1 治水対策の推進について 2 農山漁村における女性の活躍推進について 3 工業用水の安定供給体制の強化について 4 ICTの利活用による特別支援教育の充実について 5 子供の通学路安全対策とドライバーの歩行者保護意識の向上対策について 6 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十三号まで、第十五号及び第十六号 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十三号まで、第十五号及び第十六号を議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 山手康弘君。 〔山手康弘君登壇〕(拍手) 山手康弘君 皆様、おはようございます。自由民主党の山手康弘です。 コロナ禍と呼ばれるようになり、はや一年半近くが経過しました。この間、日本では暗く、そして閉塞感が漂っていました。 しかし、この夏、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、日本人選手団のメダル獲得ラッシュに大いに国内が沸きました。選手の皆様は国民に感動や希望、とりわけ、山口県ゆかりの選手の活躍には、私たち県民もたくさんの元気を頂きました。 特に我が家では、パラマラソン日本代表の道下美里選手がまだマラソンに転向する以前、トラック競技に参加していた頃、親族が道下選手のガイドランナーをしていたこともあり、金メダル獲得の瞬間は、やった、すごいと歓喜に沸きました。 また、海外に目を向けますと、メジャーリーグでエンゼルスの大谷翔平選手が日本人初のホームラン王に向け、ブルージェイズのゲレーロ・ジュニア選手とのタイトル争いに目が離せません。日本を離れ、果敢に奮闘している大谷選手、さきの東京オリパラに続き、日本人が世界で通用する時代が来たんだと、本当に勇気を頂いているところです。 ということで、令和三年九月定例議会一般質問最終日、チーム自由民主党のトップバッターとして、通告に従い、一般質問をさせていただきます。 最初に、治水対策の推進についてお尋ねいたします。 近年、自然災害が頻発化・激甚化していることから、私はこれまで機会があるごとに、ハード・ソフト両面から防災・減災対策の推進について訴えてきました。洪水対策を求める平成三十年の一般質問に対しては、河川整備計画に基づき、中長期的な視点で計画的に実施する河川改修を着実に進めるとの御答弁を頂きました。その言葉どおり、国土強靱化の取組が県内各地で進んでおり、非常に力強く感じているところですが、その取組は道半ばであり、河川整備などの治水対策を今後一層進める必要があると考えています。 今夏は梅雨明けが例年より早く、本県においても比較的大きな被害もなく安心していましたが、西日本から東日本にかけて、前線が長期にわたり停滞した影響で、八月十一日からは各地で記録的な豪雨を記録し、全国各地で爪痕を残しました。 私の地元におきましても、長雨による総雨量は四百ミリ近くに達しました。 平成三十年の西日本豪雨災害の際に三日間で四百七十ミリ近くの降雨が記録され、本県東部の各地で数多くの災害が発生したことはまだ記憶に新しく、住民の意識の中には、今回の長雨でも、またあのときのような大災害になるのではないかという危機感を多くの方が抱いていました。 そのような中、八月十四日昼頃、岩国市を流れる東川の擁壁護岸が一部流出し、玖西地区の三つの自治会に避難指示が出されました。流域住民からは、一日も早い護岸復旧を求める声や、河川管理者である県と市町とが連携した内水氾濫対策の推進などに対して強い要望が上がっています。 今回の長雨により玖西地区で浸水被害が発生しなかったことは、国土強靱化の一環として、島田川下流において大幅な河川改修やしゅんせつを行った効果によるものと考えており、大変ありがたく感じています。 しかし、内水氾濫対策の効果を高めるには、内水が流入する河川側の機能向上が必要だと考えており、河川管理者である県には、市町と連携した治水対策をより一層推進していただきたいと思っております。 また、平成三十年の西日本豪雨災害から三年が経過する中、県東部の河川護岸にダメージが蓄積していることも懸念されています。護岸が決壊して大規模な浸水被害が発生することが決してないよう、護岸の保全維持を徹底し、豪雨災害などにより損壊した場合には速やかに復旧するなど、流域住民を全力で守る取組が求められるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。