1 教育問題について 2 ご英霊の顕彰について 3 朝鮮学校への補助金について 4 第2宇宙作戦隊の新編について 5 インクルーシブ社会の実現について 6 その他
副議長(二木健治君)橋本尚理君。 〔橋本尚理君登壇〕(拍手) 橋本尚理君 私は、自由民主党新生会の橋本尚理でございます。 日本ウイグル協会名誉会長イリハム・マハムティさんが、岩国市役所でのパネル展や講演のために九月二十日から一週間岩国に滞在され、その間に中国共産党から、ウイグル人に対する様々な弾圧や拷問の実態を数多く聞くことができました。 この議場で紹介することがはばかられる内容ばかりですので、詳細につきましてはネット等でお調べいただきたいと存じますが、どれもがあまりにも非人道的で想像を絶するものばかりであり、まさに、ナチスを超える民族粛清であり、チベット、内モンゴルに続いての民族根絶政策でありました。 ウイグルは、もともと東トルキスタン共和国という国家であり、ユーラシア大陸の心臓部に位置し、二千年以上前から商業文化都市として栄えておりました。その国旗がこちらでございます。一九四九年にソ連の援助を受けた中国人民解放軍が武力により侵略し、新疆ウイグル自治区と改名し、中国の領土としたのであります。 イリハムさんの話の中の一つに「中国共産党からどんな拷問を受けようとも、どんな洗脳教育を受けようとも、私は骨の髄までウイグル人です。変わることはありません。ただ、私が一番恐れているのが、収容所で洗脳教育を受けたウイグルの子供たちが大人になり、ウイグルの子供たちに洗脳された教育をすることなのです」と話してくれました。 この話を聞いて私は驚愕したのと同時に、彼が一番恐れていることが、我が国では七十年以上前から起きていることに気づかされました。敗戦後、GHQによる、さきの大戦は侵略戦争だ、日本軍は東アジアの人々に大変な悪事を働いたなどとの事実に反する自虐的で歪曲された教育を日教組やマスコミから受けた子供たちが大人になり、教師になり、今の子供たちに今でもそう教えているのであります。 一週間前、私は、二○○四年から八年間、NHKニュース7の気象コーナーを担当されていた気象予報士の半井小絵さんの講演を聞く機会がありました。 くしくもその中で半井さんが、「私は学校で教わったとおり、太平洋戦争で日本軍は東アジアの人々に重大な悪事を働いたと信じておりました。しかし、二○一五年、さきの大戦は大東亜戦争であり、大東亜会議の存在を知ったとき、自分たちが学校で受けた教育は、戦後につくり上げられた洗脳教育であったことに気づき、このままでは大切な日本は守れないとの思いで、保守系言論人としての活動を始めました」と私の懸念を裏づける話も聞くことができました。 そこで質問に入らせていただきます。私は、今までも県議会において、教育問題、とりわけ教科書採択の問題について度々取り上げてまいりました。 子供たちへの教育の根幹は、教科書であり、教科書に何が書いてあるのか、何を教えるのかが何より重要となります。 我が国の教科書は、学校教育法に基づき国による教科書検定制度が採用されております。しかし残念ながら、国の検定を合格した教科書の中には、これまで歴史的、世界的に事実として確定しているわけではない事象を殊さら強調し、自虐的、誇大に扱っているものについても散見されるのが現状であります。 こうした中、本県においては平成二十八年度から四年間、県立高森みどり中学校と下関中等教育学校で使用される歴史及び公民の教科書について、平成二十七年度に初めて、日本の歴史や文化への愛情を育むことを編集目標に掲げている育鵬社の教科書を採択されております。 また、新学習指導要領に対応し、令和三年度から使用される教科書についても、引き続き育鵬社の教科書を採択されたところであり、私としては、この県教委の御判断に深く敬意を表するものであります。 しかしながら、昨年度は、全国的には、育鵬社の教科書を採択した市町村は防府市をはじめ減少いたしました。育鵬社の教科書に対し、ウェブサイトで戦争賛美などとレッテルを貼り、不採択を求めるよう呼びかける運動が見られたとの報道もあり、そうした活動が採択に影響を及ぼしたのなら、大変大きな問題であります。 教科書採択に当たっては、静ひつな環境で、これからの社会を生きる子供たちの将来を真剣に考え、揺るぎない信念の下、適正かつ公正に審議する必要があります。 