1 全県的なDXの推進について 2 企業誘致の推進について 3 北朝鮮による日本人拉致問題について 4 6次産業化・農商工連携の推進について 5 居住支援の充実について 6 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(二木健治君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から議案第一号から第十三号まで、第十五号及び第十六号 副議長(二木健治君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十三号まで、第十五号及び第十六号を議題とし、質疑の議事を継続いたします。 髙瀬利也君。 〔髙瀬利也君登壇〕(拍手) 髙瀬利也君 自民党の髙瀬利也でございます。台風も近づいておりますので、早めに終わろうと思いますが、質問の前に、少しだけ地元のお話をさせていただきたいと思います。 周知のとおり、都市部だけでなく、本県でも長引く新型コロナウイルス感染症の影響により、飲食店や観光施設、ホテル・旅館などの宿泊施設は厳しい経営状況下にあります。 昨年より、全国的には、「Go To Eat」や「Go To トラベル」、県内でもプレミアム宿泊券や、旅々やまぐち県民割など、コロナにより影響を受けた企業を支援する形で、幾つかの観光需要の喚起策が講じられ、県内でも、実際に多くの観光客が利用するなど、一定の効果とにぎわいが見られました。 しかし、全国的に非常事態宣言やまん延防止等重点措置を発令した都道府県が増加し、さきに挙げた「Go To キャンペーン」や県内の観光需要喚起策も、現在は取扱い及び利用が一時停止となっており、「Go To キャンペーン」で盛り上がりを見せた、昨年の同時期と比較しても、非常に厳しい状況が続いております。 一方で、コロナ支援策においては、宿泊施設や飲食店が主な対象となり、メディア等でも連日取り上げられておりますが、そうした施設に物品等を納入する製造業やお土産物屋さんなど、物販業においても同様に、厳しい状況に置かれているのが現実です。 私の地元である下関・川棚温泉には、明治三十六年創業、今年で百十八年を迎える、老舗の三春堂という製菓店がございます。ここの名物となっているのが、川棚まんじゅうというものがあります。長年、地域住民に親しまれ、下関市内の多くの小売店でも販売されるなど、今や川棚及び豊浦町を代表する銘菓となっております。 しかし、明治時代から現在まで、地域の雇用を支え、地域の顔となってきた三春堂さんのような老舗のお店でも、長引くコロナの影響を受けており、打開策が見えないまま経営している状況でございます。 こうした中、例えば、奈良県では、ワクチンの二回接種を終えた県民に、抽せんでクーポン券を発行する取組を進めようとしています。 また、沖縄県の石垣市では、ワクチン接種済みの観光客に、割引の特典が得られるパスポートを発行しています。これからは、幾度となく押し寄せる感染拡大への備えを固めると同時に、いわゆるウイズコロナを前提とした社会経済活動をしっかりと進めていかなければ、我々の社会が壊れてしまうのではないかと危惧しております。 今後は、感染防止に注意を払いつつも、いかに経済を回していくかということに力点を置いて考える時期がやってきたのだということを申し上げまして、通告に従い、質問をいたします。 最初に、全県的なDXの推進についてお尋ねします。 今月一日、国全体のデジタル化の司令塔となるデジタル庁が発足いたしました。行政の縦割りや国と地方との情報融通の目詰まりを解消し、デジタル技術やデータ蓄積をフル活用することで、行政をはじめ、経済、社会全体にデジタルトランスフォーメーションを波及させ、世界に遜色ないデジタル社会を実現していくことが期待されております。 デジタル化で先行する諸外国を見ますと、例えば、中小企業が支援金を申請するのにもスマホで完結でき、書類添付の手続などは不要なのだそうです。こうした便利なサービスの実現のためには、単に優れたデジタル技術を導入すればいいというわけではなく、様々な情報が一元管理されるように、情報基盤が構築されていることが必要です。 