1 SDGsの推進について 2 就職氷河期世代の支援について 3 コロナ感染症受入等医療機関の対応について 4 米軍岩国基地のコロナ感染症対策について 5 宇宙状況監視レーダーについて 6 上関大橋と上関原発について 7 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第七十九号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七十九号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 おはようございます。社民党・市民連合の中嶋でございます。通告に従い質問させていただきます。 まず、SDGsの推進について。 コロナ禍が医療、雇用など多岐にわたる領域で深刻さを増す中、地球上の誰一人取り残さない、SDGsにうたわれたこのフレーズに、今世界の人々が共感を寄せています。 昨年の二月議会で海洋汚染問題、とりわけプラスチックごみによる環境汚染問題について、SDGsの視点から私なりに質問をさせていただきました。 先日、地元紙が、県漁協青壮年部防府支部の皆さんが、網にかかったごみを自主回収、レジ袋などのプラスチックごみは確実に増えている、今後も続けたいとの記事が掲載され、頼もしく思いました。 持続可能な開発目標であるSDGsは、二○一五年に国連において全会一致で採択された世界共通の目標です。 十七のゴールと百六十九のターゲット、二百三十二の指標を示して、二○三○年までに持続可能な社会、経済、環境への移行を成し遂げようとして示されたものです。 最近、日本政府の交渉官として国連会議の場を、また市民サイドから日本各地の現場を歩いて策定に関わられたお二人によって著された、SDGs危機の時代の羅針盤という本が注目されています。 この本は、SDGsの重要性と魅力を紹介し、その中で、貧困、食料、福祉、教育、ジェンダー平等、エネルギー、雇用、消費等々、現代における社会問題の地図を広げ、それはなぜ、何のために、どうやってと、全ての社会活動、政治、経済、市民に対して変革を問いかけています。 この単行本には、SDGsの各ゴールが重要だと考える人の割合が示されています。五項のジェンダー平等を実現しようへの日本における関心割合は四四%で十七ゴール中、日本の中でも最も低く、世界平均の七四%に比べても関心度は低く、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森前会長の発言を聞くと、その達成は程遠いと感じるのは、私一人ではないと思います。 世界経済フォーラムが二○一九年に発表した男女格差を示すジェンダーギャップ指数で、日本は百五十三か国中百二十一位と過去最低となっており、一連の事態は図らずも日本の遅れを証明する結果となりました。 県内に目を向けると、二○二○年版山口県環境白書の巻頭言で、村岡知事は、気候変動に伴う異常気象や自然生態系への影響、マイクロプラスチック等の海洋ごみによる汚染など、深刻な課題が地球規模で顕在化していると指摘され、人と自然が共生する環境に優しい県づくりを重点施策に位置づけていると、意欲を述べられています。 しかし、SDGsの達成に向けて優れた取組を提案したSDGs未来都市に、宇部市が二○一八年度に選ばれて以来、後が続いていません。 さらに、その中で、この上の先駆的な事業を選ぶ自治体SDGsモデル事業には、県も含め、まだどこも選定されていません。 一方、県内三信金がこの二月にSDGsの推進に関する連携協定を締結されるなど、金融機関や製造業などの企業もSDGsを専門に取り組む部署を設置するなどの広がりを見せています。 そこでお尋ねします。県では、県庁組織はもとより、県内市町や企業・NPO等の各種団体、教育・研究機関、地域社会、個人などあらゆる主体が目標を共有し取り組んでいくことができるよう、県全体のSDGsを推進する役割を担うと考えますが、本県のSDGsの推進に向けて、現状をどう認識され、今後、どのように取り組んでいこうとされているのか、お聞かせください。 次に、就職氷河期世代の支援について。 政府は、バブル経済崩壊後の三十代半ばから四十代半ばとされる就職氷河期世代を支援する、就職氷河期世代支援に関する行動計画二○一九・二○二○を取りまとめ、令和元年度補正予算から令和四年度当初予算までの三年間で、計六百五十億円を上回る財源を確保するとしています。 また、二○二二年までに就職氷河期世代の正規雇用者数三十万人増を目指すとしており、内閣府では、一昨年十二月から一か月間、若干名の中途採用の募集を行われたところ、六百八十五名もの応募があったことが報告されています。 こうした動きを受けて、本県でも、令和二年度就職氷河期世代採用試験を実施。