1 知事の政治姿勢について 2 コロナ禍における保健医療体制強化について 3 最低賃金引き上げと中小企業支援について 4 米軍岩国基地問題について 5 上関原発問題について 6 朝鮮学校問題について 7 安岡沖洋上風力発電所問題について 8 その他
副議長(二木健治君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。通告に従い一般質問を行います。 質問の第一は、知事の政治姿勢についてです。 私は昨年九月、菅政権発足以来、毎議会、時々の評価をお聞きしてきました。 六月議会では、コロナ対策の無為無策とオリパラの強行についてお聞きしましたが、知事は、コロナ対策も五輪推進も、いずれも心強く感じていると、もろ手を挙げて礼賛されました。 両大会の期間中は、全国的にも感染が急激に拡大。感染対策をはじめ多くの問題を残したことは御承知のとおりであります。 改めて菅政権下でのコロナ対策とオリパラ推進の評価について伺います。 第二は、歴史認識に係る問題です。 今年初めて全国戦没者追悼式で首相式辞を述べた菅首相は、さきの大戦では、三百万余りの同胞の命が失われましたと述べたものの、日本が引き起こしたアジア・太平洋戦争で二千万人を超すアジア諸国民の命を奪ったことには全く触れず、過去に無反省な政権の姿をあらわにしました。 あさって九月十八日は、九十年前、日本が中国東北部、いわゆる満州事変を起こし、侵略戦争を始めた日でもあります。以後、一九三七年に日中全面戦争、四一年にアジア・太平洋戦争へと侵略を拡大させたことは歴史の事実です。 一九一○年には、朝鮮人民に対して、土地収奪だけではなく、姓名も言語も文化、宗教など民族の誇りを奪い尽くす植民地支配を強行しました。時の政権、総理大臣は、いずれも山口県出身者でした。 安倍・菅政権がこの九年間、あえて目を背けてきた加害責任について、どうお考えなのか、知事の歴史認識を改めてお尋ねします。 質問の第二は、コロナ禍における保健医療体制強化についてです。 第一は、保健所機能の抜本的な拡充です。 国内でも一九八○年代以降、全てを市場任せにして、医療・福祉、公共サービスの縮小や民営化により小さな政府を目指す新自由主義が声高に叫ばれ、山口県も構造改革の掛け声で、出先機関の統廃合を一気に進めました。 資料一に示したように、公衆衛生の拠点でもある保健所・支所は、二○○三年の十五か所から、二○一九年には八か所にほぼ半減しました。県保健統計年報によりますと常勤職員は、二○○三年度末三百七十六人から、一九年度末の二百三十七人へと三七%も削減。 こうした中で、保健所は、昨年三月以来の新型コロナの感染急拡大により、通常業務に加え、発熱相談や濃厚接触者の追跡、入院調整などの激務が集中しています。 その結果、保健所では、時間外勤務が過労死ラインを超過する月百時間以上の職員数は、昨年は六十七人、今年はこの八月までで百九十七人に達しており、中には月二百六十三時間も時間外勤務を強いられた職員もいます。月二十日勤務とすれば、一日の勤務時間は時間外を含めて、何と二十一時間です。まさに過労死につながる異常事態であります。 我が党は一貫して保健所職員の拡充増員を求めてきましたが、今年度の職員の増員は僅か六名です。 構造改革を名目にした保健所・支所と職員削減が、あってはならない長時間過密労働を生み出したことは反省すべきですが、お尋ねします。 新型感染症によるパンデミックは、今後も繰り返される可能性は大です。今回を教訓として、保健所・支所の復元と職員の大幅増は喫緊の課題ですが、どう取り組まれるか伺います。 第二は、医療体制の拡充です。 首都圏や近畿圏などコロナパンデミックに襲われた地域では、医療崩壊が現実となり、入院治療が必要な方が自宅療養という名の自宅放置という、信じられない事態が生まれました。 県内では幸い、こうした事態は避けられていますが、病床使用率が七割を超え、レベルⅣの時期もあり、決して人ごとではありません。災害と同様、最悪の事態を想定した備えは欠かせませんが、県は、地域医療構想の名前で病床削減策を推し進めています。 資料二のように、二○二五年時点の望ましい病床数は、全県で高度急性期千三百二十三、急性期四千五百八、回復期四千六百七十四、慢性期五千三百八十四とされ、一九年の病床機能報告と比べると、高度急性期六百三十七、急性期二千四百九十九、慢性期二千八百八十三の病床を削減しようとしています。 政府はコロナ感染拡大後、同構想の見直しを言明していましたが、結局、基本的な枠組みを維持しつつ、着実に取組を進めていくと変わりません。医療崩壊という、かつて想像もしなかった事態が想定される中で、到底容認できるものではありません。 加えて許し難いのは、国が昨年度から取り入れた病床削減支援制度であります。稼働率の高い病床を削減したら、一床当たり最大二百二十八万円の報奨金を配るというものです。