このように、デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXとは、ユーザー視点で仕組みそのものを見直し、デジタル技術やデータを効果的に組み込んで再構築することで、利便性の高いサービスなどを生み出すことが、その目指すところです。 県においても、様々な分野で、こうしたデジタルによる変革を進めようと取組を始めておられます。 新たに発足された、官民連携の組織体である「デジテック for YAMAGUCHI」は、既に四百を超える参加を得られており、県民の皆さんの関心の高さをうかがわせます。 また、人口減少や少子高齢化が進む本県を、課題先進県として捉え、スタートアップ企業等と連携した課題解決手法を、社会実装をするという、野心的な取組も始まっており、その成果を期待しております。 県や国、大手企業においては、こうした取組を強力に推進されておりますが、その一方で、地域に目を向けますと、経営者や団体の方からは、DXのイメージが湧かない、データ活用の方法が分からない、推進できるスタッフがいないといった、戸惑いの声をお聞きするのも現実です。 県では、この秋に、DX推進のための拠点を設置し、コンサルティングや技術サポートなどにより、全県的に波及させる取組をスタートすると伺っております。斬新なアイデアが生み出される先駆的な拠点となることを期待していますが、同時に、こうした地域や現場の声にしっかりと対応していただきたいと思います。 また、この拠点には、山口県版クラウドや山口県データプラットフォームといった機能も備わっているそうですが、拠点の持つ機能や役割がどういったものなのか、市町や企業、団体の方に分かりやすく周知していくことも大切なことです。 新たな拠点をエリアや分野限定的なものにせず、多くの方への支援につなげていくことが、全県的なDXの推進には重要なことだと思うのです。 そこでお尋ねします。新たに設置されるDX推進拠点を核として、全県的なデジタルトランスフォーメーションの実現に向け、今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。 次に、企業誘致の推進についてお尋ねします。 企業誘致の推進は、雇用の創出など、地域経済の活性化、ひいては、本県の最重要課題である、人口減少の克服につながる極めて重要な取組の一つです。 このため、県では、維新プランや総合戦略に基づき、やまぐち産業イノベーション戦略に掲げる重点成長分野の企業やIT・サテライトオフィスの誘致の促進、国の地方創生の動きに呼応した本社機能の移転・拡充の促進などに、積極的に取り組まれているところです。 村岡知事自らもトップセールスを行い、良好な交通アクセスや災害リスクの低さ、日本一の給水能力を持つ工業用水など、優れた立地環境を力強く企業へ発信しておられます。 こうした取組により、本県の誘致件数は、維新プランに掲げる目標を上回る水準で推移し、今年も既に二十一件の誘致が決まるなど、着実に成果を出されております。 私の地元豊浦でも、半導体関連メーカーの設備増設が進められていることもあり、本県の企業誘致の取組が力強く進められていることを、ひときわ感じている次第でございます。 さて、現在、社会経済情勢は大きく変化し、デジタル化やグリーン化、世界的なEV化へのシフトなど、企業の設備投資につながる動きが加速しています。また、国において、サプライチェーンの強靱化に向けた国内生産拠点確保が促進されていることや、地震などの自然災害や新種の感染症のパンデミックに備えたリスクヘッジとして、地方への関心が一層高まっていることなどもあり、私は今、地方が企業誘致を行う上で、強い追い風が吹いているのではないかと考えております。 こうした追い風を捉え、企業誘致の取組をさらに進めるため、多くの自治体では、誘致政策の充実強化を図っており、誘致のインセンティブの一つとなる独自の優遇制度の充実はもとより、誘致の受皿となる事業用地を確保するため、県自らが新たに産業団地を造成するといった動きも出ています。 こうした状況から、誘致の受皿となる事業用地の確保は、今後の企業誘致活動において、これまで以上に重要なものになると考えます。しかしながら、県内の産業団地は分譲が進み、分譲可能な事業用地は大きく減少しております。 