1 防災拠点や医療拠点等へのアクセス道路の整備と県立総合医療センターの機能強化について 2 萩医療圏における中核病院形成を巡る萩市の対応について 3 生理の貧困等様々な困難や不安を抱える女性の支援について 4 誰もが一緒に遊べる公園整備について 5 動物愛護団体への支援について 6 気象防災アドバイザーの活用について 7 ICTを活用した学びの充実について 8 その他
議長(柳居俊学君)石丸典子さん。 〔石丸典子さん登壇〕(拍手) 石丸典子さん おはようございます。公明党の石丸典子でございます。通告に従い一般質問をさせていただきます。 初めに、防災拠点や医療拠点等へのアクセス道路の整備と県立総合医療センターの機能強化についてお伺いいたします。 まず、広域防災広場へのアクセス道路の整備についてお伺いいたします。 近年の気候変動の影響で災害が激甚化・頻発化する中、広域防災広場など大規模災害への備えが求められています。 こうした中、私の地元防府市では、本年三月に市の最上位計画であり、まちづくりの基本的な構想を示す、第五次総合計画「輝き!ほうふプラン」が策定され、この中で、災害時や緊急医療における市民の安全・安心を確保するため、国、県、市が連携し、各輸送拠点と防災拠点や医療拠点をつなぐ幹線道路ネットワークの構築を進めることとされています。 防府市は、御存じのように県央部に位置し、山陽自動車道や国道二号等の幹線道路が縦走し、耐震化が行われた三田尻中関港を擁し、航空自衛隊の基地もあるなど、まさに陸・海・空からの備えに対応できます。 さらには、県内唯一の第一種感染症指定医療機関である県立総合医療センターが立地しており、市のみならず県域全体の防災拠点や医療拠点としての役割を担い、県民の安心・安全の確保につながるものと考えています。 まず、幹線道路ネットワークの構築については、昨年十月に防府市長が防府市議会議長や商工会議所の関係者の同席の下、知事及び県議会議長に要望されたところであり、その際に地元選出の県議会議員として、島田議員、井上議員とともに私も立会いをさせていただきましたが、市が整備構想の立案を進めている広域防災広場へのアクセス道路について、三田尻中関港と連携した広域防災拠点の形成に寄与することや、環状道路網の形成による市街地の渋滞緩和と交通安全向上にもつながるとともに、三次救急医療機関である県立総合医療センターへのアクセス性が向上することなど、市長の要望に対し、知事からは、現時点で県道としての位置づけはないが、今後、防府市と連携しながら具体的な検討を進めるとの回答を頂いたところであり、多くの市民にとって安心と希望を与えられたところです。 現在、新型コロナの感染拡大の終息がいまだ見通せない中において、県立総合医療センターは、県内唯一の第一種感染症指定医療機関であり、新型コロナ診療の核施設であることから、そのアクセス性向上の重要性はますます高まっているところです。 そこでお伺いいたします。広域防災広場へのアクセス道路の整備について、県は今後どのように対応されるのか、お伺いいたします。 次に、県立総合医療センターの機能強化についてお伺いいたします。 幹線道路網の整備に併せて、感染症対策などセンターの機能強化等に係る検討も進めていく必要があると思います。 現在、県立総合医療センターは、全県から重症患者を受け入れるなど新型コロナウイルス感染症の診療において重要な役割を果たしています。加えて、県立総合医療センターは、救急医療、周産期医療、僻地医療、がん医療など県内医療の中核的拠点として、交通アクセスの改善だけではなく、機能強化との両輪で検討を進めていかなければ、県民の求める安心・安全の医療に応えられないと考えます。 本年二月県議会の自民党友広議員の代表質問において、知事は、県内唯一の第一種感染症指定医療機関である県立総合医療センターが、県内医療の中核的な役割を一層担えるよう、建て替えも見据えた将来的展望も含め、病院の機能強化等について具体的な検討に着手してまいりたいとされました。 こうしたことから、先週二十三日には、県市長会及び町村会の両会長の賛意を得て、防府市長と防府市議会議長が知事及び県議会議長に要望されたところであり、島田議会運営委員会委員長、新造環境福祉委員会委員長、井上環境福祉委員会副委員長とともに私も同席をさせていただきました。 