1 新型コロナウイルス感染症について 2 有害鳥獣の活用について 3 信号機のない横断歩道について 4 県内経済の下支えについて 5 その他
議長(柳居俊学君)松浦多紋君。 〔松浦多紋君登壇〕(拍手) 松浦多紋君 皆様、おはようございます。県民の誇りを育む会、松浦多紋でございます。通告に従い、質問を始めさせていただきます。 まず、新型コロナウイルス感染症について、二つの質問をさせていただきます。 山口県内では新規感染者が三千百名を超えました。また、感染者をまとめて出してしまうクラスターは四十五件起こり、一度クラスターが発生してしまった際の対応で、感染拡大に大きな影響を及ぼしてしまうことがはっきりしていることは承知のとおりです。 団体での生活をしている方にとって、どなたも遭遇してしまう可能性のあるクラスターの案件が四十五件。山口県にとって多いと判断すべきなのか、少ないと判断すべきなのか。その四十五件の内訳は、飲食店、職場、学校、医療関係、宿泊型高齢者施設、通所介護施設といった場所が主なクラスターの発生場所となっております。 山口県で発生したクラスターに対して、健康福祉部、各保健所の迅速な対応のおかげで、感染者数の大小はありますが、封じ込めに成功していると思います。また、そこで罹患した方が御家庭で広めてしまうことは、幾つか例はあったと思いますが、濃厚接触者をしっかり管理していただいたことが、感染拡大に歯止めがかかった大きな要因だと思います。 私は、クラスターが発生した場所を、能動的、また受動的という二つの性質、観点から考えてみました。能動的とは、自ら働きかけ、ほかに影響を与えるさまを言います。一方で受動的とは、ほかから動作・作用を及ぼされるさま。自分の意志からではなく、ほかに動かされてするさまを言います。 クラスターが発生した場所を割り振ってみました。能動的に人が集まる場所として、飲食店、職場、学校、外来の医療機関、通所介護所が挙げられます。それぞれが異なる環境で生活をしている人たちで構成されるグループでは、それぞれが新型コロナウイルスを持ち込んでしまう可能性があり、そのシーンにおいて、感染拡大を防ぐ場所づくりはもちろん、一人一人がマスクの着用をしっかり行う等、感染させない行動を徹底的に行う必要があると思います。 一方で、受動的な場所として、医療機関の入院スペース、宿泊型高齢者施設が挙げられます。医療機関に入院されている場合や、高齢者施設で生活をされている場合、基本的には外出がなく、関係者によって外部から持ち込まれてしまったウイルスに感染してしまうケース。一人一人の感染予防をしっかり行っていても、加療や介護での密な接触は避けることができません。 どちらの場合も、結果的に感染がその家族に広がり、感染者を増やしてしまうという結果になってしまったのではないかと思っております。 それら二つの観点から見た多くのクラスターに対し、山口県では既にそれぞれの状況をしっかり分析され、今後の対策も練っていらっしゃることと思います。今後ワクチン接種が進み、新規感染者やクラスターの発生も大幅に減少すると期待いたしますが、ワクチン効果も永年続く保証はなく、一○○%の予防ができるものではありません。 そこでお尋ねをいたします。ワクチン接種が進み、新規感染者も大幅に減ってくることを期待いたしますが、山口県が経験した四十五件のクラスターを分析し、今後どのようにその分析を、クラスター予防、発生時の早期対応、クラスター対策に生かしていくのか、県の御所見をお伺いいたします。 さて、私は二月議会におきまして、厚生労働省から出されております、新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引きにより、国、都道府県、市町村、医療機関等の役割を例に出し、都道府県の主な役割を幾つか申し上げ、運搬方法や、アナフィラキシーショックが起こった際の迅速な対応が必要な際の対応等踏まえ、コロナウイルスという目に見えない災害に立ち向かう、全県体制での迅速な連携・協力体制が必要であると質問いたしました。 