1 知事の政治姿勢について 2 「デジタル化」と個人情報保護について 3 新型コロナに係る生活と営業への支援について 4 岩国基地問題について 5 下関北九州道路について 6 公立大学の運営について 7 その他
副議長(藤生通陽君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。通告に従って一般質問を行います。 質問の第一は、知事の政治姿勢についてです。 昨年九月議会で私が、安倍前政権による格差と貧困を拡大させた経済政策、そして地方の衰退を加速させた地方創生、平和と立憲主義を破壊するなどなどの負の遺産を後継する菅政権の評価をただしたのに対し、村岡知事は、安倍前政権を天まで持ち上げて、安倍政権を継承し、さらに前に進めるとされる菅総理の方針を大変心強く感じていると答弁されました。あれから半年、どんな事態が進んできたでしょうか。 日本学術会議の任命拒否、河井夫妻疑惑、さらにモリカケ、桜の疑惑のさらなる進展、加えて総務省への菅首相の長男による接待疑惑、さらに農水省の鶏卵疑惑など、これまで安倍・菅政権が一体となって進めてきた、首相を忖度して、首相周辺の人物のために行政がゆがめられてきた疑惑、行政私物化の構図であり、政治モラルの退廃はとどまるところを知りません。 これに伴い、支持率は六○%台から三○%台に急落、不支持率と完全に逆転しました。知事の菅政権に対する評価は、昨年九月議会での認識が変わっていないのか、改めてお尋ねします。 さて、来週三月十一日、東日本大震災と、福島第一原発での苛酷事故から十年を迎えます。犠牲になられた方々に改めて哀悼の意を表するとともに、今なお避難所で暮らしている方々、またふるさとに戻ることもできない数多くの被災者の方々にお見舞い申し上げます。 十年経過した今なお、福島第一原発事故は終息していません。廃炉の時期も全く見通せない。ところが、国内では次々と原発の再稼働が進められ、中国電力に至っては上関原発建設に固執しています。 原発は安全というのは神話だった、人類と原発は共存できない。この原点を風化させてはならないと考えますが、知事の見解を伺います。 質問の第二は、デジタル化と個人情報保護についてであります。 デジタル化は、住民生活の向上や地域経済の再生に活用できる可能性を持っていますが、菅政権のデジタル改革の狙いは、国民の個人情報を財界と特定企業のもうけのために活用することにあります。 そのため、政府はマイナンバーへのあらゆる個人情報のひもつけを狙っています。来月からマイナンバーカードの健康保険証としての利用が開始され、四年後には運転免許証も一体化する、医師免許など国家資格に関する情報、預金口座とのひもつきも画策しています。県はどのように評価されていますか、伺います。 地方自治体と国の機関が持つ個人情報がマイナンバーで関連づけられると、国民の所得や資産、健康状態、教育・学習データ、資格などの個人データを丸ごと国家が管理することが可能になります。 それだけにデジタル化の大前提は、その推進主体が個人情報を適切に管理し、安心・安全性を求める国民から信頼される政府でなければなりません。 この間、数々の疑惑で公文書の改ざん、隠蔽、説明拒否を続けてきた安倍・菅政権の下でのデジタル化は、プライバシー保護がないがしろにされ、命と暮らしが脅かされるおそれがあります。県の認識をお尋ねいたします。 デジタル化推進のための個人情報保護制度の見直しに当たっては、事業者の個人情報漏えい事実の消費者への通知義務と十分な被害者救済の仕組みの整備、情報の自己決定権、データ共同利用権の排除など、これが盛り込まれたEUにおける一般データ保護規則(GDPR)と言うらしいですが、この諸規定を厳守することが必要と考えます。見解を伺います。 質問の第三は、新型コロナに係る生活と営業についてです。 まず、県内中小零細事業者への支援について伺います。 新型コロナ緊急事態制限の期間延長を受け、全国知事会は二月六日の緊急提言で、緊急事態宣言対象地域以外においても実効性がある経済雇用対策を公平に講ずるよう強く求めるとして、国に種々の支援制度の拡充を提言されました。 県中小企業団体中央会が毎月調査している景況DI値、前年同期と比べ増加・好転したとする割合から減少・悪化したとする割合を差し引いた値ですが、今年一月の業界の景況DI値はマイナス何と五七・五ポイントであります。 同中央会は、経済活動の縮小は、多くの業種に深刻な影響を及ぼしている、特に、商店街や旅行業等においては、休業や事業廃止した事業所が出てきているとコメントしています。 中小零細事業者への支援強化は待ったなしの課題であります。