1 コロナ禍での検査体制・医療提供体制の充実・強化について 2 コロナを乗り切る生活困窮支援について 3 デジタル・ガバメントの推進について 4 カーボンニュートラル実現に向けた取り組みについて 5 教員による児童生徒への性暴力防止について 6 優良運転者講習のオンライン化について
議長(柳居俊学君)上岡康彦君。 〔上岡康彦君登壇〕(拍手) 上岡康彦君 皆様、おはようございます。公明党の上岡康彦です。公明党山口県議団を代表して質問いたします。 長引くコロナ禍にあって、医療従事者をはじめ、関係者の皆様には昼夜をいとわぬ御尽力に対し、心より尊敬と敬意を表しますとともに、一日も早い終息を願いつつ、代表質問に移らせていただきます。 初めに、コロナ禍における検査体制・医療提供体制整備についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大がここまで長期化するとは誰も想像していなかっただろうと思います。最近では、非常に強い感染力を持つ変異株による感染が全国的に猛威を振るい、終息に向けて出口が見えるどころか、ますます不透明感が強まっています。 山口県においても、ゴールデンウイークが明けた頃から第四波のピークに向けて一気に新規感染者が増大していきました。県内様々な場所でクラスターが発生し、その家族や友人、学校や職場、福祉施設等にも感染が広がった結果、五月二十四日には確保病床の使用率は七五%を示すなど、療養者数も五月いっぱいはステージⅣ相当の推移が続き、県内の医療機関は危機的状況に直面しておりました。 隣接する広島県、福岡県では緊急事態宣言が延長されるなど、感染リスクは一向に下がる気配がない中、村岡知事は、五月十八日に開始した山口県新型コロナ感染拡大防止集中対策期間の延長を決定されました。その折には、県外との往来自粛や外出機会の半減といった強いメッセージを発出され、県民への意識づけになったと感じています。 また、全国初の取組として実施した高校生等へのPCR検査についても、私の周りの保護者からは、県高校総体を前にして安心できるなど高く評価する声を伺っておりました。 こうした中、集中対策期間終了後の二十一日からは職域でのワクチン接種が本格的にスタートいたしました。これまで市町が中心となって実施していた接種事業に加え、三十を超える企業や大学の協力が得られ、社員とその家族にもいち早くワクチン接種が可能となり、接種率も一層高まると思われます。 あわせて、県としても県東部、県央部、県西部のそれぞれに広域的な集団接種会場を開設するなど、ワクチン接種の加速化に努めておられます。 さて、六月定例県議会には二百四十一億円の補正予算が計上されていますが、そのうち二百三十九億円が新型コロナウイルス感染症対策関連予算となっています。 公明党山口県議団は、去る五月二十日に、新型コロナウイルス感染症対策に係る緊急要望を提出いたしました。その中で、医療提供体制等のさらなる充実や検査体制の強化等について要望いたしましたが、今回の補正予算を見ると、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業に約十六億三千八百万円、入院医療機関等病床確保・設備整備事業と新型コロナウイルス感染症医療提供体制強化事業を合わせて約四十九億八千九百万円、新型コロナウイルス感染症検査体制強化事業に約八億円などとなっております。公明党の要望が大きく盛り込まれており、大変感謝しております。 六月に入ってからは、これまでの施策が功を奏し、新規感染者数はステージⅠ相当まで低下してきました。しかしながら、まだまだ予断を許さない状況にあり、油断は禁物です。これまで流行中の変異株はアルファ株ですが、今後はより感染リスクが高いとされるデルタ株による第五波を何としても抑え込まなければ、県内の医療体制が崩壊してしまいます。 そこでお尋ねいたします。現在、県内新規感染者数は少し落ち着いてきました。しかし、今後の課題はデルタ株による感染拡大を防止し、万全の検査体制・医療体制を整えておくことだと考えます。 県は、県民の命と安心・安全な生活を守るため、万一の感染拡大に備えた検査体制・医療提供体制の充実強化に向けて、具体的にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。 次に、コロナを乗り切る生活困窮支援についてお尋ねします。 新型コロナウイルス感染症の長期化により、社会生活は大きく変化し、県民の暮らしは大きな影響を受けています。特に、勤め先の収入減少や失業により多くの人が生活困窮に陥っています。 厚生労働省が今月発表した情報によると、新型コロナウイルスの感染拡大に関連した解雇や雇い止めは、見込みも含めると全国で累計十万人を超えており、特に女性の割合が多い非正規雇用者の状況が深刻さを増しているとのことです。 