1 県民の命と健康を守る感染症対策について 2 障害者スポーツの推進について 3 観光再生について 4 雇用対策について 5 高校生の就職支援について 6 高齢者に対するうそ電話詐欺被害防止対策について 7 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十三号まで、第十五号及び第十六号 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十三号まで、第十五号及び第十六号を議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 江本郁夫君。 〔江本郁夫君登壇〕(拍手) 江本郁夫君 皆さん、おはようございます。令和三年九月度議会の冒頭を担当させていただくことになりました。江本郁夫でございます。 まず最初に、コロナウイルスの猛威が止まりません。令和元年から始まったこのコロナ禍ですが、現在、我々は非常に強いデルタ株による第五波の猛威にさらされている状況下でありますが、これまでの数波にわたる感染の経緯を踏まえますと、たとえこの第五波の猛威が収束していったとしても、このコロナ禍がこのまま静かに終息するとの見通しは楽観過ぎ、コロナ禍との闘いは当分継続するものとの認識を前提に、あらゆる対策を怠ることなく、諸般万全の体制づくりが必要だと考えます。 人類は、これまで様々な未知なる病理に対し敢然と闘い、これを克服してきた歴史を持っています。コロナ禍も決してその例外ではないと考えております。日本人としての一体感を持って、必ずや克服していくとの強い思いも全国民の皆様方と共有したく存じます。 現在、多くの飲食業を中心とした事業者の皆様方が大変困難な状況下にあり、コロナ禍にあっても何とか従来までに近い営業が早期に再開できることを切に望んでおります。 ここに、コロナ禍で犠牲になられた多くの皆様の御冥福を衷心からお祈り申し上げますとともに、現在療養中の全ての皆様の早期の回復を願ってやみません。 また、これまで長期間、コロナ禍に忍耐強く対応していただいております全ての医療関連従事者の皆様方、行政の担当の皆様方に対し、深甚なる敬意と謝意を申し上げ、通告に従い一般質問に入りたいと思います。 最初に、県民の命と健康を守る感染症対策について二点お尋ねします。 まず、妊婦の感染者に対する医療体制の整備についてであります。 先月、千葉県において、新型コロナウイルスに感染した妊婦の搬送先が見つからず、自宅で早産し、新生児は死亡してしまうという、あってはならない事態が発生しました。 都市部において、医療体制が非常に逼迫している中で発生したこの重大な問題を受け、国は各都道府県に対し、感染した妊婦の救急搬送を受け入れる医療体制の確保などを要請したところです。 こうした中、県では、総合医療センターを中心とした妊婦の感染者の受入れ体制が昨年度から整備され、実際に運用がされていると伺っており、大変心強く感じています。 しかしながら、コロナ感染者の発生は後を絶たず、新たな変異株の発生や感染拡大の波が訪れる可能性もあります。そのため、二度とこのような事態を発生させないため、医療機関と連携して万全の体制を整備しておくことが重要となります。 また、コロナ禍において不安を抱える妊産婦が安心して妊娠・出産ができるよう、分娩前の検査などの寄り添った支援も必要と考えます。 そこでお尋ねします。妊婦の感染者に対する医療体制の整備について、県では今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、感染症に対応する看護師の確保についてです。 全国的にコロナウイルス感染症の感染者の発生が後を絶たない中、本県においてもデルタ株による感染拡大の波が猛威を振るい、八月には一日の感染者数としては、これまでの最大となる百十九人の感染者が発生し、クラスターも多数発生しています。 これまでの第四波の感染拡大では、社会福祉施設などでクラスターが多く発生しましたが、医師や認定看護師等からなるクラスター対策チームの派遣などにより、迅速、適切な蔓延の阻止の対応が行われてきました。 中でも、チームの構成員である認定看護師については、感染対策に熟練した看護師として、県が養成を行ってきたものであり、このたびの感染発生時の現場においては、指導助言を行う専門家として活躍していると聞き及んでおり、功を奏した人材育成の取組について大いに評価するところです。 