代表質問 1 コロナから県民の命と暮らしを守る取組の強化について 2 危機管理体制の強化について 3 障害者等が活躍できる共生社会の実現について 4 幹線道路網の整備促進について 5 米軍岩国基地問題について 6 教育行政について
───◆─・──◆──── 日程第二 代表質問 日程第三 議案第一号から第十三号まで、議案第十五号及び第十六号 議長(柳居俊学君)日程第二、代表質問を行い、日程第三、議案第一号から第十三号まで、議案第十五号及び第十六号を議題とし、質疑に入ります。 代表質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において順次発言を許します。 友田有君。 〔友田有君登壇〕(拍手) 友田有君 皆さん、おはようございます。自由民主党の友田有です。 令和三年九月定例会に当たり、自由民主党会派を代表して、県政の諸課題について、知事及び教育長に質問します。 質問に先立ち、一言申し上げます。 先日、菅義偉総理は、任期満了に伴い、今月に行われる自民党総裁選挙に立候補しないことを表明されました。菅総理は、昨年九月の就任以降、デジタル政策の一元化や携帯電話料金の引下げなどの改革に強い指導力を発揮され、着実に成果を上げてこられました。 そして、何よりこの一年間は、新型コロナウイルス感染症という未曽有の国難に対峙され続け、デルタ株の影響により感染拡大が長期化するという不測の事態の中で、ワクチン接種の加速化などに力を注いでこられました。 私どもは、菅総理・総裁が果たされたこの一年間のかじ取りに、深く敬意と感謝を申し上げるところでございます。しかしながら、コロナとの闘いに気を抜くいとまは片時もありません。菅総理も、退任までコロナの感染拡大防止に専念すると述べられています。 私ども自由民主党は、菅総理・総裁、そして、新総裁の下でこれまで以上に一致団結してコロナ危機を乗り越え、国民・県民の命と健康を守り、社会経済活動を回復させるため全力を挙げるとともに、本県の将来にも大きな影響を及ぼすことが想定されるカーボンニュートラル、デジタル化という社会構造改革に対しても、さきの議会で設置された二つの特別委員会において、本県が抱える課題をしっかりと捉えた政策論議を行い、本県のさらなる発展につなげてまいります。 また、自民党総裁選挙、首相指名選挙後には、我が国の今後の行く末を大きく左右する重要な国政選挙である、参議院山口県選挙区補欠選挙、そして、衆議院議員総選挙が待ち受けています。 我が党は、我が国と国民の将来を守り抜く責任政党としての務めを果たすため、日本の復活を山口からを旗頭に、参議院補欠選挙における我が党公認候補の圧倒的勝利と、来る衆議院総選挙における必勝に向け、組織一丸となって戦い抜く決意であることを申し上げ、通告に従い質問いたします。 初めに、コロナから県民の命を守る取組の強化についてお尋ねします。 ワクチン未接種の世代を中心に、全国各地でデルタ株による新規感染者の数が急拡大し、これまで低く抑えられてきた重症者の数も急増しています。特に、都市部では保健所の体制や医療提供体制が逼迫し、自宅療養者が急増するなど、極めて厳しい状況に陥っています。 本県では、これまでも医療提供体制の拡充に取り組むとともに、感染拡大防止に向けた県民の皆様の御協力を頂きながら、幾度となく押し寄せる感染拡大の波を乗り切ってきました。しかしながら、デルタ株に起因したこのたびの第五波により、これまでに経験したことのない感染拡大に直面した結果、県民の不安感、閉塞感が急速に高まっています。 こうした中、最優先でなすべきことは、県民の命を守ることであり、急激な感染拡大の中にあっても、必要な県民が必要な医療を受けられる医療提供体制を維持していくことに尽きます。 このためにも、症状の重い方が安心して入院できる病床を確保するとともに、家庭内での感染防止に有効な、軽症者や無症状者のための宿泊療養施設の確保に最大限取り組んで行く必要があります。 同時に、急激な感染拡大の中で、医療提供体制への負荷を少しでも軽減するためには、このたびの飲食店への時短要請など、一定の副作用を伴う感染防止対策を行わざるを得ません。 このたびの集中対策に伴い実施した、時短営業を余儀なくされる事業者への協力金の支給や、売上げが減少する事業者への支援金を措置されたことは、高く評価をいたします。 一方、今回の感染急拡大の中にあっても、高齢者を中心にワクチン接種を終えた国民の多くは発症、重症化を免れており、このたびのデルタ株に対してもワクチン接種の高い効果が示されています。 