さらに、これとは別に民間会社の分析によれば、パートやアルバイトとして働く女性のうち、勤務シフトが五割以上減り、休業手当も受けていない実質的失業者が推計で百三万人に上るという、そういう話もあります。 こうした中、我が公明党では、国民全体が困っているとはいえ、特段生活に困っている世帯にはその対象を絞った上で追加の支援策を実施すべきという考えの下、政府に対し、緊急事態宣言の再発令を受けての提言や国会質問などで、コロナ禍において深刻な影響を受けている独り親を含む生活困窮世帯への支援を重ねて要請いたしました。 とりわけ、これまでコロナ禍で困窮した世帯を対象にした支援策には、緊急小口資金等の特例貸付けがありましたが、長期化に伴い申請期限を延長してきた一方で、貸付限度額に達しているなどの事情で、特例貸付けを利用できない困窮世帯が存在していました。こうした世帯については、新たな就労や、あるいは生活保護の受給につなげていくことが考えられますが、必ずしも円滑に移行できていない実態がありました。 このため、政府は五月、生活困窮世帯への新たな支援金の支給について発表しました。この支援金は困窮世帯が新たな就労や生活保護の受給に移行するまでの間をつなぐ支援策であり、困窮状態が続く世帯に対するセーフティーネットとして大変大きな意義があると考えております。 また、特例貸付けの申請期限の延長、家賃相当額を補助する住居確保給付金再支給の申請期限は延長なども行われることとなり、公明党の提案によりコロナ禍で生活困窮が続く人たちを支える施策が実っているところです。 また、我が公明党は、先日、菅首相に対し、経済財政運営と改革の基本方針に向けた提言として、生活困窮者対策等を申し入れたところであり、今後も、福祉の党として、総力で生活困窮への支援に取り組んでいきたいと考えております。 県では、これまで生活福祉資金の貸付けや独り親世帯への臨時給付金など、国の制度に迅速に対応し、独り親世帯や生活困窮者への支援を行っているところですが、県内でも、感染拡大第四波の影響や、近隣県や大都市圏の緊急事態宣言の延長などの影響により仕事を失い、失業の状態が長期化し、再就職までの貯蓄がなくなるなど、追い詰められている人が多くいるのではないかと思います。 県においては、このような困っている方への支援が行き届くよう、国の制度をしっかりと活用し、対応していただきたいと思います。 そこで、今後、県では、独り親世帯や生活困窮者への支援についてどう進められるのか、お伺いいたします。 次に、デジタル・ガバメントの推進についてお尋ねします。 先日、今年度新たに発足したデジタル推進局を視察してまいりました。フリーアドレス、ペーパーレス、オンライン会議スペースなど、従来の県庁にはない民間企業のような雰囲気の中で仕事をされ、ここが全庁の司令塔となって、いよいよ本県のデジタル改革が進んでいくのだなと実感を持つと同時に、デジタル時代における新たなワークスタイルのモデルとしても、全庁や市町を牽引してほしいと期待を大きくいたしました。 デジタル改革は、コロナ禍における社会変革と、とりわけ行政におけるデジタル化の遅れを踏まえてスタートしました。本県においても、県民の皆さんがこの改革に率直に期待することは、行政手続の煩雑さや何度も窓口に足を運ばねばならない状況を解消してほしい、行政に変革をもたらしてほしいということであり、我々は、行政のデジタル化、すなわちデジタル・ガバメントの構築が非常に重要であることを指摘してまいりました。 さきの県議会では、我が会派からの代表質問に対して、知事からは、県関係の行政手続オンライン化の令和四年度中の完了、業務におけるAI、RPA等の活用の拡大などにスピード感を持って取り組むという力強い答弁を頂きました。まさにこうした方向性に沿って、デジタル・ガバメントの構築を改革のスタート段階から進めていただきたいと思います。 加えて申しますと、デジタル時代のインフラであるマイナンバーカードについては、本県の普及率は、順位こそ全国七位ですが、いまだ約三割にとどまっているのが現状です。 国の計画では、二○二二年度末までに全国民への普及を目指し、さらには、マイナンバーカードを用いて行政共通のポータルサイトであるマイナポータルから行政手続をオンライン化できるよう取り組むとされており、県としても一層の普及や活用に向けて取り組まなければならないと考えます。 また、今後、デジタル・ガバメントの取組が進んでいくにつれて、タブレットやスマートフォンから手続ができることも増えてきますが、一方で、スマホで申請となると戸惑われる高齢者もいまだ少なくないのが実態です。 国においては、我が党としても主張してきた、高齢者向けの講習会事業を展開することとしています。