1 新型コロナウイルス感染症対策について 2 あらゆる差別や偏見のない社会の実現について 3 山口県の農業政策について 4 宇宙監視レーダーの建設について 5 上関原発建設計画について 6 2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組について 7 その他
───◆─・──◆──── 午後零時五十九分開議 副議長(藤生通陽君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第七十九号まで 副議長(藤生通陽君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七十九号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 戸倉多香子さん。 〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手) 戸倉多香子さん 皆様、お疲れさまです。民政会の戸倉多香子です。 令和三年二月定例会に当たり、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねいたします。 昨年の今頃は、新型コロナウイルス感染症への対応が、このように長引くとは全く予想しておりませんでした。自分の甘さを恥じるばかりですが、今もなお様々な分野で、県民の安心・安全のために日夜御努力いただいている全ての皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。 また、知事をはじめ県職員の皆様にも、本当にお世話になって、ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。 年明け早々の七日、政府は対策本部の会合を開き、緊急事態宣言の再発令を決定しました。山口県は対象区域ではありませんでしたが、県内の新規感染者数も急増し、クラスターが立て続けに発生する状況の中、立憲民主党山口県連にも様々な立場の皆様から悲鳴にも似た声が寄せられました。 お寄せいただいたお声を取りまとめて、先日、県に要請書を提出いたしました。その中にあった飲食店などへの緊急支援については、酒本議員が取り上げてくださいましたので、それ以外の内容についてお尋ねしたいと思います。 まず、感染防止対策です。 検査体制の充実を求める声が多くありました。病院や介護施設などのクラスターを防止するために、医療・介護従事者等に定期的なPCR検査を公費負担で実施してほしいとのお声が多くありました。 令和三年度予算案では、医療機関等でのPCR等の検査体制は、一日当たり最大四千件を継続と、これまでの体制の維持にとどまっています。この検査体制で、医療・介護従事者等に定期的なPCR検査を実施することは可能でしょうか。経済を活性化するためにも、まずは検査体制の充実による感染防止対策が必要と思いますが、御見解をお聞かせください。 次に、医療提供体制の強化についてです。 医師や看護師、介護の現場など、毎日大変な状況が続いている中で、その方々から気づきや要望等をお聞きするのは本当に困難だと思いますが、山口県での陽性者確認から一年がたちました。コロナ対応の現場の声、特に病院や介護施設などで発生したクラスターへの対応や人員体制、医療用資機材の安定供給など、現場での経験や要望、課題等を県がしっかり情報収集し、今後に生かしていただきたいと思います。 保健所機能や現場に負担をかけない形での情報収集を行う体制は整っているのか。また、それらを生かした形での医療提供体制の強化が図られているのかお尋ねいたします。 最後に、医療従事者の過重労働・過重負担の防止についてです。 各医療機関では、一人のコロナ対応の勤務が長期間続かないような人員体制の配置を、ローテーションなどを工夫して取り組んでおられると思いますが、根本的に医療従事者の負担を軽減するためには、医療機関全体の人員拡充が必要だと思います。 医師や看護師等の人材を県下の公立病院で確保し、クラスター発生などの緊急時にはほかの病院等へ派遣できるよう、人材を確保する制度を確立することはできないでしょうか、お尋ねいたします。 次に、あらゆる差別や偏見のない社会の実現についてお尋ねします。 初めに、ジェンダー平等についてです。 やはり、オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長から、女性がたくさん入っている理事会は時間がかかると、偏見に基づく女性蔑視の発言があったことに触れないわけにはいきません。まずは、このたびの発言について、知事はどのように受け止められたのかお伺いいたします。 このことをきっかけとして、ジェンダー平等について多くの方が考えるようになったことは意義のあることでした。大変興味深かったのは、テレビのワイドショー番組などで議論、その議論で、ジェンダー平等が実現するまで、例えば女性が一定の範囲で特別の機会を提供されたりするポジティブアクションについて、逆差別ではないかという意見が女性の側からも出されたことは、大変びっくりいたしました。 ポジティブアクションは、一般的には、社会的・構造的な差別によって不利益を被っている者に対して講じられる暫定的な措置ですが、男女共同参画社会の実現のための施策を勉強した方は必要性について理解していることです。 しかし、こんなにも長い間、国や地方自治体や女性団体なども含めて、様々な場で啓発事業が行われてきたにもかかわらず、まだこの程度の認識しか広まっていないという現実を突きつけられて、絶望しそうになりました。 県や市町、女性団体などの皆様は、変わらず熱心に取り組んでいただいていますが、私自身は、幾らやっても意識は変えられないと諦めて、ここ最近は、啓発事業についてあまり重要視してこなかったことを反省し、とにかく理解を広げていくことを地道に続けなければならないと改めて実感いたしました。第五次山口県男女共同参画基本計画に盛り込まれた事業を、私も応援していきたいと思います。 いわゆるバックラッシュと言われる揺り戻しが起きる前は、男女共同参画の取組がメインストリームになったと言われるほど、大規模な講演会等が開催されていました。その頃と同じ思いで、県も取り組んでいただきますようお願いしたいと思います。 