県民の生命・財産や安心・安全な暮らしを守るため、河川護岸の整備などをはじめとした治水対策を推進していくべきだと考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 次に、農山漁村における女性の活躍推進についてお尋ねいたします。 七月下旬、岩国市多田の農産物直売所「FAM‘Sキッチンいわくに」の来店者が通算八十万人に達し、記念式典がありました。二○一八年三月の開店以来、地産地消をモットーに、地元で作られた農産物や加工品を店頭に並べ、一日平均で約千人ものお客さんが来店されているそうです。 私もよく買物に行くのですが、店内では女性の生産者グループが直売イベントを定期的に開催されており、多くのお客さんでにぎわっています。私は、生き生きと働く女性グループの活躍を見るたびに、本県農林水産業のさらなる成長の可能性を感じています。本県農林水産業が今後、大きく飛躍していくには、農山漁村の女性がその力を最大限発揮できるよう後押しをしていくことが必要です。 県においては、これまで山口県農山漁村女性に関する中長期ビジョンを策定し、農山漁村女性の地位向上や社会参画などに取り組まれ、農業委員など各種方針決定の場における女性の登用率の向上や女性起業グループの増加など、一定の成果を上げてこられました。 こうした中、農山漁村女性のさらなる活躍の推進に向けては、生産活動と生活の調和の取れた働きやすい環境づくりが欠かせません。 私の友人の中に、岩国市で花卉や野菜を生産している女性農業者がいます。今はお子さんが中学生になり、あまり手がかからなくなったようですが、お子さんが幼い頃には、毎日圃場へ連れて行き、おんぶをしながら作業をしていました。あの頃は大変だったなと笑って話す彼女に、たくましさを感じる一方で、農業と家事・育児を両立することの大変さを感じずにはいられませんでした。 農山漁村では、依然として家事・育児は女性の仕事であるとの意識が高く、男性に比べ女性の負担が重くなる傾向にあります。このため、女性のさらなる活躍に向けては、こうした意識を改革し、男女が生産活動と家事・育児を分担できるような環境をつくっていくことが必要ではないでしょうか。また、女性の抱える課題やその解決策を共有し、みんなで支え合う仕組みがあれば、農山漁村における女性の活躍の幅も広がってくるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。本県農林水産業のさらなる成長に向けては、農山漁村の女性が力を発揮できるような環境づくりが必要と考えますが、県として今後、農山漁村における女性の活躍推進にどのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、工業用水の安定供給体制の強化についてお尋ねいたします。 本県の瀬戸内沿岸地域には、基礎素材型産業や化学産業などを中心に数多くの企業が集積し、本県産業の中核的な役割を担っております。それら企業が安心して生産活動を行うためには、港湾、道路、工業用水道などの産業インフラがしっかり整備されていることが大変重要となります。 その中でも、工業用水道は、冷却や洗浄、原料用など様々な用途で使われる工業用水を各企業に良質かつ低廉な料金で供給する、生産活動に欠かせないインフラであります。本県においては、昨年七月から新たに島田川工業用水道が給水を開始し、工業用水の供給力が一層強化されたことは記憶に新しいところです。 また、本県の工業用水は、日本一の給水能力を誇り、これは他県に比べて大きなアドバンテージであることから、この強みを企業誘致の取組にも生かして、本県産業力のさらなる強化につながることを期待しているところです。 さて、我が国の公共インフラは高度経済成長期に集中的につくられたものも多く、本県の工業用水道施設についても建設から四十年から五十年がたった現在、本格的な更新時期を迎えており、老朽化対策が喫緊の課題となっております。 実際に、私自らも河川を横断する水管橋で漏水が発生しているところを目撃し、企業局の取水場の近くであることから、急いで企業局に確認したところ、それは工業用水の施設ではないことが判明しましたが、漏水はいつでも起こり得ること、そして老朽化対策を早急に進める必要があることを実感したところです。 近年、国においては国土強靱化を進めておりますが、これは大規模自然災害時において人命を守り、経済社会が致命的な被害を受けず、被害を最小化して迅速に回復する、強さとしなやかさを備えた国土・経済社会を構築することを目指すものです。