1 スポーツツーリズムの推進について 2 下関北九州道路について 3 橋梁の老朽化対策と情報発信について 4 結婚と妊娠への支援について 5 萩医療圏における萩市の動きと県の認識について 6 商工会議所役員の個人の資格による政治活動について 7 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第二十二号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十二号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 西本健治郎君。 〔西本健治郎君登壇〕(拍手) 西本健治郎君 皆さん、おはようございます。自由民主党、西本健治郎です。令和三年度六月議会におきまして一般質問の場を与えていただきました。厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。 それでは、通告に従い、順次質問をいたします。 まず初めに、スポーツツーリズムの推進についてお尋ねいたします。 私自身、幼少期よりスポーツに育てていただき、その魅力や効果を自身の経験をもって知り得る立場から、これまで本議場においてスポーツを通じた本県活性化を目指し、大規模大会の誘致による地域振興や部活動の推進を通じた人材育成など、まちづくり・人づくりという視点から様々な質問を行ってまいりました。 そして現在、新たなスポーツ振興策として、既存スポーツと地方が有する自然や食など地域資源を融合させたスポーツツーリズムの推進が注目されています。 中でも、アウトドアに象徴されるマリンスポーツや登山、サイクリング、キャンプ等、コロナ禍以前より愛好家も多く、自然に親しむことを目的としたスポーツと、地域特性を融合させながら成長産業へとつなげていこうとする動きが、本県はもとより全国各地で広がっていることは、皆様も御承知のとおりです。 そうした中、村岡知事におきましては、就任当初より次代の流行をいち早くつかみ取られ、本県の新たな活性化策として、地域特性を生かしたサイクル県やまぐちの推進など、各地域が持つ魅力の再発見と磨き上げに取り組み、着実な成果を上げてこられました。 また、県内の市町に目を向けてみますと、下関、美祢、長門の三市では、それぞれの市が有する自然をはじめとした多くの観光資源を生かし、県北西部へ人を呼び込むコンテンツの構築に向けて、アウトドアツーリズム協議会を今年度中に立ち上げ、コロナ禍の影響を踏まえた新たな観光振興策を打ち出そうとしています。 まさに、アウトドアスポーツ愛好家にとって、絶好の環境は地方にあり、事業のさらなる推進は地方への交流人口拡大を創出いたします。そして、地方を訪れた人々が、スポーツをしながらその地域の食や観光を楽しむことが地域活性化につながっていくように、今こそ、コロナ禍を契機にスポーツと観光を掛け合わせた、本県ならではの新たなスポーツツーリズムを確立するときではないでしょうか。 さらには、今後、アウトドアと親和性の高い体験型コンテンツも組み合わせ、高い消費単価を実現し、地域における観光の稼ぐ力を高めていくことも重要であり、こうしたコンテンツ開発への積極的な支援も必要であると考えています。 村岡知事には、引き続き、県内スポーツの振興と地域の魅力を存分に生かした活性化に向け、取組をさらに促進していただきたいと願っています。 そこでお伺いいたします。アウトドアを活用したスポーツツーリズムの推進について、今後どのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 次に、下関北九州道路についてお尋ねいたします。 関門地域に対座する下関市と北九州市は、毎日一万人の住民が往来するなど、海峡を越えて一体の生活圏を形成していますが、一方で、両市を結ぶ関門橋と関門トンネルは、老朽化の進行等によって通行止めが頻発しており、これまでも市内の主要幹線道路では、通行止めに伴い長時間にわたる大渋滞を招き、社会経済の機能麻痺に陥るなど、深刻な事態が生じています。 我が国の物流を支える大動脈のこうした課題を解消し、関門地域のさらなる産業振興や交流促進、住民生活の安定を図るためには、現道の代替性を有する下関北九州道路の早期整備が不可欠であることは、論をまちません。 