今回、改めて気づかされましたが、意識改革のための事業が、女性だけの集まる講演会や勉強会等とならないよう、主催者は講演会や勉強会などの参加者の割合をパリテ、男女同数となるよう取り組んでいただきたいと思います。知事の御所見を伺います。 次に、朝鮮学校への補助金が打ち切られていることについてお尋ねします。 二月二十五日と二十六日の二日間、コロナで開催が延期となっていた第四十五回部落解放・人権西日本夏期講座があり、一日目に、表現の自由と差別規制、共存社会のためにと題して、武蔵野美術大学造形学部の志田陽子教授の御講演がありました。新型コロナウイルスの影響でオンラインによる開催となったため、私は三月五日から、今日ですが、始まる録画放映により受講するつもりで、その日の御講演をまだ聞いておりませんが、二十五日当日の講座に参加された方からメールが届きました。 講師の志田先生に、国が先導して、地方自治体が朝鮮学校への補助金停止などを行っているが、これは、本来公権力がなすべきヘイト防止義務に反しているばかりか、逆にヘイト扇動に当たるのではないかと質問したところ、志田先生からは、指摘のとおりである、講演の終わりで述べたが、文化的インフラから一部の人を除外するのは差別であるという趣旨の回答があったので、ぜひ県議会で取り上げてほしいというメールでした。 私も、平成三十年九月定例会の一般質問で、一九九五年から毎年支給してきた補助金の支給を止めるという判断そのものが、まさに差別そのものであり、いじめ、見せしめ、制裁のような効果を持ち、朝鮮学校に通う子供たちの心を深く傷つけてきた。子供たちだけでなく、保護者の皆さんや周辺の方々の誇りも傷つけており、行政としてふさわしくない行為だと指摘しましたが、ですよね、今もその考えは変わっていません。 こういった差別に対して加担する、あるいは見て見ぬふりをする。そのことは、少し冷静になって考えると、誰もが心が痛む行為のはずですが、二○一二年十二月二十六日に第二次安倍内閣が誕生してから、いえ、正確には民主党政権の終わり頃からともいえますが、日本全体が過激で排外的な言動によって大衆を扇動する空気、これらは民衆の心情をくすぐりやすいと言われていますが、そういったものに変わってしまったことが大きく起因しているのではないかと思っています。 これらは、世界中の動きとも連動した、右傾化、ポピュリズム、レイシズム、排外主義など、既に多くの専門家が分析されていることでもあります。 そのような空気の中で、第二次安倍内閣が誕生し、誕生したその二日後の十二月二十八日に、下村文科大臣が閣僚懇談会後の記者会見で、朝鮮学校については、拉致問題の進展がないことなどを理由に上げ、国民の理解が得られない、総理からも指示があり、野党時代に自民党の議員立法として国会に提出した、朝鮮学校を高校の無償化制度から除外する改正法案と同趣旨の改正を省令改正により行うと発表されています。 これが朝鮮学校の補助金停止につながっているわけですが、今振り返ってみると、あの頃の熱狂のようなものは、差別や偏見をあおる空気も生み出してしまったと感じています。実際に在特会やヘイトスピーチが問題となり始めていました。 しかし、そもそも山口県議会は、少数側からの意見も懐深く受け入れる、保守本来の姿である、寛容で良識ある議事進行がなされる場であったと伺っています。 二○○四年二月定例会では、国連勧告を尊重し、外国人学校・生徒への処遇改善を求める意見書を全会一致で採択されています。その国連勧告は、在日朝鮮、韓国人児童生徒等に関して、社会的差別と闘い、基本的サービスへのアクセスを確保するため、締約国が、とりわけ教育、意識啓発キャンペーンを通じて、あらゆる必要な積極的措置を取るよう勧告が行われたものと聞きました。その意見書案を全会一致で採択されたことに、心から敬意を表したいと思います。 提出者に名前を連ねられた議員は、今もこの議場におられますし、当時は全会一致がルールでしたから、採択に賛成された議員もいらっしゃると思います。この議場にいらっしゃる議員の皆さんで、どうかその頃の議論を思い出していただいて、また、私たち後輩議員にも理解を広めていただいて、朝鮮学校の補助金再開に向けて議会を挙げて取り組んでいただきますよう、御尽力をお願いしたいと思います。 さて、村岡知事におかれましては、山本繁太郎前知事が健康上の理由により辞職されたことを受け、知事選挙に出馬された経緯もあり、山本県政を継承する方針で取り組んでこられたと思いますが、時代の流れもあり、そろそろ知事本来の公正さや正義感を前面に打ち出して、持ち前のリーダーシップを遺憾なく発揮し、朝鮮学校への補助金を再開するための令和三年度予算とされるべきだと考えますが、御所見をお伺いします。 三点目に、新型コロナウイルス感染症に係る差別や偏見についても通告いたしましたが、今回は省かせていただきます。 それでは、大きな三点目に、山口県の農業政策についてお尋ねいたします。 前回十一月定例会では、有機農業に取り組む方々が、山田正彦元農林水産大臣を講師として招き、勉強会を開催されたことをお話しました。そのときには、種子条例制定の動き以外の講演内容はお伝えできませんでしたが、その際の勉強会で大変興味深かったのは、農薬も化学肥料も使わずに育てた有機米や有機野菜を学校給食に取り入れる動きが、全国の自治体で広がり始めたというお話でした。 昨年九月二十五日には、学校給食を有機食材にする全国集会も開かれ、給食のお米一○○%有機栽培を実現された、千葉県いすみ市農林課の鮫田さんから事例報告もあったそうです。 農林水産省は今年度から、有機農産物を学校給食に導入するための支援を始めたとの報道もありました。日本農業新聞には、有機農業を推進する国の予算は今年度が一億五千万円で、前年度を五割上回る規模となった、有機農業にする産地づくりと、販売先を確保する市町村と生産者らの取組に助成、新たな販路として、学校給食を位置づけたと報じられています。 以前、二十九年二月定例会ですが、合志議員が、安定的な有機農産物の需要拡大に取り組むため、県が市町と連携して、学校給食に県産の有機農産物の利用を促進してはどうかと御提案がありました。県は、農業、畜産、環境問題など食育の観点からも有意義であると考えており、地域の特色を生かした取組に向け関係者と協議し、その対応を検討してまいりますと答弁されていますが、その後、県内での動き等がありましたら御紹介ください。 そんな中、新規就農者支援を受けて農業を始めた方とお話をする機会がありました。