要望には、県立総合医療センターが感染症医療に加え、救急医療や周産期医療、県内医療機関等との医療連携など、県の基幹病院として県内医療の中核的な役割を一層担うとともに、本県医療の質の向上を支援する役割を早期に果たせるよう、幅広い観点から病院機能の強化についてスピード感を持って検討していただきたいこと、また、検討に当たっては、医療提供体制の強化や地域連携等にもつながるよう、地元防府市の実情も酌みながら進めていただきたいことをお伝えさせていただいたところです。 このコロナ禍を機に、県立総合医療センターの重要性が再認識されたところであり、私は、この機を逸することなく、これからの検討が将来、県立総合医療センターの医療提供機能と医療人材育成支援機能の充実につながることを大いに期待しております。 そこでお伺いいたします。知事からは、地元の意見も十分聞きながら、県立総合医療センターの機能強化等しっかり検討をしていくとの大変心強い回答いただいたところですが、県立総合医療センターの機能強化等に向けて、今後どのように検討を進めていかれるのか、御所見をお聞かせください。 次に、萩医療圏における中核病院形成をめぐる萩市の対応についてお伺いいたします。 ただいま質問させていただいた県立総合医療センターが、県域の拠点病院としての機能をしっかりと果たし続けていく上でも、各医療圏における地域医療構想の推進が欠かせません。 先ほど、自民党の西本議員からも萩市の対応を疑問視する発言がありましたが、団塊の世代が七十五歳以上となる二○二五年に向け、地域医療構想を推進してまいりました公明党として、重ねて質問をさせていただきます。 将来における医療提供体制のあるべき姿を描く地域医療構想では、各医療圏における課題を踏まえた必要病床数の設定や医療機能の在り方などが示されており、県では、これまで各医療圏において地域医療構想調整会議を開催し、構想の推進に努めてこられました。 こうした中、萩市の田中市長は、これまで前市長の下、関係者で協議・同意されてきた中核病院形成の取組をほごにし、ゼロベースでの検討を表明されました。 私ども公明党は、これまでも萩医療圏の救急医療体制をはじめ、深刻な医師不足の問題等、地元市議会議員を通じて党として取り組んできた経緯もあり、待ったなしの萩医療圏の状況に強い危機感を持つ公明党県議団として、このたびの市長の独断専行のやり方を見過ごすわけにはいかないと考えております。 萩医療圏では、圏域内での二次救急の対応が課題とされており、中核病院ができなければ二次救急体制の維持が困難となる状況に直面し、場合によっては、救える命が救えない事態も予想される中で、また、分散された医療機能を集約していく必要もあることから、一刻も早い地域医療構想の実現に向けた取組が求められています。 このため、萩市では、国の重点支援区域の選定も受け、萩市民病院と都志見病院の統合による中核病院形成を目指した取組が進められてきたところですが、今、萩市では、前市長が関係者とともに取り組んできたものは全て否定すると言わんばかりに、地域医療構想調整会議における関係者の協議・合意の下で検討を行ってきた、中核病院形成検討委員会を一方的に廃止し、新たな検討組織を立ち上げ、中核病院の必要性にまで立ち返って議論しようとされています。 そこでお伺いいたします。地域医療構想調整会議で協議され、出された方向性に沿って具体的な検討を進めていたものを、市が独自の検討組織を設置して検討し直し、最終的には市が判断するなど、本来あるべき地域医療構想の進め方は関係ないと言わんばかりのやり方は、国、県、地域におけるこれまでの取組の積み重ねを無視するものであり、市としての姿勢が疑われるものです。このままでは、萩医療圏における中核病院形成を進めることは難しいと考えますが、県では、こうした状況をどのように認識しているのか、お伺いいたします。 また、萩医療圏における両病院の統合に向けては、全国初となる国の重点支援区域に選定され、財政的支援をはじめ手厚い支援が受けられることとなっていますが、このままでは、選定が解除される可能性も否定できないのではないかと懸念しています。 万が一、そうなりますと、地域住民の安心・安全を確保するために検討を進めてきた中核病院の形成が困難になることが予想されますが、今後、県としてどのように対応されるつもりか、お伺いいたします。 次に、生理の貧困等様々な困難や不安を抱える女性の支援についてお伺いいたします。 コロナ禍の今、女性の雇用や生活に深刻な影響を及ぼし、困窮する女性が生理用品すら買えない、いわゆる生理の貧困について、誰一人取り残さない迅速な対策が求められています。 