令和三年四月一日現在で三十六歳から五十歳までの人を対象に一般行政事務三人程度、小中学校事務三人程度を募集されたところ、一般行政事務に三百十六人、小中学校事務に百四十五人もの応募が殺到、実際の受験者数はそれぞれ二百三十七人と百十三人で、報道によると一般行政事務については、退職増による職員数の減少等もあり、最終合格者は十二人と大幅増となったとされています。 そこでお尋ねは、来年度も就職氷河期世代採用試験を実施する方針は既に決められていますが、詳しい募集内容は明らかにされていません。 正社員・職員になれなかった就職氷河期世代の方々は、コロナ禍の中でより生活に苦しめられていることや、地方自治体の公務員の五人に一人は非正規という現実も直視され、この際、県職員に積極的に受け入れるべきではないかと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。 三項目、コロナ感染症受入れ等医療機関の対応について伺います。 新型コロナ感染症の終息の兆しはまだ見えず、重点医療機関をはじめとする各医療機関では院内感染も発生するなど、極めて厳しい環境の中での対応を強いられています。 慢性的な人員不足の中で各種対応に追われる状況も長期化しており、関係職員、医療従事者の心身への影響が懸念されています。 本県でも、医療機関でのクラスターが発生し、関係者、医療従事者の疲弊は続いています。 まさに、従来の医療提供に加えてコロナ治療や感染予防による対応を図る必要があり、いや応なく業務が増加し、従事者の負担が増えています。県として、どのような支援を講じておられるのか、お聞かせください。 また、それに加え、医療従事者等への偏見、差別への懸念の問題も解決されていません。県としてどのような対策を講じておられるのか、お聞かせください。 次に、新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関が、回復した患者の転院先確保に、国が診療報酬を増額したものの、苦労しておられる状況があるようです。 肝は、医療体制の整備に向けた取組の問題です。 新型コロナウイルス感染症入院患者増加に対応するための医療提供体制確保について、病床が逼迫している場合、地域の実情に応じ、重点医療機関以外の医療機関に働きかけを行うなど病床の確保を進め、その際、医療機能、重症者病床、中等症病床、回復患者の受入れ、宿泊療養、自宅療養に応じた役割分担を明確化した上で病床の確保を進めるとされており、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関の病床を効率的に活用するため、回復患者の転院先となる後方支援医療機関の確保をさらに進めること、効率的な転院調整が行われるよう、地域の実情に応じ転院支援の仕組みを検討することとされています。 そこでお尋ねは、この問題に、医療提供体制の整備に県はどのような仲介役を担っておられるのか、また、どのような支援を講じておられるのか、お尋ねします。 そして、この対策の遅れに起因した副次的な問題も出てきています。 本県においても、重点医療機関での高齢患者の看護支援やクラスターが発生した医療機関に、他の医療機関の看護師等が派遣されての対応が図られているようです。 厚労省は十二月十四日、各都道府県に対し、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業、医療分の実施に当たっての取扱いについての事務連絡を行っています。 これによると、派遣元医療機関においては、補助基準額の引上げ分を活用して、派遣される医師・看護師等の処遇に配慮するよう留意することと明記され、これは手当などとして活用する趣旨であると、厚生労働省医政局も認めています。 そこでお尋ねは、医療従事者の派遣を行う医療機関が、この事務連絡を踏まえ、確実に、派遣される職員の処遇の引上げに活用されているのか、例えば報奨金、謝金などで支給するような対応が取られているかについて、県としてどのように状況把握されているのか、お聞かせください。 四点目、米軍岩国基地のコロナ感染症対策について。 一月八日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言発出に伴い、解除宣言が出されるまでの間、日本人も含めての入国者、再入国者、帰国者に対し、出国前七十二時間以内に実施したCOVID─19に関する検査による陰性であることの検査証明の提出を求めるとともに、入国時の検査を実施、その上で検疫所長の指定する場所で十四日間待機し、国内において公共交通機関を使用しないことといった水際対策措置が取られることになっています。 ところが、米軍岩国基地で陽性者が確認された際の報道発表内容では、米軍手配の航空機で岩国基地に到着し、基地内の施設で二週間の外出制限措置を解除するためのPCR検査を行った結果、陽性が判明したもので、直ちに外出制限期間に入っていました、厳しく徹底している外出制限措置により、ウイルス感染が拡大する可能性は引き続き低い状況ですと、毎回同じ記者発表がされています。 