人に優しいオンライン化に取り組んでまいります。 もとより、自分だけではデジタル機器や、デジタルによるサービスを利用することが難しい高齢者等に対しては、その方法を丁寧に分かりやすく説明をし、具体的な対応を支援していくことが必要となります。 このことを踏まえ、国では、例えば携帯ショップなど、身近な場所で相談や学習が行えるデジタル活用支援員制度を設けており、県としても、その周知と導入促進を図るとともに、市町等と連携をして、講座の開催や随時の相談対応など、デジタルの活用支援をきめ細かく行ってまいります。 また、もう一つの課題である地域間の情報格差の排除については、離島や過疎地域も含め、県内にくまなく光ファイバー網が整備されるよう、国に対し、支援措置の拡充や、維持・更新等に係る財源確保のためのユニバーサルサービス化などについて、引き続き強く求めていくこととしています。 県としては、国や市町等と緊密に連携し、誰一人取り残さないデジタル社会の実現を目指して、情報格差の排除に取り組んでまいります。 副議長(藤生通陽君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)特色ある農産物の産地振興についてのお尋ねにお答えします。 本県農業は、平たん地から中山間地域まで、多様な地形や気象条件の下で営まれていることから、これまでJA等と連携し、岩国レンコンや県オリジナル品目など、地域の特色ある農産物の生産振興を進めてきたところです。 この結果、オリジナルリンドウ西京シリーズやかんきつ、せとみの産地化が進むなど、新たな品目の定着や生産拡大につながる成果も生まれています。 こうした中、担い手の減少・高齢化が一層深刻化していることから、産地における世代交代を円滑に進めるため、次代を担う若者が活躍できる産地づくりに取り組むとともに、高齢者でも営農継続が可能となるよう、省力・軽労化技術の導入を図ることとしています。 まず、若者が活躍できる産地づくりに向けては、品目ごとに市町が策定した産地パッケージ計画に沿って、研修から施設整備、住宅の確保まで、新規就業者の受入れや作付拡大に必要な体制を整備します。 また、新規就業者の主要な受皿となっている集落営農法人を対象に、新たな経営品目として付加価値の高い園芸品目の導入を促進するなど、地域の特色ある品目の生産拡大を図っていきます。 次に、省力・軽労化技術の導入に向けては、レンコン等の収穫作業労力を軽減するアシストスーツなど、高齢者をはじめ、多様な人材が取り組みやすい技術の実証・導入を行います。 さらに、品目の特性に応じた栽培技術を確立するため、現在、整備を進めている農林業の知と技の拠点において、高付加価値化や省力化に向けた研究開発に取り組むこととしています。 県としては、今後とも、市町やJA等と連携しながら、本県の特性を生かした特色ある農産物の維持・発展に取り組んでまいります。 副議長(藤生通陽君)浅原教育長。 〔教育長 浅原司君登壇〕 教育長(浅原司君)高校生の献血推進についてのお尋ねにお答えします。 献血は、新型コロナウイルス感染症の影響で献血者の減少が懸念される中にあっても、医療になくてはならない重要なものであり、また、安定的に血液を確保するためには、十代から三十代までの若年層の献血協力が有効であると考えています。 こうしたことから、高校では、保健の授業等を通じて、生徒の献血に関する理解の促進を図るとともに、県教委では、各学校に対して、赤十字血液センターが実施する献血セミナーの開催など、高校生が献血に触れ合うための機会を設けるよう、働きかけを行っているところです。 しかしながら、お示しのように、本県では献血者全体に占める若年層の割合は、全国と比べても大変厳しい状況にあります。 このため、今後は、文化祭での献血や卒業前の献血等、各高校で実際に行われている好事例を校長会等で紹介、共有することなどにより、高校生の献血への意識向上に努めてまいります。 県教委といたしましては、人の命を救う献血の必要性を繰り返し伝えることが重要であると考えており、今後とも、健康福祉部等の関係機関と連携しながら、高校生が献血に対する理解を深め、本県における若年層の献血者の増加につながるよう、取り組んでまいります。 ───◆─・──◆──── 副議長(藤生通陽君)この際、十分間休憩いたします。 午後二時二十二分休憩