昨年度は県内でも百八十五床削減され、二億六千五百六十二万円の支援金が支払われました。 今年度から、報奨金の財源は消費税増税分とされ、百九十五億円の予算が計上され、県も六月から申請受付を開始しています。 消費税は福祉増進のためと導入が強行され、福祉増進のために増税が繰り返されて、安倍政権の下で一○%にまでなりました。 消費税を財源とした報奨金をニンジンのようにぶら下げて、病床削減を推進するという、こうした施策は、病床削減は福祉増進のためという論理につながってしまいますが、県も同意されているのか。まさにモラルハザードであり、直ちに撤回を求めるべきです。お尋ねします。 質問の第三は、最低賃金引上げと中小企業支援についてです。 山口労働局は八月二十三日、山口県の最低賃金を一時間二十八円引き上げ、八百五十七円に改定すると発表し、十月一日から効力が発生します。引上げ率は三・四%と近年最大であり、評価するものであります。 しかし、この金額で、一か月フルタイムで働いた場合の月収は約十四万九千円、税金、社会保険料を除けば、十二万円程度であり、安定した暮らしは望めません。 全国労働組合総連合は、最低生計費調査を基に、若者が人並みの暮らしをするためには約二十四万円程度必要だという調査結果を発表し、そのためには時給千五百円が必要と提言しています。 県は今回の最賃引上げをどう評価し、今後、どの程度まで引上げが必要と考えているのか、お尋ねします。 最賃引上げと同時に、中小企業への支援を抜本的に強めることが欠かせません。 ところが、国の最賃引上げの支援策の一つ、業務改善助成金の予算は二○一九年度、約七億円にすぎません。また、安倍政権が打ち出した賃上げ減税は、二○一九年度実績で三千八百四十九億円、その上、半分以上は大企業に回り、中小企業は僅か四%程度にすぎません。 日本共産党は、予算規模を現在の千倍に当たる七千億円へと抜本的に拡充し、労働者を雇用すれば赤字でも負担する社会保険料の事業主負担分を、賃上げ実績に応じて減免する中小企業賃上げ支援制度をつくるように提案しています。 また、適正な単価や納入価格の保障、過度な競争の規制、公契約法、公契約条例の実現と併せ、中小企業が最低賃金を引き上げられる環境をつくることが急務と考えますが、見解を伺います。 質問の第四は、米軍岩国基地問題についてです。 第一は、岩国基地の港湾機能の問題です。 沖合移設事業着工前の一九九六年六月議会で、我が党の中島修三県議が、同事業によって港湾機能が強化されることは基地機能強化にほかならないと問いただしたのに対し、当時の平井知事は、防衛施設庁が、現有の機能と何ら変わるものではないので、基地機能の強化ではないと説明していると弁明しました。 事業が進捗していた二○○五年九月県議会では、我が党の藤本一規県議が、沖合移設は機能代替が原則。新たな岸壁への米艦船の接岸は、この原則を逸脱するために容認できないはずだと見解をただしたのに対し、当時の総務部理事は、国の見解を確認したところ、従来どおり燃料並びに補給物資等の積み下ろしを行うためのもので、大型艦船停泊のために建設したものではないという説明を受けたと答弁しました。 しかるに、二○一二年以降、明らかになっているだけでも、資料三に示したように、四万トンから六万トンクラスの大型艦船が六回も停泊し、オスプレイやアパッチなど大型の輸送機やヘリコプターの積み下ろしを行ってきました。 この事実は、過去の国の説明は明白な虚偽であり、約束違反だと考えますが、見解を伺います。 黙っていたら今後も、自衛隊配備のオスプレイの陸揚げに利用される可能性は大であります。国に厳重抗議し、大型艦船の停泊は二度と行わないように要請すべきです。それとも、米軍の運用上の問題として看過されるのか、併せてお尋ねします。 第二は、F35Bの安全性の問題です。 米軍岩国基地に配備されているステルス戦闘機F35B二機が七月十三日、沖縄に向けて飛行中に落雷の被害を受けました。同基地報道部は、乗員にけがはなく、安全に着陸したと説明していますが、その後、米海軍安全センターは損害額が二百五十万ドル、約二億七千五百万円を超える見込みであることから、事故の深刻度を示す四段階の分類のうち最も重大なクラスAと判断しています。 基地報道部はマスコミの取材に対し、現在、事故調査が進められており、学び得た経験は今後の飛行運用に生かすなどとしていますが、F35Bについては、従来から雷に脆弱である事実が指摘されていました。昨年六月二十五日付の米報道機関ミリタリーコムは、F35Aは爆発の懸念から雷の近くでの飛行は禁じられたとする記事を掲載しています。 落雷はどこでも起こり得る現象です。F35が落雷に脆弱であるという構造上の欠陥がある可能性があるとすれば、極めて重大な問題です。 国に対して、今回のクラスAの事故の経緯と原因はもちろん、F35に構造上の問題がないかも含めて明らかにするよう求めるとともに、事故原因が究明され、再発防止策が講じられるまでは訓練を中止するよう要請すべきであります。