ワクチン接種の迅速かつ円滑な実施に向けて、市町や医療関係団体と連携し、十分な接種体制を確保するなど、万全の準備を進めていくことが重要。高齢者の優先接種への連携、ワクチンの流通体制、圏域会議における情報の共有、人材、接種会場の確保といった支援に努められ、市町や医療関係団体との緊密な連携の下、安全かつ着実にワクチン接種を進めることができるよう、準備に万全を期しておりますと御答弁頂きました。 そのお答えどおり、山口県は高齢者におけるワクチン接種率は当初、全国でも屈指の位置におり、今なおその場所におります。ワクチン接種に対する準備と意識の高さを誇りに思った次第です。 最近では、日々目まぐるしく、都市部における大規模接種会場の設置や職域での接種といった取組も進み、山口県におきましても、六月二十六日から広域集団接種会場を県内三か所に設けられ、接種に向けた取組が加速していることに安堵しております。 さて、私の地元防府市では、六十四歳以下の市民に向け、ワクチン接種に欠かすことができない、いわゆる接種券が六月二十一日に発送されました。 しかし、全県でその接種券の発送がばらばらになっているという事態となっております。年齢別に発送時期が違う市町もあれば、発送時期が明確になっていない市町、七月に入ってから発送予定、まためどが立ったら発送開始といった事態となっております。 状況だけ見聞きしてしまうと、一部報道が言われる地域格差という言葉で片づけられてしまいがちですが、高齢者の優先接種が七月末までに終了させるという大きな使命を持たされる中で、接種状況に注視しながら、また接種券が一斉に配付された際に、予約関係のコールセンターが機能するように慎重に発送されていると伺いました。 引き続き、県と市町の緊密な協力体制を生かしながら、七月末までの高齢者の方へのワクチン接種完了と各市町のワクチン接種券発送とスムーズな予約体制に向け取り組んでいただきますことをお願いをいたします。 さて、厚生労働省が基本設計とする新型コロナウイルスワクチンの接種体制では、厚生労働大臣の指示の下、都道府県の協力により、市町村において予防接種を実施とあり、市町村の事務に係る調整では、都道府県は、接種実施医療機関等の確保等、市町村における新型コロナワクチンの円滑な接種についても、必要な協力を行うとあります。 では、実際に高齢者の方へのワクチン接種が終わり、今まで以上に広い世代へのワクチン接種のタイミングとなった際、都市部地域では接種可能な医療機関も多く、大規模接種会場での接種、かかりつけ医での接種等、比較的スムーズな接種が可能であると予測できます。 しかし、もともと医療機関が少なく、大規模な接種会場へ向かう交通手段の少ない山間地域にお住まいの方に対して、平等に接種が行える調整はできているのか、疑問に思えてきます。 そこでお尋ねをいたします。もちろん全ての市町のワクチン接種の段取りや、医師の手配等の調整はお済みのことと思いますが、地域格差と思われるようなストレスを抱えないためにも、山口県の市町に対するフォローは、今まで以上に必要となってくると思います。今の段階でワクチン接種における医師を含めた医療従事者の確保状況や接種会場の充実、円滑な接種に対する見解をお示しください。 次に、有害鳥獣の活用についてです。 さきの二月議会におきまして、ジビエの振興について、野生鳥獣による農業被害の関連と、捕獲した鳥獣の処理の問題や、その処理方法の解決によるジビエへのさらなる振興による地域活性について質問がありました。御答弁も、処理施設の現状、販路、イノシシの食肉への利用が五%にとどまっており、さらなる有効活用を見いだし、意欲ある方々への取組を後押しし、関係機関、団体との連携を図ることで問題を解決し、ジビエの振興に取り組んでいかれるとのことでした。 すばらしい質問と御答弁に、私が考えておりました有害鳥獣に対してのヒントを発見することができました。それは、山口県という自然豊かな田舎だからこそできる、全国で見直され始めている、さらなる有害鳥獣の活用方法です。 動物園で飼育されているライオンやハイエナにイノシシを餌として与える屠体給餌、皆様も御存じのことと思います。