1 県民のいのちとくらしを守る諸課題について 2 どの子にも豊かな教育を保障する課題について 3 平和と安全を守る課題について 4 ジェンダー平等の県づくりについて 5 公立大学のあり方について 6 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。今日、十二月八日は、本八日未明、西太平洋において、米軍と戦闘状態に入れりと大本営が発表し、アジア太平洋戦争に突き進み、そして侵略戦争を拡大して、死者、日本人三百十万人、アジア諸国民に二千万人以上の惨禍を生み出したあの日から、八十年という節目の日であります。私は二度と戦争はしない、させない、そして誰一人取り残さず、みんなの声を生かす山口県政、これを目指す立場から、通告に従い、一般質問を行います。 質問の第一は、県民の命と暮らしを守る諸課題についてです。 第一は、新型感染症の感染拡大に備えた医療・衛生体制の拡充です。 新型コロナ感染は第五波の収束後、落ち着きを見せていましたが、新たな変異株オミクロンの出現で、年末年始にかけての感染再拡大が危惧されています。 本議会に提案された補正予算において、感染再拡大等に備えた医療提供体制の拡充のための施策が含まれていますが、足らざる点も多々残されています。 一つは、保健所・支所の体制強化であります。 県内の保健所・支所がこの二十年間に、十五か所から八か所に半減したことは繰り返し指摘し、拡充を求めてきましたが、現行の体制にも大きな問題があることが分かりました。 七保健所のうち、岩国保健所長は柳井、山口保健所長は長門と萩、宇部環境保健所長は周南の所長を兼務しており、七人の必要な所長が三人しかいないことが分かりました。 感染防止対策の最前線を担う七つの保健所のうち、四つにマネジメントの責任者である所長が不在という事態は異常であります。兼務を余儀なくされている所長にかかる負担も大変なものと推察されます。所長の兼務は一刻を争って解消されるべきです。どう対処されるのか伺います。 また、県は不足する保健師を確保するため、市町に保健師の応援派遣を要請し、昨年四月から今年九月までの間、各保健所は延べ三百五十九人の応援を受けましたが、それでも月二百六十時間を超える時間外勤務を余儀なくされる職員が出るなど、大変な状況です。保健師の大幅増員も急がれますが、どう対処されるのか伺います。 二つは、PCR検査の拡充です。 この間、県が各所で集中検査などの自主検査に取り組んできたことは評価します。その上で、資料一のように、厚労省が取りまとめている行政検査ベースで比較すると、八月から十一月の間の人口千人当たりの検査件数は広島県百三十二人、鳥取県百十四人に対し、山口県は五十五人と半分以下であります。行政検査にももっと積極的に取り組むべきではないかと考えますが、見解を伺います。 また、年末年始に向け、八月に取り組まれた新幹線駅、空港での無料検査や、受験や就職試験で県をまたぐ高校生を対象にした無料検査等を必要と考えていますが、それぞれについて伺います。 三つは、三回目のワクチン接種の円滑な実施です。 医療従事者など、優先接種者を対象にした接種が始まりましたが、本格実施は今からです。前回は予約の電話が通じない、ネットが使えないので予約できないなどの混乱もありました。 その中でも、おまかせ予約など、行政の側が接種日と会場を決めて通知する方式は歓迎されたと聞いています。こうした経験を生かし、迅速・円滑に接種が進められるよう市町と協議すべきと考えますが、伺います。また、必要なワクチン確保の見通しも伺います。 第二は、子育て世帯への負担軽減であります。 一つは、子供医療費助成制度の拡充です。近年、中国、四国、九州地方でも、鳥取県の高校卒業までを筆頭に、島根県は小学校卒業まで、岡山県は入院のみを小学校卒業までに、徳島県、福岡県は中学卒業までに、鹿児島県が高校卒業までにと対象年齢の拡充の動きが広がっています。これでも、山口県は全国に比較して遜色ないという認識を、いまだに変わりはないのか、お尋ねします。 山口県は持続可能な制度として維持するためと言われますが、二十年度の決算額は約四億九千万円と五億円を下回りました。県が未就学児まで拡大した翌年度決算額は約十三億円でした。その水準に戻すだけでも中学校卒業まで拡充可能ではないですか。そろそろ拡充を検討すべきと考えますが、併せて伺います。 二つは、国民健康保険料の均等割の減免です。 高い国保料の引下げを求める世論の高まりを受け、来年四月から国民健康保険料の未就学児の均等割から五割軽減されます。均等割は年齢を問わず、人数で賦課される人頭税の一種です。高い自治体では一人年四万円を超えます。子供が一人増えれば年四万円の負担増になる、とんでもない話ではないでしょうか。 未就学児のみですが、五割軽減されることを機会に、県も上乗せをして全額免除することで、子育て世帯を応援すべきではありませんか、伺います。 