1 ウォーカブルなまちづくりについて 2 欧米豪からのインバウンドの推進について 3 本県農業の新たな魅力発信に向けて 4 テレワークを活用した移住等の推進について 5 デジタル時代の子供の健康対策について 6 若年層の犯罪被害者対応について 7 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十三号まで、十五号及び十六号 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十三号まで、十五号及び十六号を議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 新造健次郎君。 〔新造健次郎君登壇〕(拍手) 新造健次郎君 皆様、おはようございます。自由民主党の新造健次郎であります。 それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 最初に、ウォーカブルなまちづくりについてお尋ねいたします。 人口減少や少子高齢化の進行により、本県でも商店街をはじめ地域の活力の低下が大きな社会問題となる中、町の魅力を向上させ、地域ににぎわいを創出するまちづくりが求められています。 世界中の多くの都市では、街路を車中心から人中心へと再構築する観点から、沿道と路上を一体的に使って人々が集う憩いの場所へと変えていく取組が進められており、これからの取組により活力が生まれた都市は高い国際競争力を実現しています。 こうした背景を踏まえ、国は令和元年度に、居心地がよく歩きたくなる町なかの形成を目指して、市町村や民間事業者等による取組や産学官等の多様な主体が連携する取組を支援する、まちなかウォーカブル推進プログラムを策定しました。 このプログラムに賛同し、国とともに取組を進めるウォーカブル推進都市は、現在三百十四団体を数え、本県では周南市をはじめ五市が参加しているところです。 私としては、ウォーカブル推進都市を中心としながら、本県においても居心地がよく歩きたくなるまちづくりを進めていくことに大いに期待しております。 こうした新しいまちづくりにおいて、私が特に注目しているのがベンチであり、ベンチに人々がたたずむ町の風景をつくり出すベンチプロジェクトが各地で始まっています。 ベンチを置くと、風景や人、町が変わります。ベンチがあるだけで、ただ通過するだけの場所が人のたたずむ場所へと変わり、人々の滞在時間が長くなり、行動範囲が広がり、経済効果も高まり、そして、町への愛情が大きくなると言われます。 私の地元の新南陽には、新南陽駅から永源山公園への道として、ゆめ風車通りがありますが、この通りは新南陽高校の生徒の通学路であり、古くからあるお店やおしゃれな店もあります。そんな通りに、ベンチを置くことによって、新南陽高校の生徒と地域との交流や触れ合いが新たに始まっており、新南陽高校の生徒もこの通りのボランティア活動に積極的に参加するなど、地域活性化の一翼を担っております。 街路の活用については、歩行者の円滑な通行の確保や交通安全対策への配慮が必要になるとは思いますが、ただ通過するだけの無機質な道路ではなく、ベンチを置くことで、人や地域に元気や活力が生み出るなど、人々の交流や滞在時間が拡大するまちづくりにつながるのではないかと考えます。 そこでお尋ねいたします。地域の魅力向上やにぎわいの創出を図るため、居心地がよく歩きたくなるウォーカブルなまちづくりを今後どのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、欧米豪からのインバウンドの推進についてお尋ねいたします。 本県は、本州の最短に位置し、昔から東アジアとの交流を行っている縁もあることから、インバウンドについては、韓国、台湾、香港、ASEAN、中国を重点五市場として捉え、観光プロモーターを核として、ニーズや関心の高いコンテンツなど、国や地域の特性を踏まえたアプローチを展開してきております。 アジアからの集客は順調である一方、欧米豪からの誘客はなかなか進んでいないのが現状であります。 これらの国々から来る観光客は、わざわざ遠い日本まで行くのだからということで滞在日数が長く、アジアからの観光客に比べて支出金額が高いという特徴があります。 本県の持続的インバウンドの推進を考えるとき、観光産業が潤っていくためには、観光消費額を上げていくことは欠かせませんし、そのために欧米豪からの誘客にもしっかり取り組まなければならないと考えます。 仮に、本県単独では困難というのであれば、近県とも連携して、地域としてのブランド化や情報発信をやっていく必要があると思います。 