討論
───────────────────── 討 論 議長（柳居俊学君）これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、持ち時間の範囲内において発言を許します。 木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕（拍手） 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。 日本共産党山口県議団を代表して、本臨時議会に上程された議案第一号、副知事に平屋隆之氏を選任することに同意を求める件について、同意できないその理由を述べて、討論を行います。 副知事の役割については、地方自治法第百六十七条、普通地方公共団体の長を補佐し、普通地方公共団体の長の命を受けて、政策及び企画、これをつかさどり、その補助機関である職員の担任する事務を監督する、このことを規定しています。 よって、日本共産党はこれまで、アメリカ言いなり、財界中心の自民党政権に追随する歴代知事の命を受け、政策及び企画をつかさどる、その補助機関である職員の担当する事務を監督をする役割を担う副知事の選任議案には、不同意を貫いてきました。 今回、副知事への選任が提案された平屋氏のその人格及び見識は、私も高く高く評価しておりますが、前述した理由をもって、平屋氏の副知事への選任には同意できません。 加えて、皆さんも御承知のとおり、今回の副知事の人事案件が提案されたのは、前任の小松一彦氏が、公職選挙法が禁ずる公務員の地位利用、これで略式起訴をされ、三十万円の罰金刑を科せられた末に、辞任したためであります。 県警捜査二課、この調べでは、小松前副知事は、五人の部次長級の職員に数十枚から数百枚の後援会入会申込書を手渡していました。ほかの職員も合わせると、総数は数千枚に上り、知事部局の全ての部局、これに加えて、知事部局以外の一部の部署にも回っていました。 公選法は特別職を含む全ての公務員の地位を利用した選挙運動や後援団体への勧誘といった選挙運動の類似行為を禁止しています。 許認可など大きな権限を持つ公務員が、その地位を利用して特定党派、これへの候補の選挙運動をすることは、公平性を著しく損ない、民主主義を根底から揺るがす、極めて無残な行為でもあります。 重大なのは、県警がこうした違法な勧誘について、過去の様々な選挙でも常習的・慣例的に行われていたという見解を明らかにしたことであります。 全体の奉仕者の任を全うすべき職員を、長年にわたって集票マシンかのように政治利用していた、このことが明らかであり、法令への認識への麻痺は、行政への信頼を失わせています。 さらに問題なのは、小松氏を副知事に推した村岡知事御本人が、昨年十二月二十八日の会見で新聞記者から、自民党の国会議員の選挙の出陣式とか、個人演説会などに、県の職員が数多く参加している行為も、今後一切なくすつもりなのかと問われて、これに対して、県の組織を使った形で、何らかの活動がいろいろと行われているんだろうな、こういうことは雰囲気として感じていたと吐露されたことであります。 要するに、今回、小松氏が罪に問われた行為に類する行為・活動が、長年にわたって組織的に行われていたことを、知事御自身、薄々であれ、承知されていたわけであります。 気づかれた時点で、副知事に対する監督責任を持つ知事が、毅然とした対応を指示していれば、今回、明るみになったような大規模な事件を防ぐことができたはずであります。 こうした経緯を見るときに、知事が負うべき監督責任、任命責任、これが十分には果たされていないことは明らかであります。 新たな副知事の選任は、知事の監督責任、任命責任を果たした上で、きちんと提案されるべきであり、よって、本同意案件には、二重の意味で同意はできません。 以上、和をもって貴しとなすことの多い県政運営に対して、あえて苦言を申し述べて、討論といたします。 御清聴ありがとうございました。（拍手） 議長（柳居俊学君）これをもって、討論を終結いたします。