第三は、生活保護行政の改善です。 一つは、生活保護は権利、この徹底であります。 コロナ禍による生活困窮世帯が増えています。自助ばかりを強調してきた、あの安倍元首相ですら、生活保護は国民の権利、積極的に申請してほしいと言明しました。 これを受けて、庁舎内に「生活保護は権利です」と大書きしたポスターを掲示する自治体も現れています。県東部社会福祉事務所など、県の出先機関に、このポスターを掲示して啓発を強めてほしいと考えますが、見解を伺います。 二つは、生活に困窮する方々への食料支援活動についてです。 コロナ禍による収入減で、生活に困窮する方々やバイトもままならない学生等を対象にした、食料支援活動が各地で行われています。 その中で、生活保護世帯の方は食事や食料支援の対象外、こうした対応をされている団体があると伺いました。大変残念な対応と思いますが、何か法的な問題が生じるのか、お尋ねします。 三つは、灯油値上げへの支援策です。 国は、地方公共団体が原油価格の影響を受けている生活者や事業者を支援するために行う、原油価格高騰対策を特別交付税の対象にしました。山口県が追加補正予算案に、事業者向けの支援策を盛り込んだことは評価をいたします。 そうであるならば、なおさら、生活保護世帯や住民税非課税など生活に困っている世帯等を対象に、灯油代の一部を助成する福祉灯油制度も必要だと考えますが、伺います。 質問の第二は、どの子供にも豊かな教育を保障する課題であります。 小中学校における少人数学級の問題については、同僚議員が取り上げますので、まず、県立高校の将来構想について伺います。 二〇二二年度から三一年度までの第三期県立高校将来構想の策定に向けた協議会が行われ、近く素案が提示されると聞いています。県教育委員会は、第一期県立高校将来構想で示された望ましい学校規模、一学級当たりの生徒数は原則四十人、一学年四から八学級を目安にして、二〇〇五年から県立高校再編整備計画に沿って、高校の統廃合を推進してきました。 その結果、同年度の六十六校四分校は、今年度四十七校八分校、すなわち十五高校が消滅、四校は分校化されました。 望ましい学校規模は、第三期将来構想の素案の検討資料でも据え置かれていますが、気がかりになるのは、第二期の将来構想の第四章二、学校・学科の再編整備の(四)にあった配慮事項が削除されていることです。 配慮事項には、再編整備の対象校であっても、一つ、特色ある教育活動を行う学校、二、学び直しや不登校等の多様な学びのニーズに対応した柔軟で弾力的な教育活動を展開する学校などは、県全体の教育効果を高めることが特に期待される学校においては、当面は学校を維持することも検討しますと明記されていました。 一つは、県立高校の望ましい学校規模については、一学級当たりの生徒数は原則四十人とするのではなく、少人数学級化を目指すべきであります。 二つに、教育的効果を考えることはもちろんですが、高校の存在は地域の活力を維持する上で不可欠の問題であります。地域社会を維持する役割も考慮すべきです。 三つに、これまでの配慮事項は欠かすことはできません。 以上、三点について見解を求めます。 第二は、ICT教育への支援強化です。 ICT教育の推進のため、県教委はICT支援員制度を設けていますが、各学校に派遣されている支援員は一週間に一日しか駐在しません。先生方からは一校に一人配備されないと現場が回らない、こういう声が寄せられています。改善が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 第三は、私立学校運営費補助の拡充です。 保護者負担の公私間格差は極めて深刻です。このため、私立学校運営費補助制度が設けられていますが、資料二に示したように、中国五県を見ても、水準の違いは歴然です。 中高校の生徒一人当たりの補助単価が一番高いのは鳥取県で、山口県とは十万円の格差が生じています。私学助成の拡充は県議会の全ての会派が一致して要望している施策でもあります。大幅な引上げを急ぐべきですが、いかがでしょうか。 また、運営費補助金について、国は補助単価や地方交付税措置を増やしていますが、山口県は年々単県上乗せを減額しています。これは、道理的にも許されない対応と考えますが、その理由は何ですか。今後、このような対応はやめるべきであります。それぞれ見解を伺います。 質問の第三は、平和と安全を守る課題についてです。 第一は、米軍岩国基地の新たな機能強化を許さない問題です。 まず、九月議会でも議論した、岩国基地滑走路沖合移設事業に伴い出現した、巨大な港湾施設の問題であります。 資料三に示したように、近年、同港湾岸壁に大型艦船の寄港が相次いでいます。私が九月議会で港湾機能強化の不当性をただしたのに対し、県は、国からは岩国基地の港湾施設の運用については、あくまでも、補給物資の荷揚げ作業を行うことを目的とした施設であり、米軍艦船のいわゆる母港となるという計画はない。