1 新型コロナウイルス感染症対策について 2 脱炭素社会の実現について 3 がん対策の推進について 4 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(二木健治君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号まで 副議長(二木健治君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 酒本哲也君。 〔酒本哲也君登壇〕(拍手) 酒本哲也君 民政会の酒本哲也です。通告に従いまして、順次質問させていただきます。 新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、コロナハラスメントについて質問いたします。 中国・武漢で発生した新型コロナウイルスが猛威を振るい出して二年が経過しようとしております。 これまでに世界で少なくとも二億五千万人以上の感染者が確認されており、新型コロナウイルスによる全世界の死者数は五百十一万三千人を超えました。 十一月十七日現在、日本全国の新型コロナウイルスの感染者数の累計は百七十二万一千百四十二人となっており、現在では全国的に減少傾向にあるものの、予断を許さない状況が続いております。百七十二万人というと、なかなかぴんとこない数字だと思いますが、熊本県の人口と同じぐらいの人数であり、どれだけ多くの国民が感染したかが想像できます。 感染された方に関わる家族や職場の方、濃厚接触者に当たる方々を含めますと、何倍、何十倍の方々が、何らかの形で新型コロナウイルスの被害に関わってきたことと思われます。 今年の夏に起きた第五波では、全国最高で一日に二万五千人を超える感染者が出ており、第六波が来た場合の対策は全てにおいて万全でなければなりません。 感染状況が全国的に落ち着きを見せ始めておりますが、コロナ対策の中でも、コロナハラスメントに対する県民への注意喚起の強化は、今後も重要な課題の一つであると思います。 コロナハラスメントとは、その名のとおり、コロナに関係したハラスメントがそう呼ばれており、コロナ患者、コロナに感染し完治した方もしくはコロナ感染の疑いがある人に対して、差別をするような言動のことを指しています。また、感染した方の御家族などもその対象になります。 私自身が今年の八月に、新型コロナウイルスのデルタ株に感染したこともあり、多くの感染経験者の方にコロナハラスメントの実情を伺う機会がありました。感染した者として、私の経験をお話しさせていただきます。 私が感染した時期は、八月の中旬と一番感染者が増えた時期だったため、陽性が確認されてからすぐに入院ができず、自宅待機が二日間、ホテルの隔離が二日間、その後に病院に搬送という形になりましたが、病院に入院した時点で既に肺炎になっていたため、十日間点滴をしていただきました。 発症して九日間、夜中も咳が止まらず三十九度台の熱が続きました。高熱がここまで続いたのは人生で初めてでしたが、発症して数日たった頃、ある異変に気づきました。毎日記録を取らないといけないと思い、スマートフォンにメモをしていたのですが、体力が落ちていくのと同時に、少しずつ精神的に追い詰められている自分がはっきり分かったことです。 励ましのメールやLINEが届く一方、感染したことを反省し謝罪しろという内容のメールも届きました。仕事柄、マスクの着用と感染対策の徹底は自分なりにしていたつもりでしたが、デルタ株の感染力は私の想像をはるかに上回っており、自分自身が感染したことに驚いていたところですが、入院時に届いたネガティブなメールの内容には、悔しさと同時に、疑問を感じました。 ある県のホームページ内に、ストップコロナハラスメント宣言と書かれたページがありました。その中で、新型コロナは誰でも感染する可能性があり私たちが闘っているのは人ではなくウイルスですという文が載っておりました。まさに、私たちが闘っているのは人ではなく未知とのウイルスです。 私が、感染した方々から直接相談を受けた中で一番多かった内容は、SNSでの誹謗中傷でした。テレビ番組に出演していた女子プロレスラーの木村花さんが自殺したことで、SNSの誹謗中傷は大きな社会問題として取り上げられております。侮辱罪の厳罰化が進んでいるところではございますが、完全なデマも含め、書き込まれた本人はかなりの精神的なダメージを受けられます。 ほかには、会社に復帰する際に陰性証明を持ってくるよう指示があったこと、会社の上司から感染したことで叱責されたことなどの相談を受けました。 