1 本県の魅力度向上の取り組みについて 2 へき地等における医療提供体制の充実強化について 3 水産業の成長産業化に向けた取り組みについて 4 投票率の向上に向けた取り組みについて 5 インターネット上でのいじめ対策について 6 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 平岡望君。 〔平岡望君登壇〕(拍手) 平岡望君 皆様、おはようございます。自由民主党の平岡望でございます。一般質問最初の登壇者となりました。昨年の十一月定例会以降一年ぶりでございまして、少し緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いをいたします。 質問に入る前に、一言申し上げます。 まずは村岡知事、今日は四十九歳の誕生日、おめでとうございます。(拍手)私も知事と同じ年で、三か月後には四十九歳となります。いつも三十八歳ぐらいのつもりで元気に毎日活動をしております。 知事は、公務多忙な中でも、毎朝走っておられるようで、元気いっぱい、体力も十分であろうと思います。四十九歳となり、早速に来年は知事選挙を控えておられますが、持ち前の体力とガッツで選挙を勝利し、充実した四十代最後の一年を過ごしていただきたいと思います。 さて、令和三年も残すところ二十日余りとなりました。本年も昨年に引き続き、コロナに始まり、第五波と言われた感染の波は大きく、人の足は止まり、経済は落ち込みました。 そんな中でも、一年延期となった東京オリンピック・パラリンピックが、感染対策を徹底した上で、世界中から多くの選手を迎えて開催されました。今やるべきではない、中止しろなど、様々な御意見がありましたが、国を挙げて、多くの国民の皆様の御協力により、見事に盛会裏に閉幕し、日本の安全性と国の底力を全世界に発信することができたと思います。 秋には大型選挙が続きました。岸田政権発足後、最初の選挙となった参議院山口選挙区補欠選挙、任期満了が迫り、ばたばたと日程が決まり、最短で行われた衆議院総選挙、いずれの選挙においても、全ての選挙区で自民党の公認候補者が当選を果たされました。 これからも引き続き担うこととなった自公政権の下、コロナ対策や落ち込んだ経済の復活、日本を取り巻く外交・安全保障に対して、岸田総理の強いリーダーシップで、国民の安心・安全な生活を守り抜く、強い国づくりを期待いたしております。 コロナウイルスの闘いも、二度目の冬を迎えました。これまで長きにわたり続くコロナウイルス感染症に対して、県では、県民の健康と安心・安全を守るため、地域の関係機関や医療従事者の皆様の協力を得て、検査体制、医療提供体制の充実強化に全力で取り組み、県内の確保病床使用率が七○%を超えるなどの非常に厳しい状況となった第五波においても、感染者の方々に必要な医療を行うことができ、乗り越えられました。 また、コロナウイルス最大のとりでと言われるワクチンの接種についても、県独自の優先接種の設定や広域的集団接種会場の設置など、迅速・的確な対応を行い、希望する方への接種が十月末にはおおむね完了し、医療従事者をはじめとする三回目の接種もスタートしています。 昨年一月に、国内でのコロナウイルス感染症の拡大が始まってから、昨年三月三日の県内最初の陽性者の確認がされてから、今日まで県民の命、健康を最優先に、検査体制の拡充や感染者に対応するための医療病床の確保、宿泊療養施設の手配、ワクチン接種体制の確立など、医療機関はもとより、市町や関係機関と緊密な連携を図るなど、昼夜を問わず、身を粉にして調整に当たってこられました県職員の皆様の御尽力に対し敬意を表しますとともに、関係の全ての皆様に心より感謝申し上げます。 しかしながら、コロナウイルスの闘いは、まだ終わりではありません。現在、感染者数は大幅に減少していますが、いまだに全国各地で感染者は発生しており、また新たな変異株としてオミクロン株が国内でも発生するなど、今後も第六波に備え警戒を強め、万全の対策を講じていかなくてはなりません。 現在国では、経口治療薬の年内導入が検討されていますが、導入されれば、入院患者の減少や医療現場での負担軽減にもつながり、コロナと闘う武器が一つ増えることとなり、一日も早い導入を大いに期待いたしております。 県におかれましては、引き続き、村岡知事を先頭に、国や他県の動きを迅速にキャッチしながら、これまでの感染拡大時の様々な経験と教訓を生かして、今後も御尽力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 それでは、順次質問に入らせていただきます。 