お尋ねします。 質問の第五は、上関原発問題です。 第一は、現在、国が策定を進めている第六次エネルギー基本計画との関連です。 二○一一年三月の福島原発の過酷事故を機に、国のエネルギー政策は大きく変わりました。 二○一○年六月の第三次エネルギー基本計画は、二○二○年までに、九基の原子力発電所の新増設、さらに二○三○年までに、少なくとも十四基以上の新増設と明記されていましたが、第四次基本計画では、原発の再稼働を進めることは書き込まれたものの、原発依存度は可能な限り低減させるとされ、新増設については、政府は想定していないと繰り返しています。 県が国の専管事項だと繰り返すエネルギー政策のうち、原子力発電所の扱いは、新増設推進から、新増設は想定しないと大転換していることは明らかではありませんか、お尋ねします。 国の政策が変わった以上、県のエネルギー政策も変わるのは当然ですが、具体的にどのような政策変更があったのか、お示しください。 第二は、SDGsと原子力発電との関連です。 SDGsとは持続可能な開発目標の略称です。二○一五年九月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟百九十三か国が二○一六年から三○年の十五年間で達成するために掲げた目標であります。 山口県もSDGsが掲げる十七の目標を第二期「山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げる施策と関連づけて、その推進に取り組んでいます。 原子力発電は、発電の過程ではCO2を出さない方法として、SDGsとつながっているとも言われますが、一方で、発電をする際に核のごみと言われる放射性廃棄物が発生するという大問題があります。核のごみを処理し切るためには数十万年単位の年月が必要とされており、我々の子孫に大きな負の遺産を残すことになり、持続可能という考え方からも遠のきます。 また、福島第一原発事故から十年たった今でも帰宅困難区域になっている場所があるなど、社会的、時間的、空間的に、ほかの災害とは異質の危険性を持つ原子力災害の危険性を考えると、住み続けられるまちづくりをというSDGsの考え方から最も遠い存在です。 原子力発電所の新設と県の総合戦略が両立し得ないことは明白です。住み続けられる山口県を次世代に引き継いでいくためにも、上関原発計画は白紙撤回を求めるべきです。見解を伺います。 質問の第六は、朝鮮学校問題についてです。 第一に、山口県は、補助金を支給しない理由として、高校無償化など国の考え方、二、他県の動向、三、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、補助金の支給は県民の理解を得られないということでありますが、私は、在日朝鮮人の方々は、日本の植民地支配によって故郷を追われ、やむを得ず日本に渡ってきた人々とその子孫であり、植民地支配は、被害国を徹底的に支配し、あらゆる権利を奪う犯罪だと考えます。 まず、県当局に、こうした歴史認識についてお尋ねします。 第二に、他県の動向についてです。 北九州と福岡県は、子供たちには罪はない、教育に差別は持ち込まないと補助金支給は継続しています。 あの広島市は、国や県の対応も変わっていない現状からすると、本市としても現時点で助成を再開することは極めて困難と答弁する一方で、本市の市民である子供たちが民族教育を受ける権利については、当然に尊重すべきものと答弁しています。 山口県は、在日コリアンの方々は山口県民ではないとでも言うのでしょうか、お尋ねします。 次に、北朝鮮の動向は県民の理解を得られないについてです。 北朝鮮による核実験や日本人拉致などは、朝鮮学校で学ぶ児童生徒に責任があることでは全くありません。 御承知のように、日本が批准している人種差別撤廃条約や子どもの権利条約には、民族教育を保障すべき締約国と地方政府の義務が明記されています。 今、山口県が行っているのは、民族的、文化的、言語的アイデンティティーを獲得する教育を受けることをさらに危うくすることにほかなりません。 一刻も早く、補助金を復活すべきであります。お尋ねします。 最後は、安岡沖洋上風力発電所問題についてです。 先日、同事業を進めてきた前田建設工業が、地元の反対する会の会長に、建設は凍結する旨の表明がありました。地元の皆さんの不屈の闘いに、心から敬意を表します。 まず、県として、凍結表明をどのように捉えているか伺います。 同事業について村岡知事は、二○一七年六月八日、健康への影響や景観に対する住民の不安が払拭できていないとする知事意見書を経産大臣に提出されました。 低周波による健康被害に対する科学的医学的知見が確立していないことと、地元住民の合意が大前提だとする内容であります。 