1 コロナ対応と経済再生について 2 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七号まで及び第十一号から第二十四号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 合志栄一君。 〔合志栄一君登壇〕(拍手) 合志栄一君 新政クラブの合志でございます。通告に従いまして、コロナ対応と経済再生についてということで一般質問を行います。 その一は、施策の基本方針についてであります。 我が国で初めてコロナ感染者が確認されたのは、昨年、すなわち令和二年の一月十六日でありました。政府は、その二週間後の一月三十日に、新型コロナウイルス感染症対策本部の設置を閣議決定しました。 以来、今日まで一年十か月余、コロナの感染拡大防止の対策徹底と医療提供体制の整備を最優先課題としつつ、国民の暮らしと社会経済活動も可能な限り支え維持し回していくとの方針の下、政府のコロナ対策は推進されてきました。 人流抑制のための強力措置である緊急事態宣言の発出も四回ありましたが、おおむね国民の理解と協力が得られ、マスクの着用、手洗い、手指消毒、検温、換気、三密回避などコロナ感染症拡大防止の生活行動パターンも国全体において徹底してきていることの上に、ワクチン接種が進み、今年の十月からはコロナ感染者数は大幅に激減して今日に至っております。 本県で、コロナ感染者が初めて確認されたのは昨年の三月四日で、陽性者が一名あった旨公表されています。 以来、これまで全国的に第一波から第五波まであったコロナ感染拡大の波と本県も無縁ではなく、殊に昨年末から年明けの間の第三波のときは、高齢者医療施設でのクラスターの発生もあり、感染ピーク時には一日八十八名の感染者が確認されました。 また、今年の七月から九月の間の第五波は、コロナウイルスが感染力の強いデルタ株に置き換わったことから、ピーク時の八月は感染者が全国で二万名を超える日が続き、本県でも八月十九日に百十九名の感染者を確認しています。これは、本県における一日当たり感染者確認数の最高値であります。 我が国のコロナ感染者累積総数は、本年十二月一日現在、百七十二万七千八十一人で、そのうち一万八千三百六十一人の方が亡くなられています。山口県では、感染者累積総数は五千七百九十二人で九十三人亡くなられています。 こうした感染者数、死亡者数をどう評価するかは、見解が分かれるところですが、私は世界各国のコロナ動向と比較してみるとき、日本は、国も、そして本県もよくやってきたと評価していいのではないかと思っています。 殊に感染リスクの中に身を置き、心が折れそうになるつらい思いを度々しながらも、それを乗り越えコロナ診断とコロナ患者への医療、看護等に当たってこられた医療従事者の皆様、新型コロナウイルスのPCR検査を所管し、クラスター発生時などには、そのことに伴う膨大な業務を地道に根気強く徹底的に遂行し、本県におけるコロナウイルスの感染拡大阻止を成し遂げてこられた保健所関係の皆様に心から感謝と敬意を表したいと思います。 また、国が設置した翌日の令和二年一月三十一日に、本県は村岡知事を本部長とする山口県新型コロナウイルス感染症対策本部を設置しました。この対策本部は、これまで先般十一月二十五日の会議を含め延べ二十九回の本部員会議を開催して、コロナ対処の方針決定、県民への呼びかけ、医療提供体制の整備確保、ワクチン接種の推進などコロナ対策における総合司令塔の役割を果たしてきました。 村岡知事の陣頭指揮の下、健康福祉部健康増進課をはじめとする関係部課の奮闘により、本県のコロナ対策は、国の方針とも呼応しながら本県の感染状況に応じて的確かつ着実に実施され、特にワクチン接種においては、全国都道府県第一位の接種率を維持するしっかりした取組が図られました。このことは、高く評価されていいと思います。 村岡知事は、先日十一月二十四日の記者会見で、知事選三期目出馬の決意を表明されました。県民の命と健康を守るコロナ対応に優れた指導力を発揮し、これまで二期にわたり着実な県政運営を推進してこられた村岡知事が、三期目を目指されることは当然の流れであり、このことを歓迎し、私も微力ですが支持、協力していく所存であります。 