最初に、本県の魅力度向上の取組についてお尋ねをいたします。 県の魅力度は、観光資源の豊かさや、農林水産物など県産品のブランド力、情報発信力など様々な要素の集合体であり、その向上のためには、分野や地域ごとに異なる多様な特性を一つに束ね、一体的な物語として発信していくことが重要であります。 村岡知事におかれましては、知事に就任されてから、常々、山口県には潜在力が多くあると述べられており、その思いで魅力度を高めるための施策をこれまで数多く展開され、こうした取組を私としても高く評価しているところです。 一方で、毎年話題となりますが、今年も都道府県の魅力度ランキングが発表され、本県は昨年から大幅に順位を下げ、四十二位という大変残念な結果となりました。このランキングの結果について、群馬県の山本一太知事は、法的措置も検討したいと発言されるなど、話題となったことは記憶に新しいところです。その是非はともかくとして、県知事としてこれまで魅力向上に一生懸命取り組まれてきたことを思うと、悔しさのにじむ思いには共感できる部分があります。 この調査は公的なものではなく、あくまで民間会社が様々な視点から行ったアンケートによるものであり、結果を気にし過ぎる必要はないとは思いますが、知事が常に潜在力があると言われている本県の魅力を広く多くの方に知ってもらうため、取組を一層強化していくきっかけの一つとなるのではないかと思います。 最も気をつけなければならないのは、現状に満足してしまうことであり、未来に向けた歩みが停滞し、気づかぬうちに埋没してしまうことです。常に、なぜ、どうすればという意識を持ってチャレンジしていかなければ、今後の発展へとつながっていかないものと考えます。 コロナを契機とした地方移住への関心の高まりや、観光客の回復など、地方にとっては大きなチャンスとなってきた今こそ、今回の結果を契機として、これまでの取組の効果をしっかりと検証し、本県の魅力度を高め、効果的に発信する取組を、さらに充実強化していくことが重要です。 私も、知事と同じ年代の議員として、山口県にはまだまだ可能性を秘めたものが多くあるという思いを同じくし、県民のみならず、多くの方々にその魅力を実感してもらえるような活動を行っていきたいと思っています。 昨日、村岡知事は、我が会派の代表質問に対して、次の四年に向けての決意と、山口県の将来に向けた強い思いを述べられました。知事の強いリーダーシップにより、今後、山口県が一層魅力あふれる県として、さらに飛躍していくことを強く期待しつつ、お尋ねをいたします。 村岡知事は、今回の魅力度ランキングの結果をどのように受け止めておられますか。また、今後の県づくりを進める上で、本県の魅力度をさらに向上させるために、どのような取組を行おうと考えておられますか、御所見をお伺いいたします。 次に、僻地等における医療提供体制の充実強化についてお尋ねをいたします。 県土の多くを中山間地域が占め、また二十一もの有人離島を抱える本県では、僻地は県土の約六○%を占めており、県民の約一四%に当たる約二十万人が暮らしています。 こうした僻地では、多くの地域で高齢化率が五○%を超え、若者の定住も減少してきている中で、県民が住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、僻地における医療の充実は生活に密着する大変重要な事柄であり、関心も非常に高いものとなっています。 県では、第七次山口県保健医療計画の下で、生涯を通じて健康で安心して暮らせる地域保健医療体制の確立に向けた取組を進められ、医療従事者の養成などをはじめ、僻地などの医師の少ない地域における診療体制の確保や、僻地医療を支える僻地医療拠点病院の機能強化を図るなど、県内全域での医療提供体制の充実に努められておられます。 特に、県が実施する医師修学資金の貸与制度においては、僻地での一定期間の勤務を条件とする緊急医師確保対策枠を創設し、また、県と山口大学が連携して医師の配置基準等を行う機関として地域医療支援センターを平成二十四年度に設置するなど、自治医科大学卒業医師の派遣も含め、着実に医師確保の取組を進めているところです。 しかしながら、過疎化・高齢化の進捗を背景として、医療機関のない無医地区や医師の確保が必要な準無医地区については、令和元年度時点で県内では十八地区となり、二十六年度時点の十五地区から三地区増加しています。 また、人口十万人当たりの医師数については、全国平均を上回ってはいるものの、現状は、若手医師の減少や地域偏在、診療科間の偏在などが生じており、これまで以上に医師確保対策を重点的に充実強化する必要があります。 