そこでまず、学校トイレや保健室への生理用品の配備など、子供たちが安心して学校生活を送れるようにすることは必要ですが、根っこに隠れた保護者の養育放棄など根本的な原因の解決が大切であり、生理の貧困問題は、生理用品を配備すれば解決する問題ではないことは誰もが理解しています。 生理用品の負担軽減を目指す任意団体「#みんなの生理」が、高校生や大学生らを対象に行ったアンケート調査によると、回答者の約二○%が過去一年以内に生理用品を入手するのに苦労したと回答し、二七・一%が生理用品ではないものを使って対処したことがある、さらに三六・九%が交換する頻度・回数を減らしたと回答しています。 男性の皆様には大変生々しい話で恐縮ですが、さらに公明党女性委員会が行った二十代、三十代の女性との意見交換では、男性ばかりの職場で理解がなく生理休暇が取れない、生理痛や月経困難症による薬代や医療費負担など生理による女性特有の課題に悩んでいる女性が多いことも、コロナ禍で浮き彫りになりました。 公明党は、三月十五日、菅首相に対し、長引く新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ、追加の生活支援・雇用対策についての緊急提言を行い、経済的理由で生理用品を購入できない女性や子供がいる状況を踏まえ、必要な対策を早急に検討するよう要望いたしました。私も女性の一人として、これらの声を理解し共感するとともに、困窮し孤立する女性の支援に全力で取り組んでまいる決意です。 そこでお伺いいたします。生理の貧困等様々な困難や不安を抱える女性の支援についてどのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 次に、誰もが一緒に遊べる公園整備についてお伺いいたします。 本来公園は、あらゆる人々が一緒に遊び、心地よく過ごすことができる場所であり、子供にとっても、開放感とわくわく感に包まれた最高の場所ですが、その公園に行くことすらためらい、行けば一瞬たりとも気が抜けないと障害のあるお子さんをお持ちの親御さんからインクルーシブパーク──障害児も遊べる公園を求める声が全国に広がっています。 例えば、車椅子のまま一緒に遊べる回転遊具や車椅子の高さに設置された砂場、座位が取れない子供には、背もたれやベルトがついたブランコ、また五感を通じて楽しめるようなユニバーサルデザインの遊具など、日本では公共の公園であまり見かけませんが、米国などでは九○年代から法律の後押しもあり、障害の有無を超えて、多くの子供や家族が遊べる公園として珍しくないそうです。 私は、障害のあるお子さんをお持ちの方から公園のトイレについて御相談を頂き、現場を訪れた際、コロナ禍で六月二十日まで公園の入り口や遊具に、使用禁止の貼り紙やロープが張られているのを見て、障害のあるお子さんはふだんから使用禁止、使用できない公園だったことをお聞きし、改めてインクルーシブに配慮した公園整備が必要と痛感いたしました。 私は、山口市の維新百年記念公園や山口きらら博記念公園を訪れ、インクルーシブの視点で歩いてみました。 維新百年記念公園は、プラネタリウムや大きな遊具を目当てに市外からの家族連れも多いですが、遊具には三歳からとか六歳からなど使用制限年齢があり、障害のある子供や小さな幼児などが安心して一緒に遊べる遊具は少ないように思います。 また、この日は大変暑かったのですが、日よけも少なく、滑り台は熱く、やけどのおそれがあるため、二つの大型滑り台に使用禁止のロープが張られていました。そして、夏場に人気の水遊び場でも様々なお声を頂いています。 また、山口きらら博記念公園のトリムの広場には、クライミングウオールなどアクティブな遊具が小高い場所にあり、車椅子では上がりにくく、インクルーシブ遊具は見当たりませんでした。山口きらら博記念公園は、皆様御存じのように素敵な海に面した開放感いっぱいの広い敷地やドームがあります。県内各地から誰もが家族で心地よく遊べる西日本一のインクルーシブパークに生まれ変わらせてはいかがでしょうか。 また、遊具ばかりではなく、誰の視線も感じることなく、ただ歩くだけのコースも必要です。私が訪れたときも、障害のある息子さんの手をしっかり握り、人がいない広場のほうへ歩く親子の姿がありました。 そこでお伺いいたします。誰もが一緒に遊べる安心・安全な公園、インクルーシブパークの整備についての県の御所見をお伺いいたします。 次に、動物愛護団体への支援についてお伺いいたします。 