こうした取組により、高齢者、障害のある方などに、デジタル機器活用のサポートをしつつ、自治体行政側としては、誰にとってもアクセスしやすく、入力や確認方法も分かりやすいインターフェースの構築を図ることが重要です。デジタルに慣れていない県民にとっても安心して利用できる、利用者のニーズに立脚したデジタル・ガバメントの構築を進めていただきたいと願っております。 県におかれては、こうした取組を市町と連携しながら着実に進めていくことで、県民のデジタル改革への期待にしっかりと応えていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。県民の利便性向上に資するデジタル・ガバメント構築に向けた取組について、県におかれては今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、カーボンニュートラル実現に向けた取組について、二点お伺いいたします。 一点目は、水素など次世代エネルギー拠点としての港湾の利活用についてお尋ねします。 英国で開催されていた先進七か国首脳会議、いわゆるG7は今月十三日に閉幕しましたが、ここでも気候変動の一因とされる温室効果ガスの排出抑制というテーマが焦点の一つになっておりました。 我が国でも、昨年十月臨時国会での菅首相の所信表明演説で、二○五○年までに温室効果ガス排出量実質ゼロ、カーボンニュートラルの実現を目指すと明確に宣言されました。このことにより、脱炭素の動きが急加速し、宣言具体化のためにグリーン成長戦略が策定され、その中で、今後、成長が見込まれる十四分野の中に水素産業が位置づけられました。 我が党の地球温暖化対策推進本部としても、政府に対し四月六日と五月二十八日の二回にわたり、二○五○年までにカーボンニュートラルの実現に向けた提言を提出いたしました。 三○年度の温室効果ガス排出量を一三年度比で二六%削減するとした政府目標を大幅に引き上げることなどが柱となっていますが、菅首相も、大体自分がやりたいことと合っていると応じたと伺っています。 その折、今後のグリーン成長戦略については、脱炭素の鍵を握る水素や洋上風力発電、蓄電池などに対して二兆円の基金を活用するなど、あらゆる政策を総動員していくべきだと併せて要請いたしました。 公明党としては、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素の排出量を減らし脱炭素社会を実現するためには、本県の強みでもあり、脱炭素社会実現の切り札とも言われる水素の普及をもっと加速する必要があると考えております。 また、太陽光、風力などの再生可能エネルギーや水素を中心とした地域ごとの地産地消エネルギーシステムを構築していくことが必要ではないかと考えております。 提言の中で、水素立国としての水素の導入拡大や供給コストの低減を目指し、水素の製造から利用までのサプライチェーンの構築や輸送設備の大型化に向けた検討を求めています。 本県ではこれまで、周南コンビナートの副生水素を活用した様々な取組が進められています。私も、本県での副生水素の活用については何度も質問してまいりました。とりわけ、本年二月定例議会における我が公明党の水素社会に向けた取組についてとの質問に対し、知事は、水素利用の拡大に向けた基盤づくり、新たな技術開発の促進による産業振興、水素利活用モデルの展開による地域づくりの大きく三つを柱に掲げ、水素先進県の実現を目指し、国の事業も活用しながら全力で取り組んでいくとの力強い答弁を頂きました。 こうした中、国土交通省では、国際物流の結節点、産業拠点となる港湾の機能の高度化などを通じて、カーボンニュートラルポートを形成し、水素などを活用した脱炭素社会の実現に貢献していくことを目指そうとしております。 現在、その対象として、本県の徳山下松港をはじめ、全国七港湾で検討が進められています。特に私の地元でもある徳山下松港では、水素等の次世代エネルギーの地産地消や、将来的には西日本エリアへの供給拡大などを目指すべきとして検討が進められていると聞いております。 さきの政府要望においても、将来のカーボンニュートラルポートの形成に向けた検討の推進について国に要望を行われたところであり、我が公明党としても、県内港湾でのカーボンニュートラルポートの形成を大いに期待しております。 そこでお尋ねいたします。水素など次世代エネルギー拠点としての港湾の利活用について、県では、今後どのように取り組まれていくのか、お伺いいたします。 二点目に、水素や太陽光など次世代エネルギーを活用した脱炭素地域づくりについてお尋ねします。 グリーン成長戦略を見ますと、二○五○年カーボンニュートラルの実現に向けて、今後、産業として成長が期待され、なおかつ温室効果ガスの排出を削減する観点からも取組が不可欠と考えられる分野として、十四の重要分野を設定しています。