高齢者施設、障害者支援施設などは、その業務の特性上、利用者との接触機会が多く、感染リスクが高いことから、今後の感染拡大や将来起こり得る新たな感染症に備えるためにも、こうした専門的知識・技能を有する認定看護師の育成について、引き続き推進していただきたいと考えています。 一方、第五波のように急激に感染者が増大した場合には、瞬間的に多くの看護職員が必要となります。そのためには、看護職員の応援体制の整備など、応急的な看護師の確保対策についてもしっかりと講じておくことが必要です。 そこでお尋ねします。今後起こり得る感染拡大に備えるため、感染症に対応する看護師の確保について、県ではどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、障害者スポーツの推進についてです。 障害者スポーツは、参加を通じた自立や社会参画の促進にもつながるとともに、これらを通じて障害のある人に対する社会の理解が一層深まり、共生社会の実現への一助ともなります。 こうした中、障害者スポーツにおける世界最高峰の大会であるパラリンピックが、全国民の関心が集まる中、五十七年ぶりに国内で開催されました。本大会では二十二競技五百三十九種目が行われ、本県出身のマラソン女子金メダル獲得の道下選手や、本県出身ではありませんが、私の地元山陽小野田市で合宿訓練を続けてこられた、自転車競技女子ロードレース二冠に輝いた杉浦選手など、私たちに身近な選手の活躍も含め、様々な競技の中で数多くの感動的シーンに遭遇することができました。 このうち、非常に激しいスポーツとして有名な車椅子バスケットボールには、本県出身の財満いずみさんが女子チーム日本代表として出場されました。車椅子バスケットボールは、選手の障害の程度に応じて点数がつけられ、財満選手は最も障害が重い点数の選手であるものの、コートに入れば障害を感じさせない信じられないスピードと巧みな車椅子操作で相手選手をブロックし、また、ベンチにおいてもムードメーカーとしてチームを盛り立てるなど、献身的にチームに貢献するその姿に胸が震えたのは私だけではないと思います。 この財満選手が車椅子バスケットボールを始めたきっかけとなったのが、二○一一年に本県で開催された第十一回全国障害者スポーツ大会「おいでませ!山口大会」でした。当時中学生だった財満選手が同大会の車椅子バスケットボールの試合にボランティアとして参加する中で、出場選手のスピードと迫力に魅了され、車椅子バスケットボールのとりこになってしまったということです。 県では、やまぐち障害者いきいきプランに障害者スポーツの振興を重点施策に位置づけ、競技人口の拡大等に取り組んでおられますが、東京パラリンピックの契機を捉え、障害者スポーツのさらなる普及や発展につなげることが重要となります。 中でも、県が企業・県民と一体となりパラアスリートを支援する、やまぐちパラアスリート育成ファンドについては、次代のパラリンピックの出場選手の育成のみならず、財満選手が車椅子バスケットボールに出会ったような、障害者にとって身近な地域での憧れを生み出し、これまでの生活から一歩踏み出す勇気を与え、新たにスポーツに取り組むきっかけづくりとしても非常に有意義と考えており、このような社会全体で障害者スポーツを支援する取組を積極的に進めていただきたいと考えています。 そこでお尋ねします。このたびの東京パラリンピックにより、これまで以上に障害者スポーツに対する関心が高まる中、県では障害者スポーツの推進について今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、観光再生についてお尋ねします。 本県では、平成二十八年度に観光スポーツ文化部が創設され、県の総合計画であるやまぐち維新プランや分野別計画であるおいでませ山口観光振興計画の下、観光交流施策の一体的な推進を図ってきました。 こうした取組により、観光客数が伸びるなど、着実な成果となって現れ始めていたところに、新型コロナウイルスの感染拡大という誰も予想すらしなかった事態が生じ、戦略的に進めてきた観光振興の取組の成果が水泡に帰す状況となりました。 例えば県の発表によりますと、令和二年の県内観光客数は前年比三八・七%減の約二千二百万人となりました。