もうじき支援期間の五年間が終わるので、年間、御夫婦で二百二十万円支給されていたものがなくなるのは正直不安だ、だけど、とにかく頑張っていきたいと話されていました。 また、その方は、もともと新規に農業を始める人は、みんな有機農業を目指したいと考える方が多いんだけど、自分もそうだと。しかし、そんなことを周辺の農家の方に言うと、「何かぶれちょるんかね」とか言われてしまうそうです。そうやって笑われていましたが、実際に有機農業についての知識もないから、ちょっと残念だということを話されていました。それを聞いて、今回質問することにしたわけですけれども。 来年度の農林水産部の予算案には、環境にやさしい安心・安全な農業推進事業に四千五百七十五万円、学校給食県産食材利用拡大事業に千六十三万円が計上されていましたが、山口県の農業政策に、有機農業をしっかり位置づけるための支援策や有機農業を学びたいと考える方々への支援策も盛り込んでいただきたいと考えます。県のお考えをお聞きします。 平成二十七年三月に改定された山口県有機農業推進計画には、エコやまぐち農産物生産認証における化学肥料・化学農薬を使用しないエコ一○○と有機JASの二つを合わせた面積を、平成二十五年度の六十ヘクタールから平成三十年度に百ヘクタールに増加させる目標が掲げられていますが、現状はどのような状態なのでしょうか、お尋ねいたします。 また、この計画は平成三十年度目標となっておりますので、既に改定の時期を迎えていると思います。令和元年十月の委員会での議事録を見ますと、国の動きも見ながら、改定の時期については検討していきたいと答弁されていました。その後の動きはどのようになっていますか、お尋ねいたします。 以上の内容で質問準備をしていたところ、二月二十七日のNHKで、脱炭素への取組が世界的に加速する中、農林水産省は有機農業の拡大に向けてかじを切ることになりましたとのニュースが流れました。二○五○年までに、有機農業の面積を国内の農業の二五%に当たる百万ヘクタールまで拡大することなどを新たな戦略に盛り込む方針とのことでした。 このニュースの続報が待たれますが、いずれにしても、世界中の流れが大きく動き出しているようです。その視点からも、山口県の農業政策に有機農業をしっかり位置づけるために、どのように取り組まれるのか改めてお聞きします。 四点目に、山陽小野田市の埴生地区で計画が進んでいる、航空自衛隊の宇宙監視レーダーについてお尋ねします。 この問題については、これまでも中嶋議員、藤本議員、宮本議員が取り上げてこられましたが、その内容を聞いていると、当初の住民向け説明会では、宇宙ごみの監視をするためのレーダーだとの説明だったものが、監視対象に中国、ロシアのスパイ衛星やキラー衛星の監視が含まれ、その情報は東京の自衛隊府中基地にある米軍の宇宙作戦部隊に提供されると、追加説明されたとのことでした。 昨年七月三十一日に山陽小野田市議会議員連絡会で、防衛省から、これまでの説明が不十分であったと謝罪があったそうですが、イージス・アショアの配備のときの初めの頃の対応と全く同じだと、不誠実な対応だと思ってしまいました。 そんな中、昨年末に、埴生地区の住民の方々が宇宙監視レーダー基地建設に反対する会を結成されたと聞き、反対する会の方から、改めて説明を受け、不安の声をお聞きしました。 その説明によりますと、今年になって政府は、低軌道に高性能センサーを持つ多数の衛星を配置して、ミサイルの動きを正確に観測しようとする米国の衛星コンステレーション構想に参入を検討するとの報道があり、地域住民の皆さんは、山陽小野田市に建設されるレーダー基地が、いわゆる敵基地攻撃能力構想を担うレーダー基地になるのではないかと心配し、不安と恐怖が強まったとのことでした。 文科省が進めている、革新的将来宇宙輸送システム実現に向けたロードマップ検討会というところで配付された防衛省の宇宙分野における取組、お手元に配付してますが、そういった資料の中に、宇宙状況監視(SSA)ですね、の強化が上げられており、お手元配付の資料のとおり、山口県山陽小野田市、令和元年九月十三日着工済み、ディープスペースレーダーと書かれた資料や、SSAのための多国間連携の図にも、山陽小野田市の監視レーダーと思われる表現となっておりました。 日本のSSAのための観測は、岡山県に所在する美星スペースガードセンターと上斎原スペースガードセンターで、JAXAが中心的な役割を担ってきたそうですが、解説記事によりますと、現在、宇宙が戦闘領域と認識されるようになり、安全保障上の懸念が高まったことから、現在、航空自衛官がJAXAに派遣されて、SSAデータの解析技術などの訓練を受けているとの解説記事となっていました。防衛省自体としては、山口県に二○二三年度以降の運用開始を目指すSSA設備、ディープスペースレーダーを設置する予定とも書かれていました。 これらの内容については、県は、当然国より説明を受けていると思いますが、不安を持たれている住民への説明はどのようになされたのでしょうか、お尋ねいたします。 五点目に、上関原発建設計画についてお尋ねします。 もうじき、三・一一東日本大震災から十年を迎えます。福島第一原発事故により、今もなお苦しんでいる方々が多くいらっしゃいますが、放射能汚染で、これまで住んでいた場所に戻れない方々の悲しみを思うと、胸が苦しくなってしまいます。 原発事故の恐ろしさは十年たっても変わらないどころか、新潟県の東京電力柏崎刈羽原発で昨年九月、東電社員が同僚のIDカードを無断使用して中央制御室に入った問題などが起きたり、テロ対策も万全ではない状態だと報じられています。 福島を忘れない、テレビではそういった声が続いていますけれども、二十年たっても三十年たっても、私たちは原発事故の苛酷さや悲惨さは忘れないと思っています。 そんな中で、新たな原発を造るという計画である上関原発計画は、どう考えても県民の理解は得られないと思います。二○五○年カーボンニュートラルの実現のためには原発は必要だとの声がありますが、そんなことは、ふるさと福島に帰れない被災者の皆様のお声を聞いてからにしていただきたいと思います。 県はこれまで、地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するという立場で対応してきており、上関原発の建設計画はまだ続いていますが、当時の原子炉設置許可申請は、保安院に提出されて十二年たった今、まだ有効なのでしょうか。