全国トップクラスのワクチン接種率が、本県の医療提供体制の維持、県民の大きな安心に寄与していることは間違いありません。希望する県民の皆様へのワクチン接種を一日でも早く実現するためにも、引き続き、全力を挙げて取り組んでいただくことを強くお願いいたします。 また、コロナ禍の長期化、先行きの不透明感も加わり、飲食・宿泊業を中心とした中小企業の経営が極めて厳しい状況に陥っており、さらなる支援が必要だと切実な声を頂いています。 このため、我が自由民主党山口県連は公明党山口県本部と連名で、先月二十四日、県内中小企業の既往債務の償還・据置期間の見直しについて、金融機関、県信用保証協会との、緊密に連携した支援策を講じるように、県に要請したところです。 このたびの補正予算では、さきの要請に対する支援措置が計上されるなど、スピード感を持って対応されたことを高く評価しており、引き続き、中小企業の経営安定に向けた格別の支援に御尽力いただきますよう改めてお願いいたします。 るる申し上げましたが、昨年から続く自粛疲れに加え、このたびの感染の急拡大により、これからどうなってしまうのだろうかという強い不安感、また、対策を守っても効果が薄いのではないかという諦めの気持ちが、県民の間に広がりかねないと懸念しています。 県民のこうした不安感や閉塞感を払拭するためにも、一日も早い社会経済活動の回復を視野に、このたびの感染拡大の危機を乗り越えるための対応を、スピード感を持って進めていただきたいと思うのです。 そこでお尋ねいたします。デルタ株に起因した急速な感染拡大に直面する中、県民の不安を解消し、命と暮らしを守る取組を今後どのように進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、危機管理体制の強化についてお尋ねします。 近年、全国において、毎年のように台風や梅雨前線等による豪雨災害が発生するとともに、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震と、各地で震度六を超える巨大地震が発生しており、山口県においても、過去十二年間に五度の大規模な豪雨災害が発生し、尊い人命や財産が失われています。 また、地球温暖化に伴う気候の極端化現象によるスーパー台風とも呼ばれる巨大な台風の発生や線状降水帯がもたらす豪雨、南海トラフなどの巨大地震の発生も懸念される中、県内においても未曽有の大災害が発生する危険性が高まっており、ハード・ソフトの両面から防災・減災対策の強化を図る必要があると考えます。 さらに、このような天災に加えて、県内においては、大島大橋への貸物船衝突事故や上関大橋の劣化による段差発生などにより、離島と本土を連絡する主要な交通インフラが遮断され、地域の産業や住民生活に多大な影響を及ぼす事態が発生しています。特に、上関大橋や青海大橋など、老朽化した橋梁の損傷は、このような事態が県内各地で発生しかねない予兆とも言え、早急な対応が求められています。 このため、人口減少社会が到来する中にあっては、道路や港湾などの社会基盤を新たにつくる時代から、本格的な維持管理の時代を迎えた今、橋梁など公共施設の適切な維持管理や長寿命化対策は重要な課題であり、引き続き、長期的な視点で、計画的に取り組む必要があると考えます。 また、常日頃から、これらの社会基盤をしっかりと維持管理することはもとより、事故や災害などの緊急時に迅速かつ的確に対応を図ることは、県民の安心・安全を確保する上で、最も重要な課題です。 そこで二点のお尋ねをいたします。 まず、頻発する大規模災害や突発的な事故などが発生した場合における危機管理対応について、これまでの知見も踏まえて、どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、組織面の整備についてです。 県においては、デジタル技術を活用したインフラメンテナンスを推進されるなど、橋梁をはじめとした公共施設の適正な維持管理に努められていることは承知していますが、七月に静岡県熱海市で発生した盛土の崩壊による土石流災害の案件では、土木職出身の難波副知事が陣頭指揮を執られていたように、災害発生時の緊急対応や、高度化する施設管理について、技術的な視点で取り組む司令塔が不可欠と考えます。 本県においても、土木建築部にそういう司令塔となるポストを設置することも必要だと考えますが、組織面の強化について、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、障害者等が活躍できる共生社会の実現についてお尋ねいたします。 