コロナ禍でちょっとしたペットブームが起こっていますが、排せつやほえ癖など、動物では当たり前のことに、想定外だったと、早くも飼育放棄が発生しています。 そのような中でも、変わらぬ愛情で保護活動や譲渡活動など続けておられる団体が県内にはたくさんあり、本県の犬猫殺処分ゼロに向けた取組の大きな推進力となってくださっています。 令和元年度全国都道府県の犬猫の引取り及び処分の状況を見ますと、本県の犬猫合わせて引取り数三千百十二匹で全国一位、そして、譲渡数も犬猫合計二千六百八十八匹で、こちらも全国一位です。そして、気になる殺処分数は千百二匹でワースト十四位、平成二十六年度の全国ワースト三位の四千七百三十匹から大きく減少しています。これは、各愛護団体等による譲渡活動の結果であり、県はもっとこの取組を高く評価するとともに支援するべきです。 防府市内のある愛護団体は平成二十七年に発足し、保健所から全ての犬猫を受け入れる活動を始め、これまで約千五百匹以上を市民へ譲渡し、県動物愛護管理推進計画の引取り数や殺処分数の数値目標の達成に向け大きく貢献しています。 しかし、コロナ禍の中、ふるさと納税など寄附金の減少から資金不足と人手不足の厳しい状況にあり、譲渡の機会を待ちながらもシェルター内の猫百六十匹、犬百匹の餌代やワクチン・不妊去勢手術等医療費、光熱水費など切り詰めながらも莫大な維持費の捻出に苦慮しています。 今後も保健所の犬猫を全て引き取る限り、変わりなく資金不足は続くでしょう。 県は、平成二十八年九月の私の代表質問に対し、山口大学共同獣医学部との協定に基づき野良猫を地域で見守る地域猫対策として、安価に不妊去勢手術ができる支援制度の開始を紹介されましたが、その実績と効果はいかがでしょうか。 全国自治体では、愛護団体や県民の方の負担軽減に不妊去勢手術費用の助成、マイクロチップ装着など様々な犬猫殺処分削減に向けた個人や愛護団体への支援が行われています。 動物愛護の取組は自治体によって温度差はありますが、国の動物愛護管理法に基づく取組であり、県として市町、愛護団体と連携したさらなる取組が必要と思いますが、いかがでしょうか。 そこでお伺いいたします。動物愛護団体の活動支援に今後どのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 次に、気象防災アドバイザーの活用についてお伺いいたします。 気象防災アドバイザーとは、台風や風水害など頻発する気象災害に備え、地方自治体を支援するため、気象台のOB・OG等をアドバイザーに国土交通大臣が委嘱したものであり、この四月、新たに五十五名が研修を終え、本県在住の二名を含み、全国八十四名の方がおられ、日本防災士会山口県支部のメンバーで防災講座の講師を務められる気象予報士の方も、このたび研修を受け、気象防災アドバイザーの委嘱をされたとのことで、地元に詳しい気象防災アドバイザーとしての活躍に期待するところです。 本年一月、公明党代表の山口那津男参議院議員は、代表質問で防災・減災対策について激甚化・頻発化する風水害に対し、気象防災アドバイザーの周知と活用推進を訴え、菅首相より、自治体トップに直接働きかけ十分活用するとの答弁を頂き、この四月、各都道府県消防防災主管部長宛てに、内閣府より各地方公共団体において、気象台や気象防災アドバイザー、各種研修等を積極的に活用し、気象防災業務に精通する職員の育成に努めるようありました。 防災が政治の主流となる今日、防災の主体者である市町村において、気象災害時の市民への気象情報の提供や避難誘導などタイムラインに基づいて適切に対応する力が求められており、気象災害情報に精通した気象防災アドバイザーを自治体職員として採用するケースも増えています。 共同通信の全国自治体へのアンケートの結果では、全国市区町村の二○・五%で防災専従職員がいないと回答し、一人と答えたところが一四・一%と、首長の災害に対する危機管理意識が問われる実態が見られます。 さらに近年、国の災害関連の頻繁な法改正による業務の増加や、大きな被害をもたらす線状降水帯など新たな気象予測技術の向上に人手不足が喫緊の課題となっています。 そこでお伺いいたします。本県の気象防災業務における気象防災アドバイザーをどのように活用し、市町の防災人材育成にどのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 最後に、ICTを活用した学びの充実についてお伺いいたします。 