今まで何げなく見過ごしていましたが、よくよく考えれば、このことは、政府は米国からの入国を拒否しているが、日米地位協定により、米兵は入国審査を免除されている。在日米軍は、来日した米兵は二週間隔離されると説明しているが、PCR検査は受けずに入国しているということではないか。玄関を閉めても、開いたままの裏口から不審者が入り込んでいるのと同じことではないのか、まずはこの点に関しての県の御見解をお聞かせください。 次に、お手元配付の資料のとおり、一月十二日に、米軍基地における新型コロナウイルス感染症患者の発生に関する要請を、山口県基地関係県市町連絡協議会として、岩国市が代表され、四点について電話要請。米海兵隊岩国航空基地行政・連絡調整室から回答があったと報道されています。 そこでお尋ねをします。最後に、礼を言われるようなことで済ましておいて、県民、市民の納得が得られるとお思いなのか、お考えをお聞かせください。 さらに、最近になって、防衛省が在日米軍基地で働く日本人従業員に米兵からワクチン接種を受けないよう指示していることが問題になっています。禁止する理由は、国内未承認のワクチン接種により、副反応が起きても国内法に基づく救済が受けられないためだそうです。 ならば、日本人従業員には例外なく国内法が適用されているのだろうか、大いに疑問です。日米地位協定との絡みを踏まえて、このワクチン接種の対応について、県の見解をお聞かせください。 また、最近の報道で、米軍は五月の基地開放を今年もコロナウイルス感染症の拡大懸念のため開催を中止するようです。 二十万近い人に全国から基地にコロナを持ち込まれてはたまらないということではないでしょうか。基地開放は自衛隊とも共催です。日本側はいかがするのでしょうか、どのようにお聞きでしょうか、お尋ねします。 ともかく、日本側の市民へのワクチン接種は七月以降のようにずれ込むようですのに、米軍だけがさっさとワクチン接種を先行する身勝手さは問題では、この点についても見解をお聞かせください。 五点、宇宙状況監視レーダーについて。 この問題について、今まで三回質問しています。主な答弁は、国から宇宙状況監視の必要性や施設の整備等の説明を受け、宇宙政策を推進する国が必要と判断し整備するもの、国はレーダーの設計を終えた後に地元説明を行うとし、必要性や安全性等を丁寧に説明してもらいたいといったもので、県はまるで人ごとのようです。 昨年末に、やむにやまれず宇宙監視レーダーに反対する会が立ち上がり、一月十八日に中国四国防衛局に十二項目の申入れを行い、二月八日に電話でようやく回答がありました。 受け答えされた地方調整課基地対策室の方は、防衛省本省からの説明用の資料を基に話してくれるだけで、電波などの技術的なことは専門でない印象でした。いわく、「今、設計をやっている。今年度末ぐらいをめどに終わる予定。その設計で出た数値、データの諸元の数値ですから、それだけで説明しても何も意味が分からないだろう」など、本人が意味が分からないからといって、住民団体も分からないだろうと失礼かつばかにしたような話でした。 我がふるさと埴生のSSAは、空自の所管ですが、パラボラアンテナ六基を連結しての運用など、未知の領域。このことは暗に認められましたが、パラボラアンテナメーカーに丸投げで、設計が終わってメーカーによるレクチャー待ちだというようなことしか説明しません。 しかし、メーカーに設計を依頼するに当たっては仕様書があるはず。できたものの性能は軍事機密でも、こういう性能にしてほしいというスケッチ段階でも機密なのか。ともあれ、図面や数式入りの説明を出してもらい、第三者の専門家に分析してもらわなければ、分かりましたとは到底言えません。 住民団体ではなめられていますので、県からの仕様書の内容について、国に照会してもらいたい、いかがでしょうか、伺います。 次に、今回のやり取りを説明し学者先生に教えを仰いだところ、レーダーの照射範囲、経度、仰角について、お手元に配付の資料を作成してもらい、この資料に記載されているようなことも教わりました。 また、羽田空港と山口宇部空港だけでなく、北九州、福岡、大分、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島の各空港を結ぶ航空路線が瀬戸内海や四国の上空にあり、それらを避けてレーダーの電波を照射することは困難なのではないでしょうかとも教えられました。 ところが、防衛局とのやり取りでは、レーダーの運用に当たっては、航空機への影響が出ないようにレーダー波と近傍の航空路が交差しないようにレーダーを照射することとしていることから、現時点で飛行制限区域の設置は想定しておりません、関係省庁とも連携して航空機等に影響が出ないように、必要に応じた対策は実施していくと言い募られるのみです。 