お隣の広島県は県内の飲食店の取引先への一事業者当たり三十万円の支援金支給に加え、飲食店やその取引業者以外で同様に売上げが減った事業者向けに県内市町が支援金を出す場合、半額十五万円以内、これを補助する制度を二月補正予算案に計上しました。 山口県も県内中小零細事業者の苦しい経営環境に心を寄せる。そして、広島県のような制度創設を含め、独自の支援策を検討すべきと考えますが、伺います。 二つは、生活への支援です。 コロナ禍による収入減などで生活苦に追い込まれた県民等を対象にした住居確保給付金や緊急小口資金貸付け、総合支援資金貸付けは、貸付額の増額や期間延長などの特例措置も講じられ、生活の下支え効果を発揮していますが、こうした措置は三月末終了予定であります。 こうした制度については、専門家も危惧している感染拡大の第四波も見据えて、国に特例措置の延長を求めるとともに、県としては今後とも円滑、丁寧な対応を求めるものですが、伺います。 三つは、最後のセーフティーネットである生活保護制度について。 さきに紹介した生活支援制度もあって、県内の生活保護受給者数はほぼ横ばいと聞いていますが、生活困窮者を支援しているNPOが生活困窮者向け相談会で、生活保護を利用していない理由を尋ねたところ、三四%が家族に知られるのが嫌だからと答えています。 御承知のとおり、生活保護を申請すると、申請者の親族に援助が可能かどうかを問い合わせる扶養照会が行われるからです。 厚労省の二○一七年の調査では、扶養照会は年換算で約四十六万件、そのうち援助につながったのは一・四五%にとどまっています。県内の状況を示してください。 この扶養照会については、今国会での日本共産党国会議員団の論戦を通じて、あの厚労大臣が、義務ではありませんと明言しました。 そして、厚労省は二月二十六日、これまで七十歳以上の高齢者や二十年間音信不通などにとどめてきた扶養照会しなくていい例として、二十年間を十年間程度に短縮する。そして、相続で対立している、借金を重ねているなど、著しい関係不良も加えました。この改善を県はどのように評価し、今後の運用にどう生かしていくのか伺います。 今回の改善は一歩前進ですが、扶養照会を明確に禁止しているわけではなく、対象も限定的です。扶養照会を本人の承諾なしに行わないなどの全面的な運用改善が必要と考えますが、お尋ねします。 質問の第四は、岩国基地の新型コロナ感染状況です。 発表された感染者数は百七十八人に達しています。同基地の人口は一万人とすると、十万人当たり感染者数は何と一千七百八十人です。約百人である山口県の十七・八倍にもなります。 県や岩国市など基地関係連絡協議会が一月十二日、岩国基地に感染防止対策に万全を尽くすよう電話で要請したのに対し、基地は、今日まで継続して行ってきた感染対策には自信がある、基地関係者に対し、基地内外で課せられる厳しい感染対策は、リスクを可能な限り最小のレベルまで軽減していると回答があったそうです。県は、この基地側の認識をよしとされるのでしょうか、お尋ねします。 多くの県民、市民がリスクを最小のレベルまで軽減した上で、なおかつ基地外の十八倍もの感染者が出ていること、ここを危惧しています。 県や岩国市等の努力もあって、同基地の情報提供に一定の改善がありますが、一つ、全構成員を対象にしたPCR検査の実施状況。二、一体何人死んでいるのか、死亡例。三、変異株の感染例。四、基地内の医療体制はどうか。五、ワクチン接種の進捗と接種後の行動制限はあるのかないのかなどについて明らかにするよう要請すべきですが、お尋ねします。 二番目は、空中給油機KC130部隊の訓練についてです。 同部隊は、県と岩国市等が沖縄の負担軽減に協力する観点から、一九九七年二月、岩国基地への移駐を容認し、その後、二○一三年十二月に移動時期を認め、一四年八月に移駐が完了しました。県と岩国市等が国に容認を伝えた際の官房長官は現菅総理のときであります。菅さんは、普天間飛行場の危険性の除去への第一歩となり、負担軽減に資するものだと胸を張ったそうであります。 ところが、資料一(掲示)白黒でありますが、KC130の沖縄への飛来が常態化しています。普天間と嘉手納両基地への離着陸回数は一七年に五百九十回、一八年は一千百二十五回、これに急増して、一九年千二十五回、二○年千十九回と高止まりしています。まさに本籍は岩国、現住所は沖縄という状況であります。 人ごとではありません。沖縄の負担軽減を名目に移駐を容認した山口県として、菅首相に負担軽減に資するとした約束を守るために、訓練は国内ではなく、グアムやハワイなど自分の領土で実施するよう要請するのは当然だと考えますが、お尋ねします。 