この四月に就任された繁吉教育長におかれましては、その就任の挨拶に当たり、本県は、これまでも豊かな先見性、質実剛健の気風、ふるさとを愛する心、そして、若者に期待し若さに託すといった優れた教育風土を持つ特色があり、これらは、未来に引き継いでいく貴重な財産であると述べられておられます。 まさに、先人たちが築かれてきた本県が誇るべき防長教育を守り、復活させていくことが重要であり、そのためには、本県及び県内市町教委の教科書採択において、県教委、そして教育長の強いリーダーシップが重要となります。 そこでお尋ねをいたします。県教委として、教科書採択について、どのような姿勢で、考え方で臨まれるのか、また、市町教委の教科書採択について、どのような考え方で指導・助言・援助を行われるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 次に、御英霊の顕彰についてお伺いいたします。 戦後七十六年間も我が国が独立と平和を享受しているのは、国のために貴い命をささげられた御英霊の礎の上にあるとの思いから、私は、御英霊の顕彰を政治活動の大きな柱の一つに掲げております。 その思いの中、昨年来、多くの道府県遺族会や道府県護国神社を視察し、情報交換をさせていただきました。 訪れた全ての道府県で、昨年来のコロナ禍により護国神社の戦没者慰霊祭は、遺族及び来賓を招待せず神職のみで行われておりました。山口県護国神社も同様であります。 さらには、御遺族の高齢化により、今では遺族会の存続すら危惧されている地区が出ており、ましてや、二年続けて慰霊祭に遺族が参列しなければ、コロナ終息後に、果たして以前の状態に戻るんであろうか、とても厳しいのではないか、今後、御英霊の顕彰は誰がしてくれるのだろうか、御英霊の存在すら忘れ去られてしまうのではないかという言葉を、行く先々で聞いたのであります。 私も二十年前から祭典委員長として地元岩国護国神社の春秋の慰霊祭や正月の献穀祭、夏の御霊祭りを催行しておりますが、同様な不安を抱いておりました。 さて、皆さんの中にも、靖国神社を参拝された際、カトリック系の名門女子校白百合学園の生徒さんたちが、靖国神社に一礼をして通学している姿を目にされ、一神教であるがゆえに数々の宗教戦争を起こしてきたキリスト教学校の生徒さんが、なぜ靖国神社に一礼との疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 これは、一九八一年、白百合学園創立百周年の際、来校されたローマ法王ヨハネ・パウロ二世に、一人の生徒さんが、通学路に靖国神社があるのですが、どうしたらいいですかと尋ねられると、法王は、こうべを垂れて通りなさいとお答えになられ、以来今日まで、白百合学園の伝統となっており、岸防衛大臣の奥様も白百合学園在学中はこの伝統を守っておられたそうです。 さらに、戦後、GHQが靖国神社を焼き払い、ドッグレース場にする計画を立てた際、ローマ教皇庁代表は、「日本に信仰の自由が完全に認められるなら、神道、仏教、キリスト教、ユダヤ教などいかなる宗教を信仰する者であろうと、国家のために死んだ者は、全て靖国神社にその御霊を祭られるようにするべきである」さらに、「いかなる国家も、その国のために殉じた戦士に対して敬意を払う権利と義務がある。それは、戦勝国か敗戦国かを問わず、国家のために命をささげた人に敬意を払うのは自然の法、平等の真理でなければならない」と進言され、靖国神社が残されたのであります。 しかし、いわゆるA級戦犯合祀が明らかになった後も、歴代総理大臣は靖国を参拝されましたが、昭和六十年、中曽根総理の公式参拝の折、朝日新聞を筆頭に、靖国参拝はアジア人民を傷つけるなどとの参拝大反対大キャンペーンが展開され、中国がそれに乗るかのように、侵略への反省がない、軍国主義の復活と反発したために長きにわたり途絶え、現在もなされておりません。 国民の代表である総理が靖国を参拝し、国家のために殉職された御英霊に対し、慰霊し、敬意を払うこと、これは至極当然で最も大切なことなのにであります。 当然、私は、年に一度は靖国神社を正式参拝させていただいております。 さらに先日、朝日新聞に、護国神社の例大祭、七県知事らが公務参列との見出しで、ある憲法学者の話として、到底社会的儀礼とは言えず憲法違反であるとの記事が掲載されました。 この調査を発案したのが宇部市の牧師であり、日本基督教団関係団体が調査したとありました。