千葉市動物公園は、飼育する動物の福祉と健康を向上させて、動物の望ましい行動を引き出す環境エンリッチメントの取組を進められています。肉食動物では、皮を剥いで骨をかみ砕くことで、動物本来の採食への心理的欲求を満たす効果が期待されるとして、屠体給餌への導入を検討してきたそうです。同園では、クラウドファンディングで募金を募って、一定額を確保できれば、今秋にも屠体給餌に乗り出すとのことです。 国内での本格実施は二○一七年頃から、現在、茨城県の日立市かみね動物園、東京都の羽村市動物公園、福岡県の大牟田市動物園など全国十数か所で行っている屠体給餌。 愛知県の豊橋総合動植物公園では、ライオンに屠体給餌を試験実施。ふだんは数分で餌を平らげるが、数十分かけて食事を楽しんでいるようだったそうです。ふだんは見せない、興味を示し喜んでいるような、喉を鳴らして肉をなめ回す行動も見られたそうです。 しかし、捕獲されたイノシシを屠体肉にするためには、通常のジビエよりも手間がかかります。まず内蔵や頭を除去する。そして、六十三度で三十分以上の湯煎か蒸気で低温殺菌をします。鮮度を保つため、氷水で急速冷却をする。これは野生のイノシシが保有する寄生虫やウイルス、大腸菌から飼育されている動物を守るために行われる作業です。 私は既に屠体給餌を行っている茨城県の日立市かみね動物園に連絡を取り、詳しい話を聞かせていただきました。獣医さんの話によりますと、通常はライオン一頭に対し、毎日五キロから七キロの生肉を与えているとのことです。牛肉、牛レバー、鶏の頭である鶏頭、鶏の胴体部分の丸どり。価格は、全てキログラム当たりで、牛肉が二百九十円、牛レバーが百六十円、鶏頭が百二十円、丸どりが二百八十円。そして、イベントとして肉の日に与えるイノシシの屠体肉は、キログラム当たり千七百五十円とのことです。これに送料が冷凍便でプラスされるとのことでした。 イノシシの屠体肉を餌にすることで餌代という経費がかさみますが、同様の取組をしている動物園等が全国には存在し、動物の福祉と健康を向上させて、動物の望ましい行動を引き出す環境エンリッチメントの取組がさらに大きくなる可能性もきっとあると思います。また、全国には九十を超える動物園が存在し、環境エンリッチメントの取組も増えるかもしれません。 また、山口県では捕獲した九割以上が埋設されているとのことですが、害獣とはいい、尊い命があります。屠体肉としてではありますが、生き物を有効的に使うことも、命に対しての礼節ではないかと思います。 ところで、野生動物のイノシシや鹿を介して、マダニによって引き起こされるSFTS、重症熱性血小板減少症候群という感染症があります。日本国内での初めての症例は二○一二年秋、山口県内で確認されました。ちなみに、昨年までの発症数の累計は五十五件で、宮崎県に次いで山口県が全国第二位となっております。 一部ではありますが、不法投棄されてしまったイノシシや鹿の死骸からのウイルス感染等の危険も含まれています。これらは野生のイノシシや鹿を介して、何らかの形で人間に被害を与えてしまいますが、今年に入り宇部健康福祉センター管轄地域内でSFTSに感染した猫にかまれた人が死亡する事例も発生している次第です。野生動物が人里に近づいているという理由もありますが、さらなる有害鳥獣の捕獲は、山口県に暮らす県民にとっても有益なことだと思います。 そこでお尋ねをいたします。県の取組として、有害鳥獣として捕獲されているイノシシや鹿を屠体肉として活用することができれば、また、より多くの鳥獣捕獲につなげることができれば、駆除活動をされている方々への捕獲へのモチベーションや捕獲した鳥獣の廃棄を防ぐことができ、農作物の被害も軽減できる可能性が秘められています。屠体肉への取組が鳥獣被害対策の山口モデルとして全国に発信できる取組にすることもできます。そのような取組への県の御所見をお聞かせください。 次に、信号機のない横断歩道についてです。 山口県警察が令和二年中に行っていただいた横断歩行者妨害違反取締りの検挙数は、前年比約四・七倍という比べものにならない数に及んだことは、山口県警の皆様の任務にかける情熱と県民を危険から守ろうとされる強い意志のたまものであると感謝申し上げる次第です。 