1 地域建設業の育成について 2 再生可能エネルギーの普及について 3 耕畜連携の推進について 4 文化資源を活用した観光振興について 5 信号機減少社会における交差点安全確保対策について 6 その他
議長(柳居俊学君)坂本心次君。 〔坂本心次君登壇〕(拍手) 坂本心次君 おはようございます。自由民主党の坂本心次です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 まず最初に、地域建設業の育成についてお尋ねいたします。 道路や港湾等の公共インフラは、私たちの日常生活や経済活動を支える重要な基盤であり、その整備や維持管理等を担う建設産業は、良質な社会資本を形成するとともに、地域経済・雇用を支え、住民の安心・安全な生活を守る地域の基幹産業の一つです。 また、近年は自然災害が年々頻発化・激甚化してきていますが、こうした大規模災害の発生時において迅速な対応が求められる災害応急対策や、緊急車両の通行を確保する道路啓開、さらにはインフラの機能回復に向けた災害復旧工事など、災害現場の最前線で中核的な役割を果たしているのが地域の建設業者であり、その社会的使命は極めて大きいものがあります。 しかしながら、近年の建設産業の動向を見ますと、就業労働者数の大幅な減少などに伴い、県内の建設業者数はピークだった平成十一年度に比べて約七割にまで減少しており、とりわけ中山間地域においては都市部と比較して減少が著しく、貴重な存在となっているのが実態ではないかと感じております。 私としては、このような状況が続けば、建設産業が担う社会的使命を果たせなくなるのではないかと強く懸念をしているところです。 こうした課題を解消するためには、県内の各地域に一定数の建設業者が確保できるような取組を進め、社会資本の整備や地域活力の創出、地域防災力の維持などの取組が持続可能となるような体制を構築していくことが求められていると思うのです。 そのためには、就業労働者の減少や進行する高齢化への対策として、将来を担う若年層の建設産業への就労促進や定着支援などを一層進めるとともに、建設産業のほかの工種への新規参入、また、新たな事業に取り組む意欲的な業者を育成する取組を進め、建設産業の裾野を広げることが必要ではないでしょうか。 また、現在県で進められている建設ICTは、建設現場の生産性の向上や就労環境の改善に大きな効果が見込まれ、建設産業の人手不足解消に直結することから、県内業者のICT導入を支援する取組を進めるべきだと考えます。 さらに、中山間地域の支え手でもある建設産業は減少が著しく、その経営体制も小規模なものが多い一方、地域を熟知しており、災害時には迅速な対応が可能であるなど、地域活力の創出や地域防災力の維持に欠かせない存在です。そのため、地域に密着した工事を対象として、地域内の業者に限定して指名を行う地域活力型指名競争入札や分割発注などを最大限活用しながら、こうした地域の建設業者の受注機会を適切に確保していくことも重要だと思うのです。 そこでお尋ねいたします。本県の基幹産業である建設産業が将来にわたってその社会的役割をしっかりと担えるよう、地域建設業の育成について、今後どのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、再生可能エネルギーの普及についてお尋ねいたします。 地球温暖化対策のために、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を二○五○年までに実質ゼロにしようという取組が国内外で動き出しております。七月に示された国のエネルギー基本計画の素案では、再生可能エネルギーの割合を三六%から三八%として、今の計画から一○ポイント以上引き上げる方針が打ち出されました。 このような中で、現在、私の地元周南市鹿野地区、そして岩国市と島根県の吉賀町の三地域にまたがる風力発電所の建設計画について、発電事業者による調査検討が行われています。 風力発電は発電時に二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーですので、エネルギーの多くを輸入した化石燃料に依存している我が国において、エネルギー安全保障の観点からも、地球温暖化対策という観点からも、さらなる導入を目指すべき大切なエネルギーです。 