1 農業試験場跡地の利活用について 2 有事に備えた平時からの医療提供体制の整備について 3 今後の観光振興について 4 卸売市場を活用した地産地消の推進について 5 農業振興について 6 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第五十七号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第五十七号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 俵田祐児君。 〔俵田祐児君登壇〕(拍手) 俵田祐児君 皆様、おはようございます。自由民主党の俵田祐児でございます。 質問に先立ちまして一言申し上げます。 改めまして、村岡知事におかれましては、さきの知事選挙で八七%を超える得票率により勝利を収められ、三期目となる県政のかじ取り役に御就任されましたこと、誠におめでとうございます。 選挙戦を振り返りますと、知事はコロナ対策に専念し、県庁での指揮に注力すると決断され、選挙期間中、知事自身による県内各地を巡る演説が行われない選挙となりました。 この間、私自身、自由民主党の県議会議員として支持を訴えてまいりましたが、県民からは、公務に専念されるのは知事の責任感の強さであり仕方がないと、知事の判断に納得される一方で、少しでも直接会って、三期に向けた知事の意気込みや決意を聞きたかった、大変残念だとの意見も伺ったところです。 しかし、日々変化するコロナの動向に迅速に対応し、的確な対策を講じていく力強いリーダーシップを発揮される知事の姿を各種メディアを通じて県民の皆様が接することにより、多くの支持につながったものと思います。 村岡知事におかれましては、こうした県民の皆様の思いや、知事に代わって選挙活動を支えられた方々の思いに応え、コロナの危機感から県民を守り抜き、安心で希望と活力に満ちた県づくりの実現にしっかりと取り組んでいかれることを期待しています。 一方で、残念な結果であったのは、過去最低となりました投票率です。候補者同士の論戦が乏しかったことや、コロナの影響があったのかもしれませんが、選挙戦自体盛り上がりに欠け、三人のうち二人が投票されないという状況となりました。 また、昨年の衆議院議員選挙においても、全国で山口県だけ投票率が五○%を下回るなど、県民の政治への関心や期待などの低下が懸念されるところです。 県民の政治への意識を高めていくためには、行政の様々な取組を知ってもらうことはもちろんのこと、県民の意見がしっかりと行政に届き、その声が施策へと反映され、県民の暮らしの中で実感していただく、こうしたことを通じて政治への参加意識を高めていくことが重要と思います。 そして、その役割を大きく担っているのが、県民と行政をつなぐパイプ役として各地域から選出された我々議員であり、その責任は非常に大きいと改めて感じています。 私自身、これまで以上に県民の皆様の県政に対する意識の醸成を常に心がけ、村岡知事をはじめ執行部の皆さんや県民の皆さんと共にさらなる県政の発展に向けて自らの責務を全うしていくことを誓い、通告に従いまして質問に入らさせていただきます。 まず初めに、農業試験場の利活用についてお尋ねをいたします。 防府市で整備が進められている農林業の知と技の拠点のオープンに伴い、山口市大内にある農業試験場の廃止が、いよいよ一年後に迫ってきました。かねてから申し上げてきたように、残された農業試験場の跡地は、山口市内に残された唯一とも言える貴重な大規模開発が可能な一体の土地であるとともに、山口市街地と防府市街地を結ぶルート上にあり、人口も多く、市の心臓部ともなり得る地区に位置しています。 この跡地の行方は、今後、山口市が進める県央部の広域的なまちづくりに多大な影響を及ぼすものとなることから、県と市が十分な連携の下、利活用を進めていく必要があるとの渡辺前市長の思いを受け継ぎ、現在の伊藤市長もさきの市長選で公約の柱の一つとして掲げられました。 市長就任後、間もない昨年十一月には、村岡知事に対し、跡地の有効利用に関する大きな方向性を県と市が共同でつくることを提案され、同時に今後の利用計画の策定に当たっては、県全体の発展につながる県施設等の検討についても要望されたと承知しています。 