そこで、県では、新たな取組として、昨年度から5Gを活用した僻地医療機関への遠隔サポートの実証実験を開始し、この取組が県内に実装されれば、僻地等に派遣された若手医師や、専門医が少ない地域・医療機関においても、支援病院のベテランの専門医がリアルタイムで遠隔での診療をサポートすることが可能となります。 僻地等における医療提供体制を確立する上で、本来ならば医師確保がしっかりと行われることが最も重要なことですが、現時点の実情と、とりわけ公的医療機関につなぐまでの臨時的・応急的対応が必要となる場合などもあることを考えると、早急な対策の一つとして、日々進歩するデジタル技術を活用して医療現場の質を補完し、僻地等で暮らす県民の皆様の命と健康、安心して生活できる医療体制の充実に一歩を踏み出すものと思います。 そこでお尋ねいたします。過疎化・高齢化が一層進行する中、県内隅々まで必要な医療を提供するためには、僻地等における医師確保対策や運営支援などに加え、デジタル技術の活用も含めた医療提供体制の充実強化を早急に図ることが必要と考えますが、県では今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、水産業の成長産業化に向けた取組についてお尋ねいたします。 本県は、日本海、響灘、瀬戸内海と三方が海に開け、沿岸から沖合まで、多種多様な漁業が営まれており、古くから水産業は本県一次産業の柱として発展してきました。 しかし、現状は、本県に限らず、全国的にも担い手の減少や高齢化が進み、併せて漁獲量も年々減少傾向となっています。 このため、県では、新規漁業就業者定着促進事業など、担い手の確保・育成に重点的に取り組まれ、全国からの新規就業者が県内各地において少しずつ定着をし、日々、漁を行い、今では漁村地域の中核を担うまでに育っており、大変頼もしく思っているところです。 こうした中、国においては、平成三十年六月から、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を両立させ、漁業者の所得向上と年齢バランスの取れた漁業就業構造を確立することを目指す、水産政策の改革が実施され、昨年十二月には、新たな資源管理を柱とする水産政策の改革の本丸である改正漁業法が施行されました。 この改正では、今後の資源管理は数量管理が基本とされ、そのための手法も、従来の漁船や漁具等を制限する方法から、魚の種類ごとに漁獲量を管理する方法へとシフトすることがうたわれています。 水産資源は、捕り過ぎれば減ってしまいますが、うまく管理すれば再生産によって資源量が維持されるものであることから、これからの水産業にとって資源管理は最も重要となってきます。 加えて、漁場では、釣り漁業や網漁業などの多くの漁業種類がふくそうして営まれていることから、漁業現場で資源管理を円滑に行うためにも、これらの操業調整を図り、秩序を維持していくことも重要です。 県ではこれまで、資源管理や操業調整のために、例えば漁船や漁具の大きさ、集魚灯の明るさ、操業区域・期間など各種の漁業規制を行ってきましたが、これから先の本県水産業の未来を考えたとき、時代の情勢や海洋環境に応じた適宜の見直しと、国の水産政策の改革にも連動した、新たな資源管理の考え方を取り入れ、変えていく時期が来ているのではないでしょうか。 そうした時の流れや状況の変化に併せ、規制の改革などを含む取組を変えることにより、漁業を志す若者が、資源管理に努めつつ、夢と希望、意欲を持って、自分の腕で稼ぐことができる漁業へと発展していく可能性は大きく、これからの本県水産業全体の成長産業化へとつながっていくものと私は考えます。 そこでお尋ねいたします。国の水産政策の改革の下、本県の水産業の将来を見据え、若い漁業者が夢と希望を持って働くことのできる水産業の成長産業化に向けて、県として、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 次に、投票率の向上に向けた取組についてお尋ねいたします。 選挙の都度、なぜ投票に参加してもらえないのだろうか。どうしたら多くの方に政治に関心を持ってもらえるのかなど、常に考えさせられます。 県民・国民生活に大きな影響のある政治は、有権者の皆様からの投票により信任を頂くことから始まります。一票一票の信任の大きさが、政治の原動力であり、政策を実現していく推進力となっていきます。政治の正統性は、まさに投票によって支えられています。 先月行われた衆議院総選挙において、全国の投票率は五五・九三%と、前回の二○一七年を約二ポイント上回ったものの、戦後三番目の低さとなりました。 