コロナ禍で、学校の休校により多くの児童生徒は不安や友達に会えない寂しさを経験しましたが、その一方で、国のGIGAスクール構想は一気に進み、児童生徒一人一台タブレット端末を配備したICTによるオンライン授業の取組は、これまで病気や障害、不登校など様々な理由で学校での対面授業を受けられなかった児童生徒に、どう生かされるのか大いに期待するものです。 国は、義務教育小中学校の不登校児童生徒について、自宅など学校外の施設やICTを活用して学習した場合、一定要件の下、出席扱いにできるなど学校長の判断の裁量を認めています。 しかし、義務教育外となる高等学校においては、病気など長期入院の生徒以外、ICTを活用した遠隔授業に対し出席扱いとすることを認めていません。本来、GIGAスクール構想の目指しているものは、誰一人取り残すことのない学びであり、オンラインなら授業に参加したいと思う気持ちを学校側は無にすることなく、不登校生徒とつながる手段としてICTを活用するべきです。 本県の令和元年度、高校不登校生徒数は、公私立合計三百十人、中途退学者は三百七十五人、そして、全国の高校中途退学者は令和元年度約四万三千人を数え、文部科学省は、夜間中学の設置や今年度から高校中途退学者の学習支援事業など、学び直しの場の確保に取り組んでいます。 まずは、一人一人に寄り添い不登校児童生徒、中途退学者を出さない取組が大事であり、その対策にICTの活用が期待されますが、いかがでしょうか。 そこで二点お伺いいたします。ICTを活用した不登校児童生徒の学びの充実にどのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 また、ICTによる学習をサポートするためにも自宅から閲覧できる電子図書館サービスの開始が求められますが、県立山口図書館においてどのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 以上で質問を終わります。 御清聴誠にありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)石丸議員の御質問のうち、私からは、防災拠点や医療拠点等へのアクセス道路の整備と県立総合医療センターの機能強化についてのお尋ねにお答えします。 まず、広域防災広場へのアクセス道路の整備についてです。 近年、自然災害が激甚化・頻発化する中、私は、維新プランの重点施策に防災・危機管理対策の強化を掲げ、救急活動や緊急物資の輸送等に重要な役割を担う幹線道路等の整備を推進しています。 お尋ねの広域防災広場へのアクセス道路については、昨年十月の防府市からの要望を受け、市と連携して、広域防災広場の役割を確認しながら、当該道路が果たす機能について検討を進めてきました。 こうした中、お示しのとおり、この道路が、本年三月に策定された第五次防府市総合計画の中で、各輸送拠点と防災拠点や医療拠点をつなぐ幹線道路ネットワークの一部として位置づけられました。 県では、市が策定したこの計画も勘案し、広域的な観点から検討を重ねた結果、当該道路の整備により、県西部方面から広域防災広場や県立総合医療センターへのアクセス性が向上し、市域を超える災害への対応力の強化や医療提供体制の充実強化につながることを確認したところです。 さらに、防府市南部はもとより、山口市南部・宇部地域と山口中央部・北部地域などとの広域的な交流・連携の強化に資することも期待されます。 このため、私は、当該道路を県道に位置づけることとし、今後、広域防災広場の整備を行う防府市と調整を図りながら、事業着手に向けて取り組んでまいります。 次に、県立総合医療センターの機能強化についてのお尋ねにお答えします。 県立総合医療センターは、本県唯一の第一種感染症指定医療機関として、このたびの新型コロナウイルス感染症の診療においても、多くの重症患者を全県から受け入れるなど、中心的な役割を担っているところです。 また、本県の高度専門医療、僻地医療、災害医療など、他の医療機関では対応困難な医療を担う県の基幹病院として、県民に質の高い医療を継続的・安定的に提供しているところです。 こうした中、私は、このたび、新型コロナ感染症を経験したことで感染症医療の重要性を痛感し、県立総合医療センターの果たしている役割の大きさを再認識したところであり、本県の感染症医療の中核である同センターのさらなる機能強化をしなくてはならないと考えています。 