現地では、パラボラアンテナ等の設置のための基礎工事だけは、何ら住民には詳しい説明がないままに着々と進められています。 重ねてお伺いします。県から国に対して、早急に包み隠さず情報を開示する住民説明会の開催を要請していただきたい、お尋ねします。 六点目、上関大橋と上関原発について。 二○○六年三月二十三日、山口地裁岩国支部は、祝島漁協の組合員らには漁業補償契約の効力が及ばないので、原発の建設や運転により生じる迷惑に対する受忍義務や、操業をしないという受忍義務を負わない、祝島の個人操業権を認め、工事が、祝島の許可・自由漁業を妨げてはならないとした判決を出しました。 しかし、中国電力は、上関原発建設計画の原子炉設置許可申請に必要な詳細調査を委細構わず強行しようとし、ゴールデンウイーク前までに田ノ浦の浜に大型重機、当時上関大橋は重量物運搬に耐えられないと巷間で言われていました、を海から搬入するための仮桟橋と海上には大型ボーリング台船の設置作業を完了させたいとし、田ノ浦の浜及び海で祝島島民と支援する市民・労働組合員との間で激しい攻防が繰り広げられていました。 あろうことに、この二○○六年二月に県が上関大橋の超音波探傷試験を行い、長島側の鉛直PC鋼棒十八本中七本が破断し、五本は計測不能、破断していないと確認できたのは六本のみであり、室津側の破断は確認されなかったこと及び、二○○六年二月から十月にかけて、交通規制を行わずに長島側の補強工事を行っていたとのオンライン記事があると、当時一緒に活動していた古い知人から聞かされ驚きました。 二月十六日の日経クロステック有料会員限定記事のタイトルは、過去の教訓、黙殺が招いた車両衝突事故、橋桁が突然跳ね上がり、とショッキングであります。読んでまさにびっくりでした。 二十五日には、中国新聞さんも、路面段差の上関大橋、○六年にも損傷、長島側で鋼材破断、山口県は公表せずと報道され、県の土木行政の信頼は大きく失墜したと断罪せざるを得ません。 既に、江本県議や藤本・宮本県議が質問されました。しかし、私には答弁は納得し難いものです。 そこでお尋ねです。二月十九日の日経クロステックは「復旧検討会議の座長は、損傷が致命的となる箇所が外から見えないのが最大の問題だ、このような橋に対しては、外から点検できるように構造を変えることも視野に入れないといけない。また、委員のお一人が指摘されたのは、リスクマネジメントの必要性だ。リスクマネジメントでは、事象が起こる確率と事象がもたらす結果の重大性の二つを考慮して、対策の優先順位を検討する。災害対策にはリスクマネジメントの考え方がある。維持管理ではまだそれが十分ではない」と取材記事を書かれています。 さきにこれに言及する答弁はなかったように思いますので、上関の地元の方々のためにも、この点に対する答弁をお聞かせください。 次に、記事によると、県は二○○六年度から一二年度にかけて、上関大橋でお配りした資料にあるような様々な補修・補強工事を進めておられます。 ところが、鉛直PC鋼棒に対する補強は長島側でしか実施していない。雨水の浸透が見られなかったとの説明だったように思いますが、この結果責任は誰がどのように取られるのか、お聞かせください。 思うに、上関大橋の補強工事とわだちを合わすかのごとく、長島の南端の四代という集落に通じる、曲がりくねって車の離合も困難だった県道を町道に編入し、中国電力が道路改良拡幅、そしてトンネル工事まで行ってきているが、これこそ中電が田ノ浦に原発をつくるための資機材運搬に備えての工事で、事前に県が便宜を図ったのではとの声がある。こうした疑念に対する県としての見解をお聞かせください。 また、藤本県議が、埋立免許の期限まで二年を切ったが進展がない、この間、中国電力とどのようなやり取りを行ってきたのかとただされたのに対する答弁は、報告では、竣功予定年月日は竣功期限と同じ令和五年一月六日とされているところですとの回答だったように思いますが、このやり取りはどのような方法でされたのか、具体的にお答えください。 また、いつのことだったのか、お尋ねをいたしまして、一回目の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)中嶋議員の御質問のうち、私からは、SDGsの推進についてのお尋ねにお答えします。 人口減少や少子高齢化の進行、そして、今般の新型コロナウイルスの流行など、本県を取り巻く環境が一段と厳しさを増す中にあっても、将来にわたって持続可能な地域の未来を実現していく上で、SDGsの推進は重要な視点の一つであると考えています。 そして、その趣旨は、国民一人一人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる地域社会の形成を目指す、地方創生と重なり合うものです。 