本県では、全国最低の四九・六七%にまで落ち込んだ結果となり、特に若い世代での投票率の低さは今回の選挙でも顕著で、先日公表された本県の十代の投票率は、僅か三六・五%と、全国平均の四三%からは大きく下回る結果でした。大変残念なことであり、私としても、深く考えさせられる結果となりました。 政治家はあらゆる機会を通じ、県民・国民の皆さんに自らの考えを伝え、論戦を通じて投票参加への関心を高めていく、こうした不断の努力が一層必要であることを、肝に銘じなければなりません。 他方、県選挙管理委員会においては、これまでも工夫を凝らした啓発活動や期日前投票の拡大、中山間地域に配慮した移動式投票所など、投票率向上に向けて様々な努力を重ねておられます。 また、県議会においても、高校生県議会などを開催して、若い皆さんに政治に関心を持ってもらえるよう活動を行っており、私の地元である下関市においては、大学生を選挙啓発サポーターに任命し、若者たちの手による啓発活動を行ったり、来年二月の知事選では、市内の二つの大学で路線バスを活用した移動期日前投票所を開設するなど、県内初の取組を行っています。 こうした取組にもかかわらず、投票率の低下傾向には、残念ながら歯止めがかかっていないのが現状です。 投票率の向上に特効薬はないと思いますが、県選挙管理委員会におかれても、今回の本県での投票率低迷の原因を分析され、今後の普及啓発や投票の利便性向上の取組にしっかりと反映させていく、不断の努力が必要であると考えます。 年明けには、知事選挙も控えていますが、多くの県民に県政への関心を持っていただき、これからの山口県政を力強く前に進めていくためにも、投票率向上につながる取組の一層の充実強化が必要であると思います。 そこでお尋ねをいたします。選挙管理委員会において、今回の選挙における投票率の現状をどのように分析され、投票率向上に向けて今後どのように取り組んでいかれるお考えか、御所見をお伺いいたします。 最後に、インターネット上でのいじめ対策についてお尋ねをします。 昨年十一月、東京都町田市の小学校において、六年生の女子児童が同級生からのいじめを訴える遺書を残して自ら命を絶つという痛ましい事件が起きました。 この小学校では、文部科学省が進めるGIGAスクール構想の先進校として、全国に先駆けてタブレット端末が導入されていましたが、その児童向けに配備された学習用の端末のチャット機能を悪用し、いじめが行われた可能性が指摘されています。 報道等によりますと、いじめに関する学校の調査に対して、同級生が授業中にチャット機能を使用して、きもいなどの悪口を書き込み、本人に送信していたなどの証言があったとのことであり、仮に学校から配付された端末がいじめを助長し、子供を追い詰めていたとすれば、大変ゆゆしき事態であります。 本年十月に公表された文部科学省の調査では、令和二年度における全国の小・中・高校等のいじめの認知件数は七年ぶりに減少した一方、いじめの態様について、パソコンや携帯電話で誹謗中傷や嫌なことをされると回答した件数が過去最多の一万九千件となっており、この五年で倍増している状況にあります。 本県でも、全ての公立学校で一人一台端末の整備が進んでいるところですが、こうしたいわゆるネットいじめは、在校時だけでなく、持ち帰った学校配付の端末などを通じて帰宅後も続くこととなり、いじめを受けている子供にとって逃げ場がない状況をつくることとなります。 さらに、ネットいじめは周囲から見えづらく、被害者が一人でつらい思いを抱えやすいことから、学校においては、子供たちと毎日接している教員をはじめとした大人たちが、いじめはいつでも起こり得るという認識の下、より高い感度で子供たちと向き合うとともに、いじめに遭った生徒が、一人で悩むことなく相談できる体制の整備が重要となります。 加えて、社会全体でデジタル化が進む中、県教委では、これまでもインターネットのルールやマナーに関する指導に取り組まれていますが、全ての学校に端末を整備する上で、いま一度、子供たちにこうした情報モラルに係る教育を徹底していく必要があると考えます。 また、先ほどの町田市の事案では、悪口が送信されたチャット機能については規制をかけておらず、さらには児童のパスワードが全員共通であり、他人に成り済まして書き込むことなども容易であったと聞いています。こうした不十分な管理がいじめにつながったおそれがあり、県教委においては、しっかりと端末を管理し、運用していくルールづくりも求められます。 