そのうち水素産業は、発電・産業・運輸など幅広く活用されるカーボンニュートラルのキーテクノロジーとして、エネルギー関連産業の中でも成長が期待される分野の一つとされています。 一点目の質問でも申し上げたとおり、県では、水素先進県の実現に向け様々な取組を進めてこられ、環境省の委託事業として実施される水素サプライチェーンの構築・実証事業は周南市を中心に進められ、来るべき水素社会の実現に大きな期待を寄せてきたところであります。 こうした中、先般、これまで進めてきた環境省の委託事業が今年度で終了し、それに伴い同事業の鍵とも言える燃料電池が撤去される予定との記事を目にいたしました。山口県における水素利活用の取組が後退するのかと正直なところ心配しておりましたが、今月初めには、本県における水素利活用に係る今後の取組に対し、国の支援を求める政府要望が行われたところであり、一安心したところであります。 さて、公明党地球温暖化対策推進本部が、カーボンニュートラルの実現に向けた提言を政府に提出したことはさきにも述べましたが、その提言では、水素など再生可能エネルギーの利用拡大とともに、国民運動の推進に向けた取組として、国民の行動変容を促すためのポイント還元制度、(仮称)グリーンポイント制度の創設なども盛り込んだところであります。 こうした中、国は四月に、地域脱炭素ロードマップ骨子案を発表し、全国百か所以上の脱炭素先行地域をつくり、脱炭素と地方創生の両立を目指すことといたしました。 その中では、取組の具体例として、再生可能エネルギーを活用した公共交通網の整備や、温室効果ガスの削減取組へのポイント制度などが上げられています。 さらに六月九日に発表した地域脱炭素ロードマップでは、地域脱炭素について、脱炭素を成長の機会と捉える時代の地域の成長戦略であり、自治体、地域企業、市民など地域の関係者が主役になって、今ある技術を適用して、再エネ等の地域資源を最大限活用することで実現でき、経済を循環させ、防災や暮らしの質の向上等の地域の課題を併せて解決し、地方創生に貢献できると記載されています。 こうした現在の社会的背景を鑑みると、県としては、これまで進めてきた副生水素を活用した様々な取組の成果も生かしながら、水素や太陽光など次世代エネルギーを民生分野に活用した脱炭素な地域づくりに取りかからねばならないと思います。 そこでお尋ねいたします。水素や太陽光など次世代エネルギーを積極的に民生分野に導入し、脱炭素な地域づくりを早急に進めるべきだと考えますが、県としてはどのように取り組まれるつもりか、御所見をお伺いいたします。 次に、教員による児童生徒への性暴力防止についてお尋ねします。 教員による児童生徒への性暴力対策を強化する、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が超党派の議員立法で五月二十八日成立いたしました。 わいせつ行為などで懲戒免職になった教員が免許の再取得を申請した場合において、都道府県教育委員会に交付を拒否する裁量を認めたことが柱であります。都道府県教委が、第三者による教育職員免許状再授与審査会での意見を聴いた上で、教員免許再交付の可否を判断できるようにしたことも特徴であります。 また、児童生徒へのわいせつ行為、つまり、わいせつ目的で体に触る行為や性的言動などについては、同意の有無にかかわらず、刑事罰の対象とならない行為も含め、児童生徒性暴力等と明確に定義し禁じたものであります。 ここで注目なのは、セクハラやわいせつ行為で免許を剥奪された人物など、免許取上げ処分を受けた教員の氏名や処分理由を、国が整備する全国共通のデータベースで情報共有することを規定したことにあります。知らなかったでは済まされませんし、不適格な教員が再び教壇に立つことは絶対に許されません。被害に遭って心に深い傷を負った児童生徒のことを思えば、免許の再取得を厳格化するのは当然の流れであろうと思います。 ただ、現行制度では懲戒免職になって免許を失効しても、三年の経過を経て教育委員会に申請すれば再交付されることになっていました。したがって、過去には性犯罪を犯した教員が、居住地を変更した先でその事実を隠し教員に再度任用され、わいせつ行為を繰り返していたという事例もあったようです。甚だ残念でなりません。 私は、今後は、学校や教育委員会の子供たちの被害を食い止めるんだという覚悟が問われているのではないかと思っています。今回のわいせつ教員対策法の成立を大きな一歩と評価する声がある一方で、事実として被害者や保護者が、その実効性について懸念を口にされています。子供たちにとって一番安全・安心で楽しい場所であるはずの学校で、このようなことがあってはなりません。 そこでお尋ねいたします。山口県教育委員会として、わいせつ教員対策法の成立を受け子供を性暴力から守るため、本県で実効性ある運用に向けて今後どのように取り組まれるのか、繁吉教育長の御所見をお伺いいたします。 