私も地元山口市選出の県議会議員として、また、新旧市長を全面的に支援する立場から、これまでもこの議場で、地元山口市の意向を最大限に尊重した上で、協議・検討を進めていただきたいこと、また、周辺部の慢性的な渋滞、雨水排水対策や土壌調査など、具体的な課題への対応について取り上げてきました。 こうした中、先月二十一日、県と市の幹部職員が出席した跡地利用検討協議会の第二回会合が開催されました。 この会合では、課題の一つとして指摘されてきた土壌調査を実施し、対策を行うことが報告されたとともに、来年度に跡地利用の基本構想を、令和五年度には跡地の利用計画を検討・策定していくことが決定されたとお聞きしており、まずは一歩を踏み出すことができたと一定の評価をしています。 一方で、現在周辺部の慢性的な渋滞解消に向けた調査・分析を実施しており、跡地の具体的な利用計画を踏まえ、今後の対策を検討していくとのことですが、先行して対策開始が可能な箇所等については、早期に着手していただきたいと考えています。 また、地域住民から既存の緑地・グラウンドを活用した公園整備や大内地域交流センターの移転新築などの要望が寄せられているとの報告が山口市からされたとのことであり、県におかれては、地域の思いをしっかりと酌み取り、今後の計画策定段階において、丁寧な対応をしていただきますようお願いいたします。 コロナで苦しんだ分、その何倍も勢いをつけて山口県を発展的に再生させていく。光栄なことに、選挙対策本部事務局の一員として、私もその場に出席させていただきましたが、当選確実の一報が入り、集まった陣営関係者を前に、村岡知事が述べられた決意です。 知事の言葉をお借りするならば、この跡地についても農業試験場がなくなった分、その跡地をてこに、山口市、そして、山口県を発展的に再生させていかなければならないとの決意を新たにしたところです。 県におかれましても、地域の喪失感、切実なる思いを真正面から受け止めていただき、その具体化に向けて一層の御尽力を賜りますよう重ねてお願いをいたします。 そこでお尋ねをいたします。農業試験場等の跡地利用について、これまでの取組を含め、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、有事に備えた平時からの医療提供体制の整備についてお尋ねいたします。 新型コロナ感染症との闘いは、はや二年が経過し、全国の感染症は今なお増え続け、今後も長期化が想定されるところですが、県民の日常生活を脅かす脅威は、感染症だけではありません。新興感染症や自然災害等を含むあらゆる有事から県民を守るためには、医療提供体制を不断に見直し、強化を図っていくことが重要です。 関係団体から、我が会派に対しては、専門的な知識を持った看護師の配置や、歯科医療提供体制の構築について要望を頂いているところですが、このたびの当初予算では、これに対応する事業が計上されており、県による今後の取組に高い期待を寄せています。 そこで、有事に備えた平時からの医療提供体制の整備について、二点お尋ねいたします。 まず一点目は、感染管理認定看護師の養成についてです。 新型コロナへの対応においては、県がこれまで県立大学での研修等を通じて養成を行ってきた感染管理認定看護師が活躍しています。 感染管理認定看護師が配置されている病院では、クラスターが発生しても感染者数が比較的少なく、早期に収束に向い、また、多くが外来診療・入退院を継続して実施できていると伺っています。 さらに、平時における研修の講師や社会福祉施設への巡回指導、クラスター発生時の技術的指導の実施など、今や感染管理認定看護師は、本県の医療提供体制において欠かすことができない存在となっています。 しかしながら、県立大学での感染管理認定看護師の資格取得研修は、平成二十七年度の実施を最後として、現在は県外でしか受講ができず、また、研修期間が六か月以上と長期にわたり、研修期間中職員不足や費用負担等の問題もあることから、近年では新規の資格取得が進んでいない状況にあります。 そのため、本県の感染対策レベルのさらなる引き上げに当たっては、感染管理認定看護師の研修を県内で受講できる環境整備を進めていくことが必要と考えています。 そこでお尋ねいたします。