法的にはどのように扱われるべきものなのかお尋ねいたします。 また、当時の公有水面埋立免許願書に添付された同意書は、十二年たち有効なのでしょうか。法的にはどのように解釈されるのかお尋ねします。 昨年の一月十七日に、伊方原発の運転差止めを求める仮処分が認められましたが、四国電力からの異議申立てが出され、三月十八日に決定が出る予定となっています。以前も言いましたが、裁判の争点に火山と地震があります。そのことから、すぐそばにある上関原発建設計画についても、ほぼ同じリスクを抱えていることになります。 上関原発建設計画については、二井元知事、山本前知事、そして村岡知事と三人の知事が当たってこられましたが、この間、日本だけでなく、世界のエネルギー政策にも大きな変化がありました。上関原発建設計画については、三・一一東日本大震災から十年に当たる今年、改めて、あらゆる分野の専門家や関係者の意見を聞いた上で、課題を調整し、一旦白紙に戻すよう知事に取り組んでいただきたいと思いますが、御所見を伺います。 最後に、二○五○年カーボンニュートラルの実現に向けた取組についてお尋ねします。 政府は、二○五○年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を昨年十二月二十五日に策定しました。脱炭素化に向けた民間投資を後押しし、経済と環境の好循環につなげるための産業政策で、特に成長が期待される重要分野として十四分野が掲げられています。 知事は、先日の我が会派の井上県議の代表質問に対して、「県経済の持続的成長・発展に向け、次期産業戦略に環境・エネルギー、水素等を重点成長分野に位置づけ、エネルギー転換・脱炭素化に向けたイノベーションの創出に取り組むこととしています」とされた上で、「具体的には、県産業技術センターに設置したイノベーション推進センターや、やまぐちR&Dラボにおいて、水素やCO2等の利活用技術の開発・事業化に向けた支援を行います。県内コンビナート企業等と連携し、CO2削減・利活用技術等をテーマとした検討会を新たに立ち上げることとしています」と答弁されました。 本県経済・雇用を牽引する瀬戸内基幹企業群の低炭素化に向けた取組の加速化を図るための瀬戸内産業低炭素化加速事業の予算額は五百万円とされています。また、県内企業の低炭素技術開発及びイノベーション創出を支援するためコーディネート機能を創設し、コーディネーターによる助言や専門家の招聘、派遣を行う低炭素技術イノベーション促進事業は一千万円の予算となっています。数字だけを見ると、力強さに欠けるようにも思えますが、国では日々、様々な分野での動きが見られます。 お手元に配付している二と三の資料を見ていただきたいんですが、国土交通省では、国際物流の結節点・産業拠点となる港湾において、水素、アンモニア等の次世代エネルギーの大量輸入や貯蔵、利活用等を図るとともに、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化等を通じて、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルポートの形成に取り組むとされ、徳山下松港を含む全国六地域で検討会を設置しました。先日、会議もこの周南の関係であったと思います。 また、周南市では、豊富な森林資源と木質バイオマスを燃料とする発電設備を併せ持つ市の特性を生かし、バイオマス材利活用の方向性や推進に向けた検討を行う木質バイオマス材利活用推進協議会が立ち上がりました。 これらは、コンビナート企業や学識経験者と行政の連携の下、具体的に二○五○年カーボンニュートラルの実現に向けた取組が動き出しているように思えます。地域資源である水素エネルギーの活用に向けた取組も続いています。検討会や協議会の参加者や団体名を見ますと、県も名前を連ねておられ、参画して進められていると思います。 次期産業戦略においては、山口県の強みである環境・エネルギー、水素等を生かしたこれまでの実績を基に、こうした国や市の動きとも連携しながら、エネルギー転換・脱炭素化に向けたイノベーションの創出の取組が着実に前に進むものとなるよう取り組んでいただきたいと思いますが、県は、今後どのように取り組まれるのかお尋ねいたします。 また、そのためにも、山口県もぜひゼロカーボンシティを宣言して取り組んでいただきたいと思いますが、これは要望としておきます。 以上で一般質問を終わりますけれども、再質問もさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(藤生通陽君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)戸倉議員の御質問のうち、私からは、二○五○カーボンニュートラルの実現に向けた取組についてのお尋ねにお答えします。 国においては、二○五○年カーボンニュートラルを宣言し、温暖化への対応を成長への機会と捉え、積極的に対策を行うことで大きな成長へとつなげる産業政策として、グリーン成長戦略を策定しました。 私は、脱炭素化に向けた国の方針が明確に示されたことから、本県の産業特性や強みを踏まえたこれまでの取組を加速化する必要があると考え、次期産業戦略に環境・エネルギー、水素等を引き続き重点成長分野に位置づけ、エネルギー転換・脱炭素化に向けたイノベーションの創出に取り組むこととしています。 具体的には、県内コンビナート企業を中心とする瀬戸内基幹企業や市町、国、研究機関等と連携し、CO2削減・利活用技術等をテーマとした検討会を新たに立ち上げ、技術検討・交流、関連する調査研究事業等を行うこととしています。 また、環境・エネルギー、水素分野を中心にしたイノベーションの創出に向け、県独自の基金等を活用した研究開発・事業化の促進に取り組みます。 お示しの国土交通省によるカーボンニュートラルポート検討会、周南市における木質バイオマス材利活用推進協議会、また、県においても、やまぐち水素成長戦略推進協議会を設置していますが、これらは、カーボンニュートラルを目指す上で不可欠な水素やアンモニアなどの次世代エネルギーや再生可能エネルギーの利活用等を目指して設置されたものです。 いずれも関係行政機関のほか、学識経験者、関係企業等の参画が得られていますので、これらの場を通じて、しっかりと関係者と情報共有、意見交換を行いながら、エネルギー転換・脱炭素化に向けた取組を進めていく考えです。 