そして、乗組員に岩国への訪問の機会を目的とする寄港は、一般的にはあり得るとの見解が示されていると説明をして、寄港が、主として親善目的であることを踏まえると、岩国基地の港湾施設において、過去の国の説明に反する運用が行われているとまでは考えていないと答弁をされました。 逆説的には、親善目的以外の運用は、過去の国の説明に反する運用になる、このことを明言されたわけであります。 しかるに、十月十四日には、米海軍ミゲルキースが艦上訓練のために寄港し、十一月十八日には、米海軍の強襲揚陸艦アメリカが運用目的の確認のために寄港しました。さらに、九月三十日には、海上自衛隊の護衛艦という名の空母いずもが、米海兵隊岩国基地所属のF35Bの発着艦検証作業のために寄港しています。 米軍はもとより、自衛隊も含め、岩国基地の港湾施設において、過去の国の説明に反する運用が行われていることは明白です。厳しく抗議すべきですが、見解を伺います。 二つは、岩国基地が、海兵隊に加え、海軍、空軍、陸軍の拠点基地に変貌する危険性であります。海軍についてはさきに触れました。空軍もF22ラプターに続き、F35Aを展開することが明らかになりました。陸軍についても、さきに攻撃ヘリのアパッチが一時展開をしました。 中国の海洋進出などを受けて、米軍の世界戦略に変化が生じ、岩国基地を、海兵隊に加え、海軍、陸軍、空軍の機能が加わる総合的な戦略拠点に変貌させようとしていることは明らかであります。これを機能強化と言わずして、一体何というのでしょうか。改めてお尋ねします。 こうした岩国基地の質的な変貌が、近い将来、周辺住民の生活環境に甚大な影響を及ぼすことは必至であります。断固容認できないと国に直言すべきではないでしょうか、見解を伺います。 第二は、上関町への原発建設をやめさせる問題です。 九月議会の商工観光委員会での質疑で、私が国のエネルギー基本計画において、原発の位置づけは、第三次と第五次では大きく変わっていると指摘したことに対し、執行部も変わっていることを認めました。にも関わらず、村岡知事は、国が上関原発計画を引き続き重要電源開発地点に指定し、今後も維持されることを理由に、原発建設のための公有水面埋立免許の延長を認めているわけであります。 結局、村岡知事は、残っているのは奇跡とも評される原発建設予定地の自然環境を破壊する、そして福島原発事故を通じて安全神話も崩れ去った原子力発電所の建設を容認する立場に立っておられる、このことを改めて伺いたいと思います。 そうではないと言うなら、国のエネルギー基本計画に、原発の新増設の記述が消えている今、国に重要電源開発地点の指定の解除を申し出るべきと考えますが、いかがでしょうか、お尋ねします。 私は、少なくとも世界有数の地震国である日本で原発をつくるなどとは、絶対にあってはならないと確信しています。知事の見解を伺います。 質問の第四は、性差別のない、ジェンダー平等の県づくりについてです。 第一は、県男女共同参画基本計画の改定です。 SDGsのターゲット目標は、政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルでの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保することであります。 これに比べ、第五次基本計画にある、例えば、事業所の課長相当職に占める女性の割合の目標値は、二〇二三年度に二〇%にする、これは余りにもかけ離れていると思います。二〇三〇年までに政策・意思決定の徹底を男女半々にする、こうした数値目標を掲げるなど、抜本的な改定が必要と考えますが、伺います。 第二は、生理の貧困の解消を目指す取組であります。 コロナ禍の影響が長引く中、女性の貧困が顕在化し、経済的な事情などで必要な生理用品を買えない、生理の貧困が社会問題となっています。女性の生理は世界でも、また日本でも、歴史的につくられた汚れの思想概念が強く、長い間、語ることがタブー視されてきました。「#みんなの生理」という団体が、高校生、大学生を対象に行ったアンケートでは、五人に一人が、金銭的な理由で生理用品の入手に苦労したと答えています。 こうした実状を踏まえて、県としても、生理用品の恒久的な無償配布、学校など公的施設のトイレへの設置を進めるとともに、職場や学校などでも生理に関する知識や理解を深め、女性が過ごしやすい環境を整える努力を強めるべきであります。見解を伺います。 質問の第五は、公立大学の在り方についてです。 先日、下関市は下関市議会に対し、下関市立大学に、一、二〇二四年度から経済学部の定員を八十名減らして三百七十名にする、二、同年度からデータサイエンス学部を定員八十人で開設する、三、二〇二五年度から看護学部を定員八十名で開設するという計画を示しました。 