コロナ禍によりICT環境の整備が進み、今や、デジタル機器を使った教育は、これからの社会を生きていく子供たちには欠かせないものとなっています。教育の現場で子供たちが一人一台端末を活用する中で、それがいじめの温床にならないよう、実効性のある教育相談体制の整備と子供たちが使用する上でのルールの徹底を行い、本県で、一人の子供の命も奪われるようなことがないようにしなければなりません。 そこでお尋ねをいたします。全ての県内公立学校に一人一台端末の整備が進む中、インターネット上でのいじめ対策に県教委は今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)平岡議員の御質問にお答えします。 まず、今日の誕生日のお祝いの言葉を頂きまして、また、議員の皆様方からも温かい拍手を頂きましてありがとうございました。四十代最後の年になります。一生懸命頑張っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。 まず、本県の魅力度の向上の取組についてお答えをさせていただきます。 山口県は、海・山の多様な自然や個性豊かな温泉、明治維新胎動の地として全国に誇る歴史や文化遺産、さらには、高品質でおいしい農林水産物や、温暖な気候、災害が少ないといった住みよさなど、大変多くの魅力にあふれています。 知事二期目の四年間、私は、こうした本県の潜在力を余すことなく引き出し、さらに魅力度を高めることで、人や物の流れを飛躍的に拡大させる、大交流維新への挑戦を積極果敢に進めてまいりました。 これにより、本県への移住者数は、昨年度には三千二百人余りに上りまして、ここ四年間ではほぼ倍増しています。観光客数も、年間三千万人を超えて順調に増加を続けてきていましたが、現在はコロナ禍のために、二千万人台の前半まで落ち込んでいます。 お示しの魅力度ランキングについても、知事就任後間もない平成二十七年に全国四十三位であった順位が、昨年は三十二位まで上昇していたところですが、今年は点数こそ微増したものの、残念ながら順位は四十二位に後退する結果となりました。 順位が上がった県では、実際にはコロナ禍で旅行ができない中でも、観光目的地としての評価を伸ばしていることなどから、私としては、本県を連想させるイメージをもっと深く全国に浸透させる必要があると、改めて感じたところです。 そのためには、特に情報発信力の強化が重要であり、首都圏を中心としたテレビ、新聞等のメディアへのプロモーションや、若者に訴求力のあるSNSの活用等を積極的に進め、外部専門家のアドバイスも得ながら、ターゲットに合わせたより効果的な情報発信を展開していきたいと考えています。 また、SNSを使ってこれらの効果を的確に把握・分析し、受け手側の評価やニーズをさらなる改善につなげていく取組も新たに実施してまいります。 もとより、魅力そのものを向上させることにも、引き続き取り組んでいかなければなりません。 お示しのように、コロナ禍を契機として、テレワークの普及や地方移住への関心の高まりなど、国民の意識や行動、価値観には大きな変化が生じています。私は、これをチャンスと捉え、そうした変化にも対応した本県の魅力の磨き上げをさらに進めてまいる考えです。 例えば、観光については、このたびの補正予算でも、コロナ禍からの早期回復に向けた観光振興支援パッケージの一環として、宿泊施設の個室に露天風呂を設けるなどの高付加価値化を支援することとしています。これにより、本県の温泉地としての魅力を一層高めることにもつなげていきたいと考えています。 また、先般策定した観光V字回復プランに沿って、自然体験への志向の高まりを踏まえ、新しいアウトドアスポーツツーリズムを推進するとともに、この夏、山口宇部空港に開設した「YY!GATEWAY」を拠点に、休暇とテレワークを組み合わせたワーケーションの誘致を強力に進めてまいります。 私は、こうした情報発信力の強化と魅力の磨き上げに一体的に取り組み、多彩な魅力を束ねて、山口県のイメージをより濃密に、そして力強く伝えていくことにより、本県の魅力度を再び向上させてまいりたいと考えています。 次に、水産業の成長産業化に向けた取組についてのお尋ねにお答えします。 漁業者の減少・高齢化や漁獲量の減少など、本県水産業の直面する課題を克服し、成長産業化を実現していくためには、担い手の確保・育成と、水産資源の適切な管理による漁業生産力向上の取組を一体的に進めることが重要です。 このため、私は、日本一の担い手支援策による新規就業者の確保・育成を進めるとともに、種苗放流や小型魚保護等の資源管理と、集魚灯の明るさなどの操業規制を組み合わせ、適宜、漁船のトン数等の規制緩和も行いながら、漁業生産力の向上に取り組んできたところです。 