さらに先般、県議会から地元議員等の立会いの下、県内全市町を代表して地元防府市長から、県立総合医療センターの機能強化の検討をスピード感を持って進めてほしいとの要望を頂いたところです。 私は、頂いた要望を真摯に受け止めるとともに、医療環境が変化する中、県民の命と健康をしっかりと守っていくためには、県立総合医療センターが、本県の感染症医療の拠点として、また、本県の高度専門医療等の拠点としての役割を一層果たせるよう、早期にその機能を充実強化させなければならないとの思いを強くしたところです。 このため、今年度、県立総合医療センターに有識者を加えた検討組織を設置して、同センターの将来を見据えた機能強化に向け、様々な観点から検討してまいります。 具体的には、今後とも起こり得る新たな感染症に際しても、本県感染症医療の中核として迅速かつ強力に対応できる体制の確保、さらには、がんなどの高度専門医療や5Gを活用した僻地における遠隔診療等の充実、県内の医療従事者の資質向上など、幅広く機能強化の検討を進めてまいります。 私は、県議会や地域の御意見もお聞きしながらスピード感を持って検討を進め、県立総合医療センターが将来にわたり本県医療の中核的な役割を一層担えるよう、建て替えを視野に入れ、機能強化の早期実現に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)萩医療圏における中核病院形成をめぐる萩市の対応についてのお尋ねにお答えします。 地域医療構想は、団塊の世代が七十五歳に達し、医療・介護需要が最大化すると言われる二○二五年に向け、地域の実情に応じた良質な医療サービスが受けられる体制の構築を目指して策定しています。 県では、構想の実現に向け、医療圏ごとに医療機関や受療者の代表者等で構成する地域医療構想調整会議を設置・運営し、地域における自主的な取組の促進を図っているところです。 お示しのように、萩医療圏においては、萩市民病院と都志見病院を統合し、中核病院の形成に向けて検討することが調整会議で決定されており、県ではこの方針に基づき、県職員を派遣するなど支援してまいりました。 昨年度まで萩市で開催された中核病院形成検討委員会は、地域医療構想の推進に向けて協議を行う場である調整会議において、取組の方向性を確認した上で設置されたものです。 一方、このたび、新たに設置される検討組織は調整会議において協議されたものではなく、設置も含め、県としては承知していないところであり、改めて、調整会議において協議される必要があるものと認識しています。 また、今回のゼロベースの見直しについては、医療提供側、受療側の意見や地域の医療需要等を踏まえ、二次救急の圏域内での完結や、急性期病院の機能再編統合等による医療機関の整備等を必要とする、これまでの萩医療圏における地域医療構想の取組を否定することにもつながりかねないものです。 さらには、お示しのように、二病院の統合による中核病院の形成を前提として選定された国の重点支援区域の解除につながりかねないものと懸念をしています。 県としましては、地域医療構想の実現に向けては、あくまで、医療法で定められた調整会議での方針に基づき推進していくべきものと考えており、この枠組みの下で対応し、萩地域の医療の確保に向け取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)生理の貧困等様々な困難や不安を抱える女性の支援についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、お示しの生理の貧困の問題をはじめ、経済的な困窮な孤独・孤立など、特に女性に深刻な影響が及んでいることから、こうした困難や不安を抱える女性に対する支援を充実強化していくことが必要です。 このため、このたびの補正予算において、女性の支援に取り組んでいるNPOの知見やノウハウを活用し、積極的な相談機会の提供や、女性に寄り添ったきめ細かな支援に取り組むこととしています。 まず、相談機会の提供については、幅広い年齢層の方が気軽にアクセスできるよう、電話相談や面接に加えて、メールやSNSによる相談に対応するほか、コロナ禍に対応したリモートによる面接やカウンセリングを実施します。 また、身近な地域で相談できるよう、県内八か所を巡回して、カウンセリング等を行う相談会を開催することとしています。 この相談会では、併せて生理用品等の無償提供を行うこととしており、こうしたこともきっかけとして困難を抱える女性の背景や事情に丁寧に向き合い、必要な支援へとつなげていきます。 