1 介護人材の確保について 2 薬物乱用防止に向けた普及啓発について 3 萩保健医療圏における中核病院の形成について 4 eスポーツの普及促進について 5 特定鳥獣の保護管理について 6 不登校児童・生徒への対応について 7 その他
議長(柳居俊学君)森繁哲也君。 〔森繁哲也君登壇〕(拍手) 森繁哲也君 皆様、おはようございます。令和三年十一月議会、本年二度目の登壇の機会を頂きました。柳居議長をはじめ議員諸兄に感謝を申し上げます。 それでは、通告に従い一般質問を行います。 初めに、介護人材の確保についてお尋ねいたします。 この介護人材の確保については、県議会議員として初登壇をさせていただいた平成三十年六月議会でも取り上げさせていただきましたが、国を主体として、社会問題として盛んに提起されている二○二五年問題が目前に迫る中で、解決に導かなければならない課題の一つであることから、再度取り上げさせていただきます。 二○二五年問題では、団塊の世代が七十五歳以上となり、社会保障費の増大を含め様々な問題が起こることが予想されており、その中の一つに介護業界の人手不足が上げられています。 本年七月、厚生労働省が発表した介護保険事業計画に基づく介護職員必要数によると、二○二五年度には全国で約三十二万人追加で確保する必要があるとされました。 本県の高齢者プランにおける二○二五年度の不足状況を見てみますと、平成三十年度の前回プランでは三千七百九人が不足する見込みでしたが、本年三月に策定した第七次プランでは、二千四百二十人が不足する見込みとなっており、数字的には改善が見られています。 これは、県がこれまで実施してきた新規参入の促進、離職介護人材の呼び戻し、離職防止・定着促進の三つの柱による介護人材の確保対策の成果もあったものと推察をいたしますが、依然として多くの不足が見込まれる状況となっています。 介護業界の人材不足は、少子化による生産年齢人口の減少が大きな要因とはなっているものの、やはり他業種に比べて、労働の対価としての賃金が低いと感じている介護労働者が多いことが一番の原因であると私は考えています。 こうした中、岸田新政権は、他業種に比べて処遇改善が遅れている介護職員全員の給料について、月額約三%に当たる九千円の賃上げを来年二月から実施する方針を表明しており、人材不足解消の起爆剤になることを期待しているところです。 また、人材不足の要因としては、介護業界にネガティブなイメージが定着しているということも上げられます。 ある自治体が行ったアンケートによると、介護業界に対し、きつい、汚い、危険のいわゆる三Kのイメージを持っている層が依然として多いのが現状で、八割の回答者が待遇が悪く、体力的、精神的にきついとの理由から介護の仕事を行ってみたいとは思わないと答えています。 このイメージをいかに払拭していくか、現場の方々は本当によく御理解をされていると思います。 私は先月、山口県介護福祉士会周南ブロックが主催している、介護の日記念イベントに出席をさせていただきました。そこでは、福祉人材の確保をテーマにパネルディスカッションが開催され、様々な立場で現場に関わる方々が、いかにして介護業界のネガティブなイメージを払拭し、魅力のある仕事であると伝えることができるかを真剣に御議論をなされておられました。 介護業界の人材不足は、単に給料を上げることのみでは解決をせず、悪いイメージを払拭していく努力の継続、そしてこの問題は業界のみの問題ではなく、人材不足が我々県民に今後大きな影響を及ぼす問題であることを、県民にも広く認識をしていただくことも重要だと考えます。 県におかれましては、第七次やまぐち高齢者プランの推進に当たり、現場の声にしっかり耳を傾け、業界と一体となり実効性の高い人材確保対策を展開をしていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。目前に迫っている二○二五年問題に対し、不足する介護人材の確保に向けて今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、薬物乱用防止に向けた普及啓発についてです。 厚生労働省と都道府県では、十月一日から十一月三十日までの二か月間、麻薬、覚醒剤、大麻乱用防止運動を実施していたことを皆様は御存じでしょうか。 麻薬、覚醒剤、大麻、シンナー、危険ドラッグ等の薬物乱用は、乱用者個人の健康上の問題にとどまらず、各種の犯罪を誘引するなど公共の福祉に計り知れない危害をもたらすものであり、絶対に許されるものではないというのは言うまでもありません。 