さて、年が明けて行われる知事選挙においては、村岡知事の三選が確実な見通しでありますが、村岡県政三期目においても、当面はコロナ対応が最優先課題として続くものと思われます。 本県では、コロナ対応は主に感染拡大の防止、県民生活の安定、県内経済の下支えの三本柱で施策の推進が図られてきました。 私は、今回そのうち県内経済の下支えに関し、コロナで傷んだ経済の再生という観点から思うところを述べ、所見をお伺いしたいと思います。 御案内のように、事業経営においてコロナの影響が深刻だったのは、観光宿泊関係、飲食関係、イベント関係でした。 私は、今年の十月、十一月は、それらの事業者や組合等を訪ね、実情をお聞きし、これまでの国、県、市町の支援策への評価や今後への要望を伺ってまいりました。 そこで確認したどの業種にも共通していることの一つは、雇用調整助成金の特例措置が雇用維持や事業継続の上において大きな役割を果たしていることでした。 また、共通した懸念の声として聞いたのは、コロナ融資等で何とか当面をしのいでいる事業者の中で、返済が始まると行き詰まる事業者が今後数多く出てくるのではないかということでした。 岸田政権が打ち出しているコロナ対応の経済政策を見ますと、目玉の一つは、令和二年度の持続化給付金の再現ともいうべき事業復活支援金であります。この支援金は、コロナの影響が大きい中堅・中小・小規模事業者等に地域、業種を限定せず、来年三月までの事業継続の見通しが立てられるよう事業規模に応じた給付金を支給するものであります。 雇用調整助成金の特例措置や政府系金融機関による実質無利子・無担保融資及び危機対応融資は、来年の三月末で終了する見通しであります。 新型コロナ特別貸付は、見直しを行った上で来年四月以降も継続する方針が示されています。 そこでお尋ねであります。新型コロナウイルスの新たな変異株、オミクロン株の世界的感染拡大の兆しが見られる等、いまだコロナ収束の見通しが不透明な状況が続く中において、コロナの影響を深刻に受けている本県の観光宿泊、飲食、イベント等の業種の事業者が、雇用を維持し、事業継続を図り、事業の発展を志向していくためには、当面の資金手当や将来への投資に対して行き届いたきめ細かな支援が必要であります。 こうした支援への県の取組は、国の施策に呼応しながら、あるいはそれを補完する形で実施していくことが求められますが、このことにつき、まず県の施策の基本方針について御所見をお伺いいたします。 質問の二は、新型コロナウイルス感染症対応資金信用保証料支援事業についてであります。 これは、令和二、三年度に実施された新型コロナウイルス感染症対応資金について、元金返済の据置期間を延長するなどの返済計画の見直し、条件変更により追加で生ずる信用保証料を支援する事業で、今年の九月県議会で補正予算措置されました。 自由民主党山口県連及び公明党山口県本部が、八月下旬に共同で新型コロナの長期化という緊急事態に鑑み、県内中小企業の経営安定支援のためにということで中小企業金融支援の拡充を県に要請されていますが、そこで求められている具体的な対策の一つが、この追加の信用保証料支援事業でありました。 常々、不可抗力的な経営環境の変化のために、事業者が制度融資の返済条件の変更を余儀なくされた場合は、そのことに伴って生ずる追加の信用保証料は減免することを検討すべきと訴えてきた者として、このたびの自民党・公明党の県への要請、そして、その要請に応えられた村岡知事の決断を高く評価するものであります。 ついては、以下この信用保証料支援事業に関し三点お伺いいたします。 第一点は、事業の延長についてであります。 この支援事業の申請期間は、九月県議会閉会直後の九月二十七日から来年の一月二十日までとなっております。 一方、支援の対象は、今年の四月から十二月末までの間に新型コロナウイルス感染症対応資金につき返済の条件変更を実行したものとされています。 私が訪ねた事業者に、この支援事業を紹介しますと、ほとんどの方が、これはありがたいと評価し、感謝しておられました。 そこで、きっと多くの申請があるであろうと予想していたのですが、十一月末現在での申請件数は五十五件で、補助対象となる追加の保証料は三百五万円ほどであります。 