私は、次期産業戦略の下、国や市の取組とも緊密に連携しながら、カーボンニュートラルの実現につながるイノベーションの創出に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員お答え申し上げます。 副議長(藤生通陽君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型コロナウイルス感染症対策についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、感染防止対策における検査体制についてです。 県としては、積極的な検査の実施に向け、環境保健センターを中心として、ピーク時に想定される約四千件の需要に常時対応できるPCR等検査体制を確保するとともに、民間検査機関も活用しながら、医療・介護施設等の自主的・定期的な検査にも対応できる体制を確保しています。 次に、医療提供体制の強化についてです。 県としては、市町や医療関係者等で構成する圏域会議を定期的に開催し、医療圏ごとの具体的な課題解決に向けて協議を行っているところであり、こうした取組により、課題等について情報を把握し、その改善を図ることで、さらなる医療提供体制の強化に努めています。 次に、医療従事者の過重労働・過重負担の防止についてですが、県では、県内医療機関等と応援協定を締結し、感染症患者を受け入れる医療機関等に対し看護職員を派遣する体制を整備しています。 また、クラスター発生時には、医療支援等を行う医師、感染管理認定看護師等で構成するクラスター対策チームを派遣するなど、十分な支援体制を確保しています。 副議長(藤生通陽君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)あらゆる差別や偏見のない社会の実現についてのお尋ねのうち、ジェンダー平等に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、オリンピック・パラリンピック組織委員会の森前会長の発言についてです。 県としては、あってはならない不適切な発言であると受け止めています。 次に、意識改革のための事業についてです。 現在策定中の第五次山口県男女共同参画基本計画においては、男女共同参画社会づくりに向けた意識の改革を基本目標の一つとし、社会情勢等を踏まえた新たなテーマに関する講演会等の開催や、多様な広報媒体を活用した効果的な普及啓発などの取組を着実に進めていくこととしています。 県民の意識改革に向けては、多くの方々に男女共同参画について理解してもらうことが重要であると考えています。 このため、県としては、お示しの講演会や勉強会等、意識改革のための事業の実施に当たって、オンライン等の活用や職場を通じたPRなど、開催方法や情報発信の仕方を工夫し、参加しやすい環境をつくることで、男性も含め全体として参加者が増加するように努めてまいります。 副議長(藤生通陽君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)朝鮮学校についてのお尋ねにお答えします。 本県の朝鮮学校への補助金につきましては、朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としている国の考え方、補助金支給に対する他県の動向、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、現時点では、補助金の支給は県民の理解を得られないとの判断に変わりがなく、来年度においても予算計上していないところです。 次に、宇宙監視レーダーの建設についてのお尋ねにお答えします。 宇宙状況監視レーダーについては、これまで、国による地元での住民説明会が二回開催され、宇宙状況監視の必要性や施設の整備運用スケジュールなどが説明されています。 また、施設の運用や影響等については、レーダーの設計が終了しなければ具体的な説明ができないことから、その設計を終えた後に国から地元に対して説明を行うとされています。 このレーダー施設は、宇宙政策を推進する国が必要と判断し整備されるものであり、県としては、あくまでも国の責任において、地元山陽小野田市や地域住民に対し、その必要性や安全性等を十分に説明するなど、丁寧に対応していただきたいと考えています。 副議長(藤生通陽君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)山口県の農業政策についての数点にお尋ねにお答えします。 まず、学校給食における有機農産物利用の動きについてです。 有機農業者団体等の御協力により、地域や学校単位で地元の野菜が利用されている事例があります。 次に、有機農業の支援策についてです。 県の来年度予算案に、化学肥料・化学農薬を使用しない営農に取り組む生産者を対象とした交付金制度や、エコやまぐち農産物認証に係る支援策等を盛り込んでいます。 また、従来から農業大学校では、有機農業を志向する学生や社会人に対しても、個別に技術や経営に関する教育・研修を行っているところです。 次に、エコ一○○と有機JASを合わせた面積については、目標年度の平成三十年で七十八ヘクタールとなっています。 次に、山口県有機農業推進計画の改定についてです。 今年度、国が有機農業の推進に関する基本的な方針を改定したことを受け、県計画の改定作業を進めており、現在、有機農業者団体等から意見をお聞きしているところです。 次に、本県の農業政策に有機農業を位置づけるための取組についてです。 県が策定した有機農業推進計画に基づき、有機農業者団体や市町、JA等と連携しながら、有機農業の面的拡大や技術の開発・普及、農業者の取組支援などを進めることとしています。 副議長(藤生通陽君)梶間商工労働部理事。 〔商工労働部理事 梶間敏君登壇〕 商工労働部理事(梶間敏君)上関原発建設計画についての二点のお尋ねにお答えをいたします。 まず、上関原発の原子炉設置許可申請はまだ有効なのか、法的にはどのように扱われるべきものなのかとのお尋ねです。 上関原子力発電所の原子炉設置許可申請は、原子力規制委員会設置法が制定された際、その附則の規定によりまして、原子力規制委員会に引き継がれ、現在審査中とされていると承知しています。 次に、上関原発建設計画について、一旦白紙に戻すよう取組をとのお尋ねです。 