そのため、これまで地元二県二市をはじめ、議会や経済界などが連携を密にし、まさに地域が一丸となって、コロナ禍の中にあっても、ウェブ要望など様々な手段を通じ、当該道路の早期実現に粘り強く要望してこられました。 こうした地域の熱意や地道な調査の積み重ねが実を結び、昨年度は計画段階評価が終了し、いよいよ本年度から都市計画や環境アセスメントを進めるための調査という新たなステージへ移行します。下関北九州道路の事業化に向けた、このたびの大きな前進に対しまして、関係の皆様の御努力に敬意を表する次第です。 今後も、国や県におきましては、当該道路の早期事業化に向け、引き続き、勢いを落とすことなく、本年度からの調査を迅速かつ着実に実施していただきたいと思っています。また、その際には、下関北九州道路が、関門地域を通過するだけの道路になるのではなく、下関市の活性化や関門地域のさらなる発展にしっかりとつながるものとなるよう検討を進めていただきたいと、地元議員の一人として強く願っています。 昨年九月の質問でも申し上げましたが、下関青年会議所の企画により、市内の小中学生を対象とした下関北九州道路に対する絵画作品が募集され、総勢二百四十二名から夢やアイデアが詰まった作品が寄せられました。 私の母校、吉見中学校でも多くの生徒が応募し、そのうち一作品が最優秀賞の栄に浴したところです。全校集会の場で表彰式も実施していただくなど、子供たちの夢へのかけ橋への期待は大いに高まり、その早期実現を待ち望んでいます。 また、昨年、地域住民を対象に実施した下関北九州道路に関するアンケート調査においても、当該道路について多くの意見があったと伺っておりますが、絵画作品やアンケートを通じて寄せられた、地域の声やアイデアを反映した魅力あふれる橋になってほしいと願うのは、私だけではないはずです。 そこでお尋ねいたします。本年度から都市計画や環境アセスメントを進めるための調査へと移行した下関北九州道路について、地域の意向を踏まえながら、県として今後どのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 次に、橋梁の老朽化対策と情報発信についてお尋ねいたします。 橋梁は、私たちの日常生活や経済活動を支えると同時に、今では本県を代表する観光スポットとなった角島大橋のように、地域に良好な景観や活気を生み出す身近で重要な社会基盤です。 一方、現在、県が管理する四千を超える橋梁は、その大半が高度経済成長期に整備され、今後一段と老朽化の進展が見込まれており、適切な維持管理や計画的な補修・補強等が求められています。 このため県では、平成二十七年度に山口県土木建築部インフラマネジメント計画を、また、平成三十年度には山口県橋梁長寿命化計画を策定し、効率的な維持管理に努めてこられました。 こうした中、発生した昨年十一月の上関大橋損傷事故は、公共インフラの老朽化が進展している実態と、予防保全の重要性を改めて示すこととなりました。事故発生後、私も我が会派の議員とともに現地視察を行いましたが、橋梁の機能不全が社会経済活動に与える影響の大きさ、また、生活に不可欠な橋の情報を住民に対して丁寧に情報提供をすることの大切を痛感したところです。 その後も本年に入り、四月には県道防府停車場線新橋下り線でボルトの抜けが確認され、また、五月には青海大橋で鉛直PC鋼棒二本の破断が確認されました。県はその都度、緊急点検や補修など必要な対応を迅速に行ってこられましたが、こうした一連の事態を受け、橋梁の安全性の確保に対する県民の意識は、ますます高まってきていることがうかがえます。 今後は、老朽化が進む橋梁の安全な通行を確保していくためにも、予防保全型の維持管理への転換をより一層進めていく必要があり、あわせて、本年五月、県管理の橋梁における点検結果をまとめた橋梁管理一覧表や橋梁管理カルテが公表されたところですが、安心・安全な暮らしに対する県民の思いに応えるためにも、橋梁に関する情報発信のさらなる充実が求められています。 そこでお尋ねいたします。県は、橋梁の老朽化対策、そして情報発信の充実強化に、今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、結婚と妊娠への支援についてお尋ねいたします。 今月十八日、閣議決定された国の骨太の方針において、次なる時代をリードする新たな成長の源泉、四つの原動力と基盤づくりの一つとして、少子化の克服、子供を産み育てやすい社会の実現が示されました。 