この方々に、さきに述べましたローマ教皇庁代表の話をぜひ聞いていただきたいものであります。 国と家族を守るために貴い命をささげられました御英霊をお祭りしている靖国神社や護国神社は、家庭に言い換えれば、家族を守り養われてこられた御先祖をお祭りしてある仏壇や神棚や祭壇と同じであり、単なる神道宗教施設ではないのであります。 多くの日本人は、知人の家にお邪魔をした際、たとえ宗教が違っても、その家に礼を尽くすためにその家の仏壇や神棚に手を合わせられるのではないでしょうか。戦没者慰霊祭への参拝は、社会通念上最も大切な儀礼であり、政教分離の原則に反するものではありません。 村岡知事も、戦没者や御遺族に対して弔意、哀悼の意を表するために社会的儀礼として出席している、憲法で禁止されている宗教的活動には当たらないとの見解を堂々となされており、御英霊の顕彰に携わる全ての者を代表して、村岡知事に厚く御礼を申し上げます。 また、山口県では、昭和四十一年から沖縄県摩文仁の丘にある防長英霊の塔の前庭において、山口県南方地域戦没者防長英霊の塔慰霊祭を、知事が会長を務める山口県南方地域戦没者慰霊奉賛会が主催して、例年十一月六日午後一時から行っております。 沖縄の山口県人会元会長の上関町出身の歯科医中川智晴先生から聞いた話によりますと、防長英霊の塔を建立した当時の橋本正之知事は、摩文仁の丘で、連合国軍の艦砲射撃で犠牲になられた方々が、水、水を飲みたいと言って亡くなられたと聞き、私財百万円を出され、麓から水道を引かれたそうであります。 さらに、橋本知事から慰霊祭の日時はいつがいいかと尋ねられた中川会長は、沖縄気象台に統計上で摩文仁の丘に雨が降っていない日はいつかと尋ねられたところ、十一月六日だとのことで、この日に決められたとのことでありました。 私も十回近く参列しておりますが、傘を差して参列したことは一度もありません。コロナ禍により中止となった昨年に続き、今年も私は日帰りでお参りをさせていただきました。午前中は大変な雨だったそうですが、私が参拝した午後には雨も上がり、傘を差すことなく献花、献饌をすることができました。やはり先人の知恵と教えというのは守り継ぐものだなと感じたところであります。 また、橋本知事は「あなたの遊んだ川の石 あなたの登った山の石 ふるさとの石を寄せ ここマブニの丘にうずめます その一つ一つに 妻や子や父母の こころが託されているのです 祈りがこめられているのです みたまよ 願わくは 安らかに眠りたまえ」との碑文を作られました。 参列された御遺族は、この碑文を朗読され、それぞれが持ち寄られたふるさとの石を防長英霊の塔に奉納されるのであります。実に橋本知事は立派な方でありました。 その後の歴代知事も、橋本知事の御意思を継承し、副知事と交代ではありますが、御自身が参列をされておられます。いまだに知事本人が参列される県はごく僅かであると聞き、誇りに思うところであります。 そこでお伺いをいたします。県として御英霊の顕彰や会員の減少が続く遺族会への支援に、今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、朝鮮学校への補助金についてお伺いをいたします。 朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外にする処分は違法だとして、広島朝鮮初中高級学校の運営法人と元生徒が処分の取消しや損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は本年七月末、学校側の上告を退ける決定をし、学校側敗訴とした一、二審判決が確定いたしました。これで、全国五か所で起こされていた同様の訴え全ての敗訴が確定したのであります。 この決定を受けて、直ちに北朝鮮は、この不当な判決は在日朝鮮人の民族教育の権利を侵害し、差別する民族排他主義・人権じゅうりん行為の極限状態と主張。また、在日朝鮮人が日本国民と同じ納税義務を負っている条件でのこのような差別行為は、徹頭徹尾、朝鮮に対する敵対視政策の産物と批判しました。 皆さん、どこかでよく耳にする主張にそっくりと感じませんでしょうか。補助金計上しないのは差別だ、教育を受ける権利の侵害だ、高校無償化から除外しているのはヘイト先導だ。そうです。毎定例会のたびにこの議場で聞かされる、朝鮮学校補助金の復活を求める質問と全く同じ主張なのであります。 