障害のある方が、住み慣れた地域で自立し、安心して生活できることは、御本人や御家族にとって切なる願いであり、そのためには障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会の実現を図ることが重要となります。 こうした中、共生社会を育む契機として、多様性と調和を基本理念とする東京パラリンピックが先日開催されました。 本県ゆかりのある選手としては、マラソンの道下選手、柔道の廣瀬選手、車椅子バスケットボールの財満選手の三名が出場され、どの選手もすばらしい活躍をされましたが、私の地元下関市の出身である道下選手におかれましては、圧巻の走りにより、本県出身者では初の金メダリスト、また二大会連続でのパラリンピックメダリストとなられ、大変誇りに思っております。 また、このたびの東京パラリンピックにおける全てのパラアスリートの活躍は、多くの方の記憶に刻まれ、障害のある人とない人を結ぶ、共生社会に向けた大きな架け橋となったのではないかと思います。 共生社会の実現に当たっては、これまで、平成二十八年に障害者差別解消法が施行されたところでありますが、本年五月、事業者による合理的配慮の提供の義務化、障害者差別解消に向けた支援措置強化などに係る改正が行われ、令和六年までの施行に向けて、今後は一層の相互理解の推進が求められております。 特に、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響下において、マスクの着用や社会的距離の確保など、県民の生活環境は大きく変化しておりますが、聴覚に障害を持つ方からは、マスクでは口元が見えず、何を言っているのか分からない、視覚に障害を持つ方は、触ってものを確かめることがはばかられる等、障害者にとって新たに不自由を感じる環境の変化でもあり、県民や事業者が適切な配慮ができるように促していく必要があります。 また、発達障害においては、いわゆるグレーゾーンと呼ばれる、障害のある方とない方のはざまにおいて、社会生活の中で困難を感じている方もおられます。 私も、障害を持つ方への支援に携わっておりますが、発達障害の症状を有する方で、その日の体調により障害の発生や程度が異なり、障害基準を満たさないがために手帳の交付対象とならないため、円滑な就労もできないというケースがありました。 このような方に対する県民の理解促進などについては、まだまだ課題があるのではないかと考えております。 障害のある方が安心して生活をしていくためには、こうした課題に対応し、県として共生社会の実現に向けた方向性を示し、県民にしっかりと理解していただく必要があります。 東京パラリンピックで芽生えた共生の意識の高まりを契機とし、国の法改正も踏まえ、今こそ特色ある条例の制定に踏み出すべきではないでしょうか。 そこでお尋ねします。障害の有無に関わらず、誰もが生き生きと活躍できる共生社会の実現に向け、県では、今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、幹線道路網の整備促進についてお尋ねします。 幹線道路網は社会経済活動を支える重要な基盤であり、産業力の強化や交流・物流のさらなる拡大、さらに災害時にも機能する信頼性の高い道路網の構築を図るためには、幹線道路網の整備促進は必要不可欠です。 本年七月に公表された、やまぐち未来開拓ロードプランの中間評価では、広域交通拠点からアクセス性の向上などで一定の成果が上がる一方、最終目標の達成には、引き続き、幹線道路網の整備を重点的に、計画的に進める必要があることが示されました。 これまで我が会派は、山陰道をはじめ、下関北九州道路や岩国大竹道路などの幹線道路網の整備促進を強く訴えるとともに、議会と執行部、関係団体等が一体となって、国への要望活動も粘り強く行ってまいりました。 こうした努力の結果、山陰道では、今年度、大井・萩道路、益田・田万川道路の二区間が新規事業化されましたが、県内の整備率が約一七%にとどまっている現状を鑑みれば、俵山・豊田道路などを含めた事業中区間の整備を着実に進めるべきだと考えます。 一方、先月行われた山陰道長門・下関建設促進期成同盟会の国への要望において、下関・長門両市長は、県北西部の発展のためには、山陰道を中国縦貫自動車道に早期に接続する必要があることを挙げ、三隅・長門間や豊田・下関間の早期事業化を求めました。 