最後に、運転免許証更新時における、優良運転者講習のオンライン化についてお尋ねします。 山口県内の運転免許保有者の状況は、令和二年末時点で九十万六千二百十九人、高齢化の進展で運転免許を保有する高齢者が年々増加傾向にあるようです。山口県警では、加齢に伴う身体・認知機能の低下を認識した運転の奨励、運転に不安を感じる高齢者が自主返納しやすい環境の整備にも取り組まれているところです。 県内の交通事故発生状況については、人身事故件数は平成十二年から二十一年連続で減少、負傷者数も平成十三年から二十年連続で減少しています。令和二年中の死者数は四十二人で、統計を取り始めた昭和二十六年以降最少とのことでした。 令和二年中の交通違反の検挙総数は八万八千五百五十三件であり、前年対比二千五百三十一件の増加となっております。特に無免許運転、飲酒運転、速度超過、交差点関連違反等の交通事故に直結する悪質・危険性の高い違反に重点を置いた交通指導取締りを推進し、我が党が何度も取り上げております可搬式速度違反自動取締装置での生活道路や通学路での取締りを推進することにより、運転者の交通安全意識の向上が図られた結果、交通死亡事故の減少につながったものだと思います。 こうした中、警察庁では令和六年度末までに優良運転者講習のオンライン化を目指すことになりました。北海道、千葉県、京都府、そして山口県の四道府県が、先行してモデル事業をスタートさせることになりました。警察庁によると、講習受講者数や地域バランスを考慮して選考したとのことであります。 県内の免許更新者数は約二十一万人で、そのうち優良運転者は約十万人と推計されています。私の経験では、総合交通センターはいつも混雑していて講習を受けるまでがとても大変です。地元の警察署であっても受付はやはり混雑しています。また、今はコロナ禍にあって、密な状況は新型コロナの感染リスクも高めてしまいます。 そこで、優良運転者講習のオンライン化が進めば混雑を回避でき、利便性の向上にもつながります。ぜひともこのオンライン化を推進していただきたいと願っております。 そこでお尋ねいたします。運転免許証更新時の優良運転者オンライン講習については、今後具体的にどのように進めていかれるのか、警察本部長にお伺いして、私の代表質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)上岡議員の代表質問にお答えします。 まず、コロナ禍での検査体制・医療提供体制の充実強化についてのお尋ねです。 新型コロナウイルス感染症は、本県では、昨年三月に第一例目が確認されて以降、一年三か月で約三千件に上る新規感染者が発生しており、今後も、新たな変異株の影響などにより、感染の再拡大が懸念されています。 このため、私は、今後とも、緊張感を持って感染拡大の防止に取り組むことが重要であると考えており、県民生活の安心・安全を確保するため、現在進めているワクチン接種の一層の加速化に併せ、引き続き、万全の検査体制及び医療提供体制の確保に努めてまいります。 まず、検査体制については、今後、急速な感染拡大にも対応できるよう、保健所に自動遺伝子検査装置の追加配備を行うとともに、民間検査機関の活用を図るなど、これまでより千件多い一日当たり七千五百件の検査を可能とし、短期間で集中的な検査需要に対応できる体制を確保してまいります。 また、今後、感染拡大が懸念されるデルタ株等の感染状況をいち早く察知し、早期に封じ込めるよう、ゲノム解析を行う検査機器を新たに環境保健センターに整備し、変異株への監視体制を強化することとしたところです。 加えて、四月から六月までの間、集中的に実施してきた高齢者施設等の従事者の検査についても、地域の感染状況に応じて、七月以降も検査を継続して実施するなど、クラスター発生の未然防止の徹底を図ってまいりたいと考えています。 次に、医療提供体制ですが、まず、感染患者の受入れ病床については、医療機関の御協力を得て、人口比では全国上位となる五百二十七床を確保するとともに、爆発的な感染拡大局面に備え、緊急時対応として、さらに百床の増床を図ることで、合計六百二十七床まで確保できる体制を整備したところです。 また、受入れ病床の確保に合わせ、コロナ治療終了後も入院管理が必要な患者の受入先となる後方支援医療機関として二百床確保し、受入れ病床の効率的な運用と、コロナ治療後の患者に対するきめ細かな支援を行うこととしています。 さらに、無症状者等が療養を行う宿泊療養施設についても、これまでの県央部、県西部に加え、新たに県東部に開設し、県全体で四百八十室を確保したところであり、引き続き、安心して療養できる体制の充実を図ってまいります。 私は、県民の命と健康を守ることを第一に、今後とも、関係機関との連携の下、検査体制及び医療提供体制の充実を図り、感染防止対策に積極的に取り組んでまいります。 