また、他県の事例では、感染者が退院後にデイサービスを断られた、感染者の子供が学校でコロナのことでいじめられた、飲食店に感染者が発生したといううわさにより風評被害に遭った、医療従事者の子供が保育所で受入れ拒否に遭った、子供が学校を休むと同級生にコロナに感染したと言われた、感染者が出ている学校の学生がアルバイト先から解雇されたなどありますが、本県でも普通に問題になっている内容だと思います。 本県も、知事のメッセージ、感染された方々への差別・偏見の防止という見出しの中で、「感染者自身のほか、最前線で治療に当たる医療従事者、感染者が発生した団体に属する方、県外との往来があった方や外国人などに対する誹謗中傷や差別は絶対にやめてください」また、「公的に出される情報を確認して、根拠のない情報やうわさ話などに惑わされないよう注意をお願いします」と発信されております。 感染した方や御家族、濃厚接触者として検査を受けた方々、そして日々私たちのために御尽力されている医療従事者の方々が、コロナハラスメントの被害に遭わないためにも、より一層具体的な呼びかけを県民の皆様に発信するべきと思いますが、御所見をお伺いします。 次に、コロナ後遺症についてお伺いします。 これまでに世界で二億五千万人以上の感染が確認され、大半は既に回復されていると言われておりますが、一部の人々にはその後も数週間、場合によっては数か月にわたり症状が残っていると言われております。 国立国際医療研究センターが今年十月に発表した調査結果では、新型コロナに感染して回復した後でも、半年後に何らかの後遺症が残っている人は二六・三%で四人に一人、また、一年たっても、十人に一人ぐらいの割合で何らかの症状が続いているそうです。 新型コロナは、基本的には発病してから四週間の時点で治癒するそうですが、この四週間を超えても、ほかの診断では説明されない様々な症状が続くことが、新型コロナウイルスの後遺症に当たるわけですが、この新型コロナウイルス感染症の後遺症について、実態解明が進んでいるそうです。 倦怠感、息苦しさ、味覚障害、嗅覚障害や集中力の低下、関節の痛みや脱毛、睡眠障害、発熱、めまい、鉛を背負ったような体の重さを訴える人もいるようです。中には一年以上続く例もあり、爆発的に感染者が増えた第五波による患者増も懸念され、専門医は、後遺症の疑いがあれば、早期に医療機関で受診するよう呼びかけております。 しかし、これは私も経験したことなのですが、まさに非常時の中での入院と退院であり、病院側も大変対応に追われておりました。 例えば、私の担当医は外科の先生、相部屋で向かいのベッドの方は耳鼻科の先生であり、忙しい通常の業務と同時に、コロナ感染患者の担当も請け負ってくれていたようでした。 担当医といっても、スピーカー越しに体調などの状態を聞かれる形であり、直接の診療がない特殊な感じでありました。また、退院も病院の判断ではなく、保健所から連絡が来て退院できる形になっておりましたので、退院時に今後の相談ができなかった方が多かったようです。退院後に後遺症が残った場合、どこで受診したらよいか分からない、そういった御意見を伺っております。 京都府の西脇知事は、十一月十九日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症の後遺症に関する専門の電話相談窓口、きょうと新型コロナ後遺症相談ダイヤルを設置すると発表されました。 症状や体調の相談に年中無休で二十四時間対応します。相談窓口では看護婦さんが相談に乗り、医療関係での受診を希望する場合は、味覚障害は耳鼻咽喉科、倦怠感ならば内科などと症状に応じた診療科を案内し、後遺症の専門的な診療が必要となれば、府内に三か所ある後遺症の専門外来を紹介すると発表されました。 本県でも、後遺症がひどく体調が戻らない方、コロナの後遺症が原因で仕事に行けず悩まされている方もいると思われます。県内に後遺症専門外来があるのか、また、なければどこで受診してもらえるのか、また、コロナの後遺症について、相談窓口をより多くの県民に周知する必要があると思いますが、御所見をお伺いします。 次に、コロナ収束後に備えたインバウンドの対策についてお伺いします。 政府は、年末年始の新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、来年一月下旬にも、観光支援事業「Go To トラベル」を再開するとの報道がありました。