しかしながら、昨年の薬物事犯の状況を見てみますと、大麻事犯の検挙人員が七年連続で増加し、四年連続で過去最多を更新するなど、大麻乱用の拡大が顕著であり、大麻乱用期とも言える状況になっています。 特に、三十歳未満の大麻事犯は大麻事犯全体の六五%以上を占めており、若年層における乱用拡大が懸念をされているところです。 近年の大麻乱用の拡大は若年層へのスマートフォンの普及拡大により、SNS等を日常的に使用する時代となったことが大きな要因の一つと考えます。 このSNS上では、大麻は野菜などの隠語で呼ばれ、一グラム五千円から七千円で取引をされており、簡単に入手することができてしまい、さらにはネット上の大麻の無害説が流れていることや、海外の一部で合法化していることが大麻に手を出す心理的ハードルを下げていると見られています。 こうしたことから、若年層への普及啓発活動について、本県では警察や民間団体と協力し、積極的に取り組んでいることは承知をしておりますが、近年の状況から一層の普及啓発活動の推進が必要なのではないでしょうか。 私は、昨年、所属するライオンズクラブにて薬物乱用防止教育認定講師の資格を取得し、先日、母校である県立下松高校で薬物乱用防止講座の講師を務め、全校生徒の前でお話をさせていただきました。 生徒がきちんと話を聞いてくれるか少し不安もありましたが、一人一人の顔が私を向き真剣に話を聞いてくれていたと思います。 若年層へはこのような機会を今以上に積極的に増やしていくことが最も重要であると我々大人が認識をし、本県で育つ子供たちが薬物に手を出さない環境を社会全体としてつくっていくことが最も重要だと思います。 また、SNSを通じた大麻乱用に対する予防策についても、しっかりと講じていく必要があります。 そこでお尋ねいたします。若年層へ対する薬物乱用防止に向けた普及啓発について、今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、萩保健医療圏における中核病院形成についてです。 萩市では、藤道前市長の下で、県との連携により、萩市民病院と都志見病院の統合による中核病院の形成に向けた具体的な検討が進められてきたわけですが、今年の春以降、田中新市長の下で、市独自に任意の検討組織を組織し、ゼロベースで見直すこととされたことから、このままでは地域住民の安心・安全の確保に大きな影響が生じるのではないかと懸念をし、さきの六月定例会においてこの問題を取り上げさせていただきました。 その中で、私は、新市長の進め方は、地域医療構想の基本的な理念を根底から覆しかねないものであり、議論の停滞を招くだけでなく、地域住民に大きな不安を与えることにつながるとの指摘もさせていただきました。 その後、萩市において、新市長の方針どおり、任意の検討組織である中核病院協議会において検討が進められ、十月に二病院の統合以外に提案はなく、中核病院形成に向け議論を進めるべきであるという報告書が取りまとめられました。 これは、結果として、半年以上の貴重な時間を費やして独自の検討をした挙げ句に、前市長の下で進められていた方針に立ち戻ったということにほかならないわけであります。 こうした萩市の迷走を打開するために、先月二十九日には我が会派の地元議員が、県と市の連携を図り、崩れかけた信頼関係を取り戻すべく、田中市長を同行して柳居県議会議長、村岡知事に面会をされ、中核病院形成づくりに向けた支援を要望されたとお聞きをしております。 そして、翌三十日に、萩市長は、萩市議会冒頭の行政報告において、萩市民病院と都志見病院の統合による中核病院形成に向けて検討を進めていくことを市の方針として正式に表明をされました。 その行政報告の中で、萩市長は、今後は、前市長の下での確認事項を十分尊重して検討する。中核病院形成に関する具体的な検討が中断したことにより、不安を感じられた市民や関係者の皆様には申し訳なく思っていると、時間を費やしたことについて反省の弁を述べておられましたが、その一方で、私自身、地域医療の現状と課題、中核病院についての理解を深めることができたと、検討中断期間の意義を強調されておられました。 私も、六月定例会で問題を提起させていただいた議員として、今後は、正常化に向けて進むであろうことに安堵はしておりますが、市民の生命を預かる自治体のトップが、逼迫している地域の医療提供体制の整備に充てるべき貴重な時間を、自身の理解を深めるための時間に充て、それに意義があったと言われていることには、思わず疑問を感じざるを得ませんでした。 