本県においても、これまで結婚から子育てに至るまで、切れ目のない積極的な支援に取り組んでいるところですが、そのうち、ここでは結婚や妊娠を希望しつつも、望みをかなえることができない男女や夫婦について質問をしていきたいと思います。 まず、結婚についてですが、現在、県では平成二十七年にスタートした、やまぐち結婚応縁センターを中心に、村岡知事の強力なリーダーシップの下、出会いから成婚までをきめ細かくバックアップされ、これまで百四十組を超える成婚に結びつけるなど、着実な成果を上げてこられました。 しかし一方で、私の身近な仲間にも、そうした願望を抱きながら、様々な要因により出会いに恵まれない多くの男女がいるのが現状です。 また、それに追い打ちをかけるように、昨今のコロナ禍は、外出自粛やイベントの中止などを余儀なくされ、その結果、ますます出会いの機会を減少させていることが推察されます。 今後、ワクチン接種が進むことで、活発な社会経済活動が一日も早く再開されることを期待していますが、一方で、出会いはタイミングが命とも言われます。コロナ禍においても、その瞬間を逃すことのないよう、今こそ、新しい生活様式にも配慮した相談から成婚へ至る時代に即したスキームの拡充など、男女の一歩を強力に後押しする、寄り添う支援が求められているのではないでしょうか。 次に、妊娠についてですが、ここでは、私自身、六年前の初登壇の際に質問いたしました不妊治療の実態についてお尋ねをいたします。 子供を授かりたいと願う夫婦にとって、不妊治療は長期間にわたることが多く、費用面、中でも精神面における負担が大きいと言われています。 そこで、現状を見てみますと、まず、費用面については、現在、国において令和四年度からの不妊治療の保険適用が検討されており、大きな前進が図られようとしています。また、保険適用までの間、現行の特定不妊治療の補助についても、二回目以降の助成限度額が引き上げられるなど、一歩ずつ制度拡充がなされているのがうかがえます。 私は決して費用支援のみが不妊に悩む夫婦の手助けになるとは考えていませんが、一方で、長きにわたる経済的な負担が、もしかしたら幸せが訪れるかもしれない治療を目の前にし、その一歩を踏み出せない要因となっているかもしれません。 県におかれましては、引き続き、夫婦が安心して治療を受けることができるよう、国とも連携され、支援の充実を図っていただきたいと願っております。 次に、精神面でのサポートについてです。今この瞬間も、希望を持って不妊治療に向き合う夫婦は、心理的な焦り、精神的な苦痛、仕事や生活との両立、また妊娠に至らなかった場合の治療継続の選択など、様々な痛みや苦しみを抱えていることと存じます。加えて、現在ではコロナ感染症への不安も計り知れないものがあるでしょう。 私自身、社会に必要な制度をつくる責任を背負う政治家として、また三児の子を授かり、現在も育児に喜びと幸せを感じている一人の父親として、そうした夫婦が希望を持って治療に向き合えるよう、精神的負担を少しでも和らげ、きめ細かなで寄り添った相談体制の充実に、さらに力を注いでいただきたいと願っています。 そこでお尋ねいたします。結婚、妊娠を希望する全ての人がその望みをかなえることができるよう、県は今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、萩医療圏における萩市の動きと県の認識についてお尋ねいたします。 県では、八つの医療圏ごとに地域住民や医療従事者等が参画する地域医療構想調整会議を開催し、地元の合意形成を前提とする地域医療構想の実現に向けて取り組んでおられます。 昨年一月には、病院の再編統合を国が支援する重点支援区域に、全国で初めて柳井と萩市の二つの医療圏が選定され、今後、両地域での取組成果が、県内全ての医療圏における取組の促進につながっていくものと期待されているところです。 このうち、柳井医療圏においては、地域医療構想の取組が順調に進んでいるとお聞きしており、県内の先進事例としての役割を十分に果たしていると思われますが、一方の萩医療圏では、三月の市長選以降、萩市民病院と医療法人医誠会都志見病院との統合に関する取組がストップするという、大変憂慮すべき事態に陥っています。 萩市においては、地域医療構想に基づき、萩医療圏における地域医療構想調整会議の合意を得た上で、萩市民病院と都志見病院の統合による中核病院形成を目指して、中核病院形成検討委員会が設置されたと承知しています。 