春の大型連休中は対象外とし、七月下旬の夏休み前までの実施を想定しております。コロナワクチンの接種証明や検査の陰性証明の提示を利用条件とし、安心して旅行できる環境整備を目指すとしています。 昨年十二月から「Go To トラベル」事業は停止していましたが、国内の感染状況が落ち着いてきたことから、事業を再開する予定であり、長い間打撃を受けてきた観光業界も回復の見込みが立ちつつあります。 本県では、私が住んでおります下関市の臨海地区、あるかぽーとに、星野リゾートが建設を予定されております。ホテルのブランドについて、コロナ流行前に予定しておりました都市観光ホテルから、リゾートホテルに変更することになりました。 ホテル事業の概要によりますと、建物の高さは五十メートルで十一階建て、客室は百九十室を備え、平均面積が五十平方メートル、カフェやプール、ダイニングなども併設され、来年二月から順次建築工事を始める予定として、延べ床面積が当初計画の二倍となっており、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ観光の復活に向けた目玉として、一層期待が高まっております。 同社の星野佳路社長が現地を実際に視察し、関門海峡に面したホテル立地や周辺環境などを踏まえ、下関観光の可能性を見直したことから、規模拡大とブランド変更を決めたとされることからも、歴史や景観など、本県は国内にとどまらず、世界に十分通用する観光資源を有しております。 国外では、オーストラリア連邦政府が本年十二月一日から、日本から渡航する日本国籍者を対象に、隔離なしでの受入れを再開する方向を発表しました。 日本からの隔離なしでの入国の条件は、オーストラリア保健省薬品・医療品行政が承認した新型コロナウイルスワクチンの完全な接種とPCR検査による陰性証明でありますが、オーストラリア政府観光局は、オーストラリアの観光産業にとって、日本は最も重要な市場の一つであり、今後の日本人旅行者の再訪のために、新たなキャンペーンを計画しているとコメントしております。 一気に海外の往来が可能となるわけではありませんが、いずれ再開する外国人観光客を受入れ時に、本県が滞在先に選ばれるために準備をしっかり進めなければなりません。 新型コロナ収束後に行きたい国のトップは日本で五七%と、二位の韓国の約二倍の人気でした。十か国・地域の回答者のトップは日本、韓国では日本と並んでハワイの人気が高かったのですが、ほかのアジアの国・地域では二位に大差をつけて日本が首位で、アメリカやオーストラリアでも首位は日本でした。 日本を訪問したい理由は、清潔だからが三位の三九%。特に、欧米豪からは清潔さを評価する割合が高いものでした。 清潔なイメージが強い日本が最も人気であり、調査を担当した日本政策投資銀行は、訪日客の取り込みのために、新型コロナ感染防止の継続などで、清潔という強みを一層生かすのが重要だとしています。 二〇一八年度の観光庁の調査では、外国人観光客が来日した際、日本で困ったことの上位四つに、施設等のスタッフとのコミュニケーションが取れない、多言語表示の少なさ・分かりにくさ、公共交通の利用、フリーWi─Fi環境の整備とありました。 二〇一九年、山口県の訪日外国人観光客は三十五万七千二百六十人で、この四分の一が韓国人が占めておりましたが、日韓関係の悪化により、全体の訪問者数が減少しました。今後、タイや台湾など伸びている市場を精査し、継続的な誘客と受入れ環境の強化を進める必要があると思います。 現在、海外への情報発信、誘致活動はどうされているのか、お伺いします。また、県内施設の受入れ環境の現状や改善点について、県の見解と今後の取組をお伺いします。 次に、脱炭素社会の実現について質問いたします。 二〇二〇年十月、菅前総理は所信表明演説で、脱炭素社会の実現、二〇五〇年カーボンニュートラルを表明しました。 また、岸田総理も、本年十月三十一日から十一月十三日までの、イギリス・グラスゴーで開催されたCOP26における首脳級会合、世界リーダーズサミットに参加され、「二〇五〇年カーボンニュートラル、日本はこれを、新たに策定した長期戦略の下、実現してまいります。二〇三〇年度に温室効果ガスを二〇一三年度比で四六%削減することを目指し、さらに、五〇%の高みに向け挑戦を続けていくことを約束する。日本は、アジアを中心に、再エネを最大限導入しながら、クリーンエネルギーへの移行を推進し、脱炭素社会をつくり上げます」と発言され、二〇三〇年度までの期間を勝負の十年と位置づけ、全ての締約国に野心的な気候変動対策を呼びかけました。 