ただ、こうした一方で、観光庁の調査では宿泊者数が前年比一七・三%減で、減少率が全国最小だったほか、宿泊施設の客室稼働率は四五・一%で、全国一位となったとのことです。 これは、国の「Go To トラベル事業」に本県独自の割引率五○%の宿泊券の効果が相まって減少率が抑えられたものであり、私としてもこれまでの国、県による経済対策の取組を大いに評価しています。 しかしながら、コロナ禍は依然として収まるところを知らず、八月十三日から三十一日まではデルタ株拡大防止集中対策が実施され、その後も期間を九月二十六日まで延長して対策をさらに強化するなど、人の移動を前提とした観光産業にとっては非常に苦しい状況が続いています。 現在、観光産業に従事する者は全国で約九百万人に上り、地方においては観光がなければ経済が成り立たない地域も少なくありません。二○一二年の政権交代以降、観光立国の実現に向けて外国人の受入れ環境整備等に努めた結果、二○一九年には二○一二年の約四倍の外国人旅行者が訪れ、旅行消費額についても七年で四倍となっています。また、日本人による国内旅行消費額は二十二兆円と、国内の旅行消費額の八割を占め、引き続き我が国の観光の基盤となっています。 このように、観光は地方創生にとって欠くことのできない産業であり、必ず復活させなければならないのであります。そのためにも、新型コロナウイルス感染収束後の社会経済の再活性化に向けた準備をしっかりしておく必要があります。あえて言えば、コロナ禍が契機となって、観光産業が長年抱えてきた課題が改めて浮き彫りになった側面もあり、まさに今は、その課題にしっかり向き合うチャンスでもあります。 例えばコロナ禍の観光スタイルとして、より魅力的な新しいキャンピングスタイルであるグランピングやアウトドアアクティビティーが人気ですが、これらは従来海外に比べ、日本の観光が弱かった部分と言えます。マイクロツーリズムも週末以外の日に宿泊を伴って定着させることができれば、旅行者、業界、地域にとって意味があるものとなります。 ここは一度立ち止まって、これまでの観光施策効果をしっかりと検証した上で、今後の本県観光の方向性を定めていかなければならないと考えます。 そこでお尋ねします。現在、県では、おいでませ山口観光振興計画の改定を進めているとのことであり、ポストコロナに向けて戦略的に観光施策を推進するため、改定後の計画の下で、本県の観光再生に向けて今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。 次に、雇用対策について、二点お尋ねします。 まず、ルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング株式会社山口工場の工場集約についてであります。 この件については、同社から二○一八年六月に、今後二から三年を目途に工場閉鎖及び集約する旨発表されていましたが、去る七月十六日、その具体的な集約時期を二○二二年六月末とする決定が改めてなされたところです。集約に伴う社員の処遇については、雇用の継続を念頭に、今後、労使間で協議することであり、また、工場の譲渡先の確保についても引き続き努めるとのことです。 地元山陽小野田市においても、今後の動向を不安視する声を聞いています。工場の集約については、経営判断であり、やむを得ないとは思いますが、県として、地域への影響を最小限にとどめるよう、国や地元市とも連携し取り組む必要があると考えます。 そこでお尋ねします。県では、同社の工場集約について、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、コロナ禍における雇用対策についてであります。 新型コロナウイルスの感染拡大は、雇用面にも大きな影響を与えていますが、企業の雇用維持の努力や雇用調整助成金などのかつてないほどの規模での支援により、急激な雇用情勢の悪化は抑制されています。 一方、長期にわたって休業により雇用の維持を図ることの弊害として、成長分野への労働移動が活性化しない点や社会経済の中で働き手の活躍の機会が失われるといった点が指摘されています。 そのため国は、昨年十二月の経済対策において、成長分野への円滑な労働移動等の雇用対策パッケージを盛り込み、感染拡大防止と社会経済活動の両立を目指し、雇用調整助成金の特例措置等による雇用の維持・確保に引き続き取り組むとともに、業種転換等による雇用確保も視野に、出向や早期再就職による新たな分野への円滑な労働移動の支援や、働きながら学べる環境の整備、学び直しを意味するリカレント教育の強化などに総合的に取り組むとしています。 