我が会派も、山陰道がその機能を最大限発揮するためには、連続した高速道路網の構築が必要だと考えており、県には、未着手区間の早期事業化を国に強く働きかけ、全線整備を一日も早く実現していただきたいと思うのです。 また、下関北九州道路は、国や関係県市、経済団体や青年会議所などの地元の総力を挙げた活動が実を結び、本年度から都市計画や環境アセスメントを進めるための調査という段階に移行し、現在、具体的な検討が進められています。 先月行われた関係団体から国へのウェブ要望では、柳居議長をはじめ、本県議員連盟の役員も参加し、赤羽国土交通大臣に地元の熱い思いや早期事業化を直接訴えましたが、当該道路の整備を、関門地域をはじめ本県の発展につなげるためには、今後も地元の声を国にしっかり届けながら、事業化への取組を強力に推進していかなければなりません。 さらに、他の地域高規格道路や国道などの幹線道路についても、事業中区間の早期完成や未着手区間の事業化に向けて積極的に取り組み、全県における幹線道路網の構築を迅速に進めていくべきではないでしょうか。 そこでお尋ねします。本県のさらなる産業力強化や交流拡大、国土強靱化を図るため、幹線道路網の整備促進について、今後どのように取り組むのか、知事の御所見をお伺いします。 次に、米軍岩国基地問題についてお尋ねします。 空母艦載機の移駐が完了して約三年半が経過しました。御承知のとおり、基地周辺地域は、長年、基地があるゆえに産業の振興が阻害されてきており、これに加えて、艦載機移駐により増加した騒音などの負担を、地元の住民や自治体は抱え続けています。 このため、我が会派が中心となる基地議連では、移駐の判断がなされる前から、県執行部や地元市町と一体となって、安心・安全対策はもとより、市町や県への交付金などの地域振興策が、負担や貢献に見合うものとして、目に見える形で措置されるよう、国への要望活動を積極的に展開してきたところです。 こうした中、喫緊の課題となっているのが、市町への再編交付金です。 国は、艦載機移駐など米軍再編に伴う負担の増加に配慮し、再編を円滑に実施するため、法に基づき、協力する市町村に対してこれまで措置してきましたが、今年度で岩国基地周辺市町への交付が終了します。 地元市町は、再編交付金が、産業の振興や住民生活の利便性の向上に資する施策の推進だけでなく、基地に対する住民の理解促進にも重要な役割を果たしていることから、交付金制度の継続を強く求めています。 基地議連としても、移駐後の負担や地元のこれまでの国防に対する協力・貢献などを踏まえると、当然のことと考えており、これが実現するよう、繰り返し要望してまいりました。 去る七月十四日にも、岸防衛大臣等に対し、知事や地元の市町長共に特別要望を行い、直接、地元の切実な思いを伝えたところです。要望に対し、岸大臣から、再編交付金終了後の施策については重要でありしっかり対応する旨の力強い回答が示されましたが、来年度以降の施策において、地元の意向が反映されるよう、国に確実に対応していただきたいと考えています。 一方、令和九年度まで交付が予定されている、県の再編関連特別地域整備事業、いわゆる県交付金については、基地周辺地域の産業振興を図る上で、県の広域的な役割も重要であることから、基地議連として、国に制度創設や拡充等を要望し、実現につながりました。 県では、基地に起因する広域的な課題を解決するという県交付金の趣旨に沿って、地域産業の基盤づくりや、このたびの補正予算にも計上されている県立武道館の整備をはじめとした交流拠点づくりなどに、計画的にかつ有効に活用されており、その効果も表れてきていると考えていますが、地元のニーズを踏まえた、さらなる事業の充実も期待されます。 そこでお尋ねします。市町再編交付金や県交付金は、基地周辺地域の振興に極めて重要な役割を果たしていますが、知事は今年度で交付が終了する市町再編交付金について、どのように認識し、今後どのように対応されるのか、また、県交付金について、今後どのように活用されるのか、知事の御所見をお伺いします。 最後に、教育行政についてお尋ねいたします。 昨年来からの新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響は多方面に波及し、かつ長期にわたっており、昨年には全国一律に数か月間に及ぶ臨時休業が行われるなど、教育の分野においても多大な影響を及ぼしています。 特に、ここ数か月は、従来株から感染力の強いデルタ株への置き換わりが進む中で、全国的に新規感染者数が急速に増加しており、また、このたびのいわゆる第五波では、これまでの高齢者を中心とした感染から、若い世代へと感染が拡大しています。 