このため、私は、SDGsの視点を本県の地方創生に取り入れ、十七のゴールそれぞれに対応する施策をまち・ひと・しごと創生総合戦略に盛り込むとともに、目指すべき目標を市町をはじめ、産業界や教育・研究機関等と共有し、連携を図りながら実現に向けて取り組んでいるところです。 現在、総合戦略に掲げた取組は、新型コロナウイルスの感染拡大により一部に影響が生じておりますが、先般策定した、「コロナの時代」に対応するための施策推進方針に基づき、コロナ禍から生まれた社会変革の動きにも即応しながら、取組の重点化や加速化を図っています。 私は、今後とも、本県における地方創生を推進し、やまぐち維新プランや総合戦略に掲げる取組を着実に進め、これを通じてSDGsの推進を図ってまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)就職氷河期世代の支援についてのお尋ねにお答えします。 就職氷河期世代の県職員への採用については、国の施策に呼応して集中的に取り組むため、人事委員会に要請の上、本年度から採用試験を開始し、一般行政事務では十二名の方が合格されたところです。 県では、就職氷河期世代の方々を支援するため、来年度も採用試験を実施することとしており、採用予定人員等については、退職者の動向や今後必要となる業務執行体制など、適正な定員管理の観点も踏まえながら検討してまいります。 次に、宇宙状況監視レーダーについての二点のお尋ねにお答えします。 まず、宇宙状況監視レーダーの設計に係る仕様書の内容について、県から国に照会していただきたいとのお尋ねですが、国からは、設計が終了した後に地元に対し、施設の運用や影響等について具体的な説明を行うと聞いており、県として国に対し照会する考えはありません。 次に、国に対し、早急に住民説明会の開催を要請していただきたいとのお尋ねについてです。 このレーダー施設は、宇宙政策を推進する国が必要と判断し整備されるものであり、住民説明会の開催については、地元山陽小野田市の意向も踏まえ、国において適切に対応されるものと考えています。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)コロナ感染症受入れ等医療機関の対応についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、負担が大きい医療従事者への支援についてです。 県では、県内医療機関等と応援協定を締結し、感染症患者を受け入れる医療機関等に対し、看護職員を派遣する体制を整備しています。 また、医療機関でのクラスター発生時には、医師、感染管理認定看護師等で構成するクラスター対策チーム派遣などの支援体制を確保しています。 次に、回復患者の転院支援についてです。 県では、コロナ回復患者の転院先となる後方支援医療機関の確保に向けては、感染防止対策に要する費用への補助制度や、診療報酬等の引上げの情報を医療機関に周知するとともに、圏域会議を開催し、確保に向けた検討や連携の在り方等について、具体的な協議を進めることとしています。 また、各保健所に搬送コーディネーターを配置するとともに、県庁内に広域調整本部を設置し、コロナ治療後の転院も含め、円滑な患者の入退院調整等に努めているところです。 次に、派遣される職員の処遇については、個々の状況は把握しておりませんが、県としては、医師、看護師等を派遣する医療機関に対し、お示しの事務連絡の趣旨をしっかりと周知しており、適切に対応されているものと考えています。 議長(柳居俊学君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)コロナ感染症受入れ等医療機関の対応に関する御質問のうち、医療従事者等への偏見、差別への対応についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症は、誰もがどこでも感染する可能性のある病気であり、感染された方やその御家族、そして、お示しの医療従事者等に対する誹謗中傷、偏見、差別は、絶対にあってはならないことであります。 このため、このようなことを決して行わないよう、ホームページやテレビ、ラジオ等を通じて、県民の皆様へ繰り返し呼びかけるとともに、広報誌や地域情報誌等でも広く周知を図っているところです。 また、全国知事会等においても、同様のメッセージを数度にわたって発出しており、国も、今般、新型インフルエンザ等対策特別措置法を改正し、差別的取扱いの防止に向けて、啓発や相談支援の取組を強化することとしています。 県としては、国や知事会と連携しながら、今後も県民への呼びかけなどを重ねることにより、コロナに起因する誹謗中傷や偏見、差別の解消と防止に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)米軍岩国基地の新型コロナウイルス感染症対策についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、基地における入国時の水際対策についてです。 