次に、女性に寄り添ったきめ細かな支援については、同じような立場や境遇にある人同士が交流し、支え合うピアサポートによる居場所づくりを進めるとともに、必要に応じて相談者の自宅等への訪問や、市町や関係機関への同行等を行うアウトリーチ型の支援に取り組みます。 こうした支援に関する情報が必要とする方々に確実に届くよう、NPOが持つ幅広いネットワークを活用して、独り親家庭等の支援団体に情報提供していくほか、SNSや地域情報誌など様々な媒体を活用して、広く周知を図っていきます。 県としては、困難や不安を抱える女性が社会との絆・つながりを回復し、生き生きと安心して暮らしていけるよう、NPOや市町、関係機関と連携して、一人一人の状況に応じた的確な支援に取り組んでまいります。 次に、動物愛護団体への支援についてのお尋ねにお答えします。 県では、動物愛護団体等の理解と協力を頂きながら、動物愛護において大きな課題である犬猫の殺処分の削減に向けて、保健所に収容された犬猫の譲渡の推進に積極的に取り組んでいるところです。 具体的には、保健所での収容期間の延長や、譲渡対象となる犬猫の画像の県ホームページへの掲載、定期的な譲渡会の開催などを通じて譲渡機会の拡充を進めてきました。 こうした中、近年、犬猫の殺処分数は大幅に減少しており、これは、動物愛護団体を仲介者とする譲渡が大きく進んだことによるものと、県としてもその取組を評価しているところです。 その一方で、譲渡活動を行う団体においては、ワクチン接種等の負担が増加し、活動に支障が生じているという声も届いています。 このため、県としては、譲渡後の適正飼養を図る観点から実施している犬猫へのマイクロチップの装着や、今年度から実施するノミ等の寄生虫の駆除について、団体の負担軽減にもつながるよう積極的に進めていきます。 また、コロナ禍で対面による譲渡会が開催しにくくなっていることから、新たな取組として、動物愛護団体と県動物愛護センター等をオンラインでつなぐ合同譲渡会を開催し、団体の活動を支援していくこととしています。 なお、お尋ねの地域猫対策として山口大学で実施している不妊去勢手術については、昨年度までの五年間で三十六匹に実施されており、こうした取組により引き取られる猫の数を減らしていくことは、団体の譲渡活動の負担の軽減や殺処分の削減に一定の役割を果たしていると考えています。 県では、行政や獣医師会等の関係者が動物愛護に係る課題等について協議・検討を行う協議会を設置することとしており、この協議会に動物愛護団体にも参画していただき、御意見を十分お聞きしながら、今後とも団体の活動支援に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)誰もが一緒に遊べる公園整備についてのお尋ねにお答えします。 公園は、人々のレクリエーションの空間となるほか、健康増進、自然との触れ合い、観光や地域間交流等の多様なニーズに対応するとともに、災害時には避難地となるなど、県民の生活に欠かせない施設です。 このため、県では、いわゆるバリアフリー法や山口県福祉のまちづくり条例等も踏まえつつ、公園利用者の意見をお聞きしながら、障害者や高齢者の方々にも配慮した公園施設の整備に努めています。 例えば、維新百年記念公園においては、県障害者スポーツ協会等の協力の下、現地で車椅子の通行実験を行うなど、公園利用者の意見も反映しながら、主要施設を連絡する園路、休憩施設、トイレ等の公園施設のバリアフリー化を進めてきたところです。 こうした中、障害の有無や年齢、性別にかかわらず多種多様な人々が交流し、一緒に遊ぶことで子供が人の多様性を自然に理解でき、共に生きる心が育つことが期待される場所として、インクルーシブパークが注目されてきており、県としても、今後の公園づくりを進める上で必要な視点と考えています。 このため、今年度から、山口きらら博記念公園を対象に、山口大学教育学部と進めている公園の利活用に関する共同研究の中で、先進事例も参考にしながら、こうしたインクルーシブな視点も取り入れた公園の新たな利活用方策や、それに伴う施設整備の方向性について検討することとしています。 また、この共同研究の成果については、今後の県立公園の整備に生かすとともに、市町が管理する公園の施設整備の参考となるよう、情報提供していく考えです。 県としては、今後とも、障害の有無等にかかわらず、多くの方が集い、誰もが安心して一緒に遊べる公園づくりに積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)気象防災アドバイザーの活用についてのお尋ねにお答えします。 