今回のCOP26での一番の成果は、世界全体で一・五度を目指すことが確認された点であります。 二〇一五年に採択されたパリ協定では、異常気象など気候変動による悪影響を最小限に抑えるために、産業革命前からの気温上昇幅を、二度を十分下回る水準で維持することを目標とし、さらに一・五度に抑える努力をすべきとしていました。 しかし、その後、二度までの上昇を許容していると甚大な悪影響を免れないという意識が高まり、一・五度を目指すべきだという声が高まりましたが、公式な文書には反映されませんでした。しかし、今回まとめられたグラスゴー気候合意の中で、合意目標として明記されました。 現在、既に地球は一・一度上昇してしまっているため、一・五度目標を目指すためには、二〇五〇年までに世界の二酸化炭素排出量を実質ゼロにし、二〇三〇年までに二〇一〇年比で約四五%削減することが必要と言われております。 これを達成するには、社会システム変革を含めた大胆な対応が必須でありますが、私たち個人レベルでできることも真剣に考えなければなりません。 今回、目標確認はようやくスタート位置に立ったと言え、大事なのは、今後、それに向けて一日でも、一分一秒でも早く、全速力で走り出すことです。 様々な報道により、脱炭素の言葉を見聞きする機会が増えていますが、脱炭素と言われても、意味や目的、自分たちにできることはどういったものなのか分からないという方も多いのではないでしょうか。 既に世界の国々が脱炭素を目指しているため、今後は個人の生活の中でも、脱炭素を意識した行動が必要になってきます。脱炭素社会とは何か、なぜ脱炭素が必要なのかを県民に幅広く周知し、個人単位でできることの啓発が必要であると考えますが、県の見解と今後の取組をお伺いします。 最後に、がん対策の推進についてお伺いします。 日本人の平均寿命は、世界保健機関の二〇一八年度の報告書によると女性が八十七・一歳で世界一位、男性が八十一・一歳で世界二位、男女の平均では八十四・二歳で世界一位です。日本は健康大国で健康志向も強まっており、この状態を続けていくことで何もない、問題のないように思えますが、がんによる死亡者数が増加しているのは、先進国では日本のみであるということが問題です。 日本では、二人に一人ががんになって、三人に一人ががんで亡くなると言われております。がんにならないように毎日の生活に気をつけて、早期発見・早期治療に徹することで、がんによる死亡を減らせると平均寿命をもっと延ばせる可能性があります。 先進国の中でも、日本の医療はトップクラスで、特に手術の技術は世界一とも言われております。しかし、唯一日本だけが異なり、がんによる死亡者数が増え続けております。その理由は何なのでしょうか。 がんの患者数・死亡者数が多い理由として、高齢化や食生活以外に、がん検診に対する意識の低さが考えられます。例えば、二〇一五年、乳がんの日本の受診率は四一%で、アメリカの八〇%の約半分しかなく、先進国の平均の六一%も大きく下回っております。 がんは、本県において昭和五十六年からの死因の第一位であり、現在約四人に一人の県民ががんで亡くなるなど、県民の生命及び健康にとって重大な課題となっております。 こうした中、平成三十年三月に、本県の今後の六年間のがん対策の基本指針となる、第三期山口県がん対策推進計画を策定いたしました。 この第三期計画では、全ての県民が、がんに関する正しい知識を持ち、がん予防や早期発見を取り組むとともに、がんにかかっても安心して暮らせる地域社会の構築を基本理念とし、がんに関する理解の促進、県民総ぐるみで取り組むがん予防・早期発見の推進、患者の視点に立ったがん医療の充実、がんにかかっても安心して暮らせる地域社会の構築、この四つの柱に沿って、県、市町、医療機関等の関係機関が連携し、総合的ながん対策に取り組むこととしております。 しかし、早期発見が大事と言われながらも、本県のがん検診受診率は、それぞれ、大腸がんが三二・九%、乳がんが二六・八%、子宮頸がん二七・四%と、三つの受診率で全国最下位となりました。特に、女性特有の乳がんは二六・八%、日本の受診率の三七・四%を大幅に下回っております。 昨年からは、新型コロナウイルス感染症を恐れて、密になる場所は避けたいと、がん検診の受診率は大幅に落ち込んでいると言われておりますが、県は今後どのようにして、受診率を上げていくのでしょうか。 十月はピンクリボン月間でしたが、どのように活動し成果はどうだったのか、そして今後どう生かしていくのか、また、県では、山形県が受診率が上位でありますが、本県との違いは何なのか、取り入れられることはないのか、本県の見解をお伺いします。 