こうした状況の中、せとうちDMOによる取組があります。これは、世界有数の多島美を誇る瀬戸内海を囲む七県が連携し、観光資源を最大限に活用しながら、効果的なマーケティングやプロモーションを行う組織であり、もちろん本県もメンバーとなっております。 先日、私は、せとうちDMOの方からいろいろな話を聞きました。訪日数では、東アジアが上位ではありますが、海外旅行マーケット市場では、圧倒的に欧米豪が多い。また、イギリス、ドイツ、フランス、アメリカなどは、潜在的な市場規模は大きく、その国々の人から見ると、日本の瀬戸内には特別に関心の高い要素を多く持っているとのことです。 欧米人にとって、瀬戸内が持つクルーズ、サイクリング、アート、食、宿、地域産品の魅力にはとても高いポテンシャルがあり、それをしっかり伝えていくことは重要な戦略となると考えます。 例えば、せとうちDMOでは、まずは瀬戸内を知ってもらおうと、新しい特産品としてレモンという素材に絞って、レモンに関するあらゆる分野で瀬戸内ブランドとしての知名度を上げるように様々な取組を行い、その効果や成果が出ていると聞きました。 瀬戸内海の気候は、地中海に似ていることから、様々な場所でいろいろなかんきつ類が多くとれるので、広島県のレモンだけではなく、山口県のミカンや岡山県のオリーブなどにおいても差別化を図りながら、新たな魅力発信ができると考えられます。 また、本県は、せとうちDMOに若手職員を出向させ、負担金も負担しておりますことから、積極的に情報交換し、他県の取組も参考にしながら、本県独自の新しい取組に挑戦することも大切ではないでしょうか。 せとうちDMOとしては、コロナ禍の今後の見通しとして二○二二年に国内旅行客数が回復し、海外でも回復するのが二○二四年と判断しております。 したがって、時間的な余裕が十分にあるということで、本年から三年間の戦略をつくり、国内外の感染状況を見極めつつ、段階的回復に向けて取組を進めていくこととしております。 そこでお尋ねいたします。ポストコロナを見据え、せとうちDMOをしっかりと活用しながら、欧米豪からのインバウンドの推進にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、本県農業の新たな魅力発信に向けてお尋ねいたします。 長期化するコロナ禍の影響により、都市部においては、田園回帰志向が以前に増して高まっており、地方移住に関心を寄せる人が増えています。三密の環境となりやすい都会を離れ、ゆったりと暮らせる田舎暮らしを求める人が増えており、農業は移住希望者にとって人気の高い仕事として注目されています。 担い手の減少や高齢化といった課題を抱える本県農業にとっては、新たな就農者を確保できる、まさにビッグチャンスであります。このチャンスを生かし、本県への就農に結びつけていくには、本県農業の持つ強みをしっかりとアピールし、就農希望者のハートをがっちりとつかまなければなりません。 彼らに響く本県農業の強みとは、一体何でしょうか。私はずばり他県に比べてハイレベルな受入れ体制にあると考えます。 就農に向けた準備から就農後の経営安定に至るまで、充実した給付金や技術指導によりしっかりサポートする体制が整っているのは、まさに強みです。 では、それだけで人を呼び込むことはできるのでしょうか。私は、受入れ体制の整備と同様、就農希望者が本県農業の未来に夢や希望を持てるようなビジョンを示すことが、大きな強みになると考えます。 担い手の減少や高齢化は、今後さらに進展していきます。このような中で、農作業の省力化を可能にし、栽培技術の継承が期待されるスマート技術の果たす役割は今後ますます大きくなります。 希望する人がスマート技術を活用し、生産性を高めながら収益を上げていく。そのように未来へ向けて県は積極的に取り組まなければなりません。 また、今後、農業分野においても、脱炭素化の動きが加速化していきます。化学肥料や化学農薬を使わない有機栽培など、環境負荷を低減する農業にも県としてどのように対応し、どのように現場に広めていくかも重要な課題です。 私は、未来を開く原動力とされるデジタル化やグリーン化に迅速かつ的確に対応し、本県農業の将来性を示すことこそが、就農希望者への訴求力を高める大きな魅力になるものと考えます。 県には、本県農業の新たな魅力発信に向けて積極的に取り組んでいただきたいと期待しております。 そこでお尋ねいたします。