このような質問を繰り返される方々は、北朝鮮の代弁者と成り下がっていると言わざるを得ないのであります。こうした質問が北朝鮮に誤ったメッセージを送るとともに、結果として彼らを利することにつながっていることを理解されておられるのか、理解されておられないのか、私には理解できません。 どうか、皆さんも横田めぐみさんの早期帰国を望んでおられる日本人であるなら、自国民の人権を軽視し、核ミサイルの開発にのみ突き進んでいるテロ支援・独裁国家北朝鮮を利するだけの質問はしないでいただきたい、二度とこの議場で取り上げないでいただきたい、この不毛な論争に終止符を打っていただきたいと強く申し上げておきます。 朝鮮学校をめぐっては、教育基本法が禁じている朝鮮総連による不当な支配の疑いが指摘され、平成二十五年に適正な学校運営が確認できなかったと正式に高校授業料無償化の対象外となるとともに、平成二十八年には自治体に対し補助金見直しを求めるよう文部科学大臣から通知もなされております。 私は、平成二十三年十一月議会で、朝鮮学校への補助金は直ちに停止し、朝鮮学校への調査は、朝鮮語の分かる職員を同行し、抜き打ちで行うべきであると質問・要望をいたしましたが、当時の二井県政の答弁は、抜き打ち検査や朝鮮語を分かる職員の同行はせずに調査を行った結果、補助金の執行は適正になされており、見直すつもりはないという趣旨の答弁をされ、聞き間違いではないかと我が耳を疑ったことを今も鮮明に記憶しております。 その後、翌年八月に就任された山本前知事の御勇断により、平成二十五年度から補助金の予算計上が見送られ、現在の村岡県政にもその方針がしっかりと引き継がれていることは、改めて高く評価する次第であります。 教育の自由はある。だが、独裁者を神格化したり、日本が拉致問題を使って排外主義をあおっていると教えたりしている学校にまで、公的な支援をすべきではありません。 この問題は単なる一地方のことにとどまらず、我が山口県がしっかりとした国家観を持っているか否かが試されていると思うのであります。 そこで、朝鮮学校への補助金を予算計上していない考え方を改めてお伺いするとともに、今後県としてはどのように対応していかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、第二宇宙作戦隊の新編についてお伺いいたします。 先日、岸防衛大臣が、航空自衛隊防府北基地を視察され、昨年府中基地に設置された宇宙作戦隊に続き、防府北基地に第二宇宙作戦隊を新編すると表明をされました。 これは、私も十月に、防衛省の防衛白書作成事務室室長より、令和三年度版防衛白書の概要について説明を受けた中で、昨年決定された宇宙基本計画に基づき、人工衛星にとって脅威となる宇宙ごみなどを監視し、中国やロシアが開発を進めている人工衛星を妨害・攻撃・捕獲するキラー衛星や衛星攻撃ミサイル、電磁波による妨害を行うジャミング兵器などにより、我が国の安全保障や経済社会が依存する宇宙システムに対する脅威が増大していることに対抗する目的で、自衛隊においては、令和三年度に、SSA、宇宙状況監視の強化、宇宙領域を活用した情報収集・通信・測位などの各種能力の向上、そして宇宙利用における抗堪性の強化を担う部隊を新編するとともに、各部隊の上級部隊として宇宙作戦群を創設すると聞きました。 私は、山陽小野田市に宇宙状況監視レーダー施設整備が進んでいることから見て、宇宙作戦隊は防府基地に新設されるのかと感じておりましたが、やはりそうでありました。 そこでお尋ねいたしますが、県として、防府北基地への第二宇宙作戦隊の新編に対して、今後どのように対応を取られるのか、お伺いをいたします。 最後に趣を変えまして、インクルーシブ社会の実現についてお尋ねをいたします。 さきの議会で、インクルーシブ社会の実現に向け幾つかの角度から質問をさせていただき、その後、十月十七日に、この春、愛宕山にオープンしたふくろう公園で、第一回ふくろう公園インクルーシブDAYを主催いたしました。 当日は、障害のある子供百二十四名とその家族二百七十四名、計三百九十八名の参加があり、自衛官四十四名、看護学校生六十九名をはじめ約二百名のボランティアで見守らせていただきました。 そこで、参加保護者から頂いたアンケートの回答を幾つか紹介させていただきます。 