質問の第五は、下関北九州道路についてです。 昨年十二月、国交省中国地方整備局と同九州地方整備局、山口県、福岡県、北九州市及び下関市の六者が提出した下関北九州道路に係る計画段階環境配慮書について、知事は二月九日、環境影響評価法に基づいた知事意見を公表しました。 質問の一つは、同道路計画事業は、環境影響評価法に基づく手続に入れるほどの熟度、半熟卵ではないかという点であります。 一つ、事業主体は一体誰か、国直轄事業か、補助事業か、はたまたPFIか。二、事業費は誰がどれだけ負担するのか。三、知事意見でも触れられた連絡道路の新設等の計画は一体どうなっているか。四、環境影響評価に係る費用は誰が負担するのか。この四点に係る検討状況と見通しをお示しください。 また、事業者が決まっていないような段階で環境影響評価の手続が開始された事業はあったのか。今後の環境影響評価手続とそのおおよその所要期間も併せてお示しいただきたいと思います。 二つは、同道路事業の計画段階評価で示された三つのルートの下には、小倉東断層が走っていることです。 小倉東断層は、福岡県地域防災計画に同県内七つの活断層の一つとして位置づけられており、地震調査研究推進本部は、地表の長さ約十三キロメートル、地下の断層面は二十三キロ、マグニチュード七・一の地震の可能性を示唆しています。巨大地震の発生予測は困難であり、いつ起こるか分かりません。活断層をまたぐルートでの橋梁建設について、安全性は担保されているのか、改めて認識を伺います。 三つは、建設コストです。 北九州市側との接続点は比較的近距離に高速道路のインターチェンジがありますが、下関彦島の接続点から高速道路を結ぼうとすると十キロを超えるアクセス道路が必要になります。近年、完成した下関北バイパスの建設コストは一キロ当たり九十七億円ですから、一千億円を超えることになります。 同道路の建設費は三千五百億円以上、加えてアクセス道路に一千億円を超える費用が想定されます。費用対効果が一を超える保証はあるのでしょうか、お尋ねします。 新型コロナ禍を踏まえて、不要不急の巨大事業は、いま一度、立ち止まって再考すべきと考えますが、伺います。 質問の第六は、公立大学の運営についてです。 昨年十一月議会でも指摘しましたように、一昨年十一月、県が下関市立大学の定款変更を認可したことを契機に、同大学経済学部の存亡に関わる異常事態がさらに進行しています。 一つは、(掲示)資料にあります、退職教員の不補充です。 資料二のように、他大学に転職、あるいは退職したのは、二○一九年度には経済地理学、リスクマネジメント論、国際貿易論、英語の四科目。二○年度は、経済学史、人事労務管理論、日本経済史、スポーツ産業論、農村社会学、国際政治学、倫理学、英語、日本語教育、そして特任教員枠の地域貢献、社会学の十科目です。合わせて十四人に上っていますが、補充が全くめども立っていません。 他方で、前田下関市長の推薦で着任した韓昌完教授を含めた特別支援教育特別専攻科に関わる教員五名は教授会や教育研究審議会の審査も全くなく、学長専決で採用されています。 被害を受けているのは、専攻したい学問分野のゼミがなくなったり、ゼミが統合化され多人数教育を強いられている経済学部の学生です。 地独法第百二十二条第三項、これを読み解くと、定款の変更の許可を行った県知事は、当該地方独立行政法人、すなわち下関市立大学またはその役員もしくは職員が、不正の行為もしくは、この法律もしくはほかの法令に違反する行為をして、または当該行為をするおそれがあると認められるときは、設立団体である下関市またはその長である下関市長に対し、必要な措置を講ずるべきことを求めることができると定めています。 退職教員の不補充や学長専決での採用などの行為が不正の行為もしくは法令違反等に該当すれば、下関市長に必要な措置を講ずべきことを求めることができると考えますが、この点について伺います。 二つは、昨年十月二十八日、市大の経済学部長、飯塚教授が理事を解任された問題であります。 飯塚教授は昨年十月、大分市で開催された「大学の権力的支配を許していいのか」と題したシンポジウムで、同大学の現状を報告し、教授会、教育研究審議会の審査なしで、学長専決で教員の採用を決定する教員採用選考規程は学校教育法違反のおそれがある、この旨発言をいたしました。 これに対し同大学の山村理事長は、定款や理事会の決定事項による運営組織や規程等を批判し、教員人事を不適切なものとする資料を作成、公表したことは、地独法第十七条第二項の、その他役員たるに適しないに当たると主張し、同教授を解任しました。 