以上で、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)酒本議員の御質問のうち、私からは、コロナハラスメントについてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症の国内での発生から間もなく二年が経過し、この間、五度にわたる感染拡大の波を経験する中で、誰もがどこででも、この感染症に罹患する可能性があることは、今や周知の事実となっています。 しかしながら、お示しのように、感染された方やその御家族、医療従事者等に対する誹謗中傷や差別が大きな社会問題となり、ワクチン接種を受けていない方あるいは接種できない方までも、被害の対象となる危険にさらされています。 こうした誹謗中傷は、また差別は決して許されるものではなく、私は、このような行為を絶対にやめるよう、また、根拠のない情報やうわさ話などに惑わされることのないよう、これまでも県民・事業者へのメッセージの中で繰り返し呼びかけてまいりました。 さらに、ホームページやテレビ、ラジオ、SNS等を活用した普及啓発にも努めてきたところです。 国においても、偏見・差別の防止規定を盛り込んだ新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正を機に、関係省庁による啓発活動が広く展開されています。 さらに、インターネット上の誹謗中傷を抑止するため、現在、罰則の強化に向けた刑法改正の検討が進められており、その中で、具体的な禁止行為等が明確化されるものと見込んでいます。 私としては、こうした国の対応も注視し、状況に応じて呼びかけの内容を見直しながら、コロナに起因する誹謗中傷や偏見・差別の根絶に向けて、引き続き普及啓発に取り組んでまいる考えです。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型コロナウイルス感染症の後遺症についての二点のお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症の後遺症は、感染性の消失後、明らかなほかの原因がないにも関わらず、倦怠感や息切れなど症状が継続し、あるいは、一旦治癒した後に再び出現し、一定期間持続することがあります。 まず、こうした後遺症に対する相談については、県では、各保健所を窓口とした相談体制を確保し、退院等の際に、感染された方に個別にお知らせするなど、周知を図っています。 また、相談があった場合には、症状等において、保健師が詳細に聞き取りを行い、かかりつけ医や入院していた医療機関等での受診につなげているところです。 次に、後遺症に対する診療についてですが、後遺症は個人ごとの症状に応じて、一定期間の経過観察が必要であることや、既往症等に対する継続した対応等も必要であることから、本県では、専門外来の設置という形ではなく、身近なかかりつけ医を中心とした診療体制を確保しているところです。 具体的には、まず、かかりつけ医が経過観察や対症療法を行い、必要に応じて呼吸器や循環器等の専門医の治療につなげるなど、かかりつけ医と専門医、さらには感染された方を受け入れた入院医療機関等が連携し、治療に当たっています。 県としましては、引き続き、後遺症に悩む方々に寄り添いながら、症状に応じて相談・治療に適切に対応してまいります。 次に、がん対策の推進についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、受診率の向上についてですが、がん検診はがんの早期発見・早期治療に有効ですが、面倒、時間がないなどの理由から、本県の受診率は低い状況にあります。このため、県では、がん検診の必要性の理解促進に向け、チラシの配布や、家族や友人と誘い合った検診受診を勧めるキャンペーンの実施など、普及啓発に努めるとともに、休日及び平日夜間における検診の実施など、受診しやすい環境づくりに取り組んでいるところです。 一方、お示しのように、新型コロナウイルス感染症の影響による受診控えも懸念されることから、昨年度より、医療機関の御協力の下、休日・平日夜間検診について実施日数を大幅に増やし、受診機会の拡充に努めているところであり、引き続き、こうした取組を通じて、受診率向上に取り組んでまいります。 次に、ピンクリボン月間についてです。 