県では、産業団地に加え、大規模工場の跡地などを活用した誘致活動も展開されているものの、紹介可能な事業用地が限られ、企業ニーズに応えられていない状況も出ているとのことであります。 今後さらに激化が予想される企業誘致の地域間競争を勝ち抜くためには、既存産業団地や事業撤退等により生じた大規模工場跡地の活用だけなく、新たな産業団地の造成を行うなど、事業用地の確保を図り、本県経済のさらなる成長を見据えた戦略的な誘致活動を行う必要があると考えます。 もちろん、産業団地の造成は、十年前に、団地開発等により多額の債務を抱えた土地開発公社など三公社を、資産の売却促進など県を挙げた取組により廃止した経緯もあることから、費用対効果などしっかりと検討の上、進める必要があることは言うまでもありません。 そこでお尋ねします。本県経済の活性化に向け、新たな産業団地の造成など、企業誘致の取組のさらなる強化を図ることが重要と考えますが、今後、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、北朝鮮による日本人拉致問題についてお尋ねをいたします。 北朝鮮による日本人拉致は、国民の生命と安全に関わる重大な人権侵害問題であり、一日も早い解決が求められております。 本県でも、下関市の河田君江さんをはじめとして、拉致の可能性を排除できない方々が十一名いらっしゃいます。 先日、河田君江さんのお母様にお会いし、お話を聞かせていただきました。 河田君江さんは、当時、地元川棚の縫製工場で働いておりましたが、退職し、御自身のキャリアアップのために専門学校に行こうと、御家族で明るい未来についてお話をしておりましたが、平成二年二月、勤務を終えて退社した日、その後、行方不明になっております。 河田君江さんは、私と同年代でもあり、拉致当時の生々しい状況を、そして残された御家族のことをお聞きし、私自身のすぐ身近でこのようなことが起こり得ることに驚き、改めて北朝鮮の国家ぐるみの犯罪に対し、決して許すことのできない怒りを感じました。 また、拉致被害者の御家族は高齢化が進んでおり、一刻の猶予も許されない状況です。河田さんのお母様は、現在七十九歳になられますが、今でもブルーリボンバッジを胸につけて、一日千秋の思いで救出を願い、毎日のように地道に活動を続けておられます。 本県議会においても、平成十六年に議員連盟を設立し、これまで政府の拉致問題対策本部及び県との共催で、拉致問題を考える国民の集いin山口を開催するなど、機会を捉えて活動しているところです。 国においては、今年四月の日米首脳会談の中で、北朝鮮による拉致問題の即時解決に向け、日米が連携して取り組む方針が引き続き示されました。 また、日本以外では、帰国した日本人拉致被害者などの証言から、韓国をはじめ、タイやルーマニア、レバノンにおいても、北朝鮮に拉致された可能性のある国民が存在することが明らかになっており、国際社会と連携して、北朝鮮に対し、圧力をかけていくことが非常に重要となります。 一方、我々国民ができることで最も大切なことは、拉致問題に対し絶えず関心を持ち続けることと考えております。 しかしながら、コロナ禍で、日常生活が一変していく中で、地道に行われていた活動が制限されるなど、国民の関心が薄れていくことが懸念されております。 私たちは、大切な家族と引き裂かれ、四十年以上たった今も苦しんでいる人がいるということを忘れることなく、解決を望む強い意思を北朝鮮に伝えていかなければなりません。 そのためには、このコロナ禍にあっても、国民一人一人が全ての拉致被害者を必ず取り戻すという強い意思を持ち、発信し続けることが重要であり、県におかれても、それを後押しするような啓発を、引き続き行っていただきたいと考えております。 そこでお尋ねします。県では、北朝鮮による拉致問題に対し、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、六次産業化・農商工連携の推進についてお尋ねします。 私はこれまで、県内で農林水産業に従事される方々が、どのようにしたら所得を向上できるかという視点で、様々な質問をしてきました。 なぜなら、三方を海に開かれ、県土の七割を中山間地域が占める本県においては、農林水産業は地域を支える重要な産業であるだけでなく、高齢化や過疎化が進む農山漁村地域の荒廃を防ぐ重要な役割を担っており、生産者の皆さんが地域の経済を支え、環境の保全に資する生産活動を続けていくには、より一層の所得向上が必要だと考えているからです。 