上関原発建設計画については、県は、これまで一貫して地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するという立場で対応してきているところです。 こうした中、国のエネルギー政策に関しては、国は、上関原発に係る重要電源開発地点指定は引き続き有効であり、解除する考えはないとの見解を示しています。 また、原発立地によるまちづくりを進めたいという地元上関町の政策選択は、現在も変わりありません。 県としては、このように事情の変化がない中で、お尋ねの一旦白紙に戻す取組を行うということは考えていません。 副議長(藤生通陽君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)上関原発建設計画に関する御質問のうち、公有水面埋立免許についてのお尋ねにお答えします。 埋立免許に当たっては、公有水面埋立法上、埋立工事の施行区域内の水面権利者の同意が必要とされているところです。 平成二十年六月の埋立免許の出願に対しては、水面権利者の同意書を含めた願書の内容等について、法に基づき適正に審査を行い、同年十月に免許したところです。 この同意書については、公有水面埋立法上の埋立免許の効力が存続している限り有効です。 副議長(藤生通陽君)戸倉多香子さん。 〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手) 戸倉多香子さん 再質問させていただきます。答弁をいただいていたのに、ぼけていてすみませんでした。手を挙げるのが遅れました。再質問、元気に頑張っていきたいと思います。 まず、ジェンダー平等についてです。 全体として参加者が増加するよう努めてまいりますという部長からの御答弁でしたが、意識開発のための事業ですね、これをやはりパリテ目指していただきたいと思います。まだまだ議員を同数にしていくことはなかなか、二○二○・三○もできていない状態ではございますが、理解を深めるための講演会や勉強会を男女同数にすることは、そんなに難しいことではないと思います。主催者が気をつければできることだと思いますので、これからぜひ進めていただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか、もう一度お尋ねいたします。 次に、補助金については、県民の理解が得られないと、朝鮮学校の補助金の問題ですが、言われましたけれども、やはり、この問題は差別に通じるものだと考えますので、ぜひ、だから、もう一回原点に返って、なぜこういうことになったのかという、今の状態ではなく、一番、高校の無償化の議論がされたときから、当初は高校の無償化にも朝鮮学校は入っている、法律で立ち上がってるわけですから、そこからちゃんと考えていただきたいと思いますが、もう一度そのことについて、県でもう一度検討するという機会はないのかお尋ねしてみたいと思います。 それから、レーダーの設計についての答弁ですね。まだレーダーの設計が終わらないので説明ができないということは、中嶋さんへも何度も答弁があったと思うんですけれども。 たしかイージス・アショアは、まだ全然、あれ何て言うんですか、横文字だからよく分からないけど、イージス・アショアのまだ設計が全然できてない状況でも、地元の説明会は丁寧に重ねられ、最初は不誠実でしたが、だんだんきちんと丁寧に重ねられた中で、計画の矛盾が出てきたと。住民の中から矛盾が出てきた、質問の中から出てきたという経緯もありますから。 この問題も、今まで私も質問に取り上げなかったから気がつかなかったんですけど、こんなに大きな世界中の、お手元に配付しているこの資料を見ていただいたら分かると思いますけど、世界中の(掲示)多国間連携の中のその拠点が、日本ではこの山陽小野田という大変な計画なわけですから、当然地元の方々が攻撃を受ける対象になるんじゃないかと心配されるのは当たり前だと思うんですね。 だから、この問題もしっかり、レーダーの設計が終わらなくても説明をするべきだと考えますが、もう一度お尋ねいたします。 それから、農業政策ですね。 平成三十年度、七十八ヘクタールということでした。目標は百ヘクタールだったと思うんですが、なぜ達成できなかったのかをお聞きし、そして平成三十年から、その後が計画はないわけですが、進めていく意向だったと思います。もう少し新しい数字がありましたら教えてください。 それから、以前、合志議員が、島根県の場合は有機農業に県としても力を入れて取り組んでいて、農業大学校には有機農業の専攻科もあると聞いている。それで、山口県の新しい拠点としての農業の知と技の拠点で、例えば専攻科があるとか、そういうことができないかと。学びたい人たちに対して、いろんな講座とか、研修が受けられるとか、そういう方向での取組ができないかという御質問をされています。 その中で、県からは、なかなか学科を設けるというところまでは、まだ山口県の農業全体に占める有機農業のニーズとか考えますと難しいところではありますが、そういった中で、有機農業を志す学生さんのニーズにはしっかり対応したいというふうに考えておりますと答弁されています。 その後、今計画が、農業の知と技の拠点の基本計画ですか、進んでいると思うんですけれども、その後、専門のそういった有機農業を勉強する専攻科というような形で進んでいないかどうか、期待を込めて質問してみたいと思います。 それから、五番目の原発です。 十年たちます。もうじき、三・一一から十年目になります。私の聞き逃しかもしれないんですが、原子炉設置許可申請のほうは引き継がれているということですけれども、法的にはどういう扱いになるのか、何法が根拠になるのか、もう一度教えてください。私が聞き漏らしたのかもしれませんが、何法の根拠に基づいて、今保安院に出されたものが引き継がれたのか、どういった法律なのか、もう一回教えていただきたいと思います。 それから、事情の変化がない中で見直しはできないということでしたが、国が新増設を現時点では想定していない、私たち民主党政権のときは新増設はしないという決意でしたが、その中で緩んできたとはいえ、新増設を想定しないと言っている、これが大きな事情の変化じゃないでしょうか。その中で、全然見直し白紙で、見直しをしないというのはどういったことなのか。ちょっとおかしいなと思いますので、このことにも、事情の変化があると私たちは思っていますので、このことにもぜひもう一度丁寧な答弁をお願いしたいと思います。 