いずれにしても、萩保健医療圏における中核病院の形成には一刻の猶予もありません。時計の針は戻せませんが、今後は、前市長時代に十分に議論をされてきた成果を継承しながら、地域における将来のあるべき医療提供体制の実現に向け、着実に歩みを進めていかなければなりません。 今朝、自民党萩支部の新支部長から、緊急要望書が提出をされたともお聞きをしております。 そこでお尋ねいたします。萩保健医療圏における中核病院形成については、地元と県の信頼関係があって、初めて事業を進めることができると考えますが、知事は、このたびの萩市長の方針表明をどのように受け止め、今後、どのように取り組まれるのか、改めて御見解をお伺いいたします。 次に、eスポーツの普及促進についてです。 eスポーツについては、私は、平成三十一年二月と令和元年十一月議会でも取り上げさせていただきました。執行部からは、本県においても、スポーツ活動への参加者の裾野を拡大し、誘客を促進する力を十分に持っていると認識し、今後も普及促進に向けた取組を進めていく。イベントの開催を通じて関心を高め、参加促進を図る市町や民間団体へ既存の補助事業を活用し先進的な取組を支援する旨の前向きな御答弁を頂き、大いに期待をしておりました。 残念なことに、御案内のとおり、この後、年明けからの新型コロナウイルスの感染拡大により、県内におけるeスポーツ関連の事業も開催が困難な状況に追い込まれ、普及促進に向けては大きな影響を受けたところです。 しかしながら、この二年間、コロナの時代にあっても、eスポーツはオンライン交流という大義名分の下で、異業種を巻き込んだビジネス機会の創出や安心して楽しめる娯楽としての地位を確立し、世界中で市場が拡大するとともに、eスポーツファン数が増加傾向にあることから、リアルスポーツのプロシーンのように観戦を趣味とする層が確立されるなど、様々な市場、産業への経済効果が生み出されています。 さらには、こうした経済効果だけでなく、eスポーツに社会的な意義を見いだし、普及啓発を進めていくことで、現在ある様々な分野の課題解決に向けて大きなヒントにつながるとも考えます。 まず、医療福祉分野では、リハビリテーションに取り入れること、パラスポーツとしての活用やeスポーツと障害をテーマにした交流会の拡大等があります。 地域活性化分野では、茨城県が県内のeスポーツの盛り上がりに向け、産学官が連携して取り組む土壌づくりを進めるとともに、ビジネスや地域づくり等へeスポーツ活用を促すことで、新たなeスポーツ産業の創造を目指す、いばらきeスポーツ産業創造プロジェクトを行っています。 また、eスポーツは、エイジレス、子供からシニアまで楽しむことができ、一生涯の趣味として心身ともに活性化することが可能。ジェンダーレス、男性、女性の身体的制約を排除して取り組むことが可能。エリアレス、時間、場所を問わず、国際的な交流・文化の醸成も実現可能。ハンディキャップレス、パラスポーツとしての活用や、身体的ハンディを超えた交流が可能。コンタクトレス、今般のコロナ禍の情勢も踏まえ、不要な接触、対面での交流を避けつつ参加することが可能という五つの特徴があり、年齢、性別、国籍、障害等の垣根を超えたダイバーシティー時代の新スポーツであるとも言えます。 近年、eスポーツは実際のスポーツとしても認知され始めています。 IOCは、先般開催された東京オリンピックに併せて、野球ゲームなど五競技の国際大会を開催するなど、コロナ禍にあってもリアルの代わりとなるeスポーツが形づくられようとしています。 以上、eスポーツについて私なりの考えをるる述べさせていただきましたが、重要なのは、しょせんゲームにすぎないという古い認識を捨て、新時代のスポーツとして、世界の潮流に乗り遅れることなく、取組を進めていくということです。 そこでお尋ねいたします。コロナ禍で中断した本県の取組を仕切り直す必要があると考えますが、様々な可能性を持つeスポーツの普及促進に向け、今後、県としてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、特定鳥獣の保護管理についてです。 山口県は、多様な動物が生息する豊かな自然を有しており、このような自然の中で人と動物が良好な関係を築いて共に暮らしていくことは、私たちの生活をよりよいものとしていく上で、大変大きな役割を果たしています。 