本県においても、この夏季休業期間中に部活動の場面でのクラスターが確認されるなど、学校関係での感染も生じており、夏休みを終え、学校生活が再開された今、今後の児童生徒の感染者の増加が懸念されるところです。 このような中、先月、萩生田文部科学大臣は閣議後の記者会見において、新学期を迎えるに当たり、国としての一斉休業は行わず、できる限り子供の学びの機会を守っていくと力強く表明されました。 我が会派としても、これからの時代を担う全ての子供たちに対し、予測不可能な未来社会を力強く生きていくための教育を、片時も止めることなく進めていく必要があると考えています。 そのためには、学校において、まずはこれまで行ってきた感染症対策の警戒度を格段に高め、いま一度、基本的な感染症対策の徹底を図っていくことが重要となります。 また、感染の拡大防止のため、感染状況等に応じ、臨時休業措置等を取る場合にも、子供たちが確実に学びを継続できるよう、昨年度より全国に先駆けて整備した一人一台タブレット端末等のICT機器を効果的に活用するなど、児童生徒の学ぶ内容に応じて、各家庭等で学習を安心して進められるよう取り組むことも必要です。 さらには、部活動や運動会、修学旅行など、学校内外での教育活動についても、感染防止対策の徹底をはじめとし、可能な限り、子供たちが不安なく参加できる環境づくりが求められます。 県教育委員会には、あらゆる対策を講じて、学校教育活動を継続し、児童生徒や保護者が不安を抱くことなく、全ての子供たちの学びの機会や質を、確実に保障していく取組を進めていただきたいと思うのです。 そこでお尋ねします。デルタ株による若い世代への感染が拡大する中で、児童生徒の安心・安全を確保しつつ学びを保障するため、県教育委員会としてはどのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いしまして、自由民主党会派を代表しての質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)友田議員の代表質問にお答えします。 まず、コロナから県民の命と暮らしを守る取組の強化についてのお尋ねです。 長期間に及ぶコロナとの闘いにおいて、私は、医療提供体制の確保と感染拡大の防止、そして、感染防止対策の切り札として期待が高いワクチン接種の促進が、何より重要であると考えています。 こうした中で、感染力の強い変異株の影響等により、七月以降、全国的に感染が拡大し、本県においてもクラスターの発生等により新規感染者が急増し、医療提供体制の逼迫が見られる状況となっています。 このため、感染患者の受入れ病床については、人口比では全国的にもトップクラスの五百三十三床に加え、今月から二十五床を追加で確保するとともに、宿泊療養施設についても、さらに百室を確保することにより、医療提供体制の強化を図ったところです。 また、県内での感染拡大を防止するため、先月十三日から、デルタ株感染拡大防止集中対策を実施し、県民や事業者の皆様に、県外との従来の自粛や外出機会の半減等をお願いするとともに、先月三十日からは、より強い措置として、飲食店等への営業時間の短縮を要請したところです。 しかしながら、感染状況は依然として厳しい状況にあることから、飲食店等への営業時間の短縮要請を含む集中対策を、今月二十六日まで二週間延長することとし、この延長に伴う協力金の支給等に必要な予算案を本日提出いたしました。 また、急激な感染拡大の影響は多くの事業者に及んでおり、私は、このたびの補正予算案においても、事業活動の継続に向けた取組を力強く進めてまいります。 具体的には、感染拡大の影響を受けて売上げが大幅に減少した事業者に対しては、新たな支援金を支給することとしており、さらに集中対策の延長等を踏まえて、支援金額を増額補正することとしています。 加えて、制度融資である新型コロナウイルス感染症対応資金の元金返済が始まる中小企業が、据置期間の延長など返済計画の見直しを行う際に追加で必要となる信用保証料を全額補助することにより、中小企業の経営安定を図ってまいります。 また、感染拡大の厳しい局面を打開するワクチン接種については、実施主体である市町や、医師会など関係機関と連携し、いち早く取り組んだ結果、全国で最も早く二回目を接種した方が六割を超えるなど、高い進捗で接種が進んでいます。 