最近では、この回復力や復元力を表すレジリエンスという言葉を耳にする機会も増えました。 災害がいつどこで発生するか見通すことは到底できないことから、工業用水道においても、中長期的な視点に立った備えをあらかじめ講じておく必要があると感じています。あってはならないことですが、産業の血液とも称される工業用水の供給が滞ってしまえば、企業の生産活動がストップし、本県産業にとって致命的な影響が生じることは言うまでもありません。 県内企業が今後も安心して生産活動を続けていけるよう、企業局は工業用水のサプライヤーとして供給責任を果たしていく必要があります。地震や水害などによる大規模自然災害の発生時においても被害が生じない、あるいは被害を最小限に抑え、ユーザーへの供給に支障がないよう、施設の耐災害性の強化を一層進めていく必要があると考えています。 そこでお尋ねいたします。工業用水道施設の老朽化が進み、災害発生に備えた対応もこれまで以上に求められる中、企業局では工業用水の安定供給体制の強化にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、ICTの利活用による特別支援教育の充実についてお尋ねいたします。 昨年、本県において新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着きを見せていた頃、私は、感染対策を講じながら、当時所属していた文教警察委員会の委員として田布施総合支援学校を視察させていただきました。その際、喫茶サービスを通じて、接客に関する知識や技術、実践的な態度・マナーなどについて学ぶことができる、はぐくみカフェを拝見いたしました。 生徒たちは、それぞれ役割分担の上、丁寧に、かつ生き生きと接客等しており、私は、そうした子供たちがそれぞれの障害の特性等に応じて一生懸命に取り組む姿に心を打たれるとともに、子供たちが自分にもできると手応えを感じて取り組むその表情は、とても輝いたものであったと、今でも強く印象に残っています。 さて、このように特別支援教育については、障害のある子供たちの自立と社会参加を見据えて、一人一人の教育的ニーズに的確に応えていくことが重要となります。 こうした中、本年一月、国の有識者会議において、新しい時代の特別支援教育の在り方に関する報告が取りまとめられ、そこでは、障害のある児童生徒へのICT利活用等による特別支援教育の質向上等について示されたところです。 ICTは、障害のある子供に対して、その障害の状態や発達の段階等に応じて活用することにより、学習の効果を高めることはもちろんのこと、学習上または生活上の困難を改善・克服し、これまでできなかった学習等ができるようになる可能性を有しています。 私は、教育現場においてICT端末を活用することについては、特別支援教育にこそ、最も効果的であり、今後も、障害の程度にかかわらず、さらに子供たちの学びを促し、その可能性を最大限に伸ばしていくためには、ICTの利活用が必要不可欠であると考えています。 そのため、県教委には、障害のある児童生徒が、それぞれの実態に応じて、一人一台端末をはじめとするICT機器を積極的に活用し、かつ、その障害等による教育的ニーズに対応しつつ学習できる体制を整備する必要があると考えています。 また、ICTの利活用に当たっては、子供一人一人の障害の状態等に応じて効果的な方法が異なることや、子供によっては一人で機器を使用することが困難な場合等も想定されることから、教員のICT活用指導力の向上も求められます。 二月議会において我が党の賛成討論でも触れさせていただきましたが、本県においては、教育の分野でもデジタル改革を進める予算を措置し、国のGIGAスクール構想の前倒しも踏まえ、特別支援学校を含む全ての県立学校に一人一台端末を整備されたところであり、今こそ、このICT環境を最大限活用し、本県の特別支援教育をさらに進めていただきたいと思うのです。 そこでお尋ねいたします。児童生徒一人一人の障害の状態等に応じた適切な指導及び必要な支援を行うため、特別支援学校において一人一台端末が整備された状況を契機として、ICTの利活用による特別支援教育の充実にどのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 最後に、子供の通学路安全対策とドライバーの歩行者保護意識の向上対策についてお尋ねいたします。 