しかしながら、一方で、イノシシやニホンジカ、ニホンザルなど一部の野生鳥獣によって、農林業者の方々が丹精込めて育てた農林産物が多くの被害を受けており、こうした被害は農林業者の減収にとどまらず、生産意欲の低下、さらには、耕作放棄地の増加にもつながり、被害額として数字に現れる以上に深刻な影響をもたらしています。 昨年度の農林業被害の状況を見てみますと、被害額は、県全体で四億五百万円と平成二十二年度の約八億円をピークに減少傾向にあり、おおむね半減とはなっていますが、依然として厳しい状況には変わりありません。 中でも、ニホンジカについては、県や市町、猟友会の方々が連携して重点的に捕獲に取り組んでいるにもかかわらず、近年、被害額は下げ止まっていることから、さらなる取組の強化が望まれます。 また、県内では近年、ツキノワグマの出没が相次いでいます。 本県と島根県、広島県に生息するツキノワグマは、絶滅が危惧され、国が狩猟禁止とし、その保護を図っている一方で、人里周辺に出没し、農林業被害のみならず、人身被害を起こすケースもあり、地域住民に与える不安感は大変強いものがあります。 ツキノワグマは、県東部を中心に生息しているとされていますが、近年ではその他の地域でも目撃情報があり、昨年度は記録が残る中では過去三番目となる三百六十六件の目撃情報が寄せられるなど、生息数の増加に加え、生息域の拡大も懸念をされています。 こうした中、県では、鳥獣保護管理法に基づき、イノシシ、ニホンジカ、ニホンザルなど生息数や生息域が著しく増加した鳥獣については、第二種特定鳥獣管理計画を策定して生息数の調整に取り組まれ、また、ツキノワグマについては、生息数が少ないことから第一種特定鳥獣保護計画を策定し、保護を図られています。 これらの計画は、本年度が最終年となっていることから、県では現在、次期計画策定に向けた準備を行われていると伺っておりますが、農林業被害など、野生鳥獣による県民生活への影響を最小限にとどめ、県民の安心で安全な暮らしを確保することが重要です。 そこでお尋ねいたします。次期計画の策定に当たり、ニホンジカやツキノワグマなどの特定鳥獣の保護管理にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、不登校児童生徒への対応についてお尋ねをいたします。 本年十月の文部科学省の発表によると、令和二年度の不登校だった小中学生は十九万六千百二十七人、高校生は四万三千五十一人となり、小中学生の不登校は八年連続で増加、一九六六年度の統計開始以降、残念ながら過去最多となってしまいました。 本県においては、小学生で百十一人増、中学生で百三十三人増、高校生が四十三人減と全国と同様の傾向となっています。 この不登校が増加した背景に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響があることは言うまでもありません。感染拡大が収まりを見せている現在は、少しずつ日常を取り戻している学校生活ですが、この一年十か月、学校は大きく揺れたと思います。 一斉休校の三か月間、自宅にしか居場所がなかった子供たちも多かったでしょうし、また学校が始まっても、これまでとは大きく変わった学校生活を送ることで、我慢を強いられた子供たちへの影響は、計り知れないものがあると思います。 また、ある専門家によると、不登校増加の背景には、生きづらさが低年齢化しているとの指摘をされています。これまで、生きづらさを感じるのは思春期の中高生の問題だと考えられていましたが、学校生活の中での人間関係やその他複合的な要因が重なり合い、このような子供たちが増えているとのことです。 こうした中、県教委としては各市町の中学校区にスクールカウンセラーを配置するとともに、市町のスクールソーシャルワーカーの配置に対して支援を行うなど、不登校児童生徒への対応を行っているところです。 しかし、高校生への対応は一定の成果を見せているものの、冒頭述べましたとおり、小中学生の不登校児童生徒が増加の一途を見せている中においては、現在よりも一歩も二歩も踏み込んだ支援を行い、各市町の教育委員会、現場の教職員、さらには民間とも連携をして、一人でも多くの子供たちが学校で楽しい生活を取り戻せるよう取組を充実し、加速していっていただきたいと強く思うのです。 例えば、私の地元下松市には、市が設置をしている不登校児童生徒が通うことができる、希望の星ラウンジという場所があります。ここでは、不登校児童生徒に寄り添い、学校への復帰を支援するとともに、この場所へ通うことで出席扱いとなります。 このような各家庭、児童生徒の状況に応じて柔軟に対応できる居場所づくりの取組が、他市町においても広がるように考えていくべきではないでしょうか。 