討論
議長(柳居俊学君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。党議員団を代表して討論を行います。 本会議に上程された十九議案については全て賛成いたします。その上で、意見、要望を述べさせていただきます。 まず、議案第一号、六月補正予算案についてです。 首都圏を中心に新型コロナの新規感染者が再び増加し、第五波の予兆が強く現れています。 そうした中、県民の命と暮らし、なりわいを守り、支えるには自助・共助ではなく公助の出番であります。その意味で総額二百四十億円余りの補正予算は評価しますが、不十分な点も見受けられます。 一つは、今後も含め、迅速な対応が求められていることです。 県内の飲食・宿泊業等は、東京、大阪など大都市圏に加え、広島、福岡両県に緊急事態宣言が発令された影響で大幅な売上げ減に見舞われ、その影響は幅広い取引先にも及んでいます。廃業を余儀なくされた事業者も少なくありません。 山口県飲食業生活衛生同業組合などは六月中旬、県と県議会に対して、店舗の賃料や人件費など事業の継続に必要な経費の支援や感染収束後の飲食店などへの需要喚起策を要望されました。 こうした声に応えて、山口県が県内経済を下支えする施策に六十五億円を計上し、昨年四月補正予算にあった支援対象事業者の県内に住所を有する者に限定する、こういう縛りを撤廃されたことは大いに評価いたします。 中小企業事業継続支援、リスタート支援、PCR検査支援事業などの迅速な取組を要望するとともに、飲食店応援事業については運用改善を求めます。 本会議で問題提起しましたが、所管の常任委員会での質疑を通じて、さらに問題点が鮮明になりました。 委託業者が県内一万一千店を訪問し、コロナ感染防止対策を確認をする、そして、認証を推奨しますけれども、その終了見込みは十月末とされています。 認証申請は八月中下旬から十一月末までとし、随時、現地確認を行い、十二月末までに認証を完了する予定で進めていくそうであります。 十月末といえば、希望する県民に対するワクチン接種を終了させると言っている時期でもあります。 少なくない事業者は、一日千秋の思いで支援の手を求めています。県独自の応援制度登録店に対しては直ちに応援金を支給する。そして、その後に新たに設ける認証基準をクリアするよう働きかけるなど、同事業の制度設計を見直すよう要望するものであります。 また、プレミアム宿泊券の追加発行に加え、補正予算には宿泊料割引や地域限定クーポンの付与などが盛り込まれるなど、山口県版「Go To トラベル」には至れり尽くせりであります。県内限定ではありますけれども、結果的には人流を増やす、人流を拡散することにつながるのではないでしょうか。実施に当たっては、感染拡大の第五波の動向を注視しながら慎重に対応するよう要望するものです。 二つは、大規模なPCR検査の実施であります。 補正予算には検査体制強化事業に約八億円計上され、行政検査実施委託の拡充及び高齢者施設等での集中検査の実施に取り組むとされています。 しかし、六月第二週から第四週にかけての二十一日間のPCR検査数は計六千二百四十八回、一日平均は二百九十八回であります。一方、広島県は千五百二十回、岡山県は七百三十六回ですから、大きく立ち後れています。 また、六月最終週の検査数に対する陽性者の割合を見ると、岡山県は○・二%、広島県も○・九%に対して、我が山口県は一・八%と非常に高いレベルであります。 第五波も予測される今こそ、感染拡大を未然に防ぐためにも大規模な検査に踏み切ることを求めます。 三つは、ワクチン接種の迅速化であります。 補正予算には新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業として約十六億四千万円が計上されています。ワクチン接種の加速化のための広域的な集団接種会場の開設や歯科医師の活用及び医療機関での接種促進のための財政支援が目的であります。 ところが、今月に入りファイザー製ワクチン供給減によって、一部の自治体では混乱が生じています。県内でも山口市、長門市など来月予定していた接種の予約を一時停止すると発表しました。 ファイザー製のワクチン供給は、六月は二週間当たり最大千八百七十万回分だったが、七月から九月には原則一千百七十万回分が続くと報道されています。 また、モデルナ製ワクチンを使う職域接種も、供給量が減少し、受付再開が事実上断念に追い込まれる事態が生じています。 ワクチン確保については、これはどこまでも菅政権の責任であります。政府に対して、希望する県民全員のワクチン接種に必要な供給量確保を強く要望するよう知事に求めます。 議案第九号から十二号は、障害者、障害児の施設等の利用の申込みの際に、書面により行うこととされている重要事項の説明、また同意等について、電磁的方法によることができるよう必要な条例改正を行うものであります。 利用申込みをする人が高齢者や障害者など、デジタルにたけていないケースも考えられます。重要事項の説明や同意などについては、従来どおりの方法を選択できることをしっかりと説明した上で、丁寧な対応がされるよう要望をいたします。 以上で、日本共産党県議団を代表しての討論といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)これをもって討論を終結いたします。