都市部において田園回帰志向が高まる中、本県への就農につなげていくには、デジタル化やグリーン化に的確に対応し、本県農業の新たな魅力として積極的に発信していくことが重要でありますが、県としてどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。 次に、テレワークを活用した移住等の推進についてお尋ねいたします。 コロナ禍を契機としたニューノーマルの模索をする中で、大きなインパクトを与えたのがテレワークの広がりであります。 業種による隔たりはありますが、仕事はオフィスに出勤してするものという、それまでの常識が覆され、首都圏を中心に働き方や生活様式そのものが見直され始めています。 東京に本社を置くヤフーでは、コロナ収束後もテレワークの積極活用を進めることとし、今年十一月までに都内にあるオフィスを約四割縮小するという方針であるとのことです。 このように、テレワークの活用は、コロナ禍における出勤抑制という一時的な導入から、在宅勤務を軸とした新しい働き方の定着へ一段階ステージを上げて進みつつあるようです。 こうした中、県においては、仕事を続けながら地方に移住する転職なき移住や、余暇を過ごしながら仕事をするワーケーションなど、テレワークを活用した新たな需要を山口県に呼び込もうと、県庁一階にテレワークのモデルオフィスとなる「YY!SQUARE」を、宇部空港にはワーケーションの総合案内窓口となる「YY!GATEWAY」を開設されました。 利用者の中には、東京本社にはほとんど出社することなく、県庁一階のオフィスで仕事をしているという方もおられるそうで、これらの拠点が広がりつつある需要の受皿となって、県内移住や関係人口の増加につながっていくことを私としても大変期待しております。 一方で、こうした動きは、本県だけではなく全国の様々な地域で始まっております。 お隣の島根県松江市では、観光資源を活用したワーケーションツアーを民間企業と企画し、大都市部の企業や個人に売り込んでいくとのことです。 また、滋賀県彦根市では、データサイエンスに力を入れる地元大学の学生も呼び込んだ、起業の場としてのテレワークオフィスづくりを進めていることのようです。 このように、テレワークを活用した移住や関係人口の増加に向けた取組は、ある種の獲得競争の様相を呈してきております。 過度な競争意識を持つことはありませんが、本県としてどのような特色やメリットを打ち出していくのか、また、どう首都圏の企業・個人の潜在ニーズに対して訴求力のあるアピールをしていくのかといった積極的な戦略を持つことは重要なことです。 あくまでも拠点の設置はスタートであり、本県のこれまでの施策や強みを生かした実効性のある取組をこれからも継続的に展開していくことが必要だと考えます。 そこでお尋ねいたします。新たに設置された二つの施設を皮切りに、本県としては今後どのような戦略を持ってテレワークを活用した移住や関係人口の増加にどう取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、デジタル時代の子供の健康対策についてお尋ねいたします。 近年、我々の身の回りでは、ICTの普及が急速に進んでおり、スマートフォンやタブレット端末を使用して調べ物をすることや、動画を視聴することが当たり前になるなど、一昔前とは生活スタイルが大きく変化しております。 さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によりデジタル化が加速化しており、例えば、ビジネスの場面ではZoomなどを使用したオンライン会議が一般的になり、また、私生活においてもコミュニケーションのツールとして活用されるなど、デジタル化の進展と比例して、デジタル機器を使用する機会が増加しております。 これは必ずしも大人に限ったことではなく、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛などを背景に、子供たちにとっても同様にデジタル機器を使用する機会が増加しており、今やデジタル機器が子供たちの周りでは当たり前にある時代となっております。 こうした中、先般、文部科学省から令和二年度の幼児、児童及び生徒の発育や健康状態に関する調査の結果が公表され、それによると裸眼視力が一・○未満の子供の割合が、小学生が三七・五二%、中学生が五八・二九%、高校生が六三・一七%となっており、特に、小中学生はここ十数年、視力低下傾向が続いていることに加え、過去最高値の昨年度を上回る数値となっています。 このような中、本県において、令和二年度末までに全ての公立の小・中・高等学校に一人一台のタブレット端末がおおむね整備されたところです。