環境省が久留米大学に委託した低周波による健康被害の科学的医学的知見については、どこまで進捗しているか、お示しください。 健康リスクへの不安の払拭や住民合意がなければ、こうした建設は絶対に認められないことは当然であり、事業者に対し凍結ではなく、きちんと撤退すべきだと要請すべきと考えますが、お尋ねをして、一回目の質問を終わります。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問のうち、私からは、菅政権の評価についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、菅政権においては、何よりも国民の命と健康を守るとの考えの下、病床等の確保促進に加え、中和抗体薬や酸素ステーションの導入、開業医を活用した療養者支援の充実など、必要な医療を確実に提供するための対策を強力に進めてこられました。 さらに、感染や重症化を防ぐ効果が高いとされるワクチン接種についても、歯科医師の活用や職域接種の促進など、既存の枠にとらわれない新たな手法を用いることにより、当初の目標を大きく上回るペースで進んでおり、既に全人口の五割以上が二回の接種を完了したところです。 また、経済面においては、雇用調整助成金の特例措置や事業者に対する資金繰り支援の期限延長など、国民の雇用と暮らしを守る対策が的確に講じられ、制限の緩和と社会経済活動の正常化に向けて、新たなワクチン・検査パッケージの導入も検討されています。 私は、こうした一連の取組がさらに前へ進められることで、今後、コロナとの共存を前提としながら、感染拡大への備えを固めると同時に、社会経済活動の正常化を実現する確かな道筋がつけられてくるものと期待しています。 東京オリンピック・パラリンピックについては、その開催に対して様々な意見もありましたが、我が国は、開催国としての責任を十分に果たすとともに、代表選手たちの活躍が、コロナ禍で影響を受けている多くの国民に勇気と希望を与える、またとない機会になったものと考えています。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)歴史認識についてのお尋ねにお答えします。 歴史認識などの外交問題は、どこまでも国の専管事項であり、県としては見解を申し述べる立場にありませんが、政府においては、これまで、戦後五十年、六十年、そして七十年の節目に内閣総理大臣談話が閣議決定されており、県としては、こうした政府の見解を尊重すべき立場にあると考えています。 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)コロナ禍における保健医療体制強化に関するお尋ねのうち、保健所機能の抜本的な拡充についてお答えします。 まず、構造改革を名目にした保健所・支所と職員削減が、あってはならない長時間過密労働を生み出したことを反省すべきとのお尋ねについてです。 これまで行ってきた保健所の組織再編や定数の見直しについては、地域保健法の施行に伴う県と市町村の役割分担の見直しや、市町村合併の進展等を踏まえたものであり、適切な対応であったと考えています。 次に、今回を教訓として保健所・支所の復元と職員の大幅増は喫緊の課題だが、どう取り組むのかとのお尋ねについてです。 新型コロナの感染拡大に伴い、保健所に大きな負担が生じたことから、職員の増員や応援派遣、業務の外部委託等、業務執行体制の強化や職員の負担軽減を図ってきたところであり、引き続き、感染状況や現場のニーズ等に柔軟かつ機動的に対応できる体制を確保してまいります。 また、今回のコロナ禍で直面した課題等を踏まえ、国において、感染症対策に係る国、都道府県、市町村の関係等について検討するとされていることから、こうした国の動向も注視しながら、適切に対応してまいります。 次に、朝鮮学校問題についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、歴史認識についてですが、政府において、これまで内閣総理大臣談話が戦後の節目において閣議決定されているものと承知をしています。 次に、他県の動向と県民の理解についてのお尋ねにまとめてお答えします。 福岡県や北九州市、広島市における対応については、それぞれの自治体の判断によるものと考えています。 その上で、県内の在日韓国・朝鮮人の方々を含め、国際条約などが求める子供の人権や学ぶ権利については、当然尊重すべきものと考えていますが、朝鮮学校補助金については、朝鮮学校をめぐる様々な状況を総合的に勘案し、現時点では、補助金の支給は県民の理解を得られないと判断しており、補助金を予算計上することは考えておりません。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)コロナ禍における保健医療体制強化についてのお尋ねのうち、医療体制の拡充についてお答えします。 