この計画は、同大学の関係者を一人も含まない、下関市立大学新学部設置に関する有識者会議なるものが、三回の非公開での会合で決定したものです。同大学経済学部の教授会や学生には何の説明もないままであります。 一つに、新学部設置に関する三つの計画について、認可団体である山口県に対して何らかの相談なり、情報提供はあったのでしょうか、お尋ねします。 二つに、大学運営に関わる重大な事柄を、当事者である経済学部教授会や学生、これらに何の説明もないまま進めることが果たして許されるのか、見解をお尋ねして、私の一回目の質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問のうち、私からは、新型感染症の感染拡大に備えた医療・衛生体制の拡充に関して、行政検査についてのお尋ねにお答えします。 私は、感染拡大防止に向けては、迅速かつ的確な検査の実施により、いち早く感染の芽を摘み、速やかに感染の連鎖を封じ込めていくことが重要であると考えています。 このため、感染の疑いのある方のみならず、クラスターの発生が懸念される地域や施設に対する集中検査をはじめ、変異株の影響等で日常的に感染リスクが高まった場合には、無症状の方に対しても幅広く検査を実施するなど、感染拡大防止に向けた積極的な検査に取り組んでいるところです。 検査は、その県の感染状況に応じて実施されるものであり、お示しのように、人口当たりの検査数で一律に比較することはできませんが、本県では、感染が拡大していた八月から九月の検査陽性率は平均四・四%と、国の基準値五%を下回っており、必要な検査は実施してきたものと判断しています。 また、こうした検査の実施により、本県では、同時期の感染経路不明者の割合は二〇・一%と、これは全国平均の五三・七%を大きく下回っておりまして、全国二番目に低い水準に抑えられていたところであります。迅速かつ適切な検査が実施できていたものと考えています。 私は、第六波に向け、急激な感染拡大にも対応できるよう、一日当たりの検査能力を七千五百件から八千件に拡充を図ったところであり、今後とも、感染状況に応じて、効果的な検査に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)新型感染症の感染拡大に備えた医療・衛生体制の拡充についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、保健所長の兼務の解消についてです。 全国的に公衆衛生医師が不足する中、本県においても、一人の所長が複数の保健所長を兼務する状況が生じていますが、薬剤師や保健師等の技術職員を保健所次長等の管理職として配置しているなど、適正な業務執行体制を確保しています。 なお、公衆衛生医師の確保については、県のホームページ等を活用し、通年で募集を行っているところであり、本年四月と十一月には、各一名の医師を採用したところです。 次に、三回目ワクチン接種の円滑な実施についてです。 一月からは、高齢者向け接種が開始される予定ですが、集団接種など、接種手法や予約方法等については、地域の実情を踏まえ、実施主体である市町において決定することとされています。 このため、県では、市町の参考となるよう、各市町における取組状況等について、担当課長会議等を通じ、情報共有を図っているところです。 また、必要なワクチン確保の見通しについては、現時点、国からは、来年三月実施分までの配分量が示されているところであり、引き続き、全国知事会等を通じて、必要量の円滑な供給について、国に要請してまいります。 次に、子育て世帯の負担軽減のうち、まず、子供医療費助成制度についてのお尋ねにお答えします。 本県の制度は、受診回数の多い三歳未満児を無料とした上で、一部負担金は中国地方で最も低額であるなど、全国的にも遜色ないものと考えています。 また、本制度は一定の福祉医療の水準を確保することを目的に、基準を定めて助成しているものであり、厳しい財政状況の中、将来にわたって持続可能な制度とするため、現行水準を維持することが基本と考えており、対象年齢の拡大は考えていません。 次に、国民健康保険料の均等割の減免についてです。 県としましては、子供に係る保険料の取扱いについては、国の責任において制度設計されるものと認識しており、県が独自に支援を行うことは考えておりませんが、軽減割合の拡充等について、全国知事会等を通じて、国に要望しているところです。 次に、生活保護行政の改善についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、生活保護は権利、の徹底についてです。 生活保護の申請は国民の権利であることから、これまでも市町と連携して、ホームページ等で生活保護制度の周知を行ってきたところです。 県としては、お示しのポスター作成までは考えていませんが、申請の意思が確認された方に対しては、速やかな申請手続につなげ、生活に困窮された方が必要な生活保護を受けることができるよう、引き続き取り組んでまいります。 