また、風というポテンシャルは、その地域の資源でもあります。地域の雇用や資本を活用しつつ、その地域資源を有効に利用していくことは、地域経済の活性化にもつながることが期待できますので、事業者には、丁寧に地元住民の方々へ説明をし、計画への理解が得られれば、しっかりと進めていただきたいと思います。 一方で、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーは、発電量が天候や季節といった環境的要因に左右され、安定しづらいという点や、大規模なものになると消費地から遠く離れた立地となる場合が多く、家庭やオフィスなどに届くまでのロスが大きいという課題もあります。 このため、今後、再生可能エネルギーを増やしていくためには、大規模な施設だけではなく、住宅用の太陽光発電などの比較的小規模な施設の設置や、電気自動車・蓄電池などの蓄電機能を持つ設備と連携した活用を進め、地域内にエネルギーを分散して、エネルギーの地産地消を進めていくことも重要です。 私は、こうした分散型エネルギーの活用を通じて、これまで電力を消費するだけであった人たちが、自ら供給にも参加できるような仕組みが広がれば、地球温暖化対策を自分ごととして捉えづらかった人たちも、前向きに脱炭素へ向かえるようになるのではないかと思いますし、再生可能エネルギー全体への理解増進にもつながるのではないかと思います。 そこでお尋ねいたします。県は、分散型エネルギーの活用など、再生可能エネルギーの普及に向け、今後どのように取り組まれるのかお伺いをいたします。 次に、耕畜連携の推進についてお尋ねをいたします。 昨年十月の菅総理による二○五○年カーボンニュートラル宣言以降、我が国は脱炭素社会の実現に向けて大きくかじを切ることになりました。今年四月の地球温暖化対策推進本部では、温室効果ガスの排出を二○三○年度までに一三年度比で四六%削減すると表明され、産業界では、排出削減を実現しつつ、次なる成長へつなげていこうとする動きが加速化しております。 この動きは第一次産業の分野でも広がっており、本年五月には、国において、みどりの食料システム戦略が策定され、農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させる方向性が示されました。農業生産をはじめとする食料システム全体を将来にわたって持続可能なものとするため、温暖化対策を含む環境負荷低減の取組を推進していくものです。 同戦略によると、農業分野では今後、化学農薬や化学肥料の使用量を大きく減らす生産システムへ移行することが必要となってきます。高温多湿で病害虫や雑草が発生しやすい日本の気候を考えると、化学農薬を今すぐ削減するのは難しい状況ですが、化学肥料については、堆肥の利用拡大を進めることで、ある程度は削減可能です。このため、農業の脱炭素化に向けては、いかに堆肥利用を進めるかが重要であり、私は堆肥利用の拡大に向けて耕畜連携の取組を推進すべきと考えます。 耕畜連携とは、畜産農家が米や野菜を生産する耕種農家へ堆肥を供給したり、逆に耕種農家が飼料作物を生産し、家畜の飼料として畜産農家へ供給するなど、耕種サイドと畜産サイドが連携する取組のことを言います。 私の地元周南市鹿野にある養豚場では、農場から排出される豚のふん尿を堆肥化し、地元の耕種農家に広く提供しています。この養豚場では、かねてから耕種農家やJAとの連携を深め、地域で堆肥利用を進める仕組みを確立してこられました。県内には養豚場のほか、多数の和牛産地や養鶏場が存在しており、毎日膨大な量のふん尿が排出されています。これらを効率的に堆肥化し、耕種サイドで活用することができれば、化学肥料の削減、ひいては本県農業の脱炭素化につながるものと思うのです。 そこでお尋ねをいたします。県では、持続可能な農業生産を実現するため、脱炭素化に資する取組として、耕畜連携の推進をどのように取り組まれるのかお伺いをいたします。 次に、文化資源を活用した観光振興についてお尋ねをいたします。 我が国は二千年を超える歴史の中で、他国の影響を受けつつも、独自の文化を築き上げてきました。