その中では、急性期・周産期医療や二次救急医療等が圏域内で完結できる医療機能の構築や、大学等と連携して専門医派遣制度を堅持しつつ医師の増員を目指すといった、中核病院の基本的な方向性の決定をはじめ、具体的な経営形態・診療科目・病床規模などの検討、救急、周産期、がんなど個別のワーキンググループでの掘り下げた協議の実施など、中身の濃い議論が、藤道前市長の下で一年以上にわたり鋭意進めてこられました。 しかしながら、田中新市長は、これまで関係者によって積み上げられてきた取組を一方的にほごするかのごとく、県に協議することもなく、両病院の統合による中核病院形成についてゼロベースで見直すとされています。 一部報道によりますと、将来的には萩市の人口が二万人台になるかもしれないこと、また、須佐・田万川地域の住民は益田市、旭地域の住民は山口市の病院に行く傾向があり、萩医療圏は非常に狭くなる状況にあることから、中核病院の形成を取りやめることも視野に入れているとの見解も示されています。 公約に掲げたから、市長が委員長を務める委員会はおかしいからといった一連の市長の言動を見ますと、果たして、地域医療構想の枠組みを十分に承知した上でのものなのかとも思いますし、何より、萩医療圏における将来の医療の在り方が極めて不透明な状況になっていることに、大きな危機感を覚えるものです。 たとえそれが公約であったとしても、守らなければならない制度上のルールはあると思います。 そこでお尋ねいたします。現在、萩市では市長が中核病院形成についてゼロベースで見直すという、国、県、市、地域におけるこれまでの取組を無視するかのような発言をされていますが、萩医療圏における中核病院の必要性について、県はどのように認識しているのか、まずもってお伺いいたします。 また、地域医療構想を着実に推進するためには、国、県と中核病院形成に中心となって取り組むべき市との緊密な連携が非常に重要と考えます。 しかしながら、市のこのような一方的なやり方は、地域が一体となってこれまで築き上げてきた信頼関係を損ない、連携を困難にするものと思われますが、県は、こうした事態をどのように認識し、今後どのように対応しようと考えているのか、併せてお伺いをいたします。 次に、これも萩市における最近の動きに関わる問題として、商工会議所役員の個人の資格による政治活動についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大により様々な経済活動が制限される中、商工会・商工会議所は、地域の雇用の受皿であり、地域経済の活動の中核としての役割を担っている中小企業・小規模事業者等に対し、国、県とも連携しながら様々な支援策を実施ており、今後の支援にも期待するとの声を多く聞いています。 こうした中、本年四月に行われた萩市の市長記者会見で、今後の商工会・商工会議所の運営にも大きな影響を与えかねない質疑応答が行われました。 新聞報道等によりますと、田中萩市長は、萩商工会議所会頭と面談し、国会議員の後援会長を辞めるか、あるいは会頭を辞めるか整理してほしい旨の要請をされたとのことです。また、商工会議所として、商工会議所法に基づき、政治的に中立な立場を取るように求めるとともに、萩市が商工会議所に支出している補助金について、現状のままでは来年度以降継続するのは困難になる旨の発言もされたとのことです。 私自身、様々な方の支援を受け政治活動を行っております。しかしながら、選挙の際、商工会・商工会議所役員の方々が役員であることを利用して応援をされた事実はありませんし、支援者自身もそうした役職をもって応援することはできないと理解されています。 一方で、商工会議所は、自らの目的達成のために議員等への要望・陳情等の活動を禁止されてはいないと理解されています。 萩市長の要求に対し、商工会議所の会頭は、個人の政治活動は制約されない。市長の要請はお門違いと答えられたとのことですが、法的に何ら問題がないのであれば、首長として補助金支援の中止までちらつかせながら、個人の自由な政治活動に圧力をかけるようなやり方は、あってはならないことだと思います。 今回の萩市での出来事、萩市長の商工会議所会頭に対する発言が、萩市はもとより、県下における今後の商工会・商工会議所の運営に支障を来すことはないのか、さらには個人の政治活動などにも影響を及ぼすのではないかと大変懸念をしております。 そこでお尋ねいたします。