また、本年二月には、コロナ禍での雇用の下支え・創出と、仕事と訓練受講の両立を支援するため、新たな雇用・訓練パッケージの策定も行われたところです。 県においても、国の地域活性化雇用創造プロジェクトを積極的に活用し、新型コロナウイルスの影響を受けている業種における多角化や業種の転換、求職者のキャリアチェンジなどの支援に取り組まれています。また、このたびの補正予算案にも雇用対策に関連した事業を盛り込まれ、その充実を図られたところです。 コロナ禍の影響が長期化する中、引き続き雇用の維持、労働者の生活の安定に配慮しつつ、国とも連携し、労働移動等、今後の雇用政策における課題にも積極的に対応するなど、バランスの取れた雇用対策を推進することが、コロナ後の本県経済のさらなる成長につながるものと考えます。 そこでお尋ねします。コロナ禍の影響が長期化する中、雇用対策に今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、高校生の就職支援についてお尋ねします。 新型コロナウイルス感染症は、昨年から引き続き全国で猛威を振るっており、現在も日本全国がいわゆる第五波にさらされているなど、今後も予断を許さない状況です。 また、その影響は高校生の就職環境にも及んでおり、昨年度は全国の就職活動の日程について、企業への応募開始時期が例年の九月五日から十月五日へと一か月後ろ倒しとなりました。 今年度は、就職活動の日程は例年と同様のスケジュールであるものの、本県において例年六月頃に実施されている県内企業就職説明会において、感染拡大防止のため、県内企業の採用担当者等と就職を希望する生徒等の直接面談は中止となったと聞いており、就職を検討している生徒や保護者から、今後の活動について不安の声もお聞きしています。 こうした中、先月末に山口労働局から、令和四年三月の新規高卒予定者の求人・求職状況が発表され、そこでは七月末時点での求人数は、前年同期と比較して四・五%の増加と、やや持ち直しているものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前の令和元年度同期と比較すると二三・九%の減少と、いまだコロナ前の状況には戻っていないところです。 また、就職希望者数については、前年同期と比べて一二・四%減と大きく減少しており、このうち県内就職希望者数は平成七年度以降、過去最少となっています。 少子化やコロナ禍が続く中、就職希望者の減少には様々な要因があると思いますが、就職を希望していた生徒等が企業等の情報を十分に得られないために就職に不安を感じ、やむなく進路を変更してしまうことは防がなくてはなりません。また、十分に企業理解が進まないまま就職した場合、その後、仕事内容や働き方等が合わずに、早期に離職することも懸念されます。 県内には、私の地元である山陽小野田市を含めた瀬戸内側をはじめとして、各地に魅力ある企業が数多くあります。生徒が不安なく自分の進路を検討できるよう、そうした企業の情報を生徒が容易かつ的確に収集できるよう支援することが何より重要と考えます。 また、採用する企業側では、採用面接において、対面でなくオンラインにより行う企業も見られているところです。今後は、こうした採用方法が一般的になることも考えられ、そうした企業の動きに対応した就職指導も求められます。 県教委には、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、感染状況や企業の動向等に留意しながら、庁内、関係機関とも連携し、生徒や保護者が不安なく、本人の希望に沿った就職がかなうよう、しっかりと支援していただきたいと強く願うところです。 そこでお尋ねします。高校生一人一人の希望する進路の実現に向け、新型コロナウイルス感染症の影響による就職環境の変化に対応した高校生への就職支援について、今後どのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いします。 最後に、高齢者に対するうそ電話詐欺被害防止対策についてお尋ねします。 