私は、おおむね十月末までに、希望する県民の皆様の接種を完了できるよう、引き続き、市町や関係機関との連携を緊密にし、ワクチン接種の促進に努めてまいります。 こうした中、先般、国において、ワクチン接種が進む中における日常生活回復に向けた考え方が示されました。 今後は、国が具体化を進める行動制限の縮小・見直しを参考に、本県としても、感染拡大を防ぎながら、社会経済活動の再開に向けた取組を進めたいと考えています。 私は、県民の皆様の命と暮らしを守ることが最重要課題との認識の下、引き続き、国や市町と連携し、感染拡大防止と一日も早い社会経済活動の回復に、スピード感を持って全力で取り組んでまいります。 次に、危機管理体制の強化についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、大規模災害や突発的な事故などが発生した場合の危機管理対応についてです。 全国的に激甚化・頻発化する自然災害や突発的な事故などの危機事象から、県民の命や生活を守るためには、平時からの防災・減災対策の強化に加え、発災時における防災・危機管理体制の整備や対応力の向上を図ることが極めて重要です。 このため、防災・減災対策の強化に向けては、国土強靱化五か年加速化対策を活用した公共インフラの老朽化対策や、逃げ遅れゼロの実現を目指した地域の避難体制づくりの促進など、ハード・ソフト両面から取組を進めています。 また、このような緊急事態が発生した場合には、迅速に初動体制を確立し、部局横断的に対応できるよう体制の整備を図っているところです。 これまでの災害や大島大橋・上関大橋における事故、新型コロナウイルス感染症への対応などから、事態の収束には、迅速な初動対応や的確な情報収集を行い、私を先頭に、県庁全体で対応していくことが重要であると改めて認識したところです。 私は、予想し得ない大規模災害や突発的な事故などの危機事象に対し、こうした対応から得られた知見を県庁全体で共有し、職員の危機管理意識の向上と対応力を高めるとともに、市町や防災関係機関と連携し、引き続き、防災・危機管理対応に取り組んでまいります。 次に、組織面の整備についてです。 県では、大規模災害や有事等の緊急事態に迅速かつ的確に対応するため、平成十八年四月に防災危機管理課を設置し、総合調整を担う危機管理監を配置したほか、平成三十一年四月には、部次長級の危機管理監を理事に格上げするなど、危機管理体制の強化を図ってきました。 また、大規模災害が発生した際、道路や河川等の復旧を担う土木建築部においては、関係出先事務所と緊密に連携して被災状況を把握するとともに、必要に応じて本庁から土木技術職員を現地に派遣し、緊急車両等の通行ルートの確保や応急復旧などを機動的に行っているところです。 一方、橋梁などの公共施設の老朽化対策については、これまでも計画的に実施してきたところですが、昨年発生した上関大橋の損傷等を踏まえ、新たにデジタル技術等を活用した予防保全型の維持管理への転換を一層進めるなど、より効果的・効率的に取り組むこととしています。 こうした公共施設の維持管理を計画的に進めていく必要があることに加え、近年、自然災害が激甚化・頻発化する中で、熱海市で発生した土砂災害を受けた、盛土による災害防止対策など、技術的な見地から横断的な対応が求められる課題が顕在化しているところです。 このため、これらの課題に迅速かつ的確に対応できるよう、御指摘の点もしっかり受け止め、危機管理における専門性も踏まえた組織面の強化について検討してまいります。 次に、障害者等が活躍できる共生社会の実現についてのお尋ねにお答えします。 障害のある方が住み慣れた地域で自立し、安心して生活していくためには、障害に対する社会全体の理解を深め、障害のある方に対する偏見や差別をなくしていくことが重要です。 このため、私は、やまぐち維新プランにおいて、誰もがいきいきと輝く地域社会実現プロジェクトを掲げ、県民誰もが多様な障害の特性を理解し、ちょっとした配慮を実践する、あいサポート運動を県民運動として積極的に展開するなど、障害への理解促進に取り組んでいるところです。 こうした中、本年五月に、障害を理由とする差別の解消を一層推進することを目的として、障害者差別解消法が改正され、差別解消に向けた支援措置の強化などが盛り込まれたところです。 さらに、先日閉幕した東京二〇二〇パラリンピックでは、パラアスリートが自らの障害と向き合いながらひたむきに挑戦する姿が、障害のある方のみならず、県民に大きな夢と希望を与えてくれました。 