コロナ禍による外出自粛や飲食店の休業が長引く中、生産者の所得向上に資する取組の一つとして、今、私が注目しているのは、農林水産物を加工して販売する六次産業化や農商工連携の取組です。 外出自粛による巣籠もりで、昨年頃から自宅で食事を取る内食需要が高まっています。家庭で調理する機会が増えたことにより、消費者の間では、手軽に調理できる食品が志向されるようになりました。また、巣籠もりの長期化により、健康志向食品への需要も高まっています。 私は、このような消費者の動向に対応し、飲食店の休業で売り先を失った農林水産物などを、冷凍食品など調理の簡便性が高い商品やヘルシーな商品などに加工し、付加価値を高めて販売できれば、生産者の所得向上につながるのではないかと考えています。 実際、下関市にある水産加工会社では、飲食店の休業により行き場を失った魚を下処理し、家庭で解凍して切るか、同封の調味料で煮るだけで、簡単でおいしい料理が完成する加工食品の販売を開始し、好評だとの声を聞いております。 六次産業化・農商工連携の取組については、県ではこれまで、やまぐち六次産業化・農商工連携サポートセンターを設置して、県産農林水産物を活用した新商品の開発を支援され、開発された質の高い商品を山口グッと産品として認定されるなど、生産者の所得向上に向けた取組を支援されてきました。 今後、コロナ禍においても、生産者のさらなる所得向上を実現していくには、消費者の動向を的確に把握し、売れる商品づくりを支援することはもとより、地域で販路を失った農林水産物などが、地域産業の中で余すところなく有効活用されるよう、その仕組みづくりが欠かせません。 県には、地域資源の有効活用による生産者の所得向上に向けて、六次産業化・農商工連携の推進に積極的に取り組んでいただきたいと思います。 そこでお尋ねします。県では、今後、六次産業化・農商工連携の推進にどのように取り組まれるのか、お伺いします。 最後に、居住支援の充実についてお尋ねします。 住居は、人々の日常生活の基盤ですが、少子高齢化の進行や社会経済情勢の変化などを背景にして、本県においても、住生活を取り巻く状況は大きく変化してきております。 特に、団塊世代の高齢化に伴い、急激に増加していると言われる単身高齢者をはじめとして、低額所得者や独り親世帯、障害者など、住宅の確保が困難な世帯は、今後、さらに増加すると見込まれており、公営住宅の提供をはじめ、こうした方々の住宅確保対策は、喫緊の課題とされております。 また、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、収入の減少や失業等によって、住宅の確保が困難となる世帯も生じる中、居住支援の重要性はますます高まっているところです。 こうした中、国において住宅セーフティーネットの中核を担う公営住宅を補完するため、平成二十九年に、高齢者などの住宅確保要配慮者の入居を拒まない、民間賃貸住宅の登録制度が創設され、県において登録業務が始められました。 さらに、令和二年には、県賃貸住宅供給促進計画を策定し、登録制度の対象にUJIターン者等を追加するとともに、登録住宅の最低面積基準を引き下げるなど、登録促進を図ってこられたことは、私も高く評価するところです。 しかしながら、現在の登録戸数は約九百戸と伺っており、今後、要配慮者の増加が見込まれることも踏まえると、居住支援のさらなる充実が必要となるのではないでしょうか。 このためには、登録住宅の戸数をさらに増加させ、セーフティーネットの受皿全体を広げるとともに、要配慮者に対する効果的な居住支援の仕組みづくりをすることも重要だと考えます。 とりわけ、要配慮者の中でも、犯罪被害者等への支援は重要と考えます。犯罪被害者やその家族は、犯罪の直接的な被害にとどまらず、仕事や育児など、その後の日常生活にも支障を来し、また、いわれのない誹謗中傷を受けるなど、二次的な被害に苦しむ方も多く、場合によっては住み慣れた地域に住み続けることが困難となり、転居せざるを得なくなるなど、住宅の確保にも深刻な影響が生じています。 