今後、子供たちの学びの充実に向けて積極的に活用されることが期待される一方、こうした機器の使用時間の増加に伴い、子供たちの視力低下が進むことが懸念されます。 こうした子供の視力低下は、世界的にも増大しており、子供の視力低下対策に取り組む国、地域が増えていると聞きます。 台湾では、十年以上前から一日二時間、屋外で過ごすように小学生に推奨し、視力の低い子供の割合を減らす取組を行っていると報道で見たことがあります。 本県においても、こうした事例を参考に、例えば、タブレット端末等を使用する授業では、正しい姿勢を保つこと、時間を決めて遠くを見るなどの工夫をすることで、子供の目や骨格などに配慮した取組を検討することもできると思います。 また、端末を家庭に持ち帰り、学習等を行う場合も使用ルールの設定など、保護者の協力も得ながら視力低下や心身の不調を防ぐ取組も行うことも考えなければなりません。 県教育委員会には、視力低下をはじめとして、デジタル機器の利用などに伴う子供たちの健康への影響に十分留意しながら、子供たちの学びがこれからも充実したものとなるように取り組んでいただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。一人一台タブレット端末の整備が進み、今後、学校教育においてデジタル機器等のさらなる活用が見込まれる中、子供たちの健康への対策について、県教育委員会としてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、若年層の犯罪被害者対応についてお尋ねいたします。 犯罪発生件数が、全国、山口県内ともに減少する中、うそ電話詐欺のような住民が不安に感じる犯罪の発生は、コロナ禍を巧みに利用して、昨年よりも被害額が増加するなど、予断を許さない状況であるといえます。 中でも、県内のサイバー犯罪の今年上半期の相談件数は千八百六十二件であり、前年同期比四百三十五件の大幅増加となり、統計を取り始めた二○○○年以降では過去最多となるということであります。 新型コロナウイルスの影響で外出機会が減少したことにより、インターネットを利用する機会が増えたことも要因の一つであるようですが、相談内容としては、ショッピングサイトで商品を購入したが、届かないという詐欺、悪質商法が最も多いということです。 最近は、現金での支払いではなくクレジットやプリペイドカード決済などにより、クレジットや電子マネーが大変便利で身近な時代になり、若年層においてもとても使いやすい手段であるようです。 しかし、アイチューンズカードなどのように、カード番号さえ分かれば誰でもどこからでも引き出せるような便利なものもあり、こういう便利な手段を使って金銭詐欺に遭う被害も生まれやすい状況が出てきているようです。 知人の大学生の子供さんが、このカードを使ってお金をだまし取られるという詐欺に遭いました。うそ電話詐欺などでは、独居または高齢者世帯のみで居住している方に対して固定電話に電話をかけるなどして被害に遭われるケースが多いようですが、ショッピングサイトなどを利用した詐欺では、パソコンやスマートフォンの操作に精通している若者世代、若年層が被害に遭うケースも多いようです。 県警では、高等学校等の新入学生、保護者を対象に、情報モラル教室を開催し、サイバー犯罪の危険性などについて講習を実施しているようですが、相手はだまそうとしてくる犯罪者であり、詐欺被害に遭ってしまうこともあるのかと思います。 成人年齢の引下げにより、様々な契約関係も保護者の同意なく行われるようになりました。進学や就職で親元を離れ生活し、保護者の目が行き届かなくなることもあります。 さきの被害者の学生は、警察に関わることが初めてで、警察官とのやり取りする上で行き違いもあり、被害届の受理まで時間がかかってしまったということも聞いております。 警察への相談、届出というものは大人であっても勇気のいることであります。若年層であれば、なおさら警察に対する敷居は高いものであるということは間違いありません。警察は有事の際に信頼され、頼られるべき存在でなくてはなりません。相談、届出がどのような手続で流れていき、今後どのようなことをしなくてはならないかということについて、相手の心情に寄り添った丁寧な対応が必要ではないでしょうか。 そこで、県警本部長にお聞きします。これから増加が見込まれるサイバー犯罪などから若年層を守っていくために、その特性・心情に配慮した対応や警察安全相談カード、被害届、供述調書などの警察用語と、その違いについても分かりやすい説明が必要だと考えますが、警察組織における捜査員に対する指導、教養を含めて、県警として今後どのような取組をしていくのか、県警本部長の御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問とさせていただきます。 