県内におけるうそ電話詐欺被害発生状況については、本年八月末現在、被害件数五十五件、前年同期比六件増加であり、被害総額は約一億五千四百三十九万円と約七千八百六十九万円の増加、八月中は認知件数が十四件であり、本年に入り一月当たりの認知件数としては最多を記録しています。 被害に遭っている年代は六十五歳以上が全体の七八%以上を占めており、この数字から見えることは、まさに高齢者が狙われ、実際に被害に遭ってしまっているという現状です。実際に六月以降、柳井市の五千万円を超える被害をはじめとして、山口市、岩国市においても一千万円を超える高額のうそ電話詐欺被害が発生しています。これらも高齢者が被害に遭っているものです。 県警としても、私の地元、山陽小野田市埴生にあるドライブインみちしおにおいて街頭キャンペーンを行ったり、年金支給日に併せて、県内の商業施設などで警察署員と防犯ボランティアが協同で、うそ電話詐欺被害防止のためのチラシの配布を行うなどの広報活動をしています。 また、六月以降のうそ電話詐欺被害が相次いで確認されたことを受けて、国家公安委員会委員長から警察庁特別防犯対策監に委嘱されている俳優の杉良太郎さんが山口県に来県し、県民に向けて被害に遭わないよう呼びかけを行い、家族や周りの人と声を掛け合うことの大切さについて報道を通して訴えています。 被害者の大多数が自分は被害に遭わないと思っていたということもありますが、まずは誰もが被害に遭う可能性があり、危険なんだと認識してもらうことが重要だと感じています。同じ注意喚起をしても、危機感を持ってその注意を聞くのと聞かないのとでは、効果が全く違ってくるはずです。 今、被害防止のために必要なことは、家族、地域のつながりと支え、警察による効果的な防犯対策です。被害に遭っているのは高齢独居、高齢者のみの世帯が多いことから、的を絞って、きちんとそこに手が届くような対策が必要なことであり、都市部、農村部を問わず、地域密着した地元に根づいた活動をし、そういった世帯に直接訪問をして声かけや防犯の指導をして、どれほど浸透させることができるかということが課題と言えます。 警察は、事件・事故の各種通報があれば遅滞なく対応しなくてはならないことも十分に理解をしていますし、現在も、うそ電話詐欺防止対策を推進していただいていることは承知しています。 被害を防止するためには、家族、周囲の人、警察からの注意喚起が必要ですが、実際に被害に遭う場面というのは、やはり金融機関等と密接に関連しているというのが現実であり、そういった場面で接する人たちに対する協力要請をこれまで以上に推進していくことも非常に重要であると考えます。 そこでお尋ねします。増加している高齢者被害の県内のうそ電話詐欺被害の現状をどのように認識し、防止するために今後どのように取り組んでいかれるのか、県警本部長の御所見をお伺いしまして、私の質問を終えさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)江本議員の御質問にお答えします。 まず、障害者スポーツの推進についてです。 先日閉幕した東京二○二○パラリンピックにおいて、本県ゆかりの三選手をはじめとする多くのアスリートが、障害と向き合い、ひたむきに競技に取り組む姿は、県民に夢と希望を与え、県全体に活力を生み出してくれました。 この大会を通じて、私は、障害者スポーツには、互いの違いを認め、支え合い、差別や障壁のない、誰もが暮らしやすい共生社会の実現に向けた取組を強力に推進する力があると改めて認識したところです。 このため、私は、障害や障害のある人への関心と共生の意識が大いに高まっているこの機を捉え、県内の障害者スポーツのさらなる振興に向けて取り組むこととしています。 具体的には、国際大会を目指す選手を県、企業、県民が一体となって応援する、やまぐちパラアスリート育成ファンドにより、これまで延べ四十人のアスリートを認定し、その活動を後押ししているところです。 引き続き、このファンドを通じてトップアスリートを支援するとともに、認定されたアスリートが、障害のある方にとって身近な憧れとなり、新たに障害者スポーツへ参加するきっかけとなるよう、広く県民の皆様へ、その活躍を紹介する取組も進めてまいります。 また、各障害者スポーツ競技の普及に向けては、広く障害のある方に、競技に触れ、その魅力を体験していただく機会を増やす必要があることから、楽しみながら体験するスポーツ教室等を県内各地域で開催し、トップアスリートによる実技指導を行うなど、その内容の充実を図ってまいります。 