本県の医療提供体制の一層の強化に向けて、感染管理認定看護師の養成に、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 二点目は、歯科医療提供体制の構築についてです。 自然災害における避難生活では、水や歯ブラシなどの不足等により口腔ケアが不十分になりやすく、口腔環境の悪化が問題視されています。 近年、自然災害が激甚化し、長期間の避難生活を余儀なくされるケースも多く、特に高齢者や障害者、基礎疾患のある方などリスクの高い方は、歯・口腔の状態の悪化により、基礎疾患の重症化や肺炎、脳卒中等、全身の病気の発症など、二次的健康被害へと進んでいくことが懸念されており、医科と連携した歯科医療提供体制は、まだ十分とは言えず、全国的にも課題とされています。 地震、大雨などの自然災害等あらゆる有事に際しても、県民が健康で安心して暮らしていくためには、有事における県民の口腔機能維持に向け、医科と歯科の連携をはじめとした多職種連携による歯科医療提供体制の構築が平時の段階から進めていくことが重要と考えています。 そこでお尋ねいたします。有事に備えた平時からの歯科医療提供体制の構築について、今後どう取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、今後の観光振興についてお尋ねいたします。 観光業は、宿泊業や交通業、飲食業、物産業等関連する業種が多く、経済波及効果の高い産業であり、雄大な大自然や歴史的建造物、温泉等、全国に名立たる観光資源を数多く有する本県における基礎産業の一つです。 しかしながら、現在、本県の観光業は、コロナ禍において幾度となく繰り返された行動制限により、かつてないほど疲弊しています。 そのため、我が自民党山口県連は、これまで繰り返し観光の再生を訴えてきたところであり、知事もコロナにより傷んだ地域経済と暮らしの回復に最優先で取り組むと力強く宣言されています。 こうした中、我が地元山口市は、昨年七月から十二月末まで、県央六市町をリードして、山口ゆめ回廊博覧会を開催しました。 一昨年のプレ開催を含め、コロナ禍真っただ中の大規模イベントであったことから、山口市にとって難しい挑戦であったと推察しますが、渡辺前市長をはじめ各首長の御英断により感染対策を徹底しながら、芸術や祈り、産業等をテーマに、各市町の魅力を体感できる二百を超えるプログラムが開催されました。 そして、渡辺市政時代からゆめ博に取り組んでこられた伊藤市長が、そのバトンをしっかりと受け継ぎ、十二月末のフィナーレまで成功に導いたところです。 このゆめ博を通じて、県央七市町では、特別な場所で体験するアートと食のコラボレーションイベントや、普段見ることのできない場所へ案内するスペシャルな町歩きなど、もともと強力な観光資源にさらに磨きをかけたところであり、さらに現在山口市は、本県観光のさらなる起爆剤として、湯田温泉パークの整備を進めるとともに、県と連携してG7サミットの関係閣僚会合の誘致に取り組んでいます。 このように各市町は、コロナ禍においても感染対策と観光振興を両立させて地元経済の維持・活性化を図るとともに、本県観光がかつての活気を取り戻し、観光地ににぎわいが戻る、そのときに備え、着々と準備を進めています。 しかしながら、本県観光の真の復活には、こうした各市町の取組を束ね上げ、県内外に打ち出す県の強力なプロモーションが欠かせません。 今、感染状況は全国的にも縮小傾向にあり、文字どおり、これから観光の冬の時代が終わりを告げ、ハイシーズンである春が到来します。 コロナへの警戒は決して怠ってはなりませんが、未来に不透明感と期待感の入り交じる今だからこそ、観光関連事業者を勇気づけ、奮い立たせる県の積極果敢な姿勢や力強いメッセージが求められています。 そこでお尋ねいたします。いまだコロナ収束の見通しが立たない中で、感染対策の徹底と県内経済の再生の両立が求められていますが、今後、コロナといかに向き合い、どのように観光を再生・発展させていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、卸売市場を活用した地産地消の推進についてお尋ねいたします。 私が日頃から利用させていただいている飲食店のほとんどは、地産地消の観点から、県内で生産・漁獲された食材を数多く扱われており、その食材の特徴や魅力などの情報を私たち利用者に伝えてくださっています。 