次に、コロナを乗り切る生活困窮者支援についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症の影響による収入の減少等により、日常生活の維持が困難となっている方々や、経済的基盤の弱い独り親世帯に対して、その生活を支えるため、きめ細かな支援を行うことは大変重要です。 このため、私は、これまで市町や関係機関と連携の上、相談体制の充実を図り、様々な困難を抱える県民の皆様に寄り添いながら、適切な支援の実施に努めてきたところです。 こうした中、お示しのとおり、国においては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化していることから、生活福祉資金の特例貸付けの申請期限を八月末まで延長するとともに、この貸付けを既に利用した世帯等を対象として、新たに生活困窮者自立支援金を支給するなどの追加支援策を決定しました。 県としては、これらの支援策に係る所要の経費を六月補正予算に計上したところであり、国の制度をしっかり活用しながら、途切れのない迅速な支援を行っていくこととしています。 具体的には、必要とされる方々に確実に支援が行き届くよう、新たな国の制度について、ホームページ等により周知を図るとともに、県や市町の福祉事務所等に設置している窓口において、日常生活上の様々な問題についての相談に丁寧に対応していくこととしています。 また、支援が遅滞なく行われるよう、貸付けや支給の手続については、申請の簡素化や郵送による受付などにより、迅速な給付に努めてまいります。 さらに、経済的な支援に合わせ、今後の生活の立て直しに向け、就職活動や各種福祉サービスの利用も含め、個々の実情に応じた総合的な支援につなげていくこととしています。 こうした取組に加え、これまでも全国知事会を通じ、特例貸付けについての償還免除の要件緩和や償還期間の弾力的運用等を国に求めてきたところですが、引き続き、生活困窮者への支援の充実に向け、必要に応じて要望を行ってまいります。 私は、独り親世帯や生活に困窮されている方々が、コロナ禍が長期化する中にあっても安定した生活を送ることができるよう、今後とも、市町や関係機関と一体となって支援に努めてまいります。 次に、デジタル・ガバメントの推進についてのお尋ねにお答えします。 私は、デジタル・ガバメントを構築することは、行政サービスの利便性向上や業務の効率化に資することはもとより、県民の皆様がこれまで以上の豊かさと幸せを実感できるデジタル社会を形成する上でも、重要な基盤になるものと考えています。 このため、やまぐちデジタル改革基本方針においても、デジタル・ガバメントやまぐちの構築を施策の柱の一つに掲げ、デジタル推進局を中心に全庁を挙げて、また市町とも一体となって様々な取組を進めているところです。 このうち、行政手続のオンライン化については、これが県民の皆様にとってデジタル・ガバメントへの入り口ともなるため、多くの方が利用し優先度の高い手続から速やかにオンライン化を進めており、これまでに県関係の手続では、申請件数ベースで約七割のオンライン化を実現いたしました。 今後、対象手続をさらに拡大してまいりますが、これに併せ、デジタルに不慣れな方を含めて、誰もが手軽に、そして安心してデジタルによるサービスを利用できる環境を整えていくことが必要であると考えています。 このため、お示しの国の講習会事業も活用し、高齢者等のデジタル活用をサポートする体制を整備するとともに、専門家の意見も取り入れながら、分かりやすく、扱いやすいインターフェースの構築・改善や、全てのオンライン手続が一覧できる総合案内サイトの開設等を行ってまいります。 さらに、手続をオンライン上で完結させることができるよう、手数料等のキャッシュレス化や、法令改正により可能となった電子契約の推進に向けた実証等にも取り組むこととしています。 また、マイナンバーとの関係では、国は、令和四年度末を目標に子育てや介護など、特に国民の利便性向上に資する三十一の手続をマイナポータルで実施可能にするとしており、本県としても、できるだけ早期に実現を図ってまいりたいと考えています。 このため、現在、県と市町による連携会議にワーキンググループを設け、国の動向やシステムに係る課題等を共有し、対応を検討しているところであり、マイナンバーカードの普及促進とともに、県全体でマイナポータルを活用した手続を着実に増やしていけるよう、取組を鋭意進めてまいります。 さらに、デジタル化をてこに業務を刷新し、行政の構造改革を進めることも重要と考えており、昨年度以降、RPAや議事録作成支援システム等におけるAIの導入を順次進めるとともに、本年度からは、市町との共同利用も実施することとしています。 