理事長の主張は、憲法で保障された表現の自由、学問の自由を侵す暴論であり、あの戦前の滝川事件や天皇機関説事件をほうふつさせるものであります。 さらに、地独法第十五条第二項で、役員の忠実義務に従って、理事長側に学校教育法の遵守を意見しただけの理事、教授に対する人権侵害でもあります。 地独法第百二十二条第四項では、下関市立大学またはその役員もしくは職員が、不正の行為等を行った場合において緊急を要するとき、その他特に必要があると認めたときは、県知事自ら下関市立大学に対し、当該行為の是正のため、必要な措置を講ずべきことを求めることができると定めています。 理事を解任した行為が不正行為と判断された場合は、村岡県知事が同大学に対し当該行為の是正のため必要な措置を講ずべきことを求めることができると考えていますが、お尋ねして、一回目の質問といたします。(拍手) 副議長(藤生通陽君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問のうち、私からは、菅政権に対する評価についてのお尋ねにお答えします。 我が国は現在、依然収束が見通せない、新型コロナウイルス感染症の拡大という歴史的な困難に直面しています。 こうした中、菅総理におかれましては、昨年九月の就任以来、感染拡大防止と経済再生の両立を最優先課題に掲げ、地方の感染症対策を後押しする政策にも、積極的に取り組んでこられました。 とりわけ、地方創生臨時交付金の大幅な増額、これによって本県をはじめ、税収の落ち込みで厳しい財政運営を余儀なくされている、地方における必要な対策の機動的な実施が可能となっているところです。 また、コロナ禍で浮き彫りとなったデジタル化の遅れに対処するため、司令塔となるデジタル庁の創設を表明され、我が国の国際競争力の強化と国民の利便性向上に資するデジタル社会の形成に向けた取組を、スピード感を持って進めておられます。 さらに、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を決定し、強靱な道路ネットワークの整備と公共インフラの老朽化対策に取り組むなど、地方の声をしっかりと受け止め、その立場に立った政策を推進されています。 政権をめぐる出来事については、私から申し上げる事柄ではありませんが、菅総理が進められている政策は、コロナの危機を乗り越え、我が国を前に進めるために不可欠なものであり、私としても大変心強く感じているところです。 こうした国の政策と連携しながら、私は、感染拡大の局面で生まれた社会変革の動きをこれからの県政推進に確実に取り込み、「活力みなぎる山口県」の実現に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(藤生通陽君)梶間商工労働部理事。 〔商工労働部理事 梶間敏君登壇〕 商工労働部理事(梶間敏君)原発についての御質問でございました。 原発は安全というのは神話だった、人類と原発は共存できない、こうした原点を風化させてはならないと考えるが、見解を伺うとのお尋ねにお答えをさせていただきます。 エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことができないものであり、エネルギー政策は国家運営の基本です。 したがって、県としては、原子力発電を活用するかどうかについては、国において判断されるべきものと考えています。 言うまでもなく、原子力発電については、安全性の確保が大前提であり、国及び事業者の責任において、安全性を不断に追求していくことが重要と考えています。 副議長(藤生通陽君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)デジタル化と個人情報保護についての御質問のうち、二点のお尋ねにお答えします。 まず、マイナンバーへの個人情報のひもづけについてです。 マイナンバーは、複数の行政機関等に存在する様々な個人の情報を同一人の情報として確認するための基盤となるものです。 このマイナンバーを活用した情報連携により、様々な行政手続を一度で行うことができ、また、健康保険証とマイナンバーカードの一体化は、高額療養費制度における限度額適用認定証等の申請を不要とし、預金口座とのひもづけは、災害時等における給付金の迅速な支給を可能とします。 県としては、こうした情報連携によって、国民の利便性向上が図られるとともに、行政サービスの効率化につながるものと考えています。 次に、プライバシー保護についてです。 個人情報については、個人情報保護法や関連法規等により、厳格な保護措置が定められており、また、マイナンバーについては、法律により、その利用範囲等が限定されています。 