しかし、令和二年中、県内において信号機のない横断歩道での人身事故は五十九件発生し、三名の方がお亡くなりになりました。歩行者優先という交通ルールの上で一番大切なルールは、免許証を持っている全てのドライバーにとって必ず守らなければいけないルールです。 また、県警察では横断歩道の安全対策を重点対策の一つに掲げられていらっしゃることは承知のとおりです。登下校で横断歩道を使う子供たち、日常から横断歩道を渡ることが多い県民誰もが心強く感じる取組だと思います。 摩耗した横断歩道標示の補修を最優先課題として取り組んでいただき、高輝度の標識や照明を備えた大型標識についても設置がされてまいりました。しかしながら、それはドライバーが確実に横断歩道を認識できるものであり、横断歩道を使用したい歩行者をはっきり認識でき、交通事故をゼロにできるものではないと思います。要は、横断歩道を渡ろうとしている人を、天候はもちろん、昼夜問わず確実に発見することができれば、歩行者もドライバーも安心して通行が可能になると思います。 押しボタン式の信号機の設置も、信号機の増設につながり困難だと伺っております。もっと別な方法で、全ての県民を交通事故から守る手段はないものかと考えてみました。 例えば、高さ二メーターくらいのポールの上に回転灯がつき、横断歩道を渡りたい歩行者がボタンを押せば、光りながら回転灯が反応する。日中でもドライバーからその回転灯が発見でき、特に暗がりに設置されているような、しかも、木々が覆い茂るなど見通しの悪い横断歩道の近くに設置することができれば、信号機よりもずっと安価に、登下校中の子供たちをはじめ、全ての県民の皆様の安全を守ることが可能ではないでしょうか。県の御所見をお聞かせください。 また、横断歩道、信号機、追越し禁止のセンターラインの管理は、公安委員会の管轄であると認識しておりますが、横断歩道の線が引かれていない部分は、車道、歩道とも、一般の道路になるはずです。 市の管理、県の管理、国の管理、様々な道路がありますが、県が管理する道路は、県が定める条例や規則に沿っているのではと考えに至りました。 道路の構造の技術的基準を定める規則の第三十二条に、交通安全施設というものが存在しています。第三十二条、交通事故の防止を図るため必要がある場合においては、横断歩道橋等、柵、照明施設、視線誘導標、緊急連絡施設、駒止め、緊急連絡施設を除く道路情報管理施設又は他の車両もしくは歩行者を認識するための鏡を設けるものとするとあります。 警察行政と土木建築が連携を図ることで、先ほど提案した回転灯のようなものを、全国に先駆け設置することが、山口発の取組として、横断歩道における歩行者の安全確保とドライバーのルール遵守のための取組につながります。 そこでお尋ねいたします。信号機のない横断歩道を老若男女全ての歩行者の方がより安全に、ドライバーにとって横断待ちの歩行者をスムーズに発見でき、交通ルールを守りやすくする取組について、道路管理者としての県の御所見をお聞かせください。 補足になりますが、先ほど提案させていただいた回転灯のついたポールですが、本体回転灯による交通安全の確保はもちろん、先端に防犯カメラ等をつけるなどで、県民の安心・安全な生活につながる取組として、全国に発信できる山口県の取組につながるのではないかと私は思っております。 次に、県内経済の下支えについてです。 このたびの補正予算におきまして、二月議会で訴えさせていただきましたことがしっかり盛り込まれており、中小企業事業継続支援事業といたしまして二十六億五千万円の枠を取っていただきましたことに、まず感謝申し上げる次第です。 さきの二月議会におきまして、県内中小企業及び個人事業主救済について訴えさせていただき、国に対して必要な要望を行いつつ、他県と比較しても遜色ない支援制度を事業者に確実に届けることにより、県内経済の下支えに努めてまいりますと御答弁頂きました。早急にお手元に届きますようお願い申し上げる次第でございます。 さて、その二月議会の一般質問から約四か月の期間が経過いたしましたが、その間、四月二十五日から三回目の緊急事態宣言が発出され、去る六月二十日解除という、約二か月間という長い期間の宣言が続きました。 