本年六月二十八日、千葉県八街市において小学校から下校中の小学生の列にトラックが衝突して、五名が死傷するという本当に痛ましい交通事故が発生しました。八街市では、五年前にも同じ小学校の下校中の列に車両が衝突するなどして四人が重軽傷を負う交通事故が発生しています。 事故のあった通学路は、幹線道路から外れた、いわゆる抜け道として利用されており、その危険性が指摘され、地元自治体や学校関係者からは、歩道やガードレールの設置などを求める声があったということですが、迅速な対応がなされずに、今回のような悲しい事故が発生してしまったことは本当に残念でなりません。 私の地元である岩国市では、通学する小学生の見守り活動として交通当番というものがあり、通学する子供の安全確保のための対策を子供の保護者やボランティアの方が行っています。 千葉の事故と同様のケースとして、玖珂郡和木町でも子供の通学路であるゾーン30を横切る形で家屋に衝突して車両が停止するという事故がありました。たまたま事故が発生した時間が子供の登下校時間帯ではなかったものの、一歩間違えれば千葉県の事故と同様に大惨事になっていた可能性もあります。 県警では毎年小学校へ入学する保護者と新一年生に対して、信号機の見方や横断歩道の渡り方等を学ぶ交通安全教室を行うなど、子供や保護者に対する交通安全教育を行い、一方でドライバーへの歩行者保護意識の向上を図るため、交差点や横断歩道での交通指導取締りを強化していると承知しています。これらの取組が一定の効果があると考えていますが、今回の千葉県八街市の事故は、これまでの対応だけでは防ぐことができない事故だと思います。 事故のあった通学路は、事故後に制限速度が六十キロから三十キロに引き下げられたということが報道されていましたが、山口県内の通学路においても条件が類似した状況の道路もある可能性は十分にあると思われることから、きめ細やかな点検、対策を進めていくことが何より重要ではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。県内の危険な通学路における子供を守るための安全対策、ドライバーの歩行者保護意識向上対策について、既に対応中だとは思いますが、今後さらにどのように取り組んでいかれるのか、県警本部長の御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)山手議員の御質問のうち、私からは農山漁村における女性の活躍推進についてのお尋ねにお答えします。 高齢化の進展等に伴い、地域の担い手が減少する中、農山漁村女性の活躍を積極的に推進することは、本県農林水産業のさらなる成長や中山間地域の活性化を図る上で、極めて重要です。 このため、県では、第三次山口県農山漁村女性に関する中長期ビジョンに基づき、市町や関係団体等と連携し、農山漁村で働き、暮らす女性の視点から、諸施策を推進してきたところです。 この結果、女性参画のメリット等についての理解が広く浸透し、農業協同組合総代や農業委員に占める女性の割合が、全国トップクラスの水準となるなど、女性の方針決定の場への参画は着実に進んでいます。 一方、本県農林漁業における担い手の減少及び高齢化は、全国平均を上回るペースで進展しており、本県農林水産業の持続的・安定的な発展を図るためには、お示しのとおり、農山漁村女性が力を発揮できる環境づくりが必要です。 このため、私は、本年七月に農山漁村女性の働き方等に関する指標を見直し、働きやすい環境づくり、ネットワークづくり及び応援体制づくりの三つの視点から、次代を担う農山漁村女性への取組を強化することとしています。 まず、働きやすい環境づくりとしては、生産活動や家事・育児の役割分担等を進めるため、経営方針や就業環境等を定める家族経営協定の締結やライフステージに応じた見直しを進め、特に新規就業者等、若い世代への取組を推進します。 次に、ネットワークづくりとしては、女性が抱える生産現場や家庭内の課題や悩みの解決に向け、地域の経営体の中心的な役割を担うステキ女子の意見交換会やオンラインによるセミナー開催等により、支え合う仕組みを構築します。 さらに、応援体制づくりとしては、地域で活躍する女性の取組を後押しするため、特産品等の魅力を発信するマルシェの開催や新商品開発など、六次産業化に向けたステキ女子の活動を応援する企業等とのマッチングを支援します。 私は、市町や関係団体等と連携し、男女共同参画の推進の観点に立って、女性が輝く地域社会の実現に向け、農山漁村における女性の活躍推進に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)治水対策の推進についてのお尋ねにお答えします。 