また、現在、個人情報保護法の改正案が国会に提出されていますが、その中では、独立規制機関である個人情報保護委員会が、個人情報の取扱いを官民一元的に所管し、監督することも盛り込まれています。 こうしたことから、デジタル化に当たっても、法律等に基づき、国において、個人情報を保護する適切な措置が講じられるものと考えています。 次に、公立大学の運営についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、退職教員の不補充についてです。 地方独立行政法人法では、大学またはその役職員が不正行為等を行った場合には、知事は、設立団体またはその長に対し、必要な措置を講ずべきことを求めることができると規定されていますが、教員採用など人事を含む大学の運営については、本来、大学において主体的に判断し、対応されるものであると考えています。 次に、経済学部長の理事解任についてです。 地方独立行政法人法では、大学またはその役職員が不正行為等を行った場合で、緊急時など必要と認める場合には、知事自ら大学に対し必要な措置を講ずべきことを求めることができると規定されていますが、お尋ねの理事解任については、法に基づき、大学において主体的に判断し、対応されたものと考えています。 副議長(藤生通陽君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)デジタル化と個人情報保護に関する御質問のうち、デジタル化推進のための個人情報保護制度の見直しについてのお尋ねにお答えします。 デジタル社会の形成における個人情報保護制度の在り方については、データ利活用と個人の権利利益の保護の両立や、国際的な制度調和の必要性を踏まえ、官民を通じた共通ルールを国が法律で設定することとされており、こうした趣旨に基づき、本国会に個人情報保護法改正案が提出されたものと認識しています。 なお、法律案の具体的な内容については、国において適切に検討されているものと考えています。 副議長(藤生通陽君)福田商工労働部長。 〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 商工労働部長(福田浩治君)新型コロナに係る生活と営業への支援についてのお尋ねのうち、県内中小零細事業者への支援についてお答えします。 県としては、県制度融資の融資枠確保による事業者の資金繰り支援、新事業展開に向けた取組等への補助、「Go To Eat」の活用等による消費需要の喚起を三つの柱に、これまでも本県独自の事業者支援に取り組んできたところです。 産業構造や事業所数、感染症の動向など、都道府県ごとに異なる状況を踏まえて、それぞれで独自の支援策を講じられており、一概に比較はできませんが、お示しの広島県の例と比較しても、本県の施策は遜色ないものと考えています。 県としては、引き続き、資金繰りの円滑化を通じて県経済の下支えに取り組むとともに、感染症の動向や経営環境への影響を見極めながら、観光や消費等の需要喚起に必要な施策を効果的に実施してまいります。 副議長(藤生通陽君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型コロナに係る生活と営業への支援についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、生活への支援についてです。 住居確保給付金、緊急小口資金及び総合支援資金に係る特例措置は、三月末で受付が終了しますが、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化が懸念されることから、県では、全国知事会を通じて、特例措置の継続を国に要望しているところです。 県としましては、今後とも窓口である市町や社会福祉協議会と連携をして、コロナ禍により生活に困窮されている方々に寄り添った支援に努めてまいります。 次に、生活保護制度についてです。 まず、お示しの国の調査は、平成二十八年七月に生活保護が開始された世帯を対象に行われたものであり、本県では、下関市を除き、扶養照会数が年換算で約二千四百件、うち経済的扶養に至ったものが約一・五%となっています。 次に、扶養照会に係る改正についてですが、県としましては、今の時代や実態に沿った形で運用できるよう、国において見直しが行われたものであると認識しており、その趣旨を踏まえて適切に運用してまいります。 次に、全面的な運用改善についてですが、法定受託事務である生活保護業務は、国の実施要領に基づき実施するものであることから、その運用の見直しについては、国において検討されるべきものと考えています。 