お手元に配付している資料を、ぜひいろんな、脱炭素についての計画がいろいろ周南市で進んでいるので、そのことを紹介したくてカラーでコピーしてきたんですけれども、ちょっと書き逃しましたが、第一回周南市木質バイオマス材利活用推進協議会の資料です。 これは、資料二を御覧いただいて、下に周南市水素・木質バイオマスによる脱炭素・低炭素コンビナート構想の案というのがありますが、これは、周南市のほうで職員さんが、国の構想と一緒に、こうなったらいいなという考え方をこの図に落としていただいて、既に実証をしているとか、着手しているとか、水素のパイプラインも入っておりますけども、こういうふうにつなげたらどうかとかということを図にしたものですが。 次の改定に向けては、コロナのことでなかなか会議が持てないので、まだ焦らずにじっくりやろうということで取り組んでらっしゃる図だそうです。この中を見ますと、水素が山口県は本当に強みであるということを実感しますし、そういったことをしっかりと取り組んでいただきたいと思っています。 そして、先ほどは曽田議員の質問に対しても、知事のほうから水素について大変うれしい御報告がありました。水素の混焼で船舶ですか、この計画も大変期待される内容で、(掲示)資料三のほうにあります、次世代エネルギー輸送船ですか、こういった計画に該当するのかもしれませんけれども。 今回のカーボンニュートラルのことにつきましては、本当にコロナの後の経済復興に対して、DX、デジタルトランスフォーメーションとともに、国の経済全体を押し上げていく力強いものとなると信じておりますので、これからもしっかり県で取り組んでいただきますように、これはお願いしておきます。 それでは、最初に申しました質問について御返答お願いいたします。(拍手) 副議長(藤生通陽君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)ジェンダー平等についての再質問にお答えします。 講演会等の開催に当たっては、男女同数のパリテ、これをぜひ目指してほしいと考えるがどうかという御質問ですが、県としては、県民や事業者など社会全体の意識を変えていく必要があると考えておりますので、男性も含め多くの方々に対する普及啓発にまず努めまして、意識改革に取り組んでいきたいと考えております。 副議長(藤生通陽君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)二点の再質問にお答えします。 まず、朝鮮学校についてであります。 法律は、高校無償化の対象に入っていたのにというお話ございましたけれども、その後、国において、高校授業料無償化の指定については、国民の理解が得られず不指定というふうにされたものと承知をしております。 改めて県で検討する機会はないのかということでございましたけれども、先ほども申し上げましたように、朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としている国の考え方、それから補助金支給に対する他県の動向、また北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案しまして、現時点では補助金の支給は県民の理解を得られないとの判断に変わりはないものと認識をしております。 それから、宇宙状況監視レーダーについての再質問でございます。 まず、攻撃の対象となるのではないかということでございますけれども、この宇宙状況監視レーダーにつきましては、宇宙空間の安定的利用を確保するため、宇宙ごみですとか、衛星の状況を監視するものであり、相手方に対し脅威を与えるような性質のものではないと国よりも聞いております。 設計が終わらなくても説明を求めるべきではないかというお尋ねでしたけれども、その設計を終えた後に、国から地元に対して国のほうで説明を行うとされておりますので、その中で、その必要性ですとか、安全性等につきまして、地元に対して丁寧に対応いただきたいというふうに考えております。 副議長(藤生通陽君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)山口県の有機農業について、三点のお尋ねをいただきました。 まず一点が、栽培面積が目標面積に達してない、その理由をということでございました。 有機農業は、通常の栽培方法と比べまして、管理作業は多大な労力を要するということで、短期間で規模拡大していくということが難しいということ等ございます。こういった要因があるというふうに考えております。 それから、二点目、もう少し新しい数値ということでございましたが、一応これ二つ、有機JASとエコやまぐち一○○というのございますけれども、エコやまぐち一○○のほうは、これ県のものでございますので、平成三十年度が四十七・五と令和元年度が四十九・八という数字はございますけれども、ヘクタールですね。有機JASのほうは、国のほう平成三十年度までしかまだ出ておりませんで、これが三十・九ヘクタールでございます。それで、平成三十年、先ほど言いました七十八・四、七十八ヘクタールという御説明をさせていただいたところでございます。 それから、三点目でございます。島根県のように、農業大学校に有機農業の専攻科を設けてはいかがかというような御質問でございました。 農業大学校では、有機等に係る認証制度、あるいは天敵を利用した総合的な病害虫防除など、将来の有機農業への取組に活用できます講義を実施するなど、あと有機農業を志向する学生、あるいは社会人に対しましては、これ先ほど申しましたけど、個別に技術や経営に関する指導を行っておりますことから、有機農業の専攻科を設けることは考えておりません。 副議長(藤生通陽君)梶間商工労働部理事。 〔商工労働部理事 梶間敏君登壇〕 商工労働部理事(梶間敏君)先ほど御答弁申し上げた中で、法的にはどのように扱われるべきものなのかという点が抜けていたのではないかという御質問でしたが、先ほど申し上げましたとおり、原子力規制委員会設置法が制定された際に、これは平成二十四年九月十九日に施行されておるんですけれども、この中に附則というのが、おしまいのほうについておりまして、その附則三条、みなし規定でございますけれども、これによって、これちょっと複雑になっていて、部分的にいろいろあるんですが、大ざっぱに言いますと、その附則によって、規制委員会のほうにこの申請を引き継ぎますということで規定がされております。 