御清聴誠にありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)新造議員の御質問のうち、私からは、テレワークを活用した移住等の推進についてのお尋ねにお答えします。 コロナ禍を契機に、テレワークが急速に普及し、出勤は月に数回、残りはテレワークという柔軟な勤務形態が現れ、職場に近い都心に住む必然性が薄れたことで、東京からの人口流出が生じています。 私は、県政の最重要課題である人口減少を食い止めるためには、こうした動きをしっかりと捉え、新たな人の流れを本県へ確実に呼び込んでいく必要があると考えています。 このため、全県的な推進体制として、移住促進に取り組む「住んでみぃね!ぶちええ山口」県民会議に、新たにテレワーク・ワーケーション専門部会を設置し、市町や関係団体と緊密に連携を図りながら、地方創生テレワークとワーケーションの推進に一体的に取り組んでいます。 その拠点となる施設として、お示しのとおり、県庁一階に、やまぐち創生テレワークオフィス「YY!SQUARE」を、また、山口宇部空港内に、やまぐちワーケーション総合案内施設「YY!GATEWAY」を新たに開設したところです。 転職なき移住の実現を目指す地方創生テレワークの推進に当たっては、まずは、都市部テレワーカーを受け入れるための体制づくりが重要となります。 このため、現在、両施設を拠点に、県内におけるコワーキングスペース等のネットワークの構築を進めており、さらに、先進事例の横展開を図ることで、各地域での取組を一層充実させてまいります。 そして、これらの情報を都市部の企業や従業員に向けて効果的に発信をし、本県でのテレワーク実施の機運を高めるとともに、将来的なサテライトオフィス等の呼び込みにもつなげていきたいと考えています。 地方創生テレワークの裾野を広げるワーケーションについては、全国的に誘致競争が激しくなる中、本県が目的地として選択されるよう、地理的に優位な首都圏近隣県や先進地との差別化を図っていく必要があります。 このため、他の地域のような観光やレジャーだけでなく、企業の生産性向上やイノベーションの創出など、ビジネス面のメリットを強調した、本県ならではの特色あるプログラムを提供する山口型ワーケーションを実施してまいります。 私としては、特に、県内企業との交流を通じて新規ビジネスの創出を目指す企業交流プログラムや、地域との交流活動を新たなマーケットの開拓にもつなげる地域交流プログラム等の開発を進め、企業の人材育成や事業展開の場として、本県を売り込んでいきたいと考えています。 また、今後の誘致活動に向けては、県進出企業や県人会、在京同窓会等の地縁のある団体や、ワーケーションや地方創生テレワークを推奨する企業など、潜在ニーズが高いターゲットに対し、戦略的なプロモーションを展開してまいります。 現在は、デルタ株の猛威により、積極的な働きかけを行いにくい状態にありますが、感染状況を踏まえながら、さらに、首都圏企業等を対象とするワーケーションのモニターツアーやオンラインツアー等も実施し、本県の魅力を積極的にアピールしていくこととしています。 私は、引き続き、市町や関係団体との連携の下、地方創生テレワークとワーケーションを積極的に推進することにより、本県への移住促進や関係人口の創出・拡大に確実につなげてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)ウォーカブルなまちづくりについてのお尋ねにお答えします。 人口減少や少子高齢化が進行し、中心市街地の空洞化などにより地域活力の低下が懸念される中、都市の魅力を向上させ、町なかににぎわいを創出するためには、人々が集い、憩い、多様な活動を繰り広げることができる道路空間を整備することが重要です。 このため、県では、地域の特性に応じて、街路樹やポケットパークの整備、無電柱化の推進等により、快適で歩きやすい道路空間の創出に努めているところです。 また、民間の取組として、新南陽地区をはじめ県内各地において、地元関係者が主体となって、ベンチの設置や花壇の手入れ、清掃など、歩行空間の魅力向上に資する活動も行われています。 こうした中、昨年、改正都市再生特別措置法等が施行され、町なかにおける交流・滞在空間の創出を図るため、市町が設定する、まちなかウォーカブル区域内において、市町の事業に対する国費率のかさ上げや、民間事業者等が民地のオープンスペース化等を行った場合の税の優遇措置など、新たな制度が創出されました。 