この事業のために九月県議会で予算措置されたのは、五億五千八百万円余でありますので、想定より大幅に少ない申請となっております。 このことをどう理解したらいいのか。金融機関関係の方に聞きましたら、コロナ対応資金は、借換えが認められたりして返済の据置期間続いている等のこともあり、現在のところ返済条件の変更ニーズは高くないのかもしれない。ただ、来年以降は、据置期間などが終わって返済が始まるところが増えてくると予想されるので、この支援事業が延長されれば助かる事業者は多いのではないかとのことでした。 そこでお尋ねです。新型コロナウイルス感染症対応資金信用保証料支援事業は、延長して来年以降も支援の継続を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 第二点は、補助の方式についてであります。 私は、この追加の信用保証料支援事業によって資金繰りが助かる事業者は、今後数多く出てくるであろうと思っています。ただ、その補助の方式は、追加の信用保証料を融資利用の事業者が一旦支払うこととなっているため、申請すれば約二か月後に補助金が交付されるとはいえ、当面の資金繰りに苦慮して返済条件の変更を行った事業者からすれば、コロナ対応資金の融資の際と同様に、追加の信用保証料を支払わなくて済む補助の方式が望ましいものと思われます。ついては、このことにつき御所見をお伺いいたします。 第三点は、国への創設要請に関してであります。 村岡知事は、さきの九月県議会において、公明党先城議員の信用保証料補助に関する質問に答えて、信用保証料補助等のコロナ禍における中小企業の資金繰り支援は全国的な課題と考えられることから、全国知事会等を通じて、国に早急な創設を強く求めていく旨述べられました。 私は、地方の現場からよりよい国の政策形成に資していくことは、県政の重要な役割と考えていまして、そういう意味からもこの知事発言には、拍手を送り期待しているところであります。 ついては、信用保証料補助事業に関する国の制度創設の見通しにつき、御所見をお伺いいたします。 次に、観光宿泊関係について、三点お伺いいたします。 第一点は、融資期間についてであります。 コロナ対応の融資を含めて、県の制度融資の融資期間は、融資額が巨額になる設備投資等への融資の場合を除いて原則五年か十年であります。コロナ対応融資の場合は、融資期間は十年で据置期間が最長五年間認められています。ただ、据置期間も含めて融資期間内に返済を完了しなければなりませんので、融資を受けようとする事業者は、据置期間を長くとるか、月々年々の返済額が少なくて済むよう据置期間を短くするかで悩むことになります。 観光宿泊業においては、コロナが収束しても、新しい日常においてお客がコロナ以前に戻ることはなく、七割から八割まで回復すればいいとの見通しであります。そういうことを勘案すれば、コロナ対応融資に関しては、据置期間相当の融資期間の延長を認める柔軟な対応があれば助かる事業者は多いのではないかと思われます。ついては、このことにつき御所見をお伺いいたします。 第二点は、将来への投資についてであります。 私が、観光宿泊関係の事業者の方を訪ねて聞いた声の中で感心したことがあります。それは、コロナ禍を前向きに受け止めて、少子高齢化、脱炭素化という大きな時代の流れや、観光客が団体から個人へと変わってきていることを見据え、将来に向けていつかはやらなければならない事業形態の転換を、コロナのおかげで、ある意味強制的に迫られてではあるが、手厚い補助、支援金を頂きながら行うことになった。コロナ禍は、悪いことばかりではないとの見解であります。 この事業者の方は、宿泊施設の高付加価値化等支援事業による七百五十万円の支援を受けて、宿泊施設を個人客により多く対応できる施設への転換に取り組んでおられるようでした。 この支援事業は、今年の六月補正で五億三千万円予算措置されたものですが、十月八日には申請額は予算額に達し、打切りになったようであります。 そこでお尋ねです。本県の観光宿泊業の将来への投資、すなわち将来に向けて時代相応に事業形態を転換し、新たなマーケットの開拓に取り組んでいくための投資に対して、質、量ともに支援を強化していくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 第三点は、現場の声を踏まえた支援策の形成についてであります。 