副議長(藤生通陽君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)岩国基地問題についてのお尋ねのうち、まず、基地の新型コロナウイルス感染状況に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、基地関係県市町連絡協議会が一月十二日に行った要請に対する基地側の認識をよしとしているのかとのお尋ねです。 県としては、米軍岩国基地においては、基地に直接入国する際の水際対策や厳しい行動制限など、基地内及び基地外での感染拡大を防ぐための対策がしっかりと実施されていると認識しており、引き続き、基地と連携・協力しながら取り組んでまいります。 次に、PCR検査の実施状況や死亡例等について明らかにするよう要請すべきとのお尋ねです。 基地からは、日米合同委員会合意の覚書に基づき、基地外での行動歴など、感染拡大防止に必要な情報は適切に提供されていることから、県としては、基地内での詳細な感染実態や個別の対策等について改めて明らかにするよう要請することは考えていません。 次に、空中給油機KC130部隊の訓練についてです。 県としては、沖縄の負担軽減などの観点から、KC130の移駐を容認したところですが、沖縄の負担軽減については、外交・防衛政策を専管する国の責任において取り組むべきものであり、お示しのような要請をする考えはありません。 一方、平成十八年の、再編実施のための日米のロードマップにおいて、岩国基地の影響緩和措置として、KC130部隊は、海上自衛隊鹿屋基地及びグアムに定期的にローテーションで展開することとされており、この措置が確実に実施されるよう、国に要請しているところです。 副議長(藤生通陽君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)下関北九州道路についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、事業の熟度のうち事業主体等についてです。 当該道路の事業主体や事業費の負担については、現時点で整備手法等が定まっておらず、お示しできる状況にはありません。 また、連絡道路の新設等については、今後、下関北九州道路の計画の具体化に併せて、国、県、市が連携し、その必要性についての検討が進められるものと考えています。 さらに、環境影響評価については、現時点で、誰が費用を負担するかは未定ですが、引き続き、国と二県二市が協力しながら進めていくこととしています。 次に、小倉東断層についてです。 昨年度の国と二県二市による検討会において、学識経験者等の意見を踏まえ、海峡部における活断層の有無や位置、変位量等は不明確であるが、つり橋は断層変位への影響を受けにくく、柔軟な対応が可能であることから、橋梁案が妥当とされたところです。 次に、建設コストについてです。 費用対効果については、現時点でルートや整備手法等が定まっておらず、お示しできる状況にはありません。 また、不要不急の巨大事業は一度立ち止まって再考すべきについては、下関北九州道路は、関門橋や関門トンネルと環状道路網を形成することにより、地域間の連携や日常的な交流を促進し、関門地域の自立的発展を支える重要な基盤です。 さらに、近年頻発する大規模災害時にも機能する信頼性の高い道路ネットワークを構築するためにも、その整備は必要不可欠であることから、再考する考えはありません。 副議長(藤生通陽君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)下関北九州道路についてのお尋ねのうち、環境影響評価の手続についてお答えいたします。 まず、事業者が決まっていないような熟度段階で、環境影響評価の手続を開始された事業はあったのかとのお尋ねについてです。 お示しの計画段階環境配慮書は、計画の立案段階で作成されるもので、環境影響評価法において、事業者が決定していなくても手続を開始することが認められており、本県では初めてですが、他県には同様の事業があります。 次に、今後の環境影響評価手続とおおよその所要期間についてのお尋ねです。 今後の手続は、法に基づき、方法書、準備書、評価書の順に作成されることとなりますが、所要期間については、事業者が行う環境影響調査等に要する期間に左右されるため、見通すことはできません。 副議長(藤生通陽君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問行います。 