圧倒的に多くの回答が、貸切りなので周りの人の目を気にせず、肩身の狭い思いをせず、すみません、すみませんと謝らず、初めて子供を自由に遊ばせることができましたであり、全ての方から、このイベントを続けてほしいとの要望を頂きました。 また、ボランティアに対しては、どこに行っても見守ってくださり、付き添ってくださり、手助けをしていただいたので、子供を安心して遊ばせることができましたなどの感謝の言葉ばかりでした。 また、いつもは障害のある本人と兄弟のどちらかを祖父母に預けて遊ぶのですが、今日はみんなで一緒に楽しい時間を共有することができました。本人にとっても、兄弟にとっても、祖父母にとっても、もちろん私にとっても初めて経験するすばらしい一日でした。また、今までママ友がいなくて、子育てに不安を感じていましたが、今日、同じ障害のある子を育てた先輩ママさんと知り合い、悩みを聞いてもらい、LINEを交換してもらったので助かりました。さらに、障害のある子供たちが、みんな楽しく遊ぶ姿を見て、インクルーシブ社会の必要性を感じた。みんないっしょに、大事なことだと思ったとの回答もありました。 ボランティアに参加してくれた岩国医療センター看護学校学生からは、人の役に立ちたいという思いから積極的に行動ができ満足感を得ました、コミュニケーションの重要性や環境調整や個別性を踏まえた関わりの重要性に気づき、改めて自分が目指す看護師への思いが強くなりましたとの感想が多く寄せられ、来年度からは、正規の授業に組み込まれることが決定をいたしました。 これらの回答を読みながら、私は、一日でも早くインクルーシブな社会を実現させるためにこの活動を続けなければならないと改めて確信したのと同時に、県下全域の障害のある子供たちや家族に、このような体験ができる場をつくっていただきたいと強く感じたのであります。 最後に、一つの回答を紹介します。他人の目を気にすることなく、今日は遊ばせたけど、インクルーシブって難しい、学校教育での実現はさらに難しい、でも、この活動は続けてほしいです、本当。 この回答は、私たちスタッフ全員も同じ思いを持ちました。当初は二回目からは通常学校の子供たちを交えてのイベントにする予定でしたが、次回も、障害のある子供たちとその家族に限定したイベントにすることにいたしました。今回の経験だけでは、私たちにはその自信が持てなかったからであります。インクルーシブ社会の実現は本当に難しいと感じたのであります。 そこで数点お尋ねいたします。さきの議会での答弁で、あいサポート運動を紹介され、社会全体での環境づくりを進めるとのことでしたが、何事も経験です。あいサポらんど等の体験型の交流を、積極的に県内各地域で数多く開催していただきたい。さらには、私たちのようなスタッフへの研修も必要と思いますが、御所見をお伺いいたします。 次に、さきの議会後も全国的にインクルーシブ遊具の試験的導入が進んでおります。今朝も「ZIP!」で──テレビですね、「ZIP!」でインクルーシブ公園の特集をしておりましたように、山口県もこの流れに乗り遅れることなく、総合支援学校への導入も含め、早急に取り組んでいただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。 最後に、私たちが、二回目も障害のある子供たちと家族に限定したのは、私たちに自信が持てなかっただけではありません。通常の学級におけるインクルーシブ教育に不安を感じるところがあったからであります。 教育長の御所見を再度お伺いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 副議長(二木健治君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)橋本議員の御質問のうち、私からは御英霊の顕彰についてのお尋ねにお答えします。 さきの大戦が終わりまして、七十六年の歳月が過ぎ去りましたが、今日、私たちが享受している平和と繁栄は、戦没者の方々の貴い命と苦難の歴史の上に築かれたものであることを、決して忘れてはなりません。 私は、このことを深く胸に刻み、戦争の惨禍が二度と繰り返されることのないよう次の世代に語り継ぐとともに、揺るぎない平和へ一層の努力をしてまいらなければならないと考えています。 