また、スクールカウンセラー等による相談体制の充実を図ることや、家庭や個人で問題を抱えるのではなく、他人に助けを求めることの重要性を学ぶ機会を親や子供たちに提供することも重要だと思います。 子供たちの居場所をつくること、現場の子供たちのサインを受け止める側の体制を早急に実現していってほしいと考えます。 そこでお尋ねいたします。増加の一途を見せている不登校児童生徒への対応を、今後どのようにしていくのか、教育長の御所見をお伺いし、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)森繁議員の御質問のうち、私からは、萩保健医療圏における中核病院の形成についてのお尋ねにお答えします。 私は、高齢化の進行に伴う医療需要の増大に対応し、県民が生涯を通じて住み慣れた地域で安心して暮らし続けていくためには、より効率的で質の高い医療提供体制を確保することが重要であると考えています。 このため、県では、医療圏ごとの現状や課題、将来に必要とされる医療機能等を見据え、医療提供体制の将来のあるべき姿を示す地域医療構想を策定し、その実現に向けて取組を進めているところです。 萩医療圏においては、医療機関や住民の代表者等が参画する地域医療構想調整会議において協議され、令和二年一月に萩市民病院と都志見病院とを統合し、中核病院を形成することが地域医療構想を推進する重要な方向性として打ち出されています。 県としては、萩医療圏の課題とされる二次救急医療等に対応するためには、調整会議での方針に基づき、二病院の統合による中核病院の形成が必要であると考えており、その推進に向け、国の手厚い財政的支援等が受けられる重点支援区域の選定や、萩市への県職員の派遣など、必要な支援を行ってまいりました。 こうした中、萩市では、お示しのとおり、これまでの方針をゼロベースで見直すこととし、独自に設置した中核病院協議会における議論を踏まえ、このたび、萩市長が、二病院の統合による中核病院の形成に向けて検討を進めていくことを表明されたところです。 私は、このたび示された方針は、前市長の下で既に骨格をまとめ、調整会議で合意された方向性に沿ったものであり、本来あるべき方向性が示されたものと受け止めています。 また、この間、中核病院の形成に関する議論が中断し、地域の医療提供体制の整備に遅れが生じることを懸念していましたが、今後は、調整会議における議論を活性化し、中核病院の形成に向けた動きを加速していくことができるものと考えています。 さらに、先般、地元県議会議員から、地域の現状を踏まえ、中核病院の形成を進めていくために必要な支援に関し、切実な要望を頂いたところです。 私は、頂いた要望を真摯に受け止め、今後、国との調整をはじめ、人的・技術的支援や財政支援等について、県議会の御意見等をしっかりと伺いながら検討してまいります。 私は、地域の医療提供体制を確保するため、調整会議において議論を深め、国や市等との緊密な連携を図りながら、萩保健医療圏における中核病院の形成に向けた取組を推進してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)介護人材の確保についてのお尋ねにお答えします。 高齢化が進行し、要介護者の一層の増加が見込まれる中、質の高い介護サービスを安定的に提供していくためには、その要となる介護人材の確保が重要です。 このため、県では、二○二五年を見据えて策定した第七次やまぐち高齢者プランに基づき、介護職員の処遇改善の支援や介護職の魅力の発信等を行うことにより、介護人材の確保に取り組むこととしています。 まず、介護職員の処遇改善については、国の介護職員処遇改善加算制度等の活用により、賃金の改善が図られるよう、施設の管理者向けの研修や実地指導等を通じて、事業者に対する制度の周知や助言に努めているところです。 また、人材育成やキャリアに応じた処遇など、就業環境の改善に積極的に取り組む事業所を働きやすい介護職場として認証し、ウェブサイト等で広くPRしているところであり、介護現場の意見もお聞きしながら、引き続き、人材確保に向けた事業者の主体的な取組を促進してまいります。 次に、介護職の魅力発信については、子供や若者が介護職の意義を理解し、その魅力をじかに感じ取れるよう、小学生親子バスツアーや中高生等を対象とした福祉の職場体験、インターンシップなど、各段階に応じた効果的なアプローチを行い、将来的な担い手の育成につなげているところです。 