県は現在、犯罪被害者等の支援の充実を図るため、犯罪被害者等支援推進計画の策定を進めているところですが、居住の安定をめぐる切実な実情を十分酌み取っていただき、犯罪被害者等の居住支援についても、きめ細やかな対策を講じていただきたいと思うのです。 そこでお尋ねします。今後さらに増加することが見込まれている住宅確保要配慮者の実情等を踏まえ、県は居住支援の充実にどのように取り組んでいかれるのかお伺いいたしまして、一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)髙瀬議員の御質問にお答えします。 まず、全県的なDXの推進についてです。 私は、市町や企業、団体等の幅広い主体と連携・協働しながら、地域課題の解決と新たな価値の創造に向け、本県ならではのDX、やまぐちDXの創出を県政の各分野で強力に進め、これを本県の持続的な成長・発展につなげていきたいと考えています。 このDXを全県的に推進していくためには、御紹介を頂いた現場の声にもあるように、DXに対する理解の深化やデジタル技術の活用に係る相談への対応、デジタル人材の育成等の課題に、的確に対応していくことが必要です。 お示しのやまぐちDX推進拠点は、これにしっかりと応えるため、新たに開設するものであり、その機能を生かして、デジタル化に向けたコンサルティングや先進的なICT環境による技術サポート、技術紹介や人材育成などに取り組み、地域や現場での様々なDXを支援してまいります。 まず、コンサルティングについては、最新の知見やノウハウを持った専門スタッフによる相談体制を整え、県民生活や産業、行政等に関わる幅広い分野を対象に、相談者の希望に寄り添い、課題の整理から利用技術の目利き、アプリ等の開発支援に至るまで、包括的なサポートを実施してまいります。 また、AIやデータ等の活用に当たっては、効果検証等のための実証実験が必要となりますが、市町や企業等が独自に実験環境を用意することは、技術的にも、また経費的にも負担が大きく、これがDX推進の障壁ともなることから、その環境を拠点において提供いたします。 具体的には、マイクロソフト等の三大メガクラウドとも接続する山口県版クラウド、Yクラウドを整備し、多彩な解析ツール等を搭載するとともに、このクラウドの中に、官民の様々なデータの活用基盤となる山口県データプラットフォームを構築することとしています。 また、連携協定に基づくNTTドコモの協力により、拠点施設内に5G環境を設け、今後の社会実装が期待される遠隔医療等の高度な実証実験を、積極的に支援してまいります。 さきに創設した官民協働フォーラムも、ここを活動拠点にすることとしており、私は、拠点の持つ機能を最大限に活用して、シビックテックやオープンイノベーション等の取組を進め、新たなソリューションやイノベーションの創出を後押ししていきたいと考えています。 さらに、拠点においては、施設内でのデモ展示や企業とタイアップしたイベント開催等により、最先端技術の紹介を行うとともに、人材育成に向けた実践型研修を展開するなど、DXの推進に必要な様々な取組を進めてまいります。 そして、こうした拠点の機能を十分に発揮していくためには、お示しのように、より多くの皆様にこれを知っていただき、活用いただくことが重要であり、この秋のオープンに当たっては、期間を設けて見学会等も開催し、市町や企業、団体等への分かりやすい周知に努めていくこととしています。 私は、このやまぐちDX推進拠点を核として、県内の各地域、各分野におけるDXの取組をしっかりと支援し、全県的なデジタルトランスフォーメーションを着実に実現できるよう、全力で取り組んでまいります。 次に、企業誘致の推進についてのお尋ねにお答えします。 県政の最重要課題である人口減少が進む中で、企業誘致は、本県経済の活性化や雇用機会の確保・拡大、さらには税源の涵養等、多面的かつ持続的に地域への波及効果をもたらすことから、積極的な誘致活動に取り組んできています。 これまで、私自らも大都市圏でのフォーラムや企業訪問等を通じ、本県の優れた立地環境をPRするなど、精力的にトップセールスを行い、就任以来、二百件を超える誘致と約五千人の雇用を創出してきたところです。 