私は、この大会を契機として生まれた、障害や障害のある方に対する関心と共生の意識の高まりを持続させ、共に支え合う共生社会の実現に向けた取組を、これまで以上に推進していかなければならないとの強い思いの下、本県独自の条例の制定に向け、取り組むこととしたところです。 条例の検討に当たっては、今般の法改正により、事業者による合理的配慮の提供が義務化されるとともに、相談に対応する人材の育成など、差別解消に向けた支援措置の強化が求められることから、法の趣旨の徹底をはじめ、差別解消に向けた取組を一層推進してまいりたいと考えています。 また、お示しのように、コロナ禍において、障害の特性により、これまでと異なる日常生活に不自由を感じている方や、身体障害者手帳等の交付に至らないものの、日常生活等が困難な障害のある方に対しても、理解が進み、適切な配慮が実践される環境づくりを促進してまいります。 さらに、本県の実情に沿った条例となるよう、新たに障害者団体や事業者団体等で構成する検討組織を立ち上げるとともに、県議会の御意見を伺いながら、具体的な内容等について検討を進めることとしています。 私は、今後とも障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、全力で取り組んでまいります。 次に、幹線道路網の整備促進についてのお尋ねにお答えします。 私は、活力に満ちた産業や活気ある地域の中で、県民誰もがはつらつと暮らせる山口県をつくっていくため、本県の強みや潜在力を最大限に生かした産業力の強化や交流の拡大、さらには、災害に強い県づくりに全力で取り組んでいます。 こうした取組を進める上で、お示しのとおり、その基盤となる幹線道路網の整備が不可欠であることから、やまぐち未来開拓ロードプランに基づき、重点的・計画的に進めているところですが、その整備はいまだ道半ばです。 このため、私は、政府要望や知事会等、あらゆる機会を通じて、国に対し、幹線道路網の整備促進と、このために必要となる予算の確保などを求めてきたところです。 こうした中、中国自動車道や山陽自動車道と一体となって高速交通体系の根幹をなす山陰道については、今年度、二区間が新規事業化されるなど、全線整備に向けた動きが加速しています。 引き続き、高速交通体系の早期構築に向け、地元期成同盟会と連携しながら、俵山・豊田道路などの事業中区間の一日も早い完成はもとより、三隅・長門間をはじめとした未着手区間の早期事業化に積極的に取り組んでまいります。 また、下関北九州道路については、今年度、都市計画や環境アセスメントを進めるための調査に移行されるなど、その実現に向け着実に前進しています。 この動きを加速するため、先月十八日に、議員連盟役員の方々と共に、赤羽国土交通大臣に早期事業化を訴え、あわせて、この道路が地域の観光資源としてのポテンシャルを高め、地域の活性化につながるよう検討を要望しました。 大臣からは、一日も早くよい道路を造るということを地域と共有しながら進めていきたいとの大変力強い発言を頂き、私としても、一層強い覚悟で臨んでいくことを決意したところです。 引き続き、当該道路の早期実現に向けて、下関青年会議所などの地元の取組とも協調しながら、その機運をより一層高めるとともに、関係県市や経済界と緊密に連携し、国に強く働きかけていくなど、積極的に取り組んでまいります。 さらに、岩国大竹道路などの地域高規格道路や国道二号などの幹線道路についても、地元市町と連携し、事業中区間の早期完成や未着手区間の早期事業化に向けた取組を精力的に進めていく考えです。 私は、「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、引き続き、県議会の皆様方のお力添えを頂きながら、幹線道路網の整備促進に積極果敢に取り組んでまいります。 次に、米軍岩国基地問題についてのお尋ねにお答えします。 基地周辺地域の住民や地元市町は、空母艦載機の移駐により増加した騒音や事故等への不安、社会基盤整備等の新たな財政需要などの負担を、今後も抱え続けていくこととなります。 こうした中、お示しのように、市町再編交付金の交付が今年度で終了しますが、地元市町は、交付金が住民に果たしてきた役割や移駐後の地域の実情、艦載機移駐受入れという多大な負担と貢献を踏まえ、これらに見合う制度の継続を強く求めています。 私も、同じ認識の下、来年度以降の交付金について、激変緩和措置ではなく、恒久的な制度として継続し、これまでと同様の十分な財源措置とすることが不可欠であると考えています。 