一つの文明がこんなにも長い期間続くことは、世界的にもまれなことであり、日本の文化や伝統は世界に誇れるものだと思います。 こうした中、本県では、萩市内の世界文化遺産の資産群や瑠璃光寺五重塔、錦帯橋など全国的な知名度を有する文化財や、雪舟、香月泰男などの美術作品、萩焼や大内塗、赤間硯といった伝統的工芸品を生かした取組を通じ、国内外から選ばれる魅力ある観光地域づくりを展開しています。 そして、本年六月には、これまで私が質問で何度も触れてきました、地元鹿野にある漢陽寺庭園について、歴史や文化を伝える上で特に重要とされる国の記念物に登録するよう、国の文化審議会から文部科学省に答申がなされたところです。 漢陽寺は、一三七四年、室町時代の守護大名大内氏によって創建された臨済宗のお寺で、その中の庭園は、昭和の雪舟とも言われる作庭家重森三玲が設計し、一九六九年から五年の歳月をかけて完成したものです。 本堂の前にある曲水の庭は、曲水と枯山水を融合させた珍しい庭園で、県指定の文化財である水路トンネル潮音洞から水が緩やかな曲線を描きながら流れています。間もなく訪れる秋には、紅葉が見頃を迎え、季節の移ろいとともに姿を変えていく庭園を楽しむことができます。 地元の方々からは、観光地としての魅力や発信力が高まるとして期待する声を多く頂戴しており、漢陽寺庭園が新たに登録記念物となることを一つの契機に、県内の集客力ある文化資源を観光素材として積極的に活用し、県内観光周遊につなげるなどの取組を強化していただきたいと思います。 また、こうした文化資源は、日本の文化や伝統、歴史に興味を持つ訪日外国人が増加する中、さらなるインバウンド需要を取り込むことにも資するツールとなります。 先日閉幕した東京オリンピックは、その憲章にうたわれているように、スポーツの祭典であると同時に文化の祭典でもありました。本県においてもオリンピックを機に、文化資源を活用した県内文化の魅力発信を図り、さらなる文化振興と交流人口の拡大につなげる取組をしていただきたいと思います。 さらには、国においては、昨年五月から文化観光推進法を施行し、文化資源の観覧や体験などの活動を通じ、文化への理解を深めることを目的とする観光を文化観光と位置づけ、観光振興と地域活性化につなげる取組を支援しています。 文化を核とした観光の振興は、今や一つの大きな流れとなっており、県としては、この時流に乗り遅れることなく、文化と観光が連携した交流促進施策を展開していただきたいと思います。 そこでお尋ねをいたします。多彩な文化資源を活用した観光振興について、県としてどのように取り組んでいかれるのかお尋ねをいたします。 最後に、信号機減少社会における交差点安全確保対策についてお尋ねいたします。 我々がふだん交通手段として使用している自動車は、その利便性の高さによって旅客交通、物流の分野で利用が進み、国民の生活には必要不可欠な存在として確立されており、山口県内においても、車と県民の生活は切っても切り離せない地方における移動手段として活用されております。 しかしながら、便利な車も、一歩間違えれば重大な事故を招いてしまう危険なものであり、交通事故を防止するためには、交通規制を明確にして、車やバイクの運転手、歩行者等がそれぞれしっかりとルールを守ることが重要となります。 現在県警では、歩行者の信号無視誘発を防ぐ対策として、不必要と判断した信号機の撤去を進めており、報道等によりますと、撤去した信号機の数は二○一八年度までは一桁、一九年度に十一基、二○年度には過去最多となる四十七基を撤去したとのことです。一八年度以降は年々撤去数は増加しており、今年度も相当数の信号機が撤去される見込みではないかと思われます。 私の地元である周南市においても信号機の撤去が進んでおり、市内で赤と黄色が点滅する一灯点滅式信号が撤去され、交差点の交通規制が変更され、私も現地を実際に車で通過したところ、一時停止の規制に変更されていました。 限られた予算の中で、信号機、道路標識等の交通安全施設等の整備を進めているところであるということは承知しておりますが、信号を撤去し、交通規制を変更したことにより、今まで信号機により規制が行われていた交差点での交通事故が増加するようなことがあったのでは本末転倒となってしまいます。 