私は、そのような思いで、戦没者及び御遺族に対して弔意、哀悼の意を表するため、県護国神社慰霊大祭に出席させていただいているところであり、また、沖縄県摩文仁の丘において、山口県南方地域戦没者防長英霊の塔慰霊祭を、県慰霊奉賛会として開催しているところです。 こうした中、戦後間もなく創設され、長きにわたり戦没者の顕彰や御遺族の援護に当たってこられた山口県遺族連盟においては、御遺族が高齢化する中で、孫、ひ孫世代への活動の継承に取り組んでおられると伺っています。 戦争の悲惨さや平和の尊さを後世に伝えていくためには、県遺族連盟の果たす役割は大変重要であり、県として、こうした取組が継続されるよう、運営費を補助するなど、団体の活動を今後とも支援してまいります。 私は、引き続き、市町や関係団体とも連携しながら、戦没者の慰霊と御遺族の援護の推進に努めてまいりたいと考えています。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(二木健治君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)朝鮮学校への補助金についてのお尋ねにお答えします。 朝鮮学校への補助金については、朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としている国の考え方、補助金支給に対する他県の動向、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、補助金の支給は県民の理解を得られないとの判断から、予算計上していないところです。 今後も、朝鮮学校をめぐる状況を総合的に勘案し、対応してまいりますが、現時点、この状況に大きな変化がないことから、予算計上することは考えていません。 次に、第二宇宙作戦隊の新編についてです。 我が国の宇宙開発利用に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために国が策定する宇宙基本計画では、宇宙空間は、人工衛星を活用した測位や通信・放送等が既に日常生活に定着し、社会経済活動の重要な基盤の一つになっている一方、安全保障における重要性も著しく増大しているとされています。 こうした状況から、国において、宇宙空間の状況を常時継続的に監視するなど、平時から有事までのあらゆる段階において宇宙利用の優位性を確保し得るよう、令和二年度に宇宙作戦隊を府中基地に新編し、令和三年度には、宇宙作戦群を府中基地に新編することとされています。 また、令和四年度には、我が国の人工衛星に対する電波妨害状況を把握する電磁妨害状況把握装置の運用体制を構築するため、第二宇宙作戦隊を防府北基地に新編する予定であると国から聞いています。 県としては、こうした宇宙政策は、国の責任において進められるものと考えており、今後とも、中国四国防衛局を通じて必要な情報収集に努めてまいります。 副議長(二木健治君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)インクルーシブ社会の実現についてのお尋ねのうち、障害理解の促進に向けた体験型の交流等についてお答えします。 障害のある方が、住み慣れた地域で自立して、安心して生活を送るためには、障害に対する理解を深め、偏見などをなくしていくことが重要であることから、県では、あいサポート運動を積極的に展開し、障害理解の促進が図られるよう社会全体での環境づくりを進めているところです。 まず、お示しの、あいサポらんど等の体験型の交流イベントは、障害のある人とない人が、レクリエーションなどを通じて直接触れ合うことができることから、相互の理解を深める上で有効なものと考えています。 このため、県では、より多くの方々にこうした体験交流イベントに参加していただけるよう、あいサポらんどの県内複数会場での開催や、スポーツやレクリエーションを通じた交流の機会の増加などに取り組んでまいります。 次に、障害のある子供とその家族を対象としたイベントに携わるスタッフへの研修についてです。 こうしたスタッフの方々に、障害のある方に対する接し方やコミュニケーションの方法など、基本的な知識を身につけていただくことは、イベントの円滑な運営に役立つものと考えています。 このため、県では、ボランティア団体等を含め、広く県民の方に、あいサポーター研修を受講していただくよう、研修の趣旨について一層の周知を図るとともに、団体等が開催する研修会への講師の派遣に取り組んでまいります。 