次に、生活に困窮する方々への食料支援活動についてです。 お示しの食料支援活動については、各支援団体の主体的な判断により実施されているものであり、生活保護法上で特段の問題を生じさせるものではありません。 次に、原油高による灯油値上げへの支援策についてです。 お尋ねの、いわゆる福祉灯油につきましては、国のエネルギー価格高騰対策の一環として、特別交付税措置の対象とされたもので、これまでも、主に北海道、東北などの寒冷地の道県において、灯油購入費を助成する市町村に対し、経費を補助する形で実施されています。 このたび、各市町に対し調査を行ったところ、実施する市町はなかったことから、助成制度の実施は考えていません。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)新型感染症の感染拡大に備えた医療・衛生体制の拡充のうち、保健師の増員についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナの感染拡大に伴い、保健所に大きな負担が生じたことから、県では、これまでも保健師の増員や他部局職員の応援派遣、市町保健師の応援受入れ、相談業務の外部委託等により、業務執行体制の強化や職員の負担軽減を図ってきたところです。 県といたしましては、引き続き、感染状況や現場のニーズ等を踏まえながら、保健師の増員も含めた体制の強化等に、柔軟かつ機動的に対応してまいります。 次に、私立学校運営費補助の拡充についての数点のお尋ねにまとめてお答えします。 県では、私立学校振興助成法の趣旨を踏まえ、経常的経費の二分の一の助成を念頭に置きながら、厳しい財政状況の中でも、国の財源措置に単県措置額を上乗せする形で運営費補助金の充実に努めており、平成二十九年度以降、五年連続補助単価の引上げを行っているところです。 今後についても、私立学校を取り巻く環境の変化や県の財政状況等を勘案しながら、適切に対応してまいります。 議長(柳居俊学君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)新型感染症の感染拡大に備えた医療・衛生体制の拡充に関するPCR検査の拡充についてのお尋ねのうち、新幹線駅、空港での無料検査についてお答えします。 八月に実施した新幹線駅や空港でのPCR検査は、全国的に新型コロナウイルス感染症が拡大する中、県内への感染拡大を防止する水際対策として、短期間・集中的に行ったものです。 現在、感染リスクは低い状態が続いていることから、現時点、年末年始の期間にPCR検査を実施することは考えていませんが、今後の対応については、新型コロナウイルス感染症の拡大や行動制限の状況等を勘案しながら、検討してまいります。 議長(柳居俊学君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)米軍岩国基地の新たな機能強化についての数点のお尋ねのうち、まず、過去の国の説明に反する港湾施設の運用について、抗議すべきではないかとのお尋ねにお答えします。 港湾施設の運用については、県では、沖合移設の経緯を踏まえ、軍艦等の母港及び寄港地とならないことを基本的な考え方とし、寄港の際には、目的や基地での運用等について国に事前の情報提供を求め、その内容に応じて、地元市町と連携して必要な要請を行っているところです。 お示しのように、今年に入り、補給物資の荷揚げや親善以外を目的とする寄港が行われていますが、いずれもその運用は一時的なものであり、基地周辺住民への影響も少ないことから、県としては抗議しなければならない問題とは考えていません。 今後とも、軍艦等が寄港する際の事前の情報提供の徹底などの要請を積み重ねることにより、なし崩し的に軍艦等の母港及び定期的な寄港地とならないよう、適切に対応してまいります。 次に、岩国基地を総合的な戦略拠点に変貌させようとしていることは明らかであり、これを機能強化と言わずして何というのかとのお尋ねです。 お示しの基地の戦略拠点化など、軍事機能に関する問題は、地方自治体として判断することができないものです。したがって、県では、地方自治体の役割等を踏まえ、基地問題に対する基本姿勢において、新たな部隊の移駐等の基地機能の変更が行われる場合には、航空機騒音や安全性等の面で、基地周辺住民の生活環境が現状より悪化するかどうかを判断基準として対応しているところです。 次に、基地の質的な変貌が近い将来の周辺住民の生活環境に影響を及ぼすことは必至であり、断固容認できないと国に直言すべきとのお尋ねです。 基地の運用については、今後とも、地元市町と連携して状況把握に努め、住民の生活環境に影響が及ぶなど、問題がある場合には、その都度、国や米側に必要な対応を求めるとともに、今後、仮に、基地機能の変更が行われる場合には、基本姿勢に沿って適切に対応してまいります。 