国の病床機能再編に係る支援制度は、中長期的な人口減少・高齢化の進行を見据えつつ、地域の実情に応じた質の高い効率的な医療提供体制を構築するため、地域医療構想調整会議等の合意を踏まえて、自主的な病床削減等を対象としています。 県としては、地域医療構想に基づき、医療機能の分化・連携等、地域にふさわしいバランスの取れた医療提供体制を構築するために必要な支援と認識しており、国に撤回を求めることは考えておりません。 副議長(二木健治君)小関商工労働部長。 〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 商工労働部長(小関浩幸君)最低賃金引上げと中小企業支援についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、今回の最低賃金引上げをどう評価し、今後、どの程度までの引上げが必要と考えているのかとのお尋ねについてです。 最低賃金については、法律に基づき、最低賃金審議会の審議を経て、各地域の労働者の生計費や賃金などを総合的に勘案して、地域の労働局長が決定しているものです。 今回の引上げについても、国において、審議会での慎重な審議等を踏まえて決定されたものであり、県としてその決定内容について評価すべき立場にはありません。 次に、中小企業の最低賃金引上げのための環境づくりに関する見解についてのお尋ねです。 国においては、最低賃金の引上げのため、事業再構築補助金における最低賃金枠の創設や、九月の価格交渉促進月間における集中的な適正取引の啓発など、中小企業に対する生産性向上や取引改善に向けた対策を講じることにより、賃上げしやすい環境の整備に取り組んでいます。 こうした国の取組に併せ、県としても、商工会等と連携し、国の補助金の申請サポート等を実施するとともに、大企業等の発注企業に対して取引適正化に係る文書要請等を行うこととしています。 県では、国と連携した対策を講じることにより、中小企業の最低賃金引上げのための環境整備に取り組んでいきたいと考えています。 副議長(二木健治君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)米軍岩国基地問題についてのお尋ねのうち、まず、岩国基地の港湾機能に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、過去の国の説明は虚偽であり、約束違反と考えるが、どうかとのお尋ねです。 岩国基地の港湾施設の運用については、県では、基地の沖合移設に際し、軍艦等の母港及び寄港地とならないよう国に要請しており、これを基本的な考え方として、軍艦等が寄港する際には、その都度、国に見解を照会するとともに、目的や施設の運用等についても確認しているところです。 その際に国からは、あくまでも、補給物資の荷揚げ作業を行うことを目的とした施設であり、岩国飛行場が米軍艦船のいわゆる母港になるという計画はないと承知している、乗組員に岩国への訪問の機会を目的とする寄港は一般的にあり得るとの見解が示されています。 お示しの航空機の陸揚げを目的とする寄港については、国からさらに、基地周辺での具体的な運用の内容等について説明を受けており、これを踏まえ、県としては、その運用が一時的なものであり、基地周辺住民への影響も少ないことから、やむを得ないものと判断しています。 また、その他の寄港が、主として親善目的であることを踏まえると、岩国基地の港湾施設において、過去の国の説明に反する運用が行われているとまでは考えていないところです。 次に、大型艦船の停泊が二度と行われないよう要請すべきであるが、米軍の運用上の問題として看過するのかとのお尋ねです。 県としては、軍艦等が寄港する際の事前の情報提供の徹底を国に強く求めており、その内容に応じて、地元市町と連携して、国に必要な要請を行うとともに、航空機の陸揚げの場合には、併せて、岩国での実施を通例としないよう、要請しているところです。 岩国基地の港湾施設の運用については、今後とも、こうした取組を積み重ねることにより、なし崩し的に軍艦等の母港及び寄港地とならないよう、適切に対応してまいります。 次に、F35Bの安全性についてです。 航空機の機体の安全性については、外交・防衛政策を所管し、専門的な知見を有する国の責任において判断し、確保されるべきものであり、飛行訓練の中止についても、基本的には、国や米軍が安全管理の徹底を図る中で、自主的に判断されるべきものと考えています。 したがって、県としては、お示しの落雷による事故をもって、改めてF35Bの構造上の問題を確認することや飛行訓練の中止について要請する考えはありませんが、航空機の安全対策を徹底するよう、引き続き、あらゆる機会を通じて、国や米側に働きかけてまいります。 