私が訪ねた観光関連の事業者の方々は、本県の観光に対するコロナ対応の支援を手厚くよくやっていただいていると評価しておられました。ただ、せっかくの支援策が、観光現場の実情に適合しない場合が、間々あるのが残念とのことでした。 例えば、旅々やまぐち県民割は、県内宿泊、日帰り旅行で最大五千円の割引と二千円のクーポンがつく観光需要喚起の支援策ですが、この事業が七月にスタートした時点では、楽天を通しての予約ができませんでした。 また、八月コロナ感染拡大で事業中止になった際、猶予期間がなく、即刻県民割のサービス中止となったため対応に苦慮したホテル・旅館があったようであります。 これらのことは、関係者から是正の指摘要望があり、県もこれに対応して見直しを行い、十月から再開されたこの県民割においては、楽天も使えるし、事業中止の場合、猶予期間が七日間ほど確保されました。 このことに関しては、現在の観光の動向、実情が分かっておれば、最初からそうした仕組みでスタートできたのではないかとの声がありました。 それから、支援事業に対してホテル・旅館関係者が望んでいることは、できるだけ分かりやすく簡単な仕組みにし、事務負担の増は極力少なくて済むようにしてほしいということでした。コロナ対応で、ただでさえフロント業務が過重になっているからであります。 そこでお尋ねです。観光への支援策は、観光現場の実情や声を踏まえて、その施策の形成を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、飲食業関係についてであります。 山口市で料理店を営んでいるA氏は、次のようなことを言っておられました。 来春から借入れの返済が始まる店が多い。ちゃんと返していけるのかが心配だ。自分のところは、とにかく当面をしのぐために三度コロナ特別融資資金を借りた。税理士と返済計画を立てたとき、お客が七割から八割まで戻るのに五年、元に戻るまでには七年はかかるだろうとの見通しになった。コロナ特別融資への金利補助は三年だが、それを二年ほど延ばしていただき、返済の見通しが立つよう融資への返済期間を延長していただければ、何とか乗り切れると思っているのだがと。 また、湯田温泉でこだわりの料理と多彩なドリンクメニューで人気の店を経営しているB氏が言っておられました。 お客も早く帰る癖がついて、そういう生活は変わらない気がする。現在は五割ほどまで戻っているが、戻っても八割までと思って経営計画を立てている。夜だけの営業ではなく、昼のランチ営業にもシフトしようと思っているが、そのためにも改装等で費用がかかる。そういうことにも補助等の支援を考えてほしいと。 飲食業関係の方も、観光宿泊関係の事業者と同じような課題に直面し、苦慮しながら頑張っておられる様子がうかがえました。 さらに、売上げ減が四割台で五割に満たなかったため、持続化給付金の支給を受けることができず、今年の八月、九月の売上げ減は二割台で三割に満たなかったため事業継続の支援金給付の対象にもならなかった軽食喫茶店等の方々からの声があります。 その一人Cさんは、店にとっては、売上げが四割減る、あるいは二割減るというのは大きな打撃です。そういうところにも支援の手を差し伸べてほしいと切実に訴えておられました。 そこでお尋ねです。A氏のように、資金ショートを起こさないよう事業継続に懸命の奮闘している飲食店への支援、B氏のようにウイズコロナ、アフターコロナの時代に応じて、お店の在り方を転換していこうとしていることへの支援、Cさんのように、これまでコロナ対応の補助金や給付金の対象とならず、経営に苦慮しているところへの支援。飲食業関係の支援の施策としては、以上のような支援を求める声にしっかり応えていくことが必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、イベント関係について、四点ほど事業者の声を紹介してお尋ねいたします。 第一点は、イベントの準備費用に関してであります。 イベント開催が、コロナで中止になった場合、準備に要した費用を見てもらえれば助かるとのことでした。