特に、山口の地酒に合わせた料理や素材の説明を受けた後に、おいしい料理を頂くことは、山口で暮らしている幸せを感じるひとときでもあります。 地元の食材を積極的に利用されている、こうしたお店は、一店舗での経営が多いため、チェーン展開する店舗に比べて少量多品目の発注となることから、市場や仲卸業者などを通じた取引でなければ安定した食材の入手が困難です。 また、現在のようなコロナ禍においては、来店者の動向が直前まで分からないことも多く、食材の発注量等が不安定になっていることから、そのクッション役を担っている卸売市場をはじめとした流通関係者の役割はとても重要だとの声も聞いています。 卸売市場は、青果物、水産物、食肉、花卉などの生鮮食料品等の円滑な流通を確保する機能を有しており、本県においても各地域で県や市が開設する公設市場に加え、民間が設置・運営する民設市場などがあり、地域食材の流通拠点となっています。 しかしながら、消費者ニーズの多様化やネット通販の伸長、大手スーパーなどによる直接買い付けなどにより、生鮮品に関する流通が多様化し、卸売市場に求められる役割が大きく変化しています。 その一方で、本県のように三方が海に開かれ、小規模ながらも中山間地域から平たん部までの多様な環境で生産が行われている地域では、少量多品目の生産構造となることから、大規模産地に比べて流通コストの低減や複雑な流通ルートの確保など、これまで以上に卸売市場への期待が大きくなっている状況にあります。 また、卸売市場は、こうした食材の安定供給という面のほかに、消費者への食材情報の発信という役割も有しています。 水産においては、カモンワーフや萩しーまーとなど、市場と隣接した形で直接消費者に本県水産物のPRや販売を行う交通拠点としての役割を担っている施設が数多くありますが、残念ながら青果市場においては、水産市場に比べて、こうした交流拠点の発揮が十分にできていないのではないかと感じています。 平成三十年には、卸売市場法が改正され、現物を市場に搬入しない商物分離の取引や一般小売店等への直接販売、卸売業者自らが買受けを行う自己買受けなど、これまで禁止されていた事項について、開設者が取引関係者の意見を聞いた上で自由に設定できるようになるなど、生鮮品の流通を取り巻く環境も大きく変化しています。 私は、卸売市場の果たす役割や機能が変化している中、本県が自然豊かな環境を有し、多彩な食材を生み出す県であるからこそ、卸売市場がその機能を発揮しながら、少量多品目の安定供給と本県食材の魅力の発信にしっかりと対応し、コロナ禍の影響を受けながらも、地元の食材を応援してくださっている飲食店等と一緒になって地産地消を進めていくことが重要だと考えています。 そこでお尋ねいたします。地産地消のさらなる推進に向けて、卸売市場が有する機能を最大限発揮することができるよう、各地域の特性や創意工夫を生かした取組が重要と考えますが、県として今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、農業振興についてお尋ねいたします。 昨年、農林水産省が公表した農林業センサスによると、本県の基本的農業従事者がこの五年間で約三割減少し、六十五歳以上の割合が八五%に達するなど、本県農業を支える担い手の状況は大きく変化しています。 こうした中、農業従事者数が大きく減少しているにもかかわらず、農作業死亡事故発生件数は横ばい傾向にあり、本県においても、令和元年に六名、令和二年には七名の方が亡くなるなど、農業機械の運転に起因する重大な事故が毎年発生しています。 これは、農業従事者の高齢化に加え、農業機械の大型化や高機能化が進んだことにより、スマート農業機械の操作に不安を有する農業者や、家族農業内での世代交代によって、農業経験がほとんどなく、初めて農業機械を操作する人たちが増加していることも要因になっているのではないかと受け止めています。 農業に限らず、あらゆる産業において、事故なく安全に作業を行うことは、産業振興の基本です。そうであるからこそ、私は、高齢者だけでなく、幅広い世代を対象に、近年、大型化・高機能化している農業機械を使いこなすことができる操作技術の習得や、安全に農作業に従事するために必要な知識の習得を進めることが重要だと考えています。 