副議長(二木健治君)三浦商工労働部理事。 〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 商工労働部理事(三浦健治君)上関原発問題に関する御質問のうち、エネルギー基本計画との関連についての二点のお尋ねにまとめてお答えいたします。 現行の第五次のエネルギー基本計画において、原子力発電所の新増設に関して明確な記述がされていないこと、また、国会答弁等において、原発について新増設やリプレースは現時点においては想定していない旨の政府の考え方が示されていることは承知しております。 一方で、国からは、上関原子力発電所に係る重要電源開発地点の指定は引き続き有効であり、事情の変化がない限り、解除することは考えていないとの見解も示されております。 県としましては、重要電源開発地点に指定された上関原発について、国のエネルギー政策上の位置づけは現在も変わっていないものと認識しており、これまでと同様に、地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するという立場で対応しているところです。 次に、SDGsと原子力発電との関連についてです。 エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことができないものであり、エネルギー政策は国家運営の基本です。 したがって、SDGsの考え方との整合性を含め、原子力発電をどうするかについては、安全性・信頼性の確保を大前提に、国の責任で判断されるべきものと考えております。 また、上関原発計画は、事業者である中国電力が、国のエネルギー政策に沿って進めてきたものであり、上関原発の建設をどうするかは、事業者自らが判断すべきものと考えております。 このため、県としましては、上関原発計画の白紙撤回を求めることは考えていません。 次に、安岡沖洋上風力発電所問題に関するお尋ねのうち、事業者による凍結表明についてです。 お示しのような凍結表明があったかどうかにつきましては承知しておりませんので、県としては、見解を述べることはできません。 副議長(二木健治君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)安岡沖洋上風力発電所問題についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、低周波による健康被害の科学的医学的知見の進捗状況についてです。 環境省は、平成二十九年五月に発出した風力発電施設から発生する騒音に関する指針において、久留米大学の研究結果を踏まえて、低周波音と健康影響に明らかな関連を示す知見は確認されなかったとしており、それ以降は、新たな知見は示していません。 次に、事業者に撤退を要請すべきとのお尋ねですが、環境影響評価制度においては、県が事業の可否を判断するものではないことから、撤退の要請をすることはありません。 〔発言する者あり〕 副議長(二木健治君)木佐木大助君。 木佐木大助君 議長、その前に答弁漏れがあるんですが、恐らく総務部長の、要するに在日コリアンは山口県民かと。広島市の当局がちゃんとそれは我が広島市民であるっていうことも聞きました。ついでに言えば、下関の当局もそういう大事な下関市民だということは言っておるんですが、山口県は、在日コリアンは山口県民として見とるんか見てないのか。それか、あえて答弁を避ける態度なのか。いずれにしても答弁漏れですので。 副議長(二木健治君)再質問で答えていただきたいと思います。 木佐木大助君 内海部長に。ちゃんと答えてくれるということでよろしいですか。 副議長(二木健治君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問行います。 保健所問題、NHKは今年一月、保健所の体制について、全国の知事を対象に書面によるアンケートを行い、全ての都道府県から回答を得たと報じています。コロナ禍で保健所の体制が十分だと思うか。十分だと答えたのは八つの自治体で、全体のおよそ六割に当たる二十九の自治体が十分ではないと答えました。 十分ではないと答えた知事の多くは、これまでマンパワーの確保に取り組んできたとしていますが、例えば栃木県知事は、新規感染者の急増により業務量が増え、通常業務を一部制限せざるを得ない。また、熊本県の知事も、業務の効率化や拡充を行ってきたが、感染拡大の速度に間に合わず、専門職の人数が不足しているとコメントを寄せています。 さて、山口県はどうだったのか。何と保健所の体制は十分と回答されていました。昨年五月から十二月まで、県内五つの保健所で、時間外勤務が八十時間を超えた職員は九十人もおられました。二百時間を超えた職員もいます。こうした現実を目の当たりにしながら、なぜ保健所の体制が十分と回答されたのか、お尋ねします。 