萩市長は、商工会議所会頭が国会議員の後援会長を務めることについて、政治的中立を旨とする商工会議所法に抵触するかのように発言していますが、法的にどうなのか、県の明確な御見解をお伺いいたします。 また、商工会議所会頭または国会議員後援会長の辞任と商工会議所への補助金の支出を関連させることは、公共的団体等の指揮監督権の逸脱や個人の政治活動の自由を侵害するおそれもあり、地方自治法等に照らして問題があるのではないかと考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 以上で質問は終わりますが、最後に要望をいたします。 ICT教育の推進における先生方への支援についてです。 新型コロナウイルス感染症の拡大を背景とした国のGIGAスクール構想の前倒しにより、小中学校での一人一台端末の導入が全国的に進められ、本県においても、昨年度、小中学校のみならず高校を含めた全ての公立学校において、一人一台端末が整備されました。 そして今年度から、いよいよ全県的にICT機器を活用した授業がスタートいたします。今後は全ての教育現場において、ICTを効果的に活用し、児童生徒に分かりやすく、魅力的な授業となることを期待するとともに、何より本県の未来を担う子供たちが、授業を通じて様々な技能を習得され、将来、社会に求められる人材へと成長されることを願ってやみません。 そのためにも、先生方のICTを活用した指導力が重要となってきます。しかしながら、私ごとで僣越ですが、アナログ世代の私は、いまだスマートフォンの扱いさえ悪戦苦闘している現状にあって、もしかしたら、教職員の中にはICT機器に対する苦手意識や、これから本格的に始まる授業に対し、不安を抱いている先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。 私もこれまで、母校の授業見学等を通じ、既にICTを積極的に活用され、従来の文字情報中心の授業から、画像や動画等を使い視覚や聴覚に訴えかける新たな授業手法を拝見しながら、児童生徒の学習意欲にも好影響を与えていることを実感いたしましたが、こうした効果は児童生徒のみでなく、きっと先生の側にも授業内容の幅を広げ、また、現在、議論されている働き方改革における業務負担の軽減にも役立つなど、多くのメリットがあるはずです。 折しも先日、村岡知事とマイクロソフト米国本社副社長とのオンライン対談が行われ、そこで同社副社長は、ICTを活用した教育の質を高めるには、いかに先生方を支援して能力を引き出していくことが大切であるか。また、失敗から学ぶことを恐れず、わくわく感をつくることが重要であるとお話しされていました。 今後、本格的に授業がスタートしていく中で、全国に先駆けICT機器等の整備を進めた本県においても、児童生徒はもとより、全ての先生方がわくわく感を持って授業に向き合えるよう切に願っております。 そのためにも、ICT教育の推進に当たりましては、先生方の不安解消や意欲増進に向けた支援の充実に、より一層力を注いでいただきますよう要望いたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)西本議員の御質問にお答えします。まず、下関北九州道路についてです。 本州と九州の結節点である下関市と北九州市は、人や物が行き交う要衝として、また、大陸との玄関口として一体的に発展してきました。 私は、こうした関門地域が持つ強みや潜在力を最大限発揮、飛躍させ、本県経済にも広く好循環をもたらすことにより、本県の地方創生を推進し、「活力みなぎる山口県」を実現させることができるものと確信しています。 しかしながら、両市を結ぶ道路は、老朽化が進む関門トンネルと関門橋のみであり、補修工事や事故等により頻繁に通行規制が行われ、周辺道路では慢性的な渋滞が発生しているなどの課題があります。 これらの課題を解消し、迅速かつ円滑な物流や交流人口の拡大を実現するためには、お示しのとおり、現道の代替性を確保し、循環型ネットワークを形成する下関北九州道路の整備が必要不可欠です。 また、近年、頻発する大規模災害時にも機能する信頼性の高い道路網を構築する観点からも、その早期整備が極めて重要と考えています。 このため、これまで、関係県市や経済団体が一体となった期成同盟会が中心となり、議会の皆様と連携しながら、整備促進大会や中央要望を実施するなど、当該道路の必要性を訴えてきました。 