県においては、スマート農業技術の普及に向けて、技術講習会を開催されているほか、道路運送車両法の運用見直しにより、農耕車限定の大型特殊自動車免許取得に向けた研修の需要が高まったことを受け、総合交通センターと連携しながら研修回数を増加するなど、担い手の技術習得や資格取得に向けた様々な取組を行っておられます。 本県農業をさらに成長・発展させるためには、未来を担う人材や中核経営体の確保・育成が必要であることは言うまでもありませんが、私はこうした担い手が日々進化する農業機械を正確かつ安全に駆使できるよう、県には技術習得等に関する農業者等からの要望を踏まえながら、関係団体等と連携して、迅速かつ適切な取組を今後もさらに積極的に展開していただきたいと考えています。 そこでお尋ねいたします。本県農業を支える担い手の状況が変化している中、本県農業の振興に向けて、日々進化している農業機械の操作技術、安全対策の向上が重要と考えますが、県として今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 以上で、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)俵田議員の御質問のうち、私からは農業試験場跡地の利活用についてのお尋ねにお答えします。 防府市の農業大学校に農業試験場と林業指導センターを移転・統合し、即戦力人材の育成と先端技術の開発に一体的に取り組む農林業の知と技の拠点の整備は、今年度、新本館や連携・交流館の建築に着手し、令和五年四月の供用開始に向け、着実に取組を進めているところです。 この移転に伴い、特に山口市大内地域の農業試験場跡地は、約十九ヘクタールの広大な敷地であることに加え、山口市と防府市を結ぶルート上に位置し、魅力あふれる県都づくりや県央部の広域的なまちづくりにつながる大きなポテンシャルを秘めています。 このため、県と山口市で構成する農業試験場等跡地利用検討協議会を設置し、これまで、地域の発展に資する利活用方策をはじめ、周辺地域の諸課題への対応等について、地元の意向を踏まえながら検討を進めてきました。 具体的には、交通渋滞の原因を分析するための県道山口防府線の交通量調査や、圃場の保水機能を踏まえた雨水流出量の推計、農薬等の試験研究が行われてきたことによる土壌調査に向けた事前調査を実施し、県と市の実務レベルで構成する幹事会等において協議してきたところです。 あわせて、公的施設による利活用について、地域の実情や地元の要望等を踏まえた山口市の意向として、公園機能の整備や大内地域交流センターの移転新築など、一定程度の方向性が示されたところです。 このため、先月開催した第二回協議会では、お示しのとおり、県と市が連携して、今後の跡地利用を総合的かつ効果的に進めるため、来年度に跡地利用基本構想を、令和五年度に利用計画を策定することについて決定をいたしました。 構想の策定に当たっては、跡地のポテンシャルや将来性を見据え、地域が抱える諸課題や地元要望を踏まえた施設や機能の導入などについて、必要に応じ民間事業者の専門的な知見等も活用しながら、協議会において検討を進め、その後の具体的な利用計画につなげていきたいと考えています。 また、周辺部の渋滞対策については、跡地の具体的な利用計画を踏まえた長期的な対策の検討に先立って、渋滞の緩和に向けた右折レーンの延長など、当面の対策についても検討を進めてまいります。 私は、今後も山口市と十分な連携の下、県議会でも御議論を頂きながら、市全体のまちづくりの推進や県央部の広域的な発展につながる効果的な跡地利用が図られるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)弘田健康福祉部長。 〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 健康福祉部長(弘田隆彦君)有事に備えた平時からの医療提供体制の整備についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、感染管理認定看護師の養成についてです。 感染管理認定看護師は、自施設の感染管理に加え、県内の福祉施設等への巡回指導や研修会の講師など、県全体の感染予防・拡大防止対策における指導的な役割を担っています。 