当然のことと思いますが、県事業としてのイベント開催の場合は、どういう対応になっているのか、まずお伺いいたします。 第二点は、緊急事態宣言に関してです。 広島県や福岡県が緊急事態宣言地域に指定された場合、両県に挟まれている本県も経済活動やイベントの開催は、ほぼ同様に制限されることになる。緊急事態宣言地域に指定された県では、活動制限に対する支援としての補助金等もあるが、同様に活動制限しているにもかかわらず、本県の場合は指定地域外であるため、そうした措置がない。そのため本県のイベント関連事業者は、資金繰りに一層苦労することとなった。コロナ対応での活動制限に対しては、緊急事態宣言等の指定地域であるなしにかかわらず、同様の措置が考慮されるべきではないかとの指摘がありました。もっともなことと思いますが、御所見をお伺いいたします。 第三点は、市民会館やホールなどの公的イベント施設の使用料についてであります。 こうした施設で、通常千人収容のところコロナ対応で受入れ人数が半分の五百人に制限されることなどがあります。 こうした場合、チケット収入だけでイベントを行っている事業者は、収益が見込めず、イベント開催が困難になりますので、例えば、施設使用料を半分にするとか、物販販売があっても使用料を高くせず認めるとかの柔軟な対応を期待する声があります。こうしたことにつき御所見をお伺いいたします。 第四点は、需要喚起の要望であります。 イベントに関しても需要を喚起し、開催を促進する施策を推進してほしいとの要望がありますが、御所見をお伺いいたします。 質問は以上ですが、最後に、あるホテル経営者の言葉を紹介して、今回の一般質問を締めくくりたいと思います。 そのホテルは、社員は四十人ほどですが、雇用調整助成金の活用とかいろいろやりくりして、一人も解雇はしていないとのことでした。ただ、社員が諦めの気持ちが出て、体力よりも気力を失うのが怖いと言っておられました。 そこで、社員には、焦るな、くさるな、諦めるなと言い聞かせているが、もう少し頑張れば明るさが見えるというのであれば頑張れる。その明るさが見えるようになるよう取組をお願いしたいと訴えておられました。 こうした訴えに応える答弁を期待して、今回の質問を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)合志議員の御質問のうち、私からは、コロナ対応と経済再生に関する施策の基本方針についてのお尋ねにお答えします。 感染症の長期化により、観光宿泊や飲食、イベント関係の需要が大幅に減少し、関連する事業者に多大な影響を及ぼしています。 このため、私は、コロナの時代に対応するための施策推進方針に基づき、感染拡大を防ぎながら社会経済活動を段階的に引き上げる施策の重点化と、危機から生まれた社会変革の動きを成長へつなげる施策の加速化を図っています。 社会経済活動の段階的な引上げに向けては、まず、雇用の維持と事業継続を図るため、国の交付金を活用し、県独自の支援金を二度にわたって支給し、感染症の影響を受けた様々な業種の事業者を支援しています。 また、資金繰り支援として、県制度融資において、新型コロナ資金の据置期間の延長に伴う信用保証料を全額補助するほか、国の制度改正に呼応し、経営安定資金の伴走支援枠に係る融資限度額を六千万円に引き上げ、融資枠も三十億円拡充することとしています。 さらに、コロナに対応した事業展開を促進するため、事業者のリスタートへの助成や、飲食事業の第三者認証店の拡大を図るとともに、感染拡大時においてもイベントの実施や移動等の行動制限の緩和が可能となるよう、ワクチン・検査パッケージの活用を図ってまいります。 また、観光事業者に対しては、宿泊施設の高付加価値化等を図る設備投資を対象に、従来よりも拡充した補助制度を創設し、事業基盤を強化するほか、国の対策とも連携しながら、割引宿泊券の発行や誘客イベントの開催支援等により、大きく落ち込んだ消費需要の喚起を図ってまいります。 こうした取組に加え、デジタル技術の活用など社会変革の動きを成長へとつなげていくため、中小企業におけるDX基盤の整備やDX戦略の策定、ビジネス変革に資するシステム構築を総合的に支援し、生産性の向上を図ってまいります。 