こうした取組が奏功し、今年三月に橋梁形式による地域が望む両市を最短で結ぶルート帯が、国の計画段階評価において方針決定され、四月に事業化に向けた次の段階である、都市計画や環境アセスメントを進めるための調査に移行されるなど、着実に前進しているものと受け止めています。 また、昨年度の下関青年会議所による絵画募集や地域へのアンケート調査に続き、今年度は、中国と九州の経済連合会が連携して、当該道路の整備を見据えた関門地域の活性化に関する調査を行っているところであり、地域の機運も一層の高まりを見せています。 こうした地域の取組も踏まえ、先日の政府要望では、早期実現を国に強く訴える中で、橋自体が観光資源として地域の活性化につながるよう、検討を要望したところです。 今後は、早期事業化に向け、国や関係県市と一体となって、都市計画や環境アセスメントを進めるための調査を迅速かつ着実に進めてまいります。 加えて、地域の意向や経済団体が行う調査等を踏まえながら、関門地域のさらなる発展につながる道路となるよう、引き続き精力的に国へ働きかけを行う考えです。 私は、今後とも、関係県市や経済界と緊密に連携し、議会の皆様のお力添えも頂きながら、下関北九州道路の早期実現を目指し、積極果敢に取り組んでまいります。 次に、結婚と妊娠への支援についてのお尋ねにお答えします。 若い世代が結婚の希望をかなえ、子供を産みたいと望む方が安心して妊娠・出産できる環境づくりを進めることは、少子化の流れを変えるために極めて重要です。 このため、私は、やまぐち維新プランに、結婚、妊娠・出産、子育て応援プロジェクトを掲げ、やまぐち結婚応縁センターを核とした出会いから成婚までの一貫した支援の強化や、妊娠・出産、子供の健やかな成長のための保健医療サービスの充実に取り組んでいるところです。 まず、結婚の支援については、お示しのとおり、コロナ禍において、男女の出会いの機会が減少しているため、来月から結婚応縁センターで、新しい生活様式に配慮した新マッチングシステムの運用を開始し、出会いの機会を確保することとしています。 この新たなシステムでは、入会手続やお相手の検索が自宅からスマートフォン等で可能となるほか、AIがお薦めのお相手を提案するなどの機能を付加しており、会員の利便性の向上や迅速なマッチングにつなげることで、タイミングを逃すことのないよう、男女の出会いを後押ししてまいります。 また、コロナ禍においても、多くの出会いの機会を提供できるよう、昨年度から導入した結婚を希望する方を対象としたオンラインの交流会等の開催回数を増やすなど、取組を充実してまいります。 次に、妊娠の支援については、本県では、県独自による一般不妊治療や人工授精への助成など、不妊治療の流れを全てカバーする全国トップクラスの制度を整備しているところです。 このたび、国において、特定不妊治療への助成が拡充されたところであり、こうした制度も活用しながら不妊に悩む方の経済的な負担を軽減し、安心して治療が受けられるよう、一層の支援に取り組んでまいります。 また、不妊治療は、長期にわたり段階的に行われるため、先行きの見えない精神的負担が特に大きく、精神面でのサポートが重要であることから、治療を受ける方に寄り添ったきめ細かな支援に取り組んでいるところです。 具体的には、県立総合医療センターに設置している不妊専門相談センターで、年末年始・祝日を除く毎日、専門医や助産師等による助言を行うとともに、健康福祉センターで実施する専門医等による不妊専門相談会の回数を今年度から増やすなど、相談体制の充実を図ってまいります。 私は、今後とも、こうした取組を通じ、安心して子供を産み育てていくなら山口県と思っていただけるよう、結婚から妊娠・出産、子育てまで切れ目のない支援の一層の充実に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)スポーツツーリズムの推進についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、三密を回避し、屋外で安心して楽しむことのできる自然体験やアウトドアスポーツ等への需要が高まっています。 こうした中、県では、豊かな自然に恵まれ、また、比較的キャンプ場が多いといった本県の強みを生かし、キャンプ場と周辺のアクティビティーを結びつけ、一体的に楽しめるスポーツフィールドやまぐちの取組を積極的に推進し、本県の交流人口の拡大につなげていきたいと考えています。 