また、介護に対するイメージを向上させるためには、現場の声をしっかりと発信することが重要であることから、お示しの介護の日のイベントなど、関係団体等が主体的に企画・運営を行う情報発信の取組を、引き続き積極的に支援してまいります。 さらに、今年度は、介護現場に新たに就職された職員の皆さんに向けた知事からの激励や、新人職員の抱負、先輩職員からのメッセージを動画として取りまとめ、介護関係者はもとより、広く県民の皆様にも介護の大切さや職員の誇り、仕事にやりがいが伝わるよう、県のホームページ等で公開をしています。 県としましては、今後とも、こうした取組を通じ、市町、関係団体等と連携しながら、処遇改善の支援と介護の魅力発信に努め、介護人材の確保に積極的に取り組んでまいります。 次に、薬物乱用防止に向けた普及啓発についてのお尋ねにお答えします。 大麻を含む薬物の乱用は、乱用者自身の精神や身体上の問題にとどまらず、各種犯罪を誘発し、社会全体の問題へと発展するものであり、その防止対策の充実を図っていくことは重要です。 このため、県では、国、県、関係団体で構成する山口県薬物乱用対策推進本部を設置し、啓発活動と取締りの両面から総合的な対策を実施しているところです。 こうした中、県内での違法薬物による検挙者数は減少傾向にあるものの、大麻については、有害性がないなどの誤った情報がインターネット上で広がっており、SNSを通じて入手した若年層の検挙者数は、近年急増しています。 大麻は、覚醒剤等、より有害な薬物を使用するきっかけとなりやすいことから、大麻の入手を抑止することは、違法薬物乱用者全体の減少につながるものと考えています。 このため、県では、SNSを利用した大麻の入手に歯止めがかかるよう、今年度新たに「STOP!大麻!」対策強化事業を開始し、若年層の利用が多いツイッターを活用しながら、違法性を強く訴える警告動画を配信しています。 また、若年層に対する普及啓発の推進については、小・中・高校生を対象に、「薬物乱用ダメ。ゼッタイ。教室」を開催し、薬物の恐ろしさなどを伝えているところですが、今後は大麻の違法性や有害性の啓発に力を入れるなど、内容の充実を図ってまいります。 さらに、今年度、大麻に関する意識等の実態を把握するため、県民を対象としたアンケート調査を実施しており、その結果を警察や学校関係者等で構成する検討会議において分析をし、今後のより一層の普及啓発に生かしていくこととしています。 県としましては、今後とも関係機関等と緊密な連携の下、薬物乱用防止対策に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)eスポーツの普及促進についてのお尋ねにお答えします。 eスポーツは、オンラインを活用した対戦形式のコンピューターゲームのことであり、野球やサッカーなどのバーチャルスポーツのほか、シューティングや格闘など、様々なジャンルの大会が国内外で開催されており、その認知度が高まっています。 このうちバーチャルスポーツは、実在の競技を題材とするもので、スポーツ性が高く、スポーツ活動の裾野拡大や本県への誘客促進が期待できることから、県として、スポーツ振興施策と連携しながら、その普及促進に取り組んでいるところです。 具体的には、これまで、レノファ山口のホームゲーム会場において、プロのeスポーツ選手によるエキシビジョンマッチや体験会を開催してきたところであり、今後、レノファ山口の観客の増加にもつながるよう、こうした取組を再開し、eスポーツへの一層の理解促進を図ってまいります。 また、本県の観光地や実在のルートを再現したバーチャル空間でサイクリングを楽しめる機材を活用しながら、サイクル県やまぐちのPRや、観光プロモーションなどの取組を実施することにより、eスポーツの普及につなげていきたいと考えています。 さらに、今後、県内各地で開催される様々なスポーツイベントへのeスポーツ関係団体の参加が促進されるよう、市町等に対して働きかけを行い、県民の理解促進や機運醸成につなげていくこととしています。 県としては、市町や関係団体と連携しながら、スポーツの裾野を広げ、交流人口の拡大につながるeスポーツの普及促進に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)神杉環境生活部長。 〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 環境生活部長(神杉さとみさん)特定鳥獣の保護管理についてのお尋ねにお答えします。 