こうした中、お示しの水産政策の改革にも連動し、若い漁業者にとって魅力ある漁業を実現するため、資源の維持・回復を目指した、科学的根拠に基づく数量管理を基本とする新たな資源管理の導入や、海洋環境の変化等にも対応した生産性や収益性向上の取組を推進することとしています。 具体的には、まず、新たな資源管理の導入に向けて、漁業調査船によるトラフグなど重要魚種の魚群調査や海洋観測等の強化に加え、水産物市場における漁獲情報のデジタル化による迅速なデータ収集体制を構築し、科学的な調査に基づく資源評価の高精度化を図ります。 その上で、魚種ごとの適切な漁獲時期やサイズなどを明らかにし、関係漁業者の理解と協力を得て、持続的に最大限の漁獲量が確保できるよう漁獲可能量を設定する一方で、状況の変化に応じた規制の見直しも行いながら、新たな資源管理への着実な移行を進めます。 次に、生産性や収益性の向上に向けては、ICTを活用したマアジなどの漁場予測の精度向上や、マーケットインの発想を取り入れた生産から流通まで一貫したデジタル情報の共有化など、より計画的かつ効率的な操業が可能となるよう、スマート水産業の導入を加速化します。 さらに、近年、海水温の上昇により漁獲量が増加傾向にあるハタ類等の資源調査を進め、新たな資源の適切な利用や複合経営への転換を促進し、海洋環境の変化等にも的確に対応していきます。 私は、漁業関係団体等と緊密に連携しながら、若い漁業者が夢をかなえ活躍できるよう、新たな資源管理の効果を最大限発揮した本県水産業の成長産業化に向けて、全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)僻地等における医療提供体制の充実強化についてのお尋ねにお答えします。 県民誰もが生涯を通じて、住み慣れた地域で健康で安心して暮らしていくためには、医療資源が限られた僻地等においても、必要な医療が提供できる体制の確保・充実を図ることが重要です。 このため、県では、第七次保健医療計画や医師確保計画に基づき、僻地医療を担う医療従事者の確保に取り組むとともに、僻地医療を支える体制の充実を図っているところです。 具体的には、僻地での勤務を要件とする医師修学資金の貸与や、自治医科大学卒業医師の派遣などの医師確保対策に加え、僻地診療所の医療設備や運営費への支援、僻地医療拠点病院による巡回診療、代診医派遣の経費補助などの取組により、僻地医療の充実に努めています。 一方で、僻地等においては、都市部に比べ医師が少なく、また、専門医が不足しており、お示しのとおり、デジタル技術の活用による医療提供体制の充実強化を図ることが必要と考えています。 このため、県では、僻地医療の拠点である県立総合医療センターと岩国市立美和病院を、5G遠隔医療サポートシステムでつなぎ、オンラインでの専門医の助言に基づく診療の実証実験を行い、専門医のいない僻地の医療機関に勤務する若手医師をサポートする体制づくりに取り組んでいます。 昨年度は、医療用シミュレーターを使用し、画像伝送の実証実験を行い、その成果を踏まえ、本年七月には、全国初の実証事例として、実際の患者の内視鏡検査において、県立総合医療センターの専門医が、映像を見ながらリアルタイムで、美和病院の若手医師に指示や助言を行ったところです。 今後は、内視鏡検査での実証の継続と併せ、さらなる診療や医療機関の拡大により、実用化への取組を加速化させるとともに、デジタル技術を活用した遠隔医療システムが社会実装できるよう、基盤となる5G環境の整備・推進についても、引き続き国に要望してまいります。 県としましては、引き続き、関係市町や医療機関等と連携・協力し、デジタル技術を活用することにより、僻地等における医療提供体制の充実強化に、積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)秋本選挙管理委員長。 〔選挙管理委員長 秋本泰治君登壇〕 選挙管理委員長(秋本泰治君)投票率の向上に向けた取組についてのお尋ねにお答えします。 お示しのとおり、さきの総選挙における本県の投票率が四九・六七%と、全国で最も低い水準となったことは、民主主義の健全な発展の観点から、憂慮すべきことであると認識しています。 本県の場合、国政選挙が二週連続したという事情もありましたが、選挙の投票率は、その時々の争点や政治情勢など様々な要因が影響するものと考えられています。 