このため、各地域の特性を生かした様々なアウトドアアクティビティーの開発に取り組むとともに、県内外でその認知度の向上を図ることにより、スポーツフィールドやまぐちのブランド化を進めていくこととしています。 具体的には、まず、アウトドアアクティビティーの開発に向けては、その魅力を高めるための資機材等の環境整備に取り組む市町や民間事業者に対する支援を行うとともに、市町が実施する周辺の観光スポット等と組み合わせた周遊型の体験イベントの開催を支援することとしています。 また、こうしたアクティビティーの開発に当たっては、アウトドアの知見を有する民間アドバイザーを派遣し、地域の特性に応じた専門的な指導・助言を行いながら、一層の魅力向上を図っていきます。 次に、スポーツフィールドやまぐちのブランド化に向けては、キャンプ場やアクティビティーなど、アウトドアスポーツに関する様々な情報をまとめたポータルサイトを開設し、県内外に向けて積極的に情報発信をすることとしています。 また、本県のキャンプ場の利用者が多い福岡県や広島県における認知度をさらに高めるため、両地域からの利用者を対象としたモニタリングキャンプを実施するとともに、その体験映像等をSNSなども活用し、広く情報発信することとしています。 さらに、本年十月、きらら博記念公園において、多彩なアウトドアスポーツを一度に体験できるシンボルイベントを開催し、県民のアウトドアへの関心をさらに高めるとともに、今後、県内各地のアクティビティーの利用促進にもつなげていきたいと考えています。 県としては、こうした取組を通じ、市町や民間事業者、関係団体等と緊密に連携し、アウトドアを活用したスポーツツーリズムの推進に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)橋梁の老朽化対策と情報発信についてのお尋ねにお答えいたします。 橋梁は、道路ネットワークの形成に欠かせない施設であり、社会経済活動や県民生活を支える重要な社会基盤として恒常的な機能の発揮が求められることから、県では、これまで、橋梁長寿命化計画に基づき、効率的な維持管理や老朽化対策を推進してきたところです。 こうした中、昨年十一月以降、上関大橋を含め三件の損傷事案が発生し、これまで、それぞれの橋梁で応急対策や原因の究明を行ってきました。 現在、上関大橋では、橋を損傷前の状態に戻すための設計を、青海大橋では、対策工法の検討を進めるとともに、新橋や同様のボルトが使用されている橋では、ボルトの再設置や落下防止対策を実施しており、一日も早い全面復旧や安全な通行の確保に努めているところでございます。 県では、こうした経験を踏まえ、橋梁の異状箇所の早期発見・早期対応を図ることの重要性について、再認識したところでございます。 このため、新たにデジタル技術等を活用し、損傷が軽微なうちに補修等を行う予防保全型の維持管理への転換を一層進め、橋梁の安全性に対する県民の意識の高まりに応えていく考えです。 具体的には、離島架橋など特に重要な橋についてデジタル技術を活用し、三次元モデルの蓄積や伸縮計等による計測を行い、橋梁の状態を定期的に把握する取組を導入していくこととしており、今年度は、笠戸大橋と沖家室大橋において実施することとしています。 さらに、小規模橋梁については、AIによる点検・診断システムの構築を進めているところであり、今年度は、点検作業の効率化や診断結果の精度向上を図るための実証実験を行うこととしています。 また、橋梁に関する情報は、県民が安心した生活を送る上で欠かせないものであることから、本年三月に公表基準を定め、五月には、全ての橋梁の管理一覧表や離島架橋九橋の管理カルテを公表したところです。 今後、この管理カルテについては、九月までを目途に五百メートル以上の長大橋等の十七橋を公表し、さらに来年三月までを目途に、特に重要な橋など五百二十九橋を公表するなど、内容の充実を図っていく考えです。 県としては、デジタル技術等を活用することにより、予防保全型の維持管理への転換を進め、橋梁の老朽化対策をより効果的・効率的に進めるとともに、情報発信の充実強化に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)萩医療圏における萩市の動きと県の認識についてのお尋ねにお答えします。 