私は、今後とも市町としっかりと連携を図りながら、常に利用者である県民の皆様の目線に立って、人に優しく高品質なサービスを提供する、そうしたデジタル・ガバメントの構築に全力で取り組んでまいります。 次に、カーボンニュートラル実現に向けた取組に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、水素など次世代エネルギー拠点としての港湾の利活用についてです。 本県経済の屋台骨である瀬戸内沿岸の基礎素材型産業をはじめとする基幹産業が、国際競争を勝ち抜くためには物流の効率化を実現し、コストの縮減に寄与する港湾の機能強化を図ることが極めて重要です。 このため、私は、やまぐち維新プランの重点施策に、企業の国際競争力強化に資する港湾の機能強化を掲げ、国際バルク戦略港湾施策の推進や各港の特性に応じた施設整備等に全力で取り組んできました。 一方で、地球温暖化対策の推進という国際的な流れを受け、県内企業においても、石炭火力発電におけるバイオマスの利用拡大や次世代エネルギーへの転換の検討など、二酸化炭素の排出を抑制するための取組が始められているところです。 こうした中、昨年十二月に国土交通省から、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化等を通じて、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルポートの形成に取り組む方針が示され、先行的に検討する港として徳山下松港など全国七港が選定されました。 これを受け、県では、国と連携し、関係企業や学識経験者等で構成された徳山下松港カーボンニュートラルポート検討会を立ち上げ、二酸化炭素の排出削減方策や、水素などの潜在的需要を踏まえた利活用方策等について、今後の技術開発等も見据え、目標時期に応じた取組の検討を進めてきました。 その結果、当面は、石炭とバイオマス等の混焼によるエネルギーミックスにより二酸化炭素排出量の削減に努めつつ、将来的には、西日本エリアの次世代エネルギーの供給拠点港への進化を目指し、背後企業と一体となった徳山下松港のさらなる発展に取り組むこととしたところです。 今後、県では、国の動向や関係企業のニーズを踏まえつつ、次世代エネルギー拠点としての港湾の利活用が図れるよう、徳山下松港やその他の重要港湾においてカーボンニュートラルポートの形成に向けた検討を進めていきます。 私は、脱炭素社会においても、国際競争を勝ち抜くための産業基盤となる港湾の機能強化に積極的に取り組んでまいります。 次に、水素や太陽光など次世代エネルギーを活用した脱炭素地域づくりについてです。 地域の脱炭素化に向けては、豊富な日射量やコンビナート企業から発生する大量で高純度の水素など、本県が有する地域資源を最大限に活用し、持続可能な地域づくりを進めていくことが重要です。 また、国においては、カーボンニュートラルの実現に向けた暮らしや社会分野での工程表として、住宅・建築物への再エネ導入をはじめ、地域特性に応じた取組を示した地域脱炭素ロードマップを策定したところです。 こうした国の動きは、今年三月に改定した、山口県地球温暖化対策実行計画の方向性と整合しており、県では、この計画に基づき、水素や太陽光など次世代エネルギーの利活用をはじめとした民生部門における温室効果ガスの排出削減の取組を積極的に進めていくこととしています。 まず、本県の強みである副生水素の地域での利用については、環境省の委託事業により、周南・下関地域での活用事例の蓄積や、周南市から下関市に液化水素を輸送して利用する地域間連携が進んでおり、こうした成果を踏まえ、水素先進県の実現に向けた取組を引き続き推進してまいります。 次に、太陽光等の再エネの利用については、太陽光発電や省エネ設備との組合せにより、従来の住宅に比べ二酸化炭素排出量を大幅に削減できるネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを対象とした補助制度を創設し、家庭での導入を促進します。 また、再エネの地域内での有効活用に向けて、今年度から地域に分散する太陽光発電や蓄電池、電気自動車等をネットワーク化して、効率的に電力量を制御する実証事業を開始し、エネルギーの地産地消モデルづくりに取り組むこととしています。 さらに、ロードマップで示された脱炭素地域づくりの取組を実行に移していくには、主体的な役割を担う市町の取組が活性化していくことが重要であることから、市町、県、国等で構成する検討会議を新たに設置し、関係機関が連携して地域における対策を強力に推進していきます。 私は、今後とも、国の動きや社会情勢を的確に捉え、県民や市町、事業者、関係団体等と一体となって、水素や太陽光など次世代エネルギーを活用した脱炭素地域づくりに積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)教員による児童生徒への性暴力防止についてのお尋ねにお答えします。 