これまでは信号に従って横断歩道を渡っていた人が、撤去したことにより、信号のない状態で横断歩道を渡ることとなり、交通事故の危険性が高くなることが懸念されます。 信号機の中には、設置後長期間が経過したことにより老朽化が進んでいるものもあるため、維持管理をしていく信号機を選別していくことに加え、一方で交差点での安全対策も十分行っていく必要があると考えます。 そこでお尋ねをいたします。県内の今後の信号機撤去方針、その後の交差点における安全対策に今度どのように取り組んでいかれるのか、県警本部長の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わらさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)坂本議員の御質問にお答えします。御質問のうち、私からは地域建設業の育成についてのお尋ねにお答えします。 本県の建設産業は、県民生活に密着した社会資本の整備・維持管理や、災害発生時の応急復旧対応などを担う中核的な存在であり、また、就業者全体の一割近くを占めるなど、地域経済や雇用の下支え役としても重要な役割を果たしています。 しかしながら、お示しのとおり建設産業は、中山間地域を中心に就業者数の減少や高齢化の進行といった課題に直面しており、近い将来、社会資本の整備や災害対応等に支障を来すおそれがあることから、持続可能な建設産業を構築することが極めて重要であると考えています。 このため、私は、維新プランの重点施策の中で、将来の県内建設産業を担う若者や女性の確保・育成と、建設産業の活性化支援を大きな柱として掲げ、地域を支える建設業者が中長期的かつ安定的に経営を持続できるよう取組を進めているところです。 まず、将来の県内建設産業を担う若者や女性の確保・育成に関する施策としては、産学公が連携し、現場見学会や企業説明会等を通じて建設産業の魅力を発信するとともに、研修会等により離職防止を図るなど、若者の入職促進や定着支援に積極的に取り組んでいます。 次に、建設産業の活性化支援に関する施策としては、適正な競争環境の整備や働き方改革の推進、新製品・新技術の利用促進などの取組を進めているところです。 具体的には、まず適正な競争環境の整備に当たっては、地域の建設業者の受注機会を確保することが重要であることから、地域活力型指名競争入札や分離・分割発注を積極的に活用しており、昨年度は、競争入札により県が発注した土木一式工事のうち約七割を地域の業者が受注しています。 加えて、市町が発注した工事等で一定の施工実績を積んだ業者に対し、工事規模等に応じて県発注工事への新規参入を認めるなど、引き続き地域の中小業者の受注機会の確保にも努めていく考えです。 また、就労環境の改善や建設現場の生産性向上を図るため、週休二日モデル工事やICT活用工事の実施を通して、建設産業の働き方改革がより推進されるよう、今後も支援していくこととしています。 さらに、新たな事業に取り組む意欲的な企業を育成するため、やまぐち発新製品を公共工事において積極的に活用するなど、新製品・新技術の利用促進にも努めているところです。 こうした取組に加え、持続可能な建設産業の構築に向けた新たな取組として、今後は、測量、設計、施工、維持管理のあらゆる段階で、三次元データやAIなどのデジタル技術を積極的に活用することで、建設産業におけるDXを推進してまいります。 私は、本県の基幹産業であり、地域の守り手である建設産業が、将来にわたってその社会的役割を担っていけるよう、引き続き地域建設業の育成に一層取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)再生可能エネルギーの普及についてのお尋ねにお答えします。 太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーは、本県の豊かな自然特性を活用できる重要なエネルギー資源であり、地球温暖化対策やエネルギー自給率の向上に資するとともに、地域経済の活性化も期待できることから、その導入促進は重要です。 