昨年の令和二年七月豪雨や平成三十年七月豪雨など、近年、全国的に大規模な災害が頻発しており、災害時には自治体において、気象台から提供される防災気象情報などを活用して、適時的確に避難情報を発令するなどの災害対応が求められています。 こうしたことから、県においては、本県を所管する下関地方気象台と、毎年、連絡調整会議を開催して情報共有や意見交換を行っているほか、台風の本県への接近が見込まれる場合には、気象台による説明会を開催し、その内容を市町に情報提供しているところです。 また、下関地方気象台においては、市町等と緊密な連携を図るため、県内の地域ごとに設置した担当チームにより、防災気象情報の活用に向けた支援を行うとともに、災害発生が予見される場合には、気象台長等から、ホットラインにより市町長などに直接電話で助言を行うこととしています。 お示しの気象防災アドバイザーの活用についても、市町の災害対応力を高めるための手法の一つであることから、本年四月の市町危機管理監・防災危機管理主管課長会議において、気象台から説明があったところであり、引き続き、市町に対し周知をしていくこととしています。 また、市町の防災人材の育成については、県において、初任者向け研修や避難所の設置・運営に関する実務研修等を実施するとともに、災害対策本部設置運営訓練や物資搬送訓練を市町と合同で開催するなど、災害対応に必要な知識や技能の習得について取り組んでいるところです。 今後は、こうした研修等における気象防災アドバイザーの活用についても検討をしてまいります。 県としましては、引き続き、市町と緊密な連携の下、災害対応力の充実強化に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)ICTを活用した学びの充実についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、ICTを活用した不登校児童生徒の学びの充実に向けた取組についてです。 病気や障害、不登校など様々な理由で学校での対面授業を受けられない児童生徒に対して、ICTを活用し、多様な学習の機会を確保することは重要であると考えています。 このため、県教委では、やまぐちスマートスクール構想の三つの柱の一つに、安心・安全で一人ひとりを大切にする学校を掲げ、障害や入院等で通学できない児童生徒へのオンライン授業の実施などに取り組んでいます。 こうした中、お示しのとおり、高等学校においては、不登校生徒に対するICTを活用した遠隔授業の出席扱いが認められていないことが課題となっており、この春の政府要望において、遠隔授業の出席扱いの早期実現を国に対し求めたところです。 今後は、国の動向も注視しながら、不登校生徒一人一人の状況に応じて、一人一台タブレット端末を活用した同時双方向の授業配信や、自宅からの積極的な授業参加を可能とする分身ロボットの活用など、多様な学習の機会が確保できるよう努めてまいります。 加えて、不登校児童生徒や中途退学者を出さないために今年度から実施している、児童生徒がオンラインでスクールカウンセラーと相談できる制度の活用を促進するなど、教育相談体制のさらなる充実にも取り組んでまいります。 次に、電子図書館サービスについてです。 電子図書館サービスは、インターネットに接続できる環境があれば、図書館に出向くことなく、いつでもどこでも読書や調べ物が可能であり、様々な理由で学校に行くことができない児童生徒にとっても、自宅での学習サポートにつながる効果的なサービスであると考えています。 県立山口図書館では、コロナ禍における新しい生活様式での読書活動に対応するとともに、ICTを活用した学びの充実を図るため、今年度からこの電子図書館サービスを開始することとしています。 現在、導入する図書の選定やサービスの提供方法の検討を行うなど鋭意準備を進めているところであり、お示しの生徒等を含め、多くの県民の皆様に利用していただけるよう広く周知に努めるとともに、早期のサービス開始に向けて取り組んでまいります。 県教委といたしましては、ICT環境を効果的に活用することにより、誰一人取り残すことのない学びの実現に向けて全力で取り組んでまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時四十四分休憩