このため、県では、これまで資格取得研修に係る受講料の補助等により、感染管理認定看護師の確保に努めてきたところであり、現在五十五人の方が県内の医療機関等で活躍されています。 こうした中、今般の新型コロナウイルス感染症を踏まえ、今後とも起こり得る新興感染症の発生を想定した対策が求められており、感染拡大時に迅速かつ的確な対応が実施できる体制の確保が必要となっています。 また、お示しのように、感染管理認定看護師の資格取得研修については、現在、県外でしか実施されておらず、研修期間も長期にわたるため新規取得が進まない状況にあります。 このため、県としては、本県の感染管理体制の一層の強化のためには、その要となる感染管理認定看護師のさらなる養成が重要であることから、来年度、県立大学において養成研修を開講し、三年間で新たに四十五人、県内で合わせて百人の専門人材の確保・育成等に取り組んでまいります。 さらに、派遣を行う医療機関等の負担を考慮し、受講しやすい環境づくりに向け、研修の実施に当たっては、eラーニングを導入するとともに、研修期間中の代替職員の経費への助成等を行ってまいります。 県としましては、今後とも医療機関等との連携の下、感染管理認定看護師の着実な養成により、県全体の医療提供体制の強化に努めてまいります。 次に、歯科医療提供体制の構築についてです。 自然災害の避難生活においては、歯科受診の中断、水・口腔ケア用品の不足などにより、本人が気づかないうちに、歯・口腔の状態が悪化していくことが課題となっています。 このため、県では、災害発生時にも、歯科医師や歯科衛生士が歯科診療や口腔ケアに対応できるよう、県歯科医師会と連携して、災害時歯科保健活動マニュアルの作成やポータブル歯科診療セットの整備に取り組んでいるところです。 こうした中、お示しのとおり、災害の激甚化に伴う避難生活の長期化により、歯・口腔の健康状態の悪化が、誤嚥性肺炎や低栄養など、全身の健康状態の悪化へとつながることが懸念されています。 このような有事においては、様々な角度で全身のケアを図る必要があり、医師と歯科医師など多職種による関係機関の緊密な連携の下、患者一人一人の全身の健康状態に応じた支援体制の整備が重要であると考えています。 このため、来年度、医科や歯科の医療関係者に加え、行政、有識者等からなる検討会を新たに設置し、関係者の役割や連携の在り方等について検討を行い、歯科保健活動や県・市町の健康管理マニュアル等へ反映するなど、支援体制を強化することとしています。 県としましては、関係機関との連携の下、自然災害等の有事にも県民の健康が守られるよう、歯科医療提供体制の構築に向けて、積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)三坂観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 三坂啓司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(三坂啓司君)今後の観光振興についてのお尋ねにお答えします。 コロナ禍の長期化に伴い、本県の観光産業は、これまでにない大きな打撃を受け、地域経済に深刻な影響が生じています。 観光産業は、地域経済に与える影響が極めて大きいことから、県としては、昨年十月に策定した山口県観光V字回復プランに基づき、著しく疲弊した観光産業を力強く再生させるための取組を積極的に展開することとしています。 具体的には、落ち込んだ観光需要を強力に喚起するため、旅々やまぐち割や、やまぐち割引宿泊券の事業に加え、新たに全国規模の需要喚起策である「Go To やまぐち事業」を切れ目なく実施することにより、観光事業者の反転攻勢を後押しします。 また、観光産業の再生に向けては、誘客促進につながる強力なプロモーションが不可欠であることから、本県の誇る絶景や温泉等の資源を生かした魅力的なイベント等を実施するとともに、関西圏での観光情報発信会の開催や、旅行会社等と連携した効果的な観光PRに取り組みます。 さらに、新たなプロモーションとして、観光動態に関するビッグデータを詳細に分析し、旅行客の年代や嗜好などに即した広告をターゲットごとにSNS等で効果的に発信するとともに、旅行客のニーズに応じた魅力的な観光地づくりも進めていくこととしています。 