山口県におきましても、四月中旬から五月中旬にかけて感染拡大の波が押し寄せ、五月十一日には入院患者は二百七十二人、病床使用率五二・三%、ステージⅣ相当の逼迫した状況に置かれました。五月十九日には病床使用率も七五%を超え、六月二日まで五○%を超える状況が続きました。ステージⅣ相当の状況が約三週間続いたことになります。 繰り返しになりますが、私は二月議会で県内飲食業並びに県内飲食業関連事業者の救済についても訴えさせていただきましたが、その時点で限界に近かった飲食業者の方も多く、廃業に追い込まれた事業者も何軒もいらっしゃいます。たらればの話になり誠に恐縮ですが、山口県内での感染拡大がステージⅢを超えたあたりから、山口県として緊急事態宣言の要請を行い、時短営業や休業の要請の協力金が出ていれば廃業を回避できたのかもしれません。 たしか、資金繰り支援については、県制度融資において、実質無利子の新型コロナウイルス感染症対応資金を創設し、経営安定資金と合わせて、五千二百億円の融資枠を確保し、資金繰りの円滑を図っていますとお答えを頂きました。 しかし、飲食業の方々からのお声は、借金してまで続けるという賭けには出ることができないといった声でした。 そこでお尋ねいたします。県が御用意された資金繰り支援の県制度融資の利用状況と、その中でも飲食業関連の方の利用割合をお聞かせください。 次に、このたびの補正予算で組まれていらっしゃる、頑張る事業者リスタート支援事業についてです。 令和三年度山口県中小企業制度融資の中に、創業応援資金の名目で、再チャレンジ枠がございます。資金繰りに困られていらっしゃった方々からの、借金してまでという思いに沿うことは、残念ながらできません。 先ほども申しました、意欲はあるが、廃業に追い込まれてしまった飲食業者、飲食業関連事業者の皆様に対して、頑張る事業者リスタート支援事業の枠を広げ、再チャレンジできる仕組みをつくることはできないでしょうか。山口県で事業をされていて、コロナ禍の影響を受けてしまった事業主の方に限定としての枠としてです。 固定客を持たれつつ、スキルも、そして意欲もある方がコロナ禍から立ち上がれる。今の若い方の言葉で表すならば、ワンチャン再出発できるチャンスが山口県にはある。そんなすてきな山口県であってほしいという期待と、他の都道府県から一目置かれる山口県であってほしいという願いです。 そこでお尋ねをいたします。リスタートには、再開させることという意味のほか、再出発することという意味があります。再出発と再チャレンジ。これから詳細を決定されるであろう頑張る事業者リスタート支援事業について、県の御所見をお伺いいたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)松浦議員の御質問のうち、私からは、新型コロナウイルス感染症に関するワクチン接種の円滑な協力体制についてのお尋ねにお答えします。 私は、ワクチン接種を円滑に進めるためには、市町や関係機関との連携体制の構築が重要であると考えており、本年一月に市長会や県医師会等で構成するワクチン接種対策会議を設置するとともに、十九市町長と直接、協議をする場を設け、緊密な連携の下、万全の準備を進めてきたところです。 こうした中、現在、市町において、地域の状況に応じ、必要な接種体制が確保され、高齢者向け接種が順調に推移しているところですが、今後、一般接種の本格化に向け、市町の接種体制の充実を図ることが重要であると考えています。 このため、まず、医療従事者の確保については、県において関係機関と連携し、医師に加え、歯科医師、潜在看護師、薬剤師の方がそれぞれの専門性に応じて、接種を支援する体制を構築したところです。 現在、打ち手となる歯科医師については二百五十六人、潜在看護師については九十六人の方に登録していただいており、今後は、関係機関の協力を得ながら、市町が設置する接種会場等に、必要に応じ、接種の担い手として派遣することにより、接種体制の拡充に向けた支援を行ってまいります。 