また、昨年の改正道路法の施行により、道路管理者が指定した区域において、民間事業者等が路上にオープンカフェやベンチ等を設置するための占用許可の基準が緩和されたところです。 お尋ねのウォーカブルなまちづくりを進めるためには、官民一体となった取組が有効であることから、まちづくりの主体である市町や民間事業者等が、これらの制度を積極的に活用できるよう支援していくことが必要と考えています。 このため県では、お示しのウォーカブル推進都市である周南市をはじめ県内市町に対し、引き続き制度の有効性や活用事例の情報提供を行うとともに、地域の実情に応じた助言を適切に行ってまいります。 また、県が管理する道路において、市町等が路上の環境整備の取組を進める際には、占用許可基準を緩和する区域等の指定などにより支援を行う考えです。 県としては、今後とも居心地がよく、歩きたくなる町なかの形成を目指し、市町と連携してウォーカブルなまちづくりに取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)欧米豪からのインバウンドの推進についてのお尋ねにお答えします。 現在、海外からの誘客は、入国制限措置などにより極めて厳しい状況にありますが、訪日旅行の潜在的需要は依然として高く、特にお示しの欧米豪市場は、観光消費額が大きく、今後の拡大が期待できることから、こうした需要を本県に確実に取り込むことが重要です。 このため、瀬戸内七県が参画し、欧米豪からの観光客誘致に積極的に取り組んでいる、せとうちDMOと連携し、感染収束後を見据えた戦略的なプロモーションや受入れ環境の整備を推進していくこととしています。 まず、戦略的なプロモーションについては、せとうちDMOが欧米四か国に配置している現地エージェンシーを活用し、各市場のニーズに応じた効果的な情報発信を行うとともに、在留外国人を招いた視察ツアーの実施やSNSを活用したマーケティングなどの取組を積極的に展開していきます。 また、欧米豪市場との強力なネットワークを有する航空会社と連携し、旅行商品の造成やオンライン商談会を行うほか、欧米豪からの観光客が多い東京や広島の観光案内所において、県内の観光情報を効果的に発信し、本県への誘客につなげてまいります。 次に、受入れ環境の整備については、せとうちDMOと連携し、歴史、文化、自然体験等、欧米豪の観光客のニーズが高い体験型コンテンツの造成を支援し、これらを活用した新たな広域周遊ルートの開発に取り組むこととしています。 また、滞在拠点となる宿泊施設が実施する感染拡大防止や高付加価値化・収益力向上を図る取組を支援するとともに、「やまぐち Free Wi─Fi」の導入促進や多言語コールセンターの運用など、インバウンドの受入れ環境の充実に努めていきます。 県としては、今後とも政府の水際対策を注視しつつ、せとうちDMOや交通事業者等と緊密に連携し、ポストコロナを見据えた欧米豪からのインバウンドの推進に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)本県農業の新たな魅力発信についてのお尋ねにお答えします。 担い手の減少や高齢化が進む中、本県農業を持続的に発展させるためには、新規就農者の安定的な確保が重要であることから、これまで全国からの就農希望者に対し、募集から定着まで一貫した、日本一の担い手支援策を積極的に展開しているところです。 こうした中、コロナ禍の影響により、田園回帰の流れが高まるとともに、先端技術の進展や脱炭素化への対応など、農業を取り巻く環境が大きく変化していることから、担い手確保に向けては、これらの変化に的確に対応しながら、本県農業の将来をしっかりと示していくことが必要です。 このため、農業の未来を開く原動力となるデジタル化やグリーン化に迅速かつ的確に対応するとともに、就農希望者が本県農業の未来に夢や希望を持てるよう、これらの取組を積極的に発信していきます。 まず、デジタル化については、作業の省力・軽労化が実現できるよう、本県の基幹作物である水稲を中心に、GPS機能付トラクターやドローンなど、スマート農機の導入効果の実証と現地普及に取り組みます。 また、新規就農者であっても高い収益が確保できるよう、ベテラン農家の栽培管理が再現できる環境制御やかんきつにおけるIoTを活用した栽培システムなど、早期に高品質安定生産が可能となる技術体系を構築します。 次に、グリーン化については、脱炭素や環境保全に最も高い効果を有する有機農業に安心して取り組めるよう、国の試験研究機関等とも連携し、気象変動にも対応できる栽培技術の確立を図ります。 