まず、基地問題、KC130の問題です。 この訓練について県は、二○一四年六月県議会で、国の説明によれば、これまで普天間基地で行われていたKC130の離着陸訓練等は、移駐後には岩国基地で実施されることになっており、運用や訓練の面でも沖縄の基地負担が軽減されるものと考えていますと答弁されました。実態は、現状は全く違います。 沖縄基地負担の軽減が進んでいないことは、移駐を容認した山口県の意向そのものが踏みにじられているということではありませんか。国に訓練の国外移転を要請するのは当然ではありませんか。山口県をばかにするにも程がある、こういうことでお尋ねしたいと思います。 また、国が米軍の運用に関わるものとして、開けて通すなら約束違反として、岩国基地へのKC130部隊の配備を返上することも考えるべきではないでしょうか、お尋ねします。 新型コロナ問題で、あの岩国基地で死者が一体どうなって、出たのか、出てないのか、それすら分からない、聞きもしない。しかし、皆さん、米国本土では死者が五十万人を超えて、第一次・第二次世界大戦とベトナム戦争をも上回って、大問題になっています。知らないでは済まされません。ない、ゼロならゼロでいいんですが、岩国基地に限らず、横須賀や嘉手納をはじめ、日本国内に展開する米軍基地は、この問題について一切口をつぐんでいます。こんなことを主権国家、この日本が放置するわけにはいきません。 日米地位協定の壁があることはよく分かります。渉外知事会を通じて改定を求めていることも承知しています。しかし、現行の地位協定でも第十六条では、米軍の軍人・軍属、家族には、日本国の法令を尊重する義務があると明記されています。県民の安心・安全に責任を負う山口県は、この十六条に基づいて、直接米軍基地への情報の全面開示も求めていくべきではないですか、伺いたいと思います。 市大問題について伺います。 総企部長からは、現状の具体例に基づいて、踏み込んで、その上で、これは大学内の問題だというふうな答弁がありましたが、私の第一質問の一番の趣旨は、地独法百二十二条三項、四項は、私が触れたあの解釈をでよろしいかどうか、改めてこの点について伺っておきたいというふうに思います。 これを踏まえてお尋ねします。下関市立大学経済学部には千八百四十人の学生がいます。これに対し、資料二のように、委員は特任枠を入れても六十三人であります。このうち、現在、十四人が不補充、充足率は七七%、この状況は何らかの法令に反するものではないか、伺います。 同時に、学生一人当たりの教員の割合です。経済学部は千八百四十人に対し、教員は四十九、教員一人当たりの学生は約三十八人です。一方、今年四月に開設予定の特別支援教育特別専攻科の入学者、決まりました。定員十人に対して五人です。そして、教員は五人配置されているわけですから、まさにマンツーマンの体制になりました。お友達優遇といっても、幾らなんでもこれはひどい。これが正常な大学運営と果たして山口県は思われているのか、改めて伺います。 今、下関市立大学は経済学部のみならず、まさに大学そのものが存亡の危機に陥っていると言っても過言ではありません。その根本には、法人理事会の大学の自治や学問の自由が何たるかを知らない。理事会で決めれば、それは大学の自治であるかのように、全く無知、勘違いがあります。高等教育機関を運営していく上での致命的な欠陥であります。 この問題について、今、全国の大学人は、認可権限者たる村岡知事の判断に極めて強い注目の目を向けています。この問題は別に国の専管事項でも何でもありません。また、総務官僚のように、忖度する相手も誰もいません。この点では山口県自らの高等教育に対する見識の問題が問われています。 昭和三十八年に最高裁で確定した有名なポポロ事件、最高裁大法廷判決において、憲法二十三条、学問の自由の保障として、大学の自治は憲法上、制度的に保障されていることと大学の自治の保障とは、人事の自治を含み、学長、教授その他の研究者の人事は大学の自主的判断に基づいてなされなければいけないこと、これ明確に示しています。 この点でも、改めてこの問題に対して山口県は、地独法百二十二条の三項、四項、改めてきちんと精査をして、その上で必要な対応を行っていただきたいと思います。 最後に、個人情報保護の問題については、一気呵成にデジタル化を進めることは、やはり私たちとしては本当に憂慮します。国内での情報、個人情報の漏えい・紛失事故が後を絶えていません。この点ではしっかりと私たち県議会の中でも…… 副議長(藤生通陽君)時間オーバーです。 