県では、医療圏ごとの現状や課題、将来に必要とされる医療機能等に関する協議を踏まえ、地域医療構想を策定し、その実現に向けては、医療機関相互の協議と自主的な取組を基本に、医療機関や住民の代表等で構成される地域医療構想調整会議での議論を通じて取組を進めています。 まず、萩医療圏における中核病院の必要性についてです。 萩医療圏においては、課題とされる救急医療への対応や医療従事者の高齢化・不足等に対応し、当該医療圏に求められる医療提供体制を確保するため、萩市民病院と都志見病院の統合による中核病院の形成に向けて検討することが、調整会議で協議の上決定されたところです。 このため、萩市においては、昨年一月から、この方針に基づき外部有識者や地元住民も参画する中核病院形成検討委員会を設置し、具体的な検討が進められてきたところです。 県としても、萩医療圏における諸課題を解決するためには、萩市民病院と都志見病院の統合による中核病院の形成が必要であると認識しており、その推進に向け、これまで、萩市へ県職員を派遣するなど積極的に支援を行ってきたところです。 次に、萩市の動きに対する県の対応等についてです。 地域の合意に基づく二病院の統合による中核病院形成に向けた取組を着実に推進するためには、国の重点支援区域の選定を受けることが極めて有効であることから、調整会議の同意を得て、国に申請を行い、昨年一月、国から選定を受け、重点的な財政的支援等が行われることとされたところです。 県としては、今後、こうした取組を推進していく上では、中核病院を形成するに当たり中心となる市との連携が非常に重要であると考えていますが、今般、萩市においては、事前の協議等もなく任意の組織を立ち上げ、中核病院の必要性も含めてゼロベースで見直すこととされたところです。 お示しのとおり、これまで、国も含め関係機関等が一体となって取組を進めてきた中、市のこうした進め方は信頼関係を損ないかねないものであり、加えて、将来における萩圏域の医療提供体制が不透明となり、地域住民の不安につながるものと懸念をしています。 県としましては、地域医療構想の実現に向けては、あくまで、医療法に定められた調整会議での方針に基づき推進していくべきものと考えており、この枠組みの下で対応し、萩地域の医療の確保に向け取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)小関商工労働部長。 〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 商工労働部長(小関浩幸君)商工会議所役員の個人の資格による政治活動についてのお尋ねのうち、商工会議所法についてのお尋ねにお答えします。 商工会議所法第四条第三項では、商工会議所はこれを特定の政党のために利用してはならないと規定しています。 これは、商工会議所が総合的経済団体としての基本性格を逸脱して政治団体化し、特定の党利党略に利用され、そのための政治活動を行うことがあってはならないとの原則を示したもので、商工会議所の役員等が個人の資格で政治活動を行うことを禁止したものではないと解せられています。 したがって、萩商工会議所会頭が、個人の資格に基づいて国会議員の後援会長を務めることについては、商工会議所法に抵触するものではありません。 議長(柳居俊学君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)商工会議所役員の個人の資格による政治活動についてのお尋ねのうち、地方自治法等に関するお尋ねにお答えします。 地方自治法第百五十七条第一項の規定に基づき、地方公共団体の長は、商工会議所など、区域内の公共的団体等の活動の総合調整を図るため、これを指揮監督することができるとされています。 ここでいう公共的団体等の活動とは、その団体本来の公共的活動のことであり、単なる私的活動や団体の内部組織には及び得ないと解されていることから、お尋ねの商工会議所会頭の個人の資格による政治活動や会頭の人事について、本規定に基づく指揮監督権を行使することはできません。 また、地方公共団体による補助については、同法第二百三十二条の二において、公益上の必要がある場合にこれを行うことができるとされているところであり、商工会議所会頭の私的活動と商工会議所への補助金の支出が関連づけられるものではありません。 いずれにいたしましても、これらについては、地方自治法第九十六条第一項の規定に従い、指揮監督の基準となるべき方針や補助金の予算に係る議会の議決を経て、適正に行われるべきものと考えています。