学校教育は、信頼という基盤の上に立って行われるべきものであり、子供たちを守り育てる立場にある教員による性暴力等は、子供たちの権利を著しく侵害し、生涯にわたって回復し難い心理的外傷等を与えるため、断じて許すことができない行為です。 そのため、これまで県教委では、市町教委と連携して綱紀保持対策チームを設置し、重点取組事項として児童生徒へのわいせつ行為を含むハラスメントの根絶を掲げ、未然防止に向けた教員研修や学校の取組を保護者等と共に点検する委員会の実施など、各学校における綱紀保持の取組を徹底強化を図ってきたところです。 また、今年度から新たに教員の採用に当たり、試験の願書に刑罰・処分歴を記入する欄を設けて志願者の経歴を把握するとともに、わいせつ行為による懲戒処分等により教員免許状の失効や取上げがあった者の氏名や失効事由を過去四十年間にわたって検索できる国のシステムを活用しているところです。 こうした中、国においては、本年六月、教員等によるわいせつ行為から子供たちを守ることを目的とした教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が公布されました。 この法律では、施行に先立ち、文部科学大臣が、関連施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な指針等を定めるよう規定されています。 今後示されるこの指針等を踏まえ、本県においても、国が整備するとされている新たなデータベースの活用や、早期発見のための通報・相談体制の整備など実効性ある取組を進めてまいります。 また、子供たちへのわいせつ行為による懲戒処分等により教員免許状の失効や取上げがあった者への再授与の可否については、法に基づき組織されることとなる教育職員免許状再授与審査会の意見を聴いた上で、厳正かつ適切に判断してまいります。 県教委といたしましては、子供たちが安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、市町教委と連携しながら法に基づく取組を確実に推進し、教員による性暴力等の根絶に向けてしっかりと取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)谷警察本部長。 〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 警察本部長(谷滋行君)優良運転者講習のオンライン化についてお答えします。 議員お示しのとおり、警察庁では、令和六年度末をめどに優良運転者講習のオンライン化を全国導入する方針であり、本年度、本県を含む四道府県において、調査研究のためのモデル事業が先行スタートされることになっております。 県警察としましても、本事業は免許更新手続における県民の利便性の向上につながるものであり、新型コロナウイルスの感染リスク要因である三密対策にも資する環境を構築するものとして意義深いものと考えており、警察庁の行う本事業に積極的に参画し、現場における課題等を抽出して警察庁に報告することなどを通じ、本事業がよりよいものとなるよう制度設計に寄与してまいりたいと考えております。 現在、県警察においては、オンライン講習を希望される方が、講習の受講、更新の申請、運転免許証の受領までの一連の手続をスムーズにできるよう、モデル事業開始に向けた諸準備を進めているところです。 具体的には、まず、対象となる優良運転者の方には、更新はがきの中にオンラインで講習を受講することができる旨を記載してお知らせすることとしております。 次に、受講要領については、スマートフォンなどの操作に不慣れな方でも戸惑うことなくオンライン講習を受けることができるよう、県警ホームページに詳しく、分かりやすく操作手順を載せることとしており、また、講習で使用する動画については、対面式で行う講習と同様の効果が望めるよう、現下の交通情勢を反映させた内容のものにすることとしております。 さらに、その後の更新手続がスムーズにいくよう、山口県総合交通センターや利用者の多い警察署等の免許窓口には、必要に応じてオンライン講習専用窓口や専用レーンを設置するとともに、来庁された全ての方がスムーズに手続できるよう、案内看板や動線を整備し、分かりやすい免許窓口にすることとしております。 今後、令和六年度末の本運用を見据え、県民の皆様にとってオンライン講習が有益なものとなるよう、引き続き、警察庁と緊密に連携をしながら準備を進めてまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時五十分休憩