討論
────────────────────── 討 論 議長(柳居俊学君)これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 山手康弘君。 〔山手康弘君登壇〕(拍手) 山手康弘君 自由民主党会派を代表して討論を行います。 我が会派は、提案された全ての議案及び意見書案に賛成の立場から意見を述べさせていただきます。 最初に、議案第一号、令和三年度一般会計補正予算についてです。 本県では、五月の大型連休以降、感染力の強い変異株等の影響により新規感染者数が急速に増加し、医療提供体制が逼迫する厳しい状況に陥りました。 このため、県では、独自に感染拡大防止集中対策期間を設け、県外との往来自粛や外出機会半減などの取組を一か月にわたって実施することで、今回の波を鎮静化させることができました。 しかしながら、こうした集中的な感染防止対策は、感染拡大の抑止には効果を発揮した反面、既に一年以上にわたってコロナで疲弊した地域経済にさらなる追い打ちを与える副作用を伴ったことも事実です。 きめ細やかな気配りと、支援策の早急な実施が欠かせないことは申し上げるまでもありません。 今回の補正予算には、事業活動を継続するための支援金や飲食店を応援するとともに、県民が安心してお店を利用できる環境づくりに向けた第三者認証制度の創設と応援金の給付、さらには感染防止対策に要する経費や従業員へのPCR検査費用に対する支援など事業活動を維持、再開していくための取組が盛り込まれています。 加えて、購入型クラウドファンディング、頑張るお店応援プロジェクトの大幅な拡充、プレミアム宿泊券に加え宿泊料金の割引、さらには、県産農林水産物の割引キャンペーンなど感染収束後を見据えた取組にも目配りがされています。 今のコロナ禍で落ち込んだ県内経済の早期回復、そして地域経済の好循環の実現に向けた歩みを着実に前に進めていくためには、これらの取組を迅速に実施に移し、その効果を県下全域に行き渡らせることが何よりも重要です。 執行部の皆さんには、コロナ禍での様々な対応で大変な御苦労をされているものと推察しますが、予算成立後は、支援を必要とされている皆様に一日も早く届け、県民、事業者の皆様の頑張りを後押しできるよう、さらなる御尽力をお願い申し上げます。 さて、先行してワクチン接種が進む他国では、感染者数が大幅に減少し、いわゆるロックダウンの状態から徐々にかつての日常を再開しつつあるという現実を、我々は目の当たりにしています。 このため、我が国では、一日も早く安全・安心な日常を取り戻すため、国、地方を挙げてワクチン接種を加速する取組が進められています。 本県においても、市町、関係機関との連携の下、ワクチン接種に全力を挙げられ、高齢者の接種率は全国上位で推移しており、医療関係者をはじめ、ワクチン接種に関わっておられる全ての関係者の皆様に感謝を申し上げます。 しかしながら、希望する全ての県民にワクチン接種が完了するまで、まだまだ息を抜くわけにはいきません。 今回の予算では、十月末までのワクチン接種に向けた、ありとあらゆる対策、一時的ではあるものの逼迫状態にあった受入れ病床の拡充をはじめとした医療提供体制の整備に加え、検査体制のさらなる充実に取り組まれることとされており、この着実な実施こそが、県民の安心につながるものと考えています。 村岡知事をはじめ県執行部には、今後とも、ワクチン接種が進み、感染のさらなる落ち着きが見られるよう、そして、コロナ後の県づくりに向けた歩みを着実に進めていただくよう、お願いいたします。 我が会派も、引き続き、県民の命と生活を守り抜き、コロナ収束後の社会を見据えた県づくりに向け、全力を挙げて取り組んでまいります。 次に、意見書案第一号 地方財政の充実・強化を求める意見書案についてです。 新型コロナウイルス感染症との闘いが続く中、本県では、県民の命、健康を守ることを最優先に、万全な感染防止対策を講じるとともに、疲弊した社会経済の回復と活性化に全力で取り組んでいます。 コロナ対応により大幅に増大した財政需要に対応するため、県では行財政構造改革を一旦凍結し、財源と人的資源をコロナ対策等に集中投下している状況であり、また一方で、経済の停滞等による税収減や社会保障費等の増大もあって、財政運営基盤が著しく疲弊しているのが実態です。 国・政府においては、当面の対策として、いわゆる地方創生臨時交付金の追加配分や令和二年度の減収補?債の対象税目に地方消費税を追加されるなどの措置を講じていただいております。 しかしながら、菅総理が、さきの施政方針で述べられたように、コロナの収束を図りながら、デジタル改革・グリーン社会の実現をはじめ国民の希望を実現する取組を進めていくためには、各自治体財政の体力を、少なくともコロナ禍が発生する以前の状態に早期に回復させていくことが重要です。 各自治体がコロナ禍の影響により大変厳しい財政状況下に置かれている実態を踏まえ、短期的な対策に加え、中長期的な視点に立った財政基盤回復と地方が借入金に依存することなく持続的な財政運営が可能となるよう、国に求めていくことが重要であり、本件意見書案の必要性を強く申し上げまして、自由民主党会派を代表しての討論を終わります。 御清聴誠にありがとうございました。(拍手)