また、こういう県の態度は、職員のモチベーションを大きく損なうことにならないか、心配します。保健所の体制は十分ではない。大幅な増員を図る必要があるという認識に立って対応すべきだと考えますが、改めて伺います。 基地問題、米軍岩国基地における基地機能の変更に対する基本政策について、県は機能強化の有無を判断する能力がないから、二○一七年九月以降は、騒音や安全性等の面で、基地周辺住民の生活環境が悪化することは認められないに変更していると繰り返されています。 県議会は、過去三度にわたって、基地の機能強化は許されないという決議を上げています。 我が党は、山口県当局は、この決議の縛りから逃れるために判断基準を意図的に変えて、ついに基地機能強化という概念そのものをなくそうとしているという懸念を持たざるを得ません。この点、お尋ねします。 こうした県当局の対応は、結果的に岩国基地に起因する爆音や墜落への恐怖、米兵軍属による犯罪に苦しめられている多くの住民の思いを踏みにじることになります。 所属機数が増える、最新鋭装備に変わる、新たな部隊が駐留する、これまで接岸できなかった艦船が寄港する、これらの事実を機能強化と言わず、何と言っているのか、お尋ねします。 F35B事故についてです。 落雷によってクラスAの被害を被ったF35の事故原因などについては、米側は運用上の問題として説明を拒否しているようです。 しかし、落雷の可能性は、墜落などと比較するとはるかに高いわけです。落雷によって機体にどのような損傷があったのか、構造上の問題はなかったのかなどについて、運用上の問題として看過できるものではありません。事故原因の究明を求め、再発防止策をつまびらかに明らかにするよう求めるべきです。改めて答弁求めます。 原発問題です。 国のエネルギー政策の大本であるエネルギー基本計画において、原発の新増設の記述は消え去り、時の首相も新増設は想定していないと繰り返すなど、現時点で原発新設などできないことは明らかです。 ところが、中国電力は上関原発の重要電源開発地点の指定、これは引き続き有効であり、事情の変化がない限り解除することはできない、考えていないという政府の回答をもって、上関原発は国のエネルギー政策に位置づけられていると強弁し、山口県はそれを受けて、電源の開発が確実であると埋立延長の申請を許可し続けています。こんな茶番はいつまでも許されるはずではありません。 我が党は、市民と野党の共同の力で原発ゼロを目指す政権を実現し、上関原発建設を止めるために全力を尽くして頑張ります。これは意見ですので、答弁は要りません。 最後、朝鮮学校問題、県民の理解が得られないと言いますけれども、世論調査も行っていない、県政世論調査でも今年度と昨年度、拉致問題での調査を行っただけではないですか。基地・原発問題では国の専管事項としながら、この問題では大胆に外交・防衛問題に踏み込む、二枚舌までとは言いませんが、地方自治体としてはあってはならないダブルスタンダードと考えます。この点について見解を求めて再質問といたします。(拍手) 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)木佐木議員の再質問にお答えします。 まず、保健所の体制の強化についてであります。 長時間の時間外が発生する中、なぜ今年一月のNHKのアンケートに保健所の体制は十分と回答したのか、体制強化に取り組むべきではないのかとのお尋ねです。 NHKからアンケートのありました一月下旬の時点では、全県下で一日当たり約二十人程度の新規感染者の発生でありまして、その時点では職員の機動的な応援派遣や業務の外部委託等により、十分対応できる体制を確保していたことから、アンケートはそのように回答しているものです。 県としましては、引き続き、感染状況や現場のニーズ等に柔軟かつ機動的に対応できる保健所の体制を確保してまいります。 次に、朝鮮学校問題についての再質問であります。 世論調査も行わず、基地・原発問題では国の専管事項としながら、外交・防衛問題を盾に朝鮮学校への補助金を廃止したのはダブルスタンダードではないかというお尋ねであります。 朝鮮学校への補助金でありますけれども、これを外交・防衛問題として捉えているものではありません。あくまでも朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としている国の考え方、補助金支給に対する他県の動向、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、県として県民の理解が得られないと判断しているものであり、朝鮮学校補助金を予算計上することは考えておりません。 副議長(二木健治君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)再質問にお答えします。 