県では、毎年十月のピンクリボン月間において、各市町と連携し、人が多く集まる大型商業施設等でのリーフレット配布や、事業所と連携したがん検診の体験などを実施しており、その結果、乳がん・子宮がんへの関心や、定期的な受診の必要性に対する理解が広がっているものと考えています。 受診率の向上に向けては、こうした理解の促進を図ることが重要であることから、今後は、包括連携協定を締結している企業等と連携したウェブセミナーの開催を拡充するなど、一層の普及啓発に努めてまいります。 次に、受診率が高い山形県との違い等についてですが、元年度の国民生活基礎調査では、山形県の受診率は、調査対象の全てのがんで全国一位となっています。 一方で、若者を対象とした普及啓発や、休日・平日夜間検診の実施による受診環境の整備など、受診率向上に向けた対策については、大きな違いはないものと考えています。 県としましては、がん対策に当たっては、早期発見・早期治療が重要であることから、受診率の向上に向け、引き続き、市町や関係団体等と連携し、普及啓発や受診環境の整備に取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)コロナ収束後に備えたインバウンド対策についての二点のお尋ねにお答えします。 現在、海外からの誘客は非常に厳しい状況にありますが、訪日旅行の潜在的需要は依然として高く、こうした需要を確実に本県に取り込むためには、コロナの時代に対応した効果的なプロモーションや受入れ環境の整備を推進する必要があります。 このため、まず、海外への情報発信や誘致活動など、プロモーションについては、台湾や韓国などの重点五市場において、観光プロモーターを配置し、各市場のニーズに応じて、観光情報のPRや本県への旅行商品造成等の取組を戦略的に進めているところです。 また、全ての重点市場でオンラインによる商談会を開催するとともに、SNSによる情報発信や在留外国人を招いた旅行商品造成のための視察ツアーの実施など、コロナ禍にあっても、様々なプロモーションを効果的に推進していくこととしています。 次に、受入れ環境の整備に関するお尋ねですが、コロナ禍における感染症への対策や新しい生活様式への対応がこれまで以上に求められていることから、宿泊施設が行う感染拡大防止対策や、新たなニーズに対応できる施設改修等の取組を積極的に支援していきます。 また、通信環境の整備や多言語表示等による対応が、現状では十分でない施設もあることから、引き続き、「やまぐち Free Wi─Fi」の導入を促進するとともに、デジタル技術を活用し、宿泊施設や飲食店等における多言語での情報発信を支援するなど、受入れ環境の充実を図っていきます。 県としては、今後とも、政府の水際対策も注視しながら、感染収束後に備えたインバウンドの推進に積極的に取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)脱炭素社会の実現についてのお尋ねにお答えします。 地球温暖化を引き起こす要因である温室効果ガスは、社会経済活動はもとより、日常生活からも排出されていることから、県としては、県民を対象とした啓発が重要と認識しており、CO2削減に向けての意識醸成や実践行動の促進に取り組んでいるところです。 具体的には、まず、県民一人一人が地球温暖化の現状や影響を認識し、低炭素型ライフスタイルへの転換を図るため、ぶちエコやまぐちを合い言葉とするCO2削減県民運動を展開し、省エネ・節電やエコドライブの実践等を呼びかけています。 また、この県民運動の一環として、JAXA等と連携した子供向け環境学習や、県民を対象とした各種講座を積極的に開催し、幅広い世代の県民が地球温暖化の現状に関する理解を深め、脱炭素に資する再生可能エネルギー等への関心を深める取組も実施しています。 さらに、家庭からのCO2排出量を大幅に削減するため、今年度、新たに新築のネット・ゼロ・エネルギー・ハウスに対する補助制度を創設し、家庭への太陽光発電や省エネ設備等の導入促進に向けた啓発にも取り組み始めたところです。 こうした取組に加え、今年度から、日常生活に伴うCO2排出量の見える化や省エネ等に関するクイズ、日々の実践行動のポイント化などの機能を有するスマホアプリの開発に着手しており、今後は、このアプリの利用を通じて、排出削減につながる行動変容の一層の啓発に取り組んでまいります。 県としては、今後とも、県民や事業者、関係団体、市町と連携し、県民の脱炭素への理解を深め、脱炭素社会の実現に向けた実践行動の促進に取り組んでまいります。