現在、基地においては、米軍人等が基地に直接入国する際、出国時にPCR検査を実施するとともに、到着後、十四日間の移動制限措置を課しており、通常、日本に入国する際と同様の水際対策が取られていると承知しています。 次に、一月十二日に行った要請に対する基地の回答では、最後に礼を言われるようなことで済ましておいて、県民、市民の納得が得られると思うかとのお尋ねです。 基地から結びの言葉として、山口県への感謝が示されていますが、回答の趣旨は、山口県を守るため、引き続き地元の医療当局と連携し、この世界的大流行と闘っていくとなっています。 これまでも、県と基地は連携・協力しながら、感染拡大防止のため必要な対策に取り組んでいるところであり、県民、市民の納得は得られるものと考えています。 次に、日米地位協定を踏まえた、基地で働く日本人従業員へのワクチン接種についてです。 今回の米軍岩国基地でのワクチン接種の対象者は、米軍人、米軍属、これらの家族の地位協定該当者となっていることから、非該当者である日本人従業員は接種の対象外となっています。 なお、日本人従業員は日本人であり、基地で働いているときも含めて当然国内法が適用されます。 次に、五月の基地開放の中止に係る日本側の対応についてです。 日米共催のフレンドシップデー二○二一については、海上自衛隊岩国航空基地からも同様に中止する旨発表されています。 次に、米軍だけがワクチン接種を先行する身勝手さは問題ではないかとのお尋ねです。 在日米軍が属する米国防総省のワクチン接種計画に基づき、接種の時期を定め実施したものであり、身勝手という御指摘は当たらないものと考えています。 議長(柳居俊学君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)上関大橋と上関原発についてのお尋ねにお答えします。 初めに、上関大橋についての三点のお尋ねです。 まず、二月十九日の日経クロステックに掲載された、復旧検討会議の座長及び委員のコメントへの言及についてです。 復旧検討会議では、同種橋梁の点検方法や主要な部材の可視化など、リスクマネジメントの観点も取り入れながら、議論いただいているところです。 次に、県では、二○○六年度から一二年度にかけて様々な補修・補強工事を進めているが、鉛直PC鋼棒に対する補強は長島側でしか実施されておらず、この結果責任は誰がどのように取られるのかについてです。 室津側については、平成十八年の調査では鋼棒の損傷は確認されておらず、その後の点検等においても、ひび割れから橋台への雨水等の浸入が鋼棒に支障を与えていないのかとの視点で、目視による調査等を継続的に行っており、そのような兆候は確認されていないことから、長島側と同様の対策は行っていません。 今回のケースは、全国的にも例がなく、また、突発的に起こったものであり、現在、復旧検討会議において、損傷原因の究明等について、引き続き、議論していただいているところです。 次に、四代に通じる県道を町道に編入したのは、上関原発をつくるための資機材運搬に備えて、事前に県が便宜を図ったのではないかについてです。 町道への移管は、あくまでも島内道路網を再編したいとの上関町からの要望に応えたものです。 次に、上関原発についてのお尋ねにお答えします。 前年度の工事の進捗状況が記載された、埋立てに関する工事の進捗状況報告書が、令和二年四月に提出されており、その報告書に竣功予定年月日が記載されています。 議長(柳居俊学君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 再質問をさせていただきます。 まず、宇宙監視レーダーについてです。 これまでも何度も質問していますけども、全く同じ答弁だと思います。 そこで、少し議論に参加させていただきたいと思いまして、ジャーナリストの半田滋さんという方がいらっしゃいますけども、この方は「政府の宇宙開発戦略本部の会合が昨年六月二十九日に開かれ、今後十年間の日本の宇宙政策を定める宇宙基本計画が五年ぶりに改定された。明確に宇宙を戦場としたのだから、安全保障政策の大転換と言えるだろう。防衛省は、宇宙を監視するための宇宙作戦隊を昨年五月、航空自衛隊府中基地に発足させた。さらに、ロシアや中国が開発中の衛星破壊を目的としたキラー衛星を監視するための宇宙監視レーダーを山口県に建設中だ」と指摘されています。 一月十二日の毎日新聞、米軍事衛星群に参入との報道もあります。 お配りした資料を見ていただきたいと思いますが、国の構想の意図することが読み取れます。高度一千キロメートルの低軌道に、千機超の監視衛星網を構築し、地球は丸いので、一旦、静止衛星軌道のSSA衛星にデータを送り、そこから地上の埴生のレーダー基地へ、そして府中基地、米軍へと情報を供与する。