近年、気候変動に起因する記録的な集中豪雨等による災害が、全国で頻発・激甚化しており、こうした災害から県民の生命・財産を守るためには、河川整備などの治水対策は極めて重要であると考えています。 このため、県では、これまでも、比較的発生頻度の高い洪水に対しては、河川改修などのハード対策を進め、施設の能力を上回る洪水に対しては、住民の避難に資する情報の提供を柱としたソフト対策を進めているところです。 具体的には、まず、ハード対策では、お示しの島田川など、甚大な浸水被害を受けた河川等において、河川整備計画に基づき、中長期的な視点で川幅の拡幅や堤防の整備などを着実に実施しているところです。 加えて、河川内の土砂掘削は事業効果の早期発現に極めて有効であることから、東川など小規模な河川において、必要に応じ、緊急浚渫推進事業の予算等も活用し、土砂掘削を実施しているところであり、引き続き、浸水被害の軽減に努めてまいります。 なお、土砂掘削は、水位上昇を抑制し、内水による浸水被害を軽減する効果もあることから、市町による内水対策の効果が最大限発揮できるよう、今後も、緊密に連携し、工事を実施していく考えです。 また、定期的に実施している河川巡視の点検結果等を踏まえ、治水上支障のある箇所等については、施設の補修を速やかに行うなど、河川の適切な維持管理にも、引き続き、取り組んでまいります。 次に、ソフト対策については、災害から命を守るため、何よりも県民の皆様に適切なタイミングで確実に避難をしていただくことが重要であり、的確な情報発信に努めているところです。 今年度から新たに、簡易型水位計と河川監視カメラの運用を開始したところであり、今後も、これらの機器の増設などにより防災情報の一層の充実強化を図っていくこととしています。 県としては、県民の安心・安全の確保のため、引き続き、ハード・ソフト両面から治水対策の推進に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)正司公営企業管理者。 〔公営企業管理者 正司尚義君登壇〕 公営企業管理者(正司尚義君)工業用水の安定供給体制の強化についてのお尋ねにお答えします。 工業用水道は、本県の産業力の強化に欠かせない重要な産業インフラであることから、お示しのように、本県の工業用水道施設の多くが本格的な更新時期を迎える中、安定供給を確保するための施設整備を着実に進めていくことが重要です。 このため、施設の老朽化に対応し、漏水等の事故も未然に防止できるよう、適切な維持管理の下、施設の健全度や重要度に応じて、更新時期の最適化や事業費の平準化等を図りながら、計画的に更新を進めているところです。 頻発する自然災害の発生時においても、施設の被害を最小限にとどめ、断水することなく給水が継続できるよう、耐震性能の低い水管橋や配水池などの耐震対策や、電気・機械設備等の浸水や停電時の対策などにも取り組んでいます。 また、大規模な災害等で施設が損壊した場合でも、代替ルートにより給水機能を維持し、ユーザーへの供給に支障が生じないよう、バックアップ体制の強化を進めています。 具体的には、周南地区において主要管路のループ化や二条化を実施してきたほか、宇部・山陽小野田地区でのバイパス工事や下関地区での二条化工事など、県内各地で整備を行っているところであり、本県の工業用水道全体の耐災害性の強化や強靱化について、引き続き、計画的かつ総合的に推進していきます。 こうしたハード面での取組に加え、ソフト面においても、事故や災害の発生時に迅速な初動体制を確保し、給水が継続できるよう、毎年の災害対応訓練や、技術や経験の伝承など、職員の技術力の一層の向上に取り組んでいます。 また、工業用水道の被災等を想定し、ユーザーとも連携して策定するBCP、すなわち、事業継続計画のガイドラインが、国から今年度中に示される見込みであることから、これに呼応し、ユーザーの貯水能力の実態調査を行うなど、新たなBCPの策定に向けて取り組んでいるところです。 なお、これらの取組を着実に進めていくため、的確な将来見通しに基づいて、経費支出の効率化を図るとともに、適正な収入の確保に努めていきます。 企業局としては、ユーザーへの供給責任を果たし、県内サプライチェーンの競争力強化を支えるためにも、今後ともハード面、ソフト面の両面から、工業用水の安定供給体制の一層の強化に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)ICTの利活用による特別支援教育の充実についてのお尋ねにお答えします。 