さらに、障害のある方がスポーツ活動に参加するためには、障害特性を理解し、選手に寄り添った指導者と支援者が欠かせないことから、引き続き指導者やボランティアの養成を行い、新たな人材の確保に努めてまいります。 私は、今後とも、こうした取組を通じ、県障害者スポーツ協会や各競技団体とも連携しながら、障害者スポーツの一層の推進に積極的に取り組んでまいります。 次に、観光再生についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症拡大の長期化により、宿泊客をはじめ観光客が大幅に減少し、多くの宿泊施設が臨時休業を余儀なくされるなど、本県の観光産業への影響は一層深刻さを増しています。 観光産業は、宿泊や飲食など関連する業種が多岐にわたり、地域経済に与える影響が極めて大きいことから、私は、この未曽有の危機に迅速かつ的確に対処し、本県観光の再生を一刻も早く実現していく必要があると考えています。 このため、コロナ禍による危機を脱するための短期・集中的な指針として、山口県観光V字回復プランを策定し、疲弊した観光産業の早期回復を図るとともに、コロナの時代における社会変革に適切に対応していくこととしています。 具体的には、まず観光産業の早期回復を図るため、宿泊施設における感染拡大防止や高付加価値化・収益力向上に向けた取組を支援するとともに、大きく影響を受けた公共交通事業者の事業継続への支援を行うなど、反転攻勢に向けた観光産業の基盤強化に取り組むこととしています。 また、落ち込んだ観光需要を強力に喚起するため、実効性の高いキャンペーンを展開するとともに、三密を回避し、安心・安全を前面に打ち出した、訴求力の高いプロモーションを実施してまいります。 次に、コロナの時代における社会変革への対応に向けては、観光動態に関するデータの分析をはじめ、デジタルプラットフォームや5Gなどデジタル技術の活用を着実に進め、観光客の利便性向上に資する、本県ならではの観光DXの創出に取り組みます。 また、コロナ禍を契機に、三密を回避できる自然体験やアウトドアスポーツ等の需要が高まっていることから、本県の豊かな自然を生かした新たなツーリズムとしてスポーツフィールドやまぐちの定着を図り、県内外からの誘客を促進することとしています。 さらに、コロナ収束後を見据え、多様化する旅行者のニーズに対応するため、やまぐちDMOを中心に、新たな観光トレンドを踏まえたコンテンツの開発を支援するなど、コロナの時代における魅力ある観光地域づくりに積極的に取り組んでいきます。 私は、今後とも、感染状況や経済動向を見極めつつ、市町や関係団体等と緊密に連携し、本県経済を支える観光のV字回復に向けて全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)県民の命と健康を守る感染症対策についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、妊婦の感染者に対する医療体制の整備についてです。 新型コロナウイルス感染症の流行が続く中で、妊婦は自身のみならず胎児の健康等、強い不安を抱えており、安心して出産ができる医療提供体制の確保が重要です。 このため、県では、感染した際には速やかな入院につなげ、安心して療養ができるよう、県立総合医療センターをはじめとした周産期母子医療センター等に、分娩監視装置をはじめ、必要となる医療機材を整備するなど、受入れ体制を構築しているところです。 また、県下全域で迅速かつ円滑な受入れができるよう、県立総合医療センターに二十四時間体制のコントロールセンターを設置し、県全体の入院調整に努めています。 こうした取組に加え、お示しの分娩前のPCR等検査については、昨年十月から実施しているところですが、希望する妊婦が適切に検査を受けられるよう、今議会に所要の予算を計上しているところです。 本県では、これまで、療養中に出産を迎えた三名を含め、四十五名の妊婦全員を迅速な入院につなげているところであり、今後とも、妊婦の皆さんが、より安心して出産することができるよう、医療機関との連携の下、医療提供体制の一層の充実に取り組んでまいります。 次に、感染症に対応する看護師の確保についてです。 今後、新たな変異株等、さらなる感染の拡大を見据え、感染症に関する専門的な知識を有する認定看護師の確保や、感染拡大時の応援体制の構築は重要と考えています。 