次に、接種会場については、各市町においてその実情に応じ、住民の方が身近な場所で接種できるよう、現在、県内七百四十か所の医療機関に加え、地域の公民館など百十か所の集団接種会場が設置されています。 また、県では、こうした市町における接種体制を補完するため、先週二十六日から広域的集団接種会場を県内三か所に開設したところです。 こうした取組により、一般接種の本格化に向けた体制整備は順調に進んでいると考えており、今後、接種のさらなる加速化を図ることで、十月末の接種完了を目指してまいります。 私は、今後とも、市町や関係機関一丸となって、希望する県民の皆様が一日も早く接種できるよう、円滑なワクチン接種の推進に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型コロナウイルス感染症についてのお尋ねのうち、クラスター対策についてお答えします。 現在、本県の感染状況は落ち着きつつありますが、今後、強い感染力を持つ新たな変異株による感染拡大も懸念されることから、引き続き、緊張感を持って、クラスターの未然防止に努めることが重要であると考えています。 本県において、これまで発生した四十五件のクラスターのうち、約六割を占める二十七件が、四月以降にいわゆる第四波において発生しており、ゴールデンウイークでの県内外での活発な人の動きや変異株の影響が大きな要因と考えています。 このため、県では、県外との往来の自粛や外出機会の半減など、感染拡大防止の集中対策を実施したところであり、引き続き、県外との往来に当たっては、移動先の地域の感染拡大の状況などに留意し、慎重に判断していただくよう、お願いをしているところです。 また、感染力の強い変異株の影響により、職場や学校など、日常生活のあらゆる場面で感染リスクが高まっていることから、三密を避け、マスクの着用、手洗いなど、これまで以上に、基本的な感染予防策の徹底を図ってまいります。 さらに、医療機関や入所系の高齢者施設においては、外部からの感染の持込みをいち早く察知するため、四月から六月まで実施してきた従事者の検査について、七月以降も、継続して実施することとしています。 こうした取組に加え、これらの施設でクラスターが発生した場合には、医師や認定看護師からなる専門性の高いクラスター対策チームを派遣し、的確な初動対応と封じ込めを実施してまいります。 県としましては、今後とも、関係機関と連携をし、新型コロナウイルス感染防止対策に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)有害鳥獣の活用についてのお尋ねにお答えします。 捕獲した有害鳥獣を屠体肉として活用するためには、寄生虫やウイルス等の衛生管理対策上、現在ある県内処理施設において、低温殺菌や急速冷却処理等に係る新たな施設整備が必要となります。 また、屠体肉は、既存の餌と比べ、ウイルス等の対策に係るコストがかさみ、相当割高となるため、給餌する動物園等の恒常的な需要は見込めない状況にあります。 さらに、猟師など供給する側にとっても、ジビエ料理等の食材用の肉と比べて単価が低いことから、コストに見合った収益が見込めないところです。 このように、本県における屠体肉としての活用については課題も多く、現時点で取り組むことは難しいと考えています。 県としては、引き続き、市町等と連携し、ジビエ料理の試食会の開催や道の駅を中心とした販売店舗の拡充を進めるなど、食材としてのジビエの普及啓発や利用拡大に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)信号機のない横断歩道についてのお尋ねのうち、道路管理者としての安全確保についてお答えします。 県では、誰もが安全で安心して暮らせることができる社会の実現を図るため、自動車と比較して弱い立場にある歩行者、とりわけ児童や高齢者等の安全を一層確保することを念頭に、警察等の関係機関と連携しながら、道路の交通安全対策を進めているところです。 このうち、信号機の有無にかかわらず、横断歩道付近については、必要に応じて、道路照明や歩車道境界ブロックの設置、横断歩道を強調するためのカラー舗装などの対策を講じているところです。 