私は、関係機関との連携の下、国の経済対策の活用、整合も十分図りながら、直面する感染症の危機を乗り越え、地域経済の再生に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)小関商工労働部長。 〔商工労働部長 小関浩幸君登壇〕 商工労働部長(小関浩幸君)新型コロナ資金の信用保証料支援事業についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、事業の延長についてです。 本事業は、コロナ禍が続く中、新型コロナ資金の据置期間が終了し返済が始まる事業者が、最大五年まで据置期間の延長を行う際に追加で生じる信用保証料を支援し、手元資金の確保により経営の安定を図ることを目的として予算措置したものです。 今後とも、コロナ禍における県内事業者の業況や資金ニーズを的確に把握し、事業者が必要とする資金繰り支援を講じていく中で、本事業の継続について検討していくこととしています。 次に、補助の方式についてです。 新型コロナ資金は、国の経済対策において創設された制度であり、国と信用保証協会をつなぐ全国統一システムを活用し、融資の際に国から信用保証協会に信用保証料の交付などが行われています。 このため、本県独自の制度である本事業の信用保証料の交付は、この全国統一システムの活用が困難であることから、事業者に一旦、信用保証料をお支払いいただき、その後、事業者からの申請を受けて県から補助金を交付する方式としたものです。 次に、国の制度創設の見通しについてです。 本年十一月の政府要望において、新型コロナウイルス感染症の特別要望を行う中で、返済計画等の見直しの際に追加で生じる信用保証料の支援制度の創設を求めていますが、現時点では創設されておらず、引き続き国の動向を注視しながら創設されるよう要請してまいります。 次に、観光宿泊関係についての御質問のうち、コロナ対応融資の融資期間についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナ資金については、国において融資期間等が定められており、県としては、制度の範囲内で可能な限り柔軟な延長が行われるよう金融機関に要請することにより、月々の返済負担の軽減を図り、事業者の資金繰りを支援していきたいと考えております。 次に、飲食関係についてのお尋ねにお答えします。 感染症の長期化により、多くの飲食業が売上げ減少などの深刻な影響を受けていることから、こうした事業者の事業継続やコロナに対応した事業展開などの取組を支援しています。 まず、事業継続に向けては、売上げが大きく減少した事業者に対し、法人四十万円、個人二十万円の支援金を二度にわたり支給しています。 この支援金は、少しでも多くの事業者を支援できるよう、売上げ減少要件を含め、支給要件を最大限緩和し、国や他県の同様の制度と比べて手厚い本県独自の制度としています。 また、資金繰り支援については、県制度融資において、金融機関に対し融資期間の変更等について、制度の範囲内で可能な限り柔軟な対応を行うよう要請しているところです。 次に、コロナに対応した事業展開に向けては、国の補助制度との整合も図り、小規模な事業を対象として、手続も簡素化した上で、通常よりも高い補助率四分の三の制度を創設し、支援しています。 また、飲食店の第三者認証店のさらなる拡大により、積極的な感染対策の取組を促進し、今後、緊急事態宣言時等においても、営業時間や酒類の提供に係る制限を緩和していくとともに、ワクチン・検査パッケージ制度の活用により、人数制限を緩和することとしています。 県としては、引き続き感染症の動向や経営環境の影響を注視しながら、飲食事業者の支援ニーズを踏まえ、事業継続やコロナに対応した事業展開への支援に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)観光宿泊関係についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、観光宿泊業の将来への投資についてです。 長期化するコロナ禍の中、安心・安全意識の高まりや少人数による旅行の増加など、観光ニーズは大きく変化しており、とりわけ誘客の基盤となる宿泊施設においては、こうした新たなニーズを的確に捉えた設備投資により、事業基盤を一層強化していくことが必要と考えています。 