ICTは、子供たちの学習意欲を高め、主体的な学びを促進する上で有用であり、一人一人の障害の状態等に応じて効果的に活用し、子供たちの可能性を広げていくことが重要であると考えています。 このため、県教委では、特別支援学校に一人一台タブレット端末を整備し、やまぐちスマートスクール構想に掲げる一人一人に合った学びで力を引き出す学校の取組の一つとして、特別支援教育におけるICTの利活用を進めています。 具体的には、一人一人の障害に応じたカスタマイズの方法等を各学校に周知するとともに、通常の端末操作が困難な子供たちの学習を支援するため、目の動きで入力することができる機器等を導入したところです。 こうした中、お示しの国の有識者会議の報告において、ICT利活用による特別支援教育の質の向上が示されたところであり、今後は、ICTを活用して障害の状態等に応じた学習を進める体制の整備や、教員のICT活用指導力の向上に向けた取組が必要であると考えています。 このため、まず、体制の整備に向けては、特別支援学校の校内体制等について協議する推進協議会や、教員間で活用上の工夫や課題等について情報交換を行うオンラインミーティングを定期的に開催することとしています。 また、各学校の組織的な取組を促進するため、県教委と大学等が連携して、ICTの利活用を校内で中核となって進めるリーダーの養成に取り組んでまいります。 次に、教員のICT活用指導力の向上については、障害の状態等に応じた活用方法や、ICTを活用した授業の在り方などを学ぶ教員研修を計画的に実施するとともに、各学校を訪問し、必要な助言を行ってまいります。 また、教員が、特別支援学校の子供たちの多様なニーズに対応できるよう、各学校のICT活用の好事例を蓄積して、教員を支援するためのウェブサイトである、やまぐちICT新たな学びラボに掲載することとしています。 県教委といたしましては、整備したICT環境を最大限に活用して、障害のある子供たちが自信を持って主体的に学習に取り組み、自らの可能性を伸ばしていけるよう、特別支援教育のさらなる充実に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)谷警察本部長。 〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 警察本部長(谷滋行君)子供の通学路安全対策とドライバーの歩行者保護意識の向上対策についてのお尋ねにお答えいたします。 このたびの千葉県の痛ましい事故を受け、県警察では、教育委員会や道路管理者等と連携し、ハード・ソフトの両面から各種対策を行っているところです。 議員お示しのとおり、通学路における子供の安全を確保していくためには、きめ細かな点検や対策を着実に進めていくことが重要であると考えております。 例えば、通学路における危険な箇所の抽出に当たっては、これまでの道路が狭い、見通しが悪いといった箇所に加え、車の速度が上がりやすい見通しのよい道路や大型車の進入が多い幹線道路の抜け道などの観点も踏まえて、関係機関と協議しながら、危険性の排除に努めてまいります。 また、これまでも、通学路において最高速度を三十キロに区域規制するゾーン30を実施してまいりましたが、今後は、道路管理者とのより一層の連携の下、ゾーン30プラスとして、地域住民との合意形成も丁寧に行いつつ、路面に段差をつけるハンプや部分的に道路幅員を狭くする狭窄などの物理的デバイスの設置により、ゾーン内の速度をより確実に抑制し、抜け道としての通過交通量の減少を図っていく取組も進めていく方針です。 さらに、こうしたハード面の対策に加えて、ドライバーの歩行者保護意識の向上を図るため、交通事故実態や住民からの取締り要望等を踏まえ、登下校時間帯における可搬式オービスを活用した速度違反取締り、信号機のない横断歩道において県下一斉に広報啓発や、横断歩行者妨害違反の取締りを行う、横断歩道まもロード作戦などのソフト面の対策もさらに強化してまいります。 折しも、今月下旬には、秋の全国交通安全運動が実施されます。家庭、学校、職場、地域が一体となった活動を推進し、ドライバーを含め全ての県民に対する交通安全意識の向上に努めてまいります。 県警察においては、通学路における子供の安全確保、さらには、ドライバーの歩行者保護意識の向上に向け、引き続き関係機関・団体等とも連携しながら、ハード・ソフト両面からの総合的な対策をしっかりと推進してまいります。