県では、野生鳥獣による農林業被害に対し、防護と捕獲の両面から対策に取り組んでおり、イノシシ、ニホンザル、ニホンジカなど、生息数の著しい増加等により深刻な被害をもたらす鳥獣について、管理計画を策定しています。 管理計画では、適正な生息数や生息域に縮小させるため、年間捕獲目標頭数等を設定し、市町や猟友会と連携しながら、計画的な捕獲等を推進しているところです。 これらの結果、イノシシとニホンザルによる農林業被害額は、平成二十七年度の三億五千万円から昨年度は二億五千万円に減少しており、一定の成果が見られます。 一方、ニホンジカによる被害額は、平成二十七年度以降、九千万円前後で推移しており、また、生息頭数も令和二年度末で過去最高となる二万六千頭と推計されることから、次期計画においては、年間捕獲目標頭数を現行計画の五千二百頭から大幅に引き上げたいと考えています。 このため、県の鹿捕獲事業を引き続き実施するとともに、主要な生息地である下関市、長門市全域で現在規制している、くくりわなを使用できるようにし、捕獲の強化を図ることとしています。 また、山口県、島根県、広島県の三県共同で保護計画を策定し、保護に努めてきたツキノワグマについては、昨年度行った生息状況調査において、個体群を維持するために必要な八百頭を上回る約千三百頭と推定され、生息域も拡大しているという結果になりました。 この結果を踏まえ、次期計画においては、保護計画から管理計画に変更し、個体群の安定的な維持を前提に、現状の生息域を拡大させないこと、及び人身被害ゼロを目標とすることとしています。 このため、居住地や農耕地等、人の生活に関わる地域や、これまで熊が生息していなかった地域で被害防止を目的とした捕獲を実施するとともに、熊を引き寄せる原因となる放置された柿や栗などの除去の徹底等を呼びかけてまいります。 県としては、今後とも、特定鳥獣による農林業被害等の低減を図り、県民の安心で安全な暮らしを確保するため、市町や猟友会などの関係団体と連携し、野生鳥獣の適正な管理に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)不登校児童生徒への対応についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルス感染症の影響の長期化などにより、児童生徒を取り巻く家庭・地域社会の在り方が大きく変容しており、不登校の要因や背景もますます多様化・複雑化しています。 このような中、不登校児童生徒に効果的な支援を行うためには、不登校の要因や背景を的確に把握するとともに、児童生徒に寄り添った対応をすることが重要です。 このため、県教委では、学校以外の場所を含めた一人一人の状況に応じた居場所づくりや、様々な課題を抱えた児童生徒の不安や悩みなどに対応できる多様な教育相談体制の整備に取り組んでいます。 具体的には、まず、子供たちの居場所づくりに向けて、お示しの下松市の事例のように、各市町教委において教育支援センターを設置するなどして、体験活動、教育相談等、児童生徒の社会的自立や学校復帰を目指し、個々の状況に応じたきめ細かな支援を行っています。 また、県教委においては、このような市町教委の取組を支援するとともに、今年度新たに、不登校児童生徒支援協議会を設置し、各市町教委と不登校の実情や支援に関するニーズ・方策等についての情報共有を行い、フリースクールなどの民間施設等との連携による支援体制の構築に向けて検討しているところです。 次に、子供たちのサインを受け止める多様な教育相談体制の整備については、各学校において、教員による積極的な声かけや教育相談、定期的なアンケートの実施に基づく個別支援に取り組むとともに、子供たちが他人に助けを求めることの重要性を学ぶ、SOSの出し方に関する教育にも取り組んでいます。 また、県教委では、二十四時間対応のSOSダイヤルや、SNS等を活用した、悩み連絡室@やまぐちに加えて、今年度から、一人一台タブレット端末を活用したオンラインによる相談・カウンセリング体制を整備するなど、多様な方法により児童生徒の悩みを把握し、関係機関等と連携して問題の早期解決に努めているところです。 県教委といたしましては、様々な悩みを抱える子供たちの相談を幅広く受け止め、子供たちに安心できる居場所を提供できるよう、今後とも、市町教委や関係機関と連携し、不登校児童生徒に対する支援の一層の充実に努めてまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時三十一分休憩