まさにスターウォーズ計画、敵基地攻撃能力構想ではないのか、疑念が拭えない。 そこで、県は、人ごとではなく、まさに地方自治の本旨に基づき、山陽小野田市で国、政府がやろうとしている全ての情報開示を求める責務があるのではないか、再度お伺いします。 上関、令和二年四月に報告を受けたと、これは今日では意味がない情報です。その後、中電は埋立てに先々行うとした海上ボーリング調査工事に関して、令和二年、昨年十二月に二度目の廃止届を出さざるを得ない状態に陥っています。 免許権者である知事には監督責任があるはず、文書をもって進捗状況報告について再度発出し、文書回答を求めるべきではありませんか、お尋ねします。 藤本県議の再々質問への答弁について、報道があった後に直接町のほうにお伺いして説明した、でした。上関町に説明に行かれたのは何日のことだったのか、お答えください。 日経クロステックが記事を配信したのは二月十六日、県が取材されたのはこれ以前ということになる。中国新聞の記事は、二月二十五日です。日経の記事を見られた上関町長が事実関係を県に照会、慌てて県が説明に行ったという情報がある。これは事実なのか、お答えください。 さらに、蒲井地区から四代地区への町道に編入して中電が行うトンネル工事についてです。 トンネルは十三億円かかったと言われています。この道路改良拡幅工事費は、中国電力による原発建設に向けた大がかりな買収行為そのものではないのか、また、これは工事完了後はまた県道に戻せるのか、この二点お答えください。 今回の件で、県は上関町に借りができたのではないかと、私個人は思ってます。町民が望む、昨年の災害より、いまだに全面開通していない県道七十二号線の災害復旧工事及び、工事中の県道二十三号線室津地区の道路改良の早期完成を図るべきではないか、こういったことを県は早くしてくれるべきではないかと私に要請がありました。 それと、岩国基地問題についてです。 先ほど理事から御答弁いただきました。国内法が適用されるとおっしゃいました。私は、岩国基地の座込みに参加したことがありますし、米軍岩国基地にも参加したことがあります。 日本人従業員が、警備員は拳銃を携帯されています。基地内ではいいかも分かりませんけども、時には拳銃を携帯したまま、座込み者を排除されるという事実があります。これは国内法が適用されていたら、その警備員はどうなるのか、お答えください。 そしてさらに、岩国基地問題。沖縄県は他国地位協定調査をやられ、平成三十一年四月に報告書欧州編を出されています。これを岩国基地対策室の皆さんは熟読、深読みされているはずです。内容について簡潔にお答えください。 また、この報告書を知事に上申されているのか否かもお聞かせいただきまして、私の再質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)宇宙状況監視レーダーについての再質問にお答えします。 国に対し、山陽小野田市でやろうとしていることの全てを情報開示するよう求めるべきではないかというお尋ねです。 戸倉議員の一般質問でもお答えしましたけれども、宇宙状況監視レーダーについて、国からは、レーダーの設計が終了しなければ運用や影響などについて具体的な説明ができないことから、レーダーの設計を終えた後に地元に対し説明を行う旨聞いているところです。 したがって、その説明の中で、あくまでも国の責任において地元山陽小野田市や地域住民に対し、必要性や安全性等を十分に説明するなど、丁寧に対応していただきたいと考えております。 議長(柳居俊学君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)中嶋議員の再質問にお答えします。 まず、上関原発について、県として改めて状況報告を求めるべきではないかという御質問であったかと思います。 埋立てに関する工事の進捗状況については、毎年四月三十日までに事業者から前年度の状況報告を受けることになっています。 令和二年度の進捗状況については、令和三年四月三十日までに報告されることとなっているため、それ以前に文書で報告を求めることは考えていません。 次に、上関大橋についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、上関大橋に関する報道について、上関町にいつ説明に行ったのかということと、上関町長から照会を受けて県が説明に行ったという情報もあるが事実かということについては、まとめてお答えをさせていただきたいと思います。 日経コンストラクションの報道を受け、二月二十四日に新聞等の報道を受け、二十六日に上関町長に面会し、報道の内容や県の考え方を説明しました。あわせて、今後の工事の進め方なども説明をいたしました。 