一方、回転灯のような機器については、道路の構造の技術的基準を定める規則に列挙する交通安全施設に該当しないことから、道路管理者では設置できません。 県としては、人優先の考えの下、引き続き、関係機関と連携しながら、県民の安心・安全の確保のため、道路管理者として、必要な交通安全施設の整備に取り組むなど、道路の交通安全対策を推進してまいります。 議長(柳居俊学君)小関商工労働部長。 〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 商工労働部長(小関浩幸君)県内経済の下支えに関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、県制度融資についてです。 県では、昨年度、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う、中小企業における資金繰りの円滑化を図るため、新型コロナウイルス感染症対応資金と経営安定資金の二資金で五千二百億円の融資枠を確保し、二千六百五十六億円の利用があったところです。 また、このうち、飲食業関連事業者への融資額は四百八十億円で、利用額全体の一八%でした。 次に、頑張る事業者リスタート支援事業についてです。 この事業は、コロナにより売上げが減少した県内事業者が、CO2センサーやテークアウトの導入など、感染防止対策やコロナに対応した事業展開を図るための取組を支援するものであり、補助率四分の三、補助上限額五十万円の補助制度により進めていくこととしています。 したがって、廃業された方の再チャレンジや、新たに創業される際の支援を想定したものではなく、この事業の枠を広げることは考えていません。 なお、再チャレンジをする事業者に対しては、県制度融資による支援のほか、創業に関する補助制度を活用することなどにより、支援することとしています。 議長(柳居俊学君)谷警察本部長。 〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 警察本部長(谷滋行君)信号機のない横断歩道についてのお尋ねにお答えします。 信号機のない横断歩道につきましては、本年五月末現在、五千四百九十二か所あり、議員お示しのとおり、こうした横断歩道における人身交通事故は、令和二年中、五十九件発生しており、三名の方がお亡くなりになるなど、残念ながら歩行者優先のルールが必ずしもドライバーに徹底されていないものと認識しております。 このため、本年は、新たに横断歩道の安全対策を県警察における重点対策の一つとして掲げ、信号機のない横断歩道において、県下一斉に広報啓発や指導取締りを行う横断歩道まもロード作戦に取り組むとともに、交通安全施設の整備・更新にも努めているところです。 このうち、交通安全施設の整備・更新につきましては、摩耗し、視認性が低下した横断歩道が多く確認されているところであり、こうした横断歩道の視認性を高める対策が喫緊の課題となっています。 具体的には、摩耗した横断歩道の補修や高輝度化を最優先に取り組んでいるところですが、これに併せて高輝度の標識や照明を備えた大型標識についても、必要に応じて整備に努めているところであります。 交通安全のため、議員から新しい施設の整備について御提案を頂いたことは、大変ありがたいことではございますけれども、御提案の施設は法令で規定される交通安全施設に含まれるものではなく、また、ただいま御答弁いたしましたとおり、補修等が必要な横断歩道も数多くある中、現時点、御提案のような新たな施設の整備を検討対象とすることは難しいと考えており、御理解をいただければと思います。 県警察では引き続き、横断歩道における歩行者優先ルールの広報啓発や指導取締りを徹底するほか、道路管理者など関係機関・団体と連携して、横断歩道における交通安全施設の適切な整備と維持管理に努めてまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時四十一分休憩