こうした取組に加え、韓国や台湾など、海外の重点五市場に対しても、デジタル技術を活用し、各市場のターゲットやニーズに即した効果的なプロモーションを展開し、往来再開後のインバウンド需要を本県に着実に取り込むこととしています。 県としては、今後とも感染状況や経済動向を見極めつつ、市町や関係団体等と緊密に連携し、本県観光の再生・発展に向けて積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)松岡農林水産部長。 〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 農林水産部長(松岡正憲君)卸売市場を活用した地産地消の推進についてのお尋ねにお答えします。 卸売市場は、農林漁業者に生産物の安定的な販路を提供し、飲食店や量販店等の実需者への供給拠点になるとともに、消費者に産地や旬の食材等の各種情報を発信するなど、地産地消を推進する上で重要な役割を果たしています。 こうした中、お示しのように、消費者ニーズや流通ルートの多様化が進んでいることから、引き続き、本県の多彩な食材等をしっかり利用していただけるよう、市場が持つ安定供給や情報発信の機能を一層強化していくことが必要です。 このため、まず食材等の安定供給については、生産者の市場出荷への意識を高めるため、産地に市場関係者や実需者などを招聘する産地交流会を通じて、消費者ニーズや市場出荷のメリット等について理解促進を図ります。 また、需要に即した農産物等の市場での取扱いを拡大するため、生産者が市場関係者や実需者に直接プレゼンテーションを行う需給連携会議を通じて、栽培方法や商品規格等に反映させるマーケットインの取組を支援します。 さらに、卸売市場法の改正により可能となった、複数の市場で農林水産物の過不足を調整する市場間ネットワークの取組を支援し、物流の効率化と価格の安定化を図ります。 次に、情報発信については、青果物をはじめとした旬の農林水産物の入荷状況など、最新の情報をぶちうま!アプリ等を通じて発信するとともに、地産地消応援団ぶちうま一〇〇の御協力を頂きながら、食材の魅力や地産地消料理等の情報について、SNSを通じ幅広くPRします。 県としては、地産地消のさらなる推進に向けて、関係機関、団体等と連携しながら、生産、流通、消費の各段階において、卸売市場が有する機能が最大限発揮されるよう、積極的に取り組んでまいります。 次に、農業振興についてのお尋ねにお答えします。 近年、農業者の高齢化や農業機械の大型化・高機能化などの理由により、高齢者を中心に農作業死亡事故等が発生していることから、機械の操作や農作業安全に関する知識・技術の習得を一層進めていくことが重要です。 このため、若い人材から高齢者まで幅広い世代が、進化する農業機械を正確かつ安全に駆使できるよう、操作技術の習得を支援するとともに、農作業安全に関する指導体制を強化することとしています。 まず、技術習得の支援については、農業者が自らの技能に応じた技術を学べるよう、機械の構造や操作方法を学ぶ基礎的な研修から、最新のスマート農業を実際に操作・体感できる高度な研修に至るまで、農機メーカー等の協力を得ながら実施します。 また現在、整備を進めている農林業の知と技の拠点において、新たに土地利用学科を設置することとしており、充実したカリキュラムや指導体制の下で、日々進化する農業機械を使いこなせる人材を育成します。 次に、指導体制の強化については、農業者からの相談に迅速かつ適切に対応できるよう、来年度から国が行う農作業安全研修を受講した職員を各農林水産事務所に配置するとともに、JA等と連携した農作業安全研修会を開催するなど、農作業事故の防止を図ります。 なお、お示しの農耕者限定の大型特殊自動車免許取得研修については、来年度から農業団体や農機メーカーの担当者を指導者として育成し、県や関係団体で構成する農作業安全協会による研修を新たに実施することで、年間の実施回数を増加します。 県としては、本県農業の振興に向け、関係機関・団体と連携しながら、農業の担い手が農業機械を安全に操作し、その機能を十分に発揮できるよう、技術取得の支援や農作業の安全対策に積極的に取り組んでまいります。