このため、厳しい経営環境にあっても前向きな投資に意欲のある宿泊事業者に対し、感染防止対策の強化をはじめ、個人旅行者のニーズに対応した改修など、施設の高付加価値化や収益力向上等を図る取組を支援してきたところです。 さらに、このたびの補正予算において、従来より補助上限額を大幅に引き上げた補助制度を創設するなと、事業の一層の拡充を図ることにより、宿泊事業者の大型投資も含む様々な設備投資への支援を強化することとしています。 県としては、コロナの時代の観光地域づくりを進めていくため、誘客の基盤となる宿泊施設への支援に引き続き積極的に取り組んでまいります。 次に、現場の声を踏まえた支援策の形成についてです。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により深刻な影響を受けている観光産業の早期回復を図るため、県では、これまで強力な需要喚起策や、コロナの時代に対応した観光振興策など様々な取組を進めているところです。 このような施策の推進に当たっては、これまでも県観光連盟等を通じ、宿泊事業者をはじめとした観光事業者のニーズや意見の把握に可能な限り努めているところです。 こうした中、より一層、現場のニーズや意見などを把握することができるよう、このたびの補正予算において、観光事業者が直接相談できる支援窓口を県下各地に設置し、その支援体制を強化することとしたところです。 県としては、今後、この支援窓口を活用し、観光事業者の経営面や補助制度等に関する様々な相談にきめ細かく対応するとともに、現場のニーズや意見、提案などを十分考慮しながら、効果的な施策の推進を図ってまいります。 次に、イベント関係についてのお尋ねのうち、需要喚起への要望についてお答えします。 県では、地域の消費需要喚起を図るため、今年度、小規模事業者応援キャンペーンとして、商工会や商工会議所、商店街等が実施する物産展や抽せん会などのイベントに対する支援を行っています。 また、誘客の拡大による観光需要の回復を図るため、このたびの補正予算において、市町や観光団体等が実施する祭り行事やグルメフェアなどのイベントの開催経費を助成することとしています。 県としては、こうした各地域における需要喚起の取組を積極的に支援し、交流人口の拡大と県内経済の活性化につなげてまいります。 議長(柳居俊学君)内海総務部長。 〔総務部長 内海隆明君登壇〕 総務部長(内海隆明君)コロナ対応と経済再生についての御質問のうち、イベント関係についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、イベントが中止となった場合、事業者が準備に要した費用に関する県事業での対応についてのお尋ねですが、県主催イベントについては、準備に要した費用が確認できた場合は、原則、必要な金額を支払うこととしています。 次に、感染拡大に伴い、イベントを中止する場合は、緊急事態宣言等の都道府県と同様にイベント主催者に補助金等の支援をすべきとのお尋ねについてです。 国においては、緊急事態宣言等の都道府県において、宣言等の期間中に開催予定であった公演等のイベントを中止・延期した場合、キャンセル料等の費用の一部を補助することとしています。 しかしながら、全国的な人の移動を伴うイベントについては、緊急事態宣言等の都道府県からの移動も発生することから、感染拡大防止の観点からは、これらの都道府県に限らず、全国的な対応が求められるものであり、対象要件の見直しをはじめ、国において対応すべきものと考えています。 次に、利用人数制限に伴う公的イベント施設の使用料減免についてのお尋ねです。 県や市町などの施設使用料の減免については、条例等に基づき、各施設管理者において対応すべきものと考えています。 なお、イベントの開催については、昨年九月から人数上限や収容率の要件が定められ、五千人以下のイベントであっても、大声での歓声等が想定される場合は、収容率の上限が五○%以内とされてきましたが、今般、大声ありの定義が見直され、今後は、基本的に収容定員の一○○%までの収容が可能となっています。