県としましては、引き続き、市町や関係団体等と連携し、こうした取組を通じて、障害理解の一層の促進に努めてまいります。 副議長(二木健治君)和田土木建築部長。 〔土木建築部長 和田卓君登壇〕 土木建築部長(和田卓君)インクルーシブ社会の実現についてのお尋ねのうち、インクルーシブ公園の整備についてお答えいたします。 近年、全国的にもインクルーシブ公園が注目されてきており、県としても、今後の公園づくりを進める上で必要な視点であると考えています。 このため、山口大学との共同研究の中で、インクルーシブな視点も取り入れた公園の新たな利活用方策や、それに伴う施設整備の方向性について検討しているところです。 県としては、今後とも障害の有無等にかかわらず、多くの方が集い、誰もが安心して一緒に遊べる公園づくりに積極的に取り組んでまいります。 副議長(二木健治君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)教育に関する数点のお尋ねにお答えします。 まず、教育問題について、教科書採択に関するお尋ねです。 教科書は、全ての児童生徒の学校における授業や家庭における学習活動において重要な役割を果たすものであり、その採択については、公正性・透明性に疑念を生じさせることのないよう、適切に行われることが必要であると考えています。 このことを踏まえ、県立中学校等において使用する教科書については、採択権者である県教委が、各校の教育課程等を考慮し、郷土に誇りと愛着を持ち、グローバルな視点で社会に参画する人など、本県の目指す子供像の実現に向けて、十分な研究調査や審議を経て、最もふさわしいと判断した教科書を採択しています。 また、市町立学校の教科書採択については、市町教委において、採択権者の判断と責任により適切に採択を行うことができるよう、県教委としては、各市町教委に対して、教科書採択に係る教育委員会の役割や法令等の趣旨の徹底を図っているところです。 さらに、県教委が作成した、教科用図書の採択の基準及び選定に必要な資料を市町教委に示し、地域の特性や児童生徒の実態を踏まえて、全ての教科書の内容・特徴などについて、十分な研究調査が行われるよう助言しています。 県教委としましては、引き続き、静ひつな環境を確保し、公正かつ適正に教科書採択が行われるよう努めるとともに、市町教委に対して教科書採択に関する必要な指導・助言・援助を行ってまいります。 次に、インクルーシブ社会の実現についてのお尋ねのうち、総合支援学校へのインクルーシブ遊具の導入についてです。 障害のある児童生徒にとって、遊びは心身の発達を促す大切な活動であり、安心して使うことのできる遊具などの環境を充実していくことは重要であると考えています。 このため、県教委では、障害のある子供たち一人一人の実態に応じて、より主体的かつ活発に遊びが展開できる環境の整備に努めており、インクルーシブ遊具についても、学校の教育活動の状況や要望を踏まえながら、導入に向けて検討を進めているところです。 次に、通常の学級におけるインクルーシブ教育の推進についてです。 障害のある子供と障害のない子供が共に助け合い、支え合って成長していくことは重要であり、各学校において、行事や日常の授業など様々な場面で共に学ぶことを通して、一人一人が互いの多様性を理解し、尊重しながら、力を合わせて生活する態度の育成を図っているところです。 また、県教委では、全ての教員が障害に関する知識や配慮等について理解を深められるよう、インクルーシブ教育システムや学級づくり・授業づくりのための研修を実施するなど、教員一人一人の資質向上を図ることにより、引き続き、子供たちが共に学ぶことができる環境づくりに努めてまいります。 県教委といたしましては、こうした取組を通して、障害のある子供たちが将来にわたって安心して地域の中で心豊かに生活していくことができるよう、市町教委と連携しながら、通常の学級におけるインクルーシブ教育の充実を図ってまいります。 副議長(二木健治君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───◆─・──◆──── 副議長(二木健治君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。 午後二時二十三分散会