こうした中、デジタル化やEV化などを背景とした設備投資の拡大傾向や災害等のリスク分散に備えた地方への関心の高まりなど、地方進出に向けた企業の動きが活発化していることから、私は、こうした好機を捉え、さらなる誘致活動の強化に取り組む必要があると考えています。 このため、ものづくり産業の集積や自然災害が少ないことなど、本県の強みも生かし、サプライチェーンの強靱化に向けた国の支援制度を活用しながら、本県への工場立地に向けた誘致活動を強化しています。 また、デジタル化やEV化に欠かせない半導体や電池関連の企業へ直接、投資動向等のアンケート調査を実施するとともに、この調査結果を踏まえ、東京、大阪の企業誘致センターと連携し、対面とウェブの両面から、集中的な企業訪問を展開することとしています。 さらに、こうした企業をはじめ、重点成長分野である医療関連企業など、全国の多くの企業経営者に対し、直接本県の優れた立地環境などをPRするため、本年十一月を目途に、トップセールスとしてウェブを活用したプロモーションを実施することとしています。 一方で、誘致の受皿となる事業用地の不足は、お示しのとおり、重要な課題と認識しています。 とりわけ、半導体や電池、医療関連等の企業ニーズが高い内陸部については、提供可能な事業用地が残り少なくなっていることから、将来にわたる県経済の持続的発展を見据え、新たな産業団地の造成が必要と考えています。 このため、共同事業者となる市町と連携し、できる限り早期に、低廉な価格で分譲できることや、大規模区画の確保が可能であることなどの条件に合致する適地の選定など、具体的な検討を進めることとしています。 こうした取組に加え、若者や女性に魅力のあるIT関連企業やサテライトオフィスの誘致に向けて、首都圏等での大規模展示会への出展を通じ、豊かな自然環境や多様な企業ニーズに対応した物件の紹介など、情報発信を強化することとしています。 私は、こうした一連の誘致活動を通じ、今後とも自ら先頭に立ち、一社でも多くの優良企業の誘致の実現に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)北朝鮮による日本人拉致問題についてのお尋ねにお答えします。 北朝鮮による日本人の拉致は、基本的人権の侵害はもとより、国家主権と国民の生命、安全に関する極めて重要な問題です。 本県においても、拉致の可能性を排除できない方々が十一名おられ、御本人とその御家族の高齢化が進む中、問題の一日も早い解決が望まれています。 このため、県では、全国知事会等を通じて、国に対し、拉致問題の早期解決を要請しているところです。 また、拉致問題の解決のためには、国民の関心を喚起し、世論を高めていくことが大きな力となることから、十二月の北朝鮮人権侵害問題啓発週間におけるパネル展示をはじめ、ラジオやポスター等による広報など幅広い取組を、引き続き進めてまいります。 こうした中、昨年三月、北朝鮮による拉致問題の早期解決を求める山口県議会議員連盟から頂いた、県民世論のより一層の喚起についての御提言の趣旨を踏まえ、県政世論調査に、拉致問題に関する項目を新たに設けたところです。 この調査によれば、拉致問題に関心がある方の割合は高いものの、昨年度と比較して、関心がない方が増えている傾向も見受けられます。 また、拉致問題の解決のために必要な取組として、他の自治体との連携や拉致問題の周知を積極的に行うことなどの御意見が多数あったところです。 このため、県では、一人でも多くの方に関心を持っていただけるよう、県ホームページにおいて、国の作成した啓発動画や市町の行うアニメ、めぐみのDVD上映会等の日程を紹介するなど、一層の啓発に取り組んでまいります。 また、庁内関係課からなる山口県拉致問題連絡会議を通じて、市町等にもこの調査結果を共有し、県民世論の喚起に向けて、より一層連携を深め、対策の充実に努めてまいります。 県としましては、今後とも、国や県議会、市町等と一体となって、一刻も早い拉致問題の解決に向け、しっかりと取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)六次産業化・農商工連携の推進についてのお尋ねにお答えします。 農林水産業は、地域の振興・発展に欠くことのできない基幹産業であり、その担い手である、農林漁業者が安心して継続的に生産活動を営んでいくためには、生産者の安定的な収益確保が必要です。 