まず、感染管理認定看護師については、これまで、県立大学に委託をし、養成研修を実施してきたところであり、現在、五十五名の感染管理認定看護師が県内の医療機関等で活躍をしているところです。 県としては、一人でも多くの養成に向けて、eラーニングの導入等により、受講しやすい環境を整備するなど、今後とも感染管理認定看護師の一層の確保に努めてまいります。 次に、感染が拡大した場合の応急的な看護職員の確保については、現在、四十三の医療機関と応援派遣に係る協定を締結しているところであり、引き続き応援派遣体制の拡充に努めるとともに、県看護協会と連携し、現在働いていない潜在看護師のさらなる掘り起こしを図ってまいります。 県としましては、医療機関等との連携の下、感染症に対応する看護師の確保に努め、感染対策の一層の充実に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)小関商工労働部長。 〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 商工労働部長(小関浩幸君)雇用対策についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、ルネサス山口工場の工場集約についてです。 当工場の集約については、地域経済への多大な影響が懸念されることから、これまでも機会あるごとに工場の存続や譲渡先の確保、従業員の雇用継続について要請を行ってまいりました。 こうした中で、本年七月、工場の集約を来年六月末に行うことが決定、発表されたことから、八月二日に地元宇部市や山口労働局とともに本社を訪問し、従業員の再就職支援と工場の譲渡先確保について要望を行ったところです。 この要望に対し、社員の再就職に向けて、本人の希望を踏まえてしっかりと対応する、工場の譲渡先の確保についても引き続き取り組むとの回答がありました。 また、山口労働局や公共職業安定所、宇部市ほか関係市等と組織する雇用対策連携会議を開催し、今後の対応について情報の共有を図るとともに、山口工場からの報告を受けました。 工場長からは、本年中に従業員の意向確認を行うとともに、継続雇用の希望者には別工場への配置転換を行い、県内残留希望者には近隣企業への再就職を支援する旨の発言がありました。 今後、本県にとどまることを希望され、離職を余儀なくされる従業員に対しては、職業訓練制度の紹介や就職面接会の開催など、必要な再就職支援を行うこととしています。 県としては、関係機関と連携し、従業員の雇用の確保を図るとともに、ルネサス社とも連携して工場の譲渡先の確保に努めるなど、地域経済への影響を最小限に止められるよう取り組んでまいります。 次に、コロナ禍における雇用対策についてです。 コロナ禍の影響が長期化する中で、本県経済の持続的な成長を図っていくためには、雇用の維持・創出を図るとともに、コロナの影響により生じた雇用の過不足の解消に向けて円滑な労働移動を促進することが重要です。 このため、雇用の維持に向けては、県制度融資を大幅に拡充するなど中小企業者の事業継続を支援するとともに、離職を余儀なくされる労働者が早期に再就職できるよう、山口しごとセンターによるカウンセリングや民間教育訓練機関を活用した職業訓練等、関係機関と連携した取組を行っています。 また、従業員の雇用維持に大きな効果を発揮している雇用調整助成金の特例措置の継続を国に要望するなど、適切な対応を行っているところです。 次に、新たな雇用の創出に向けては、国が創設した地域活性化雇用創造プロジェクトを活用し、DXの推進など産業施策と一体となった雇用対策に今年度から本格的に取り組むこととしています。 具体的には、専門家による伴走支援等を行い、コロナの影響を受けた業種の多角化や業種転換を促進し、雇用の場を確保するとともに、キャリアアップに向けた職業訓練やスキルアップ研修等を実施し、求職者等の再就職を促進します。 さらに、円滑な労働移動に向けては、コロナの影響により雇用過剰となった分野から人手不足分野等への在籍型出向を進めることにより、出向元企業の雇用の維持を図りながら、出向先企業での新事業展開の促進、出向者の能力向上等につなげてまいります。 