このため、県では、補助や融資制度を通じた、県内企業が製造する太陽光発電設備の家庭等への導入支援や、県が保有するダムにおける中小水力発電の開発、バイオマスの発電利用の促進により、多様な再生可能エネルギーの導入を進めてきたところです。 また、今年三月に改定した県地球温暖化対策実行計画においては、再生可能エネルギーの発電出力を、基準年の二○一三年度の約五十五万キロワットから二○三○年度に二百四十万キロワットまで増やすという導入目標を設定し、さらなる導入を図ることとしています。 しかしながら、お示しのとおり、再生可能エネルギーには気象条件などの環境的要因による発電量の変動や送電ロス等の課題もあります。 このため、今年度から、住宅用の太陽光発電や電気自動車、蓄電池等を活用して、地域におけるエネルギーを有効活用する分散型エネルギーシステムの構築に向けた取組を開始したところです。 まず、太陽光発電や省エネ設備を組み合わせて設置するネット・ゼロ・エネルギー・ハウスへの補助制度を創設し、今後、この補助金を利用した新築住宅の完成見学会の実施により、再生可能エネルギーの有用性等を県民に周知してまいります。 また、再生可能エネルギーの地域内での有効活用に向けて、地域に分散する太陽光発電や蓄電池、電気自動車等をネットワーク化し、効率的に電力量を制御する、エネルギーの地産地消モデルの実証事業を開始したところです。 今後、この実証で得られた成果を広く周知し、県内各地域での分散型エネルギーの普及につなげていきたいと考えています。 県としましては、今後とも、県民、事業者、市町等と緊密に連携し、地球温暖化対策等にも資する再生可能エネルギーの導入促進に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)耕畜連携の推進についてのお尋ねにお答えします。 本県農業が持続的に発展するためには、家畜排せつ物の有機質資源としての活用など、耕畜連携による環境負荷軽減の取組を進めていくことが重要であることから、県ではこれまで、堆肥作りのための機械・施設整備の支援や堆肥を利用した飼料作物の生産拡大に取り組んできたところです。 この結果、令和元年度の県内の家畜排せつ物発生量約三十九万トンのうち、九五%に当たる三十七万トンが農業用堆肥として供給されるとともに、飼料用米をはじめとした飼料作物の生産も着実に増加しています。 こうした中、本県では、今後、畜産農家の規模拡大により、家畜排せつ物の飼料需要の増加が見込まれることに加え、お示しの農業の脱炭素化に向けた新たな環境負荷軽減対策が必要となることから、これらに的確に対応した取組を進めていくことが重要です。 このため、畜産農家から耕種農家への良質堆肥の安定供給や耕種農家における飼料作物の生産拡大など、耕畜連携の取組を一層強化していきます。 まず、良質堆肥の安定供給については、家畜排せつ物の適正処理を図るため、堆肥化施設の機能向上に向けた整備を支援するとともに、堆肥生産の効率化に向け、家畜排せつ物の地域堆肥センターへの集約化を進めます。 また、畜産農家の堆肥化技術の向上を図るため、悪臭除去等の技術研修会の開催や、JA等関係団体の職員を対象とした指導者育成に取り組みます。 次に、飼料作物の生産拡大については、畜産農家の規模拡大による飼料需要の増加を耕種農家の生産拡大に確実につなげるため、地域の生産者や関係団体で組織する協議会を通じ、畜産農家と耕種農家のマッチングを促進します。 さらに、飼料作物生産の作業受託組織等を活用し、高齢化による労働力不足が見込まれる地域に対し、収穫作業の支援を行うなど、畜産農家への飼料作物の安定供給に取り組みます。 県としては、農業の持続的発展と脱炭素化に向けて、畜産農家と耕種農家が堆肥と飼料作物を相互に利用する耕畜連携の取組を、市町や関係団体等と一体となって積極的に推進してまいります。 議長(柳居俊学君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)文化資源を活用した観光振興についてのお尋ねにお答えします。 交流人口の拡大や地域の活性化を図るためには、文化財や美術作品など、本県の多彩で魅力ある文化資源を観光振興に活用していくことが重要です。 