さらに、有機農業を志向する就農希望者がスムーズに農地の確保や技術支援を受けられるよう、市町や関係団体等と連携して、市町単位での受入れ体制を強化します。 加えて、こうしたデジタル化等への積極的な取組や、先端技術などを活用して夢を実現している先輩農業者の生の声などを本県農業の将来性や新たな魅力として、就農ガイダンスや各種SNS等を通じて広く全国に発信していきます。 県としては、県外からの新規就農者のさらなる確保に向けて、デジタル化やグリーン化に的確に対応しながら、本県農業の新たな魅力発信に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)デジタル時代の子供の健康対策についてのお尋ねにお答えします。 子供たちの視力の低下傾向が続いている中、本県では、一人一台タブレット端末等を活用した教育活動が本格的にスタートし、今後、学校や家庭でのデジタル機器の使用時間が増えることが見込まれることから、目の健康をはじめとした子供たちの健康対策に取り組むことが重要であると考えています。 このため、県教委では、情報の授業をはじめ、タブレット端末の配付時に行う情報モラル研修など、あらゆる機会を捉えて、長時間の利用を控えるなど、健康に留意して使用するよう指導しているところです。 こうした中、本年三月、文部科学省からの通知の中で、ICTの活用に当たっての児童生徒の目の健康などに関する配慮事項として、よい姿勢を保ち目と画面との距離を三十センチ以上離すこと、三十分に一回は二十秒以上画面から目を離して遠くを見ること、就寝一時間前からICT機器の利用を控えることなど、具体的な対応策が示されたところです。 県教委では、この通知に沿って児童生徒の健康への配慮がなされるよう、県立学校や市町教委に周知するとともに、県立学校の児童生徒が使用する一人一台のタブレット端末に啓発リーフレットを掲載し、注意喚起を行っているところです。 また、今年度、文部科学省においては、全国の小中学生を対象に近視の実態調査を実施し、視力悪化の詳細やライフスタイルとの関連等を明らかにした上で、子供の視力低下の予防に必要な対策を講じることとされています。 県教委といたしましては、一人一台タブレット端末等のICTを活用した子供たちの学びの充実に当たっては、こうした国の動向も踏まえながら、引き続き子供たちの健康面に十分配慮してまいります。 議長(柳居俊学君)谷警察本部長。 〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 警察本部長(谷滋行君)若年層の犯罪被害者対応についての御質問にお答えいたします。 議員お示しのとおり、近年のインターネット利用の拡大により、若年層がSNSなどを利用した詐欺をはじめとする犯罪の被害に遭う事案も多数発生するようになっております。 犯罪の被害を警察に届け出ることは、多くの方にとって過去に経験のない不安や緊張を感じるものであると思われる上、刑事手続で用いられる書類や用語、また手続そのものもなじみのないものであり、大きな心理的負担を感じるものと思います。 特に、若年層の方にとっては、なおさら敷居を高く感じるものであるということも議員お示しのとおりと思います。 警察は、犯罪被害に遭われた方にとって頼りになり、安心できる場所でなくてはならないと考えております。 被害に遭われた方の立場に立ち、その心情や特性、御負担に配意しつつ、被害状況の聴取を行うとともに、刑事手続の流れについても、できる限り丁寧な説明を行うことにより、安心して捜査に協力していただくことが重要であると考えております。 こうした認識の下、県警察においては、被害を届け出た方への丁寧な対応について、これまでも第一線で対応に当たる警察官への指導、研修などを行ってきたところですが、議員お示しのとおり、それでも警察官の対応に疑問を感じた、あるいは配慮を欠いていたと感じたとの声を聞くこともあるところです。 県警察としては、こうした声にも謙虚に耳を傾け、犯罪の被害に遭われた方に安心して警察を頼っていただけるよう、対応の在り方についても不断に改善を図っていかなければならないと考えております。 被害に遭われた方と接する機会の多い警察署の若手警察官に対しては、具体的な想定を用いるなどして、研修やマンツーマンの指導を繰り返すとともに、捜査指揮を担う各級幹部に対しては、経験の浅い警察官の対応状況について一歩踏み込んだ確認を行うことに留意をさせるなど、指導方法にも工夫を凝らして、被害に遭われた方々に寄り添い、県民に信頼される県警察を目指して取り組んでまいります。