次に、中国電力が行う道路改良等の工事は買収工事ではないのか、また、工事完了後には県道に戻せるのかという御質問についてです。 蒲井地区から四代地区までの間は、上関町からの要望に応え町道に移管し、町の代行事業として中国電力が工事を実施していると承知しており、県は意見を述べる立場にはありません。 また、現在、町道として整備をしていることから県道に再編する考えはありません。 次に、県道七十二号線の災害復旧工事や県道二十三号線の道路改良工事の早期完成を図るべきではないかについてでございます。 県道七十二号柳井上関線の災害復旧工事については、昨年七月の豪雨により上関大橋の手前の室津地区において六か所が被災し、現在、五か所の復旧を終え、残る一か所の工事を進めているところです。 また、県道二十三号光上関線の室津地区において実施されている道路改良についても、現在工事を進めているところです。 県としては、引き続き、これらの工事の早期完成を目指してまいります。 議長(柳居俊学君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)二点の再質問にお答えします。 まず、警備において拳銃を持っていたこと、これについての地位協定の関係についての県の見解ということでございましたけども、日米地位協定は、原則、米軍の活動については国内法が適用されないけれども、例えば基地の施設管理権との関係において、そこの部分については個別に判断するということになっております。 それで、お示しの事案については、いずれにしても法律違反などがあれば、県警察等の関係機関により対応されるものというふうに考えております。 それから、続きまして、沖縄県の作成した地位協定の調査報告書の関係、内容を示せということと知事に報告しているかということでございました。 お示しの報告書につきましては、ドイツ、イタリアなどヨーロッパの国の協定と日米地位協定の内容を比較し、整理したものでございまして、米軍の活動における国内法の適用とか、基地の管理権と立入り、それから訓練・演習の関与等についてですね、違いがあることを指摘して整理しているもので、これは当然、渉外知事会においても議論を続けている内容でございまして、令和元年度の渉外知事会要望では、これらの内容を新たに追加して、それ以降要望しているということでございます。 渉外知事会では、理事を含め担当者が出席して議論を重ねておりますが、当然その内容については知事に報告しております。 議長(柳居俊学君)中嶋光雄君。 〔中嶋光雄君登壇〕(拍手) 中嶋光雄君 上関。部長、四月三十日で毎年報告を求めているとありました。学事文書課の検索でやりますと、令和二年四月三十日に埋立てに関する工事の進捗状況報告について、保存期間は永年とあります。 今年もまた四月三十日に報告を文書で受けられるという御答弁でしたけども、この文書については開示いただけるということでよろしいでしょうか、お尋ねです。 それと、上関。昨年の上関大橋事故の直後に知事は現地に視察に行かれています。そもそもこの時点で、村岡知事に二○○六年の長島側の鋼材破断の情報が伝わっていたのか否か…… 議長(柳居俊学君)中嶋議員に申し上げます。時間が参りましたので、注意をいたします。 中嶋光雄君(続)また、事故当時の二井知事に報告が上申されていたのか否か、お伺いいたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)毎年四月三十日までにその状況報告書というのを提出するようになってるんだが、それについては開示するのかという御質問であったかと思います。 県としましては、文書開示の請求のルールに基づきまして、申請があれば開示したいというふうに考えております。 〔発言する者あり〕 議長(柳居俊学君)中嶋光雄君に申し上げます。答弁漏れがありますか。ありましたら、答弁漏れの箇所を具体的に御指摘願います。 中嶋光雄君 議長、この席でよろしいでしょうか。 議長(柳居俊学君)はい、どうぞ。 中嶋光雄君 私は、知事が上関に事故の後、直ちに現地調査に行かれた、これは大変知事として立派な御行為だと思いますけども、この時点で知事に二○○六年当時の情報が伝わっていたのかどうかをお尋ねいたしました。この点だけ御答弁ください。 議長(柳居俊学君)阿部土木建築部長。 〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 土木建築部長(阿部雅昭君)十五年前の事故について、知事が現地に行ったときに県のほうは説明していたかということについてのお尋ねかと思います。 今回の上関大橋の対応については、通行規制を緩和するための応急対策や本復旧に向けた取組などの町民の日常生活に関わることを最優先で知事に報告してきました。 損傷の原因の究明や復旧工法の検討など、技術的・専門的な内容と考え、十五年前の損傷の件は知事には報告していません。