このため、県では、こうした文化観光の推進に向けて、文化資源を活用した魅力的な観光コンテンツの創出や県内の文化観光スポットの周遊促進、さらに文化観光に関する情報発信に積極的に取り組むこととしています。 具体的には、まず、魅力的な観光コンテンツの創出に向けて、大内塗の技術を用いたアクセサリーの制作体験や、重要文化財である家屋での着つけ・抹茶体験など、文化資源を生かした体験型の観光素材を開発する取組を支援しています。 お示しの漢陽寺庭園においても、魅力ある観光素材とするため、庭園と写経や座禅を組み合わせた文化体験プログラムを開発するなど、文化資源の磨き上げを行っています。 また、県立美術館においては、VR技術により、雪舟の水墨画の世界が体感できるコンテンツを制作するとともに、浮世絵や萩焼などの収蔵品をデジタル化し、関連する観光情報と併せ、インターネット上の仮想美術館で公開するなど、美術作品を新たな観光素材とする取組を進めていきます。 次に、文化観光スポットの周遊の促進に向けては、公共交通機関を利用して、県内各地の文化財や文化施設等を巡るデジタルスタンプラリーや、地域に数多く残されている古地図を活用した町歩きなど、地域の文化資源を生かした魅力的なキャンペーンを展開していきます。 さらに、文化観光に関する情報発信については、観光情報を掲載したガイドブックやSNS、ユーチューブ等、様々な広報媒体を活用するとともに、多彩な文化観光スポットを巡る旅行プランを県のホームページに多言語で紹介するなど、国内外に向けて積極的なPRを展開していきます。 県としては、今後とも、交流人口の拡大や地域の活性化に向けて、県観光連盟等の関係機関と緊密に連携し、本県の多彩な文化資源を活用した観光振興に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)谷警察本部長。 〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 警察本部長(谷滋行君)信号機の撤去方針及びその後の交差点における安全対策についてのお尋ねにお答えいたします。 信号機については、交通規制の方法として大変効果が大きいものである一方、必要性に乏しいものを設置し続けることについては、車両、歩行者両者による信号無視などの違反を誘発するおそれがあること、また、その維持管理のため、多額の予算を要することなどの問題もあるところです。 こうしたことも踏まえ、県警察では、国の設置基準に基づき、現地の交通情勢、例えば交通量、子供や高齢者の利用実態、交通事故の発生状況等、日々変化する道路環境を踏まえながら、信号機の新設のほか、老朽化等に伴う更新、必要性の低下に伴う撤去の判断を行っております。 このうち、安全性の確保という観点も慎重に検討した上で、必要性が低下したと認められるに至った信号機については、撤去後の安全対策について、事前に地元住民の方々の合意も得た上で撤去をしているところであります。 議員お示しの昨年度に撤去した四十七基の信号機の多くは、一時停止規制のために設けられた一灯点滅式信号機であり、現地の交通状況から、撤去後に標識・標示により一時停止規制を行うことで同等の規制効果があると判断されたものです。 もちろん信号機を撤去することにより交差点の環境は変化しますので、新しい環境に不慣れな車両運転者や歩行者の方々が不安を感じられる場合もあると思います。そうした交差点に対しては、必要に応じて、ハード面では、代替的な交通規制の実施に加えて、道路管理者と連携して注意喚起の路面標示を行うなどの対策を、ソフト面では、パトカー・白バイでの警戒活動、学校関係者やボランティアの方々と連携した立哨、見守り活動などの対策を行い、安全を確保していくこととしております。 今後とも、信号機の維持管理に当たっては、国の基準に基づきつつ、現地の交通情勢を踏まえ適切に判断してまいります。 また、信号機を撤去するに際しては、あらかじめ地元住民の方々へ丁寧に説明をして、御理解を得ることに努めるとともに、関係機関・団体と連携し、必要な安全対策を適切に講じてまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時十七分休憩