こうしたことから、地元の思いをしっかりと国に伝えるため、国の来年度予算概算要求前の七月に、県、地元市町、基地議連の合同で、岸防衛大臣等と面会し、特別要望を実施したところです。 岸大臣からは、令和四年度以降の施策は重要と考えており、現在、増加した負担に対し、どのような形で基地周辺住民の方々を支援することが可能かについて検討しているところであり、引き続き検討を進め、来年度予算編成において、しっかりと対応していくとの回答がありました。 私は、現在、国において、この方針に沿って具体的な検討が進められていると受け止めていますが、来年度予算案に確実に反映されるよう、引き続き、基地議連のお力添えを頂きながら、地元市町と共に、国の対応を求めてまいります。 一方、県交付金については、今後とも、県の広域的な役割を踏まえながら、地元のニーズに対応した産業振興や交流促進等に、ハード・ソフト両面から積極的に活用していきたいと考えています。 具体的には、道路、港湾など産業インフラの整備や、東部地域の産業振興センターの整備に向けた検討、外国人向けビジネス支援など、地域産業の振興に資する取組を充実させてまいります。 また、日米間の相互理解を促進するため、公立中学校への国際交流支援員の配置や文化交流活動への支援などを実施するとともに、スポーツを通じた日米交流の拡大等の観点から、お示しの県立武道館の整備についても着実に進めていく考えです。 県としては、引き続き、地元のニーズをしっかりと把握しながら、施策のさらなる推進に努めるとともに、そのために必要となる確実な予算措置と制度の運用改善について、国に要望してまいります。 私は、今後とも、市長や県への交付金などにより、岩国・和木・大島地域の振興策が一層充実するよう、地元市町や基地議連と一体となって、全力で取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)教育行政についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症については、県内においても、感染力の強いデルタ株の影響により、若い世代への感染が拡大しており、学校教育においては、これまで以上に感染防止対策の徹底を図りながら、子供たちの学びを保障していくことが重要であると考えています。 このため、県教委では、八月二十六日から県立学校における地域の感染レベルを最も高いレベル三に引き上げ、この期間中は、国の衛生管理マニュアルに基づき、基本的な感染症対策を改めて徹底することや、教室における座席の間隔を可能な限り確保すること、グループワークなどの感染リスクが高い教育活動は実施しないことなどを、学校に指示したところです。 加えて、レベル三における県独自の対応として、児童生徒・教職員が、県外との往来を伴う全国大会や県内の大会等に参加する際には、PCR検査を実施するとともに、日頃の部活動については、原則校内のみの活動とし、他校との練習試合や合宿等については実施しないこととしています。 このように、教育活動に制約がある中で、各学校では新学期を迎えることになりましたが、本県では当面、地域一斉の臨時休業は行わないこととし、各学校で学習内容や活動内容を工夫しながら、可能な限り学校の教育活動を継続していくことができるよう、新しい生活様式を踏まえた学習指導についての留意事項をまとめ、改めて通知したところです。 また、体育祭や文化祭、修学旅行等の学校行事については、子供たちの思い出に残る有意義な教育活動であることから、感染防止の観点から、やむを得ず中止する場合を除き、感染症対策の徹底と保護者の理解を前提に、実施することを基本としています。 一方、感染防止のために、学校が臨時休業や分散登校等を実施せざるを得ない場合や、感染状況により、やむを得ず学校に通えない児童生徒がいる場合には、子供たちが家庭でも安心して学習を続けられるよう取り組む必要があります。 その際には、一人一台タブレット端末等のICT機器を活用した同時双方向型のオンライン授業や、クラウド上にアップした学習課題等により、自宅における学習を行うとともに、児童生徒等の状況を的確に把握できるよう、オンラインによるホームルームや電話による健康観察なども実施してまいります。 県教委といたしましては、新型コロナウイルスの感染の拡大という、これまでに経験したことのない局面においても、子供たちの学びを止めることなく、安心・安全を確保しながら教育活動が継続できるよう、学校や市町教育委員会とも連携しながら、全力で取り組んでまいります。