議長(柳居俊学君)三浦商工労働部理事。 〔商工労働部理事 三浦健治君登壇〕 商工労働部理事(三浦健治君)上関町への原発建設についての三点のお尋ねにお答えいたします。 まず、原発の建設に関する立場についてです。 原子力発電所の建設を容認する立場に立っているのかとのことですが、県では、上関原発計画について、これまで一貫して地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するとともに、県民の安心・安全を守る立場から、国に対して言うべきことは言うという姿勢で対応しているところです。 上関原発計画に関しては、国に対し、安全確保や環境保全など六分野二十一項目の要請をしており、今後も、計画の進捗に応じて、国の対応状況をチェックしてまいります。 次に、重要電源開発地点の指定の解除についてです。 上関原発に関する重要電源開発地点の指定については、引き続き有効であり、事情の変化がない限り解除することは考えていないとの国の見解も示されており、国のエネルギー政策上の位置づけは現在も変わっていないと認識しております。 また、原発立地によるまちづくりを進めたいという地元上関町の政策選択は、現在も変わりありません。県としては、このように事情の変化がない中で、上関原発の重要電源開発地点の指定の解除を申し出ることは考えておりません。 次に、地震国である日本に原発をつくることに関する見解についてです。 エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことができないものであり、エネルギー政策は国家運営の基本です。したがいまして、原子力発電を活用するかどうかについては、地震への対応を含め、安全性・信頼性の確保を大前提に、国において判断されるべきものと考えています。 議長(柳居俊学君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)ジェンダー平等の県づくりについての二点のお尋ねにお答えします。 まず、男女共同参画基本計画についてです。 県では、本年三月に、二〇二五年度までの五年間を計画期間とする、第五次男女共同参画基本計画を策定し、あらゆる分野における政策・方針決定過程への女性の参画拡大を重点項目に掲げ、諸施策を進めているところです。 お示しの数値目標については、これまでの成果や国の目標値等を勘案するとともに、経済団体や女性団体等で構成する審議会等の意見も踏まえて、適切に設定したものであり、県としては、現行の基本計画に掲げた数値目標の達成に向けて、市町や関係機関・団体等と連携して取り組んでまいります。 次に、生理の貧困の解消についてです。 新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、生理の貧困の問題をはじめ、経済的な困窮など、特に女性に深刻な影響が及んでいることから、県では、生理用品の無償配布を行う女性相談会や生理用品配布会を実施するなど、様々な困難を抱える女性への支援に取り組んでいるところです。このため、現時点では、お示しの生理用品の恒久的な無償提供や、学校をはじめ、県立の公立施設のトイレへの設置を行うことは考えていません。 また、生理など、女性の健康に関する知識や理解を深め、女性が過ごしやすい環境を整えることは重要であることから、引き続き、企業に対して、生理休暇に関する制度等の周知を図るとともに、学校等において、健康相談や健康教育に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)平屋総合企画部長。 〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 総合企画部長(平屋隆之君)公立大学の在り方についての二点のお尋ねにまとめてお答えします。 地方独立行政法人法の規定に照らし、県としては、大学の学部の設置について指導・助言を行う権限は有しておらず、設立団体においても、県への報告は求められていないところです。したがいまして、お尋ねの新学部設置に関する計画については、県は、法人の設立団体である下関市から相談等は受けておりませんし、また、教授会や学生への説明に関し、見解を述べる立場にはありません。 議長(柳居俊学君)西村副教育長。 〔副教育長 西村和彦君登壇〕 副教育長(西村和彦君)教育に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、新型感染症の感染拡大に備えた医療・衛生体制の拡充に関するPCR検査の拡充についてのお尋ねのうち、高校生を対象にした無料検査についてです。 県教委では、修学旅行や部活動等、学校が行う教育活動を対象としてPCR検査を実施しているところであり、受験や就職活動など、個人的なものは対象外としています。 