それから、新増設は想定していないなど、国が発言されておられている事情の変化はあると思うので、その点についてもう一度答弁をということでございました。 新増設は想定していないという国の発言については承知をしておりますけれども、上関原子力発電所については、国の重要電源開発地点に指定がされておりまして、この指定につきましては有効ということで明確に国のほうから見解が示されておりますので、私どもとしては、このエネルギー政策上の位置づけは変わってないと考えており、先ほど申しましたように、このように事情の変化がない中では、お尋ねの一旦白紙に戻すという取組を行うことは考えておりません。 副議長(藤生通陽君)戸倉多香子さん。 〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手) 戸倉多香子さん 再々質問させていただきます。 ただいま、ジェンダー平等についての取組、意識啓発の事業、やはり、全体としての参加者を増やさなきゃいけないんだということを言われました。確かにそのとおりだと思います。 ただ、その中で年々、当初の、当初というか、私、周南市の審議会委員でずっと取り組んでたときの頃のことは、もう何十年も前ですけれども、その頃は、筑紫哲也さんを呼ばれて講演会をやったのが、これは県の事業だったと思いますけど、そういったときも、大々的にやっていた時期は男性の参加者も多かったんですけど。 最近は、女性自身が、私も先ほど言いましたけど、女性自身がこれやっても無理なんかなと思うのかどうか、私だけではないんじゃないかと思うんですけれども、参加者全体が減っている。そして、男性の参加者は本当に減っていると思いますので、いま一度、最初の頃の気持ちを引っ張り出してきて、男女同数になるように取り組むことをしつこく各市町の審議会等にも、各市の担当者の方にも、そして県の担当者の人にも、そのことを発破をかけていただきますように、これはお願いしておきます。これは要望でございます。 それから、宇宙監視レーダーのことですね。 レーダーの設計が終わらないと説明できないというのは、どう考えても納得できないですね、このことは。イージス・アショアの例が、どうしても私たちは経験しています。こういった国の政策に協力するという立場ではあるかもしれませんけれども、まずは県としては、地元住民の安心・安全、本当の安全も確保しなきゃいけないけれども、安心というものも大切に考えなきゃいけないものだと思うんですね。そのためには、レーダーが完成しなくても説明会をやってもらうように、国に求めていただきたいと思います。 これは、イージス・アショアのときの経験が本当に住民に、身を持って経験したことですので、いろんな資料に書いてあっても、こんなとこに小さい文字でここに注意書きがあったと。それが重要なことだったというような経験をしておりますので、やはり説明会をきっちりとやっていただきたいと思いますので、もう一度、そのことを国にどうしても要望していただきたいと思いますが、そのことについてお答えをお願いいたします。 それから、有機農業の件なんですけども、有機農業については本当に大変だというイメージがすごくあるらしいんですけれども、先ほど申しました山田正彦さんの講演会で聞きました、全国の学校給食で有機農業を進めていくという集まりのときには、千葉県のいすみ市の例が、実際の担当者がお話されているんですけども、最初取り組んだときは、本当草がぼうぼうで大変だったそうなんですけれども、有機農業の専門のNPOの方々の指導を受けてやったらできたということなんですね。それで、その結果、学校給食に全部、一○○%やるというところまでできたという経験談を報告されています。 このように、有機農業については、どのようにやるべきなのかを習うことがすごく重要なので、今度できる農業の知と技の拠点ですか、このことには、有機農業、国もそれに方向転換を切ってくると思いますので、そういう報道もありますので、そのことに対する、専攻科でなくても、そういった一般の農業を目指す方もやってもらえるような仕組みをつくっていただきたいと思います。 原発政策については、法的にはどうなのかとお聞きしまして、引き継がれていくということは、本当に細かいとこまでよく説明していただいたんですが、その引き継がれたものが十年も、十二年もそのまま放ってあってもまだ有効なのか、何法に基づいてそういうことが有効なのかをお尋ねしたいと思います。 引き継がれたとこまでは法律に基づいています。それが十二年間も何も、補正も何もなく放ってあっても、その申請自体は有効なんですか、そんなこと何法に基づいて、それは有効なのかお聞きして、私の再々質問を終わらせていただきます。 今日は御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手) 副議長(藤生通陽君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)宇宙監視レーダーについての再々質問にお答えをします。 レーダーが完成しなくても住民説明会の開催を求めるべきではないかというお尋ねでありますけれども、本質問への答弁でも申し上げましたとおり、その地元への説明については、現在のレーダーの設計が終了しなければ、その運用ですとか、あるいはその影響などについて、具体的な説明ができないということで国から聞いているところであります。 したがって、その設計を終えた後に地元に対し説明を行うということで聞いているところでありまして、県としましては、国の責任において、地元に対し丁寧に説明していただきたいと考えておりまして、山陽小野田市から要請があれば、連携して対応していくこととしております。 副議長(藤生通陽君)梶間商工労働部理事。 〔商工労働部理事 梶間敏君登壇〕 商工労働部理事(梶間敏君)再々質問にお答えをいたします。 引き継がれた時点での法的な扱いは分かったけれども、十年経過したことによる有効性の継続という点で、どういう規定になっているのかということでございました。 原子力規制委員会設置法に許認可について規定がございますので、この中で有効という認定がされていると考えておりますし、それは規制委員会も審査中というふうに表に出しておりますので、これは許可申請自体としては有効と判断されているというふうに考えております。