したがいまして、一概にその原因を断ずることはできませんが、最近の意識調査などから、若者を中心に選挙や政治に対する意識の希薄化、投票への義務感の低下が進んでいることなどが、投票率の低下につながっていると指摘されております。 特に本県では、十代の投票率が全国平均を六・五ポイント下回っており、県選管としては、若者の政治や選挙への意識を高め、投票参加につなげるため、様々な啓発や投票しやすい環境づくりに一層力を入れて取り組む必要があると考えています。 まず、選挙のない平常時の啓発として、高校生等を対象に実施してきた出前授業については、受講者から選挙への参加意識が高まった等の意見も寄せられていることから、引き続き積極的に取り組むとともに、各種選挙を見据えて効果的な実施時期を設定するなど、さらなる推進を図ってまいります。 また、選挙時の啓発については、若者が接しやすく、親しみやすい内容や手段により、広く情報を発信し、投票を呼びかけることが必要です。 このため、次の知事選挙から、これまでも行ってきたSNSやインターネット等、活用に当たり、若者がいつでも気軽に選挙について質問できるチャットボットや、選挙のイメージを写真や動画で分かりやすく伝えるインスタグラム等の新たな手法を取り入れることとしています。 また、テレビCMやポスター等の啓発媒体についても、若者の目に留まり、選挙への関心を高めることができるよう、放送のタイミングや掲出場所を含め見直しを行います。 さらに、投票しやすい環境づくりについては、お示しの移動期日前投票のほか、商業施設や大学での期日前投票、バス等による投票所への移動支援など、地域の実情に応じた取組が進みつつあります。 お示しのとおり、知事選挙では、新たに下関市選管が大学構内で路線バスの車両を活用した移動期日前投票所の開設を予定されており、県選管としても、積極的に支援するとともに、こうした動きが県内で加速するよう、他の市町に対し、様々な機会を捉え、情報提供や助言を行ってまいります。 投票率の現状は、厳しい状況が続いており、決め手はなかなかありませんが、不断の検討を重ね、一人でも多くの有権者の方が投票に参加されるよう、啓発活動と投票しやすい環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)インターネット上でのいじめ対策についてのお尋ねにお答えします。 いじめは、いじめを受けた児童生徒の心身の健全な成長や人格の形成に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、その未然防止、早期解決は、喫緊の教育課題です。 さらに近年は、ネット上のいじめという新しい形のいじめ問題も深刻化し、本県においても早急な対応が求められています。 このような中発生した東京都町田市の事件は、大変痛ましい事案であり、このような事案を再び起こさないためには、お示しのように、端末を管理・運用していくルールづくりや情報モラル教育の徹底、教育相談体制の整備が重要であると考えています。 そのため、まず端末の管理・運用については、各学校において、県教委が作成したひな形に沿って、端末の利用規則を作成するとともに、全ての端末を初期パスワードから、他人に類推されにくいパスワードに変更しているところです。 また、ネット上のいじめは、その匿名性から安易に書き込みが行われやすく、加害者にも被害者にもなってしまう可能性があることから、例えば、端末の適切な使い方等について、児童生徒がルールづくりに主体的に関わる各学校の取組を支援してまいります。 次に、情報モラル教育については、これまでも、各学校において年間指導計画を作成し、警察や通信業者等の関係機関と連携しながら取り組んでいるところです。 今後は、デジタル社会において自ら判断し、自律した行動が取れる児童生徒の育成が必要となってくることから、小・中・高等学校間で情報を共有し、発達の段階に応じた系統的な指導を行うなど、ICTの正しい活用につながる情報モラル教育を推進してまいります。 また、教育相談体制については、学校における児童生徒への積極的な声かけ等により、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ネットアドバイザー等の専門家と連携した教育相談活動をよりきめ細かく実施するとともに、各学校に整備した端末等も活用して、SNSや電話による相談窓口の周知を図ることにより、一層実効性のあるものとしてまいります。 県教委といたしましては、市町教委と連携しながら、学校、家庭、地域、関係機関等と一体となって、深刻化しているネット上のいじめを含む全てのいじめの防止・根絶に向けた取組を一つ一つ着実に進めてまいります。