次に、どの子にも豊かな教育を保障する課題についてのお尋ねのうち、県立高校の将来構想についてです。 まず、少人数学級化を目指すべきというお尋ねです。 一学級当たりの生徒数については、いわゆる標準法に基づき、原則四十人として検討しているところです。 次に、地域社会を維持するという高校の役割も考慮すべきとのお尋ねです。 学校・学科の再編整備については、地域における高校の実情や地域バランス、分散型都市構造にある本県の特性等も踏まえることとしており、様々な観点から検討してまいります。 次に、配慮事項についてのお尋ねです。 再編整備の実施に当たっては、高校教育の質の確保・向上を図る観点や地理的条件、交通事情による生徒の教育への影響等を総合的に勘案しながら、検討することとしており、基本的な考え方は変わっていません。 次に、ICT教育への支援強化についてです。 県教委では、教員のICT活用促進や負担軽減を図るため、ICT支援員を各学校へ派遣しており、その配置については、国の基準に基づき、四校に一名程度としています。 また、ヘルプデスクを設置し、支援員が不在の際には、教員が直接問い合わせることで課題に対処できるよう、体制を整備しているところです。 議長(柳居俊学君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問を行います。 子供医療費助成制度の拡充についてですが、相も変わらず、遜色ない持続可能な制度とするためには、現行水準を維持するという態度に固執されておられます。 これまでも指摘しましたが、この制度の予算が当初予算に占める割合を比較すると、鳥取県は〇・二七%に対して、山口県は何と〇・〇九%、三分の一であります。 実は、山口県でも十七年前の二〇〇四年度の当初予算に占める割合は〇・一八%、現在の二倍です。持続可能な制度をするために比率を二分の一にしなければ持続できないほど、山口県財政は逼迫しているのでしょうか、お尋ねをいたします。 生理の貧困についてですが、公立学校のトイレへの生理用品の配備について、県教委は保健室において行っていると説明されてきましたが、これまでお聞きしたところでは、保健室に来てもらったら相談を通じて家庭状況等を把握できるなどとの理由を挙げています。家庭の状況を聞かれることに抵抗を感じない生徒なら問題はないでしょうが、そうしたことを嫌い、我慢している生徒もいると思われますが、この点についてお尋ねをいたします。 トイレットペーパーがトイレに置かれているのと同様、県立高校の女子トイレに生理用品を置くべきだと考えますが、改めて伺います。 基地問題ですが、米軍艦船の寄港について県は、十月十四日の口頭要請の際には、母港及び寄港地とならないようにすることを要請されています。 ところが、十一月十六日の口頭要請では、母港及び定期的な寄港地にならないようにすることと、定期的な文言が加わっていますが、一体これはなぜなのか伺います。 うがった見方をすれば、定期的ではないものはウエルカムだ、こういう態度に変更したように受け取られますが、いかがでしょうか、伺います。 関連して、強襲揚陸艦アメリカの艦長の見解についてです。 岩国基地に寄港したアメリカの艦長は、十一月十九日、記者会見で、岩国基地について、寄港するのに十分な機能が整っている、自衛隊との相互運用を高めるために非常に重要な位置を占めていると述べ、今後の定期的な寄港の可能性については、保安上の理由で、将来的な運用は言えないと言いながら、一方で、今後も来られたらよいと思うと述べました。 山口県は、米海軍等の軍艦等の母港及び寄港地としないよう国に要請してきましたが、ところが、米艦船のその艦長は、定期的な寄港の可能性を否定をしていません。こうした発言をどう捉えるのか、改めて伺います。 私は、国を通じてでも、外務大臣、防衛大臣にきちんと抗議すべきと考えますが、いかがでしょうか。 最後に、市立大学の問題では、二〇一九年度以来、前田下関市長のお友達優遇をきっかけとした、いわゆる下関市立大学私物化問題は、極めて重大な局面を迎えました。 さきに指摘したように、本年八月以降、僅か三か月、非公開の有識者会議を三回開いただけで、六十年にも及ぶ歴史を持つ市大経済学部の二割を縮小する、新学部、開設する計画を断行しようとしています。 教授会や学生はもとより、下関市民も誰も知らない中での強行であります。手続的にも、まさに大学の自治への乱暴なじゅうりんであります。 認可権者たる山口県は、見て見ぬふりをするのではなく、地方独立行政法人法百二十二条四項、五項に基づき、下関市と市大経営理事に対して、計画の一時中止、市民への説明を果たすよう指導・助言をすべきであります。これは意見であって、答弁は求めません。 以上で、再質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)木佐木議員の再質問にお答えします。 