県としては、国や関係機関と連携し、雇用の維持・創出や出向による労働移動などを総合的に支援することにより、雇用対策にしっかりと取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)高校生の就職支援についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症の拡大が、高校生の就職活動や就職環境に大きな影響を与える中、この九月十六日から開始される採用選考に臨む生徒や次年度以降に就職を希望する生徒の進路をかなえることができるよう、感染状況や企業等の動向に迅速に対応しながら、組織的できめ細かな就職支援を行うことが重要です。 このため、五月と六月に対面で予定していた、企業と学校の情報交換の場である県内就職促進協議会をオンライン形式に変更して実施するとともに、県内三地域で就職サポーター等が出席する情報交換会を六月以降毎月実施し、企業情報の共有やコロナ禍における就職支援の進め方について協議を行っているところです。 また、進路に役立つ情報を生徒が容易に入手できるよう、一人一台タブレット端末専用のサイト内に、就職支援に係るホームページを新たに開設し、百社を超える県内企業の説明動画を掲載したところです。 さらに、生徒や学校がオンラインによる採用面接に不安なく臨めるよう、山口労働局、県、県教委の三者連名により、各企業に対し、生徒や学校の事情に配慮した柔軟な対応について文書で依頼するとともに、生徒、教員それぞれを対象としたオンライン面接対策動画を新たに作成し、配信するなど、就職指導の支援に努めています。 今後は、学校とハローワーク等が参加する進路指導連絡協議会を十月に県内七地区で開催し、未内定者への就職支援について協議するとともに、来年度就職を考えている高校二年生等への支援として、十一月から、教員や就職サポーター等による個人面談を行い、企業情報の提供に努めてまいります。 また、十二月には、庁内のプロジェクトチームでICTを活用した就職支援の在り方等について協議するなど、関係機関とも連携しながら、支援体制の強化を図ることとしています。 県教委といたしましては、コロナ禍における就職環境の変化に対応しながら、就職を希望する全ての高校生の進路が実現できるよう全力で支援してまいります。 議長(柳居俊学君)谷警察本部長。 〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 警察本部長(谷滋行君)県内における、うそ電話詐欺被害に対する現状認識及び今後の被害防止への取組についてのお尋ねにお答えいたします。 本年八月末現在の県内におけるうそ電話詐欺の被害は、過去五年間の平均と比較しますと、県民の被害防止意識もあり、数字的には下回っておりますが、議員御指摘のとおり、昨年、一昨年と比べると増加しており、特に六月、七月には一千万円を超える高額被害を相次いで認知するなど、大変厳しい状況にあるものと認識しております。 議員お示しのとおり、うそ電話詐欺の被害者の多くが独居または高齢者のみの世帯であり、こうした方々にどれだけ被害防止に関する情報を届けて、警戒感を持っていただくかということが極めて重要であると考えております。 このような高齢者の方々に対しては、直接家庭を訪問するなどし、対面した上で直接うそ電話詐欺の手口や被害防止対策等について声かけをしていくことが非常に効果的であります。 県警察では、警察官による訪問はもちろん、地域で活動しておられる防犯ボランティアの方々、さらには民生委員や自治体の関係者をはじめ、高齢者と接する機会の多い方々に幅広く御協力を得て、対面での直接的な声かけや注意喚起を一層推進してまいりたいと考えております。 また、議員お示しのとおり、高齢者とふだん離れて暮らす家族に高い防犯意識を持っていただくことも大変重要だと考えます。家族間で小まめに連絡を取り合うという社会的機運が醸成されるよう、子供や孫世代への呼びかけにも、関係機関の協力も得て積極的に取り組んでまいります。 このほか、未遂に終わった事案からは、マスメディアを通じた被害防止広報や金融機関、コンビニエンスストアなど、現金の振込等に利用される店舗における対応も非常に重要であるということが分かっております。様々なメディアを通じた広報啓発、金融機関等への声かけの協力のお願いなどにも創意工夫を凝らしてまいりたいと考えております。 県警察といたしましては、今後とも、実効性のある被害防止対策を推進し、高齢者のうそ電話詐欺に対する抵抗力の強化と被害の根絶に取り組んでまいります。