まず、軍艦の寄港に関連して、基地機能の強化の概念についてお尋ねがございました。 基地機能強化とその概念につきましては、平成二十九年九月まで県の基地問題に対する基本姿勢の一つとして用いていた、今以上の基地機能の強化は容認できない、そういうことであると思いますが、その判断基準としては、部隊の移駐などの基地機能の変更があった場合に、航空機騒音や安全性等の面で基地周辺住民の生活環境が現状より悪化する状態が生じるかどうかとしていたところで、これはこの県議会でも何度も議論が重ねられたものと承知しております。 しかしながら、基地機能の強化という表現では、県としてこれを判断することができない軍事機能の強化というふうに誤解される可能性があるので、平成二十九年九月以降はその表現を用いずに、判断基準であった航空機騒音や安全性等の面で基地周辺住民の生活環境が現状より悪化することは認められないという表現に基本姿勢を改めたところです。 したがいまして、その表現は変更しているものの、その考え方、判断基準、これは平成二十九年九月以前も以降も一貫しているものであり、機能強化の概念そのものがなくなったものではございません。 それから、事例を示されて機能強化となるのかということがございましたが、まず、基地の運用の全てについて、これが何でも基本姿勢に照らして判断するのかということではなくて、基地施設の充実とか基地施設の新設、それから部隊・航空機の追加配備というようなものが、この基地機能の変更に当たるというふうに考えておりまして、基地の一時的な運用というふうに言えるものは、これに当たらないということで、基本姿勢に照らして判断するものではないというふうに考えております。 この考え方により、最新鋭機への変更とか艦船の一時的な寄港などは、この基地機能の変更には該当しませんが、所属機の増加、これも部隊への航空機の機数というのはその時々で変動しますので、機数の増加が単純に基地機能の変更になるとは言えませんが、例えば、これが航空機の追加配備となる場合には基地機能の変更に該当しますので、これは基本姿勢に照らして、基地周辺住民の生活環境が悪化するかどうかということを判断するということになります。 それから、F35Bの落雷による事故への対応についてお尋ねがございました。 今回の事故は原因が落雷という不可抗力によるものでございましたが、クラスAの事故であったということを踏まえまして、機体の被害状況とか雷雨時の飛行ルールについては、国に照会をいたしました。 これに対し国からは、米軍の運用に関することでお答えすることは困難という回答ではございましたが、機体の安全性については先ほども御答弁したとおり、国が確保するものでございますので、国においては、米軍がこの事故を受けて行おうとしているこの調査を確実に実施するようにフォローするなど、航空機の安全対策の徹底に万全を期してほしいと考えております。 副議長(二木健治君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再々質問を行います。 かたくなに在日コリアンは県民かどうかに答弁を避けられる、この点について改めて山口県の独自の立場が現れているのではないかというふうに思います。総務部長、改めてこの点についてお答えください。 最後ですが、一言述べさせていただきます。 七月十五日、桜を見る会前夜祭での公職選挙法違反容疑をめぐって、東京第一検察審査会は、安倍前首相の不起訴は不当との議決を行い、東京地裁は再捜査を始めました。 続いて八月二十七日、安倍前首相は、政治資金規制法違反容疑で東京地検特捜部に刑事告発をされました。これも桜を見る会前夜祭の費用補?をめぐる、うその内容を記入した虚偽記載の疑いです。 いずれも本質は有権者を買収した疑いであり、国会で百十八回にも上る虚偽答弁をしてきたことは、絶対に許されることではありません。安倍・菅政権の九年間で政治腐敗は一層広がりました。 この間、政治と金の疑惑で刑事責任を問われた国会議員は、何と九人にも上り、うち七人は閣僚経験者であります。安倍前首相は、速やかに国会で説明をするとともに、その進退を含めて責任を果たすべきであります。 以上指摘をして、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)朝鮮学校問題についての再々質問にお答えします。 県内の在日コリアンの方々は山口県民であるとの認識かとのお尋ねですけれども、山口県にお住まいの方は山口県民であると認識しております。 副議長(二木健治君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───◆─・──◆──── 副議長(二木健治君)以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。 午後二時五十四分散会