木佐木大助君(続)審議をした上で対応していっていただきたいと改めてお尋ねして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 副議長(藤生通陽君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)二点の再質問にお答えします。 まず、沖縄の負担軽減を目的に、KC130の移駐を容認したのだから、その意向が無視されているので、訓練の国外移転とかKC130部隊の配備を返上すべきというお尋ねでございました。 まず、KC130の移駐と沖縄の負担軽減、これ議員は嘉手納基地も含めて沖縄の負担軽減という、大きなくくりで言われていますので、まず整理をさせていただきますと、国との関係でいうと、KC130の移駐をしないと普天間の全面返還が進まないと、こういう国の政策に協力する必要があるという観点と、それと岩国基地の観点で言えば、KC130が移駐しても、ハリアーが国外に移駐するので、基地周辺住民の生活環境は悪化しないという基本姿勢を整理した上で容認したという経緯がございます。 その上で、沖縄の負担軽減の重要性については、これは本県としても十分理解をしておりますが、訓練を含めて、これをどう進めていくかということについては、国が取り組むべきものでございますし、また、部隊の配備についても国が判断するものでございますので、こうしたことから、県からお示しのような要請をする考えはございません。 それから次に、新型コロナの関係で、地位協定の十六条を出されて、米軍のコロナの情報の開示を求めるべきというお尋ねでございましたが、まず前提として、米軍岩国基地からは感染拡大防止に向けた必要な情報は適切に提供されています。 その上で、感染者の情報についての公表は、別に法令に基づいて行っているわけではありませんで、引き合いに出された日米地位協定十六条の国内法令尊重義務の問題と米軍が感染状況等を公表する問題、これは別問題でございますので、どこまでそれを公表するかというのは米軍の判断だと思いますので、情報の開示を求める考えはございません。 副議長(藤生通陽君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)再質問にお答えをいたします。 まず、公立大学の運営についての数点の御質問であります。 最初に、下関市立大学の経済学部の教員の充足率が七七%であるということについて、この状況は何らかの法令に反するのではないかというお尋ねでありました。 県が認可等行っております関係の地方独立行政法人法との関係で申し上げれば、法上、学生数に対する教員の充足率について規定はございません。 それから、経済学部については教員一人に対して学生が三十三人で、四月開設予定の特別専攻科においては五人の入学に対して教員が五人ということになっているけれども、これが正常な大学運営と言えるのかというか、思われるのかというお尋ねであったと思います。 学生数と教員数の関係については、これは大学の運営上の事柄ということでありまして、県としては大学の運営について指導・助言を行う権限を有しておりませんので、認識を申し上げる立場にはございません。 最初に、地方独立行政法人法第百二十二条第三項、第四項についての議員の御説明が間違ってないかという確認がございました。それは私の答弁の中でも申し上げたとおり、規定は規定として書かれているとおりであります。その上で、それを適切に行使すべきではないかというのが最後のお尋ねであったかと思いますけれども、これについては先ほど御答弁申し上げましたとおり、それぞれについて基本的には大学の主体的な判断により適切に対応されるものというふうに考えております。 それから次に、デジタル化と個人情報保護についてのお尋ねであります。 デジタル化については、セキュリティーの問題をしっかりとやった上で進めていくべきではないかということでお話がございました。 現在、国を挙げて進めておりますデジタル化の取組と言いますのは、今般のコロナ禍において明らかとなった我が国全体のデジタル化の遅れ、これに迅速に対処するということが大きな目的の一つでございます。 したがいまして、当然のことながら、情報セキュリティーは万全の対策を講じながら、デジタル化は様々な取組を速やかに進めていくことが必要であると考えております。 副議長(藤生通陽君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───◆─・──◆──── 副議長(藤生通陽君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会をいたします。御苦労でした。 午後三時三分散会