子供医療費助成制度に関し、現行水準を維持しなければならないほど財政的に逼迫しているのかとのお尋ねについてですけれども、財政的な問題だけではなくて、現行水準を維持することを基本としているのは、本県の助成制度は、国の医療保険制度を補完して、一定の福祉医療の水準を確保するために、市町に助成しているものであります。将来にわたって持続可能な制度とするため、現行水準を維持することを基本と考えています。 議長(柳居俊学君)藤田総務部理事。 〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 総務部理事(藤田昭弘君)再質問にお答えします。 まず、定期的な寄港という文言を加えた理由等について御質問ございました。 基地の港湾施設は、補給物資の荷揚げ作業を行うことを目的とした施設であります。また、親善などの訪問の機会を目的とする寄港もあり得るという国の見解も示されておりまして、県としては、軍艦等の寄港を一切認めないという考えではございません。 しかし、沖合移設の経緯を踏まえ、なし崩し的に母港及び寄港地とならないように要請してきているところであり、こういった国の見解等を踏まえて、要請をより明確にするために、定期的という文言を加えたということでございます。 県の考え方は変わっておりませんが、今後とも寄港の際の事前の情報提供の徹底などを、国に対し重ねて要請することなどにより、なし崩し的に母港及び定期的な寄港地とならないように、適切に対応してまいりたいと考えています。 それから、強襲揚陸艦アメリカの艦長の発言、それと国への要請ということでございました。 お示しのありましたように、アメリカの艦長が将来の運用については申し上げられないという旨の発言をされたことは、報道により承知していますが、今後の定期的な寄港まで言われたかどうかということは承知しておりませんので、それについての見解を申し上げることはできませんが、いずれにいたしましても、国に行った要請内容は、国は米側に伝えているということでございますし、県の考え方は機会あるごとに国のほうにも伝えておりますので、アメリカの艦長の発言をもって、改めて国に要請することは考えていません。 議長(柳居俊学君)西村副教育長。 〔副教育長 西村和彦君登壇〕 副教育長(西村和彦君)木佐木議員の学校のトイレへの生理用品配備に係る二点の再質問にお答えします。 まず、家庭の状況を聞かれることに抵抗を感じない生徒なら問題ないけれども、そうしたことを嫌い、我慢している生徒もいるのではないかとのお尋ねです。 県立学校では、養護教諭をはじめ、学級担任、教育相談担当など、関係する教職員で相談できる体制を取っていることから、まずは児童生徒が話をしやすい教職員が相談に応ずるなど、学校の組織全体で連携し、対応しております。 今後とも、機会あるごとに保健室等で生理用品を提供できることを伝えて、相談しやすい環境づくりに努めてまいります。 次に、県立学校の女子トイレに生理用品を置くべきではないかとのお尋ねですが、生理用品を用意できない児童生徒への支援については、児童生徒の抱える不安等の根底にある問題を含めて、相談に乗ることが有効であると考えており、県立学校への女子トイレへ生理用品の設置を行うことは考えておりません。議長(柳居俊学君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再々質問を行います。 子供医療費の問題です。もともと村岡知事は、初当選された当時、子育て日本一の山口県を掲げてこられました。それにふさわしい施策が何かほかにあるのかどうか示していただきたいと思います。 少子化や生活困窮世帯の増加で、子育て支援の重要性は年々高まる中で、この十七年間、この制度の拡充を拒み続け、自己負担を強いる制度改悪まで行いました。こうした対応を改め、この制度の拡充に踏み切るお考えはないのか、再度答弁を求めて、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)木佐木議員の再々質問にお答えします。 子育て日本一にふさわしい施策がほかにあるのかと、制度拡充に踏み切るべきではないかとのお尋ねですけれども、県では、乳幼児医療費助成制度に加えまして、安心して子育てができる環境づくりに向けまして、やまぐち版ネウボラの推進、やまぐち子ども・子育て応援ファンド、そして新たな取組としては、二十四時間三百六十五日、いつでも子育てに関する相談に対応できる子育てAIコンシェルジュの構築、こうした本県独自の取組を幅広く取り組んでおります。 子育て支援につきましては、医療費助成だけではなくて、様々な支援を総合的に実施していく必要があると考えておりますので、今後とも、こうした考え方の下、子育て支援の充実に取り組んでまいります。