このため、県では、生産者の所得向上につながる六次産業化・農商工連携の取組の推進に向け、サポートセンターを中心に、相談から商品開発、販路開拓まで一貫した支援を行ってきたところです。 こうした中、お示しのとおり、コロナ禍の影響による消費者動向の変化や農林水産物の一部に売れ残りが生じている状況等を踏まえ、これらの課題に的確に対応し、生産者の所得向上を図るためには、六次産業化・農商工連携の取組を一層強化していくことが重要です。 このため、消費動向の的確な把握や、ニーズを踏まえた売れる商品づくりを支援するとともに、販路を失った農林水産物などを余すことなく有効活用し、付加価値を高めるための新たな仕組みづくりに取り組みます。 まず、消費動向の把握に向けては、消費者の動向に詳しい専門家による相談対応や、実証試験中のAIカメラ付自動販売機で得られた購買状況等に関する分析データの提供などによる事業者支援を行います。 また、売れる商品づくりについては、消費動向に基づいた商品開発に向けて、試作品の製造に対する専門家の派遣や試作経費の支援を行うほか、高級スーパーにおけるテスト販売等を通じて、商品のブラッシュアップに取り組みます。 さらに、新たな仕組みづくりについては、地域の農林水産物が地域産業の中で有効活用されるよう、多様な関係者が主体的に企画、実行する事業活動を支援します。 具体的には、生産者や加工業者、飲食店等がプラットフォームを形成し、一体となって、販路を失った農林水産物等を活用した商品づくりに取り組む活動に対し、事業戦略アドバイザーの派遣などを行います。 県としては、サポートセンターや関係団体等と緊密に連携し、地域の農林水産物の有効活用による生産者の所得向上に向けて、六次産業化・農商工連携の取組を積極的に推進してまいります。 〔松岡農林水産部長の発言中、二木副議長に代わり、柳居議長が議長席に着く〕 議長(柳居俊学君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)居住支援の充実についてのお尋ねにお答えします。 住宅は県民が健康で文化的な生活を営む上で不可欠な基盤であり、安心・安全で豊かな住生活の実現は、大変重要であると認識しています。 このため、県では、住生活基本計画に基づく諸施策を積極的に進めており、様々な理由で住宅の確保に配慮が必要とされる要配慮者のニーズに応じた住宅を提供できるよう、県営住宅を基本としつつ、民間賃貸住宅を活用した居住支援にも取り組んでいるところです。 具体的には、県営住宅においては、計画的な建て替えなどにより、必要戸数を確保するとともに、単身高齢者や独り親、犯罪被害者等を対象に、優先入居や入居要件の緩和を行っています。 また、民間賃貸住宅については、そのオーナー等に対し、要配慮者の入居を拒まないセーフティーネット住宅に関する制度の理解を深めていただき、当該住宅の登録の促進を図るとともに、市町や不動産関係団体等に対し、意見交換会を開催し、地域の実情に応じた居住支援体制の構築も進めてきました。 しかしながら、県営住宅では、犯罪被害を理由とする住み替えは認めていないこと、民間賃貸住宅においても、単身高齢者等の増加が見込まれる中、セーフティーネット住宅の登録数は九百戸にとどまり、また、福祉の面からの取組も求められているなど、多くの課題が顕在化しています。 このため、県営住宅については、お示しの犯罪被害者等を対象に、本年四月に創設した転居費用助成制度の活用に加え、市町営住宅から県営住宅への住み替えを可能とする入居要件の緩和など、支援を拡充していく考えです。 また、民間賃貸住宅のうち、セーフティーネット住宅については、新たに県と国が連携し、オーナー等に強力に働きかけを行うことで、登録数の拡大を図ってまいります。 さらに、今後、県立大学の協力を得て、社会福祉の専門的立場から意見交換会に参加いただくなど、効果的な居住支援の仕組みづくりについても取り組む考えです。 県としては、要配慮者の居住の安定に向け、今後とも、市町や関係団体と緊密な連携の下、居住支援のさらなる充実に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)これをもって、一般質問及び提出議案に対する質疑を終結いたします。